JP3336138B2 - 銀色焼結体 - Google Patents
銀色焼結体Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、装飾部品，工
具，摺動部材，産業用刃物，印鑑，メガネフレーム，食
器類，シューズのピンやゴルフクラブ等のスポーツ用品
等に用いられる銀色焼結体に関するものであり、特に、
時計用外装部品，ネクタイピン，ブレスレット，ピア
ス，イヤリング，釣具部品等の装飾用部材として、高強
度，高硬度，耐チッピング性，耐食性に優れ、かつ優れ
た装飾性を備える銀色焼結体に関するものである。
具，摺動部材，産業用刃物，印鑑，メガネフレーム，食
器類，シューズのピンやゴルフクラブ等のスポーツ用品
等に用いられる銀色焼結体に関するものであり、特に、
時計用外装部品，ネクタイピン，ブレスレット，ピア
ス，イヤリング，釣具部品等の装飾用部材として、高強
度，高硬度，耐チッピング性，耐食性に優れ、かつ優れ
た装飾性を備える銀色焼結体に関するものである。
【０００２】
【従来技術】従来、時計用外装部品等の装飾部品に要求
される特性は、耐食性に富み、耐スクラッチ性が高く、
さらに金属光沢が長く持続することが要求されている。
そして、このような装飾部品として最適な金属光沢を有
する材料として、ステンレスや金属の炭化物、例えばＷ
ＣやＴｉＣをＮｉやＣｏ等の金属で結合させた焼結合金
が用いられていた。
される特性は、耐食性に富み、耐スクラッチ性が高く、
さらに金属光沢が長く持続することが要求されている。
そして、このような装飾部品として最適な金属光沢を有
する材料として、ステンレスや金属の炭化物、例えばＷ
ＣやＴｉＣをＮｉやＣｏ等の金属で結合させた焼結合金
が用いられていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、ステ
ンレスは耐食性に優れているものの、硬度が低いために
傷が付き易く、一方、ＷＣやＴｉＣを主成分としＮｉや
Ｃｏ等の金属元素で結合した焼結合金では、焼結体自体
の硬度の問題はないものの、人間の汗や海水に対する耐
食性が低いという欠点があった。
ンレスは耐食性に優れているものの、硬度が低いために
傷が付き易く、一方、ＷＣやＴｉＣを主成分としＮｉや
Ｃｏ等の金属元素で結合した焼結合金では、焼結体自体
の硬度の問題はないものの、人間の汗や海水に対する耐
食性が低いという欠点があった。
【０００４】
【問題点を解決するための手段】本発明者は、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、結晶相として（Ｔ
ｉa Ｍb ）Ｂc および（Ｔｉx Ｎy ）Ｃz 相を主として
生成させることにより、高強度，高硬度で耐食性に優れ
た銀色焼結体が得られることを知見し、本発明に至っ
た。
を解決するために鋭意検討した結果、結晶相として（Ｔ
ｉa Ｍb ）Ｂc および（Ｔｉx Ｎy ）Ｃz 相を主として
生成させることにより、高強度，高硬度で耐食性に優れ
た銀色焼結体が得られることを知見し、本発明に至っ
た。
【０００５】即ち、本発明の銀色焼結体は、Ｔｉと周期
律表第４ａ、５ａ及び６ａ族元素（Ｔｉを除く）の少な
くとも１種とを含むホウ化物と、Ｔｉを含む炭化物とを
合量が６０重量％以上含有し、残部がＴｉを主成分とす
る金属相と不可避不純物からなり、前記ホウ化物および
炭化物の原子比による組成式をそれぞれ（ＴｉaＭb）Ｂ
c、（ＴｉxＮy）Ｃz（ただし、Ｍ，Ｎは周期律表第４
ａ，５ａ，６ａ族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも
一種）と表した時、ａ，ｂ，ｃ，ｘ，ｙ，ｚが、０．８
≦ａ＜１．０、０＜ｂ≦０．２、０．８≦ｃ≦１．０、
ａ＋ｂ＝１、０．８≦ｘ≦１．０、０≦ｙ≦０．２、
０．６≦ｚ≦１．０、ｘ＋ｙ＝１を満足するものであ
る。
律表第４ａ、５ａ及び６ａ族元素（Ｔｉを除く）の少な
くとも１種とを含むホウ化物と、Ｔｉを含む炭化物とを
合量が６０重量％以上含有し、残部がＴｉを主成分とす
る金属相と不可避不純物からなり、前記ホウ化物および
