JP4596692B2 - 焼結合金及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用部材、ブローチ、ネックレス、メダル、ボタン等の美しい色調の装飾用部材、壁材、各種キッチン部材等の耐摩耗部材に使用される焼結合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窒化チタンを硬質相とし、結合相としてコバルト、クロム、ニッケル、チタン、ジルコニウム等の焼結助剤を添加した焼結合金が賞用されている。
【0003】
この焼結合金は、金色の色調を有するとともに、硬度及び強度が優れていることから、耐摩耗材、装飾材等として広範囲に用いられている。
【0004】
また、窒化チタンを主成分とし、クロムを4重量%、コバルトを1重量%、ニッケルを5重量%含有した焼結合金は、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=24、a*=−0.3、b*=15であり、色調として黄金色を示すものであり、抗折強度が90kgf/mm2、ビッカース硬度が1380と優れた特性を具備し、時計用部材を始め多くの装飾用部材に使用されている(特開平5−311311号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記焼結合金に含まれる焼結助剤は、金属元素のため焼結合金中に存在する金属成分の腐食が進行しやすく、特に、汗等によって腐食、変色して色調や材料特性が損なわれるという欠点を有していた。
しかも、結合相である焼結助剤は、窒化チタンと未だ満足のいく濡れ性が得られず、結晶および粒界の全般にわたり多くの空隙が現れ、鏡面研磨しても滑らかで深みのある鏡面が現出しないという欠点を有していた。
【0006】
本発明は上述の欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、優れた耐腐食性を有するとともに、銀色と紫色からピンク色を併せ持つ鮮やかな色調の鏡面を有する焼結合金を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼結合金は、全量中45〜75質量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25質量%の炭化チタンからなる硬質相と、全量中1〜10質量%の炭化クロム、全量中0.1〜5質量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20質量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とするものである。
【0010】
さらに、本発明の焼結合金は、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることを特徴とするものである。
【0011】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法は、上記構成の本発明の焼結合金を製造する製造方法であって、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の焼結合金によれば、全量中45〜75質量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25質量%の炭化チタンからなる硬質相と、全量中1〜10質量%の炭化クロム、全量中0.1〜5質量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20質量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることから、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、硬質で、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある、銀色と紫色との色調を併せ持つ色調から、銀色とピンク色との色調を併せ持つような幅広い範囲の鮮やかな色調が表現できる鏡面を有する焼結合金を得ることができる。
【0014】
またさらに、本発明の焼結用合金によれば、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることから、ボイドが少なく、表面に深みのある色調を有する鏡面を得ることができる。
【0015】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法によれば、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することから、硬質相と結合相からなる微細構造となり、抗折強度、耐腐食性の優れた上記構成の本発明の焼結合金を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明の焼結合金は、全量中45〜75質量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25質量%の炭化チタンからなる硬質相と、全量中1〜10質量%の炭化クロム、全量中0.1〜5質量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20質量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とするものである。
【0018】
上記硬質層として、窒化チタンを45〜75質量%としておくと、高い硬度、及び強優を有し、表面を鏡面とすることができ、また、炭化チタンを7.5〜25質量%としておくと、結合相に対する十分な濡れ性を確保し、組織内に気孔が生じるのを防止できるとともに、紫色からピンク色の鮮やかな色調の鏡面を有する焼結合金とすることができる。
【0019】
なお、上記窒化チタン及び炭化チタンは、組織中に炭窒化チタンとして存在する場合もある。
【0020】
また、上記結合相として、炭化クロムを全量中1〜10質量%含有すると、他の結合相に含有する金属に対する濡れ性がよく、高い耐食性を得ることができるとともに、焼結体の赤味を抑えて色調を調節することができる。特に、好適には5〜7質量%とすることで、窒化チタンとの濡れ性が最適なものとなる。さらに、上記炭化モリブデンを全量中0.1〜5質量%、より好適には0.1〜3質量%添加することによって焼結性がより向上する。なお、上記炭化クロム及び炭化モリブデンは、原料調合時には炭化物の状態で添加され、その一部が結合相となる。これは、原料調合時に添加した少量の酸化チタンが、焼成時に炭化チタンや二酸化炭素となり、その過程において炭化クロムや炭化モリブデンに含まれる炭素と反応し、炭化クロムや炭化モリブデンの一部が結合相になるためと考えられる。この酸化チタンは、材料内のフリーカーボンを消去する目的で添加されるものである。また、炭化クロムとしては、一般的にCr3C2の組成のものが好適に使用され、その他にCr7C3やCr23C6の組成のものを単独、またはこれらを組合せて使用することができる。
