JP3482201B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3482201B2
JP3482201B2 JP2002064846A JP2002064846A JP3482201B2 JP 3482201 B2 JP3482201 B2 JP 3482201B2 JP 2002064846 A JP2002064846 A JP 2002064846A JP 2002064846 A JP2002064846 A JP 2002064846A JP 3482201 B2 JP3482201 B2 JP 3482201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法に係り、特にその信頼性の向上対策に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIの小型化,高速動作化に伴
って、LSI中のMISFETのスケーリング則に沿っ
た各部の寸法の縮小が要求されており、特に、ゲート電
極とソース・ドレインとなる活性領域のコンタクトとの
マージンの縮小がますます必要となってきている。一般
的に、ソース・ドレインコンタクトがゲート電極やサイ
ドウォールにオーバーラップして形成されることを許容
するセルフアラインコンタクト(以下、「SAC」とい
う)の場合、コンタクトとゲート電極との間の短絡,コ
ンタクトと半導体基板のサイドウォール直下方の領域と
の間の短絡を防止するために、ゲート上保護膜とサイド
ウォールは、層間絶縁膜を構成する酸化膜に対してドラ
イエッチ選択比の高いシリコン窒化膜によって構成され
ている。
【0003】図8(a)〜(c)は、従来のポリメタル
ゲート電極を有しSAC構造のpチャネル型MISFE
Tの製造工程を示す断面図である。一般には、他の領域
にnチャネル型MISFETが形成されるが、図8
(a)〜(c)においては、n型MISFETの製造工
程の図示は省略されている。
【0004】まず、図8(a)において、Si基板10
1の主面上に、ゲート絶縁膜として機能するシリコン酸
窒化膜を形成した後、LPCVD法により、シリコン酸
窒化膜の上にポリシリコン膜を堆積する。このとき、S
i基板の裏面にも裏側ポリシリコン膜120が堆積され
る。そして、表側のポリシリコン膜のうちpチャネル型
MISFET形成領域に位置する部分に、p型不純物イ
オンであるボロンイオン(B+ )を、加速エネルギー5
keV,ドーズ量3×1015cm-2の条件で注入する。
なお、一般的には、nチャネル型MISFET形成領域
には、n型不純物イオンが注入される。さらに、スパッ
タにより、厚み50nmの金属膜を堆積した後、金属膜
の上に厚み100nmのシリコン窒化膜を堆積する。こ
のとき、Si基板101の裏側ポリシリコン膜120の
上にも裏側シリコン窒化膜121が堆積される。その
後、フォトリソグラフィー工程及びドライエッチング工
程により、Si基板101の主面側に形成されているシ
リコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸
窒化膜をパターニングして、Si基板101の上に、ゲ
ート絶縁膜102と、下部ゲート電極103と、上部ゲ
ート電極104と、ゲート上保護膜105とからなるゲ
ート電極部113を形成する。
【0005】次に、pチャネル型MISFET形成領域
を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆うレ
ジストマスクを形成した状態で、ゲート電極部113を
マスクにして、p型不純物イオンであるフッ化ボロンイ
オン(BF2 +)を、加速エネルギー10keV, ドー
ズ量3.0×1014cm-2の条件で、Si基板101内
に注入し、p型のLDD層106を形成する。
【0006】次に、図8(b)に示す工程で、レジスト
マスクを除去した後、LPCVD法により、基板上に厚
み80nmのシリコン窒化膜を堆積した後、このシリコ
ン窒化膜をエッチバックして、ゲート電極部113の側
面上に窒化膜サイドウォール107を形成する。このと
き、Si基板101の裏面側の裏側シリコン窒化膜12
1上には、サイドウォール用のシリコン窒化膜の堆積時
に堆積された裏側シリコン窒化膜122が残存した状態
になる。その後、pチャネル型MISFET形成領域を
開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆うレジ
ストマスクを形成した状態で、ゲート電極部113及び
窒化膜サイドウォール107をマスクとして、p型不純
物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速
エネルギー50keV, ドーズ量5.0×1015cm-2
の条件で、Si基板101内に注入して、p型のソース
・ドレイン領域108を形成する。
【0007】さらに、1000℃,10秒の短時間アニ
ール(RTA)により、LDD領域106及びソース・
ドレイン領域108に導入された不純物の活性化を行な
う。
【0008】続いて、基板上に厚み8nmのCo膜を堆
積し、約500℃,60秒の条件で熱処理を行なうこと
により、SiとCoとを反応させて、ソース・ドレイン
領域108の上部にコバルトシリサイド膜109を形成
する。その後、未反応のCo膜はエッチングにより除去
される。
【0009】次に、図8(c)に示す工程で、基板上に
厚み800nmのBPSG膜からなる層間絶縁膜110
を堆積した後、CMP法により層間絶縁膜110の平坦
化を行う。そして、レジストマスクを用いたドライエッ
チングにより、層間絶縁膜110を貫通して、ソース・
ドレイン領域108の上部のコバルトシリサイド膜10
9に到達するコンタクトホールを形成した後、コンタク
トホール内をタングステンなどで埋めてソース・ドレイ
ンコンタクト111を形成する。その際、ゲート電極パ
ターニングに用いるフォトマスクと、コンタクトホール
形成時に用いるフォトマスクとの位置合わせのためのマ
ージンを設定しない(セルフアライン)ことで、MIS
FET形成領域の縮小が可能となる。
【0010】その後、層間絶縁膜110の上に、アルミ
ニウム合金膜などの金属膜を堆積した後、金属膜をパタ
ーニングして、層間絶縁膜110の上に、ソース・ドレ
インコンタクト111に接続される金属配線112を形
成する。
【0011】通常、この配線形成の際、Si基板101
とゲート絶縁膜102との境界面において誘起された固
定準位や、Si基板101中のダメ−ジ層を回復するた
めに、水素雰囲気で例えば400℃、30分熱処理(水
素シンター)が行なわれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造工程によって形成されるMISトランジスタに
おいては、以下のような不具合があった。
【0013】まず、図8(a)に示す工程で、下部ゲー
ト電極103やSi基板101の裏面は窒化膜からなる
ゲート上保護膜105や裏側シリコン窒化膜121によ
り覆われた状態で高温の熱処理を受けるので、シリコン
窒化膜からストレスを強く受けることとなる。また、L
PCVD法によるシリコン窒化膜の形成の際にシリコン
窒化膜中に混入した水素の外方への拡散がシリコン窒化
膜自体によって妨害され、ゲート電極内に残る。そし
て、ソース・ドレイン領域108などに注入した不純物
の活性化の際に、ゲート電極中における水素の存在やス
トレスにより、ゲート電極中のボロンのゲート絶縁膜1
02やSi基板101への侵入が促進される。その結
果、MISキャパシタのフラットバンド電圧が低下し
て、トランジスタのしきい値電圧のばらつきが大きくな
るおそれがあった。
【0014】また、水素シンター処理時に、下部ゲート
電極103やSi基板101の裏面は窒化膜からなるゲ
ート上保護膜105や裏側シリコン窒化膜121により
覆われているので、今度はゲート絶縁膜102やSi基
板101への水素の供給が不十分となる。その結果、S
i基板101とゲート絶縁膜102との境界面において
誘起された固定準位や、Si基板101中のダメ−ジの
回復が不十分となるので、半導体装置の実使用時におけ
るホットキャリア耐性が劣化するなど、信頼性の悪化を
招くおそれがあった。
【0015】図9は、pMISキャパシタのフラットバ
ンド電圧のゲート面積依存性を示す図である。同図に示
すように、ゲート面積が大きいほどフラットバンド電圧
が小さくなっていることがわかる。これは、ゲート面積
が大きいほど下部ゲート電極103がシリコン窒化膜の
ストレスを大きく受けるため、ゲート電極からゲート絶
縁膜102やSi基板101へのボロンの拡散が起きや
