JP3482163B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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JP3482163B2
JP3482163B2 JP25907599A JP25907599A JP3482163B2 JP 3482163 B2 JP3482163 B2 JP 3482163B2 JP 25907599 A JP25907599 A JP 25907599A JP 25907599 A JP25907599 A JP 25907599A JP 3482163 B2 JP3482163 B2 JP 3482163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビード部内での空
隙の発生を抑制しビード耐久性を向上しうる重荷重用ラ
ジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】カーカスをスチールコードで形成した、
例えばトラック、バス用の重荷重用タイヤにおいては、
従来、カーカスのプライ本体部とプライ巻上げ部との間
に充填されるビードエーペックスのゴムボリュウムを増
加し、ビード剛性を高めることによって、負荷荷重によ
る変形を減じビード耐久性を向上していた。
【0003】これに対して、近年、タイヤの軽量化のめ
にビード構造が見直され、図7に示すように、ビードエ
ーペックスbのボリュウム及び高さを大巾に減じるとと
もに、カーカスプライaのプライ巻上げ部a2を高くし
てプライ本体部a1と接触する接触域a2aを形成する
(以下に新ビード構造という)ことにより、ビード耐久
性を向上しながら軽量化を図る技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな新ビード構造では、ビードエーペックスbが密閉さ
れるためそのゴム流れ性が低く、しかもカーカスプライ
aのビードコアc廻りでの折れ曲がり、及びビードエー
ペックス外端での折れ曲がりの度合いが著しく増加す
る。その結果、スチールコードのカーカスプライaで
は、タイヤを生産するにあたり、加硫成形中において前
記折れ曲がりが強く戻ろうとして、例えばビードエーペ
ックスの外端近傍P1等において、エアー溜まりが発生
し、逆にビード耐久性を低下させるという問題が発生す
る。
【0005】なお本出願人は、特開平11−17082
5号公報において、前記外端近傍P1でのエアー溜まり
を防止すべく、この外端近傍P1の高さ位置でかつカー
カスとインナーライナとの間に短繊維入りのゴム補強層
を配することを提案した。しかし、このゴム補強層は、
加硫時の成形内圧を部分的に増加せしめ、エアーの排出
効果を高めるものであり、前記ゴム流れ性やカーカスプ
ライの曲げ戻りを積極的に改善させるものではない。
【0006】そこで本発明は、カーカスプライとは別の
補強層により前記接触域を形成し、この接触域よりも低
所でプライ巻上げ部を終端させることにより接触域とプ
ライ巻上げ部との間に半径方向の離間部を設けることを
基本として、ビードエーペックスの密閉性を解きそのゴ
ム流れ性を高めるか、又はカーカスプライの曲げ戻りを
緩和せることが可能となり、前記エアー溜まりを効果的
に抑制し、軽量化を図りながらビード耐久性を向上しう
る重荷重用ラジアルタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1の重荷重用ラジアルタイヤの発明は、
トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビー
ドコアに至るプライ本体部に、前記ビードコアで折り返
すプライ巻上げ部を連設したカーカス、前記プライ本体
部とプライ巻上げ部との間に配したビードエーペック
ス、及びトレッド部の内方かつカーカスの外側に配した
ベルト層を具え、前記カーカスを一枚のスチールコード
からなるカーカスプライを用いて形成し、かつ前記プラ
イ巻上げ部は、その半径方向外端がプライ本体部から離
れしかも外端のビードベースラインからの高さHを12
〜20mmの小高さとするとともに、前記ビード部に、
外端が前記ビードエーペックスを半径方向外側に越え、
かつプライ本体部のタイヤ軸方向外面に実質的に接する
