JP3255700B2 - 金色焼結合金 - Google Patents
金色焼結合金Info
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Description
される金色を呈する金色焼結合金に関するものである。
を呈する材料としては、純金やこれらの合金、黄銅等の
各種金属、または、金属表面に金メッキを施したものが
使用されていたが、これらはいずれも硬度が低く、これ
により、硬質物質との接触により表面に傷が生じ易く、
或は割れ等が発生するという欠点があった。又、これら
の表面のキズを防ぐ為、各種金属等に金色の硬質コーテ
ィングが施されているが、これらも異質層で膜強度が弱
いことにより、剥がれるという欠点があった。
を解決すべく、金属の窒化物、例えば、窒化チタン等を
Ni,Co等の金属で結合させた金色焼結合金が用いら
れるようになってきている。(特公平2−58335号
公報等参照)。
般に焼結性が悪いために、このような焼結性を改善すべ
く、周期律表第4a,5a,6a族元素の炭化物や炭窒
化物等の各種の添加物を添加して焼成する必要があっ
た。
の各種添加物の添加により、焼結体本来の黄金色から色
調が著しく変化するという問題があった。特に、焼結性
の改善に良好である周期律表第4a,5a,6a族元素
の炭化物および炭窒化物の添加においては、焼結体の色
調が赤銅色に変化してしまい鮮明で良好な金色の呈色が
得られないという問題があった。
ど、焼結体の研削加工時に脱粒が顕著になるとともに、
焼結体中のボイド(空孔)も増加し、これにより、強度
や硬度が低下したり、研磨しても鏡面が得られ難いとい
う問題があった。
間の汗や海水に対する耐食性が低下するようになるとい
う問題もあった。
り、装飾加工時に脱粒等が発生しやすく、シャープエッ
ジ加工が困難であるという問題があった。
な金色の色調を有し、かつ、強度および硬度が高く、耐
食性に優れ、かつ、耐チッピング性に優れており、シャ
ープエッジ加工を容易に行うことができる良好な金色焼
結合金を得るべく、種々の検討を重ねた結果、全量中の
炭素の割合を一定以下とし、かつ、焼結体中のクロムの
割合を所定量以上とすることで焼結体の色差を所定値に
制限すると、上記のような効果を得ることができること
を突き止めた。
全量中55〜70重量%、鉄族金属および周期律表第6
a族元素が全量中10〜30重量%、残部が炭素、窒素
により構成される焼結合金であって、全量中における炭
素の割合を0.5重量%以下、チタンを除く金属元素中
におけるクロムの占める割合を35重量%以上であり、
かつ、JISZ8730に規定するL*a*b*表色系
における明度指数L*≧10、クロマティクネス指数a
*≦+0.4、b*≧+8.0である。鉄族金属として
はNiをはじめFe,Coがあり、周期律表第6a族元
素としてはCr,Mo,Wがあり、非金属元素としては
窒素,炭素等がある。
としたのは、55重量%よりも少なくなると金色の色調
が薄くなり、70重量%を超えると焼結性が低下し、強
度が低下するからである。この量は60〜68重量%で
あることが望ましい。尚、チタンは焼結体中において、
主にTiNやTiCNとして存在し硬質相を形成する。
元素を全量中10〜30重量%としたのは、これらの量
を10重量%未満とすると焼結が困難となる傾向にある
からであり、また、焼結体の強度が低下するからであ
る。一方、30重量%よりも多いと、焼結体の硬度の低
下が顕著になるとともに耐食性が低下するからである。
量は12〜23重量%であることが望ましい。この鉄族
金属は焼結体中において結合相を形成し、周期律表第6
a族元素は硬質相或は結合相を形成する。また、具体的
には鉄族金属は5〜18重量%、周期律表第6a族元素
は3〜12重量%の割合で存在することが望ましい。
重量%以下としたのは、0.5重量%よりも多くなる
と、クロマティクネス指数a*>+0.4、b*<+
8.0となり、色調的には本来の黄金色から赤味が強く
なり、炭素比率の増加に伴い赤銅色から灰褐色へと変化
するようになる。特に、炭素の割合を変動させることに
よりクロマティクネス指数a*が変動する。従って、鮮
明で良好な金色の色調を保持するためには、全量中にお
ける炭素の割合を0.5重量%以下にする必要があるか
らである。焼結体中の炭素量を0.5重量%以下とする
には、原料粉末の炭化物の添加を極力少なくしても良
く、また、炭化物の添加が多い場合には、TiO2 等の
酸化物を添加して炭化物中の炭素を焼成中に飛散させて
も良い。
ロムの占める割合を35重量%以上としたのは、35重
量%未満とすると、焼結性が低下し、焼結体中にボイド
が発生し易くなり研削,研磨等の加工時に脱粒が著しく
なり、強度が低下するようになり、また耐食性も低下す
るからである。また、クロムの占める割合を35重量%
未満とすると、L*a*b*表色系における明度指数L
が低くなる傾向にあるからである。一方、焼結体中の結
合金属に対するクロムの割合が35重量%以上であると
焼結性が向上し、上記のような問題が生じないからであ
る。これは、Crの添加により、硬質相と結合相との濡
れ性が改善されるからと考えられる。尚、残部には少量
の不可避不純物が含有されている。
末として、チタンの窒化物および炭窒化物粉末に鉄族金
属および周期律表第6a族元素を混合したものをアセト
ン等の有機溶媒中、所定時間混合粉砕した後、バインダ
ーを所定量加え、プレス成形,射出成形,押出成形等で
所望形状に成形し、これを非酸化性雰囲気下において温
度250〜500℃で脱バインダーした後、所定温度で
焼成を行うことにより得られる。
torrの雰囲気や、各種雰囲気中において減圧または
無加圧にて、温度1300〜1800℃で焼成する。焼
成時間は、試料の大きさにもよるが通常0.5〜5時間
である。そして、焼成後、焼結体の表面をダイヤモンド
ペースト等により鏡面研磨することにより、光沢のある
鮮明で良好な金色が出現する。
ンの窒化物および炭窒化物と、鉄族金属として粒径0.
