JP3480613B2 - かけまわし漁法用船 - Google Patents

かけまわし漁法用船

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JP3480613B2
JP3480613B2 JP32902794A JP32902794A JP3480613B2 JP 3480613 B2 JP3480613 B2 JP 3480613B2 JP 32902794 A JP32902794 A JP 32902794A JP 32902794 A JP32902794 A JP 32902794A JP 3480613 B2 JP3480613 B2 JP 3480613B2
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fishing
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弘実 木下
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Nichimo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はかけまわし漁法用船に係
り、特に、かけまわし漁具を用いて漁獲操業を行なうか
けまわし漁法に用いられるかけまわし漁法用船に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、かけまわし漁業は、前方から後
方に向かって袖網、身網およびコッド網を有するかけま
わし網を、これとほぼ同一構成のトロール網と異なり、
オッターボード等の強制拡網装置を一切用いないで拡網
状態とさせて水中に投網して、漁獲操業するものであ
る。
【0003】図7は従来の一般的なかけまわし漁業の概
略を示したもので、まず、船1が投網水域において、
A、B、C、D、Aの各ポイントを通るようにほぼ矩形
に航行する間に、最初にポイントAにおいて樽2を投下
し、続いて、ポイントBにおいて90度転舵してポイン
トCに達するまで引き綱3Rを繰出し、ポイントCにお
いて転舵する間にかけまわし網4を一方の袖網4a、身
網4c、コッド網4dおよび他方の袖網4bの順に水中
に投網し、続いて、ポイントDにおいて90度転舵して
最初のポイントAに戻るまでに他方の引き綱3Lを繰出
し、ポイントAにおいて樽2を船上に揚げる。続いて、
ポイントEまでかけまわし網2を曳網する流し行程にお
いて魚類を漁獲し、続いて、ポイントFまでの寄せこぎ
行程の間に船1から引出された引き綱3R,3Lを船上
に巻上げ、その後、かけまわし網2を船上に揚網し、コ
ッド網2bから魚類を魚槽内に収容する。
【0004】さらに、図8乃至図12に示す行程図を参
照して、具体的な作業とそれに要する人員数を説明す
る。
【0005】行程1:投網前 右船尾の樽台5に樽2を載せておき、投樽の準備を行な
う。左袖手木ロープ6Lはコイルされている。 操業人数:0人。
【0006】行程2:投樽 樽台5から樽2を落とす(油圧でブリッジから操作)。
右舷リール7Rは、フリーの状態で、右舷スナッチ式ト
ップローラ8Rを通って引き綱3Rが繰出されて行く。 操業人数:0人。
【0007】行程3:転舵 右舷の引き綱3Rが半分出たところで(600m)左へ
90°転舵する。引き綱3Rのつなぎ目のスイベル9が
出る時に、リール7Rにブレーキをかける。 操業人数:1人。
【0008】行程4:左手木ロープをスナッチ式トップ
ローラへ入れる 転舵後、船尾にコイルされていた左袖手木ロープ6Lを
右舷の引き綱3Rが走っている右舷スナッチ式トップロ
ーラ8Rへ入れる。 操業人数:2人。
【0009】行程5:リールストップ、右のワイヤと左
袖手木ロープの連結 右の引き綱3Rが出終わると、リール7Rをストップし
て、ストッパワイヤ10Raをきかせた後、リール7R
を少し繰り出して張力をストッパ側にかける。フリーに
なった右の引き綱3Rをリール7Rに残っているワイヤ
から外して、左袖手木ロープ6Lと知恵の輪フック11
で連結する。 操業人数:5人。
【0010】行程6:ストッパ切断 ストッパ10Rを切断すると、再び張力が引き綱3Rに
