JP3481903B2 - ケーブル接続部の組立方法 - Google Patents
ケーブル接続部の組立方法Info
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- JP3481903B2 JP3481903B2 JP2000163980A JP2000163980A JP3481903B2 JP 3481903 B2 JP3481903 B2 JP 3481903B2 JP 2000163980 A JP2000163980 A JP 2000163980A JP 2000163980 A JP2000163980 A JP 2000163980A JP 3481903 B2 JP3481903 B2 JP 3481903B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るケーブル接続
部の組立方法は、例えば、地中送電線として使用するC
Vケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル)、OFケ
ーブル(オイルフィルドケーブル)等の送電ケーブルの
端部同士を接続する為の、プレハブ型直線接続部と呼ば
れるケーブル接続部の組立作業の容易化を図るものであ
る。 【0002】 【従来の技術】地中送電線を構成するCVケーブル等の
送電ケーブルの端部同士を接続する為に従来から、図3
に示す様なプレハブ型直線接続部が使用されている。1
対のCVケーブル1、1を構成する導体2、2の端部
で、それぞれ絶縁層3、3から露出した部分は、それぞ
れ導体接続子4を構成する圧縮端子部5、5内に、これ
ら各圧縮端子部5、5の先端開口から挿入している。上
記導体接続子4は、銅系合金等の、電気抵抗が小さい比
較的軟質の金属により形成したもので、両端部にそれぞ
れが略有底円筒状である上記各圧縮端子部5、5を、中
央部に結合固定部6を、それぞれ設けている。この様な
導体接続子4は、上記各導体2、2の端部を上記各圧縮
端子部5、5内に、それぞれの先端開口から挿入した状
態でこれら各圧縮端子部5、5を上記各導体2、2の端
部外周面に向けかしめ付けて、これら各導体2、2の端
部同士を互いに結合する。 【0003】そして、この導体接続子4の中間部外周面
に支持固定した略円環状の導体固定具7を、筒状の補強
絶縁体8の内周面に包埋支持した、アルミニウム系合金
等の金属により円筒状に造られた高圧シールド電極9の
内周面に支持固定している。上記補強絶縁体8は、ケー
ブル接続部(プレハブ型直線接続部)を収納する円筒状
のケース10内に保持固定されている。従って、上記導
体接続子4は、上記導体固定具7と補強絶縁体8とを介
して、上記ケース10内に固定され、軸方向にずれ動く
事を防止される。又、この状態で上記各CVケーブル
1、1を構成する絶縁層3、3の端部外周面と上記補強
絶縁体8の端部内周面との間のくさび状の隙間内には、
プレモールド絶縁体11、11を挿入している。そし
て、ばね16、16により、これら各プレモールド絶縁
体11、11を、上記隙間の奥部に弾性的に押し込んで
いる。 【0004】上述の様な送電ケーブル用プレハブ型直線
接続部を組み立てる場合には、上記各導体2、2の端部
同士を導体接続子4により接続すると共に、この導体接
続子4の中間部外周面に上記導体固定具7を支持固定す
る。この作業は、例えば図4〜8に示す様にして行な
う。先ず、図4に示す様に、一方のCVケーブル1の先
端部に所定の長さに露出させた導体2の基部(絶縁層
3)に、抑えナット12と、スプリングワッシャ13
と、ワッシャ14とを、それぞれ外嵌する。 【0005】次いで、図5に示す様に、上記導体2を、
導体接続子4に設けた1対の圧縮端子部5、5のうちの
一方の圧縮端子部5内に挿入した状態で、ダイス等の図
示しない縮径装置により、この一方の圧縮端子部5を直
径方向内方に圧縮する。この結果、この一方の圧縮端子
部5の内周面と上記一方の導体2の端部外周面とが密接
して、これら一方の圧縮端子部5と一方の導体2とが、
電気的且つ機械的に結合固定される。 【0006】次いで、図6に示す様に、上記導体接続子
4に前記導体固定具7を、この導体接続子4の他端側
(図6の左端側)から外嵌すると共に、上記1対の圧縮
端子部5、5のうちの他方の圧縮端子部5の内側に、別
