JP4596692B2 - 焼結合金及びその製造方法 - Google Patents

焼結合金及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4596692B2
JP4596692B2 JP2001197520A JP2001197520A JP4596692B2 JP 4596692 B2 JP4596692 B2 JP 4596692B2 JP 2001197520 A JP2001197520 A JP 2001197520A JP 2001197520 A JP2001197520 A JP 2001197520A JP 4596692 B2 JP4596692 B2 JP 4596692B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered alloy
mass
titanium nitride
carbide
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001197520A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003013154A (ja
Inventor
真一 林
実 中須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001197520A priority Critical patent/JP4596692B2/ja
Priority to CH01108/02A priority patent/CH695421A5/de
Priority to KR1020020036734A priority patent/KR100943931B1/ko
Publication of JP2003013154A publication Critical patent/JP2003013154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4596692B2 publication Critical patent/JP4596692B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44CPERSONAL ADORNMENTS, e.g. JEWELLERY; COINS
    • A44C27/00Making jewellery or other personal adornments
    • A44C27/001Materials for manufacturing jewellery
    • A44C27/002Metallic materials
    • A44C27/003Metallic alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C29/00Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/04Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C1/05Mixtures of metal powder with non-metallic powder
    • C22C1/051Making hard metals based on borides, carbides, nitrides, oxides or silicides; Preparation of the powder mixture used as the starting material therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C29/00Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides
    • C22C29/16Alloys based on carbides, oxides, nitrides, borides, or silicides, e.g. cermets, or other metal compounds, e.g. oxynitrides, sulfides based on nitrides
    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04BMECHANICALLY-DRIVEN CLOCKS OR WATCHES; MECHANICAL PARTS OF CLOCKS OR WATCHES IN GENERAL; TIME PIECES USING THE POSITION OF THE SUN, MOON OR STARS
    • G04B37/00Cases
    • G04B37/22Materials or processes of manufacturing pocket watch or wrist watch cases
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F3/00Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
