JP3479636B2 - プリント配線基板材の搬送機構 - Google Patents

プリント配線基板材の搬送機構

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JP3479636B2
JP3479636B2 JP2000257113A JP2000257113A JP3479636B2 JP 3479636 B2 JP3479636 B2 JP 3479636B2 JP 2000257113 A JP2000257113 A JP 2000257113A JP 2000257113 A JP2000257113 A JP 2000257113A JP 3479636 B2 JP3479636 B2 JP 3479636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
材の搬送機構に関する。すなわち、プリント配線基板の
製造工程において用いられ、プリント配線基板材を搬送
しつつ処理液を噴射して表面処理する、プリント配線基
板材の搬送機構に関するものである。 【0002】 【従来の技術】《技術的背景について》 プリント配線基板は、近年ますます小型化,軽量化,フ
ァイン化,極薄化,フレキシブル化,多層化等が著し
く、外表面に形成される回路の高密度化,微細化,高精
度化等が進みつつある。そして、このようなプリント配
線基板は、公知のごとく、絶縁基材に銅箔が張り付けら
れたプリント配線基板材が、→スルホール用の穴あけ加
工,めっき、→感光性レジストの塗布又は張り付け、→
回路用ネガフィルムを当てての露光、→回路部分以外の
感光性レジストを溶融除去する現像、→回路部分以外の
銅箔を溶融除去するエッチング、→回路部分の感光性レ
ジストを溶解除去する剥離、等々の工程を辿って行くこ
とにより、製造される。そして、このようなプリント配
線基板材の現像,エッチング,剥離等の各工程では、プ
リント配線基板材を搬送機構にて搬送しつつ、現像液,
腐食液,剥離液等の処理液を、スプレーノズルにて噴射
し、もってプリント配線基板材について、現像,エッチ
ング,剥離等の薬液処理・表面処理が行われている。
又、このような各工程その他の製造工程では、それぞれ
付随して事後、水洗液よりなる処理液を噴射する洗浄処
理・表面処理が、行われている。 【0003】《従来例について》 図6,図7は、この種従来例のプリント配線基板材の搬
送機構の説明に供し、図6は、搬送ローラーを用いたこ
の種従来例の説明に供し、要部の側面図であり、図7
は、ホイールを用いたこの種従来例の説明に供し、
(1)図は要部の側面図であり、(2)図は平面図であ
る。これらの図面にも示したように、現像,エッチン
グ,剥離等の各工程では、それぞれプリント配線基板材
Aが、図6の例では、搬送機構1の上下多数のストレー
トな搬送ローラー2間に挟まれ、図7の例では、搬送機
構3の上下多数の搬送ホイール4先端間に挟まれて、水
平姿勢で送られ搬送される。これと共に、搬送ローラー
2や搬送ホイール4間に形成された間隔スペース5に対
向配設された多数のスプレーノズル6から、現像液,腐
蝕液,剥離液,又は水洗液等の処理液Bが、搬送される
プリント配線基板材Aに対し噴射される。もってプリン
ト配線基板材Aが、現像,エッチング,剥離,洗浄等、
薬液処理や洗浄処理され、表面処理される。図中7は、
搬送ローラー2や搬送ホイール4の駆動シャフトであ
る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】《第1の問題点》 ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指
摘されていた。まず第1に、図6に示した従来例の搬送
機構1にあっては、搬送されるプリント配線基板材A
が、搬送ローラー2に張付き,巻付いてしまうトラブル
が頻発していた。すなわち、a.プリント配線基板材A
は、前述したように最近軽量化,極薄化が進み、フレキ
シブル性に富んでいる。b.プリント配線基板材Aは、
噴射された処理液Bにて濡れており、付着性を帯びてい
る。c.搬送ローラー2にて上下から挟まれて送られる
ことにより、プリント配線基板材Aに加圧力が作用す
る。d.これに対し搬送機構1の搬送ローラー2は、そ
れぞれ1本のストレートな円柱状をなしている。これら
a,b,c,dにより、搬送されるプリント配線基板材
Aが、例えば、先端部から通過直後の回転駆動される搬
送ローラー2の外周面に対し、ピッタリと張付き,巻付
いてしまう事故が多発していた。図面上では実線表示し
たように、下側の搬送ローラー2の外周面に巻付いた例
が示されているが、破線表示したように、上側の搬送ロ
ーラー2の外周面に巻付くことも多かった。 【0005】このようにプリント配線基板材Aが搬送ロ
ーラー2に巻付くと、そのスムーズな搬送が阻害されて
搬送が不確化し、製造不良が発生する。すなわち、この
ような巻付きに起因して、プリント配線基板材Aが、折
れ曲がったり,折り重なったり,落下したり,損傷した
りすると共に、薬液処理や洗浄処理等の表面処理が、所
期のごとく行われなくなる。このような事態発生は、前
述したようにファイン化が進み、回路の高密度化,微細
化,高精度化が進むプリント配線基板にとって、信頼性
が低下し致命的な欠陥となると共に、歩留まりも悪化し
生産性にも問題が生じていた。図6の従来例の搬送機構
1にあっては、このように巻付きに起因した問題が指摘
されていた。 【0006】《第2の問題点》 次に第2に、図7に示した従来例の搬送機構3にあって
は、搬送されるプリント配線基板材Aの外表面に、傷が
発生するトラブルが頻発していた。すなわち、この搬送
機構3では、その各駆動シャフト7にそれぞれ、所定間
隔ピッチで極く幅狭の多数の搬送ホイール4が、外嵌固
定されると共に、前後の搬送ホイール4間については、
左右方向Cに半ピッチずつずらされつつ、その先端間が
搬送方向Dに重なった位置関係で配設されている。もっ