のCVケーブル1の導体2を挿入する。 【0007】そして、図7に示す様に、図示しない縮径
装置により上記他方の圧縮端子部5を直径方向内方に圧
縮し、上記導体接続子4の他端部に他方の導体2を結合
固定する。この状態で、互いに接続すべき1対の導体
2、2が、上記導体接続子4を介して接続される。この
接続作業の際、上記導体固定具7は、一方のCVケーブ
ル1側に退避させておく。その後、図8に示す様に、上
記導体固定具7を上記導体接続子4の軸方向中央部に移
動させ、この導体固定具7を介して、この導体接続子4
を高圧シールド電極9(図3)の内周面中間部に固定す
る。この固定作業は、上記抑えナット12とスプリング
ワッシャ13とワッシャ14とを使用して行なう。これ
ら一連の作業により、前述の図3に示す様な、ケーブル
接続部を構成できる。 【0008】上述の様にして図3に示す様なケーブル接
続部を組み立てる場合、各CVケーブル1、1を構成す
る各導体2、2の端部を、導体接続子4の両端部に設け
た各圧縮端子部5、5内に、確実に挿入する必要があ
る。この挿入が不確実であると、これら各圧縮端子部
5、5の奥端面と上記各導体2、2の先端面との間に過
剰な空間が形成され、上記ケーブル接続部の電気的特性
が悪化する可能性がある。又、挿入量が極端に短い場合
には、上記各導体2、2と上記導体接続子4との間の電
気抵抗が大きくなったり、これら各導体2、2と導体接
続子4との機械的結合強度が不足する可能性がある。
尚、本発明の組立方法の対象となるCVケーブル1、1
は、剛性が大きく、その端部を軸方向に変位させる為に
数千N以上の力を要する為、この変位は専用の機械によ
り行なう。従って、上記各導体2、2の先端面が上記各
圧縮端子部5、5の奥端面に突き当たった事で、これら
各導体2、2の端部がこれら各圧縮端子部5、5内に十
分に挿入された事を検知するのは困難である。 【0009】この為従来から、上記導体2、2の先端部
中間寄り部分に、絶縁テープ或はペンキ等により、この
導体2、2を上記各圧縮端子部5、5に挿入すべき長さ
を示す指標を付す事が行なわれている。上記ケーブル接
続部の組立作業時には、この指標の側縁が上記各圧縮端
子部5、5の端面位置に達するまで、上記各導体2、2
をこれら各圧縮端子部5、5内に挿入した状態で、これ
ら各圧縮端子部5、5の縮径作業を行なう。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】導体2、2の端部に絶
縁テープやペンキにより挿入量を示す指標を付した場
合、完成後のケーブル接続部の絶縁性が不良になる可能
性がある為、改良が望まれている。即ち、各導体2、2
を各圧縮端子部5、5内に挿入した後、これら各圧縮端
子部5、5の縮径作業を行なうと、これら各圧縮端子部
5、5が軸方向に伸びる。そして、これら各圧縮端子
5、5の先端開口縁部が、上記指標を覆い隠す方向に変
位する。 【0011】この為、上記各圧縮端子部5、5を縮径し
て導体接続子4と上記各導体2、2とを結合固定した後
には、上記指標を取り除く事ができなくなる。しかも、
この様に上記導体接続子4と上記各導体2、2とを結合
固定する過程で上記指標は、上記各圧縮端子部5、5の
開口周縁部でそぐ様な力を受けている為、破片が脱落し
易い状態となっている可能性がある。そして、この様な
破片が、その後の組立作業の過程で脱落し、何れかの部
分に噛み込まれたりした場合には、上記ケーブル接続部
の絶縁性を悪化させてしまう。更に、ペンキにより付し
た指標の場合には、上記各圧縮端子部5、5を圧縮する
為の圧縮機に隠れて、十分に確認できない場合もある。
本発明のケーブル接続部の組立方法は、この様な不都合
を解消すべく発明したものである。 【0012】 【課題を解決する為の手段】本発明のケーブル接続部の
組立方法は、前述した従来技術の場合と同様に、塑性変
形自在な金属製の導体接続子に設けられた円筒状の圧縮
端子部に、ケーブルを構成する導体の端部を所定長さ分
だけ挿入した状態で、この圧縮端子部の外周面に径方向
内方に向いた力を加える事によりこの圧縮端子部を縮径
して、この圧縮端子部の内周面と上記導体の端部外周面
とを密接させるものである。特に、本発明のケーブル接
続部の組立方法に於いては、上記導体の端部を上記圧縮
端子部に挿入するのに先立って、この導体の端部でこの
導体の端面から上記所定長さ分だけこの導体の中央側に
寄った部分に、その内径を縮める方向の弾力を有し、そ
