JP3480157B2 - アクチュエータの駆動方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents
アクチュエータの駆動方法およびインクジェット記録装置Info
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Description
より変位するアクチュエータの駆動方法に関するもので
ある。更に詳しくは、アクチュエータを高速に変位させ
る駆動方法に関するものである。また、本発明の属する
もう一つの技術分野は、インク滴を吐出して記録媒体上
に付着させるインクジェット記録装置に関するもので、
更に詳しくは、低い電圧で微小なインク滴を高速に吐出
させることに適したインクジェット記録装置に関するも
のである。
るいは駆動力の変化で変位するアクチュエータとして、
例えば電歪(圧電)材料を用いた電歪アクチュエータ
や、磁歪材料を用いた磁歪アクチュエータがある。これ
らのアクチュエータは、アクチュエータの形状や固定方
法等によって決まる固有振動モードを持っている。
セラミクス細棒の一端を固定し、細棒の両面に形成され
た駆動電極間に電圧を印加すると、圧電横効果により細
棒の長手方向に変位する。このような一端を固定した棒
の縦振動の固有振動数は、
E:棒材料の縦弾性係数、γ:棒材料の密度、λ:固有
振動モードによって定まる無次元の係数でλ=π/2,
3π/2,5π/2,...,(2n−1)π/2(n
は自然数)である。また、各固有振動数に対応する固有
振動モードは、図18に示すようになる。図18では、
一次モード、二次モード、三次モードの変位状態を、棒
の長さ方向の変位量を便宜的に棒に垂直方向の変位とし
て表わしている。
の出力電圧を駆動電極間に印加すると、圧電横効果によ
る駆動力が発生し、静的には次式で表現される変位量を
発生する。
細棒の厚さ、L:棒の長さ、d31:圧電定数である。
的変位に至るまでの過渡的振動状態は、電圧の立ち上げ
方に大きく支配される。図19と図20は、圧電縦振動
子に一定の電圧上昇率で立ち上がる擬ステップ電圧を印
加した時の、圧電縦振動子先端の変位応答を見たもので
ある。図の横軸は圧電縦振動子の一次モードの基本周期
Tm1で規格化し、縦軸の変位量は静変位量で規格化し
てある。
時間T1が三次モードの固有周期Tm3=Tm1/5よ
り短く、一次モード、二次モード、三次モードの複数の
モードが励振され、その結果、静変位のおよそ2倍の変
位まで立ち上がるが、鋸波状のリンギングが発生する。
時間T1を一次モードの固有周期Tm1に等しく設定し
ている。一般にある固有モードの固有振動周期より十分
長い立ち上がり時間にすると、その固有モードとより高
次の振動の励振は低く抑えられる。逆にある固有モード
の固有周期より短い立ち上がり時間にすると、その固有
モードとより低次の固有モードは強く励振される。ま
た、立ち上がり時間があるモードの固有振動周期に等し
くなる時点で、そのモードの励振は極小となり、その振
動モードの励振を可及的に抑えられる。図20では、擬
ステップ電圧の立ち上がり時間T1を一次モードの固有
周期Tm1に等しく設定しているため、一次モードと高
次モードの励振が共に抑えられ、振動子先端はおよそ立
ち上がり時間に等しい時間(即ち一次モードの固有周期
Tm1に等しい時間)で立ち上がり、オーバシュートや
リンギングは発生しない。
ト記録装置を説明する。
は、インク室の剛性(コンプライアンス)と供給路、ノ
ズルを含むインク流路系の慣性(イナータンス)によっ
て決まるヘルムホルツ周波数を持つインク流れの固有振
動が有り、この振動モードを強く励振することによりノ
ズルより高速にインク滴を吐出することが可能となる。
そのため、インク流れの固有振動の周期より短い時間で
アクチュエータが変位するよう、アクチュエータの基本
振動モードの周期がインク流れの固有振動の周期より短
くなるようにする。このような従来技術が、特公平4−
71712号公報に開示されている。
アクチュエータが駆動後にリンギング(残留振動)を起
こすとインク流れの固有振動を励振し、非常に僅かな振
幅であってもノズルよりミスト状のインク滴が発生す
る。このミストは、それ自体が記録媒体に付着すると記
録品質を低下させるが、記録媒体だけでなくインクジェ
ットヘッドのノズル周囲に付着するとノズル開口部の濡
れが不均一になり、付着したミストに引かれてインク滴
の吐出方向が変わってしまい、記録媒体上の目的の位置
に正確に記録できず、記録品質の低下を招く。
るインクジェット記録装置は、区画形成されたインク室
の底壁をなす振動板に、振動板を駆動してインク室を加
圧するアクチュエータとしての圧電振動子の一方の端部
が当接している。この圧電振動子の他方の端部は基板を
介して基台に固定されており、積層された駆動電極に駆
動電圧を印加することで、軸方向に伸縮する縦振動モー
ドで駆動される。駆動電圧を上昇させると圧電振動子が
縮み、振動板をインク室の面外方向に変形させインク室
の容積を増大させる。その後、駆動電圧を下降させると
圧電振動子が伸長しインク室の容積を急激に縮小させ
