JP3481366B2 - 車両用カードシステム - Google Patents

車両用カードシステム

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JP3481366B2
JP3481366B2 JP22943995A JP22943995A JP3481366B2 JP 3481366 B2 JP3481366 B2 JP 3481366B2 JP 22943995 A JP22943995 A JP 22943995A JP 22943995 A JP22943995 A JP 22943995A JP 3481366 B2 JP3481366 B2 JP 3481366B2
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司朗 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キーやキースイッ
チなどを廃止しつつもカード型のトランスポンダ素子を
使って車両に対する高度のセキュリティを構築しうる車
両用カードシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の盗難を防止するためのエン
ジンの不正始動を防止する装置(エンジン不正始動防止
装置またはイモビライザー)として、IDコードの照合
により所定のキーによってのみエンジンの始動を可能と
するようにしたものがある。
【0003】図11は従来のいわゆるトランスポンダ式
イモビライザーの概略構成を示すシステム図である。こ
こでは、IDコードを記憶するIC(トランスポンダ素
子)1をキー2のキーヘッドの中に埋め込んでおき、受
信機3によって、キーシリンダー4に設けたアンテナ5
を介して交信することによりそのIDコードを読み取
り、照合を行って、IDコードが一致すればソフトウェ
アロックを解除してECCS(エンジン集中電子制御シ
ステム)6を動作可能状態とするように構成されてい
る。動作可能状態にあるECCS6へキースイッチ7か
らIG信号(またはSTART信号)が入力されるとE
CCS6はエンジンの始動制御を行い、実際にエンジン
がスタートする。なお、キースイッチ7は、図12に示
すように、キー2を差し込んだだけのオフ(OFF)位
置と、電装品に電力を供給するアクセサリー(ACC)
位置と、エンジンを始動させるイグニッション(IG)
位置と、エンジン始動時にスタータモータを回転させる
スタート(START)位置とを有し、キー2をキーシ
リンダー4に差し込んで各ポジションまで手で回すよう
に構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のトランスポンダ式イモビライザーにあって
は、キー2の鍵山およびキーシリンダー4やキースイッ
チ7のキー溝(以下、それらをまとめてキー溝等とい
う。)が一種の機械的なセキュリティコードになってい
るが、それらはたかだか数十通りにしかすぎないのに対
し、IDコードの場合は、その桁数にもよるが、通常は
キー溝等よりも多くの種類を有する。たとえば、24ビ
ットのIDコードでは約1700万通りにもなる。した
がって、セキュリティの点においてはキー溝等の意味は
あまりない。
【0005】とすれば、トランスポンダ式イモビライザ
ーにおいては、単にIDコードだけでも高度のセキュリ
ティが確保されうる以上、キー溝等(つまりは、キー
2、キーシリンダー4、キースイッチ7)を廃止するこ
とがコスト的に有利となる。ただ、キー2はドアのロッ
ク/アンロックの際にも使用されることが多いため、キ
ー2を廃止する場合には、キーを使用しなくともイモビ
ライザー機能と同時にドアのロック/アンロックを自動
的に行いうる機能をも併せ持ったシステムを構築するこ
とが望まれる。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、キーやキースイッチなどを廃止しつつも
車両に対する高度のセキュリティ性を有する車両用カー
ドシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ドアをロック/アンロック
するドアロック手段と、エンジンの始動制御をロック/
アンロックするエンジンロック手段と、使用者を識別す
るためのIDコードを記憶する非接触で読出し/書込み
自在のカード型記憶手段と、前記記憶手段とアクセスし
データのやり取りを行うアクセス手段と、前記アクセス
手段を介して前記記憶手段に記憶されているIDコード
を読み取り、読み取ったIDコードを照合用のIDコー
ドと照合し、それらが一致するときにドアアンロック信
号およびエンジンアンロック信号を前記ドアロック手段
および前記エンジンロック手段にそれぞれ出力する制御
手段と、を有し、前記制御手段は、照合の結果としてI