1〜1.0μmのNiやCoと、周期律表第6a族元素
として粒径1.0〜10.0μmのCr(Cr3 C2 )
やMo(Mo2 C)等の各粉末を秤量混合し、これをア
セトン等の有機溶媒中、約48〜72時間混合粉砕し、
プレス成形により所望形状に成形する。成形されたもの
を非酸化性雰囲気下において所定温度で脱バインダーし
た後、真空加熱炉において所定温度で真空焼成を0.5
〜2.0時間行うことにより得られる。また、TiNや
TiCNは、焼結体中において粒径8μm以下の結晶粒
子として存在することが望ましい。
例えば、時計ケース,時計バンド,ネックレス,ブロー
チ,ペンダント,記念メダル,ボタン等の装飾用やハサ
ミ,刃物,釣具,印材等に利用することができる。
μmのTiCN、粒径3μmのCr、粒径4μmのM
o、粒径1μmのNi、粒径1μmのCoの各粉末を用
い、これらを最終焼結体の各金属量が表1の割合になる
ように秤量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、約
68時間混合粉砕した後、パラフィンを4〜5重量%加
え、1.5ton/cm2 で所望形状に加圧成形する。
成形されたものを非酸化雰囲気下において温度300℃
で脱バインダーした後、真空度10-2torrの真空加
熱炉において1450℃で真空焼成を1時間行った。こ
のようにして得られた最終焼結体の組成分析を、ICP
発光分光分析等により行い、その結果を表1に示す。
し、この後、試料の色調,抗折強度,ビッカース硬度
(Hv),耐チッピング性および耐食性を試験した。抗
折強度の測定はJISR1601の3点曲げ試験法に従
い、ビッカース硬度の測定はJISZ2244試験法に
従い、そして、耐食性試験については、ISO(国際標
準化機構)規格に則した人口汗(pH4.7)を腐食液
として使用し、温度40℃±2℃に保持した人口汗中
に、鏡面研磨した試料の下半分を24時間浸し、浸した
後の試料の研磨面の状況を観察することにより行った。
また、色調の定量評価方法として、L*a*b*光学色
差計(ミノルタ製)により、即ち、45°環照明垂直受
光方式の高機能色彩色差計(JISZ8722に準処)
にて測定評価した。また、耐チッピング性は、鏡面研磨
した試料をクリープ研削した時の最大チッピング幅で評
価した。これらの結果を表2および表3に示す。
試料番号のものは、本発明の範囲外のものを示してい
る。また、耐食性試験の結果については、○印は変色お
よび腐食が全くなく、△印は変色が認められ、×印は変
色に加え、腐食も認められたことを示す。また、耐チッ
ピング性については、○印はシャープエッジ加工として
良好なもの、△印は所々に1〜5μm幅のチッピングが
発生し、シャープエッジ加工として適さないもの、×印
は5μm幅以上の大きなチッピングが多発してシャープ
エッジ加工不能なものを示す。
の請求の範囲内の試料については、抗折強度,ビッカー
ス硬度,耐食性,耐チッピング性について非常に優れて
おり、優美な黄金色を有することが判る。
用上何ら支障のない硬度及び強度を有するとともに、耐
食性に優れ、また、焼結性の著しい向上により優美で鮮
明な黄金色の鏡面が容易に出現し、かつ、製作上必要な
シャープエッジ加工を容易に行うことができ、その結
果、長期にわたり腐食やキズが発生しない美しい色調の
金色焼結合金として、例えば、時計ケース,時計バン
ド,ネックレス,ブローチ,ペンダント,記念メダル,
ボタン等の装飾用や、釣具,ハサミ,刃物,印材等に利
用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】チタンが全量中55〜70重量%、鉄族金
属および少なくともクロムを含む周期律表第6a族元素
が全量中10〜30重量%、残部が炭素,窒素により構
成される焼結合金であって、全量中における炭素の割合
が0.5重量%以下、チタンを除く金属元素中における
クロムの占める割合が35重量%以上であり、かつ、J
ISZ8730に規定するL*a*b*表色系における
明度指数L*≧10、クロマティクネス指数a*≦+
0.4、b*≧+8.0であることを特徴とする金色焼
結合金。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11765992A JP3255700B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | 金色焼結合金 |
KR1019920011202A KR100239844B1 (ko) | 1991-06-27 | 1992-06-26 | 금색 소결합금 |
DE1992616156 DE69216156T2 (de) | 1991-06-27 | 1992-06-26 | Goldfarbige gesinterte Legierung |
EP92110770A EP0520465B1 (en) | 1991-06-27 | 1992-06-26 | Sintered alloy of golden color |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11765992A JP3255700B2 (ja) | 1992-05-11 | 1992-05-11 | 金色焼結合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05311311A JPH05311311A (ja) | 1993-11-22 |
JP3255700B2 true JP3255700B2 (ja) | 2002-02-12 |
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ID=14717118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11765992A Expired - Lifetime JP3255700B2 (ja) | 1991-06-27 | 1992-05-11 | 金色焼結合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (3)
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KR101228906B1 (ko) | 2004-03-29 | 2013-02-01 | 쿄세라 코포레이션 | 세라믹 소결체와 그 제조방법 및 세라믹 소결체를 사용한장식용 부재 |
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-
1992
- 1992-05-11 JP JP11765992A patent/JP3255700B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05311311A (ja) | 1993-11-22 |
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