かかり、左袖手木ロープ6Lと連結された右の引き綱3
Rはスナッチ式トップローラ8Rから外れる。右のリー
ル7Rに残っているワイヤの端部は、その場でコイルさ
れる。 操業人数:5人。
【0011】行程7:投網 右の引き綱3Rに続いてかけまわし網4がスリップウェ
イ13から繰り出される。網4の右袖手木ロープ6Rは
左の引き綱3Lに知恵の輪フック11で連結されてお
り、スナッチ式トップローラ8Lを通ってリール7Lに
巻かれている。 操業人数:0人。
【0012】行程8:左の引き綱繰り出し 網4に続いて左の引き綱3Lが繰出されて行く(リール
7Lはフリー)。この時、揚網時に使う両手木引寄せワ
イヤ14R,14Lを用意しておく(両舷のワーピング
ドラム15R,15Lに巻かれたワイヤ14R,14L
を中央の滑車16を通して船尾まで持ってくる)。 操業人数:4人。
【0013】行程9:転舵 左舷の引き綱3Lが半分出たところで(600m)左へ
90°転舵する。前回と同様にスイベル9が出る時に、
リール7Lにブレーキをかける。 操業人数:1人。
【0014】行程10:右リール残りワイヤを左スナッ
チ式トップローラへ入れる。 コイルされていた右舷のリール7Rの残りワイヤを左の
引き綱3Lが走っている左舷スナッチ式トップローラ8
Lへ大まわしで入れる。 操業人数:4人。
【0015】行程11:左舷リールストップ 左の引き綱3Lが出終わると、リール7Lをストップし
てストッパワイヤ10Laを取付け、ストッパをきかせ
た後、リール7Lを少し繰り出して張力ストッパ側にか
ける。フリーになった引き綱3Lを左リールの残りワイ
ヤから外し、行程10において大まわしで持ってきた右
リールの残りワイヤと連結する。 操業人数:5人。
【0016】行程12:ストッパ切断、引き綱の移動 ストッパ10Lを切断すると、再び張力が引き綱3Lに
かかり、左スナッチ式トップローラ8Lから外れて右ス
ナッチ式トップローラ8Rへと移動する。この時、行程
11で外された左リール残り引き綱はコイルされてい
る。左の引き綱3Lの繰出しが終了するころ、船1は投
樽位置近くにすでに到着している。 操業人数:5人。
【0017】行程13:樽とり準備 ストッパ切断と同時に右船首では樽とりの準備のため、
カギ17を持った甲板員が1人待機している。 操業人数:1人。
【0018】行程14:揚樽 右船首からカギ17を樽2にひっかけて引き綱3Rを取
り、船尾まで持って行き、デリック18にて樽2を引き
上げて樽台5に載せる。この時、左リールの残り引き綱
は左スナッチ式トップローラ8Lを通して、大まわしで
右船尾の樽台5のところまで持ってくる。 操業人数:4人。
【0019】行程15:樽の引き綱と左リールの残り引
き綱を連結 ストッパワイヤ10Raを樽2についている引き綱3R
にかけて張力をストッパにかけ、フリーになった引き綱
3Rを樽2から外し、行程14で用意した左リールの残
り引き綱に知恵の輪フック11で連結する。 操業人数:4人。
【0020】行程16:ストッパ切断、引き綱の移動 ストッパ10Rを切断すると、再び張力が引き綱3Rに
かかり、樽2についていた引き綱3Rは左スナッチ式ト
ップローラ8Lへと移動する。 操業人数:2人。
【0021】行程17:流し開始 両舷リール7R,7Lを若干巻いて曳網状態に入る。船
速は3〜5ノット(kt)程度で30分間流す。この間
に揚網用デリック付ヤイヤを用意し、第2甲板では前操
業の漁獲物の仕分けが行われる。 操業人数:2人。
【0022】行程18:寄せこぎ開始 流し開始30分後、次に寄せこぎ(45分)が開始され
る。この間に揚網された両袖網4a、4bをひっくり返
すためのモッコ網(図示せず)が用意される。 操業人数:2人。
【0023】行程19:リールストップと手木引寄せワ
イヤ連結 寄せこぎ(巻揚げ)後、両手木19R,19Lが上がる
と、ウインチによりリール7R,7Lをストップさせ
て、行程8で用意しておいた両手木引寄せワイヤ14
R,14Lを両手木19R,19Lにフックで連結させ
る。 操業人数:4人。
【0024】行程20:強制曳網(魚の追込み) 両舷のリール7R,7Lを繰り出して張力を中央の手木
引寄せワイヤ14R,14Lにかける。右の引き綱3R
は樽2を連結するために、左の引き綱3Lより多く出し