Dコードが一致したときに、前記記憶手段に記憶されて
いるIDコードおよび前記照合用のIDコードを現在の
ものとは別のものに書き替えるためのIDコードを作成
し、作成した書替用IDコードにより前記各IDコード
の書替えが正常に行われたときにドアアンロック信号お
よびエンジンアンロック信号を前記ドアロック手段およ
び前記エンジンロック手段にそれぞれ出力することを特
徴とする。この構成にあっては、カード型記憶手段を持
ったユーザー(使用者)が車両に接近すると、制御手段
は、アクセス手段を介して非接触で記憶手段に記憶され
ているIDコードを読み取り、読み取ったIDコードを
照合用のIDコードと照合し、それらが一致すればドア
アンロック信号およびエンジンアンロック信号をドアロ
ック手段およびエンジンロック手段にそれぞれ出力す
る。ドアアンロック信号を入力したドアロック手段はド
アをアンロックし、これによりユーザーはドアを開けて
車両に乗り込むことができる。また、エンジンアンロッ
ク信号を入力したエンジンロック手段はエンジン始動制
御のロック状態を解除し、これによりエンジンはスター
ト可能状態となる。さらに、この構成では、この構成で
は、IDコードが一致するたびにそれを自動的に別のI
Dコードに書き替えるので、セキュリティ性のさらなる
向上が図られる。
【0008】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の車両用カードシステムにおいて、前記制御手段は、前
記記憶手段を作動させるためのエネルギーを前記アクセ
ス手段を介して間欠的に発生させることを特徴とする。
この構成では、記憶手段を作動させるためのエネルギー
を間欠的に発生させるので、トリガースイッチを別途設
けることなく車載バッテリーの消耗が抑えられる。
【0009】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の車両用カードシステムにおいて、トリガー用のスイッ
チを有し、前記制御手段は、前記スイッチがONされた
ときに、前記記憶手段を作動させるためのエネルギーを
前記アクセス手段を介して発生させることを特徴とす
る。この構成では、記憶手段を作動させるためのエネル
ギーをトリガー用スイッチがONされたときにのみ発生
させるので、車載バッテリーの消耗がより一層抑えられ
る。
【0010】
【0011】 請求項4に記載の発明は、上記請求項1
記載の車両用カードシステムにおいて、前記制御手段
は、エンジンが停止しかつドアが開いたときに前記アク
セス手段を介して前記記憶手段と交信し、ドアが閉じか
つ交信不能となったときにドアロック信号およびエンジ
ンロック信号を前記ドアロック手段および前記エンジン
ロック手段にそれぞれ出力することを特徴とする。この
構成にあっては、ユーザーがエンジンを停止しカード型
記憶手段を持って車両から離れると、自動的に、IDコ
ードの一致の有無を問わず、閉じたドアはロックされ、
エンジンの始動制御にもロックがかかる。
【0012】 請求項5に記載の発明は、上記請求項1
記載の車両用カードシステムにおいて、前記アクセス手
段はドアに設置されていることを特徴とする。
【0013】 請求項6に記載の発明は、上記請求項1
記載の車両用カードシステムにおいて、前記アクセス手
段はドアミラーに設置されていることを特徴とする。
【0014】 請求項7に記載の発明は、上記請求項1
記載の車両用カードシステムにおいて、エンジンを始動
させるためのロータリー式またはプッシュ式のスイッチ
を有することを特徴とする。この構成では、従来のキー
およびキースイッチなどは廃止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係るト
ランスポンダカードシステムの概略図である。なお、図
11と共通する部分には同一の符号を付してある。この
システムは、使用者を識別するためのIDコードを記憶
するカード型のトランスポンダ素子10(以下、トラン
スポンダカードという。)と、トランスポンダカード1
0と交信するためのアンテナ11と、アンテナ11を介
してトランスポンダカード10との間でデータの送受信
などを行う受信機12と、ドアのロック/アンロックを
行うドアロック機構13と、エンジンの始動等を総合的
に制御するECCS6とから構成されている。このシス
テムでは、従来のキー2、キーシリンダー4、およびキ
ースイッチ7(図11参照)は廃止されている。
【0016】トランスポンダカード10は記憶手段とし
て機能するものであって、ユーザーは従来のキー2の代
わりにこのトランスポンダカード10を持つことにな
る。トランスポンダ素子は、周知のように、自ら電源を
持たずに(バッテリーレス)外部磁界からのエネルギー
を受けて非接触でデータの送受信を行うことができるも
のである。このようなトランスポンダ素子からなるトラ
ンスポンダカード10は、たとえば、概略図2のように