接触域を具える補強層を配置し、かつ該接触域の半径方
向内端と前記プライ巻上げ部の外端とを半径方向内外に
位置ズレさせた離間部を設けたことを特徴としている。
【0008】また請求項1に係る発明では、さらに、前
記補強層は、スチールコードを引き揃えた補強プライか
らなり、かつ前記接触域の半径方向内端で終端するとと
もに、補強層のカーカスに沿う接触域長さLXを45〜
60mm、かつ接触域の前記内端のビードベースライン
からの高さHPを30〜40mmとし、前記プライ巻上
げ部の外端との間に前記離間部を形成したことを特徴と
している。
【0009】また請求項2に係る発明では、前記離間部
は、有機繊維コードを用いた継ぎの補助補強層により橋
絡されることを特徴としている。
【0010】また請求項3に係る発明では、トレッド部
からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至
るプライ本体部に、前記ビードコアで折り返すプライ巻
上げ部を連設したカーカス、前記プライ本体部とプライ
巻上げ部との間に配したビードエーペックス、及びトレ
ッド部の内方かつカーカスの外側に配したベルト層を具
え、前記カーカスを一枚のスチールコードからなるカー
カスプライを用いて形成し、かつ前記プライ巻上げ部
は、その半径方向外端がプライ本体部から離れしかも外
端のビードベースラインからの高さHを12〜20mm
の小高さとするとともに、前記ビード部に、外端が前記
ビードエーペックスを半径方向外側に越え、かつプライ
本体部のタイヤ軸方向外面に実質的に接する接触域を具
える補強層を配置し、前記補強層は、有機繊維コードを
引き揃えた補強プライからなり、かつ該補強層は前記接
触域と、この接触域に連なりプライ巻上げ部の外端かつ
そのタイヤ軸方向内面に接する継ぎ部とを具えることを
特徴とする。
【0011】また請求項4の発明では、請求項3におい
て、前記ビード部は、前記補強層のタイヤ軸方向外面
に、その接触域から前記プライ巻上げ部の外端まで該補
強層に重なってのびる有機繊維コードを用いた重なりの
補助補強層を具えることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1、2は、本発明の重荷重用
ラジアルタイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧
を充填した無負荷の標準状態におけるタイヤ断面を示し
ている。なお本明細書において、前記「正規リム」と
は、JATMAで規定する標準リム、「正規内圧」と
は、JATMAで規定する最高空気圧として定義する。
【0013】図において、重荷重用ラジアルタイヤ1
(以下タイヤ1という)は、トレッド部2と、その両端
からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール
部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビー
ド部4とを具える。又タイヤ1は、前記ビード部4、4
間に跨るトロイド状のカーカス6と、このカーカス6の
半径方向外側かつトレッド部2の内方に配置されるベル
ト層7とによって補強される。
【0014】前記ベルト層7は、少なくとも2枚のベル
トプライ、本例では、カーカス側からトレッド面に向か
って順に配される第1、第2、第3、第4のベルトプラ
イ7A〜7Dの4枚からなり、例えば第1のベルトプラ
イ7Aは、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して50〜
70度程度の角度で配列するとともに、第2、第3、第
4のベルトプライ7B〜7Dは10〜30度程度の角度
でベルトコードを配列している。なお第2、第3のベル
トプライ7B、7C間でタイヤ赤道Cに対するコードの
傾斜方向が相違し、これによって強固なトラス構造を構
成し、必要なベルト剛性を付与して操縦安定性を維持す
るとともに、タイヤの寸法変化を抑制する。前記ベルト
コードとしては、例えばスチールコード、芳香族ポリア
ミド繊維コード等の高弾性のものが使用される。
【0015】また前記カーカス6は、スチールコード
(カーカスコード)をタイヤ赤道Cに対して75〜90
度の角度で配列した1枚のカーカスプライ9から形成さ
れる。該カーカスプライ9は、前記トレッド部2からサ
イドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至
るプライ本体部9Aの両側に、前記ビードコア5の廻り
でタイヤ軸方向内側から外側に折返されるプライ巻上げ
部9Bを具えている。
【0016】そして、このプライ本体部9Aとプライ巻
上げ部9Bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半
径方向外側に向かって先細状にのびるビードエーペック
ス10が配される。
【0017】なお前記ビードコア5は、本例では、スチ
ール製のビードワイヤを所定回数螺旋巻きすることによ
り断面略六角形状に形成したものをゴム被覆することに
より形成され、その下辺5iがタイヤ軸方向線に対して
10〜17°、本例では約15°、すなわちリムのリム
シート面J1の傾斜に沿うように構成されている。な
お、ビードコア5には、スチールの他、芳香族ポリアミ
ドのワイヤ素材なども採用しうる。
【0018】また前記ビードエーペックス10は、必要
なビード剛性を確保するため、デュロメータA硬さを7
0〜95度とした硬質のゴムが使用される。なおデュロ
メータA硬さとは、JIS−K6253に基づき測定し
たデュロメータータイプAによる25゜Cの温度での硬
さを意味する。このビードエーペックス10は、本例で
は、その半径方向外端10Eのビードベースライン4L
からの高さHm(エーペックス高さHmという場合があ
る)を40mm以下に減じている。これによって、ゴム
ボリュウムを減じ軽量化が図られる。なお前記「ビード
ベースライン4L」とは、前記JATMAの規格で定め
られるリム径を通るタイヤ軸方向線を意味する。
【0019】また前記カーカス6は、前記プライ本体部
9Aがビードエーペックス10の前記外端10Eに最も
近接する位置と、前記プライ本体部9Aがビードコア5
から離間を始める離間開位置との間の領域Yにおいて、
プライ本体部9Aは、前記標準状態において略直線状に
形成される。
【0020】他方、カーカス6のプライ巻上げ部9B
は、ビードコア5で折り返された後、前記ビードエーペ
ックス10のタイヤ軸方向外面で終端し、その半径方向
外端BUの前記ビードベースライン4Lからの高さH
(巻上げ高さHという場合がある)を12〜20mmの
小高さに設定している。なお前記外端BUは、ビードエ
ーペックス10が介在することによって、前記プライ本
体部9Aから離間している。
【0021】またビード部4には、外端13Uが前記ビ
ードエーペックス10を半径方向外側に越え、かつプラ
イ本体部9Aのタイヤ軸方向外面に実質的に接する接触
域13を具える補強層12を配置している。これによっ
て、該接触域13の半径方向内端13Lと前記プライ巻
上げ部9Bの外端BUとが半径方向内外に位置ズレする
離間部14を形成している。なお本例では、前記接触域
13の内端13Lと前記ビードエーペックス10の外端
10Eとが実質的に同位置に形成される最も好ましい場
合を例示している。
【0022】また図2には、前記補強層12が、スチー
ルコード(補強コード)を引き揃えた補強プライ15か
ら形成される第1の実施形態の補強層12が示されてい
る。この第1の実施形態では、補強層12が前記接触域
13の内端13Lで終端することにより、前記接触域1
3のみによって補強層12を構成している。なお補強プ
ライ15では、その補強コードのコード構成(撚り構造
および太さ)、コード配列密度、コード角度等について
は特に規制されないが、例えばコード構成が3+7のご
とき層撚り、コード配列密度が30〜40本/5cm、コ
ード角度が75〜90度のものが好適に採用される。本
例では、カーカスプライ9と同構成のプライを用いた場
合を例示している。
【0023】ここで、前記補強コードがスチールコード
の場合、コード端の接着性を高める目的で、例えば厚さ
1.5mm以下の薄厚のインシュレーションゴム16で
被覆する場合があり、前記「実質的に接する」とは、こ
のインシュレーションゴム16等によるプライ本体部9
Aからの若干の浮上がりを許容するものである。なおイ
ンシュレーションゴム16は、トッピングゴムと略同構
成の軟質のゴムで形成される。
【0024】また第1の実施形態の補強層12では、そ
のカーカス6に沿う接触域長さLXを45〜60mmと
する一方、前記接触域13の内端13Lのビードベース
ラインからの高さHP(本例では、エーペックス高さH
