JP3020663B2 - 印 鑑 - Google Patents

印 鑑

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JP3020663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印鑑に関し、特に高強度
でかつ加工性に優れ、耐腐食性・耐摩耗性・装飾性を高
めた印鑑に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、印鑑は証明用実印等への使用を目
的に、水牛・木・水晶・象牙等の高級天然材が多く用い
られてきた。しかし、これらは硬度が低く印字面及び表
面に傷・割れを生じやすい上、摩耗しやすく長期の使用
に耐えられないという問題があった。また、ワシントン
条約での象牙輸入禁止など、これらの天然材は希少資源
として入手困難に成りつつある。
【0003】そこで、近年セラミックスの印鑑が用いら
れるようになった。これらは耐熱性・高強度を有する
為、耐久性は優れる反面、加工工程上の制約もある。例
えば、特開昭60−131861号、61−97164
号公報においては焼成前のセラミックス成形体に切削加
工を施して刻印した後焼結させる方法が、特開平2−2
12257号公報では仮焼体に印字加工後、本焼成させ
る方法がそれぞれ開示されている。また、特開平2−5
2550号公報においてはガラスセラミックス素材に彫
刀する例が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のセラ
ミックス製印鑑では、焼成前に刻印していたため、文字
・形状が崩れやすく、また焼結後の印字部変形、クラッ
ク発生等の問題があり、印鑑としての基本特性を満たせ
ないことがあった。
【0005】また、金色・銀色印鑑を求める市場要求に
対し、上記セラミックス製印鑑では、象牙色風合いのも
のは可能であるが、金・銀色を呈しかつ実用に供するも
のはなかった。そこで本発明の課題は上記の問題を解決
し,市場要求を満たすために精密印字加工が可能で耐摩
耗性・耐腐食性に優れ、金・銀色を呈する高強度の焼結
合金製印鑑を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて、本発明は
印鑑の少なくとも印字面を含む部分をTiNまたはTi
Cを主成分とし、平均結晶粒径が3μm以下、気孔率
0.3〜5%の焼結合金で構成したものである。
【0007】また、本発明の印鑑は、TiN、TiCを
主成分とする成型体を焼成後、所定の面に刻印加工する
ことによって得られる。一般に、Tiを含有する焼結合
金は高強度で優美な色を呈する反面、耐チッピング性に
劣るという欠点があった。そこで本発明では、シャープ
な印字面を得る為に、素材の改良を行いこれを解決し
た。
【0008】即ち、本発明の金色焼結合金は、Tiが全
量中55〜75重量%、鉄族金属及び少なくともCrを
含む周期律表第6a族元素が全量中3〜29重量%、残
部が非金属元素により構成されるとともに、Tiを除く
金属元素中に於けるCrの割合を40重量%以上として
なるものである。ここで鉄族金属にはNiをはじめF
e、Coがあり、周期律表第6a族元素にはCr、M
o、Wがあり、非金属元素としては炭素(C)や窒素
(N)がある。
【0009】また、銀色焼結合金は、Tiが全量中55
重量%以上、Cr32 が1〜20重量%及びNi1〜
30重量%としてなるものである。
【0010】さらに、これらの焼結合金の焼成は、真空
加熱焼成のほかホットプレス、HIP等により行い、気
孔率0.3〜5%の焼結体を得ることができる。この気
孔率を限定した理由として、気孔率0.3%以下である
と朱肉ののりが著しく低下して印材としての用途価値が
なくなり、一方気孔率5%を超えると本体そのものの強
度が低下し、例えば落下などにより破損の恐れが生じて
くるためである。また平均結晶粒径を3μm以下とする
ことにより、粒子1個当りに作用する応力を小さくし脱
粒の発生を抑えた。
【0011】これらの創意工夫により色調はもとより、
強固でチッピングの発生のない良好な焼結合金を得るこ
とができた。
【0012】また、上記金色焼結合金に対する刻印の方
法は、ブラスト法、ホーニング法、ウォータージェット
法、レーザービーム法等の他、通電性を有するため放電
加工も可能である。
【0013】
【作用】本発明によれば耐摩耗性・耐腐食性が高く、か
つ優れた美観を有する印鑑を得ることができる。また刻
印方法も種々の方法が選択でき、低コストで加工でき
る。さらに、適度な気孔率を有しシャープエッジな加工
性と相まって印字性も向上する。