構成されている。すなわち、トランスポンダカード10
は、アンテナ14、コンタクトレスインターフェース1
5、アクセスコントロール(制御部)16、EEPRO
M(メモリ)17などからなっている。EEPROM1
7は記憶内容を電気的に書替え可能な不揮発性メモリで
あって、IDコードとして後述するローリングIDコー
ド(たとえば、24ビット)を記憶している。このよう
に構成されたトランスポンダカード10は、内蔵アンテ
ナ14を介して外部から磁界エネルギー(たとえば、1
25kHz)を受けると起動し、同じく内蔵アンテナ1
4を介してEEPROM17に記憶されているIDコー
ドを送信しまた外部から受信した新しいIDコードをE
EPROM17に更新登録する機能を有している。
【0017】受信機12に接続されているアンテナ11
はアクセス手段として機能するものであって、たとえ
ば、図3に示すように、ドア18(たとえば、運転席側
のフロントドア)の内部に設置されている。トランスポ
ンダカード10の交信可能距離はアンテナの大きさによ
るが、ここでは、たとえば、トランスポンダカード10
の交信可能距離が最大で約1〜2mとなるようにアンテ
ナの大きさを決める。なお、トランスポンダカード10
の交信範囲を拡大するため、アンテナ11を設けるドア
18は運転席側のドアに限らず、これ以外の1以上の適
当な数のドアにもそれぞれアンテナ11を設置するよう
にしてもよい。
【0018】なお、アンテナ11の設置場所は上記のよ
うにドア18に限定されるわけではなく、たとえば、ド
アミラー19に設置することも可能である。この場合に
は、ドア18に設置する場合に比べてアンテナ11の大
きさが小さくなる(さらには設置場所の数も最大で2箇
所と少なくなる)ので、コスト的に有利な反面、トラン
スポンダカード10の交信範囲は狭くなる。
【0019】受信機12は制御手段として機能するもの
であって、アンテナ11を介してトランスポンダカード
10起動用の磁界エネルギー(125kHz)を発生さ
せる機能、トランスポンダカード10から送信されたI
Dコードのデータを受信する機能、システム全体を制御
する機能、書替用のローリングIDコードを作成する機
能などを有し、そのための回路構成を有している。
【0020】図4は受信機12を中心としたシステム構
成の一例を示すブロック図である。受信機12は、ID
コードを照合し各部を制御するなど各種の制御演算処理
を実行するCPU20、照合用のIDコード(24ビッ
ト)を記憶するEEPROM21、アンテナ11を駆動
して磁界を発生させたりIDコードのデータを送信させ
るための信号処理を行う送信回路22、アンテナ11で
受信した信号を処理(増幅、整形など)する受信回路2
3などから構成されている。CPU20にはドア18の
開閉状態を検出するドアセンサ24が接続されている。
さらに、CPU20にはドアロック機構13とECCS
6も接続されている。
【0021】ドアロック機構13はドアロック手段とし
て機能するものであって、従来キー2によってドア18
のロック/アンロックを機械的に行っていたものを、受
信機12(具体的にはCPU20)からの電気的信号
(ドアロック信号/ドアアンロック信号)によって電気
的にドア18のロック/アンロックを行う機能を有する
ものである。
【0022】また、ECCS6は従来のそれと同じであ
りエンジンロック手段として機能するものであって、従
来のトランスポンダ式イモビライザーにおける場合と同
様、受信機12(具体的にはCPU20)からの信号
(エンジンロック信号/エンジンアンロック信号)によ
ってソフトウェア上でエンジン始動制御をロック/アン
ロックする機能(ソフトウェアロック機能)を有してい
る。ECCS6がソフトウェアロック状態にあれば、後
述するスタータボタン25からIG信号(またはSTA
RT信号)を入力してもECCS6はエンジンの始動制
御を行わず、エンジンは始動しない(イモビライザー機
能)。
【0023】本発明では、トランスポンダカード10を
使ってのIDコードの照合によってECCS6のソフト
ウェアロックのON/OFFを行うほか、キー2の廃止
に伴い、車両へのエントリーについてもトランスポンダ
カード10を使ってドア18のロック/アンロックを行
うが、これらの動作はトランスポンダカード10を持っ
たユーザーが車両に接近しまたは車両から離れると自動
的に行われるようになっている。そのため、図4の構成
では、停車中は、アンテナ11を介してトランスポンダ
カード10起動用の磁界を間欠的に発生させ、車載バッ
テリーの消耗を抑えるようにしている。より具体的に
は、所定時間(たとえば、10秒)置きに所定の短時間
(たとえば、0.4秒)だけ磁界を発生させる。この磁
界発生はCPU20によって制御される。
【0024】このシステムの動作については後で詳細に
説明するが、上記のように本発明ではキー2を廃止して