て、この搬送機構3にあっては、ストレートな搬送ロー
ラー2を用いた搬送機構1について指摘されていた、前
述した第1の巻付き問題は防止されるものの、搬送され
るプリント配線基板材Aの回路形成面・表面処理対象面
たる外表面、例えば塗布された感光性レジストや銅箔に
ついて、搬送ホイール4による接触傷や擦り傷が、発生
し易かった。 【0007】すなわち、a.プリント配線基板材Aは、
前述したように最近軽量化,極薄化が進み、フレキシブ
ル性に富んでいる。b.そしてこのようなプリント配線
基板材Aに対し、処理液Bが噴射されると共に、c.プ
リント配線基板材Aは、回転駆動される極く幅狭の各搬
送ホイール4にて、点接触に近い状態で上下から挟まれ
たり保持されて、搬送される。これらa,b,cによ
り、図5の(2)図の正断面図に示したように、プリン
ト配線基板材Aが、噴射された処理液Bの重量やスプレ
ー圧にて押圧力を受ける。そしてプリント配線基板材A
は、回転駆動されると共に略点接触状態の各搬送ホイー
ル4に対し、集中的に押し付けられつつ搬送され、もっ
て、その回路形成面・表面処理対象面に、搬送ホイール
4との接触傷や擦り傷が発生することが多かった。そし
て、このような事態発生は、前述したように回路の高密
度化,微細化,高精度化が進むプリント配線基板にとっ
て、不良の原因となり致命的な欠陥となると共に、歩留
まりも悪化し生産性にも問題が生じていた。図7の従来
例の搬送機構3にあっては、このように傷に起因した問
題が指摘されていた。 【0008】《第3の問題点》 更に第3に、図7に示した従来例の搬送機構3について
は、薬液処理や洗浄処理等の表面処理の均一性が損なわ
れ、バラツキ現象が発生するという指摘があった。すな
わち、スプレーノズル6から噴射された処理液Bは、搬
送されるプリント配線基板材Aの外表面を左右方向C
(図5の(2)図を参照)に流れた後、プリント配線基
板材Aの左右両サイドから流下する。そして、このよう
に左右方向Cへの処理液Bの流れにより、処理液Bが順
次更新され、もって所期の表面処理が、プリント配線基
板材Aの外表面について均一に実施されるようになって
いる。しかしながら図7の従来例では、プリント配線基
板材Aの外表面に噴射された処理液Bが、各搬送ホイー
ル4間を介し、左右方向C方向と直交する前後の搬送方
向Dへも流れてしまう(図7の(1)図を参照)。つま
り、プリント配線基板材Aの外表面について、間隔スペ
ース5から前後に逸脱した処理液Bの乱流が発生して、
プリント配線基板材Aの中央部等に液溜まりとなって滞
溜してしまい、処理液B更新の妨げとなり易かった。 【0009】そこで、プリント配線基板材Aの回路形成
面・表面処理対象面たる外表面について、表面処理に遅
速・バラツキ現象が発生し、表面処理の全体的均一性が
損なわれる、という指摘があった。このような事態発生
は、回路の高密度化,微細化,高精度化が進むプリント
配線基板にとって、致命的な問題となると共に、歩留ま
りも悪化し生産性にも問題が生じていた。図7の従来例
の搬送機構3にあっては、このように処理液Bの搬送方
向Dへの流れ発生に起因した問題が指摘されていた。 【0010】《本発明について》 本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を
解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果なされたもの
であって、プリント配線基板材の搬送機構について、外
周面が多数の凹部と凸部にて凹凸状をなす特殊な搬送ロ
ーラーを採用すると共に、このような搬送ローラーを、
前後で非接触状態で噛み合うように組み合わせ、かつ上
下でプリント配線基板材を面接触状態で送るようにした
こと、を特徴とする。もって本発明は、第1に、搬送さ
れるプリント配線基板材の巻付きが防止されると共に、
第2に、プリント配線基板材の傷発生も防止され、第3
に、しかもプリント配線基板材の表面処理の均一性が向
上する、プリント配線基板材の搬送機構を提案すること
を目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】《技術的手段について》 このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次の
とおりである。すなわち、このプリント配線基板材の搬
送機構は、プリント配線基板材を搬送しつつ処理液を噴
射して表面処理する、プリント配線基板の製造工程にお
いて用いられ、該プリント配線基板材を挟んで送る上下
多数の搬送ローラーを有している。そして該プリント配
線基板材は、極薄でフレキシブル性に富んでおり、該処
理液は、現像液,腐食液,剥離液,又は水洗液等よりな
り、スプレーノズルから噴射される。該搬送ローラー
は、幅を備えた輪状の凹部や凸部形成用の単位部材が、
シャフトに外嵌固定された集合体よりなり、外周面に凹
部と凸部が左右方向に交互に等ピッチで多数形成され、
もって外周面が凹凸状・略歯型状をなしている。そして
該搬送ローラーは、左右方向に平行に前後の搬送方向に
多数配設されると共に、該スプレーノズルに対向位置し
た該処理液噴射用の間隔スペースを除き、上下で対応配
設されており、該プリント配線基板材を水平姿勢で搬送
する。 【0012】更に、前後の該搬送ローラーは、該処理液
噴射用の間隔スペースを除き、該凹部と凸部が対応位置
して、一方の該凹部内に他方の凸部が噛み合うように遊
挿されると共に、遊挿された該凹部と凸部とは、前後の
間隔と左右の間隙とを存し非接触状態となって、回転可
能な状態で噛み合っており、もって、搬送される該プリ
ント配線基板材の巻付きを防止すべく機能すると共に、
該スプレーノズルから噴射された該処理液が該プリント
配線基板材の外表面を前後の搬送方向に流れず左右方向
のみに流れるよう規制すべく機能する。 【0013】かつ、上下の該搬送ローラーは、該処理液
噴射用の間隔スペースを除き、上下で該凹部と凹部が対