【0014】
【実施例】実施例1 Tiの窒化物および炭窒化物として粒径0.5〜3.0
μmのTiNおよびTiCNと、鉄族金属として粒径
0.1〜1.0μmのNiやCoと、周期律表第6a族
元素として粒径1.0〜10.0μmのWCやCr3
2 の各粉末を秤量混合し、これをアセトン等の有機溶媒
中で約68時間混合粉砕した後、パラフィンを加え、
1.5ton/cm2 の圧力で、直径1.0〜3.0c
m、長さ約5cmの円柱状に加圧成形した。得られた成
形体を非酸化性雰囲気下において所定温度で脱バインダ
ーした後、真空加熱炉において所定温度で真空焼成を十
数時間行うことにより金色焼結合金を得た。なお、この
ときWやCrは原料粉末として炭化物として添加した
が、焼成する過程において金属Wや金属Crとして結合
金属中に溶融したり、TiNやTiCN中に固溶し、焼
結合金中にWCやCr2 3 の形では存在していない。
またTiNやTiCNは、粒径10μm以下の結晶粒子
として焼結合金中に存在することが望ましい。
【0015】また、焼成条件は、真空度が10-1〜10
-4torrの雰囲気や、非酸化性雰囲気中において減圧
または無加圧にて、温度1300〜1800℃で焼成す
る。焼成時間は製品の大きさにもよるが通常5〜15時
間である。
【0016】この焼結体を外周研削後、バレル研磨仕上
げし、印字面を研削仕上げした後、この面をサンドブラ
スト法により刻印して本発明の印鑑を得た。
【0017】このようにして得られた製品について、色
調・耐腐食性・落下強度を、また試験片を用いて抗折強
度・ビッカース硬度(Hv)・気孔率を測定した。抗折
強度の測定はJISR1601の3点曲げ試験法に従
い、ビッカース硬度の測定はJISZ2244試験法に
従い、気孔率においてはアルキメデス法に従った。そし
て耐腐食性試験については、ISO(国際標準化機構)
規格に則した人工汗(ph4.7)を腐食液として使用
し、温度40℃±2℃に保持した人工汗中に鏡面研磨し
た試料の下半分を24H浸漬し、浸した後の試料研磨面
の状況を観察することによりおこなった。また、各試料
につき、耐チッピング性および印字の際の朱肉付き性を
調べ、非常に良好(○)、良好(△)、不良(×)で評
価した。結果は表1に示す通りである。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示すように、No.1の試料は気孔
率が0.1%と小さいため、印字性が悪かった。一方N
o.4、5の試料は気孔率が5%より大きいため抗折強
度が低く、耐チッピング性がわるかった。これに対し、
No.2、3のものは印字性、抗折強度ともに優れてい
た。したがって、気孔率は0.3〜5%のものが良いこ
とがわかる。
【0020】また、本発明による焼結合金の研磨面の色
調は、優美で鮮明な黄金色を呈し、著しく優れた装飾効
果を持つものであった。さらに、耐腐食性試験の結果は
非常に良好で変色・腐食とも認められなかった。また、
高さ1mからコンクリート・Pタイル上に落としても何
等異常はなかった。さらに、抗折強度は120kg/m
2 以上、ビッカース硬度においては1200kg/m
2 以上で非常に高強度・高硬度を示した。
【0021】
【発明の効果】このように、本発明によれば、印鑑の少
なくとも印字面を含む部分をTiNまたはTiCを主成
分とし、平均結晶粒径が3μm以下、気孔率0.3〜5
%の焼結合金で構成したことによって、鮮明で優美な金
・銀色の鏡面が容易に現出するとともに、優れた強度、
耐チッピング性を有するため、シャープエッジ加工を容
易に行うことができ、さらに朱肉ののりがよく、長期に
わたり腐食やきずが発生しないなどの優れた特長をもっ
た印鑑を提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TiNまたはTiCを主成分とし、平均結
    晶粒径が3μm以下、気孔率0.3〜5%の焼結合金か
    らなることを特徴とする印鑑。
JP3192318A 1991-07-31 1991-07-31 印 鑑 Expired - Fee Related JP3020663B2 (ja)

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JP4596692B2 (ja) * 2001-06-28 2010-12-08 京セラ株式会社 焼結合金及びその製造方法
JP4970992B2 (ja) * 2007-03-14 2012-07-11 株式会社シカタ 印鑑の製造方法

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