の内周面が上記導体の端部外周面に弾性的に当接する組
立用位置決め治具を、上記導体の軸方向の摺動変位自在
に外嵌する。その後、この組立用位置決め治具の片面と
上記圧縮端子部の端面とが突き当たるまで、上記導体の
端部をこの圧縮端子部に挿入する。 【0013】 【作用】上述の様に構成するケーブル接続部の組立方法
によれば、ケーブル接続部の絶縁性能を劣化させる危険
性をなくし、しかも導体接続子を構成する圧縮端子部に
導体の端部を確実に挿入できる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本例に使用する位置決め治具15
は、弾性を有する絶縁材である、ポリアミド樹脂等の、
滑り易い合成樹脂により、図1に示す様な欠円環状に構
成している。この様な位置決め治具15は、自由状態で
の内径R15{図1(A)}を、ケーブル接続部を構成す
る導体2の外径D2 {図2(A)}よりも小さく(R15
<D2 )している。従って、上記位置決め治具15は、
その内径を弾性的に広げた状態で、上記導体2の端部に
外嵌自在である。そして、外嵌した状態では、上記位置
決め治具15の内周面が上記導体2の端部外周面に、弾
性的に当接する。そして、外力が働かない限り、この導
体2に対する上記位置決め治具15の取付位置が(不用
意に)動かない様になる。 【0015】上述の様な位置決め治具15を使用して、
上記導体2の端部を導体接続子4の端部に設けた圧縮端
子部5に接続固定する作業は、図2に示す様に、次の
〜の順に行なう。 図2(A)に示す様に、CVケ
ーブル1を構成する導体2の端部を、絶縁層3の端部か
ら露出させる。 【0016】 図2(B)に示す様に、上記導体2の
端部に上記位置決め治具15を、その内径を弾性的に広
げつつ外嵌する。そして、上記導体2の先端面からこの
位置決め治具15の片面(図2の右面)までの距離L
を、この導体2の端部を上記圧縮端子部5に挿入すべき
所定長さに一致させる。この作業は、物差しにより上記
距離Lを測定しつつ、上記位置決め治具15を上記導体
2に対し摺動させる事により、容易に行なえる。 【0017】 図2(C)に示す様に、上記導体2の
端部で上記位置決め治具15から突出した部分を、上記
導体接続子4の端部に設けた圧縮端子部5に挿入する。
この状態で、上記位置決め治具15の片面とこの圧縮端
子部5の先端面とが当接している事を確認する。この位
置決め治具15は、上記導体2よりも大径で目立つ為、
この確認作業は容易に行なえる。この確認作業の結果、
上記両面同士が当接していれば、この圧縮端子部5に対
する上記導体2の挿入量が十分であるから、次の行程に
進む。これに対して、上記両面同士が当接していない場
合には、挿入量が不足しているので、上記導体2を上記
圧縮端子部5内に、更に差し込む。 【0018】 図2(D)に示す様に、図示しない圧
縮機により、上記導体2の端部が挿入された圧縮端子部
5を縮径し、この圧縮端子部5の内周面を上記導体2の
端部外周面に密接させる。この様に圧縮端子部5を縮径
するのに伴って、この圧縮端子部5の軸方向長さが伸び
る。この縮径作業時に、この圧縮端子部5が上記導体2
の端部から退避する方向(図2の右方向)に変位しない
様に、言い換えれば、上記圧縮端子部5の奥端面と上記
導体2の先端面とが離れない様に、上記導体接続子4を
抑え付けている。従って、上記圧縮端子部5の軸方向の
伸びは、総てこの圧縮端子部5の先端面の変位として現
れる。そして、この圧縮端子部5の先端面(図2の左側
の圧縮端子部5の左端面)が、上記位置決め治具15を
押圧する。この位置決め治具15は、上記導体2の端部
に外嵌しているだけで、強い力が加わった場合には軸方
向に変位するので、上記圧縮端子部5が伸びた分だけ、
上記位置決め治具15が、上記導体2の中央部側(絶縁
層3に近づく側)に押し動かされる。又、この際、上記
位置決め治具15の一部が、上記圧縮端子部5の開口周
縁部によりかじられて、この位置決め治具15の破片が
生じる事はない。 【0019】 上述の様にして上記導体2の端部を上
記圧縮端子部5に結合固定したならば、図2(E)に示
す様に、この導体2の端部から上記位置決め治具15を
取り外す。この位置決め治具15は、合成樹脂等の弾性
材により欠円環状に構成している為、この位置決め治具
15の取り外し作業は、容易に行なえる。取り外した位