応位置すると共に該凸部と凸部が対応位置しており、上
下の該凸部間において該プリント配線基板材を点接触状
態ではなく面接触状態で挟んで送ると共に、該間隔スペ
ースでは、上下方向反対側の該搬送ローラーの凸部が該
プリント配線基板材を面接触状態で保時して送る。もっ
て、該プリント配線基板材の外表面での接触傷や擦り傷
の発生を防止すべく機能すること、を特徴とする。 【0014】《作用について》 本発明は、このようになっているので、次のようにな
る。この搬送機構では、搬送ローラーが、前後の搬送方
向に多数配設されると共に、処理液噴射用の間隔スペー
スを除き上下で対応配設されており、回転駆動され、も
ってプリント配線基板材を挟んで水平姿勢で搬送する。
そして、この搬送機構で採用された搬送ローラーは、外
周面に凹部と凸部が左右方向に交互に等ピッチで多数形
成されており、もって外周面が凹凸状をなしている。前
後の搬送ローラーは、処理液噴射用の間隔スペースを除
き凹部と凸部が対応位置し、一方の凹部内に他方の凸部
が非接触状態で遊挿されており、回転可能な状態で噛み
合っている。上下の搬送ローラーは、処理液噴射用の間
隔スペースを除き上下で凸部と凸部が対応位置してお
り、プリント配線基板材を面接触状態で挟んで送る。そ
してこの搬送機構は、プリント配線基板の製造工程にお
いて用いられ、極薄でフレキシブルなプリント配線基板
材が搬送ローラーで搬送されると共に、搬送ローラー間
の間隔スペースに対向位置したスプレーノズルから、現
像液,腐食液,剥離液,又は水洗液等の処理液が噴射さ
れて、表面処理される。 【0015】そこで、この搬送機構では第1に、前後の
搬送ローラーの凹部と凸部が噛み合っているので、搬送
されるプリント配線基板材が搬送ローラーに巻付くこと
は、防止される。この点について詳述すると、a.まず
プリント配線基板材は、軽量化,極薄化が進みフレキシ
ブル性に富んでおり、b.しかも、処理液が噴射され濡
らされて付着性に富んでおり、c.更に、上下から挟ん
で送られることにより加圧力が作用する。 これらa,
b,cに起因して、搬送されるプリント配線基板材は、
例えば先端部から、通過直後の搬送ローラーに張付き,
巻付きやすい。すなわち、上下の搬送ローラーの凸部間
に挟まれて送られるプリント配線基板材は、通過直後の
搬送ローラーの各凸部の外周面に、先端部から張付こう
とする。しかしながら、この搬送機構にあっては、この
ような搬送ローラーの各凸部に対し左右方向にて隣接位
置する各凹部には、前後に位置する搬送ローラーの各凸
部が、その回転駆動に伴い順次噛み合う。そこで、ある
搬送ローラーの各凸部の外表面に張付こうとしたプリン
ト配線基板材の先端部は、このように、その搬送ローラ
ーの各凹部に噛み込んでくる前後の搬送ローラーの凸部
に接触することにより、直ちに剥がされる。 このように
して、プリント配線基板材が搬送ローラーの凸部の外周
面に巻付き、もって折れ曲がり,折り重なり,落下し,
損傷することは、防止される。第2に、上下の搬送ロー
ラーの凸部と凸部が、プリント配線基板材を面接触状態
で挟んで送ると共に、間隔スペースでは反対側の搬送ロ
ーラーの凸部が、プリント配線基板材を面接触状態で保
持して送るので、プリント配線基板材の外表面に、接触
傷や擦り傷が発生することはない。この点について詳述
すると、プリント配線基板材の外表面は、回路形成面で
あり、処理液による表面処理の対象面である。そしてプ
リント配線基板材は、軽量化,極薄化が進みフレキシブ
ル性に富んでおり、噴射された処理液の重量やスプレー
圧にて押圧力を受け易い。 これに対しこの搬送機構で
は、上下の搬送ローラーの各凸部と凸部とが、上下から
プリント配線基板材を、点接触状態ではなく面接触状態
で挟んで送る。又、処理液がスプレーノズルから噴射さ
れる間隔スペースでは、噴射とは上下の反対側に位置す
る搬送ローラーの各凸部が、プリント配線基板材を点接
触状態ではなく、面接触状態で保持して送る。 このよう
に、搬送ローラーが各凸部にて、接触面積の広い面接触
状態で、プリント配線基板材を上下から挟んで送った
り、上又は下から保持して送る。そこで、フレキシブル
なプリント配線基板材は、噴射された処理液の重量やス
プレー圧にて押圧力を受けるものの、集中的に点接触状
態で搬送ローラーに押し付けられることは回避され、面
接触状態で送られる。 もって、プリント配線基板材に搬
送ローラーにて接触傷や擦り傷が付けられることは、防
止される。第3に、多くの凸部を備えた搬送ローラーを
採用すると共に、その各凹部に前後の搬送ローラーの凸
部が噛み合っているので、スプレーノズルから噴射され
た処理液は、前後の搬送方向への流れが阻止され、所期
の左右方向のみに流れる。この点について詳述すると、
スプレーノズルから噴射された処理液は、プリント配線
基板材の外表面を、間隔スペース内付近で左右方向に流
れた後、左右両サイドから流下する。そして、このよう
な左右方向への処理液の流れにより、所期の表面処理が
プリント配線基板材の外表面について、均一に実施され
る。 そして、この搬送機構では、このような左右方向へ
の処理液の流れが、確実に実現される。すなわち、噴射
された処理液は、まず、その下流側に位置する搬送 ロー
ラーの各凸部にて、前後の搬送方向への流れが防止され
る。更に、その搬送ローラーの各凹部については、その
下流側や上流側に位置する搬送ローラーの凸部が、順次
噛み込まれてくることにより閉鎖されるので、噴射され
た処理液の前後の搬送方向への流れは、この面からも防
止される。 これらにより、噴射された処理液は所期のご
とく、搬送されるプリント配線基板材の外表面を確実に
左右方向に流れるように、規制される。もってプリント
配線基板材は、表面処理の遅速・バラツキもなく、均一
に表面処理される。 【0016】 【発明の実施の形態】《図面について》 以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づい