    • B22F3/10Sintering only
    • B22F2003/1042Sintering only with support for articles to be sintered

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計用部材、ブローチ、ネックレス、メダル、ボタン等の美しい色調の装飾用部材、壁材、各種キッチン部材等の耐摩耗部材に使用される焼結合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窒化チタンを硬質相とし、結合相としてコバルト、クロム、ニッケル、チタン、ジルコニウム等の焼結助剤を添加した焼結合金が賞用されている。
【0003】
この焼結合金は、金色の色調を有するとともに、硬度及び強度が優れていることから、耐摩耗材、装飾材等として広範囲に用いられている。
【0004】
また、窒化チタンを主成分とし、クロムを4重量%、コバルトを1重量%、ニッケルを5重量%含有した焼結合金は、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=24、a*=−0.3、b*=15であり、色調として黄金色を示すものであり、抗折強度が90kgf/mm2、ビッカース硬度が1380と優れた特性を具備し、時計用部材を始め多くの装飾用部材に使用されている(特開平5−311311号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記焼結合金に含まれる焼結助剤は、金属元素のため焼結合金中に存在する金属成分の腐食が進行しやすく、特に、汗等によって腐食、変色して色調や材料特性が損なわれるという欠点を有していた。
しかも、結合相である焼結助剤は、窒化チタンと未だ満足のいく濡れ性が得られず、結晶および粒界の全般にわたり多くの空隙が現れ、鏡面研磨しても滑らかで深みのある鏡面が現出しないという欠点を有していた。
【0006】
本発明は上述の欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、優れた耐腐食性を有するとともに、銀色と紫色からピンク色を併せ持つ鮮やかな色調の鏡面を有する焼結合金を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の焼結合金は、全量中45〜75量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25量%の炭化チタンからなる硬質相と、全中1〜10量%の炭化クロム、全中0.1〜5量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とするものである。
【0010】
らに、本発明の焼結合金は、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることを特徴とするものである。
【0011】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法は、上記構成の本発明の焼結合金を製造する製造方法であって、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明の焼結合金によれば、全量中45〜75量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25量%の炭化チタンからなる硬質相と、全中1〜10量%の炭化クロム、全中0.1〜5量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることから、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、硬質で、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある、銀色と紫色との色調を併せ持つ色調から、銀色とピンク色との色調を併せ持つような幅広い範囲の鮮やかな色調が表現できる鏡面を有する焼結合金を得ることができる。
【0014】
またさらに、本発明の焼結用合金によれば、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることから、ボイドが少なく、表面に深みのある色調を有する鏡面を得ることができる。
【0015】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法によれば、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することから、硬質相と結合相からなる微細構造となり、抗折強度、耐腐食性の優れた上記構成の本発明の焼結合金を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明の焼結合金は、全量中45〜75量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25量%の炭化チタンからなる硬質相と、全中1〜10量%の炭化クロム、全中0.1〜5量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とするものである。
