JP3481777B2 - 金色焼結体 - Google Patents

金色焼結体

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JP3481777B2 JP16624196A JP16624196A JP3481777B2 JP 3481777 B2 JP3481777 B2 JP 3481777B2 JP 16624196 A JP16624196 A JP 16624196A JP 16624196 A JP16624196 A JP 16624196A JP 3481777 B2 JP3481777 B2 JP 3481777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾用部材、印
鑑、メガネフレーム、食器類、事務用品等に用いられる
金色焼結体に関するものであり、特に、時計用外装部
品、指輪、ネクタイピン、ブレスレット、ピアス、イヤ
リング等の装飾部品や、ガイドリング等の釣り具部品に
好適な装飾性と耐食性を備えた金色焼結体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、時計用外装部品や指輪、
ネクタイピン、ブレスレット、ピアス、イヤリング等の
装飾部品には色調や耐食性の面から純金やその合金、あ
るいはステンレス鋼等の金属表面に金メッキを施した材
料が用いられていた。
【0003】しかし、前述のような純金やその合金、更
には金メッキを施した材料等は、硬度が低いことから長
期にわたる使用中には硬質物質との接触等により表面に
キズを生じ、装飾性が損なわれてしまうという問題があ
った。
【0004】そこで、このような問題を解消するため
に、周期律表第4a、5a、6a族の遷移金属の窒化
物、例えば、窒化チタンや窒化ジルコニウム等の一種以
上を主成分とし、これらにニッケル(Ni)やクロム
(Cr)等の金属を焼結助剤として添加した焼結合金等
が用いられている。
【0005】しかしながら、前記焼結合金は焼結性が十
分ではなく、研磨によって得られる光沢面も鏡面光沢を
有する装飾性という点で満足するものではなく、その
上、焼結助剤として添加した金属成分は、汗や海水、酸
性雨等によって腐食したり、変色したりして装飾用部材
として使用できなくなるという欠点があった。
【0006】そこで、十分な焼結性が得られて容易に鏡
面光沢とすることができ、装飾性を満足するとともに、
汗や海水、酸性雨等による腐食や変色を防止するため
に、周期律表第4a族、第5a族、第6a族の遷移金属
の酸窒化物を主成分とする硬質相と、周期律表第6a
族、第8族から成る結合相と、各種金属、合金または化
合物から成る強化相とで構成された金色を呈する装飾用
焼結合金が提案されている(特公平4−47021号公
報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記装
飾用焼結合金の結合相として使用されている周期律表第
6a族、第8族の金属、例えば、NiやCr等の金属
は、かねてより体質によっては人に対してアレルギー反
応を引き起こす恐れがあるという課題があることから、
これらの金属の含有が問題となり、人に対して金属アレ
ルギーが発生しない従来と同等の色調を呈する金色焼結
体が望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、緻密な焼結体が得られて容易に鏡面光
沢を得ることができ、人に対して金属アレルギーを引き
起こさず、装飾用部材として好適な装飾性と耐食性を備
えた金色焼結体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、装飾用部材
として必要な強度を有し、耐食性に優れ、良好な金色を
呈し、かつアレルギー反応を引き起こす金属を含まない
材料について、種々検討を重ねた結果、Tiの窒化物又
は酸窒化物等から成る硬質相と、主としてZrO2 とY
2 3 より成る強化相とを含む焼結体について、強化相