て、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4,図5の
(1)図等は、本発明の実施の形態の説明に供する。そ
して図1は、搬送ローラー等の側面図、図2は、搬送ロ
ーラーの平断面図、図3は、搬送ローラー等の他の例の
側面図、図4は、処理室の全体側面図、図5の(1)図
は、搬送ローラー等の正断面図である。図8は、プリン
ト配線基板材の平面説明図である。 【0017】《プリント配線基板Eの製造工程等につい
て》 まず、プリント配線基板Eの製造工程等について、図4
および図8を参照しつつ説明する。本発明のプリント配
線基板材Aの搬送機構8は、プリント配線基板Eの製造
工程において用いられ、処理室9内でプリント配線基板
材Aを搬送しつつ処理液Bを噴射して表面処理する。プ
リント配線基板Eは、広く各種のOA機器用の基板,そ
の他の電子機器用の基板として用いられており、片面基
板,両面基板,多層基板(含、最近のビルドアップ工法
のもの)等、各種のものがあり、その一環として、半導
体チップ・パッケージ絡みのCSP,PBGAも出現し
ている。そしてプリント配線基板Eは、近年ますます小
型化,軽量化,ファイン化,極薄化,フレキシブル化,
多層化等が進み、外表面に形成される回路Fの高密度
化,微細化,高精度化、等が著しい。例えばプリント配
線基板Eの肉厚は、絶縁基材の部分が60μm程度で、
回路F部分が55μmから0.18μm程度まで極薄化
されており、多層基板の場合でも、全体の肉厚が1.0
mmから0.4mm程度まで極薄化されつつある。回路
Fの幅も、70μmから20μm程度と微細化傾向にあ
る。 【0018】そしてプリント配線基板Eは、公知のごと
く、次の工程を順次辿って製造される。まず、樹脂やガ
ラスクロス製の絶縁基材に銅箔が、熱プレス等により張
り付けられた後、銅箔表面を粗化するソフトエッチング
が行われ、ワークサイズに切断される。それから、この
ように準備された銅張り積層板たるプリント配線基板材
Aについて、多くの場合、スルホール用の多数の穴あけ
加工が施された後、パネルめっきが施され、スルホール
内壁がめっきされる。しかる後、プリント配線基板材A
の外表面について、感光保護膜たる感光性レジストが、
膜状に塗布又は張付けられる。(なお、図示例のプリン
ト配線基板材Aは、表面と裏面の両外表面に回路Fが形
成される両面基板タイプよりなり、両面銅張り積層板が
用いられているが、このような図示例によらず、片面の
外表面のみに回路Fが形成される片面基板タイプよりな
り、片面銅張り積層板が用いられるものにも、本発明は
勿論適用される。) 【0019】それから、このようなプリント配線基板材
Aに、回路Fのネガフィルムである回路写真をあてて、
露光する。もって、プリント配線基板材Aの外表面を被
覆していた感光性レジストは、露光されて硬化した回路
形成部分を残し、他の不要部分が、処理液Bたる現像液
の噴射により溶解除去される。しかる後、このようなプ
リント配線基板材Aの外表面の銅箔は、感光性レジスト
が硬化して被覆,保護された回路形成部分を残し、上述
により感光性レジストが溶解除去された不要部分が、処
理液Bたる腐食液・エッチング液の噴射により、溶解除
去・エッチングされる。それから、残っていた硬化した
回路形成部分の感光性レジストが、処理液Bたる剥離液
の噴射により溶解除去されるので、残った回路形成部分
の銅箔にて、プリント配線基板材Aの外表面に所定の回
路Fが形成され、もってプリント配線基板Eが製造され
る。なお、このような工程を辿って製造されたプリント
配線基板Eについては、後処理工程として上述した工程
に準じ、形成された回路Fの保護被膜が、感光性レジス
トにて形成される。 【0020】さて、このようなプリント配線基板材Aの
現像,エッチング,剥離等の各工程では、図4の左部に
示したように、それぞれの処理室9内で、プリント配線
基板材Aが、搬送機構8にて水平姿勢で搬送方向Dに搬
送される。これと共に、処理室9内に上下に対向配設さ
れた多数のスプレーノズル10から現像液,腐蝕液,剥
離液等の処理液Bが、搬送されるプリント配線基板材A
に対し噴射され、もってプリント配線基板材Aが、現
像,エッチング,剥離等の薬液処理・表面処理される。
又、このような現像,エッチング,剥離の各工程、更に
はその前処理工程を含むその他の製造工程では、それぞ
れ付随して事後、洗浄処理・表面処理が行われる。例え
ば、図4の右部に示したように、洗浄用の処理室9内に
おいては、プリント配線基板材Aを搬送しつつ、水洗液
たる処理液Bがスプレーノズル10から噴射され、もっ
て洗浄処理・表面処理が行われる。 【0021】なお、処理室9内で各スプレーノズル10
から噴射された現像液,腐蝕液,剥離液,水洗液等の処
理液Bは、搬送されるプリント配線基板材Aの外表面を
左右方向Cたる幅方向に流れ、もってプリント配線基板
材Aを、薬液処理や洗浄処理等の表面処理した後、処理
室9の下部に形成された液槽11に、流下,回収,貯留
される。液槽11に貯留された処理液Bは、その多く
が、配管12やポンプ13を介し、スプレーパイプ14
へと圧送されて、循環使用される。プリント配線基板E
の製造工程等は、このようになっている。 【0022】《搬送機構8について》 本発明のプリント配線基板材Aの搬送機構8は、このよ
うなプリント配線基板Eの製造工程において、プリント
配線基板材Aを表面処理する処理室9にて使用される。
以下、このような搬送機構8について、図1,図2,図
3,図4,図5の(1)図等を参照しつつ、説明する。
この搬送機構8は、プリント配線基板Eの製造工程にお
いて用いられ、プリント配線基板材Aを搬送しつつ処理
液Bを噴射して表面処理し、プリント配線基板材Aを挟
んで送る上下の多数の搬送ローラー15を有してなる。
このプリント配線基板材Aは、極薄でフレキシブル性に
富んでいる。処理液Bは、現像液,腐食液,剥離液,又
は水洗液等よりなり、搬送ローラー15間に形成された
間隔スペース16に対向位置したスプレーノズル10か