置決め治具15は、再利用すべく、別の導体の端部に外
嵌する。 【0020】 【発明の効果】本発明のケーブル接続部の組立方法は、
以上に述べた通り構成され作用するので、良好な絶縁性
能を有するケーブル接続部の組立作業を、能率良く行な
える。
部の組立方法は、例えば、地中送電線として使用するC
Vケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル)、OFケ
ーブル(オイルフィルドケーブル)等の送電ケーブルの
端部同士を接続する為の、プレハブ型直線接続部と呼ば
れるケーブル接続部の組立作業の容易化を図るものであ
る。 【0002】 【従来の技術】地中送電線を構成するCVケーブル等の
送電ケーブルの端部同士を接続する為に従来から、図3
に示す様なプレハブ型直線接続部が使用されている。1
対のCVケーブル1、1を構成する導体2、2の端部
で、それぞれ絶縁層3、3から露出した部分は、それぞ
れ導体接続子4を構成する圧縮端子部5、5内に、これ
ら各圧縮端子部5、5の先端開口から挿入している。上
記導体接続子4は、銅系合金等の、電気抵抗が小さい比
較的軟質の金属により形成したもので、両端部にそれぞ
れが略有底円筒状である上記各圧縮端子部5、5を、中
央部に結合固定部6を、それぞれ設けている。この様な
導体接続子4は、上記各導体2、2の端部を上記各圧縮
端子部5、5内に、それぞれの先端開口から挿入した状
態でこれら各圧縮端子部5、5を上記各導体2、2の端
部外周面に向けかしめ付けて、これら各導体2、2の端
部同士を互いに結合する。 【0003】そして、この導体接続子4の中間部外周面
に支持固定した略円環状の導体固定具7を、筒状の補強
絶縁体8の内周面に包埋支持した、アルミニウム系合金
等の金属により円筒状に造られた高圧シールド電極9の
内周面に支持固定している。上記補強絶縁体8は、ケー
ブル接続部(プレハブ型直線接続部)を収納する円筒状
のケース10内に保持固定されている。従って、上記導
体接続子4は、上記導体固定具7と補強絶縁体8とを介
して、上記ケース10内に固定され、軸方向にずれ動く
事を防止される。又、この状態で上記各CVケーブル
1、1を構成する絶縁層3、3の端部外周面と上記補強
絶縁体8の端部内周面との間のくさび状の隙間内には、
プレモールド絶縁体11、11を挿入している。そし
て、ばね16、16により、これら各プレモールド絶縁
体11、11を、上記隙間の奥部に弾性的に押し込んで
いる。 【0004】上述の様な送電ケーブル用プレハブ型直線
接続部を組み立てる場合には、上記各導体2、2の端部
同士を導体接続子4により接続すると共に、この導体接
続子4の中間部外周面に上記導体固定具7を支持固定す
る。この作業は、例えば図4〜8に示す様にして行な
う。先ず、図4に示す様に、一方のCVケーブル1の先
端部に所定の長さに露出させた導体2の基部(絶縁層
3)に、抑えナット12と、スプリングワッシャ13
と、ワッシャ14とを、それぞれ外嵌する。 【0005】次いで、図5に示す様に、上記導体2を、
導体接続子4に設けた1対の圧縮端子部5、5のうちの
一方の圧縮端子部5内に挿入した状態で、ダイス等の図
示しない縮径装置により、この一方の圧縮端子部5を直
径方向内方に圧縮する。この結果、この一方の圧縮端子
部5の内周面と上記一方の導体2の端部外周面とが密接
して、これら一方の圧縮端子部5と一方の導体2とが、
電気的且つ機械的に結合固定される。 【0006】次いで、図6に示す様に、上記導体接続子
4に前記導体固定具7を、この導体接続子4の他端側
(図6の左端側)から外嵌すると共に、上記1対の圧縮
端子部5、5のうちの他方の圧縮端子部5の内側に、別
のCVケーブル1の導体2を挿入する。 【0007】そして、図7に示す様に、図示しない縮径
装置により上記他方の圧縮端子部5を直径方向内方に圧
縮し、上記導体接続子4の他端部に他方の導体2を結合
固定する。この状態で、互いに接続すべき1対の導体
2、2が、上記導体接続子4を介して接続される。この
接続作業の際、上記導体固定具7は、一方のCVケーブ
ル1側に退避させておく。その後、図8に示す様に、上
記導体固定具7を上記導体接続子4の軸方向中央部に移
動させ、この導体固定具7を介して、この導体接続子4
を高圧シールド電極9(図3)の内周面中間部に固定す
る。この固定作業は、上記抑えナット12とスプリング