すいからである。そして、フラットバンド電圧の低下に
より、サイズの異なるトランジスタではしきい値電圧が
ずれてしまうことになり、ロジック回路にとって非常に
大きな問題となっている。
【0016】本発明の目的は、SAC構造のMISFE
Tを配置して高い集積度を有しながら、信頼性の高い半
導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
半導体基板と、上記半導体基板上に設けられたゲート絶
縁膜と、上記ゲート絶縁膜の上に設けられた導体材料か
らなるゲート電極と、上記ゲート電極の上に形成された
絶縁性材料からなるゲート上保護膜と、上記半導体基板
のうち上記ゲート電極の両側方に位置する領域に不純物
を導入して形成されたソース・ドレイン領域と、基板上
に設けられた層間絶縁膜と、上記層間絶縁膜及び上記ゲ
ート上保護膜を貫通して上記ゲート電極に到達するゲー
トコンタクトホールを導体材料で埋めてなるゲートコン
タクト部材とを備え、上記ゲート上保護膜は、ゲート電
極の上面上に位置する領域のうち,上記ゲートコンタク
トホール以外の領域の一部を開口した開口部を有してい
る。
【0018】これにより、ゲート上保護膜がゲート電極
全体を覆っているわけではないので、ゲート電極中の水
素の外方への拡散が促進されるとともに、ゲート電極に
加わるストレスも緩和される。したがって、ゲート電極
中のボロンなどの不純物がゲート絶縁膜やゲート電極に
侵入するのを抑制しうる構造となり、しきい値電圧のば
らつきの小さい信頼性の高い半導体装置が得られる。ま
た、製造工程中における水素シンター処理の際に、ゲー
ト電極のうちゲート上保護膜によって覆われていない領
域からゲート電極を経てゲート絶縁膜は半導体基板に水
素が供給されやすい構造となっているので、固定準位や
ダメージの回復が促進され、半導体装置の実使用時にお
けるホットキャリア耐性の高い構造となっている。
【0019】上記ゲート上保護膜は、シリコン窒化膜で
あること煮より、SAC構造を採用して、半導体装置を
高密度化するのに適した構造となる。
【0020】上記層間絶縁膜を貫通して上記ソース・ド
レイン領域に到達するホールを導体材料で埋めてなるソ
ース・ドレインコンタクト部材をさらに備え、上記ゲー
ト上保護膜は、ゲート電極の上面上の領域のうち,上記
ソース・ドレインコンタクト部材とのオーバーラップを
考慮した領域にのみ残されていることにより、ゲート上
保護膜の残留している部分により、SAC工程が可能な
構造となっているので、微細化に適した構造ともなって
いる。すなわち、高い信頼性を維持しつつ、微細化に適
した構造を有する半導体装置が得られる。
【0021】上記ゲート上保護膜の上記開口部は、上記
層間絶縁膜及び上記ゲート上保護膜を貫通して上記ゲー
ト電極に到達するダミーコンタクトホールの一部であ
り、上記ダミーコンタクトホールを導体材料で埋めてな
る,上記ゲート電極への電圧の供給に用いられないダミ
ーコンタクト部材をさらに備えることにより、ダミーの
コンタクト部材によりゲート電極上の一部が開放されて
いるので、コンタクトを利用してアニールや水素シンタ
ー処理を行なうことにより、ゲート電極中の水素の外方
への拡散を促進し、固定準位やダメージの回復に適した
構造を有する半導体装置が得られる。
【0022】上記ダミーコンタクト部材は、上記ゲート
コンタクト部材よりも大きい横断面積を有していること
が好ましい。
【0023】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
と、上記工程(b)の後、上記半導体基板の両面を覆う
シリコン窒化膜を形成する工程(c)と、上記導体膜
と、上記シリコン窒化膜のうち上記半導体基板の主面側
に位置する部分とをパターニングして、ゲート電極とゲ
ート上保護膜とをそれぞれ形成する工程(d)と、上記
工程(d)の後、上記半導体基板内に不純物イオンを注
入してソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、
上記ソース・ドレイン領域に注入された不純物を活性す
るためのアニールを行なう工程(f)と、上記工程
(c)の後で上記工程(f)の前に、上記シリコン窒化
膜のうち上記半導体基板の裏面側に位置する部分を除去
する工程(g)とを含んでいる。
【0024】この方法により、不純物の活性化のための
熱処理を行なう工程では、基板の裏面側のシリコン窒化
膜が除去されているので、ゲート電極や半導体基板への
ストレスの印加が抑制される。その結果、ゲート電極中
のボロンなどの不純物の拡散が抑制されるので、しきい
値電圧のばらつきの小さい,信頼性の高い半導体装置が
形成されることになる。
【0025】上記工程(f)の後、水素シンター処理を
行なう工程をさらに含むことにより、半導体基板の裏面
からゲート絶縁膜や半導体基板の主面付近に水素が効率
よく供給されるので、固定準位やダメージの回復が促進
され、半導体装置の実使用時におけるホットキャリア耐
性の高い半導体装置が形成されることになる。
【0026】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
と、上記工程(b)の後、上記半導体基板の主面を覆う
シリコン窒化膜を形成する工程(c)と、上記シリコン
窒化膜をパターニングして、上記導体膜のゲート電極の
直上となる領域のうち一部の上のみにゲート上保護膜を
形成する工程(d)と、上記導体膜をパターニングし
て、上記ゲート電極を形成する工程(e)と、上記工程
(e)の後、上記半導体基板内に不純物イオンを注入し
てソース・ドレイン領域を形成する工程(f)と、上記
ソース・ドレイン領域に注入された不純物を活性するた
めのアニールを行なう工程(g)と、基板上に層間絶縁
膜を形成する工程(h)と、上記層間絶縁膜を貫通し
て、上記ソース・ドレイン領域に到達し、かつ、ゲート
電極とオーバーラップする部分では上記ゲート上保護膜
のみに跨るコンタクトホールを形成する工程(i)とを
含んでいる。
【0027】この方法により、工程(g)でアニールを
行なう際には、ゲート上保護膜がゲート電極の全面を覆
っているわけではないので、ゲート電極中の水素の外方
への拡散が促進される。また、熱処理の際にゲート電極
に加わるストレスも緩和される。したがって、ゲート電
極中の不純物のゲート絶縁膜や半導体基板への侵入に起
因するフラットバンド電圧の低下が抑制され、しきい値
電圧のばらつきの小さい半導体装置が形成される。
【0028】上記工程(g)の後で上記工程(h)の前
に、水素シンター処理を行なう工程をさらに含むことに
より、水素シンター処理の際に、ゲート電極のうちゲー
ト上保護膜によって覆われていない領域からゲート電極
を経てゲート絶縁膜や半導体基板に水素が浸透しやすい
構造となっているので、固定準位やダメージの回復が促
進され、半導体装置の実使用時におけるホットキャリア
耐性の高い構造となっている。しかも、ゲート電極上で
部分的に設けられたゲート上保護膜により、SAC工程
が可能である。したがって、高い信頼性を有しながら、
微細化された半導体装置が形成される。
【0029】本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
と、上記工程(b)の後、上記半導体基板の主面を覆う
シリコン窒化膜を形成する工程(c)と、上記シリコン
窒化膜及び導体膜をパターニングして、ゲート上保護膜
及びゲート電極を形成する工程(d)と、上記工程
(d)の後、上記半導体基板内に不純物イオンを注入し
てソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、上記
工程(e)の後、基板上に層間絶縁膜を形成する工程
(f)と、上記層間絶縁膜及び上記ゲート上保護膜を貫
通して上記ゲート電極に到達するホールを形成する工程
(g)と、上記工程(g)の後、上記ソース・ドレイン
領域に注入された不純物の活性化のための熱処理を行な
う工程(h)とを含んでいる。
【0030】この方法により、アニールを行なう際に
は、ゲート上保護膜及び層間絶縁膜がゲート電極の全面
を覆っているわけではないので、ゲート電極中の水素の
外方への拡散が促進される。また、熱処理の際にゲート
電極に加わるストレスも緩和される。したがって、ゲー
ト電極中の不純物のゲート絶縁膜や半導体基板への侵入
に起因するフラットバンド電圧の低下が抑制され、しき
い値電圧のばらつきの小さい半導体装置が形成される。
【0031】上記工程(g)の後、水素シンター処理を
行なう工程をさらに含むことにより、水素シンター処理
の際に、ゲート電極のうちゲート上保護膜によって覆わ