ら噴射される。スプレーノズル10は、各間隔スペース
16毎に、図5の(1)図の正断面図に示したように、
左右方向Cに複数個ずつ配設されている。 【0023】搬送機構8の搬送ローラー15は、まず、
各々左右方向Cに平行に沿いつつ、前後の搬送方向Dに
向け多数配設されると共に、処理液B噴射用の間隔スペ
ース16を除き上下で対応配設されており、駆動源(図
示せず)にて回転駆動されて、プリント配線基板材Aを
水平姿勢で搬送する。すなわち、搬送ローラー15の左
右方向Cの幅寸法は、図5の(1)図に示したように、
プリント配線基板材Aの左右方向Cの幅寸法より、長く
設定されている。そして、図1,図3,図4等に示した
ように、処理室9内において搬送ローラー15は、前後
の搬送方向Dに図示例では3本1組で用いられており、
各組間には、1本分弱の間隔スペース16が形成され搬
送ローラー15は除かれている。又、搬送されるプリン
ト配線基板材Aを介し、上位の搬送ローラー15と下位
の搬送ローラー15とは、搬送方向Dにピッチがずれて
おり、間隔スペース16形成位置もずれている。図示例
では、上位の3本1組の搬送ローラー15の中央のもの
に、下位の間隔スペース16が対応位置しており、下位
の3本1組の搬送ローラー15の中央のものに、上位の
間隔スペース16が対応位置している。 【0024】《搬送ローラー15の構成について》 そして、この搬送機構8の搬送ローラー15は、次のよ
うに構成されている。すなわち、図2の平断面図や図5
の(1)図の正断面図に示したように、この搬送ローラ
ー15は、外周面に凹部17と凸部18が、左右方向C
に交互に等ピッチで多数形成されており、外周面が凹凸
状・略歯型状をなす。凸部18は、例えば左右方向Cの
幅が14mmで、上下方向の直径が40mm程度の外輪
状をなし、凹部17は、例えば左右方向の幅が凸部18
より僅かに長く、上下方向の直径は12mm程度の内輪
状をなす。このような凹部17や凸部18が固定される
駆動シャフト19の直径は、8mm程度である。 【0025】搬送ローラー15に関し、このような凹部
17や凸部18の形成方式については、各種考えられ
る。例えば、各凹部17と凸部18とを左右方向Cに交
互に連続的に一体成形し、中心に形成された貫通穴20
に、駆動シャフト19を嵌挿,固定するようにしてもよ
い。これに対し、図5の(1)図に示した例の搬送ロー
ラー15は、駆動シャフト19に対し、凹部17や凸部
18形成用の多数の単位部材21が、外嵌固定された集
合体よりなる。この図5の(1)図の例では、単位部材
21は、1個の凸部18と、その左右に半分の凹部17
と、を備えてなり、中心の貫通穴20に駆動シャフト1
9が嵌挿,固定される。そして、このような単位部材2
1が、左右方向Cに連続的に結合され集合されている。
このように単位部材21を集合させてなる搬送ローラー
15については、更にその他の例も可能である。例え
ば、凹部17専用の単位部材21と凸部18専用の単位
部材21とを、用いるようにした例も可能であり、又、
2〜3個の凹部17と凸部18とを集合させて、1個の
単位部材21とした例も考えられる。いずれにしても、
1本の搬送ローラー15につき例えば30個程度の凹部
17と凸部18とが形成されている。 【0026】《搬送ローラー15の前後関係について》 次に、搬送ローラー15の前後のもの相互間の関係につ
いては、次のとおり。図2の平断面図、更には図1,図
3の側面図等に示したように、前後の搬送ローラー15
は、前述した処理液B噴射用の間隔スペース16を除
き、回転駆動可能な状態で噛み合っている。すなわち、
処理液B噴射用の間隔スペース16を除き、前後の搬送
ローラー15間では、凹部17と凸部18が対応位置し
て、一方の凹部17内に他方の凸部18が噛み合うよう
に遊挿されると共に、遊挿された凹部17と凸部18と
は、前後の間隔Gと左右の間隙Hとが存し、非接触状態
となっている。 【0027】このような、搬送ローラー15の前後関係
について、更に詳述する。図示例では、3本1組で用い
られた上位および下位の搬送ローラー15は、それぞ
れ、搬送方向Dに沿い1本目の搬送ローラー15の凹部
17や凸部18と、2本目の搬送ローラー15の凸部1
8や凹部17とが、噛み合う位置関係に設定されてい
る。同様に、2本目の搬送ローラー15の凸部18や凹
部17と、3本目の搬送ローラー15の凹部17や凸部
18とが、噛み合う位置関係に設定されている。つま
り、隣接する搬送ローラー15相互間では、凹部17と
凸部18とが対応位置するように、ピッチがずらされる
と共に、このように対応位置した凹部17と凸部18と
は、接近して噛み合わされている。そして、このような
噛み合いは、非接触状態で実現されている。すなわち図
2に示したように、噛み合った搬送ローラー15間にお
いて、一方の凹部17と他方の凸部18間には、前後の
搬送方向Dに少なくとも例えば5mm程度以上の間隔G
が形成される。一方の凸部18と他方の凸部18間に
も、左右方向Cに例えば1mm程度以上の間隔Hが形成
される(図2の図面では、間隔Hの正確な表示は省略さ
れており、間隔Hは1本の線として表現されている)。 【0028】ところで間隔Gは、図1,図2の図示例で
は小さく、図3の図示例では大きく、形成されている。
すなわち、図1,図2の例の搬送機構8は、搬送される
プリント配線基板材Aの肉厚が極めて薄く(例えば60
μm程度)、搬送ローラー15への巻付きが極めて発生
し易い場合に、用いられる。もって、噛み合う搬送ロー
ラー15間の搬送方向Dの間隔G、つまり噛み合う一方
の凹部17と他方の凸部18間の間隔Gは、小さく(例
えば2〜4mm程度に)設定されている。つまり、噛み
合う搬送ローラー15間において、相互の凸部18どう
しは、大きく・深く噛み合っており、前後の搬送方向D
の相互間の噛み合い距離・オーバーラップ寸法は大きく
(例えば10mm前後程度)となっている。 【0029】これに対し図3の例の搬送機構8は、搬送