トランスポンダカード10によりECCS6のソフトウ
ェアロックのON/OFFおよびドア18のロック/ア
ンロックを行うため、従来のキースイッチ7(図12参
照)はなく、その代わりにスタータボタン25によって
ユーザーはエンジンを始動させるようにしている。スタ
ータボタン25はロータリースイッチ(図5参照)でも
プッシュボタン(図6参照)でもよく、それぞれ従来と
同様4つのポジション(OFF位置、ACC位置、IG
位置、START位置)を有している。スタータボタン
25はECCS6に接続されている。
【0025】次に、図4のシステムの動作を図7および
図8のフローチャートを用いて説明する。なお、図7は
乗車時のシステムの動作を示すフローチャートであり、
図8は降車時のシステムの動作を示すフローチャートで
ある。
【0026】まず、図7のフローチャートを用いて乗車
時の動作を説明する。まず動作の概略を説明すると、ト
ランスポンダカード10を持ったユーザーが車両のドア
18に近づくと自動的にトランスポンダカード10と受
信機12との間でIDコードの送受信を行う。その際、
1回の交信ごとにIDコードを変更する(ローリングI
Dコード)。IDコードが一致しかつ正常に書き替えら
れるとドア18をアンロックし、それと同時にECCS
6のソフトウェアロックを解除する。
【0027】すなわち、より詳細には、停車中、受信機
12はアンテナ11を介してトランスポンダカード10
起動用の125kHzの磁界を間欠的に(10秒置きに
0.4秒)発生させており(ステップS1)、CPU2
0は、トランスポンダカード10との交信開始によりト
ランスポンダカード10が車両に接近しているものと判
断すると(ステップS2)、そのトランスポンダカード
10の24ビットのIDコードをアンテナ11を介して
読み取る(ステップS3)。ステップS3で読み取られ
たIDコードはEEPROM21に記憶されている照合
用のIDコードと照合され、それらが一致するかどうか
が判断される(ステップS4)。
【0028】この判断の結果としてOKの場合、つまり
IDコードが一致する場合は、現在のIDコードを新し
いIDコードに書き替えるべく、乱数を発生させて新し
い24ビットのIDコードを作成し(ステップS5)、
この作成した新しいIDコードをトランスポンダカード
10およびEEPROM21に書き込んで現在のIDコ
ードを新しいIDコードに更新登録する(ステップS
6)。その際、トランスポンダカード10に登録された
新IDコードは確認のためトランスポンダカード10か
ら送信され、CPU20は、その受信結果をみて、トラ
ンスポンダカード10のIDコードが正常に書き替えら
れたことを確認する。IDコードが正常に書き替えられ
たことを確認した後、CPU20は、ドア18をアンロ
ックする信号をドアロック機構13に出力するととも
に、ECCS6のソフトウェアロックを解除する信号を
エンジンアンロック信号としてECCS6に出力する
(ステップS7、ステップS8)。これにより、ドアア
ンロック信号を入力したドアロック機構13はドア18
をアンロックするので、ユーザーはドアノブを引くなど
してドア18を開けて車両に乗り込むことができ、さら
に、ソフトウェアロック解除信号を入力したECCS6
はエンジン始動制御を禁止するソフトウェアロックを解
除するので、ユーザーはスタータボタン25を操作する
ことにより、より具体的にはロータリースイッチをIG
位置またはSTART位置に回し(図5参照)、または
プッシュボタンのIG位置またはSTART位置を押す
ことによって(図6参照)実際にエンジンを始動させる
ことができる。
【0029】これに対し、ステップS4の判断の結果と
してNGの場合、つまりIDコードが一致しない場合
は、ステップS1に戻って、停車状態を継続する。すな
わち、ドア18はロック状態にあり、かつ、ECCS6
はソフトウェアロックがかかった状態にある。
【0030】次に、図8のフローチャートを用いて降車
時の動作を説明する。まず動作の概略を説明すると、エ
ンジンを停止しドア18を開けることによって再度トラ
ンスポンダカード10と受信機12との間で交信を開始
し、ユーザーがドア18を閉めて車両から遠ざかりトラ
ンスポンダカード10と受信機12とが交信不能となっ
た時点でドア18をロックし、かつ、ECCS6にソフ
トウェアロックをかける。
【0031】すなわち、より詳細には、降車時、CPU
20は、ECCS6からの信号によりエンジンが停止し
たかどうか、ならびにドアセンサ24からの信号により
ドア18が開いたかどうかをそれぞれ判断し(ステップ
S10、ステップS11)、これらの判断の結果として
エンジンが停止しかつドア18が開いた場合は、アンテ
ナ11を介して125kHzの磁界を発生させ、もって
トランスポンダカード10との間で交信を開始する(ス
テップS12)。それから、トランスポンダカード10