【0018】
上記硬質層として、窒化チタンを45〜75量%としておくと、高い硬度、及び強優を有し、表面を鏡面とすることができ、また、炭化チタンを7.5〜25量%としておくと、結合相に対する十分な濡れ性を確保し、組織内に気孔が生じるのを防止できるとともに、紫色からピンク色の鮮やかな色調の鏡面を有する焼結合金とすることができる。
【0019】
なお、上記窒化チタン及び炭化チタンは、組織中に炭窒化チタンとして存在する場合もある。
【0020】
また、上記結合相として、炭化クロムを全量中1〜10量%含有すると、他の結合相に含有する金属に対する濡れ性がよく、高い耐食性を得ることができるとともに、焼結体の赤味を抑えて色調を調節することができる。特に、好適には5〜7量%とすることで、窒化チタンとの濡れ性が最適なものとなる。さらに、上記炭化モリブデンを全量中0.1〜5量%、より好適には0.1〜3量%添加することによって焼結性がより向上する。なお、上記炭化クロム及び炭化モリブデンは、原料調合時には炭化物の状態で添加され、その一部が結合相となる。これは、原料調合時に添加した少量の酸化チタンが、焼成時に炭化チタンや二酸化炭素となり、その過程において炭化クロムや炭化モリブデンに含まれる炭素と反応し、炭化クロムや炭化モリブデンの一部が結合相になるためと考えられる。この酸化チタンは、材料内のフリーカーボンを消去する目的で添加されるものである。また、炭化クロムとしては、一般的にCrの組成のものが好適に使用され、その他にCrやCr23の組成のものを単独、またはこれらを組合せて使用することができる。
【0021】
またさらに、上記ニッケルを全量中5〜20量%、さらには10〜16量%含有することによって、濡れ性、焼結性が向上するとともに、耐食性の優れた焼結体を得ることができる。ニッケルは原料調合時に、金属粉体の状態で加えられ、組織の微細構造の生成過程において、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、焼結合金のポアやボイドを著しく少なくすることができる。
【0022】
上記の組成からなり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1である焼結合金は、銀色と淡い紫色からピンク色を併せ持つ色調を有する。この焼結合金に鏡面加工を施した後の測色計での測定において、JIS Z8730に規定するL*・a*・b*表色系の値が、L*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16の値となる。この測色計で得られた値のうちL*は反射(輝き)を示し、この値が高いほど良好な輝きを放つものである。a*は、プラス(+)方向に値が大きくなると赤い色調を示し、逆にマイナス(−)方向に値が大きくなると緑色の色調を示す。また、b*は、プラス(+)方向に値が大きくなると黄色い色調になり、逆にマイナス(−)方向に値が大きくなると青色の色調を示す。
【0023】
このように本発明の焼結合金は、従来の窒化チタンを主成分とする焼結合金の金色にはない銀色と淡い紫色やピンク色の色調を併せ持つような鮮やかな色調を表現できる。このような色調が得られるのは、上記窒化チタンの一部が炭化チタンと反応し、炭窒化チタンに変化したためと推測される。この炭窒化チタンは、金属光沢を有する茶褐色系の色調を有し、窒化チタンと炭化チタンの組成比、焼成雰囲気に大きく影響され、これらの条件を限定することによって幅広い範囲の色調を表現することができる。
【0024】
なお、上記L*・a*・b*の測定は次の条件で行った。
【0025】
測定器:分光測色計(ミノルタ製CM−3700D)
基準光源:D65
波長範囲:360〜740nm
視野 :10゜
正反射光:含む(SCI)
さらに、上記焼結合金は、X線回折における窒化チタンの第ピーク回折角2θ’が、窒化チタンの標準第ピーク回折角2θに比し、0.01<2θ−2θ’<1となっている。
【0026】
詳細には、X線回折データに示すように、銅管球を使用した際の窒化チタンの標準の第1ピーク回折角2θは、JCPDS−ICDD(粉末回析標準委員会国際回析データセンター)のX線回折データより42.592゜であるのに対し、図1に示すように本発明の焼結合金(窒化チタン:60.2量%、炭化チタン15.8量%、炭化クロム5.1量%、炭化モリブデン0.5量%、ニッケル17.2量%)のX線回折における窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’は42.48°となっており、上記標準の第1ピーク回折角2θに比し小さくなっている。
【0027】
これは窒化チタンの一部が炭化チタンと反応して炭窒化チタンとなり、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’が小さくなったと考えられ、上記窒化チタンの第1ピーク回折角2θ’が41.592°<2θ’<42.582°の範囲とすることから、焼結合金の色調が銀色と紫色、銀色とピンク色を有する鏡面とすることができる。
【0028】
なお、上述のピーク回折角を有する焼結合金を得るには、後述するように焼成条件を限定することによって行われる。
【0029】
また、上記X線回折におけるJCPDS−ICDD(粉末回析標準委員会国際回析データセンター)のX線回折データによれば、これらの値は測定条件、結晶の配向等によって変化する。