における結晶粒子の単斜晶の割合を特定範囲で制御する
ことにより、前記目的が達成できることを知見し、本発
明に至った。
【0010】即ち、本発明の金色焼結体は、Tiの窒化
物又は酸窒化物の一種以上から成る硬質相と、主として
ZrO2 とY2 3 より成る強化相とから構成される焼
結体であって、前記硬質相の割合が70〜95%、強化
相の割合が5〜30%で、かつ前記強化相の結晶粒子の
内、単斜晶の割合が5%を越え、40%以下であること
を特徴とするものであり、特に、前記硬質相の割合が7
5〜85%で、強化相の割合が15〜25%であること
がより望ましいものである。
【0011】
【作用】本発明の金色焼結体によれば、硬質相と強化相
とから構成される焼結体の強化相の結晶粒子の内、単斜
晶の割合を5%を越え、40%以下としたことから、金
色の色調についてはTiの窒化物又は酸窒化物の一種以
上から成る硬質相が寄与し、抗折強度やビッカース硬度
等の機械的特性の向上については、主としてZrO2
2 3 より成る強化相が前記硬質相の粒界を強化する
ことにより寄与する。
【0012】また、前記強化相に部分安定化ジルコニア
を用いることから、金属アレルギーの原因となるNiに
代表される金属を含有することなく、抗折強度を向上さ
せることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の金色焼結体は、Tiの窒
化物又は酸窒化物の一種以上から成る硬質相と、主とし
てZrO2 とY2 3 より成る強化相とから構成される
焼結体であって、前記硬質相の割合が70〜95%、強
化相の割合が5〜30%で、かつ前記強化相の結晶粒子
の内、単斜晶の割合が5%を越え、40%以下とするも
のである。
【0014】また、前記硬質相の割合が75〜85%
で、強化相の割合が15〜25%であることがより望ま
しいものである。
【0015】前記硬質相と強化相の割合は、強化相の結
晶粒子の内、単斜晶の割合が5%を越え、40%以下で
硬質相の割合が70%未満、即ち強化相の割合が30%
を越えると、焼結性が低下して強度が低下し、更に目的
とする色調が得られない。
【0016】従って、硬質相と強化相の割合は、硬質相
の割合が70〜95%、強化相の割合が5〜30%に特
定され、特に強度と色調の両方の点からは、硬質相の割
合が75〜85%で、強化相の割合が15〜25%であ
ることが望ましい。
【0017】次に、強化相の結晶粒子における単斜晶の
割合は、X線回折法により同定した各結晶相のピーク強
度に基づき、R.C.GarvieとP.S.Nicholson 等による数1
の式から算出した。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、Imは単斜晶のX線回折強度を示
し、Ic、Itはそれぞれ立方晶、正方晶のX線回折強
度を示す。
【0020】このようにして算出した強化相の結晶粒子
の内、単斜晶の割合が、硬質相が70〜95%、強化相
が5〜30%の割合であって5%以下の場合には、前記
要求特性が安定して得られず、再現性に乏しくなる。
【0021】また、その割合が40%を越えると、相対
的に強化相に含まれる正方晶と立方晶の割合が低下し、
応力緩和の向上効果が見られず、焼結体の強度が劣化す
ることになる。
【0022】従って、強化相の結晶粒子の内、単斜晶の
割合は5%を越え、40%以下以下に特定され、特に強
度向上という点からは、15〜30%が最適である。
【0023】次に、本発明の金色焼結体の製造方法を、
以下の例に基づいて説明する。先ず、原料粉末として、
例えば、硬質相を形成するためのチタンの窒化物(Ti
N)粉末、チタンの酸化物(TiO2 、TiO)粉末、
チタンの酸窒化物(TiNO)粉末、及び金属チタン粉
末等を混合し、これに強化相を形成するためのジルコニ
ウムの酸化物(ZrO2 )と、イットリウムの酸化物
(Y2 3 )を所定量混合したものを使用する。
【0024】前記硬質相は具体的には、例えば、粒径が
1〜10μmのチタンの窒化物(TiN)粉末及び0.