されるプリント配線基板材Aの肉厚が、図1,図2の例
よりは厚い(例えば100mm前後程度)場合に、用い
られる。そこで、搬送ローラー15間の間隔G、つまり
噛み合う凹部17と凸部18間の間隔Gは、図1,図2
の例よりは大きく(例えば10mm前後程度)設定され
ている。つまり、噛み合う搬送ローラー15間におい
て、相互の凸部18どうしは、小さく・浅く噛み合って
おり、前後の搬送方向Dの相互間の噛み合い距離・オー
バーラップ寸法は小さく(例えば5mm前後程度)とな
っている。このように、搬送されるプリント配線基板材
Aの肉厚の大小に応じ、搬送ローラー15について、噛
み合いの間隔Gの小大、そして噛み合い距離・オーバー
ラップ寸法の大小が、変更設定される。搬送ローラー1
5間の前後関係は、このようになっている。 【0030】《搬送ローラー15の上下関係について》 次に、搬送ローラー15の上下のもの相互間の関係につ
いては、次のとおり。図1や図3の側面図に示したよう
に、処理液B噴射用の間隔スペース16を除き、上下の
搬送ローラー15間では、上下で凹部17と凹部17が
対応位置すると共に、凸部18と凸部18が対応位置し
ている。もって、このように対応位置した上下の搬送ロ
ーラー15間では、上下の凸部18間において、プリン
ト配線基板材Aを面接触状態で挟んで送るようになって
いる。 【0031】このような、搬送ローラー15の上下関係
について、更に詳述する。図示例では、3本1組で用い
られた上位および下位の搬送ローラー15は、まず、上
下それぞれの間隔スペース16形成箇所では、対応した
反対側の搬送ローラー15は、単独で用いられている。
これに対し、間隔スペース16形成箇所以外では、上下
の搬送ローラー15は対応位置しており、上下で凹部1
7と凹部17とが対応位置すると共に、凸部18と凸部
18とが対応位置する関係に設定されている。そこで、
このように対応位置する上下の搬送ローラー15の凸部
18が、それぞれ上下からプリント配線基板材Aに面接
触し、プリント配線基板材Aを、上下から挟みつつ回転
駆動されることにより、搬送方向Dに送るようになって
いる。搬送ローラー15間の上下関係は、このようにな
っている。 【0032】《作動等について》 本発明は、以上説明したように構成されている。そこで
以下のようになる。この搬送機構8では、搬送ローラー
15が、左右方向Cに平行に前後の搬送方向Dに多数配
設されると共に、処理液B噴射用の間隔スペース16を
除き上下で対応配設されており、回転駆動されて、プリ
ント配線基板材Aを、挟んで送り水平姿勢で搬送する
(図4等を参照)。そして、この搬送機構8で採用され
た搬送ローラー15は、外周面に凹部17と凸部18が
左右方向Cに交互に等ピッチで多数形成されており、も
って外周面が凹凸状をなしている(図2を参照)。この
搬送ローラー15は、例えば、駆動シャフト19に対し
凹部17や凸部18形成用の多数の単位部材21が、外
嵌固定された集合体よりなる(図5の(1)図を参
照)。そして、搬送方向Dたる前後の搬送ローラー15
間では、処理液B噴射用の間隔スペース16を除き、凹
部17と凸部18が対応位置して、一方の凹部17内に
他方の凸部18が噛み合うように遊挿されると共に、遊
挿された凹部17と凸部18とは、前後の間隔Gと左右
の間隙Hとを存し非接触状態となっている。このように
前後の搬送ローラー15は、回転可能な状態で噛み合っ
ている(図1,図2,図3等を参照)。これに対し、上
下の搬送ローラー15間では、処理液B噴射用の間隔ス
ペース16を除き、上下で凹部17と凹部17が対応位
置すると共に、凸部18と凸部18が対応位置してお
り、凸部18間において、プリント配線基板材Aを面接
触状態で挟んで送る(図1,図3,図4等を参照)。 【0033】そして、このような特殊な搬送ローラー1
5を採用した本発明の搬送機構8は、プリント配線基板
E(図8を参照)の製造工程において用いられる。そし
て、極薄でフレキシブル性に富んだプリント配線基板材
Aが、このような搬送機構8の搬送ローラー15で搬送
されると共に、搬送ローラー15間の間隔スペース16
に対向位置したスプレーノズル10から、搬送されるプ
リント配線基板材Aに対し、現像液,腐食液,剥離液,
又は水洗液等の処理液Bが、噴射される。そして処理液
Bは、プリント配線基板材Aの外表面を左右方向C(左
方向又は右方向)に流れた後、左右両サイドから流下す
るが、このような処理液Bの流れにより、プリント配線
基板材Aが表面処理される。 【0034】《第1に、巻付き防止について》 さてそこで、このプリント配線基板材Aの搬送機構8に
あっては、次の第1,第2,第3のようになる。第1
に、この搬送機構8では、前後の搬送ローラー15を、
凹部17と凸部18が噛み合うように組み合わせてな
る。そこで、搬送されるプリント配線基板材Aが、例え
ば通過直後の搬送ローラー15の外周面等に巻付くこと
は、その前後の搬送ローラー15により、確実に防止さ
れる。 【0035】このような巻付き防止について、更に詳述
する。a.まずプリント配線基板E用のプリント配線基
板材Aは、軽量化,極薄化が進みフレキシブル性に富ん
でいる。b.しかもこのようなプリント配線基板材A
は、処理液Bが噴射され濡らされており、付着性に富ん
でいる。c.そして搬送されるプリント配線基板材A
は、上下から挟んで送られることにより、加圧力が作用
する。これらa,b,cに起因して、搬送されるプリン
ト配線基板材Aは、例えば先端部から、通過直後の搬送
ローラー15(2)の外周面に対し、その下流側から張
付き、もって巻付きやすいが(この種従来例に関する図
6も参照)、この搬送機構8によると、このような巻付
きは確実に防止される。すなわち、回転駆動される上下
の搬送ローラー15の凸部18間に挟まれて送られるプ
リント配線基板材Aは、通過直後の搬送ローラー15の
各凸部18の外周面に、先端部から張付こうとする。 【0036】しかしながら、このような搬送ローラー1