る。この時発生するインク室の流体圧力により、インク
室に連通するノズルよりインク滴が吐出する。駆動電圧
の下降は、電圧下降率が一定となる回路で行われている
が、この下降の時間を圧電振動子の自由振動(縦振動の
基本振動)の周期に実質的に等しくすることで、圧電振
動子の残留振動を低くし、ノズルからのミスト状の不要
インク滴が吐出するのを抑制している。
示されているインクジェット記録装置は、駆動電圧の下
降を2段階に分け、電圧下降の中間に電圧下降の停止時
間を入れることで、可及的に圧電振動子の残留振動を抑
制している。
とおり、アクチュエータを高速に変位させ、かつ変位の
リンギングを十分に小さくするには、そのアクチュエー
タの変位に係わる基本振動モード、例えば縦振動子の先
端変位を出力に用いるアクチュエータでは縦振動の基本
振動モード(一次振動モード)を、その固有周期が必要
な変位応答時間に等しいかそれ以下となるよう固有周波
数を高くしなければならない。即ち、変位応答の速度
は、アクチュエータの基本振動モードの固有周期で上限
が決められてしまう。一般に、機械構造物の固有振動周
波数は構造物が小さくなるほど高くなる。例えば、一様
な縦振動子やねじり振動子では固有周波数は長さに反比
例し、横振動子(たわみ振動子)では固有周波数は長さ
の2乗に反比例する。これとは逆に、アクチュエータの
変位量は駆動力が一定であれば寸法が小さくなるほど小
さくなる。例えば、一様な縦振動子やねじり振動子では
変位量は長さに比例し、横振動子(たわみ振動子)では
変位量は長さの2乗に比例する。従って、変位速度を高
くするには、アクチュエータを小型にすると共にその駆
動力、即ち電気機械変換素子からなるアクチュエータで
は駆動電圧を高くしなければならない。
回路が非常に大型・高価になり、また駆動回路やアクチ
ュエータの発熱による性能低下を招くという問題点が発
生する。また、アクチュエータ内部の応力が高くなり、
アクチュエータの破壊による信頼性低下が生じるなど、
アクチュエータ素子自体の限界歪みで特性の上限が決め
られてしまう。
ク滴の吐出に係わるインク室の振動モードの固有振動数
(ヘルムホルツ周波数)を高くすることで微小なインク
滴を高速に吐出させることが可能となる。そのために
は、このインク室の振動モードを駆動できる高い変位速
度を持つアクチュエータが必要となる。しかしながら、
駆動電圧の立ち上がりを速くするとリンギングが発生
し、印字品質を劣化させる不要インクミストが発生する
問題点がある。また、アクチュエータの基本モードを高
速にするためアクチュエータの小型化を図ると、駆動電
圧が非常に高くなってしまう問題点がある。
やリンギングを抑えながら基本モードの固有周期以下の
時間で変位が立ち上がるアクチュエータの駆動方法を提
供し、アクチュエータの基本モードで制限されていた変
位応答性の限界を飛躍的に改善し、低駆動力・低電圧で
高速に駆動できる高性能なアクチュエータを提供するこ
とにある。
に向上さることで、微小なインク滴を高速に低駆動力・
低電圧で吐出できる、高品位なインクジェット記録装置
を提供することにある。
に、本発明は、駆動手段による駆動力で変位し、この駆
動力で励振される第1の振動モードと、この第1の振動
モードより高次な第2の振動モードとを有するアクチュ
エータの駆動方法において、前記第1の振動モードの周
期より短い区間の間に、前記第2の振動モードを励振す
るパルス状となる駆動力の立ち上げと立ち下げを少なく
とも一回行い、しかる後に必要な変位に駆動する駆動力
を作用させるものであって、前記必要な変位に駆動する
駆動力が、ステップ状駆動力に前記第1の振動モードの
振動を打ち消すように抑制するパルス状駆動力を重畳さ
せてなることを特徴とする。
上げと立ち下げの大きさに関し、前記必要な変位に駆動
する駆動力の大きさより大きくすることが望ましい。
振動子あるいは磁歪振動子からなることが望ましい。
横振動子、あるいはねじり振動子であることが望まし
い。
いる周壁の一部を、アクチュエータで振動させることに
より、前記インク室に連通したノズルよりインク滴を吐
出するインクジェット記録装置において、前記アクチュ
エータは駆動手段による駆動力で変位し、この駆動力で
励振される第1の振動モードと、この第1の振動モード
より高次な第2の振動モードとを有し、前記第1の振動
モードの周期より短い区間の間に、前記第2の振動モー
ドを励振するパルス状となる駆動力の立ち上げと立ち下
げを少なくとも一回行い、しかる後に必要な変位に駆動
する駆動力を作用させるものであって、前記必要な変位
に駆動する駆動力が、ステップ状駆動力にパルス状駆動
力を重畳させてなることを特徴とする。
上げと立ち下げの大きさに関し、前記必要な変位に駆動
する駆動力の大きさより大きくすることが望ましい。
で駆動される電歪振動子で、前記駆動手段による駆動力
は前記電歪振動子に形成された駆動電極に印加される電
圧で与えられることが望ましい。
るインク室の振動モードを持ち、前記アクチュエータの
前記第1の振動モードの固有周期は前記インク室の振動
モードの固有周期より大きく、前記第2の振動モードの