れていない領域からゲート電極を経てゲート絶縁膜や半
導体基板に水素が浸透しやすい構造となっているので、
固定準位やダメージの回復が促進され、半導体装置の実
使用時におけるホットキャリア耐性の高い構造となって
いる。しかも、ゲート電極上で部分的に設けられたゲー
ト上保護膜により、SAC工程が可能である。したがっ
て、高い信頼性を有しながら、微細化された半導体装置
が形成される。
【0032】上記ホール及び層間絶縁膜の上にバリアメ
タル膜を形成する工程をさらに含む場合には、上記工程
(h)を、上記バリアメタルを形成する工程の後に行な
うこおとが好ましく、上記バリアメタルを形成する工程
の後、水素シンター処理を行なう工程をさらに含むこと
がより好ましい。
【0033】上記工程(g)の後、上記ホールを導体材
料で埋めて、コンタクト部材を形成する工程をさらに含
んでいる場合には、上記工程(h)を、上記コンタクト
部材を形成する工程の後に行なってもよい。
【0034】その場合にも、上記コンタクト部材を形成
する工程の後、水素シンター処理を行なう工程をさらに
含むことが好ましい。
【0035】上記工程(g)では、上記ホールとして、
少なくともゲートコンタクトホールとダミーコンタクト
ホールとを形成し、上記ゲートコンタクトホールは、上
記ゲート電極への電圧の供給に用いられるコンタクト部
材を埋め込むためのホールであり、上記ダミーコンタク
トホールは、上記ゲート電極への電圧の供給に用いられ
ないダミーコンタクト部材を埋め込むためのホールであ
ることが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)〜
(c)は、本発明の第1の実施形態におけるSAC構造
のpチャネル型MISFETの製造工程を示す断面図で
ある。一般には、他の領域にnチャネル型MISFET
が形成されるが、図1(a)〜(d)においては、n型
MISFETの製造工程の図示は省略されている。
【0037】まず、図1(a)において、Si基板1の
主面上に、ゲート絶縁膜として機能するシリコン酸窒化
膜2xを形成した後、LPCVD法により、シリコン酸
窒化膜2xの上にポリシリコン膜3xを堆積する。この
とき、Si基板の裏面にも裏側ポリシリコン膜20が堆
積される。そして、Si基板1の主面側のポリシリコン
膜3xのうちpチャネル型MISFET形成領域に位置
する部分に、p型不純物イオンであるボロンイオン(B
+ )を、加速エネルギー5keV,ドーズ量3×1015
cm-2の条件で注入する。なお、一般的には、nチャネ
ル型MISFET形成領域には、n型不純物イオンが注
入される。さらに、スパッタにより、厚み50nmの金
属膜4xを堆積した後、金属膜4xの上に厚み100n
mのシリコン窒化膜5xを堆積する。このとき、Si基
板1の裏面側の裏側ポリシリコン膜20の上にも裏側シ
リコン窒化膜21が堆積される。その後、シリコン窒化
膜5x上にプラズマCVD法により、選択的にシリコン
酸化膜19を形成する。
【0038】次に、図1(b)に示す工程で、シリコン
酸化膜19をマスクにして、バッファードフッ酸溶液を
用いたウエットエッチングにより、Si基板1の裏面側
に形成されている裏側シリコン窒化膜21を除去する。
その後、選択的エッチングによりシリコン酸化膜19を
除去した後、フォトリソグラフィー工程及びドライエッ
チング工程により、Si基板1の主面側に形成されてい
るシリコン窒化膜5x,金属膜4x,ポリシリコン膜3
x及びシリコン酸窒化膜2xをパターニングして、Si
基板1の上に、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3
と、上部ゲート電極4と、ゲート上保護膜5とが順次積
層されてなるゲート電極部13を形成する。なお、本実
施形態及び後述の実施形態において、単に「ゲート電
極」と記載するときは、上部ゲート電極4及び下部ゲー
ト電極3を併せたものを示すこととする。
【0039】次に、図1(c)に示す工程で、pチャネ
ル型MISFET形成領域を開口し、nチャネル型MI
SFET形成領域を覆うレジストマスクを形成した状態
で、ゲート電極部13をマスクにして、p型不純物イオ
ンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速エネル
ギー10keV, ドーズ量3.0×1014cm-2の条件
で、Si基板1内に注入し、p型のLDD層6を形成す
る。
【0040】次に、レジストマスクを除去した後、LP
CVD法により、基板上に厚み80nmのシリコン窒化
膜を堆積した後、シリコン窒化膜のうちSi基板1の主
面側に位置する部分の上のみにプラズマCVD法により
選択的にシリコン酸化膜を形成する。その後、シリコン
酸化膜をマスクにして、バッファードフッ酸溶液を用い
たウェットエッチングにより、Si基板1の裏面に形成
された裏側シリコン窒化膜を除去した後、選択的エッチ
ングによりシリコン酸化膜を除去する。
【0041】次に、シリコン窒化膜をエッチバックし
て、ゲート電極部13の側面上に窒化膜サイドウォール
7を形成する。その後、pチャネル型MISFET形成
領域を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆
うレジストマスクを形成した状態で、ゲート電極部13
及び窒化膜サイドウォール7をマスクとして、p型不純
物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速
エネルギー50keV,ドーズ量5.0×1015cm-2
の条件で、Si基板1内に注入して、p型のソース・ド
レイン領域8を形成する。
【0042】さらに、1000℃,10秒の短時間アニ
ール(RTA)により、LDD領域6及びソース・ドレ
イン領域8に導入された不純物の活性化を行なう。続い
て、基板上に厚み8nmのCo膜を堆積し、約500
℃,60秒の条件で熱処理を行なうことにより、Siと
Coとを反応させて、ソース・ドレイン領域8の上部に
コバルトシリサイド膜9を形成する。その後、未反応の
Co膜はエッチングにより除去される。
【0043】このとき、図1(d)に示す工程における
不純物活性化のためのRTAの際に、Si基板1の裏面
の窒化膜は除去されているので、Si基板1に加わるス
トレスを緩和することができる。
【0044】その後の工程の図示は省略するが、上記従
来の製造工程における図8(c)に示す工程と同様に、
層間絶縁膜の堆積、セルフアラインコンタクト孔の形
成、ゲートコンタクト,ソース・ドレインコンタクトの
形成、配線の形成などを行なう。また、この配線形成の
際、Si基板1とゲート絶縁膜2との境界面において誘
起された固定準位や、Si基板1中のダメ−ジ層を回復
するために、水素雰囲気中で例えば400℃、30分間
の熱処理(水素シンター処理)が行なわれる。
【0045】本発明の第1の実施形態によると、図1
(b)及び(c)に示す工程で、Si基板1とゲート絶
縁膜2との境界面において準位が誘起されたり、Si基
板1中にダメージ層が形成されるが、この準位やダメー
ジ層を回復させるために、て誘起された準位や、Si基
板1中のダメージ層を回復させるために、水素雰囲気で
例えば400℃,30分間の熱処理(水素シンター処
理)を行なうので、その後のアニール処理や水素シンタ
ー処理の際に、Si基板1に加わるストレスを緩和する
ことができる。よって、下部ゲート電極3中のボロンの
ゲート絶縁膜2やシリコン基板1への拡散を有効に抑制
することができ、フラットバンド電圧の低下に起因する
しきい値電圧のばらつきを小さくすることができ、信頼
性の向上を図ることができる。
【0046】(第2の実施形態)図2(a)〜(d)
は、本発明の第2の実施形態におけるSAC構造のpチ
ャネル型MISFETの製造工程を示す断面図である。
一般には、他の領域にnチャネル型MISFETが形成
されるが、図2(a)〜(d)においては、n型MIS
FETの製造工程の図示は省略されている。
【0047】まず、図2(a)に示す工程において、S
i基板1の主面上に、ゲート絶縁膜として機能するシリ
コン酸窒化膜を形成した後、LPCVD法により、シリ
コン酸窒化膜の上にポリシリコン膜を堆積する。このと
き、Si基板1の裏面にも裏側ポリシリコン膜20が堆
積される。そして、Si基板1の主面側のポリシリコン
膜のうちpチャネル型MISFET形成領域に位置する
部分に、p型不純物イオンであるボロンイオン(B+
を、加速エネルギー5keV,ドーズ量3×1015cm
-2の条件で注入する。なお、一般的には、nチャネル型
MISFET形成領域には、n型不純物イオンが注入さ
れる。さらに、スパッタにより、厚み50nmの金属膜