からの送信信号の受信の有無によりトランスポンダカー
ド10との交信が不能になったかどうか、ならびにドア
センサ24からの信号によりドア18が閉じているかど
うかをそれぞれ判断し(ステップS13、ステップS1
4)、これらの判断の結果としてトランスポンダカード
10との交信が不能となり(つまり、トランスポンダカ
ード10を持ったユーザーが車両から離れてトランスポ
ンダカード10が交信範囲の外に遠ざかったとき)かつ
ドア18が閉まっている場合は、ドア18をロックする
信号をドアロック機構13に出力するとともに、ECC
S6のソフトウェアロックをONする信号をエンジンロ
ック信号としてECCS6に出力する(ステップS1
5、ステップS16)。これにより、ドアロック信号を
入力したドアロック機構13はドア18をロックし、ま
た、ソフトウェアロックON信号を入力したECCS6
はエンジン始動制御を禁止するソフトウェアロックをか
ける。こうした処理は、IDコードの一致の有無を問わ
ず、トランスポンダカード10を持った者が車両のドア
18を閉めて車両から離れることによって無条件で自動
的に行われる。
【0032】図9は受信機12を中心としたシステム構
成の他の一例を示すブロック図である。なお、図4と共
通する部分には同一の符号を付している。この例では、
上記した図4の構成と異なって、CPU20aにトリガ
ースイッチ26が接続されている。このトリガースイッ
チ26はトランスポンダカード10起動用の磁界を発生
させるトリガー信号を発生するものであって、たとえ
ば、ドアノブを引くとONするように構成されている。
また、トリガースイッチ26を車両の適当な場所に設置
した隠しスイッチで構成し、ドアノブを引く動作に先立
ってその隠しスイッチをONするようにしてもよい。こ
のようなトリガースイッチ26を設けることにより、ト
リガースイッチ26をONしたときのみ磁界を発生させ
ることが可能となり、部品点数は若干増加するものの、
上記したように間欠的に磁界を発生させる場合よりも、
車載バッテリーの消耗を抑えることができる。なお、ト
リガースイッチ26以外の構成については図4の場合と
同じであるから、その説明は省略する。
【0033】図10は図9のシステムの乗車時の動作を
示すフローチャートである。このシステムでは、CPU
20aは、トリガースイッチ26がONされたかどうか
を判断し(ステップS20)、この判断の結果としてY
ESの場合、つまりトリガースイッチ26がONされた
場合に、アンテナ11を介してトランスポンダカード1
0起動用の125kHzの磁界を発生させる(ステップ
S21)。その後のステップS22以降の処理は、上記
した図7のステップS2以降の処理と同じであるから、
その説明は省略する。また、このシステムの降車時の動
作は、上記した図8のフローチャートと同様であるか
ら、その説明も省略する。
【0034】したがって、上記した実施形態によれば、
トランスポンダカード10を使ってドア18のロック/
アンロックおよびECCS6のソフトウェアロックのO
N/OFFを行うようにしたので、キー2、キーシリン
ダー4、キースイッチ7を廃止することができ、しかも
それらの廃止にもかかわらず車両に対する高度のセキュ
リティを確保することができる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1および
載の各発明によれば、IDコードを記憶するカード型記
憶手段を使ってドアのロック/アンロックおよびエンジ
ン始動制御のロック/アンロックを行うので、従来使用
していたキー、キーシリンダー、キースイッチを廃止す
ることができ、しかもそれらの廃止にもかかわらず車両
に対する高度のセキュリティを構築することができる。
また、IDコードが一致するたびにそれを自動的に別の
IDコードに書き替えるので、セキュリティ性のさらな
る向上が図られる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加え、記憶手段作動用のエネルギ
ーを間欠的に発生させるので、トリガースイッチなどの
部品を別途設けることなく車載バッテリーの消耗を抑え
ることができる。
【0037】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の効果に加え、トリガー用スイッチがON
されたときにのみ記憶手段作動用のエネルギーを発生さ
せるので、車載バッテリーの消耗をより一層抑えること
ができる。
【0038】
【0039】 請求項記載の発明によれば、上記請求
項1記載の発明の効果に加え、アクセス手段をドアに設
置したので、アクセス手段を大きくすることができ、記
憶手段との交信範囲を拡大することができる。
【0040】 請求項記載の発明によれば、上記請求
項1記載の発明と相俟って、エンジンを始動させるため