固有周期は前記インク室の振動モードの固有周期より小
さいことが望ましい。
アクチュエータの駆動方法について詳しく説明する。
適用したアクチュエータで、チタン酸ジルコン酸鉛(以
下PZTと表現する)からなる厚さHの圧電板を幅Wの
板棒状に切り出し、一方の端部を基板61からの張り出
し長さLで基板に接着固定してある。圧電板60にはそ
の両面に駆動電極62が形成されており、この駆動電極
62を用いて圧電材料を厚さ方向に分極させてある。こ
の圧電縦振動子の寸法は、厚さHが200μm、幅Wが
500μm、張り出し長さLが20mmで、圧電材料の
およその材料定数は、比重が7.5、縦弾性係数が6×
1010N/m2、圧電定数d31は200×10
―12m/Vである。駆動電極へ電圧印加を行うと圧電
横効果による圧電歪みが駆動力として作用し、棒は長手
方向に収縮する。この長手方向の縦振動の固有周波数
は、上記数値を用いて公式より算出すると、1次モード
が34kHz、2次モードが102kHz、3次モード
が170kHzとなる。また、固有周期で見ると、1次
モードが29μs、2次モードが10μs、3次モード
が6μsとなる。インピーダンスアナライザを用いて共
振点を実測すると1次モードの固有周期は30μsとな
り、上記計算結果と一致した。
示す圧電振動子の1次モード固有周期に等しい30μs
で電圧が立ち上がる擬ステップ波形であるが、この駆動
波形を図1に示す圧電振動子に印加すると、図2(B)
に示すアクチュエータ変位の応答が得られる。従来技術
として説明した様に、この駆動方法によれば、オーバシ
ュートやリンギングが発生せず滑らかに変位が立ち上が
るが、変位の立ち上がりに要する時間がおよそ30μs
も必要とし、立ち上がりの速度が低くなってしまう。
となる駆動方法を示す図で、図3(A)は圧電振動子に
印加する駆動電圧波形で、図3(B)はアクチュエータ
としての圧電振動子の先端変位応答である。図3(A)
の駆動電圧波形は、圧電振動子の第1の振動モードであ
る基本(1次)モードの固有周期である30μsより短
い時間の間に、電圧の立ち上げと立ち下げからなるパル
ス状の波形S0を加えた後に、再び電圧を立ち上げてい
る。初めの電圧の立ち上げP0から電圧の立ち下げP1
までの時間と、電圧の立ち下げP1から2度目の電圧の
立ち上げP2までの時間はおよそ6μsで、圧電振動子
60の第2の振動モードとなる2次モードの固有周期の
およそ半分の値である。この駆動波形により、圧電振動
子60の立ち上がりにおいて基本(1次)モードが立ち
上がる前に、2次の変位モードを励振する圧力波が振動
子を伝播するため、図3(B)に示すように急峻な立ち
上がりQ0と変位一定のプラトーQ1が得られる。プラ
トーQ1の後、時間15μs以降にはパルス状の駆動電
圧波形を伴った駆動電圧の立ち上がりによる1次モード
のリンギングQ2が残留している。
図2の従来技術に比較して3分の1以下のおよそ8μs
で立ち上がり、非常に高速な立ち上がりを実現できた。
しかし、プラトーQ1まで急峻に立ち上がる変位量は静
的な変位量であるおよそ0.25μmより2割程度小さ
い。
となる駆動方法を示す図で、図3に示した実施例を改善
したものである。図4(A)は圧電振動子に印加する駆
動電圧波形で、図4(B)はアクチュエータとしての圧
電振動子60の先端変位応答である。図3(A)の駆動
電圧波形に対し、図4(A)の駆動電圧波形は、最初の
電圧の立ち上げP10と立ち下げP11からなるパルス
状の波形S10の高さを、静的な変位量を与える電圧に
対しておよそ3割大きくすることで、プラトーQ11ま
で急峻に立ち上がる変位量を静的な変位量と同程度にす
ることが可能となった。本駆動方法の様にパルスの高さ
を変えることにより、プラトーまで急峻に立ち上がる変
位量を自由に調整することが可能となる。
法を示す図で、図5(A)は圧電振動子に印加する駆動
電圧波形で、図5(B)はアクチュエータとしての圧電
振動子の先端変位応答である。本実施例は、図4に示し
た実施例を改善したものである。即ち、静的な変位量を
与える電圧よりおよそ3割高く第1の電圧の立ち上げP
20を行う。続いて、圧電振動子60の第2の振動モー
ドとなる2次モードの固有周期のおよそ半分の値となる
およそ6μsで電圧の立ち下げP21を行い、第1のパ
ルス状波形S20を形成する。続いて、電圧の立ち下げ
P21から先と同様およそ6μsで第2の電圧の立ち上
げP22を行う。この立ち上げP22の高さを第1の立
ち上げと同様に静的な変位量を与える電圧よりおよそ3
割高くする。続いて、第2の立ち上げP22から先と同
様およそ6μsで静的変位を与える電圧まで第2の電圧
の立ち下げP23を行う。
るように、本実施例の駆動波形で、静的な変位にまで駆
動するステップ状駆動波形S22に第2のパルス状波形
S21を重畳させることで、アクチュエータ変位の立ち
上がり後のリンギングを抑制することが可能となる。
法を示す図で、図6(A)は圧電振動子60に印加する
駆動電圧波形で、図6(B)はアクチュエータとしての
圧電振動子60の先端変位応答である。本実施例は、図
5に示した実施例を改善し、補助的に重畳させた第2の