【0030】
さらに、上記焼結合金は、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上とすることが好ましく、有孔度がA−2クラスよりも低いと、鏡面加工後に深みのある鏡面が現出しないからである。
【0031】
なお、上記有効度をA−2クラス以上とするには、焼成温度を高くし、結合相の含有量を増加させることによって行われ、
なお、上記ANSI/ASTM B276−54は、AMERICAN NATIONAL STANDARDNにおいて200倍の倍率で撮影したボイド写真によるものである。
【0032】
ここで、本発明の焼結合金の製造方法を説明する。
【0033】
先ず、原料粉末として、窒化チタン粉末に炭化チタン、炭化クロム、炭化モリブデン、ニッケル、酸化チタンの各粉末を添加し、均一混合する。なお、上記窒化チタン、炭化チタン、炭化クロム、炭化モリブデン及びニッケルの各原料粉末は、その粒径を3.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以下とする。得られた混合物はミルで粉砕し粉末の粒径を所定の条件に調整する。
【0034】
次いで、この原料粉末にバインダーとしてパラフィン等を加え、均一混合・粉砕し、所定の形状に加圧成形する。
【0035】
しかる後、得られた成形体をアルミナしくはモリブデンからなる棚板の上面に載置し、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気炉もしくは真空炉(真空度0.00133〜13.33Pa)において、1300〜1600℃の温度で焼成する。
【0036】
上記焼成条件において、アルミナしくはモリブデンからなる棚板を用いることによって、焼成炉内に存在する炭素と、成形体に含まれる窒化チタンが反応するのを防止して、得られる焼結合金の色調を鮮やかなものとすることができる。
【0037】
また、上記焼成雰囲気を真空度0.00133〜13.33Paの真空雰囲気とすることが好ましく、該真空度が0.00133Pa未満となるとバインダー等に含まれる有機物と上記成形体に含まれる窒化チタンが反応し、所望の色調が得られ難くなる。一方、13.33Paをえると、緻密な焼結体を得ることができない。さらに、上記焼成温度は、1300〜1600℃としておくことが好ましく、上記有孔度をA−2クラス以上とし、鮮やかな色調を有する材料特性の優れた焼結合金を得ることができる。
【0038】
さらにまた、焼成時においてニッケルは溶融しながら焼結が進行するが、炭化クロム及び炭化モリブデンは、硬質相の表面で溶融金属による濡れ性を向上させ、ポアの生成を防止するように作用し、この溶融金属と反応して結合相中に耐腐食性の優れたニッケル−クロム−モリブデン複合合金を形成させるように作用する。
【0039】
このような焼成条件で得られた焼結合金は、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある色調の鏡面を有するものである。
【0040】
上記の製法によって得られた焼結合金は、X線マイクロアナライザー分析や走査電子顕微鏡によって観察される組織が、硬質相と結合相からなる微細構造を示し、極めてポアが少なく、抗折強度(3点曲げ)が1300MPa以上の優れた材料特性を有するとともに、銀色と淡い紫色からピンク色の色調を併せ持つ、滑らかで深みのある鏡面を得ることができる。この焼結合金は、時計ケースや時計バンド等のように高い耐食性や強度が要求される装飾部材として、また、腐食や摩耗に強い特性を有することから、壁材、記念メダル、ボタン、ブレスレット、リング、ペンダント、釣具等に好適に使用することができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例について述べる。
【0043】
表1に示す如く比率により原料粉末を添加混合し、IPA中で約48時間混合粉砕した。これを乾燥後、バインダーとしてパラフィンを5量%加え、約1.0ton/cmで加圧成形し、脱バインダーを行った後、1400℃の焼成温度で真空度0.1〜0.5Paで真空焼成を1時間行って焼結合金試料を得た。
【0044】
このようにして得られた各焼結合金試料の表面を鏡面研磨した後、鏡面状態、ボイドレベル、抗折強度、ビッカース硬度(Hv)、耐腐食試験、色調を調べた。
【0045】
なお、鏡面状態は、金属顕微鏡を200倍の視野内における有孔度(ANSI/ASTMで規定される析出カーボン量がA−2クラス以上か否か)で判定を行った。また、抗折強度の測定はJIS−R−1601の3点曲げ試験法に、ビッカース硬度(Hv)の測定はJIS−Z−2244の試験法に従って行った。さらに、耐腐食性試験は、人間の汗の標準的な成分を人工的に作製した人工汗に浸して耐汗試験および塩水(4重量%/vol)を霧状にしてふきかけるという塩水噴試験(JIS−Z−2371)によって、色調試験はJIS Z8730に従って測定した。
【0046】
なお、鏡面試験については、析出カーボン量等による有孔度がANSI/ASTM B276−54で規定されるA−6クラス、B−1〜B−6クラスおよびC−1〜C−6クラスのものは×印、A−3〜A−5クラスのものは△印、A−2クラス以上のものは○印とした。また、耐腐食性試験については、耐汗試験および塩水噴霧試験における変色および腐食が全くないものは○、変色または腐食の認められたものは×とした。