mと等しい)を30〜40mmとし、前記プライ巻上げ
部9Bの外端BUとの間に、前記離間部14を形成して
いる。
【0025】このように、第1の実施形態の補強層12
では、前記ビードエーペックス10が密閉されることが
なく、前記離間部14において、リムずれ防止用のチェ
ーファーゴム17と導通する。従って、ビードエーペッ
クス10のゴム流れ性が改善されるとともに、その外端
10Eにおいては、プライ巻上げ部9Bの曲げ戻りの影
響が作用しなくなる。その結果、エアー溜まりの発生を
効果的に阻止することができる。なお前記チェーファー
ゴム17は、ビードコア5の下方からプライ巻上げ部9
Bに接しながらタイヤ半径方向外方にのび、その外端部
は、サイドウオール部3をなす柔らかなサイドウオール
ゴムと隣接する。
【0026】ここで、前記巻上げ高さHが12.0mm
未満では、カーカス6に吹き抜け現象を招くなど耐久性
が維持できず、逆に20mmを越えると、離間部14が
過小となって、エアー溜まりの抑止効果が発揮されなく
なる。
【0027】また前記接触域長さLXが45mm未満の
時、および高さHP(本例では、エーペックス高さHm
と等しい)が30mm未満の時、ビード剛性が不十分と
なるなどビード変形が増大し、ビード耐久性を低下す
る。逆に前記高さHPが40mmを越えると、ゴムボリ
ュームが過大となってゴム発熱を招き、同様にビード耐
久性の低下を招く。なお前記接触域長さLXが60mm
を越えた時には、補強層12の外端12Uが、サイドウ
ォール部3におけるゴムゲージの薄い位置に配されるこ
ととなるため、外観上、段付きラインが発生したり、サ
イドウォールゴムへの歪みが大きくなってゴム割れなど
の外観損傷が発生する。
【0028】なおビードエーペックス10は、通常、前
記チェーファーゴム17よりもゴム硬度が低く設定され
ているが、図3に示すように、ビードエーペックス10
をチェーファーゴム17と実質的に同質ゴムで形成する
こともできる。
【0029】また、第1の実施形態の補強層12では、
図4に示す如く、前記離間部14を、有機繊維コードを
用いた曲げ剛性が小さい継ぎの補助補強層19により橋
絡することもできる。本例では、前記継ぎの補助補強層
19が、前記補強層12の内端12Lかつそのタイヤ軸
方向外面と、プライ巻上げ部9Bの外端BUかつそのタ
イヤ軸方向内面との双方に、重複部20を有して接合さ
れる場合を例示する。なお有機繊維コードとしては、ナ
イロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等
が好適に使用される。
【0030】この継ぎの補助補強層19は、タイヤ成形
時のプライ巻上げ部9Bの折返し作業を容易とするとと
もに、その曲げ戻り力を継ぎの補助補強層19が吸収で
き、エアー溜まり抑止効果的を維持できる。また継ぎの
補助補強層19は、ビード剛性の向上のも役立ち、ビー
ド変形を抑制しながら前記高さHPを20mmまで減じ
ることが可能となる。
【0031】また図5には、前記補強層12が、有機繊
維コード(補強コード)を引き揃えた補強プライ21か
ら形成される第2の実施形態の補強層12が示されてい
る。この第2の実施形態では、補強層12は、前記接触
域13と、この接触域13に連なり前記離間部14を
橋絡してプライ巻上げ部9Bの外端BUかつそのタイ
ヤ軸方向内面に接する継ぎ部22とを具えている。
お、離間部14を具えることを要件とする第1の実施形
態との対比上、その差違を明瞭とするために「離間部1
4を橋絡」と表現しているが、第2の実施形態において
は、継ぎ部22を具え、離間部14を本来的に具えな
い。
【0032】なお補強プライ21では、その補強コード
の、コード材質、コード構成(撚り構造および太さ)、
コード配列密度、コード角度等については特に規制され
ないが、例えばコード材質ではナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、芳香族ポリアミド等が、コード構成では
900〜1000dtex/2、コード配列密度では4
0〜50本/5cm、コード角度では75〜90度のもの
が好適に採用される。
【0033】また第2の実施形態の補強層12では、前
記接触域長さLXを45〜60mmとする一方、前記接
触域13の内端13Lの前記高さHP(本例では、エー