パルスを基本(1次)モードのリンギングを打ち消すよ
うに最適化し、残留振動を抑制したものである。即ち、
第2の電圧の立ち上げP32の高さを、第1の立ち上げ
P30より大きくし、その大きさを基本(1次)モード
のリンギングを打ち消すように調整した。本駆動波形に
より、図6(B)に示すように、非常に小さいレベルに
までオーバシュートとリンギングを抑制できた。図2
(B)と比較すると、同じアクチュエータを用いて3倍
以上高速な立ち上がり速度が得られ、アクチュエータの
駆動能力を格段に向上させることができた。
法を示す図で、図7(A)は圧電振動子60に印加する
駆動電圧波形で、図7(B)はアクチュエータとしての
圧電振動子60の先端変位応答である。図7(A)の駆
動電圧波形は、圧電振動子の第1の振動モードである基
本(1次)モードの固有周期である30μsより短い時
間の間に、電圧の立ち上げと立ち下げからなるパルス状
の波形S40、S41を2つ加えた後に電圧を立ち上げ
ている。電圧の立ち上げと立ち下げの夫々の間隔は圧電
振動子の第2の振動モードとなる3次モードの固有周期
のおよそ半分の3μsで、3次の変位モードを励振する
圧力波が振動子を伝播するようにしてある。
(B)で見ると、およそ4μsで第1の立ち上がりQ4
0をした後、およそ3μsの間静止したプラトーQ41
を示し、その後およそ3μsで第2の立ち上がりQ42
をし、再びおよそ3μsの間静止した第2のプラトーQ
43を示す。本実施例と図2(B)を比較すると、本実
施例では立ち上がりと静止を繰り返しながらも、従来技
術に比べおよそ2倍の立ち上がり速度を示している。
法を示す図で、図8(A)は圧電振動子60に印加する
駆動電圧波形で、図8(B)はアクチュエータとしての
圧電振動子60の先端変位応答である。図8(A)の駆
動電圧波形は、図7(B)の第1の立ち上がりQ40に
着目し、駆動波形の最適化を行った。即ち、静的な変位
量を与える電圧より2.5倍高く第1の電圧の立ち上げ
P50を行い、続いて、圧電振動子の第2の振動モード
となる3次モードの固有周期のおよそ半分の値となるお
よそ3μsに電圧の立ち下げP51を行い、第1のパル
ス状波形S50を形成する。続いて、擬ステップ波形S
51、S52を印加し静的変位量に変位させる。この擬
ステップ波形は、第1のパルス波形S50と組み合わせ
た時、基本モードのリンギングを打ち消すように抑制す
る波形に最適化する必要がある。本実施例では、擬ステ
ップ波形の立ち上がり時刻を調整して、第1のパルス状
波形S50で誘導される基本モードの振動と、擬ステッ
プ波形S51、S52で誘導される基本モードの振動
が、打ち消しあうよう位相を制御する。即ち、両基本モ
ードの位相が180°異なる時刻に調整する。また、擬
ステップ波形の立ち上がりP52に要する時間は、高次
モードを強く誘導しないよう、2次モードの固有周期よ
り少し短い6μsとした。擬ステップ波形の立ち上がり
P52から静的変位量を与える電圧に立ち下げるP53
までの時間、即ち立ち上がり勾配一定の擬ステップ波形
に重畳される第2のパルス波形S51の幅は、基本モー
ドの振動を効率よく誘導するよう、基本モードの固有周
期のおよそ半分の時間に調整した。この第2のパルスの
高さを、第1のパルス状波形で誘導される基本モードの
振動を相殺するよう調整することで、図8(B)に示す
ように、3次モード固有周期のおよそ半分の時間である
5μsで立ち上がるステップ状に変位する駆動を実現で
きる。
法を示す図で、図9(A)は圧電振動子60に印加する
駆動電圧波形で、図9(B)はアクチュエータとしての
圧電振動子60の先端変位応答である。図9(A)の駆
動電圧波形は、図8(A)の駆動電圧波形同様のアプロ
ーチにより最適化されている。図8(A)とは異なり、
第1のパルス状波形S60と擬ステップ波形S61、S
62とにおいて、駆動回路を簡略化できるよう電圧の立
ち上がり勾配P60、P62、P63、電圧の立ち下が
り勾配P61、P64をそれぞれ一定な値としている。
ンギングは抑制できているが、オーバシュートQ52、
Q62がやや大きくなっている。擬ステップ波形に、第
3、第4とパルス状波形を重畳していくことで、このオ
ーバシュートを抑制ことは可能である。しかし、波形が
複雑になると、駆動回路が複雑になり、僅かなパラメタ
変動で期待した効果や作用が機能しないことも予想され
る。図8あるいは図9に示した実施例は、初期の立ち上
がりQ50、Q60の速度が図2の従来技術と比較して
6倍程度向上している。従って、アクチュエータの高速
位置決め機能よりアクチュエータの速度が重要で、基本
モード程度の周波数成分を持つオーバシュートが問題と
ならない応用分野で非常に有効な駆動方法である。
動子を例にとり駆動方法の説明を行ったが、他の振動モ
ードであっても同じ動作原理により同様な作用効果が得
られることは明らかである。例えば、ねじり振動子で
は、その運動方程式は縦振動子と相似であり、縦振動子
の場合の縦弾性係数をねじり振動子の場合には横弾性係
数で置き換えることで、ねじり振動に関する一連の公式
が得られる。横振動子の場合も、1次モード、2次モー