炭化物の原子比による組成式をそれぞれ（ＴｉaＭb）Ｂ
c、（ＴｉxＮy）Ｃz（ただし、Ｍ，Ｎは周期律表第４
ａ，５ａ，６ａ族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも
一種）と表した時、ａ，ｂ，ｃ，ｘ，ｙ，ｚが、０．８
≦ａ＜１．０、０＜ｂ≦０．２、０．８≦ｃ≦１．０、
ａ＋ｂ＝１、０．８≦ｘ≦１．０、０≦ｙ≦０．２、
０．６≦ｚ≦１．０、ｘ＋ｙ＝１を満足するものであ
る。
【０００６】ここで、上記のように限定した理由につい
て説明する。Ｔｉと周期律表第４ａ、５ａ及び６ａ族元
素（Ｔｉを除く）の少なくとも１種とを含むホウ化物
（以下、Ｔｉ系ホウ化物という）と少なくともＴｉを含
む炭化物（以下、Ｔｉ系炭化物という）の合量は６０重
量％以上であることが重要である。６０重量％未満で
は、焼結体中の硬質相が少なくなり、硬度が低下する傾
向にあるからである。Ｔｉ系炭化物とＴｉ系ホウ化物の
合量は特に７０重量％以上であることが望ましい。
て説明する。Ｔｉと周期律表第４ａ、５ａ及び６ａ族元
素（Ｔｉを除く）の少なくとも１種とを含むホウ化物
（以下、Ｔｉ系ホウ化物という）と少なくともＴｉを含
む炭化物（以下、Ｔｉ系炭化物という）の合量は６０重
量％以上であることが重要である。６０重量％未満で
は、焼結体中の硬質相が少なくなり、硬度が低下する傾
向にあるからである。Ｔｉ系炭化物とＴｉ系ホウ化物の
合量は特に７０重量％以上であることが望ましい。
【０００７】Ｔｉ系ホウ化物のＴｉの原子比を０．８≦
ａ＜１．０、即ち、金属Ｍの原子比を０＜ｂ≦０．２と
したのは、Ｔｉの原子比ａが０．８よりも小さい場合
（金属Ｍの原子比が０．２より大きい場合）には焼結性
が低下し、強度が低下するためである。Ｔｉ系ホウ化物
のＴｉの原子比は０．８５≦ａ≦０．９５、即ち、金属
Ｍの原子比は０．０５≦ｂ≦０．１５であることが望ま
しい。
ａ＜１．０、即ち、金属Ｍの原子比を０＜ｂ≦０．２と
したのは、Ｔｉの原子比ａが０．８よりも小さい場合
（金属Ｍの原子比が０．２より大きい場合）には焼結性
が低下し、強度が低下するためである。Ｔｉ系ホウ化物
のＴｉの原子比は０．８５≦ａ≦０．９５、即ち、金属
Ｍの原子比は０．０５≦ｂ≦０．１５であることが望ま
しい。
【０００８】また、Ｔｉ系ホウ化物のホウ素の原子比を
０．８≦ｃ≦１．０としたのは、０．８より小さいと焼
結性が低下しボイドが発生するためであり、１．０より
も大きいと遊離したホウ素により強度の低下を生ずるた
めである。Ｔｉ系ホウ化物のホウ素の原子比ｃは、０．
９≦ｃ≦１．０が望ましい。
０．８≦ｃ≦１．０としたのは、０．８より小さいと焼
結性が低下しボイドが発生するためであり、１．０より
も大きいと遊離したホウ素により強度の低下を生ずるた
めである。Ｔｉ系ホウ化物のホウ素の原子比ｃは、０．
９≦ｃ≦１．０が望ましい。
【０００９】Ｔｉ系炭化物のＴｉの原子比を０．８≦ｘ
≦１．０、即ち、金属Ｎの原子比を０≦ｙ≦０．２とし
たのは、Ｔｉの原子比ｘが０．８よりも小さい場合（金
属Ｎの原子比が０．２より大きい場合）には焼結性が低
下し、強度が低下するためである。Ｔｉ系炭化物のＴｉ
の原子比は０．８０≦ｘ≦０．９５、即ち、金属Ｎの原
子比は０．０５≦ｙ≦０．２０であることが望ましく、
特には、０．９０≦ｘ≦０．９５、０．０５≦ｙ≦０．
１０であることが望ましい。
≦１．０、即ち、金属Ｎの原子比を０≦ｙ≦０．２とし
たのは、Ｔｉの原子比ｘが０．８よりも小さい場合（金
属Ｎの原子比が０．２より大きい場合）には焼結性が低
下し、強度が低下するためである。Ｔｉ系炭化物のＴｉ
の原子比は０．８０≦ｘ≦０．９５、即ち、金属Ｎの原
子比は０．０５≦ｙ≦０．２０であることが望ましく、
特には、０．９０≦ｘ≦０．９５、０．０５≦ｙ≦０．
１０であることが望ましい。
【００１０】また、Ｔｉ系炭化物の炭素の原子比を０．
６≦ｚ≦１．０としたのは、ｚが０．６より小さいと焼
結性が低下しボイドが発生するためであり、１．０より
も大きいと遊離した炭素により強度の低下を生ずるため
である。Ｔｉ系炭化物の炭素の原子比ｚは、０．７≦ｚ