ペックス高さHmと等しい)を20〜30mmとするこ
とが好ましい。
【0034】このように、第2の実施形態の補強層12
では、前記ビードエーペックス10が密閉されている
が、補強層12の曲げ剛性が小であるため、ゴム流れ性
を阻害することがない。しかもプライ巻上げ部9Bの曲
げ戻り力を吸収し、この曲げ戻りの影響が、ビードエー
ペックス外端10Eに作用するのを抑制しうるため、エ
アー溜まりの発生を効果的に阻止できる。また第2の実
施形態では、継ぎ部22を具えているため、タイヤ成形
時のプライ巻上げ部9Bの折返し作業を容易とする。さ
らに第2の実施形態では、補強層12がビードエーペッ
クス10を包み込んでいるためビード剛性に優れ、ビー
ド変形を抑制しながら前記高さHPを20mmまで減じ
ることが可能となる。
【0035】なお、前記接触域長さLXが45mm未満
の時、および高さHPが20mm未満の時、ビード剛性
が不十分となるなどビード変形が増大し、ビード耐久性
を低下する。逆に前記高さHPが30mmを越えると巻
上げ側の補強層12の歪が大きくなりコード切れが発生
する。なお前記接触域長さLXが60mmを越えた時に
は、補強層12の外端12Uが、サイドウォール部3に
おけるゴムゲージの薄い位置に配されることとなるた
め、外観上、段付きラインが発生したり、サイドウォー
ルゴムへの歪みが大きくなってゴム割れなどの外観損傷
が発生する。
【0036】また、第2の実施形態の補強層12では、
図6に示す如く、補強層12のタイヤ軸方向外面に、そ
の接触域13から前記プライ巻上げ部9Bの外端BUま
で該補強層12に重なってのびる有機繊維コードを用い
た重なりの補助補強層23を設けることができる。
【0037】この重なりの補助補強層23は、その補強
コードの、コード材質、コード構成(撚り構造および太
さ)、コード配列密度、コード角度等については特に規
制されないが、前記補強プライ21と略同構成のプライ
が好適に使用でき、ビード剛性を高めビード変形を抑制
できるという利点がある。
【0038】
【実施例】タイヤサイズが11R22.5である重荷重
用ラジアルタイヤを、表1の仕様で試作するとともに、
各試供タイヤのエアー溜まりの発生の有無、およびビー
ド耐久性をテストした。タイヤの共通仕様は次の通りで
ある。 <カーカス> ・プライ数 1枚 ・コード構成 スチールコード(3×0.20+7×0.23) ・コード角度 タイヤ赤道に対して90度 ・コード密度 38本/5cm(ビードコアの下方部) <ベルト層> ・プライ数 4枚 ・コード構成 スチールコード(3×0.20+6×0.35) ・コード角度 タイヤ赤道に対して内側プライから +67/+18/−18/−18度 ・コード密度 26本/5cm また、テストの内容は次の通りである。
【0039】(1)エアー溜まり:各10本のタイヤの
ビード部を解体し、各タイヤ4箇所を調査した。表中、 ○;エアー溜まりの発生箇所なし、 △;エアー溜まりが見つかったタイヤが3本以下、 ×;エアー溜まりが見つかったタイヤが4本以上、又は
エアー溜まりの一箇所の長さが4mm以上のタイヤが1
本以上ある場合を意味する。
【0040】(2)ビード耐久性:試供タイヤを、標準
リム(22.5×8.25)、標準内圧(800kp
a)、荷重(58.52kN)の条件で回転ドラム試験
機上で、20km/hの速度で走行させ、ビード損傷が発
生するまでの走行時間を比較した。完走は600時間で
あり、走行時間が大なほど優れている。測定温度は25
゜Cであった。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示すように、実施例のタイヤは、エ
アー溜まりの発生を抑え、かつビード耐久性を大巾に向
上することができる。
【0043】
【発明の効果】叙上の如く本願の重荷重用ラジアルタイ
ヤは構成しているため、新ビード構造と略等しい利点を
維持しながら、この構造に起因して生じるビードエーペ
ックスでのエアー溜まりを効果的に抑制することがで
き、軽量化を促進しながらビード耐久性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重荷重用ラジアルタイヤの一実施例を
示す断面図である。
【図2】第1の実施形態のビード補強層の一例を拡大し
て示す断面図である。
【図3】第1の実施形態のビード補強層の他の例を拡大
して示す断面図である。