ワッシャ13とワッシャ14とを使用して行なう。これ
ら一連の作業により、前述の図3に示す様な、ケーブル
接続部を構成できる。 【0008】上述の様にして図3に示す様なケーブル接
続部を組み立てる場合、各CVケーブル1、1を構成す
る各導体2、2の端部を、導体接続子4の両端部に設け
た各圧縮端子部5、5内に、確実に挿入する必要があ
る。この挿入が不確実であると、これら各圧縮端子部
5、5の奥端面と上記各導体2、2の先端面との間に過
剰な空間が形成され、上記ケーブル接続部の電気的特性
が悪化する可能性がある。又、挿入量が極端に短い場合
には、上記各導体2、2と上記導体接続子4との間の電
気抵抗が大きくなったり、これら各導体2、2と導体接
続子4との機械的結合強度が不足する可能性がある。
尚、本発明の組立方法の対象となるCVケーブル1、1
は、剛性が大きく、その端部を軸方向に変位させる為に
数千N以上の力を要する為、この変位は専用の機械によ
り行なう。従って、上記各導体2、2の先端面が上記各
圧縮端子部5、5の奥端面に突き当たった事で、これら
各導体2、2の端部がこれら各圧縮端子部5、5内に十
分に挿入された事を検知するのは困難である。 【0009】この為従来から、上記導体2、2の先端部
中間寄り部分に、絶縁テープ或はペンキ等により、この
導体2、2を上記各圧縮端子部5、5に挿入すべき長さ
を示す指標を付す事が行なわれている。上記ケーブル接
続部の組立作業時には、この指標の側縁が上記各圧縮端
子部5、5の端面位置に達するまで、上記各導体2、2
をこれら各圧縮端子部5、5内に挿入した状態で、これ
ら各圧縮端子部5、5の縮径作業を行なう。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】導体2、2の端部に絶
縁テープやペンキにより挿入量を示す指標を付した場
合、完成後のケーブル接続部の絶縁性が不良になる可能
性がある為、改良が望まれている。即ち、各導体2、2
を各圧縮端子部5、5内に挿入した後、これら各圧縮端
子部5、5の縮径作業を行なうと、これら各圧縮端子部
5、5が軸方向に伸びる。そして、これら各圧縮端子
5、5の先端開口縁部が、上記指標を覆い隠す方向に変
位する。 【0011】この為、上記各圧縮端子部5、5を縮径し
て導体接続子4と上記各導体2、2とを結合固定した後
には、上記指標を取り除く事ができなくなる。しかも、
この様に上記導体接続子4と上記各導体2、2とを結合
固定する過程で上記指標は、上記各圧縮端子部5、5の
開口周縁部でそぐ様な力を受けている為、破片が脱落し
易い状態となっている可能性がある。そして、この様な
破片が、その後の組立作業の過程で脱落し、何れかの部
分に噛み込まれたりした場合には、上記ケーブル接続部
の絶縁性を悪化させてしまう。更に、ペンキにより付し
た指標の場合には、上記各圧縮端子部5、5を圧縮する
為の圧縮機に隠れて、十分に確認できない場合もある。
本発明のケーブル接続部の組立方法は、この様な不都合
を解消すべく発明したものである。 【0012】 【課題を解決する為の手段】本発明のケーブル接続部の
組立方法は、前述した従来技術の場合と同様に、塑性変
形自在な金属製の導体接続子に設けられた円筒状の圧縮
端子部に、ケーブルを構成する導体の端部を所定長さ分
だけ挿入した状態で、この圧縮端子部の外周面に径方向
内方に向いた力を加える事によりこの圧縮端子部を縮径
して、この圧縮端子部の内周面と上記導体の端部外周面
とを密接させるものである。特に、本発明のケーブル接
続部の組立方法に於いては、上記導体の端部を上記圧縮
端子部に挿入するのに先立って、この導体の端部でこの
導体の端面から上記所定長さ分だけこの導体の中央側に
寄った部分に、その内径を縮める方向の弾力を有し、そ
の内周面が上記導体の端部外周面に弾性的に当接する組
立用位置決め治具を、上記導体の軸方向の摺動変位自在
に外嵌する。その後、この組立用位置決め治具の片面と
上記圧縮端子部の端面とが突き当たるまで、上記導体の
端部をこの圧縮端子部に挿入する。 【0013】 【作用】上述の様に構成するケーブル接続部の組立方法
によれば、ケーブル接続部の絶縁性能を劣化させる危険
性をなくし、しかも導体接続子を構成する圧縮端子部に
導体の端部を確実に挿入できる。 【0014】 【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の1例を示している。本例に使用する位置決め治具15