≦０．９が望ましい。
６≦ｚ≦１．０としたのは、ｚが０．６より小さいと焼
結性が低下しボイドが発生するためであり、１．０より
も大きいと遊離した炭素により強度の低下を生ずるため
である。Ｔｉ系炭化物の炭素の原子比ｚは、０．７≦ｚ
≦０．９が望ましい。
【００１１】ここで、ＭまたはＮは周期律表第４ａ，５
ａ，６ａ族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも一種で
あるが、これらの金属をＴｉ系ホウ化物やＴｉ系炭化物
に固溶させることにより、抗折強度，ビッカース硬度，
破壊靱性等の機械的特性をさらに向上することができる
からである。
ａ，６ａ族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも一種で
あるが、これらの金属をＴｉ系ホウ化物やＴｉ系炭化物
に固溶させることにより、抗折強度，ビッカース硬度，
破壊靱性等の機械的特性をさらに向上することができる
からである。
【００１２】周期律表第４ａ族元素としては、Ｚｒ，Ｈ
ｆがあり、周期律表第５ａ族元素としては、Ｖ，Ｎｂ，
Ｔａがあり、周期律表第６ａ族元素としてはＣｒ，Ｍ
ｏ，Ｗがある。添加物としてはＭｏ，Ｔａ，Ｗが最も望
ましい。
ｆがあり、周期律表第５ａ族元素としては、Ｖ，Ｎｂ，
Ｔａがあり、周期律表第６ａ族元素としてはＣｒ，Ｍ
ｏ，Ｗがある。添加物としてはＭｏ，Ｔａ，Ｗが最も望
ましい。
【００１３】本発明の銀色焼結体では、特に、Ｔｉ系ホ
ウ化物とＴｉ系炭化物を７０重量％以上含有し、残部が
Ｔｉを主成分とする金属相と不可避不純物からなり、前
記Ｔｉ系ホウ化物およびＴｉ系炭化物の原子比による組
成式をそれぞれ（Ｔｉa Ｍb）Ｂc 、（Ｔｉx Ｎy ）Ｃ
z （ただし、ＭまたはＮは周期律表第４ａ，５ａ，６ａ
族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも一種）と表した
時、ａ，ｂ，ｃ，ｘ，ｙ，ｚが、０．８５≦ａ≦０．９
５、０．０５≦ｂ≦０．１５、０．９≦ｃ≦１．０、ａ
＋ｂ＝１、０．９０≦ｘ≦０．９５、０．０５≦ｙ≦
０．１０、０．７≦ｚ≦０．９、ｘ＋ｙ＝１を満足する
ことが望ましい。
ウ化物とＴｉ系炭化物を７０重量％以上含有し、残部が
Ｔｉを主成分とする金属相と不可避不純物からなり、前
記Ｔｉ系ホウ化物およびＴｉ系炭化物の原子比による組
成式をそれぞれ（Ｔｉa Ｍb）Ｂc 、（Ｔｉx Ｎy ）Ｃ
z （ただし、ＭまたはＮは周期律表第４ａ，５ａ，６ａ
族元素（Ｔｉを除く）のうち少なくとも一種）と表した
時、ａ，ｂ，ｃ，ｘ，ｙ，ｚが、０．８５≦ａ≦０．９
５、０．０５≦ｂ≦０．１５、０．９≦ｃ≦１．０、ａ
＋ｂ＝１、０．９０≦ｘ≦０．９５、０．０５≦ｙ≦
０．１０、０．７≦ｚ≦０．９、ｘ＋ｙ＝１を満足する
ことが望ましい。
【００１４】本発明の銀色焼結体では、焼結体中には、
主として（Ｔｉa Ｍb ）Ｂc 相および（Ｔｉx Ｎy ）Ｃ
z 相が存在しており、これらの粒界に、金属チタンを主
成分とする金属相が存在している。この金属相には金属
ＭやＮが存在しても良い。
主として（Ｔｉa Ｍb ）Ｂc 相および（Ｔｉx Ｎy ）Ｃ
z 相が存在しており、これらの粒界に、金属チタンを主
成分とする金属相が存在している。この金属相には金属
ＭやＮが存在しても良い。
【００１５】本発明の銀色焼結体は、例えば、原料粉末
としてチタン粉末およびチタンの炭化物やチタンのホウ
化物粉末を混合したもの、あるいはこれに、Ｖ，Ｃｒ，
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈｆ，Ｔａ，Ｗのうち少なくとも一
種の金属、またはこれらの金属の炭化物，ホウ化物，窒
化物の少なくとも一種の化合物粉末を混合粉砕した後、
バインダーを所定量加え、所定圧力で所望形状に加圧成
形し、これを非酸化性雰囲気下において所定温度で脱バ
インダーした後、所定温度で焼成を行うことにより得ら
れる。
としてチタン粉末およびチタンの炭化物やチタンのホウ
化物粉末を混合したもの、あるいはこれに、Ｖ，Ｃｒ，