5〜3μmのチタンの酸化物(TiO2 )粉末、及び4
0〜100μmの金属チタン粉末、2〜5μmのジルコ
ニアの酸化物(ZrO2 )粉末、1〜6μmのイットリ
アの酸化物(Y2 3 )粉末の各粉末を前記組成を満足
するように秤量する。
【0025】次いで、前記原料粉末にアセトン等の有機
溶媒を加えて混合粉砕した後、公知の有機バインダーを
加え、所望の成形手段、例えば、金型プレス、冷間静水
圧プレス、押出成形等により任意の形状に成形後、非酸
化性雰囲気下において所定温度で脱バインダーした後、
前記強化相中の単斜晶の割合を制御する方法の一つとし
て熱処理条件は、真空あるいは非酸化性雰囲気下で17
00〜1900℃の温度で焼成することが望ましく、焼
成時間は成形体の大きさにもよるが、通常0.5〜5時
間が適当である。
【0026】また、熱間静水圧焼成(HIP)において
1000〜2000気圧下で、1500〜1800℃の
温度で処理しても良い。
【0027】そして、前述のようにして作製した焼結体
を、ダイヤモンドペースト等を用いて鏡面研磨すること
により、光沢のある金色が得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の金色焼結体を実施例に基づ
き、具体的に詳述する。
【0029】原料粉末として、平均粒径が2μmのTi
N粉末及びTiO2 粉末と、同粒径が1.5μmのZr
2 粉末と、同粒径が4μmのY2 3 粉末を用い、こ
れらを焼結体の硬質相と強化相が表1に示す割合となる
ように秤量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、約
68時間混合粉砕した後、パラフィンを6重量%加え、
2ton/cm2 の加圧力で所望形状に成形した。
【0030】尚、前述の結合相として金属のNiを外部
添加したものを比較例とした。
【0031】そして、この成形体を非酸化性雰囲気下に
おいて所定温度で脱バインダーした後、真空度が10-3
torrの真空加熱炉において、1800〜1900℃
の温度で1時間、真空焼成した。
【0032】かくして得られた最終焼結体を平面研削及
び鏡面研磨して評価用の焼結体を作製した後、抗折強
度、ビッカース硬度、耐食性をそれぞれ評価するととも
に、目視により焼結体の色調を確認した。
【0033】前記抗折強度は、JISR1601の3点
曲げ試験法に従い、ビッカース硬度はJISZ2244
の試験法に準じて測定した。
【0034】また、耐食性は、ISO(国際標準化機
構)規格に準じた人工汗(pH4.7)を腐食液として
使用し、40℃の温度に保持した前記人工汗液中に、鏡
面研磨した評価用の焼結体試料の下半分を1週間浸漬し
た後、該試料の研磨面の状態を比較観察することによ
り、研磨面に変色及び腐食が認められないものを○、研
磨面にわずかでも変色及び腐食が認められるものを△、
研磨面が金色を呈しないものを×と表示して評価した。
【0035】
【表1】
【0036】前記表から明らかなように、本発明の請求
範囲外である試料番号1は、目的とする金色の色調を示
さず、試料番号6、12、13は強化相の効果が小さい
ために強度が低く、比較例の試料番号14は含有する金
属相に変色が認められる。
【0037】それに対して、本発明に係る焼結体ではい
ずれも、抗折強度が750MPa以上を示し、目的の色
調を有し、耐食性も良好であることが分かる。更に、目
視による焼結体の色調も、本発明の焼結体ではいずれも
光沢のある金色を呈することを確認した。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の金色焼
結体によれば、実用上、十分な強度と硬度を有するとと
もに、耐食性に優れ、また、金属アレルギーの原因とな
るNi等の金属を使用しないことから、装飾用部品とし
て人に対して無害な、かつ長期間にわたり腐食や傷が発
生しない金色の部材として、例えば、時計ケース、時計
バンド、ネックレス、ブレスレット等の装飾用に、ある
いは鋏、刃物、釣り具等の他、建具等の装飾用部材や摺
動部材、食器類、事務用品、スポーツ用品等にも適用で
きる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン(Ti)の窒化物又は酸窒化物の一
    種以上から成る硬質相と、主としてジルコニア(ZrO
    2 )とイットリア(Y2 3 )より成る強化相とから構
    成される焼結体であって、前記硬質相の割合が70〜9
    5%、強化相の割合が5〜30%で、かつ前記強化相の
    結晶粒子の内、単斜晶の割合が5%を越え、40%以下
    であることを特徴とする金色焼結体。
  2. 【請求項2】前記硬質相の割合が75〜85%で、強化
    相の割合が15〜25%であることを特徴とする請求項
    1記載の金色焼結体。
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