5の各凸部18に対し、左右方向Cにて隣接位置する各
凹部17には、搬送方向Dの前後に位置する搬送ローラ
ー15の各凸部18が、その回転駆動に伴い順次噛み合
う。そこで、上述によりある搬送ローラー15の各凸部
18の外表面に張付こうとしたプリント配線基板材Aの
先端部は、このように、その搬送ローラー15の各凹部
17に噛み込んでくる前後の搬送ローラー15の凸部1
8に接触することにより、直ちに剥がされる。このよう
にして、搬送されるプリント配線基板材Aが、回転駆動
される搬送ローラー15の凸部18の外周面に巻付くこ
とは、防止される。 【0037】《第2に、傷発生防止について》 第2に、この搬送機構8では、上下の搬送ローラー15
の各凸部18と凸部18が、プリント配線基板材Aを面
接触状態で挟んで送る。又、間隔スペース16では、上
下方向反対側の搬送ローラー15の各凸部18が、プリ
ント配線基板材Aを面接触状態で保持して送る。そこ
で、プリント配線基板材Aの外表面に接触傷や擦り傷が
発生することは、確実に防止される。 【0038】このような傷発生防止について、更に詳述
する。プリント配線基板材Aの外表面は、回路F(図8
を参照)形成面であり、処理液Bによる表面処理の対象
面である。そしてプリント配線基板材Aは、前述したよ
うに軽量化,極薄化が進み、フレキシブル性に富んでい
る。そこでプリント配線基板材Aは、噴射された処理液
Bの重量やスプレー圧にて、押圧力を受け易い。これに
対し、この搬送機構8では、回転駆動される上下の搬送
ローラー15の各凸部18と凸部18とが、上下からプ
リント配線基板材Aを、点接触状態ではなく、面接触状
態で挟んで送る。又、処理液Bがスプレーノズル14か
ら噴射される間隔スペース16では、噴射とは上下の反
対側に位置する搬送ローラー15の各凸部18が、その
回転駆動により、プリント配線基板材Aを点接触状態で
はなく(図5の(2)図を参照)、面接触状態で保持し
て送る(図5の(1)図と(2)図とを比較対照、更に
図1,図3も参照) 【0039】このように、この搬送機構8では、搬送ロ
ーラー15が各凸部18にて、接触面積の広い面接触状
態で、プリント配線基板材Aを上下から挟んで送った
り、上又は下から保持して送る。そこで、搬送されるフ
レキシブルなプリント配線基板材Aは、噴射された処理
液Bの重量やスプレー圧にて押圧力を受けるものの、集
中的に点接触状態で、搬送ローラー15に押し付けられ
ることは回避される。プリント配線基板材Aは、回転駆
動される搬送ローラー15にて、面接触状態で送られ
る。もって、プリント配線基板材Aの外表面に、搬送ロ
ーラー15にて接触傷や擦り傷が付けられることは、確
実に防止される。 【0040】《第3に、処理液Bの流れについて》 第3に、この搬送機構8では、多くの凸部18を備えた
搬送ローラー15を採用すると共に、その各凹部17に
対し前後の搬送ローラー15の凸部18が噛み合よう
に、組み合わせてなる。そこで、スプレーノズル10か
ら噴射された処理液Bは、このような搬送ローラー15
の存在により前後の搬送方向Dへの流れが阻止され、所
期のごとく左右方向Cのみに流れるよう規制される。 【0041】このような処理液Bの流れについて、更に
詳述する。スプレーノズル10から噴射された処理液B
は、搬送されるプリント配線基板材Aの外表面を、間隔
スペース16内付近で左右方向Cに流れた後、プリント
配線基板材Aの左右両サイドから流下する。そして、こ
のような左右方向Cへの処理液Bの流れにより、処理液
Bが順次更新され、もって所期の表面処理が、プリント
配線基板材Aの外表面について、均一に実施されるよう
になっている。そして、この搬送機構8では、このよう
な左右方向Cへの処理液Bの流れが、確実に実現され
る。 【0042】すなわち、間隔スペース16にてスプレー
ノズル10から噴射された処理液Bは、まず第1段階と
して、その下流側に位置する搬送ローラー15の各凸部
18にて、前後の搬送方向Dへの流れが防止される(図
1,図3を参照)。更に第2段階として、その搬送ロー
ラー15の各凹部17については、その下流側や上流側
に位置する搬送ローラー15の凸部18が、順次噛み込
まれてくることにより、閉鎖される。このように、その
搬送ローラー15の各凹部17も閉鎖されるので、噴射
された処理液Bの前後の搬送方向Dへの流れは、この面
からも防止される(図2を参照)。このような第1段階
と第2段階の組み合わせにより、スプレーノズル10か
ら噴射された処理液Bは、所期のごとく間隔スペース1
6内付近において、搬送されるプリント配線基板材Aの
外表面を、確実に左右方向Cに流れるように規制され
る。 【0043】 【発明の効果】本発明に係るプリント配線基板材の搬送
機構は、以上説明したように、外周面が多数の凹部と凸
部にて凹凸状をなす特殊な搬送ローラーを採用すると共
に、このような搬送ローラーを、前後で非接触状態で噛
み合うように組み合わせ、かつ上下でプリント配線基板
材を面接触状態で送るようにしたこと、を特徴とする。
もって本発明は、次の効果を発揮する。 【0044】《第1の効果》 第1に、搬送されるプリント配線基板材の巻付きが、防
止される。すなわち、このプリント配線基板材の搬送機
構では、前後の搬送ローラーを、その凹部と凸部が噛み
合うように組み合わせてなる。そこで、搬送されるプリ
ント配線基板材が、例えば、先端部から通過直後の回転
駆動される搬送ローラーの外周面に張付き,巻付くこと
は、その前後の搬送ローラーにて、確実に防止される。
つまり、ストレートな搬送ローラーを用いた前述したこ
の種従来例のように、搬送されるプリント配線基板材
が、例えば先端部から通過直後の搬送ローラーの外周面
に張付き,巻付き、もって折れ曲がり,折り重なり,落
下し,損傷することは、回避される。このようにプリン
ト配線基板材は、スムーズに搬送されるようになり、現
像,エッチング,剥離等の薬液処理や洗浄処理等の表面
処理が、所期のとおり実施されるようになる。 【0045】《第2の効果》 第2に、これと共にプリント配線基板材の傷発生も、防