ド、3次モードの振動を用いて、高次モードにより急峻
な立ち上がりを実現しながら1次モードの振動を抑制す
る本発明の着想が適用できる。しかしながら、横振動子
では、1次モード、2次モード、3次モードの固有振動
数が縦振動子やねじり振動子のように直線的に並ばず、
1次モードと高次モードとの固有振動数の差が大きいた
め、駆動波形の最適化は他の振動子に比べ難しい。
圧電横効果を用いているため、分極時の電圧と同じ方向
に電圧を印加する場合、圧電縦振動子は負の歪み(負の
変位)を発生する。逆に、圧電縦効果を用いた圧電縦振
動子の場合は、分極時の電圧と同じ方向に電圧を印加す
る場合、圧電縦振動子は正の歪み(正の変位)を発生す
る。従って、本明細書においては、駆動力あるいは電圧
等の駆動信号の立ち上げとは、アクチュエータが目的と
する変位に駆動される方向への駆動力あるいは電圧等の
駆動信号の変化を意味する場合も有り、その場合は立ち
上がり/立ち下がりが正/負の符号には依らない用語の
使い方をしている。
だけでなく、磁歪振動子についても同様に適用できるの
は明らかである。圧電振動子が駆動電圧による電界が駆
動力を発生するのに対し、磁歪振動子では磁界の強さが
駆動力を発生する。しかし、磁界の発生手段がコイルで
あれば、その駆動電流を駆動力として解釈してもよい。
ット記録装置について詳しく説明する。
ードの圧電振動子を用いたインクジェット記録装置を示
すものであって、各部品を分解し内部構造が見えるよう
に示してある。図11は、図10に示した実施例の部分
断面図である。
囲を側壁で区画された細長い直線状のキャビティ51,
51,51・・・・が列状に等間隔で2列に形成されて
おり、それぞれのキャビティの一端は、後述するインク
溜りを形成する窓41に連通している。この流路形成部
材3をノズル基板1と振動板7とで挟みこみ、封止する
ことで、前述の細長い直線状のキャビティ51はインク
室5を形成し、窓41はインク溜り4を形成する。ま
た、ノズルプレート1にはインク室5に対応してノズル
2,2,2・・・・が穿孔されており、インク室5の一
端でノズル2が接続している。
タ22は、棒状の積層圧電素子を素子固定基板21から
梁状に突き出すように、その一方の端部を素子固定基板
21に固着した縦振動子で、この積層圧電素子を素子固
定基板21に複数実装してアクチュエータユニットとし
て構成されている。図11に示すように積層圧電素子
は、梁状部分で互い違いに交差する電極層26、27と
圧電材料(本実施例ではチタン酸ジルコン酸鉛を用い
た)を積層した活性部を有し、一方の電極層27は各ア
クチュエータ毎に個別の電極として、他方の電極層26
はアクチュエータに共通の電極として、図示していない
外部の駆動回路へリードフレーム25を経て接続してい
る。アクチュエータ22の配置は、一つのアクチュエー
タ22が一つのインク室5に対応するように、インク室
5の間隔と同じに並べられる。図10に示す実施例で
は、2列のインク室5に対応してアクチュエータユニッ
トが2つ実装されている。
ットは、基台11によって相互に固定されている。基台
11には、インク供給管31が圧入接着されている。イ
ンクは図示していない外部のインクタンクよりインク供
給管31と振動板7にあるインク連絡口33を経て、イ
ンク溜り4、更にインク室5へと供給される。各インク
室5の底壁を構成する振動板7の部分は弾性壁8として
変形可能であり、インク室5と反対面に各インク室毎に
形成されている島状の脚部9を持つダイアフラムとなっ
ている。梁状のアクチュエータ22の先端は、個々のイ
ンク室の脚部9に接合している。
圧電素子の個別電極27と共通電極26間に電圧が印加
されると、積層圧電素子の活性部は素子固定基板21を
支点に長手方向に縮み、インク室5の弾性壁8を上方に
たわませ、インク室5の容積を拡大させる。インク室5
の容積の拡大によって、インクがインク溜り4より供給
流路6を経てインク室5に供給される。引き続く時間で
個別電極27と共通電極26間の電圧印加が解除される
と、積層圧電素子の活性部は元の長さに伸びインク室5
の容積を縮小させ、このとき発生する圧力によってイン
ク室5を満たすインクの一部をインク室5に連通するノ
ズル2よりインク滴として吐出させる。
ットを更に詳細に説明する。
ュエータユニットを拡大した図である。素子固定基板2
1は厚さ1mmのアルミナ基板を加工して作られてい
る。梁状の突出部42はアクチュエータユニットと基台
11を位置決めするために設けられている。列状に配置
された積層圧電素子(アクチュエータ22)は、図11
に示すように、その積層電極の一方は積層圧電素子の梁
状先端で外部の電極に接続し、更に側面の電極28に接
続している。また、積層電極の他方は積層圧電素子の素
子固定基板21に固定されている方の先端で外部の電極
に接続し、電極28と対向する側面に形成された電極2
9に接続している。積層圧電素子の素子固定基板21と
の接合面に設けられた電極29は個々に積層圧電素子に
設けられた個別電極の電気接点として、積層圧電素子と
素子固定基板21との接合と同時に、素子固定基板21