は、弾性を有する絶縁材である、ポリアミド樹脂等の、
滑り易い合成樹脂により、図1に示す様な欠円環状に構
成している。この様な位置決め治具15は、自由状態で
の内径R15{図1(A)}を、ケーブル接続部を構成す
る導体2の外径D2 {図2(A)}よりも小さく(R15
<D2 )している。従って、上記位置決め治具15は、
その内径を弾性的に広げた状態で、上記導体2の端部に
外嵌自在である。そして、外嵌した状態では、上記位置
決め治具15の内周面が上記導体2の端部外周面に、弾
性的に当接する。そして、外力が働かない限り、この導
体2に対する上記位置決め治具15の取付位置が(不用
意に)動かない様になる。 【0015】上述の様な位置決め治具15を使用して、
上記導体2の端部を導体接続子4の端部に設けた圧縮端
子部5に接続固定する作業は、図2に示す様に、次の
〜の順に行なう。 図2(A)に示す様に、CVケ
ーブル1を構成する導体2の端部を、絶縁層3の端部か
ら露出させる。 【0016】 図2(B)に示す様に、上記導体2の
端部に上記位置決め治具15を、その内径を弾性的に広
げつつ外嵌する。そして、上記導体2の先端面からこの
位置決め治具15の片面(図2の右面)までの距離L
を、この導体2の端部を上記圧縮端子部5に挿入すべき
所定長さに一致させる。この作業は、物差しにより上記
距離Lを測定しつつ、上記位置決め治具15を上記導体
2に対し摺動させる事により、容易に行なえる。 【0017】 図2(C)に示す様に、上記導体2の
端部で上記位置決め治具15から突出した部分を、上記
導体接続子4の端部に設けた圧縮端子部5に挿入する。
この状態で、上記位置決め治具15の片面とこの圧縮端
子部5の先端面とが当接している事を確認する。この位
置決め治具15は、上記導体2よりも大径で目立つ為、
この確認作業は容易に行なえる。この確認作業の結果、
上記両面同士が当接していれば、この圧縮端子部5に対
する上記導体2の挿入量が十分であるから、次の行程に
進む。これに対して、上記両面同士が当接していない場
合には、挿入量が不足しているので、上記導体2を上記
圧縮端子部5内に、更に差し込む。 【0018】 図2(D)に示す様に、図示しない圧
縮機により、上記導体2の端部が挿入された圧縮端子部
5を縮径し、この圧縮端子部5の内周面を上記導体2の
端部外周面に密接させる。この様に圧縮端子部5を縮径
するのに伴って、この圧縮端子部5の軸方向長さが伸び
る。この縮径作業時に、この圧縮端子部5が上記導体2
の端部から退避する方向(図2の右方向)に変位しない
様に、言い換えれば、上記圧縮端子部5の奥端面と上記
導体2の先端面とが離れない様に、上記導体接続子4を
抑え付けている。従って、上記圧縮端子部5の軸方向の
伸びは、総てこの圧縮端子部5の先端面の変位として現
れる。そして、この圧縮端子部5の先端面(図2の左側
の圧縮端子部5の左端面)が、上記位置決め治具15を
押圧する。この位置決め治具15は、上記導体2の端部
に外嵌しているだけで、強い力が加わった場合には軸方
向に変位するので、上記圧縮端子部5が伸びた分だけ、
上記位置決め治具15が、上記導体2の中央部側(絶縁
層3に近づく側)に押し動かされる。又、この際、上記
位置決め治具15の一部が、上記圧縮端子部5の開口周
縁部によりかじられて、この位置決め治具15の破片が
生じる事はない。 【0019】 上述の様にして上記導体2の端部を上
記圧縮端子部5に結合固定したならば、図2(E)に示
す様に、この導体2の端部から上記位置決め治具15を
取り外す。この位置決め治具15は、合成樹脂等の弾性
材により欠円環状に構成している為、この位置決め治具
15の取り外し作業は、容易に行なえる。取り外した位
置決め治具15は、再利用すべく、別の導体の端部に外
嵌する。 【0020】 【発明の効果】本発明のケーブル接続部の組立方法は、
以上に述べた通り構成され作用するので、良好な絶縁性
能を有するケーブル接続部の組立作業を、能率良く行な
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例に使用する位置決め
治具を示しており、(A)は軸方向から見た端面図、
(B)は径方向から見た側面図。 【図2】本発明のケーブル接続部の組立方法の実施の形
態の1例を行程順に示す略側面図。 【図3】一般的なケーブル接続部の断面図。 【図4】従来構造の組立作業の第一段階を示す略側面