【図4】第1の実施形態のビード補強層のさらに他の例
を拡大して示す断面図である。
【図5】第2の実施形態のビード補強層の一例を拡大し
て示す断面図である。
【図6】第2の実施形態のビード補強層の他の例を拡大
して示す断面図である。
【図7】従来技術の問題点を説明するタイヤのビード部
を例示する断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 7 ベルト層 9 カーカスプライ 9A プライ本体部 9B プライ巻上げ部 10 ビードエーペックス 12 補強層 13 接触域 14 離間部 15、21 補強プライ 19 継ぎの補助補強層 22 継ぎ部 23 重なりの補助補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 13/00 B60C 15/00 B60C 15/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビード
    コアで折り返すプライ巻上げ部を連設したカーカス、前
    記プライ本体部とプライ巻上げ部との間に配したビード
    エーペックス、及びトレッド部の内方かつカーカスの外
    側に配したベルト層を具え、 前記カーカスを一枚のスチールコードからなるカーカス
    プライを用いて形成し、かつ前記プライ巻上げ部は、そ
    の半径方向外端がプライ本体部から離れしかも外端のビ
    ードベースラインからの高さHを12〜20mmの小高
    さとするとともに、 前記ビード部に、外端が前記ビードエーペックスを半径
    方向外側に越え、かつプライ本体部のタイヤ軸方向外面
    に実質的に接する接触域を具える補強層を配置し、かつ
    該接触域の半径方向内端と前記プライ巻上げ部の外端と
    を半径方向内外に位置ズレさせた離間部を設け、 しかも前記補強層は、スチールコードを引き揃えた補強
    プライからなり、かつ前記接触域の半径方向内端で終端
    するとともに、 補強層のカーカスに沿う接触域長さLXを45〜60m
    m、かつ接触域の前記内端のビードベースラインからの
    高さHPを30〜40mmとし、該接触域の半径方向内
    端と前記プライ巻上げ部の外端との間に前記離間部を形
    成したことを特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記離間部は、有機繊維コードを用いた継
    ぎの補助補強層により橋絡されることを特徴とする請求
    項1記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るプライ本体部に、前記ビード
    コアで折り返すプライ巻上げ部を連設したカーカス、前
    記プライ本体部とプライ巻上げ部との間に配したビード
    エーペックス、及びトレッド部の内方かつカーカスの外
    側に配したベルト層を具え、 前記カーカスを一枚のスチールコードからなるカーカス
    プライを用いて形成し、かつ前記プライ巻上げ部は、そ
    の半径方向外端がプライ本体部から離れしかも外端のビ
    ードベースラインからの高さHを12〜20mmの小高
    さとするとともに、 前記ビード部に、外端が前記ビードエーペックスを半径
    方向外側に越え、かつプライ本体部のタイヤ軸方向外面
    に実質的に接する接触域を具える補強層を配置し、 前記補強層は、有機繊維コードを引き揃えた補強プライ
    からなり、かつ該補強層は前記接触域と、この接触域に
    連なりプライ巻上げ部の外端かつそのタイヤ軸方向内面
    に接する継ぎ部とを具えることを特徴とする重荷重用ラ
    ジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】前記ビード部は、前記補強層のタイヤ軸方
    向外面に、その接触域から前記プライ巻上げ部の外端ま
    で該補強層に重なってのびる有機繊維コードを用いた重
    なりの補助補強層を具えることを特徴とする請求項3
    載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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