この結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004596692
【0048】
表1に示す結果より明らかなように、窒化チタンを45〜75量%、炭化チタンを7.5〜25量%、炭化クロムを1〜10量%、炭化モリブデンを0.1〜5量%、及びニッケルを5〜20量%含有した試料(No.〜9)は、鏡面状態を得やすく、抗折強度1300MPa以上、ビッカース硬度が1255以上と高い値を示し、耐腐食性が高く、鮮やかな色調を有することが分かった。
【0049】
これに対し、窒化チタンの含有量が45量%未満の試料(No.1,2)は、ボイドが多く鏡面状態を得ることができないことが、また、炭化チタンの含有量が7.5量%未満の試料(No.10,11)は、鮮やかな色調を得ることができないことが分かった。
【0050】
さらに、炭化クロムを10量%より超えて含有する試料(No.3)は、耐食性が低く、鮮やかな色調が得られないことが分かった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の焼結合金によれば、全量中45〜75量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25量%の炭化チタンからなる硬質相と、全中1〜10量%の炭化クロム、全中0.1〜5量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20量%のニッケルからなる結合相とからなることから、硬質相と結合相との濡れ性を向上させ、硬質で、耐腐食性に優れ、表面が滑らかで深みのある色調の鏡面を有する焼結合金を得ることができる。
【0052】
また、本発明の焼結合金によれば測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16であり、さらに、本発明の焼結合金によれば、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、上記焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることから、銀色と紫色の色調を併せ持つ色調から、銀色とピンク色の色調を併せ持つような幅広い範囲の鮮やかな色調が表現できる。
【0053】
またさらに、本発明の焼結用合金によれば、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることから、ボイドが少なく、表面に深みのある色調を有する鏡面を得ることができる。
【0054】
さらにまた、本発明の焼結合金の製造方法によれば、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナしくはモリブデンからなる棚板に載置し、真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することから、硬質相と結合相からなる微細構造となり、抗折強度、耐腐食性の優れた上記構成の本発明の焼結合金を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結合金におけるX線回折の分析結果示すチャート図である。

Claims (3)

  1. 全量中45〜75量%の窒化チタン及び全量中7.5〜25量%の炭化チタンからなる硬質相と、全中1〜10量%の炭化クロム、全中0.1〜5量%の炭化モリブデン、及び全量中5〜20量%のニッケルからなる結合相とからなり、測色計にて得られるL*・a*・b*表色系の明度指数がL*=65〜69、a*=4〜9、b*=5〜16で、銀色と紫色からピンク色とを併せ持つ色調であり、X線回折における窒化チタンの標準の第1ピーク回折角を2θ、焼結合金中の窒化チタンの第1ピーク回折角を2θ’としたとき、0.01<2θ−2θ’<1であることを特徴とする焼結合金。
  2. 上記焼結合金において、ANSI/ASTM B276−54で規定される有孔度がA−2クラス以上であることを特徴とする請求項1に記載の焼結合金。
  3. 請求項1または2に記載の焼結合金の製造方法であって、原料粉末を所定形状に成形した後、得られた成形体をアルミナもしくはモリブデンからなる棚板に載置して真空度0.00133〜13.3Paの雰囲気中、1300〜1600℃の温度で焼成することを特徴とする焼結合金の製造方法。
JP2001197520A 2001-06-28 2001-06-28 焼結合金及びその製造方法 Expired - Lifetime JP4596692B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001197520A JP4596692B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 焼結合金及びその製造方法
CH01108/02A CH695421A5 (de) 2001-06-28 2002-06-27 Gesinterte Legierung und Verfahren zur Herstellung derselben.