図。 【図5】同第二段階を示す略側面図。 【図6】同第三段階を示す略側面図。 【図7】同第四段階を示す略側面図。 【図8】同第五段階を示す略側面図。 【符号の説明】 1 CVケ−ブル 2 導体 3 絶縁層 4 導体接続子 5 圧縮端子部 6 結合固定部 7 導体固定具 8 補強絶縁体 9 高圧シ−ルド電極 10 ケ−ス 11 プレモ−ルド絶縁体 12 抑えナット 13 スプリングワッシャ 14 ワッシャ 15 位置決め治具 16 ばね
治具を示しており、(A)は軸方向から見た端面図、
(B)は径方向から見た側面図。 【図2】本発明のケーブル接続部の組立方法の実施の形
態の1例を行程順に示す略側面図。 【図3】一般的なケーブル接続部の断面図。 【図4】従来構造の組立作業の第一段階を示す略側面
図。 【図5】同第二段階を示す略側面図。 【図6】同第三段階を示す略側面図。 【図7】同第四段階を示す略側面図。 【図8】同第五段階を示す略側面図。 【符号の説明】 1 CVケ−ブル 2 導体 3 絶縁層 4 導体接続子 5 圧縮端子部 6 結合固定部 7 導体固定具 8 補強絶縁体 9 高圧シ−ルド電極 10 ケ−ス 11 プレモ−ルド絶縁体 12 抑えナット 13 スプリングワッシャ 14 ワッシャ 15 位置決め治具 16 ばね
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フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平9−252515(JP,A)
特開 平7−326403(JP,A)
実開 昭55−120082(JP,U)
実開 平1−126061(JP,U)
実開 平7−5253(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H02G 15/08
H01R 4/20
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 塑性変形自在な金属製の導体接続子に設
けられた円筒状の圧縮端子部に、ケーブルを構成する導
体の端部を所定長さ分だけ挿入した状態で、この圧縮端
子部の外周面に径方向内方に向いた力を加える事により
この圧縮端子部を縮径して、この圧縮端子部の内周面と
上記導体の端部外周面とを密接させる、ケーブル接続部
の組立方法に於いて、この導体の端部を上記圧縮端子部
に挿入するのに先立って、この導体の端部でこの導体の
端面から上記所定長さ分だけこの導体の中央側に寄った
部分に、その内径を縮める方向の弾力を有し、その内周
面が上記導体の端部外周面に弾性的に当接する組立用位
置決め治具を、上記導体の軸方向の摺動変位自在に外嵌
した後、この組立用位置決め治具の片面と上記圧縮端子
部の端面とが突き当たるまで、上記導体の端部をこの圧
縮端子部に挿入する事を特徴とするケーブル接続部の組
立方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000163980A JP3481903B2 (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | ケーブル接続部の組立方法 |
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JP2001346323A JP2001346323A (ja) | 2001-12-14 |
JP3481903B2 true JP3481903B2 (ja) | 2003-12-22 |
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JP2009200017A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 電線と電気機器との接続端子 |
-
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- 2000-06-01 JP JP2000163980A patent/JP3481903B2/ja not_active Expired - Fee Related
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