を堆積した後、金属膜の上に厚み100nmのシリコン
窒化膜を堆積する。このとき、Si基板1の裏面側の裏
側ポリシリコン膜20の上にも裏側シリコン窒化膜21
が堆積される。その後、フォトリソグラフィー工程及び
ドライエッチング工程により、Si基板1の主面側に形
成されているシリコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜
及びシリコン酸窒化膜をパターニングして、Si基板1
の上に、ゲート絶縁膜2と、下部ゲート電極3と、上部
ゲート電極4と、ゲート上保護膜5とが順次積層されて
なるゲート電極部13を形成する。
【0048】次に、pチャネル型MISFET形成領域
を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆うレ
ジストマスクを形成した状態で、ゲート電極部13をマ
スクとして、p型不純物イオンであるフッ化ボロンイオ
ン(BF2 +)を、加速エネルギー10keV, ドーズ
量3.0×1014cm-2の条件で、Si基板1内に注入
し、p型のLDD層6を形成する。
【0049】次に、図2(b)に示す工程で、レジスト
マスクを除去した後、LPCVD法により、基板上に厚
み80nmのシリコン窒化膜を堆積した後、シリコン窒
化膜のうちSi基板1の主面側に位置する部分の上のみ
にプラズマCVD法により選択的にシリコン酸化膜を形
成する。その後、シリコン酸化膜をマスクにして、バッ
ファードフッ酸溶液を用いたウエットエッチングによ
り、Si基板1の裏面側に形成されている裏側シリコン
窒化膜を除去した後、選択的エッチングによりシリコン
酸化膜を除去する。このとき、本実施形態においては、
ゲート上絶縁膜用シリコン窒化膜と同時に基板の裏面側
に形成された裏側シリコン窒化膜21と、サイドウォー
ル用シリコン窒化膜と同時に基板の裏面に形成された裏
側シリコン窒化膜とを除去する。
【0050】次に、このシリコン窒化膜をエッチバック
して、ゲート電極部13の側面上に窒化膜サイドウォー
ル7を形成する。その後、pチャネル型MISFET形
成領域を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を
覆うレジストマスクを形成した状態で、下部ゲート電極
3及び窒化膜サイドウォール7をマスクとして、p型不
純物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加
速エネルギー50keV, ドーズ量5.0×1015cm
-2の条件で、Si基板1内に注入して、p型のソース・
ドレイン領域8を形成する。
【0051】さらに、図2(c)に示す工程で、100
0℃,10秒の短時間アニール(RTA)により、LD
D領域6及びソース・ドレイン領域8に導入された不純
物の活性化を行なう。続いて、基板上に厚み8nmのC
o膜を堆積し、約500℃,60秒の条件で熱処理を行
なうことにより、SiとCoとを反応させて、ソース・
ドレイン領域8の上部にコバルトシリサイド膜9を形成
する。その後、未反応のCo膜はエッチングにより除去
される。
【0052】このとき、図2(c)に示す工程における
不純物活性化のためのRTAの際に、Si基板1の裏面
の窒化膜は除去されているので、Si基板1に加わるス
トレスを緩和することができる。
【0053】次に、図2(d)に示す工程で、Si基板
1とゲート絶縁膜2との境界面において誘起された準位
や、Si基板1中のダメージ層を開封するために、水素
雰囲気で例えば400℃,30分間の熱処理(水素シン
ター処理)を行なう。
【0054】その後の工程の図示は省略するが、上記従
来の製造工程における図8(c)に示す工程と同様に、
層間絶縁膜の堆積、セルフアラインコンタクト孔の形
成、ゲートコンタクト,ソース・ドレインコンタクトの
形成、配線の形成などをおこなう。また、この配線形成
の際、Si基板1とゲート絶縁膜2との境界面において
誘起された固定準位や、Si基板1中のダメ−ジ層を回
復するために、水素雰囲気中で例えば400℃、30分
間の熱処理(水素シンター処理)が行なわれる。
【0055】本発明の第2の実施形態によると、図2
(b)に示す工程で、ゲート上絶縁膜用シリコン窒化膜
と同時に半導体基板の裏面側に形成された裏側シリコン
窒化膜21と、サイドウォール用シリコン窒化膜と同時
に半導体基板の裏面側に形成された裏側シリコン窒化膜
とを除去することにより、その後のアニール処理の際
に、Si基板1に加わるストレスを緩和することができ
る。よって、第1の実施形態と同様に、フラットバンド
電圧の低下に起因するしきい値電圧のばらつきを小さく
することができる。
【0056】加えて、本実施形態においては、図2
(d)に示す工程で、Si基板1の裏面のシリコン窒化
膜が除去された状態で、水素シンター処理を行なってい
るので、Si基板1の裏面からSi基板1とゲート絶縁
膜2とに効率よく水素を導入することができる。したが
って、シリコン基板1とゲート絶縁膜2との境界面付近
における固定準位や、シリコン基板中のダメージを有効
に回復させることができ、信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0057】なお、本実施形態では、図2(b)に示す
工程で、ゲート上絶縁膜用シリコン窒化膜と同時に半導
体基板の裏面側に形成された裏側シリコン窒化膜21
と、サイドウォール用シリコン窒化膜と同時に半導体基
板の裏面側に形成された裏側シリコン窒化膜とを1つの
工程で連続的に除去したが、第1の実施形態と同様に、
両裏側シリコン窒化膜を別工程で除去してもよい。
【0058】(第3の実施形態)図3(a)〜(c)
は、本発明の第3の実施形態におけるSAC構造のpチ
ャネル型MISFETの製造工程を示す断面図である。
一般には、他の領域にnチャネル型MISFETが形成
されるが、図3(a)〜(c)においては、n型MIS
FETの製造工程の図示は省略されている。
【0059】まず、図3(a)において、Si基板1の
主面上に、ゲート絶縁膜として機能するシリコン酸窒化
膜を形成した後、LPCVD法により、シリコン酸窒化
膜の上にポリシリコン膜を堆積する。このとき、Si基
板1の裏面にも裏側ポリシリコン膜20が堆積される。
そして、Si基板1の主面側のポリシリコン膜のうちp
チャネル型MISFET形成領域に位置する部分に、p
型不純物イオンであるボロンイオン(B+ )を、加速エ
ネルギー5keV,ドーズ量3×1015cm-2の条件で
注入する。なお、一般的には、nチャネル型MISFE
T形成領域には、n型不純物イオンが注入される。さら
に、スパッタにより、厚み50nmの金属膜を堆積した
後、金属膜の上に厚み100nmのシリコン窒化膜を堆
積する。このとき、Si基板1の裏面側の裏側ポリシリ
コン膜20の上にも裏側シリコン窒化膜21が堆積され
る。その後、フォトリソグラフィー工程及びドライエッ
チング工程により、Si基板1の主面側に形成されてい
るシリコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリコ
ン酸窒化膜をパターニングして、Si基板1の上に、ゲ
ート絶縁膜2と、下部ゲート電極3と、上部ゲート電極
4と、ゲート上保護膜5とが順次積層されてなるゲート
電極部13を形成する。
【0060】次に、図3(b)に示す工程で、pチャネ
ル型MISFET形成領域を開口し、nチャネル型MI
SFET形成領域を覆うレジストマスクを形成した状態
で、ゲート電極部13をマスクとして、p型不純物イオ
ンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速エネル
ギー10keV, ドーズ量3.0×1014cm-2の条件
で、Si基板1内に注入し、p型のLDD層6を形成す
る。次に、レジストマスクを除去した後、LPCVD法
により、基板上に厚み80nmのシリコン窒化膜を堆積
してから、このシリコン窒化膜をエッチバックして、ゲ
ート電極部13の側面上に窒化膜サイドウォール7を形
成する。このとき、Si基板1の裏面側の裏側シリコン
窒化膜21上には、サイドウォール用のシリコン窒化膜
の堆積時に形成された裏側シリコン窒化膜14が残存し
た状態となる。その後、pチャネル型MISFET形成
領域を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆
うレジストマスクを形成した状態で、ゲート電極部13
及び窒化膜サイドウォール7をマスクとして、p型不純
物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速