ておく。この時、両舷の引き綱3R,3Lはフリーの状
態になっている。その後、海面に網4が上がってくるま
で強制曳網を行う。 操業人数:8人。
【0025】行程21:両手木引き上げ 手木引寄せワイヤ14R,14Lで両手木19R,19
Lを甲板まで上げた後、両引き綱3R,3Lを手木19
R,19Lから外して船尾にコイルする。デリック付ウ
インチ(図示せず)にてストロップがけをして両手木1
9R,19Lをつり上げ、ペンネントは手ぐりでコイル
される。 操業人数:13人。
【0026】行程22:揚網 ストロップがけで左右のデリック付ワイヤ18を交互に
使いながら揚網していく。ストロップ回数は左右各7〜
8回で合計15回程度。両袖網4a、4bはデリック付
ワイヤ18から降ろされる時に、それぞれ人力で捌か
れ、用意されたモッコの上に置かれていく。 操業人数:13人。
【0027】行程23:コッド網揚げ ストロップがけでコッド網4dが上がると船尾のハッチ
21を開けて、漁獲物を第2甲板に落としてハッチ21
を閉じる。 操業人数:13人。
【0028】行程24:網整反後各引き綱連結 漁獲物収納後、デリック付ワイヤ18を用いて網4を整
反する。左袖網4bはモッコに乗せて船尾に移動してひ
っくり返す。ペンネントはコイルされる。右手木19R
および右袖網4Aは甲板前方の位置において、大まわし
で左スナッチ式トップローラ8Lを通った左の引き綱3
Lと連結される。右に引き綱3Rは右スナッチ式トップ
ローラ8Rを通って樽2と連結される。投網準備に入
る。
【0029】操業人数:13人。
【0030】このようにして、従来のかけまわし漁業が
行なわれている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日の
漁業をとりまく環境は年々厳しくなるのが実情であり、
特に漁業に従事する人の人員不足、高齢化等が深刻な問
題を提起している。
【0032】このような状況において、前記した従来の
かけまわし漁法においては、作業に要する人員数が非常
に多く、しかもその作業は重労働なものであった。特
に、船上において、かけまわし網4を次の投網のために
所定位置に再配置するように捌く作業の大部分が、人手
により行わなければならず、非常に大変なものであっ
た。また、人手による作業が多いために作業効率が悪
く、かけまわし網の投揚網に長時間を要し、漁獲効率も
悪いという問題を有している。
【0033】さらに、前記船の甲板の面積が極めて狭
く、しかも、ワープウインチのリールが船の船首寄りに
配置されているため、引き綱等の引き出しあるいは巻き
上げ時に、引き綱が長い距離にわたって甲板上を移動す
ることになり、この引き綱が作業者に絡まったりするお
それがあり、極めて危険であるという問題をも有してい
る。
【0034】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、少ない人手により迅速にかつ確実にかけまわし
網を投揚網することができ、安全で作業効率および漁獲
効率を向上させることのできるかけまわし漁法用船を提
供することを目的とするものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係るかけまわし漁法用船は、甲板上の左右舷に
引き綱を巻き上げるワープウインチを配設するととも
に、甲板上に左右の袖網、身網およびコッド網とを有す
るかけまわし網を投揚網するネットウインチを配設し、
このネットウインチを、必要な時にのみ上昇するように
昇降自在としたことを特徴とするものである。
【0036】また、好ましくは、前記甲板上の船首寄り
に前記ネットウインチを配設し、前記甲板上の船尾寄り
左右舷に前記ワープウインチを配設したことを特徴とす
るものであり、さらに、前記ネットウインチを、少なく
とも2個のリールを有するとともに、少なくとも一方の
リールが別駆動されるように形成したことを特徴とする
ものである。
【0037】
【作用】本発明に係るかけまわし漁法用船によれば、ネ
ットウインチを用いてかけまわし網の揚網を行なうこと
ができ、前記ネットウインチのリールを回転させること
により先に投網される側の袖網を甲板上に引出し、他方
の袖網を他方のリールに巻回させたままにしてかけまわ