にアクチュエータ22の個々に対応して設けられた導電
性パターン24へ電気的に接続される。積層圧電素子の
他方の面に設けられた電極28は共通電極の電気接点と
して、導電性部材23で連結され、圧電振動子列の両端
に設けられたダミーの圧電素子32を経て、素子固定基
板21の導電性パターン34に接続している。リードフ
レーム25の両側の端子は共通電極の端子として、内側
の端子はダミーの圧電素子を除く個々の積層圧電素子の
個別電極の端子として、外部の駆動回路に連結される。
間隔で、即ち1インチ当り90ノズルの密度で列状に並
べられており、図10に示すように2列のインク室によ
って1インチ当り180ノズルの密度を有するインクジ
ェット記録装置が構成されている。従って、アクチュエ
ータユニットのアクチュエータ22のピッチも282μ
mとなっている。
板21から張り出すようにして板状の積層圧電素子を素
子固定基板21に接着した後に、積層圧電素子をワイヤ
ソウ等を用いて282μmのピッチの短冊状に切断し
て、個々のアクチュエータ22が形成される。切断の方
法は、他にダイシングソウを用いても良い。積層圧電素
子は、積層方向の厚さがおよそ0.5mmで、素子固定
基板21から張り出している部分の長さがおよそ8mm
である。282μmのピッチで並べるために、並び方向
の幅は150μmで、切りしろが130μm程度にな
る。
7の構造を図13を用いて詳細に説明する。
する振動板7を、アクチュエータ22側から見た部分斜
視図である。アクチュエータ22は、圧電素子への電圧
印加により、振動板7に垂直に伸縮する。振動板7に
は、各々のインク室5の弾性壁となる部分のインク室5
の外側に、細長く直線状のインク室に沿うように、細長
い島状の厚肉部である脚部9がそれぞれのインク室毎に
形成されている。逆に、島状の脚部9の周囲は薄板部1
0となっており、脚部9の両端部には広い薄板部10
a、10bが形成されている。各パターンは、インク室
5の配置に対応するように282μmの間隔で等間隔に
列状に配置されている。
5のおよその体積変形量は、弾性壁8の壁面に垂直方向
の移動により排除される容積で与えられる。このように
高密度で配置されたインク室5を変形させ、画素形成に
必要なインク量をノズル2よりインク滴として吐出させ
るために、本発明のインクジェット記録装置では、イン
ク室5を細長く形成し、その一面を構成しアクチュエー
タ22の伸縮に応じて変形する弾性壁8の面積を広く確
保している。本実施例では、インク室5の幅は200μ
mで、長さはおよそ1mmである。振動板7は、これを
構成する材料により適切な厚肉部や薄肉部の厚さが変わ
るが、ニッケルを用いた場合には、厚肉部はその厚みを
25μm程度に、また薄肉部はその厚みを1μm乃至3
μm程度である。
せるには、インク滴の吐出に係わるインク室の振動モー
ドの固有振動数(ヘルムホルツ周波数)を高くすること
が必要である。
するインク流れでは、細い流路でインクを加速する時に
インクの質量がイナータンスとして働く。また、インク
室はインク圧力で弾性変形する、あるいはインク室を満
たすインクがインク圧力で圧縮・膨張するため、これら
の体積変位がコンプライアンスとして働く。従って、イ
ナータンスとコンプライアンスの組み合わせによって、
インク室の応答は固有な振動モードを持ち、その周波数
は下記の式によって得られるヘルムホルツ周波数とな
る。
ス、Mnはノズル内のインクのイナータンス、Msは供
給流路のインクのイナータンスである。
室の周壁の可撓性による成分の和で、インクの圧縮性に
よる成分Cinkは次式で求められる。
のインクではおよそ0.45(GPa)―1である。V
cはインク室の容積である。インク室の周壁の可撓性に
よる成分は複雑なインク室構造では簡単な式では表現で
きず、一般に有限要素法等を用いた数値解析手段を持ち
て求められる。
ンク密度をρ、流路の長さをLとして、次式で表わせ
る。
係数で、円管ではおよそ1.3である。
アンスと同様に有限要素法等を用いた数値解析手法を用
いて求められる。
ホルツ周波数を計算すると以下のようになる。
ル径40μm、直管部の長さ20μm、直管部に接続す
るテーパ部を加えると、Mn=70×106kg/m4
である。供給流路のイナータンスMsは、60μm×6
0μmの矩形断面で長さが150μmであるから、Ms
=60×106kg/m4である。コンプライアンスは
インク室5の弾性壁8の薄板部の寄与が大部分であり、
およそCc=1×10―19m3/Paである。これら
の値を用いて計算されるヘルムホルツ周波数は90kH
zとなり、その固有周期は11μsである。
に強い圧力振動を発生させるには、上記ヘルムホルツ周
波数で決まるインクの吐出に係わるインク室の振動モー
ドの固有周期より速く、アクチュエータ22を立ちあげ
る必要がある。アクチュエータ22の縦振動モードの基
本周期はおよそ16μsで、このアクチュエータに図1
4に示す駆動電圧波形を印加することで、縦振動モード
の基本周期よりおよそ3倍速い5μs程度で、アクチュ
エータを立ちあげることが出来る。
クチュエータの駆動方法と同じで、図3では圧電横効果