エネルギー50keV,ドーズ量5.0×1015cm-2
の条件で、Si基板1内に注入して、p型のソース・ド
レイン領域8を形成する。
【0061】次に、本実施形態の製造方法においては、
フォトリソグラフィー工程及びドライエッチング工程に
より、ゲート上保護膜5をパターニングして、ゲート上
保護膜5のうち後で形成されるソース・ドレインコンタ
クトがオーバーラップする可能性がある一部5aを残
す。言い換えると、図3(a)に示すゲート上保護膜5
に、一部5aを除く開口部5bを形成する。
【0062】次に、1000℃,10秒の短時間アニー
ル(RTA)により、LDD領域6及びソース・ドレイ
ン領域8に導入された不純物の活性化を行なう。続い
て、基板上に厚み8nmのCo膜を堆積し、約500
℃,60秒の条件で熱処理を行なうことにより、Siと
Coとを反応させて、ソース・ドレイン領域8の上部に
コバルトシリサイド膜9を形成する。その後、未反応の
Co膜はエッチングにより除去される。
【0063】次に、図3(c)に示す工程で、基板上に
厚み800nmのBPSG膜からなる層間絶縁膜10を
堆積した後、CMP法により層間絶縁膜10の平坦化を
行う。そして、レジストマスクを用いたドライエッチン
グにより、層間絶縁膜10を貫通して、ソース・ドレイ
ン領域8の上部のコバルトシリサイド膜9に到達するソ
ース・ドレインコンタクトホールと、ゲート電極4に到
達するゲートコンタクトホールとをそれぞれ形成した
後、各コンタクトホール内をTi/TiNバリアメタル
膜及びタングステン膜タングステンなどで埋めてバリア
層11a及びプラグ11bからなるソース・ドレインコ
ンタクト11と、バリア層23a及びプラグ23bから
なるゲートコンタクト23(図4(a),(b)参照)
とを形成する。その際、後述するように、ゲート電極パ
ターニングに用いるフォトマスクと、各コンタクトホー
ル形成時に用いるフォトマスクとの位置合わせのための
マージンを設定しない(セルフアラインコンタクト:S
AC)ことで、MISFET形成領域の縮小が可能とな
る。
【0064】その後、層間絶縁膜10の上に、アルミニ
ウム合金膜などの金属膜を堆積した後、金属膜をパター
ニングして、層間絶縁膜10の上に、ソース・ドレイン
コンタクト11やゲートコンタクト23に接続される金
属配線層12を形成する。
【0065】図4(a),(b)は、それぞれ順に、図
3(c)に示す工程における断面構造を説明するための
IVb-IVb 線における横断面図及びIVa-IVa 線における縦
断面図である。図4(a)においては、層間絶縁膜が透
明体として表わされており、かつ、素子分離領域などの
表示は省略されている。図4(a)に示すように、ゲー
ト上保護膜5のうちソース・ドレインコンタクト11が
オーバーラップする可能性がある部分5aのみが残され
ており、他の部分は除去されている。言い換えると、図
3(a)に示すゲート上保護膜5は、上部ゲート電極4
の上面上の領域のうち,ゲートコンタクト23と接触す
る領域以外の領域の少なくとも一部を開口した開口部5
bを有していることになる。
【0066】ここで、SACを形成する前準備としての
工程は、より詳細には以下の手順で行なわれる。まず、
層間絶縁膜の上にフォトレジスト膜を形成して、このフ
ォトレジスト膜をパターニングすることにより、コンタ
クトホールを形成しようとする領域を開口したレジスト
マスクを形成する。そして、このレジストマスクを用い
たドライエッチングにより、層間絶縁膜を貫通してソー
ス・ドレイン領域8上部のコバルトシリサイド膜9に到
達するコンタクトホールを形成する。この一連の処理に
おいて、フォトレジスト膜をパターニングしてレジスト
マスクを形成する際には、いわゆるレチクルと呼ばれる
フォトマスクが用いられる。このときに、レジストマス
クを形成するためのフォトマスクと、ゲート電極を形成
するために用いられたフォトマスクとの位置合わせを行
なう。その際に、フォトリソグラフィーやドライエッチ
ングのプロセス上の誤差によって、最終的なソース・ド
レインコンタクトとゲート電極との相対的な位置が設計
位置からずれることを考慮して、例えば±0.02μm
程度のマージンを設けておくのが普通である。しかし、
このマージンを設定すると、活性領域の面積を広く確保
する必要が生じる。そこで、本実施形態のように、微細
化を目的とするSAC構造の半導体装置においては、コ
ンタクトホールがゲート電極にオーバーラップしても、
コンタクトホールがゲート電極の上面に達することがな
いように、ゲート電極の上にシリコン窒化膜からなるゲ
ート上保護膜を設け、あるいは、ゲート上保護膜に加え
て窒化膜サイドウォールを設けている。これにより、セ
ルフアラインのコンタクトホールを形成することができ
る。
【0067】したがって、本実施形態においては、ソー
ス・ドレインコンタクト11がプロセス上の誤差によっ
てソース・ドレインコンタクト11の位置がばらついて
も、ソース・ドレインコンタクト11がゲート上保護膜
5の残留部分である一部5aからはみ出て上部電極4に
達することがないように、ゲート上保護膜5の一部5a
の大きさと位置とを設定しておけばよい。例えば、図4
(a)に示すソース・ドレインコンタクト11の位置が
設計位置である場合、プロセス上の誤差によってソース
・ドレインコンタクト11とゲート電極(上部ゲート電
極4)との相対的な位置のばらつきが±W0(例えば±
0.02μm)であるとする。この場合には、ゲート上
保護膜5の一部5aの広さ及び位置を、ソース・ドレイ
ンコンタクト11の設計位置から、上述のばらつきW0
に安全係数を乗じた値W1(例えば0.03μm)だけ
広い範囲にしておけばよいことになる(図4(a)参
照)。
【0068】ただし、ゲート上保護膜5の残留部分であ
る一部5aの位置及び広さは、当該半導体装置が形成さ
れるプロセスの種類や製造装置によって異なるので、上
述の説明で例示した寸法に限定されるものではない。
【0069】本実施形態の製造方法によると、裏側シリ
コン窒化膜14,21は除去されていないが、図3
(b)に示す工程で、ゲート上保護膜5の大部分を除去
し、SACのために必要な部分5aのみを残した状態で
アニールを行なっているので、Si基板1へのストレス
の印加を抑制することができ、かつ、下部ゲート電極3
中の水素を効率よく外方に拡散させることができる。し
たがって、上記各実施形態に比べて、特に、下部ゲート
電極3中のボロンがゲート絶縁膜2やSi基板1中に拡
散するのを有効に抑制することができる。すなわち、半
導体装置の実使用時におけるホットキャリア耐性の悪化
を抑制し、フラットバンド電圧の低下によるしきい値電
圧のばらつきを有効に防止することができる。また、半
導体装置の実使用時におけるホットキャリア耐性が向上
することにより、ゲート絶縁膜2をより薄くすることが
可能となる。
【0070】なお、第1の実施形態又は第2の実施形態
と同様の方法により、裏側シリコン窒化膜14,21を
除去してもよい。
【0071】(第4の実施形態)図5(a)〜(c)
は、本発明の第4の実施形態におけるSAC構造のpチ
ャネル型MISFETの製造工程を示す断面図である。
一般には、他の領域にnチャネル型MISFETが形成
されるが、図5(a)〜(c)においては、n型MIS
FETの製造工程の図示は省略されている。
【0072】まず、図5(a)において、Si基板1の
主面上に、ゲート絶縁膜として機能するシリコン酸窒化
膜を形成した後、LPCVD法により、シリコン酸窒化
膜の上にポリシリコン膜を堆積する。このとき、Si基
板1の裏面にも裏側ポリシリコン膜20が堆積される。
そして、Si基板1の主面側のポリシリコン膜のうちp
チャネル型MISFET形成領域に位置する部分に、p
型不純物イオンであるボロンイオン(B+ )を、加速エ
ネルギー5keV,ドーズ量3×1015cm-2の条件で
注入する。なお、一般的には、nチャネル型MISFE
T形成領域には、n型不純物イオンが注入される。さら
に、スパッタにより、厚み50nmの金属膜を堆積した
後、金属膜の上に厚み100nmのシリコン窒化膜を堆
積する。このとき、Si基板1の裏面側の裏側ポリシリ
コン膜20の上にも裏側シリコン窒化膜21が堆積され
る。その後、フォトリソグラフィー工程及びドライエッ
チング工程により、Si基板1の主面側に形成されてい
るシリコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリコ
ン酸窒化膜をパターニングして、Si基板1の上に、ゲ
ート絶縁膜2と、下部ゲート電極3と、上部ゲート電極
4と、ゲート上保護膜5とが順次積層されてなるゲート
電極部13を形成する。
【0073】次に、図5(b)に示す工程で、pチャネ