し網を次の投網のために用意させることができ、これに
より、少ない人手により迅速にかつ確実にかけまわし網
を投揚網することができ、作業効率および漁獲効率を向
上させることができるものである。
【0038】そして、本発明によれば、ネットウインチ
を昇降自在に支持するようにしているので、ネットウイ
ンチを使用しない場合に、ネットウインチを下降させて
おくことにより、作業時にネットウインチが邪魔になら
ず、甲板上の作業面積を大きく確保することができるも
のである。また、ワープウインチを船の船尾寄りに配設
することにより、引き綱等の引き出しあるいは巻き上げ
時における前記引き綱の甲板上の移動距離を短くするこ
とができ、この引き綱が作業者に絡まったりすることを
防止することができるものである。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図6を参照
して説明する。
【0040】図1は本発明に係るかけまわし漁法用船の
一実施例を示したもので、この船1の甲板上の船尾寄り
左右舷には、ワープウインチ7のリール7R,7Lがそ
れぞれ回転駆動自在に配置されており、このリール7
R,7Lを回転駆動させることにより、右舷および左舷
の引き綱3R,3Lをそれぞれ巻き上げるようになされ
ている。また、本実施例においては、前記船1の船首寄
り中央には、かけまわし網4の投揚網に使用されるネッ
トウインチ22が配置されており、このネットウインチ
22は、必要な時にのみ上昇するように支持板23によ
り昇降自在に支持されている。このネットウインチ22
は、2個のリール22R,22Lを同軸状にして配設
し、いずれか一方のリール(本実施例においては左方の
リール22L)にクラッチ(図示せず)を設けて自由回
転可能に形成している。
【0041】また、前記船1の船尾中央部には、船1か
らのかけまわし網4の投揚網を行なうためのスリップウ
ェイ13が形成されており、このスリップウェイ13の
船首側には、スリップウェイローラ24が配設されてい
る。さらに、前記スリップウェイ13の上方には、ギャ
ロス25が配設されており、このギャロス25の上面に
は、電動ホイスト26が配設されている。また、前記ギ
ャロス25の下方の甲板上には、前記各ワープウインチ
7のリール7R,7Lに巻上げられる左右舷の引き綱3
R,3Lを案内する右舷スナッチ式トップローラ8Rと
左舷スナッチ式トップローラ8Lが配設されている。
【0042】さらに、前記ワープウインチ7とネットウ
インチ22との間の左右舷には、デリックポスト27が
立設されており、このデリックポスト27には、それぞ
れデリック28が取付けられている。また、前記ワープ
ウインチ7のリール7R,7Lの船尾側には、コッド網
吊上げ用ポスト29が立設されており、このコッド網吊
上げ用ポスト29の左舷側には、通常は樽台5に載置さ
れかけまわし漁の際に海上に放出される樽2を吊上げる
ための樽吊上げ用ポスト30が取付けられている。
【0043】また、前記ネットウインチ22の船首側に
は、コッド網4dを引揚げるためのセンターウインチ3
1が配設されており、前記各デリックポスト27の基部
近傍には、カーゴウインチ32がそれぞれ配設されてい
る。さらに、前記甲板のスリップウェイ13の近傍に
は、船尾ハッチ21が配設されている。
【0044】次に、前記実施例の船1を用いたかけまわ
し漁法について、図2から図6に示す行程図により、具
体的な作業をそれに要する人員数とを行程順に説明す
る。
【0045】行程1:投樽準備 左舷の引き綱3Lを左舷の樽2のストッパフック2aに
連結しておく(左舷スナッチ式トップローラ8Lを介し
てギャロス25を大回しする)。右袖の手木押さえロー
プ33Rと引き綱3Rとを連結し、右舷に準備しておく
(右舷スナッチ式トップローラ8Rを介し)。船尾甲板
には、身網4c、コッド網4d、左袖網4b、ペンネン
ト34、手木19Lが準備されている。右袖網4aは、
ネットウインチ22の右舷部のリール22Rに巻回され
たままである。 操業人数:0人。
【0046】行程2:投樽 左舷より樽2をレッコする(油圧操作)。
【0047】左舷の引き綱3Lは、左舷スナッチ式トッ
プローラ8Lを介しワープウインチ7のリール7Lがフ