を用いた縦振動子を収縮させているのに対し、インクジ
ェット記録装置では圧電横効果を用いた縦振動子を伸長
させるのに適用するため、駆動電圧の降下上昇の符号が
図3と図14で反対となっている。
22の基本周期とインク室5の固有周期よりも緩やかに
上昇する電圧の立ち上がりP70の後、アクチュエータ
22の基本周期より短い時間の間に、電圧の立ち下げP
71と立ち上げP72からなるパルス状の波形を加えた
後に、再び電圧を立ち下げている。電圧の立ち上げP7
0によりアクチュエータ22は長手方向に縮み、インク
室5の弾性壁8を下方にたわませ、インク室5の容積を
拡大させる。インク室5の容積の拡大によって、インク
がインク溜り4より供給流路6を経てインク室5に供給
される。次に、電圧の立ち下げP71と立ち上げP72
と立ち下げP73によりアクチュエータは第2の振動モ
ードとなる2次モードの固有周期程度の値である5μs
で長手方向に伸長し、インク室5の容積をインク室5の
固有周期より短い時間に急激に縮小させる。このとき発
生する圧力によってインク室5を満たすインクにはヘル
ムホルツ周波数の大きな圧力振動が励起し、インク室5
に連通するノズル2よりインク滴が高速に吐出する。
電圧の立ち下げP71から電圧の立ち上げP72までの
時間と、電圧の立ち上げP72から2度目の電圧の立ち
下げP73までの時間はおよそ3μsで、アクチュエー
タ22の第2の振動モードとなる2次モードの固有周期
のおよそ半分の値である。
2の実施例で、図5に示したアクチュエータの駆動方法
とは駆動電圧の降下上昇の符号が反対となっている。
22の基本周期とインク室5の固有周期よりも緩やかに
上昇する電圧の立ち上がりP80の後、アクチュエータ
22の基本周期より短い時間の間に、電圧の立ち下げP
81と立ち上げP82からなるパルス状の波形を加えた
後に、再び電圧を立ち下げP83を行い、更に小さな電
圧の立ち上げP84を行い、最後に緩やかに電圧を立ち
下げP85を行い電圧0に復帰させている。電圧の立ち
上げP80によりアクチュエータ22は長手方向に縮
み、インク室5の弾性壁8を下方にたわませ、インク室
5の容積を拡大させる。インク室5の容積の拡大によっ
て、インクがインク溜り4より供給流路6を経てインク
室5に供給される。次に、電圧の立ち下げP81と立ち
上げP82と立ち下げP83と立ち上げP84によりア
クチュエータは第2の振動モードとなる2次モードの固
有周期程度の値であるおよそ5μsで長手方向に伸長
し、この時、図5に示した様にアクチュエータ22の伸
長後のリンギングを低く抑えられ、不要なインク室5の
振動が抑制されている。
電圧の立ち下げP81から電圧の立ち上げP82までの
時間と、電圧の立ち上げP82から2度目の電圧の立ち
下げP83までの時間と、2度目の電圧の立ち下げP8
3から小さな電圧の立ち上げP84までの時間は、それ
ぞれおよそ3μsで、アクチュエータ22の第2の振動
モードとなる2次モードの固有周期のおよそ半分の値
で、2次モードの振動を強く励振する。また、電圧の立
ち上げP84の高さは、基本モードのリンギングを最適
に抑制する値に調整する。
3の実施例で、図6に示したアクチュエータの駆動方法
とは駆動電圧の降下上昇の符号が反対となっている。
22の基本周期とインク室5の固有周期よりも緩やかに
上昇する電圧の立ち上がりP90の後、アクチュエータ
22の基本周期より短い時間の間に、電圧の立ち下げP
91と立ち上げP92からなるパルス状の波形を加えた
後に、再び電圧を立ち下げP93と小さな電圧の立ち上
げP94を行い、最後に緩やかに電圧を立ち下げP95
を行い電圧0に復帰させている。電圧の立ち下げP93
は電圧の立ち下げP91より大きく、電圧の立ち上げP
94後の電位は、電圧の立ち下げP91後の電位より高
く設定されている。
アクチュエータ22の伸長後のリンギングは先の実施例
以上に低く抑えられ、不要なインク室5の振動が抑制さ
れている。
は、アクチュエータ22の伸長後に僅かにリンギングが
発生する。このリンギングの成分はアクチュエータの1
次モードの成分が大部分であり、その基本周期はおよそ
16μsである。しかしながら、本実施例のインクジェ
ット記録装置では、そのヘルムホルツ周波数より決まる
インク室5の固有周期はおよそ11μsで、アクチュエ
ータの基本周期より短く設定されている。従って、イン
ク室5の固有周期より長い周期のリンギングでインク室
5が励振されるが、この励振に対するインク室5の応答
は小さく、ミスト状の不要インク滴を吐出させることは
なく、吐出信頼性に優れたインクジェット記録装置を実
現できている。
するには、アクチュエータの長さを3mm程度に短くし
なければならず、必要なインク滴重量を得るためには3
0V程度の電圧が必要であった。しかし、上記実施例に
よれば、駆動電圧は高々10V程度であり、3分の1程
度の低電圧化が達成できた。
して圧電横効果を用いているため、駆動電圧の上昇させ
インク室5の容積を拡大させた後の駆動電圧の降下時
で、第1の振動モードとなる基本モードの固有周期より
短い区間の間に、電圧の立ち下げと立ち上げからなるパ