ル型MISFET形成領域を開口し、nチャネル型MI
SFET形成領域を覆うレジストマスクを形成した状態
で、ゲート電極部13をマスクとして、p型不純物イオ
ンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速エネル
ギー10keV, ドーズ量3.0×1014cm-2の条件
で、Si基板1内に注入し、p型のLDD層6を形成す
る。次に、レジストマスクを除去した後、LPCVD法
により、基板上に厚み80nmのシリコン窒化膜を堆積
してから、このシリコン窒化膜をエッチバックして、ゲ
ート電極部13の側面上に窒化膜サイドウォール7を形
成する。このとき、Si基板1の裏面側の裏側シリコン
窒化膜21上には、サイドウォール用のシリコン窒化膜
の堆積時に形成された裏側シリコン窒化膜14が残存し
た状態になる。その後、pチャネル型MISFET形成
領域を開口し、nチャネル型MISFET形成領域を覆
うレジストマスクを形成した状態で、下部ゲート電極3
及び窒化膜サイドウォール7をマスクとして、p型不純
物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、加速
エネルギー50keV, ドーズ量5.0×1015cm-2
の条件で、Si基板1内に注入して、p型のソース・ド
レイン領域8を形成する。
【0074】ここで、本実施形態の製造方法において
は、フォトリソグラフィー工程及びドライエッチング工
程により、ゲート上保護膜5をパターニングして、ゲー
ト上保護膜5のうち後で形成されるソース・ドレインコ
ンタクトがオーバーラップする可能性がある一部5aを
残して、開口部5bを形成する。この一部5aの形成位
置や寸法については、第3の実施形態で、図4(a),
(b)を参照しながら説明したとおりである。
【0075】次に、1000℃,10秒の短時間アニー
ル(RTA)により、LDD領域6及びソース・ドレイ
ン領域8に導入された不純物の活性化を行なう。続い
て、基板上に厚み8nmのCo膜を堆積し、約500
℃,60秒の条件で熱処理を行なうことにより、Siと
Coとを反応させて、ソース・ドレイン領域8の上部に
コバルトシリサイド膜9を形成する。その後、未反応の
Co膜はエッチングにより除去される。
【0076】この状態で、Si基板1とゲート絶縁膜2
との境界面において誘起された固定準位や、Si基板1
中のダメ−ジ層を回復するために、水素雰囲気で例えば
400℃、30分間の熱処理(水素シンター処理)を行
なう。
【0077】次に、図5(c)に示す工程で、基板上に
厚み800nmのBPSG膜からなる層間絶縁膜10を
堆積した後、CMP法により層間絶縁膜10の平坦化を
行う。そして、レジストマスクを用いたドライエッチン
グにより、層間絶縁膜10を貫通して、ソース・ドレイ
ン領域8に到達するソース・ドレインコンタクトホール
と、ゲート電極4に到達するゲートコンタクトホールと
をそれぞれ形成した後、各コンタクトホール内をTi/
TiNバリアメタル膜及びタングステン膜タングステン
などで埋めてバリア層11a及びプラグ11bからなる
ソース・ドレインコンタクト11と、バリア層及びプラ
グからなるゲートコンタクト(図示せず)とを形成す
る。その際、ゲート電極パターニングに用いるフォトマ
スクと、各コンタクトホール形成時に用いるフォトマス
クとの位置合わせのためのマージンを設定しない(セル
フアライン)ことで、MISFET形成領域の縮小が可
能となる。
【0078】その後、層間絶縁膜10の上に、アルミニ
ウム合金膜などの金属膜を堆積した後、金属膜をパター
ニングして、層間絶縁膜10の上に、ソース・ドレイン
コンタクト11やゲートコンタクトに接続される金属配
線層12を形成する。
【0079】本実施形態の製造方法によると、図5
(b)に示す工程で、ゲート上保護膜5の大部分を除去
し、SACのために必要な一部5aのみを残した状態で
アニール処理を行なっているので、Si基板1へのスト
レスの印加を抑制し、かつ、下部ゲート電極3中の水素
を効率よく外方に拡散させることができ、上記第3の実
施形態とほぼ同様の効果を発揮することができる。
【0080】加えて、本実施形態では、図5(b)に示
す工程で、ゲート上保護膜5の大部分を除去した後に水
素シンター処理を行なっているので、ゲート絶縁膜2や
Si基板1に効果的に水素を導入することができ、ゲー
ト絶縁膜2とSi基板1との間の境界面付近における固
定準位や、Si基板1中のダメージを効果的に回復させ
ることができる。よって、半導体装置の実使用時におけ
るホットキャリア耐性の悪化を有効に防止することがで
きる。
【0081】なお、第1の実施形態又は第2の実施形態
と同様の方法により、裏側シリコン窒化膜14,21を
除去してもよい。
【0082】(第5の実施形態)図6(a)〜(d)
は、本発明の第5の実施形態におけるSAC構造のpチ
ャネル型MISFETの製造工程を示す断面図である。
本実施形態においては、チャネル方向に直交する断面に
おけるトランジスタの構造を示す。一般には、他の領域
にnチャネル型MISFETが形成されるが、図6
(a)〜(d)においては、n型MISFETの製造工
程の図示は省略されている。また、Si基板の裏面側に
形成される裏側ポリシリコン膜及び裏側シリコン窒化膜
の図示も省略されている。
【0083】まず、図6(a)に示す工程において、S
i基板1の主面上に、シャロートレンチ構造の素子分離
用絶縁膜22を形成し、素子分離用絶縁膜22によって
囲まれる活性領域上に、ゲート絶縁膜として機能するシ
リコン酸窒化膜を形成した後、LPCVD法により、シ
リコン酸窒化膜の上にポリシリコン膜を堆積する。そし
て、ポリシリコン膜のうちpチャネル型MISFET形
成領域に位置する部分に、p型不純物イオンであるボロ
ンイオン(B+ )を、加速エネルギー5keV,ドーズ
量3×1015cm-2の条件で注入する。なお、一般的に
は、nチャネル型MISFET形成領域には、n型不純
物イオンが注入される。さらに、スパッタにより、厚み
50nmの金属膜を堆積した後、金属膜の上に厚み10
0nmのシリコン窒化膜を堆積する。その後、フォトリ
ソグラフィー工程及びドライエッチング工程により、シ
リコン窒化膜,金属膜,ポリシリコン膜及びシリコン酸
窒化膜をパターニングして、Si基板1の上に、ゲート
絶縁膜2と、下部ゲート電極3と、上部ゲート電極4
と、ゲート上保護膜5とからなるゲート電極部13を形
成する。
【0084】次に、図6(a)に示す断面には示されて
いないが、上記各実施形態と同様に、pチャネル型MI
SFET形成領域を開口し、nチャネル型MISFET
形成領域を覆うレジストマスクを形成した状態で、p型
不純物イオンであるフッ化ボロンイオン(BF2 +)を、
加速エネルギー10keV, ドーズ量3.0×1014
-2の条件で、Si基板1内に注入し、p型のLDD層
6を形成する。次に、レジストマスクを除去した後、L
PCVD法により、基板上に厚み80nmのシリコン窒
化膜を堆積してから、このシリコン窒化膜をエッチバッ
クして、ゲート電極部13の側面上に窒化膜サイドウォ
ール7を形成する。その後、図6(a)に示す断面には
示されていないが、上記各実施形態と同様に、pチャネ
ル型MISFET形成領域を開口し、nチャネル型MI
SFET形成領域を覆うレジストマスクを形成した状態
で、ゲート電極部13及び窒化膜サイドウォール7をマ
スクとして、p型不純物イオンであるフッ化ボロンイオ
ン(BF2 +)を、加速エネルギー50keV, ドーズ
量5.0×1015cm-2の条件で、Si基板1内に注入
して、p型のソース・ドレイン領域8を形成する。ま
た、基板上に厚み8nmのCo膜を堆積し、約500
℃,60秒の条件で熱処理を行なうことにより、Siと
Coとを反応させて、ソース・ドレイン領域8の上部に
コバルトシリサイド膜9を形成する。その後、未反応の
Co膜はエッチングにより除去される。
【0085】次に、図6(b)に示す工程で、基板上に
厚み800nmのBPSG膜からなる層間絶縁膜10を
堆積した後、CMP法により層間絶縁膜10の平坦化を
行う。そして、レジストマスクを用いたドライエッチン
グにより、層間絶縁膜10及びゲート上保護膜5を貫通
して、上部ゲート電極4に到達するゲートコンタクトホ
ールHgcとダミーコンタクトホールHdcとを形成した
後、ゲートコンタクトホールHgc,ダミーコンタクトホ
ールHdc及び層間絶縁膜10の上にTi/TiNからな
るバリアメタル膜25を形成する。
【0086】この状態で、1000℃,10秒の短時間
アニール(RTA)により、LDD領域6及びソース・
ドレイン領域8に導入された不純物の活性化を行なう。