リーの状態で繰り出される。 操業人数:0人。
【0048】行程3:転舵 引き綱3Lが半分程度繰出された後、左へ約90゜転舵
する。左袖網4bの手木押さえロープ33Lは、左舷船
尾でコイルされる。 操業人数:2人。
【0049】行程4:手木押さえロープ連結 左舷の引き綱3Lの末端が左舷スナッチ式トップローラ
8Lの手前まで繰り出された所でワープウインチ7をス
トップさせ、スリップウェイローラ24部のストッパフ
ックに引き綱3Lの末端を掛ける(以下ストッパ10
L)。左舷のワープウインチ7の引寄せワイヤ35Lを
引き綱3Lから外す。左袖手木押さえロープ33Lと引
き綱3Lの末端を知恵の輪フック11を用いて連結す
る。 操業人数:3人。
【0050】行程5:ストッパ切断投網開始 ストッパ10Lを切り、左袖網4bを投網する。続いて
コッド網4d、身網4cが投網される。この間に左舷の
ワープウインチ7の引寄せワイヤ35Lは、船尾にコイ
ルしておく。 操業人数:1人。
【0051】行程6:右袖投網と綱連結 右袖側が張ってくるとネットウインチ22の右舷側リー
ル22Rのブレーキをゆるめ右袖網4aを順次投網す
る。右手木19Rがスリップウェイローラ24付近まで
繰出した所で、ネットウインチ22をストップさせ、右
袖の手木押さえロープ33Rを手木19Rに連結する。 操業人数:4人。
【0052】行程7:ストッパ切断、右袖網繰出し ネットウインチ引寄せワイヤ36Rのストッパフックを
切断して、右袖網4aを投網する。続いて、右舷の手木
押さえロープ33Rと右舷側のワープウインチ7のリー
ル7Rに巻かれた右舷の引き綱3Rとがワープウインチ
7のフリー状態(ブレーキ投網)で繰出される。 操業人数:2人。
【0053】行程8:転舵 右舷の引き綱3Rが半分程度繰出された後、左へ約90
゜転舵する。揚網準備の為、ネットウインチ引寄せワイ
ヤ36R,36Lを繰出しておく。右舷の引き綱3Rの
末端が右舷スナッチ式トップローラ8R手前まで繰出さ
れた所でワープウインチ7をストップさせる。 操業人数:3人。
【0054】行程9:樽揚げ、右舷の引き綱を左舷ウイ
ンチへ移動 左舷ワープウインチ7のリール7Lの引寄せワイヤ35
Lを左舷スナッチ式トップローラ8Lを介して左舷ギャ
ロス25を大回しし、左舷船尾に準備する。左舷船首か
らカギで樽ロープを引掛け、船尾でカギに連結したロー
プを巻き、樽2を揚げる(樽吊上げ用ポスト30を使
用)。左舷ワープウインチ7のリール7Lの引寄せワイ
ヤ35Lと樽2に連結されていた左舷の引き綱3Lの末
端とを連結し、樽2のストッパを切り、左舷の引き綱3
Lを左舷リール7L側に移動させる。 操業人数:5人。
【0055】行程10:流し、寄せこぎ、揚網開始 引き綱3Lとワープウインチ7の左舷リール7Lとの連
結が終了したら、流し(曳網=15〜20分程度)、寄
せこぎ(30分程度)に入る。 操業人数:0人。
【0056】行程11:ウインチストップ手木引寄せワ
イヤ連結 寄せこぎ後、両手木19R,19Lがスナッチ式トップ
ローラ8R,8Lまで揚がると、ワープウインチ7をス
トップさせる。ネットウインチ引寄せワイヤ36R,3
6Lを両舷の手木19R,19Lにそれぞれ連結する。 操業人数:3人。
【0057】行程12:強制曳網網繰出し ネットウインチ22を巻きながら、両舷ワープウインチ
7は繰り出す。網4の張力はネットウインチ引寄せワイ
ヤ36R,36Lに掛ける(引き綱3R,3Lは無テン
ションとなる)。同時に両舷手木押さえロープ33R,
33Lを繰出し、船尾部にコイルする。ネットウインチ
22をストップさせて網4が海面に揚がってくるまで強
制曳網を行なう。 操業人数:5人。
【0058】行程13:手木引揚げ、網取り外し 網4が海面まで浮上したら、ネットウインチ22を巻き
あげ、手木19R,19Lを甲板まで揚げる。両手木1
9R,19Lから手木押さえロープ33R,33Lを外
す。左舷の引き綱3Lは、ギャロス25を大回しし、樽
2のストッパフック2aに連結する。左舷手木押さえロ
ープ33Lは、左舷船尾にコイルされ、右舷の引き綱3
Rと右舷手木押さえロープ33Rは、右舷船尾にコイル
される。 操業人数:5人。
【0059】行程14:揚網 手木19、ペンネント34に続いて袖網4a、4bと身