【0021】
またさらに、上記ニッケルを全量中5〜20質量%、さらには10〜16質量%含有することによって、濡れ性、焼結性が向上するとともに、耐食性の優れた焼結体を得ることができる。ニッケルは原料調合時に、金属粉体の状態で加えられ、組織の微細構造の生成過程において、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、焼結合金のポアやボイドを著しく少なくすることができる。
【0022】
上記の組成からなり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1である焼結合金は、銀色と淡い紫色からピンク色を併せ持つ色調を有する。この焼結合金に鏡面加工を施した後の測色計での測定において、JIS Z8730に規定するL*・a*・b*表色系の値が、L*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16の値となる。この測色計で得られた値のうちL*は反射(輝き)を示し、この値が高いほど良好な輝きを放つものである。a*は、プラス(+)方向に値が大きくなると赤い色調を示し、逆にマイナス(−)方向に値が大きくなると緑色の色調を示す。また、b*は、プラス(+)方向に値が大きくなると黄色い色調になり、逆にマイナス(−)方向に値が大きくなると青色の色調を示す。
【0023】
このように本発明の焼結合金は、従来の窒化チタンを主成分とする焼結合金の金色にはない銀色と淡い紫色やピンク色の色調を併せ持つような鮮やかな色調を表現できる。このような色調が得られるのは、上記窒化チタンの一部が炭化チタンと反応し、炭窒化チタンに変化したためと推測される。この炭窒化チタンは、金属光沢を有する茶褐色系の色調を有し、窒化チタンと炭化チタンの組成比、焼成雰囲気に大きく影響され、これらの条件を限定することによって幅広い範囲の色調を表現することができる。
【0024】
なお、上記L*・a*・b*の測定は次の条件で行った。
【0025】
測定器:分光測色計(ミノルタ製CM−3700D)
基準光源:D65
波長範囲:360〜740nm
視野 :10゜
正反射光:含む(SCI)
さらに、上記焼結合金は、X線回折における窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’が、窒化チタンの標準第1ピーク回折角2θに比し、0.01<2θ−2θ’<1となっている。
【0026】
詳細には、X線回折データに示すように、銅管球を使用した際の窒化チタンの標準の第1ピーク回折角2θは、JCPDS−ICDD(粉末回析標準委員会国際回析データセンター)のX線回折データより42.592゜であるのに対し、図1に示すように本発明の焼結合金(窒化チタン:60.2質量%、炭化チタン15.8質量%、炭化クロム5.1質量%、炭化モリブデン0.5質量%、ニッケル17.2質量%)のX線回折における窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’は42.48°となっており、上記標準の第1ピーク回折角2θに比し小さくなっている。
【0027】
これは窒化チタンの一部が炭化チタンと反応して炭窒化チタンとなり、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’が小さくなったと考えられ、上記窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’が41.592°<2θ’<42.582°の範囲とすることから、焼結合金の色調が銀色と紫色、銀色とピンク色を有する鏡面とすることができる。
【0028】
なお、上述のピーク回折角を有する焼結合金を得るには、後述するように焼成条件を限定することによって行われる。
【0029】
また、上記X線回折におけるJCPDS−ICDD(粉末回析標準委員会国際回析データセンター)のX線回折データによれば、これらの値は測定条件、結晶の配向等によって変化する。
【0030】
さらに、上記焼結合金は、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上とすることが好ましく、有孔度がA−2クラスよりも低いと、鏡面加工後に深みのある鏡面が現出しないからである。
【0031】
なお、上記有効度をA−2クラス以上とするには、焼成温度を高くし、結合相の含有量を増加させることによって行われ、
なお、上記ANSI/ASTM B276−54は、AMERICAN NATIONAL STANDARDNにおいて200倍の倍率で撮影したボイド写真によるものである。
【0032】
ここで、本発明の焼結合金の製造方法を説明する。
【0033】
先ず、原料粉末として、窒化チタン粉末に炭化チタン、炭化クロム、炭化モリブデン、ニッケル、酸化チタンの各粉末を添加し、均一混合する。なお、上記窒化チタン、炭化チタン、炭化クロム、炭化モリブデン及びニッケルの各原料粉末は、その粒径を3.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下とする。得られた混合物はミルで粉砕し粉末の粒径を所定の条件に調整する。
【0034】
次いで、この原料粉末にバインダーとしてパラフィン等を加え、均一混合・粉砕し、所定の形状に加圧成形する。
【0035】
しかる後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板の上面に載置し、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気炉、もしくは真空炉(真空度0.00133〜13.33Pa)において、1300〜1600℃の温度で焼成する。
【0036】
上記焼成条件において、アルミナもしくはモリブデンからなる棚板を用いることによって、焼成炉内に存在する炭素と、成形体に含まれる窒化チタンが反応するのを防止して、得られる焼結合金の色調を鮮やかなものとすることができる。
【0037】
また、上記焼成雰囲気を真空度0.00133〜13.33Paの真空雰囲気とすることが好ましく、該真空度が0.00133Pa未満となるとバインダー等に含まれる有機物と上記成形体に含まれる窒化チタンが反応し、所望の色調が得られ難くなる。一方、13.33Paを超えると、緻密な焼結体を得ることができない。さらに、上記焼成温度は、1300〜1600℃としておくことが好ましく、上記有孔度をA−2クラス以上とし、鮮やかな色調を有する材料特性の優れた焼結合金を得ることができる。
【0038】
さらにまた、焼成時においてニッケルは溶融しながら焼結が進行するが、炭化クロム及び炭化モリブデンは、硬質相の表面で溶融金属による濡れ性を向上させ、ポアの生成を防止するように作用し、この溶融金属と反応して結合相中に耐腐食性の優れたニッケル−クロム−モリブデン複合合金を形成させるように作用する。
【0039】