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈｆ，Ｔａ，Ｗのうち少なくとも一
種の金属、またはこれらの金属の炭化物，ホウ化物，窒
化物の少なくとも一種の化合物粉末を混合粉砕した後、
バインダーを所定量加え、所定圧力で所望形状に加圧成
形し、これを非酸化性雰囲気下において所定温度で脱バ
インダーした後、所定温度で焼成を行うことにより得ら
れる。
【００１６】本発明の銀色焼結体は、好適には、例え
ば、粒径が０．５〜３．０μｍのチタンの炭化物および
チタンのホウ化物と、粒径が４〜３００μｍのチタン粉
末と、粒径１．０〜１０．０μｍのＶＣやＭｏ2 Ｃ等の
粉末を秤量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、混
合粉砕した後、有機バインダーを加え、所望形状に成形
する。そして、成形体を非酸化性雰囲気下において所定
温度で脱バインダーした後、真空加熱炉において所定温
度で真空焼成を行うことにより得られる。
ば、粒径が０．５〜３．０μｍのチタンの炭化物および
チタンのホウ化物と、粒径が４〜３００μｍのチタン粉
末と、粒径１．０〜１０．０μｍのＶＣやＭｏ2 Ｃ等の
粉末を秤量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、混
合粉砕した後、有機バインダーを加え、所望形状に成形
する。そして、成形体を非酸化性雰囲気下において所定
温度で脱バインダーした後、真空加熱炉において所定温
度で真空焼成を行うことにより得られる。
【００１７】ここで、チタンのホウ化物としては、Ｔｉ
Ｂ2 とＴｉＢのいずれも用いることができる。原料とし
てＴｉＢ2 を用いる場合には、このＴｉＢ2 と金属Ｔｉ
が１３００〜１６００℃で反応してチタン系ホウ化物
（ＴｉＢ）が生成される。
Ｂ2 とＴｉＢのいずれも用いることができる。原料とし
てＴｉＢ2 を用いる場合には、このＴｉＢ2 と金属Ｔｉ
が１３００〜１６００℃で反応してチタン系ホウ化物
（ＴｉＢ）が生成される。
【００１８】また、チタン系ホウ化物は焼結体中におい
て少なくとも一部が針状結晶として存在する事が望まし
いが、針状でなくてもかまわない。ＴｉＢ粒子の一部を
針状結晶とすることにより、焼結体の靱性をさらに向上
することができるからである。
て少なくとも一部が針状結晶として存在する事が望まし
いが、針状でなくてもかまわない。ＴｉＢ粒子の一部を
針状結晶とすることにより、焼結体の靱性をさらに向上
することができるからである。
【００１９】焼成方法としては真空度が１０-1〜１０-5
ｔｏｒｒの雰囲気や各種雰囲気において減圧または無加
圧にて、温度１３００〜１６００℃で焼成する。さら
に、非酸化性雰囲気下、熱間静水圧焼成（ＨＩＰ）にお
いて、１００〜２０００気圧下で１２００〜１４００℃
で焼成することが望ましい。焼成時間は試料の大きさに
もよるが通常０．５〜５時間である。そして焼成後、焼
結体の表面をダイヤモンドペースト等により鏡面研磨す
ることにより、光沢のある銀色が出現する。
ｔｏｒｒの雰囲気や各種雰囲気において減圧または無加
圧にて、温度１３００〜１６００℃で焼成する。さら
に、非酸化性雰囲気下、熱間静水圧焼成（ＨＩＰ）にお
いて、１００〜２０００気圧下で１２００〜１４００℃
で焼成することが望ましい。焼成時間は試料の大きさに
もよるが通常０．５〜５時間である。そして焼成後、焼
結体の表面をダイヤモンドペースト等により鏡面研磨す
ることにより、光沢のある銀色が出現する。
【００２０】本発明の銀色焼結体では、本発明の組成範
囲を満足する限り、不純物やその他の化合物，金属が少
量含有しても、特性上影響はない。
囲を満足する限り、不純物やその他の化合物，金属が少
量含有しても、特性上影響はない。
【００２１】また、本発明の銀色焼結体を、人間の肌に
直接的に接触する例えば、装飾部品として用いる場合に
は、前記ＭおよびＮである周期律表第４ａ，５ａ，６ａ
族元素としては、Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈｆ，Ｔａ，