続いて、Si基板1とゲート絶縁膜2との境界面におい
て誘起された固定準位や、Si基板1中のダメ−ジ層を
回復するために、水素雰囲気で例えば400℃、30分
間の熱処理(水素シンター処理)を行なう。
【0087】次に、図6(c)に示す工程で、基板上に
タングステン膜を堆積した後、CMPにより、ゲートコ
ンタクトホールHgcとダミーコンタクトホールHdcとを
Ti/TiNバリアメタル膜及びタングステン膜で埋め
て、バリア層23a及びプラグ23bからなるゲートコ
ンタクト23と、バリア層24a及びプラグ24aから
なるダミーコンタクト24とを形成する。
【0088】その後、図6(d)に示す工程で、層間絶
縁膜10の上に、アルミニウム合金膜などの金属膜を堆
積した後、金属膜をパターニングして、層間絶縁膜10
の上に、ゲートコンタクト23に接続される金属配線層
12を形成する。ただし、ダミーコンタクト24には、
金属配線が接続されていない。つまり、ダミーコンタク
ト24はゲート電極への電圧を印加するために用いられ
るものではない。
【0089】図7は、図6(d)に示す工程における断
面構造を説明するためのVII-VII 線における横断面図で
ある。図7においては、層間絶縁膜が透明体として表わ
されており、かつ、素子分離領域などの表示は省略され
ている。図7に示すように、ゲート上保護膜5のうちゲ
ートコンタクト23及びダミーゲートコンタクト24と
接触する領域が除去されている。言い換えると、ゲート
上保護膜5は、上部ゲート電極4の上面上の領域のう
ち,ゲートコンタクト23と接触する領域以外の領域の
一部(ダミーコンタクト24によって貫通されている領
域)を開口した開口部を有していることになる。
【0090】なお、本実施形態では、ダミーコンタクト
24上には何ら配線を設けていないが、金属配線層12
の形成と同時にダミーコンタクト24上に、電気的にど
こにも接続されないダミー配線を設けてもよい。
【0091】なお、図6(d)に示すように、一般には
ゲートコンタクトは、活性領域の上方ではなく素子分離
用絶縁膜22の上方に設けられる。通常、この領域では
ゲート電極がパッド状に広がっていて、チャネル方向の
寸法がゲート長よりも大きくなっている。これは、活性
領域の上方では、ゲート電極が極めて細く(例えばゲー
ト長0.1μm程度)なっているからである。一方、図
6(d)に示す構造においては、ダミーコンタクト24
が活性領域の上方に設けられているので、ダミーコンタ
クト24がゲート電極からはみ出すおそれもある。しか
し、ダミーコンタクトを形成するためのダミーコンタク
トホールHdcが窒化膜サイドウォール7とオーバーラッ
プしてもソース・ドレイン領域にさえ到達しなければ不
具合はない。したがって、ダミーコンタクト24の横断
面積を十分大きく,例えばゲートコンタクト23の横断
面積よりも大きく確保することは容易である。ただし、
必ずしもダミーコンタクト24の横断面積がゲートコン
タクト23の横断面積よりも大きくなくてもよい。ま
た、1つのゲート電極に対して複数個のダミーコンタク
トを設けてもよい。さらに、ゲート電極のうち素子分離
用絶縁膜22の上方に位置する領域にダミーコンタクト
が設けられていてもよい。
【0092】本実施形態の製造方法によると、図6
(b)に示す工程で、層間絶縁膜10を貫通して上部ゲ
ート電極4に到達するゲートコンタクトホールHgc及び
ダミーコンタクトホールHdcを形成し、さらに、Ti/
TiNからなるバリアメタル膜25を形成した状態で、
不純物活性化のための熱処理を行なっているので、ゲー
ト電極中の不純物の外方への拡散が促進されるととも
に、熱処理時にゲート電極に加わるストレスも抑制され
る。したがって、ゲート電極中のボロンがゲート絶縁膜
2及びSi基板1に侵入してフラットバンド電圧が低下
することに起因するしきい値電圧のばらつきを抑制する
ことができる。また、この時点で水素シンター処理を行
なっているので、ゲート絶縁膜2やSi基板1に効果的
に水素を導入することができ、ゲート絶縁膜2とSi基
板1との間の境界面付近における固定準位や、Si基板
1中のダメージを効果的に回復させることができる。よ
って、半導体装置の実使用時におけるホットキャリア耐
性の悪化を有効に防止することができ、信頼性の高い半
導体装置を形成することができる。
【0093】前に説明した第4の実施形態の場合には、
ゲート電極をパターニングするためのフォトリソグラフ
ィー工程及びドライエッチング工程と、ゲート上保護膜
をある部分5aのみを残留させるようにパターニングす
るためのフォトリソグラフィー工程及びドライエッチン
グ工程とが必要である。それに対し、本実施形態におい
ては、ダミーコンタクトホールHdcを形成する工程はゲ
ートコンタクトホールHgcを形成する工程と同時に行な
うことができるので、フォトリソグラフィー工程及びド
ライエッチング工程の数を増大することなく、信頼性の
高い半導体装置を形成することができる。
【0094】−第5の実施形態の変形例− 第5の実施形態においては、ゲートコンタクト23及び
ダミーコンタクト24を形成する前に、バリアメタル膜
25を堆積した時点で、RTA及び水素シンター処理を
行なったが、層間絶縁膜10中にボロンやリンなどの不
純物が含まれていないか含まれていてもわずかであれ
ば、ゲートコンタクトホールHgc及びダミーコンタクト
ホールHdcを形成した直後に行なうことも可能である。
【0095】また、Ti/TiNからなるバリアメタル
膜25の上にさらにタングステン膜を堆積して、ゲート
コンタクト23及びダミーコンタクト24を形成した時
点で、RTA及び水素シンター処理を行なっても、同じ
効果を発揮することができる。
【0096】
【発明の効果】本発明の半導体装置及びその製造方法に
より、SAC構造を有するMISFETである半導体装
置において、ゲート電極中の不純物のゲート絶縁膜や半
導体基板への侵入による信頼性の低下や、不十分な水素
シンター処理に起因する信頼性の低下を抑制することが
でき、信頼性の高い,微細化された半導体装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に
おけるSAC構造のpチャネル型MISFETの製造工
程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に
おけるSAC構造のpチャネル型MISFETの製造工
程を示す断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第3の実施形態に
おけるSAC構造のpチャネル型MISFETの製造工
程を示す断面図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれ順に、図3(c)
に示す工程における断面構造を説明するためのIVb-IVb
線における横断面図及びIVa-IVa 線における縦断面図で
ある。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に
おけるSAC構造のpチャネル型MISFETの製造工
程を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態に
おけるSAC構造のpチャネル型MISFETの製造工
程を示す断面図である。
【図7】図6(c)に示す工程における断面構造を説明
するためのVII-VII 線における横断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、従来のポリメタルゲート電
極を有しSAC構造のpチャネル型MISFETの製造
工程を示す断面図である。
【図9】pMISキャパシタのフラットバンド電圧のゲ
ート面積依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 ゲート絶縁膜 3 下部ゲート電極 4 上部ゲート電極 5 ゲート上保護膜 5a 一部 5b 開口部 6 LDD領域 7 窒化膜サイドウォール 8 ソース・ドレイン領域 9 コバルトシリサイド膜 10 層間絶縁膜 11 ソース・ドレインコンタクト 11a バリア層 11b プラグ 12 金属配線 20 裏側ポリシリコン膜 21 裏側シリコン窒化膜 22 素子分離用絶縁膜 23 ゲートコンタクト 23a バリア層 23b プラグ 24 ダミーコンタクト 24a バリア層 24b プラグ 25 バリアメタル膜 26 タングステン膜 Hgc ゲートコンタクトホール Hdc ダミーコンタクトホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−174268 (JP,A) 特開 昭54−4578(JP,A) 特開2000−323430(JP,A) 特開 平4−287365(JP,A) 特開 平2−111034(JP,A) 特開2000−208625(JP,A) 特開 平8−46186(JP,A) 特開2001−127169(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 上記半導体基板上に設けられたゲート絶縁膜と、 上記ゲート絶縁膜の上に設けられた導体材料からなるゲ