のロータリー式またはプッシュ式のスイッチを設けたの
で、従来のキー、キーシリンダー、キースイッチを廃止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るトランスポンダカ
ードシステムの概略図
【図2】 トランスポンダカードの概略構成図
【図3】 アンテナと受信機の設置場所を示す図
【図4】 受信機を中心としたシステム構成の一例を示
すブロック図
【図5】 ロータリー式のスタータボタンを示す図
【図6】 プッシュ式のスタータボタンを示す図
【図7】 図4のシステムの乗車時の動作を示すフロー
チャート
【図8】 図4のシステムの降車時の動作を示すフロー
チャート
【図9】 受信機を中心としたシステム構成の他の一例
を示すブロック図
【図10】 図9のシステムの乗車時の動作を示すフロ
ーチャート
【図11】 従来のトランスポンダ式イモビライザーの
概略構成を示すシステム図
【図12】 従来のキースイッチを示す図
【符号の説明】
6…ECCS(エンジンロック手段) 10…トランスポンダカード(記憶手段) 11…アンテナ(アクセス手段) 12…受信機(制御手段) 13…ドアロック機構(ドアロック手段) 18…ドア 19…ドアミラー 25…スタータボタン 26…トリガースイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 25/00 - 25/10 E05B 65/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドア(18)をロック/アンロックする
    ドアロック手段(13)と、 エンジンの始動制御をロック/アンロックするエンジン
    ロック手段(6)と、 使用者を識別するためのIDコードを記憶する非接触で
    読出し/書込み自在のカード型記憶手段(10)と、 前記記憶手段(10)とアクセスしデータのやり取りを
    行うアクセス手段(11)と、 前記アクセス手段(11)を介して前記記憶手段(1
    0)に記憶されているIDコードを読み取り、読み取っ
    たIDコードを照合用のIDコードと照合し、それらが
    一致するときにドアアンロック信号およびエンジンアン
    ロック信号を前記ドアロック手段(13)および前記エ
    ンジンロック手段(6)にそれぞれ出力する制御手段
    (12)と、 を有し、 前記制御手段(12)は、照合の結果としてIDコード
    が一致したときに、前記記憶手段(10)に記憶されて
    いるIDコードおよび前記照合用のIDコードを現在の
    ものとは別のものに書き替えるためのIDコードを作成
    し、作成した書替用IDコードにより前記各IDコード
    の書替えが正常に行われたときにドアアンロック信号お
    よびエンジンアンロック信号を前記ドアロック手段(1
    3)および前記エンジンロック手段(6)にそれぞれ出
    力する ことを特徴とする車両用カードシステム。
  2. 【請求項2】 前記制御手段(12)は、前記記憶手段
    (10)を作動させるためのエネルギーを前記アクセス
    手段(11)を介して間欠的に発生させることを特徴と
    する請求項1記載の車両用カードシステム。
  3. 【請求項3】 トリガー用のスイッチ(26)を有し、
    前記制御手段(12)は、前記スイッチ(26)がON
    されたときに、前記記憶手段(10)を作動させるため
    のエネルギーを前記アクセス手段(11)を介して発生
    させることを特徴とする請求項1記載の車両用カードシ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記制御手段(12)は、エンジンが停
    止しかつドア(18)が開いたときに前記アクセス手段
    (11)を介して前記記憶手段(10)と交信し、ドア
    (18)が閉じかつ交信不能となったときにドアロック
    信号およびエンジンロック信号を前記ドアロック手段
    (13)および前記エンジンロック手段(6)にそれぞ
    れ出力することを特徴とする請求項1記載の車両用カー
    ドシステム。
  5. 【請求項5】 前記アクセス手段(11)はドア(1
    8)に設置されていることを特徴とする請求項1記載の
    車両用カードシステム。
  6. 【請求項6】 前記アクセス手段(11)はドアミラー
    (19)に設置されていることを特徴とする請求項1記
    載の車両用カードシステム。
  7. 【請求項7】 エンジンを始動させるためのロータリー
    式またはプッシュ式のスイッチ(25)を有することを
    特徴とする請求項1記載の車両用カードシステム。
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