Ｗであることが望ましく、さらに、アレルギーを防止す
るためには、焼結体中に、アレルギー源となる金属不純
物（Ａｌ，Ｃｒ，Ｍｎ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ｚ
ｎ，Ｒｈ，Ｐｄ，Ｃｄ，Ｓｎ，Ｓｂ）の含有量が０．３
重量％以下であることが望ましい。
直接的に接触する例えば、装飾部品として用いる場合に
は、前記ＭおよびＮである周期律表第４ａ，５ａ，６ａ
族元素としては、Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈｆ，Ｔａ，
Ｗであることが望ましく、さらに、アレルギーを防止す
るためには、焼結体中に、アレルギー源となる金属不純
物（Ａｌ，Ｃｒ，Ｍｎ，Ｆｅ，Ｃｏ，Ｎｉ，Ｃｕ，Ｚ
ｎ，Ｒｈ，Ｐｄ，Ｃｄ，Ｓｎ，Ｓｂ）の含有量が０．３
重量％以下であることが望ましい。
【００２２】
【作用】本発明の銀色焼結体では、焼結体中の（Ｔｉx
Ｎy ）Ｃz 相が銀色の色彩付与に寄与し、（Ｔｉ
a Ｍb ）Ｂc 相は低温で生成でき、さらに抗折強度，ビ
ッカース硬度，破壊靱性等の機械的特性向上に寄与す
る。従って、本発明では、焼結体中の結晶相が主として
（Ｔｉa Ｍb ）Ｂc 相と（Ｔｉx Ｎy ）Ｃz 相により構
成されているため、光沢のある銀色を有し、優れた抗折
強度，ビッカース硬度，破壊靱性を得ることができると
ともに、１３００〜１６００℃の低温で焼成することが
できる。
Ｎy ）Ｃz 相が銀色の色彩付与に寄与し、（Ｔｉ
a Ｍb ）Ｂc 相は低温で生成でき、さらに抗折強度，ビ
ッカース硬度，破壊靱性等の機械的特性向上に寄与す
る。従って、本発明では、焼結体中の結晶相が主として
（Ｔｉa Ｍb ）Ｂc 相と（Ｔｉx Ｎy ）Ｃz 相により構
成されているため、光沢のある銀色を有し、優れた抗折
強度，ビッカース硬度，破壊靱性を得ることができると
ともに、１３００〜１６００℃の低温で焼成することが
できる。
【００２３】このような銀色焼結体は、例えば、時計ケ
ース，時計バンド，ネックレス，ブレスレット等の装飾
用やハサミ、刃物、釣具等に好適に利用することができ
るとともに、その他の工具や機械部品等にも用いること
ができる。
ース，時計バンド，ネックレス，ブレスレット等の装飾
用やハサミ、刃物、釣具等に好適に利用することができ
るとともに、その他の工具や機械部品等にも用いること
ができる。
【００２４】
【実施例】原料粉末として平均粒径１．１μｍのＴｉＣ
粉末およびＴｉＢ2 粉末、粒径４０μｍのＴｉ粉末、平
均粒径２．０μｍのＶ，Ｃｒ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈ
ｆ，Ｔａ，Ｗの少なくとも一種の金属、またはこれらの
金属の炭化物，ホウ化物の粉末を用い、これらを最終焼
結体の各金属の原子比が表１に示す割合となるように秤
量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、約６８時間
混合粉砕した後、パラフィンを６重量％加え、２．０ｔ
ｏｎ／ｃｍ2 で所望形状に加圧成形する。成形されたも
のを非酸化性雰囲気下において４００℃で脱バインダー
した後、真空度１０-3ｔｏｒｒの真空加熱炉において温
度１４５０℃で真空焼成を１時間行い、さらに、アルゴ
ン雰囲気において１３００℃で１時間熱間静水圧焼成を
行った。
粉末およびＴｉＢ2 粉末、粒径４０μｍのＴｉ粉末、平
均粒径２．０μｍのＶ，Ｃｒ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｍｏ，Ｈ
ｆ，Ｔａ，Ｗの少なくとも一種の金属、またはこれらの
金属の炭化物，ホウ化物の粉末を用い、これらを最終焼
結体の各金属の原子比が表１に示す割合となるように秤
量混合し、これをアセトン等の有機溶媒中、約６８時間
混合粉砕した後、パラフィンを６重量％加え、２．０ｔ
ｏｎ／ｃｍ2 で所望形状に加圧成形する。成形されたも
のを非酸化性雰囲気下において４００℃で脱バインダー
した後、真空度１０-3ｔｏｒｒの真空加熱炉において温