ルス状波形を挿入し、その後電圧を立ち下げている。
エータや、磁歪効果を用いたアクチュエータでは、電圧
の上昇に伴いインク室5の容積を収縮させる方向に変位
する。従って、駆動電圧波形として図17に示すよう
に、電圧の上昇時に第1の振動モードとなる基本モード
の固有周期より短い区間の間に、電圧の立ち上げP10
0と立ち下げP101からなるパルス状波形を挿入し、
その後電圧の立ち上げP102と立ち下げP103から
なる補助パルスを重畳させた擬ステップ波形を用いるこ
とで、先の実施例と同様な効果が得られる。
ータの駆動方法によれば、アクチュエータのオーバシュ
ートとリンギングを低く抑えながらアクチュエータの基
本モードの固有周期より短い時間でアクチュエータを立
ち上げることが可能となり、高速で変位するアクチュエ
ータを実現出来るという効果を有する。
アクチュエータを小型にする必要が無く、低い駆動力・
駆動電圧で必要な変位量を得ながら、高速に変位するア
クチュエータを実現出来るという効果を有する。
ジェット記録装置によれば、アクチュエータを必要以上
に小型化せずに、高い応答速度を持つインクジェット記
録装置のインク室を駆動することが可能となり、従来に
比較して数分の1の駆動電圧で、高速にインク滴を吐出
するインクジェット記録装置を実現できるという効果を
有する。
要インク滴の吐出や、インク吐出の不安定性が発生せ
ず、低駆動電圧と高信頼性を両立したインクジェット記
録装置を実現できるという効果を有する。
る。
エータ変位を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
波形の実施例を示した図である。
構造を説明する斜視図である。
ある。
エータ構造を説明する斜視図である。
構造を説明する斜視図である。
駆動電圧波形の一実施例を示した図である。
駆動電圧波形の一実施例を示した図である。
駆動電圧波形の一実施例を示した図である。
波形の一実施例を示した図である。
答を示した図である。
答を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 駆動手段による駆動力で変位し、この駆
動力で励振される第1の振動モードと、この第1の振動
モードより高次な第2の振動モードとを有するアクチュ
エータの駆動方法において、 前記第1の振動モードの周期より短い区間の間に、前記
第2の振動モードを励振するパルス状となる駆動力の立
ち上げと立ち下げを少なくとも一回行い、しかる後に必
要な変位に駆動する駆動力を作用させるものであって、 前記必要な変位に駆動する駆動力が、ステップ状駆動力
に前記第1の振動モードの振動を打ち消すように抑制す
るパルス状駆動力を重畳させてなる ことを特徴とするア
クチュエータの駆動方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記パルス状となる
駆動力の立ち上げと立ち下げの大きさを、前記必要な変
位に駆動する駆動力の大きさより大きくしたことを特徴
とするアクチュエータの駆動方法。 - 【請求項3】 請求項1において、前記アクチュエータ
は、電歪振動子あるいは磁歪振動子からなることを特徴
とするアクチュエータの駆動方法。 - 【請求項4】 請求項1において、前記アクチュエータ
は、縦振動子、横振動子、あるいはねじり振動子である
ことを特徴とするアクチュエータの駆動方法。 - 【請求項5】 インク室を区画形成している周壁の一部
を、アクチュエータで振動させることにより、前記イン
ク室に連通したノズルよりインク滴を吐出するインクジ
ェット記録装置において、 前記アクチュエータは駆動手段による駆動力で変位し、
この駆動力で励振される第1の振動モードと、この第1
の振動モードより高次な第2の振動モードとを有し、前
記第1の振動モードの周期より短い区間の間に、前記第
2の振動モードを励振するパルス状となる駆動力の立ち
上げと立ち下げを少なくとも一回行い、しかる後に必要
な変位に駆動する駆動力を作用させるものであって、 前記必要な変位に駆動する駆動力が、ステップ状駆動力
にパルス状駆動力を重畳させてなる ことを特徴とするイ
ンクジェット記録装置。 - 【請求項6】 請求項5において、前記パルス状となる
駆動力の立ち上げと立ち下げの大きさを、前記必要な変
位に駆動する駆動力の大きさより大きくしたことを特徴
とするインクジェット記録装置。 - 【請求項7】 請求項5において、前記アクチュエータ
は縦振動モードで駆動される電歪振動子で、前記駆動手
段による駆動力は前記電歪振動子に形成された駆動電極
に印加される電圧で与えられることを特徴とするインク
ジェット記録装置。 - 【請求項8】 請求項5において、前記インク室はイン
クの吐出に係わるインク室の振動モードを持ち、前記ア
クチュエータの前記第1の振動モードの固有周期は前記
インク室の振動モードの固有周期より大きく、前記第2
の振動モードの固有周期は前記インク室の振動モードの
固有周期より小さいことを特徴とするインクジェット記
録装置。
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