網4cをネットウインチ22に巻き揚げる。両袖網4
a、4bを巻く時は、左右それぞれ浮子側と沈子側に1
人ずつ就いて網4を捌きながら巻き揚げる。身網4c以
降も続いて巻き揚げる。 操業人数:6人。
【0060】行程15:コッド網揚げ スリップウェイ13にコッド網4dの頭が揚がったら、
ネットウインチ22をストップし、カーゴウインチ32
R,32Lおよびセンターウインチ31を使ってコッド
網4dを揚げる。コッド網4dを引揚げながら、コッド
横チャックを切断し、船尾ハッチ21から魚を処理場へ
おろす。 操業人数:6人。
【0061】行程16:投網準備(コッド網移動) 最後に船尾ポストに取付けたコッド網吊上げ用ポスト2
9を使用し、漁獲物を処理場におろす。魚を出した後、
ギャロス25上の電動ホイスト26やデリック28を使
用し、再びコッド網4dを右舷船尾に引出す。 操業人数:5人。
【0062】行程17:投網準備(身網繰出し) ネットウインチ22を上方に移動させて逆転させ、身網
4cをある程度整反しながら前天井付近まで右舷側に山
積みする。なお、ネットウインチ22から網4が繰出さ
れる時は、左右舷5人で適宜捌く。電動ホイスト26お
よびカーゴウインチ32R,32Lを使用して(モッコ
網を併用しながら)網4を船尾に移動させる。 操業人数:6人。
【0063】行程18:投網準備(左袖網繰出し) 身網4cの前天井部が出し終えたら、次に左舷ネットウ
インチ22のリール22Lのみ逆転させ、左袖網4bの
み繰出しながら捌き整反する。この時、浮子、網地、沈
子と分担し4名でモッコ網を下に敷いて奥袖を下にして
順次網を載せて行く。ペンネント34、手木19Lまで
繰出した後、左舷ネットウインチ引寄せワイヤ36Lを
手木19Lと切断する。 操業人数:6人。
【0064】行程19:投網準備(左袖網移動) 船尾ギャロス25の電動ホイスト26を使用し、左袖モ
ッコ網を船尾に移動させ、左舷にコイルされていた手木
押さえロープ33Lの片端と左袖手木19Lを連結する
(モッコ網は除去)。 操業人数:4人。
【0065】行程20:投網準備終了 投網準備終了となり、行程1に戻る(右袖網4aはネッ
トウインチ22に巻いたまま投樽する)。
【0066】以上の手順により、かけまわし漁業を行な
うようになっている。
【0067】この場合に、本実施例においては、前記ワ
ープウインチ7を船1の船尾寄りに配設するとともに、
ネットウインチ22を船首寄りに配設し、しかも、この
ネットウインチ22を昇降自在に支持するようにしてい
るので、ネットウインチ22を使用しない場合に、ネッ
トウインチ22を下降させておくことにより、作業時に
ネットウインチ22およびワープウインチ7が邪魔にな
らず、甲板上の作業面積を大きく確保することができる
ものである。また、前記ワープウインチ7を船1の船尾
寄りに配設するようにしているので、引き綱3R,3L
等の引き出しあるいは巻き上げ時における前記引き綱3
R,3Lの甲板上の移動距離を短くすることができ、こ
の引き綱3R,3Lが作業者に絡まったりすることを防
止することができるものである。
【0068】したがって、本実施例においては、作業時
にネットウインチ22およびワープウインチ7が邪魔に
ならないため、甲板上の作業面積を大きく確保すること
ができ、作業性を著しく高めることができる。また、ワ
ープウインチ7を船1の船尾寄りに配設し、前記引き綱
3R,3Lの甲板上の移動距離を短くすることができる
ので、この引き綱3R,3Lが作業者に絡まったりする
ことを防止することができ、危険性の低減を図ることが
でき、安全な作業を行なうことができる。
【0069】また、本実施例においては、少ない人手に
より迅速にかつ確実にかけまわし網4を投揚網すること
ができ、作業効率および漁獲効率を向上させることがで
きる。さらに、投揚網作業を短時間内に行なうことがで
きるので、朝夕の漁獲最適時間中における網4の投揚網
回数を従来方法より多くすることができ、漁獲量も大き
く向上させることができる。
【0070】また、図6は本発明の他の実施例を示した
もので、本実施例においては、船1の甲板上の船首寄り
左右舷にワープウインチ7のリール7R,7Lをそれぞ
れ配置するとともに、前記船1の船尾寄り中央に必要な