このような焼成条件で得られた焼結合金は、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある色調の鏡面を有するものである。
【0040】
上記の製法によって得られた焼結合金は、X線マイクロアナライザー分析や走査電子顕微鏡によって観察される組織が、硬質相と結合相からなる微細構造を示し、極めてポアが少なく、抗折強度(3点曲げ)が1300MPa以上の優れた材料特性を有するとともに、銀色と淡い紫色からピンク色の色調を併せ持つ、滑らかで深みのある鏡面を得ることができる。この焼結合金は、時計ケースや時計バンド等のように高い耐食性や強度が要求される装飾部材として、また、腐食や摩耗に強い特性を有することから、壁材、記念メダル、ボタン、ブレスレット、リング、ペンダント、釣具等に好適に使用することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例について述べる。
【0043】
表1に示す如く比率により原料粉末を添加混合し、IPA中で約48時間混合粉砕した。これを乾燥後、バインダーとしてパラフィンを5質量%加え、約1.0ton/cm2で加圧成形し、脱バインダーを行った後、1400℃の焼成温度で真空度0.1〜0.5Paで真空焼成を1時間行って焼結合金試料を得た。
【0044】
このようにして得られた各焼結合金試料の表面を鏡面研磨した後、鏡面状態、ボイドレベル、抗折強度、ビッカース硬度(Hv)、耐腐食試験、色調を調べた。
【0045】
なお、鏡面状態は、金属顕微鏡を200倍の視野内における有孔度(ANSI/ASTMで規定される析出カーボン量がA−2クラス以上か否か)で判定を行った。また、抗折強度の測定はJIS−R−1601の3点曲げ試験法に、ビッカース硬度(Hv)の測定はJIS−Z−2244の試験法に従って行った。さらに、耐腐食性試験は、人間の汗の標準的な成分を人工的に作製した人工汗に浸して耐汗試験および塩水(4重量%/vol)を霧状にしてふきかけるという塩水噴試験(JIS−Z−2371)によって、色調試験はJIS Z8730に従って測定した。
【0046】
なお、鏡面試験については、析出カーボン量等による有孔度がANSI/ASTM B276−54で規定されるA−6クラス、B−1〜B−6クラスおよびC−1〜C−6クラスのものは×印、A−3〜A−5クラスのものは△印、A−2クラス以上のものは○印とした。また、耐腐食性試験については、耐汗試験および塩水噴霧試験における変色および腐食が全くないものは○、変色または腐食の認められたものは×とした。
この結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示す結果より明らかなように、窒化チタンを45〜75質量%、炭化チタンを7.5〜25質量%、炭化クロムを1〜10質量%、炭化モリブデンを0.1〜5質量%、及びニッケルを5〜20質量%含有した試料(No.5〜9)は、鏡面状態を得やすく、抗折強度1300MPa以上、ビッカース硬度が1255以上と高い値を示し、耐腐食性が高く、鮮やかな色調を有することが分かった。
【0049】
これに対し、窒化チタンの含有量が45質量%未満の試料(No.1,2)は、ボイドが多く鏡面状態を得ることができないことが、また、炭化チタンの含有量が7.5質量%未満の試料(No.10,11)は、鮮やかな色調を得ることができないことが分かった。
【0050】
さらに、炭化クロムを10質量%より超えて含有する試料(No.3)は、耐食性が低く、鮮やかな色調が得られないことが分かった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の焼結合金によれば、全量中45〜75質量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25質量%の炭化チタンからなる硬質相と、全量中1〜10質量%の炭化クロム、全量中0.1〜5質量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20質量%のニッケルからなる結合相とからなることから、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、硬質で、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある色調の鏡面を有する焼結合金を得ることができる。
【0052】
また、本発明の焼結合金によれば測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16であり、さらに、本発明の焼結合金によれば、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、上記焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることから、銀色と紫色の色調を併せ持つ色調から、銀色とピンク色の色調を併せ持つような幅広い範囲の鮮やかな色調が表現できる。
【0053】
またさらに、本発明の焼結用合金によれば、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることから、ボイドが少なく、表面に深みのある色調を有する鏡面を得ることができる。
【0054】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法によれば、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することから、硬質相と結合相からなる微細構造となり、抗折強度、耐腐食性の優れた上記構成の本発明の焼結合金を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結合金におけるX線回折の分析結果示すチャート図である。
Claims (3)
- 全量中45〜75質量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25質量%の炭化チタンからなる硬質相と、全量中1〜10質量%の炭化クロム、全量中0.1〜5質量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20質量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とする焼結合金。
- 上記焼結合金において、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることを特徴とする請求項1に記載の焼結合金。
- 請求項1または2に記載の焼結合金の製造方法であって、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板に載置して真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することを特徴とする焼結合金の製造方法。
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