度１４５０℃で真空焼成を１時間行い、さらに、アルゴ
ン雰囲気において１３００℃で１時間熱間静水圧焼成を
行った。
【００２５】このようにして得られた最終焼結体をＸ線
回折測定で結晶相を同定した結果、本発明品は、いずれ
も主としてＴｉＣ相とＴｉＢ相が存在していることを確
認した。また、焼結体の分析をＩＣＰ発光分光分析等に
より行い、各金属の原子比を求めた。
回折測定で結晶相を同定した結果、本発明品は、いずれ
も主としてＴｉＣ相とＴｉＢ相が存在していることを確
認した。また、焼結体の分析をＩＣＰ発光分光分析等に
より行い、各金属の原子比を求めた。
【００２６】また、Ｔｉを主成分とする金属相に対し
て、波長分散型Ｘ線回折装置（ＥＰＭＡ）による分析を
行った結果、金属ＭやＮの存在を確認した。
て、波長分散型Ｘ線回折装置（ＥＰＭＡ）による分析を
行った結果、金属ＭやＮの存在を確認した。
【００２７】
【表１】
【００２８】そして、焼結体を平面研削および鏡面研磨
し、この後、抗折強度，ビッカース硬度（Ｈｖ），破壊
靭性値および耐食性を試験し、目視により焼結体の色彩
を確認した。抗折強度の測定はＪＩＳＲ１６０１の３点
曲げ試験法に従い、ビッカース硬度の測定はＪＩＳＺ２
２４４試験法に従った。また、破壊靭性値はＩＦ法によ
り求めた。そして、耐食性試験は、ＩＳＯ（国際標準化
機構）規格に則した人工汗（ｐＨ４．７）を腐食液とし
て使用し、温度３７℃±２℃に保持した人工汗中に、鏡
面研磨した試料の下半分を２４時間浸し、浸した後の試
料の研磨面の下半分と上半分の状態を比較して観察する
ことにより行った。研磨面が腐食していない場合を○、
研磨面が少し腐食している場合を△とした。また、目視
によりいずれの試料も光沢のある銀色が出現することを
確認した。これらの結果を表１に示した。
し、この後、抗折強度，ビッカース硬度（Ｈｖ），破壊
靭性値および耐食性を試験し、目視により焼結体の色彩
を確認した。抗折強度の測定はＪＩＳＲ１６０１の３点
曲げ試験法に従い、ビッカース硬度の測定はＪＩＳＺ２
２４４試験法に従った。また、破壊靭性値はＩＦ法によ
り求めた。そして、耐食性試験は、ＩＳＯ（国際標準化
機構）規格に則した人工汗（ｐＨ４．７）を腐食液とし
て使用し、温度３７℃±２℃に保持した人工汗中に、鏡
面研磨した試料の下半分を２４時間浸し、浸した後の試
料の研磨面の下半分と上半分の状態を比較して観察する
ことにより行った。研磨面が腐食していない場合を○、
研磨面が少し腐食している場合を△とした。また、目視
によりいずれの試料も光沢のある銀色が出現することを
確認した。これらの結果を表１に示した。
【００２９】この表１から、本発明の試料では、抗折強
度が８００ＭＰａ以上、ビッカース硬度が９．０ＧＰａ
以上、破壊靱性値が６．５ＭＰａ・ｍ1/2 以上であり、
耐食性が良好であることが判る。
度が８００ＭＰａ以上、ビッカース硬度が９．０ＧＰａ
以上、破壊靱性値が６．５ＭＰａ・ｍ1/2 以上であり、
耐食性が良好であることが判る。
【００３０】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の銀色焼結
体によれば、実用上何等支障のない強度および硬度を有
するとともに、耐チッピング性、耐食性に優れ、また、
焼結性の向上により銀色の鏡面が容易に現出し、これに
より、長期間にわたり腐食や傷が発生しない銀色装飾品
として、例えば、時計ケース，時計バンド，ネックレ
ス，ブレスレット，ボタン等の装飾品やパターや釣具、
刃物等に好適に利用することができる。また、本発明の
銀色焼結体は、装飾品以外の摺動部材や食器類、スポー
ツ用品などに用いることもできる。
体によれば、実用上何等支障のない強度および硬度を有
するとともに、耐チッピング性、耐食性に優れ、また、
焼結性の向上により銀色の鏡面が容易に現出し、これに
より、長期間にわたり腐食や傷が発生しない銀色装飾品
として、例えば、時計ケース，時計バンド，ネックレ
ス，ブレスレット，ボタン等の装飾品やパターや釣具、
刃物等に好適に利用することができる。また、本発明の
銀色焼結体は、装飾品以外の摺動部材や食器類、スポー
ツ用品などに用いることもできる。