    ート電極と、 上記ゲート電極の上に形成された絶縁性材料からなるゲ
    ート上保護膜と、 上記半導体基板のうち上記ゲート電極の両側方に位置す
    る領域に不純物を導入して形成されたソース・ドレイン
    領域と、 基板上に設けられた層間絶縁膜と、 上記層間絶縁膜及び上記ゲート上保護膜を貫通して上記
    ゲート電極に到達するゲートコンタクトホールを導体材
    料で埋めてなるゲートコンタクト部材とを備え、 上記ゲート上保護膜は、ゲート電極の上面上に位置する
    領域のうち,上記ゲートコンタクトホール以外の領域の
    一部を開口した開口部を有していることを特徴とする半
    導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置において、 上記ゲート上保護膜は、シリコン窒化膜であることを特
    徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体装置におい
    て、 上記層間絶縁膜を貫通して上記ソース・ドレイン領域に
    到達するホールを導体材料で埋めてなるソース・ドレイ
    ンコンタクト部材をさらに備え、 上記ゲート上保護膜は、ゲート電極の上面上の領域のう
    ち,上記ソース・ドレインコンタクト部材とのオーバー
    ラップを考慮した領域にのみ残されていることを特徴と
    する半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の半導体装置におい
    て、 上記ゲート上保護膜の上記開口部は、上記層間絶縁膜及
    び上記ゲート上保護膜を貫通して上記ゲート電極に到達
    するダミーコンタクトホールの一部であり、 上記ダミーコンタクトホールを導体材料で埋めてなる,
    上記ゲート電極への電圧の供給に用いられないダミーコ
    ンタクト部材をさらに備えていることを特徴とする半導
    体装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体装置において、 上記ダミーコンタクト部材は、上記ゲートコンタクト部
    材よりも大きい横断面積を有していることを特徴とする
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する
    工程(a)と、 上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
    と、 上記工程(b)の後、上記半導体基板の両面を覆うシリ
    コン窒化膜を形成する工程(c)と、 上記導体膜と、上記シリコン窒化膜のうち上記半導体基
    板の主面側に位置する部分とをパターニングして、ゲー
    ト電極とゲート上保護膜とをそれぞれ形成する工程
    (d)と、 上記工程(d)の後、上記半導体基板内に不純物イオン
    を注入してソース・ドレイン領域を形成する工程(e)
    と、 上記ソース・ドレイン領域に注入された不純物を活性す
    るためのアニールを行なう工程(f)と、 上記工程(c)の後で上記工程(f)の前に、上記シリ
    コン窒化膜のうち上記半導体基板の裏面側に位置する部
    分を除去する工程(g)とを含む半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(f)の後、水素シンター処理を行なう工程を
    さらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する
    工程(a)と、 上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
    と、 上記工程(b)の後、上記半導体基板の主面を覆うシリ
    コン窒化膜を形成する工程(c)と、 上記シリコン窒化膜をパターニングして、上記導体膜の
    ゲート電極の直上となる領域のうち一部の上のみにゲー
    ト上保護膜を形成する工程(d)と、 上記導体膜をパターニングして、上記ゲート電極を形成
    する工程(e)と、 上記工程(e)の後、上記半導体基板内に不純物イオン
    を注入してソース・ドレイン領域を形成する工程(f)
    と、 上記ソース・ドレイン領域に注入された不純物を活性す
    るためのアニールを行なう工程(g)と、 基板上に層間絶縁膜を形成する工程(h)と、 上記層間絶縁膜を貫通して、上記ソース・ドレイン領域
    に到達し、かつ、ゲート電極とオーバーラップする部分
    では上記ゲート上保護膜のみに跨るコンタクトホールを
    形成する工程(i)とを含む半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記工程(g)の後で上記工程(h)の前に、水素シン
    ター処理を行なう工程をさらに含むことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板上にゲート絶縁膜を形成す
    る工程(a)と、 上記ゲート絶縁膜の上に導体膜を堆積する工程(b)
    と、 上記工程(b)の後、上記半導体基板の主面を覆うシリ
    コン窒化膜を形成する工程(c)と、 上記シリコン窒化膜及び導体膜をパターニングして、ゲ
    ート上保護膜及びゲート電極を形成する工程(d)と、 上記工程(d)の後、上記半導体基板内に不純物イオン
    を注入してソース・ドレイン領域を形成する工程(e)
    と、 上記工程(e)の後、基板上に層間絶縁膜を形成する工
    程(f)と、 上記層間絶縁膜及び上記ゲート上保護膜を貫通して上記
    ゲート電極に到達するホールを形成する工程(g)と、 上記工程(g)の後、上記ソース・ドレイン領域に注入
    された不純物の活性化のための熱処理を行なう工程
    (h)とを含む半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記工程(g)の後、水素シンター処理を行なう工程を
    さらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記ホール及び層間絶縁膜の上にバリアメタル膜を形成
    する工程をさらに含み、 上記工程(h)は、上記バリアメタルを形成する工程の
    後に行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記バリアメタルを形成する工程の後、水素シンター処
    理を行なう工程をさらに含むことを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記工程(g)の後、上記ホールを導体材料で埋めて、
    コンタクト部材を形成する工程をさらに含み、 上記工程(h)は、上記コンタクト部材を形成する工程
    の後に行なわれることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記コンタクト部材を形成する工程の後、水素シンター
    処理を行なう工程をさらに含むことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項10〜15のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置の製造方法において、 上記工程(g)では、上記ホールとして、少なくともゲ
    ートコンタクトホールとダミーコンタクトホールとを形
    成し、 上記ゲートコンタクトホールは、上記ゲート電極への電
    圧の供給に用いられるコンタクト部材を埋め込むための
    ホールであり、 上記ダミーコンタクトホールは、上記ゲート電極への電
    圧の供給に用いられないダミーコンタクト部材を埋め込
    むためのホールであることを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
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