KR1020020036734A KR100943931B1 (ko) 2001-06-28 2002-06-28 소결합금 및 그 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001197520A JP4596692B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 焼結合金及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003013154A JP2003013154A (ja) 2003-01-15
JP4596692B2 true JP4596692B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=19035110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001197520A Expired - Lifetime JP4596692B2 (ja) 2001-06-28 2001-06-28 焼結合金及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4596692B2 (ja)
KR (1) KR100943931B1 (ja)
CH (1) CH695421A5 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101228906B1 (ko) 2004-03-29 2013-02-01 쿄세라 코포레이션 세라믹 소결체와 그 제조방법 및 세라믹 소결체를 사용한장식용 부재
JP5342740B2 (ja) * 2005-09-27 2013-11-13 京セラ株式会社 装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた時計用装飾部品
JP5091945B2 (ja) * 2007-03-13 2012-12-05 京セラ株式会社 装飾部品用セラミックス、時計用装飾部品、携帯機器用装飾部品および携帯機器
KR20100061848A (ko) * 2007-11-28 2010-06-09 쿄세라 코포레이션 장식부품용 세라믹 및 그것을 이용한 장식부품
WO2009145146A1 (ja) 2008-05-28 2009-12-03 京セラ株式会社 装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた装飾部品
EP2423343A4 (en) 2009-04-24 2012-11-07 Kyocera Corp CERAMICS FOR DECORATIVE COMPONENT AND DECORATIVE COMPONENT USING THE SAME
JP5864421B2 (ja) 2011-03-07 2016-02-17 住友電工ハードメタル株式会社 装飾部品用材料
WO2016136894A1 (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 京セラ株式会社 サーメット製装飾部材ならびにこれを用いてなる時計、携帯端末機および装身具
KR20220113625A (ko) 2021-02-06 2022-08-16 아주자동차대학 산학협력단 일회용 칫솔 면도기

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4852607A (ja) * 1971-11-05 1973-07-24
JPH05311311A (ja) * 1992-05-11 1993-11-22 Kyocera Corp 金色焼結合金

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4835334B1 (ja) * 1970-02-02 1973-10-27
JPS60218449A (ja) * 1984-04-12 1985-11-01 Nippon Tungsten Co Ltd 装飾部材用焼結材料
EP0520465B1 (en) * 1991-06-27 1996-12-27 Kyocera Corporation Sintered alloy of golden color
JPH059644A (ja) * 1991-06-27 1993-01-19 Kyocera Corp 金色焼結合金
JP3020663B2 (ja) * 1991-07-31 2000-03-15 京セラ株式会社 印 鑑
JP3215493B2 (ja) * 1992-04-09 2001-10-09 東芝タンガロイ株式会社 結晶配向の被覆焼結合金
JP3031106B2 (ja) * 1993-03-18 2000-04-10 住友電気工業株式会社 硬質超微粒子分散セラミック金属複合材料
KR0182401B1 (ko) * 1996-04-16 1999-04-01 우덕창 틴계 금색 발현 소결체의 제조 방법

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4852607A (ja) * 1971-11-05 1973-07-24
JPH05311311A (ja) * 1992-05-11 1993-11-22 Kyocera Corp 金色焼結合金

Also Published As

Publication number Publication date
KR20030003068A (ko) 2003-01-09
KR100943931B1 (ko) 2010-02-24
CH695421A5 (de) 2006-05-15
JP2003013154A (ja) 2003-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5342740B2 (ja) 装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた時計用装飾部品
JP5864421B2 (ja) 装飾部品用材料
WO2005093110A1 (ja) セラミック焼結体とその製造方法及びセラミック焼結体を用いた装飾用部材
JPS6029443A (ja) 装飾用金色焼結合金
JP4596692B2 (ja) 焼結合金及びその製造方法
JPS61106743A (ja) 装飾用銀色焼結合金
KR100239844B1 (ko) 금색 소결합금
KR100385208B1 (ko) 은색 소결제품 및 그 제조방법
JP3255744B2 (ja) 金色焼結体およびその製造方法
JP3231873B2 (ja) 銀色焼結合金およびその製造方法
JP5342742B2 (ja) 装飾部品用セラミックスおよびこれを用いた時計用装飾部品
JP3255700B2 (ja) 金色焼結合金
JP3255738B2 (ja) 金色焼結合金およびその製造方法
JP2722118B2 (ja) 炭化チタン基銀色焼結合金
JP2002105577A (ja) 装飾部材およびその製造方法
JPH059644A (ja) 金色焼結合金
JP3285635B2 (ja) Ta−B−C系焼結体およびその製造方法
JP3450949B2 (ja) 金色焼結体
JPH044991B2 (ja)
JPH059643A (ja) 金色焼結合金
JPH08157990A (ja) 銀色焼結体およびその製造方法
JPH05156403A (ja) 金色焼結合金
JP2742607B2 (ja) 装飾用硬質銀色セラミックス
JPH08729B2 (ja) 炭化チタン質焼結体
JP2023540202A (ja) サーメット装飾アイテム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4596692

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term