Claims (1)
- 【請求項１】Ｔｉと周期律表第４ａ、５ａ及び６ａ族元
素（Ｔｉを除く）の少なくとも１種とを含むホウ化物
と、Ｔｉを含む炭化物とを合量が６０重量％以上含有
し、残部がＴｉを主成分とする金属相と不可避不純物か
らなり、前記ホウ化物および炭化物の原子比による組成
式をそれぞれ （ＴｉaＭb）Ｂc （ＴｉxＮy）Ｃz （ただし、Ｍ，Ｎは周期律表第４ａ，５ａ，６ａ族元素
（Ｔｉを除く）のうち少なくとも一種）と表した時、 ａ，ｂ，ｃ，ｘ，ｙ，ｚが、 ０．８≦ａ＜１．０ ０ ＜ｂ≦０．２ ０．８≦ｃ≦１．０ ａ＋ｂ＝１ ０．８≦ｘ≦１．０ ０ ≦ｙ≦０．２ ０．６≦ｚ≦１．０ ｘ＋ｙ＝１ を満足することを特徴とする銀色焼結体。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32255194A JP3336138B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 銀色焼結体 |
| CH01850/95A CH690129A5 (de) | 1994-09-29 | 1995-06-22 | Silberfarbenes, gesintertes Produkt, und Verfahren zu seiner Herstellung. |
| DE19523531A DE19523531B4 (de) | 1994-09-29 | 1995-06-28 | Silberfarbenes Sinterprodukt und Verfahren zu dessen Herstellung |
| FR9510021A FR2725197B1 (fr) | 1994-09-29 | 1995-08-23 | Produit fritte a couleur d'argent et procede pour le fabriquer |
| KR1019950026573A KR100385208B1 (ko) | 1994-09-29 | 1995-08-25 | 은색 소결제품 및 그 제조방법 |
| US08/878,582 US6171989B1 (en) | 1994-09-29 | 1997-06-19 | Silver-colored sintered product and method of producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32255194A JP3336138B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 銀色焼結体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08176708A JPH08176708A (ja) | 1996-07-09 |
| JP3336138B2 true JP3336138B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=18144942
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32255194A Expired - Fee Related JP3336138B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-12-26 | 銀色焼結体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3336138B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-26 JP JP32255194A patent/JP3336138B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08176708A (ja) | 1996-07-09 |
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