時にのみ上昇するように支持板23により昇降自在に支
持されたネットウインチ22を配置するようにしたもの
であり、その他の構成は前記図1に示す実施例のものと
同様であるため同一部分には、同一符号を付してその説
明を省略する。
【0071】本実施例においても前記実施例のものと同
様に、前記ネットウインチ22を昇降自在に支持するよ
うにしているので、ネットウインチ22を使用しない場
合に、ネットウインチ22を下降させておくことによ
り、作業時にネットウインチ22が邪魔にならず、甲板
上の作業面積を大きく確保することができる。しかも、
少ない人手により迅速にかつ確実にかけまわし網4を投
揚網することができ、作業効率および漁獲効率を向上さ
せることができ、さらに、投揚網作業を短時間内に行な
うことができるので、漁獲量も大きく向上させることが
できる。
【0072】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、必要に応じて変更することができる。
【0073】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係るかけまわ
し漁法用船は、作業時にネットウインチおよびワープウ
インチが邪魔にならないため、甲板上の作業面積を大き
く確保することができ、作業性を著しく高めることがで
きる。また、ワープウインチを船の船尾寄りに配設し、
引き綱の甲板上の移動距離を短くすることができるの
で、この引き綱が作業者に絡まったりすることを防止す
ることができ、危険性の低減を図ることができ、安全な
作業を行なうことができる。さらに、少ない人手により
迅速にかつ確実にかけまわし網を投揚網することがで
き、作業効率および漁獲効率を向上させることができる
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のかけまわし漁法用船の一実施例を示す
概略斜視図
【図2】本発明のかけまわし漁法の1実施例の行程1か
ら行程5を示す平面図
【図3】本発明のかけまわし漁法の1実施例の行程6か
ら行程10を示す平面図
【図4】本発明のかけまわし漁法の1実施例の行程11
から行程15を示す平面図
【図5】本発明のかけまわし漁法の1実施例の行程16
から行程20を示す平面図
【図6】本発明の他の実施例を示す概略斜視図
【図7】従来のかけまわし漁法の概要を示す説明図
【図8】従来のかけまわし漁法を示す行程1から行程5
を示す平面図
【図9】従来のかけまわし漁法を示す行程6から行程1
0を示す平面図
【図10】従来のかけまわし漁法を示す行程11から行
程15を示す平面図
【図11】従来のかけまわし漁法を示す行程16から行
程20を示す平面図
【図12】従来のかけまわし漁法を示す行程21から行
程24を示す平面図
【符号の説明】
1 船 3 引き綱 4 かけまわし網 4a、4b 袖網 4c 身網 4d コッド網 7 ワープウインチのリール 8 トップローラ 13 スリップウェイ 22 ネットウインチ 22R,22L リール 25 ギャロス 26 電動ホイスト 27 デリックポスト 31 センターウインチ 32 カーゴウインチ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 甲板上の左右舷に引き綱を巻き上げるワ
    ープウインチを配設するとともに、甲板上に左右の袖
    網、身網およびコッド網とを有するかけまわし網を投揚
    網するネットウインチを配設し、このネットウインチ
    を、必要な時にのみ上昇するように昇降自在としたこと
    を特徴とするかけまわし漁法用船。
  2. 【請求項2】 前記甲板上の船首寄りに前記ネットウイ
    ンチを配設し、前記甲板上の船尾寄り左右舷に前記ワー
    プウインチを配設したことを特徴とする請求項1に記載
    のかけまわし漁法用船。
  3. 【請求項3】 前記ネットウインチを、少なくとも2個
    のリールを有するとともに、少なくとも一方のリールが
    別駆動されるように形成したことを特徴とする請求項1
    に記載のかけまわし漁法用船。
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