止される。すなわち、このプリント配線基板材の搬送機
構では、上下の搬送ローラーの各凸部と凸部が、プリン
ト配線基板材を面接触状態で挟んで送り、又、間隔スペ
ースでは反対側の搬送ローラーの各凸部が、プリント配
線基板材を面接触状態で保持して送る。そこで、搬送さ
れるプリント配線基板材の回路形成面・表面処理対象面
たる外表面、例えば塗布された感光性レジストや銅箔
に、搬送ローラーによる接触傷や擦り傷が発生すること
は、確実に防止される。つまり、搬送ホイールを用いた
前述したこの種従来例のように、搬送されるプリント配
線基板材が略点接触状態で各搬送ホイールに集中的に押
し付けられ、もって接触傷や擦り傷がついてしまうよう
なことは、回避される。 【0046】《第3の効果》 第3に、しかもプリント配線基板材の表面処理の均一性
が、向上する。すなわち、このプリント配線基板材の搬
送機構では、凸部を備えた搬送ローラーを採用すると共
に、その凹部に前後の搬送ローラーの凸部が噛み合うよ
うに組み合わせてなる。そこで、スプレーノズルから噴
射された処理液は、このような搬送ローラーの存在に
て、間隔スペース内付近においてプリント配線基板材の
外表面を、左右方向のみに流れるよう規制される。 【0047】つまり、搬送ホイールを用いた前述したこ
の種従来例のように、噴射された処理液が、左右方向と
直交する前後の搬送方向へも乱流となって流れ、プリン
ト配線基板材の中央部等に液溜りとなって滞溜して、処
理液更新の妨げとなるようなことは、回避される。もっ
て本発明では、プリント配線基板材の回路形成面・表面
処理対象面たる外表面について、表面処理の遅速・バラ
ツキ現象が解消され、表面処理の全体的な均一性が、確
実に確保される。 【0048】《効果の組み合わせ》 本発明のプリント配線基板材の搬送機構にあっては、こ
のように、第1に、巻付きが防止されると同時に、第2
に、傷発生も防止され、第3に、表面処理の均一性も向
上する。つまり、本発明によると、前述したこの種従来
例では同時達成が困難とされていた3点の効果が、初め
て同時達成される。そして、このような3点の効果の同
時発揮は、小型化,軽量化,ファイン化,極薄化,フレ
キシブル化,多層化が進むプリント配線基板(材)につ
いて、特に高密度化,微細化,高精度化が著しいその回
路にとって、極めて意義が大である。更に、不良が減少
し歩留まりが良くなり、生産性が向上する等、コスト面
の効果も大なるものがある。このように、この種従来例
に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する
効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るプリント配線基板材の搬送機構に
ついて、発明の実施の形態の説明に供し、搬送ローラー
等の側面図である。 【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、搬送ローラ
ーの平断面図である。 【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、搬送ローラ
ー等の他の例の側面図である。 【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、処理室の全
体側面図である。 【図5】(1)図は、同発明の実施の形態の説明に供
し、搬送ローラー等の正断面図であり、(2)図は、ホ
イールを用いたこの種従来例の説明に供する、正断面図
である。 【図6】搬送ローラーを用いたこの種従来例の説明に供
する、要部の側面図である。 【図7】ホイールを用いたこの種従来例の説明に供し、
(1)図は要部の側面図であり、(2)図は平面図であ
る。 【図8】プリント配線基板材の平面説明図である。 【符号の説明】 1 搬送機構(従来例のもの) 2 搬送ローラー(従来例のもの) 3 搬送機構(従来例のもの) 4 搬送ホイール 5 間隔スペース(従来例のもの) 6 スプレーノズル(従来例のもの) 7 駆動シャフト(従来例のもの) 8 搬送機構(本発明のもの) 9 処理室 10 スプレーノズル 11 液槽 12 配管 13 ポンプ 14 スプレーパイプ 15 搬送ローラー(本発明のもの) 16 間隔スペース(本発明のもの) 17 凹部 18 凸部 19 駆動シャフト(本発明のもの) 20 貫通穴 21 単位部材 A プリント配線基板材 B 処理液 C 左右方向 D 搬送方向 E プリント配線基板 F 回路 G 間隔 H 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 13/00 B05B 13/02 B05D 3/00 B05D 7/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 プリント配線基板材を搬送しつつ処理液
    を噴射して表面処理する、プリント配線基板の製造工程
    において用いられ、該プリント配線基板材を挟んで送る
    上下多数の搬送ローラーを有してなり、 該プリント配線基板材は、極薄でフレキシブル性に富ん
    でおり、該処理液は、現像液,腐食液,剥離液,又は水
    洗液等よりなり、スプレーノズルから噴射され、 該搬送ローラーは、幅を備えた輪状の凹部や凸部形成用
    の単位部材が、シャフトに外嵌固定された集合体よりな
    り、外周面に凹部と凸部が左右方向に交互に等ピッチで
    多数形成され、もって外周面が凹凸状・略歯型状をなし
    ており、 該搬送ローラーは、左右方向に平行に前後の搬送方向に
    多数配設されると共に、該スプレーノズルに対向位置し
    た該処理液噴射用の間隔スペースを除き、上下で対応配
    設されており、該プリント配線基板材を水平姿勢で搬送
    し、 更に、前後の該搬送ローラーは、該処理液噴射用の間隔
    スペースを除き、該凹部と凸部が対応位置して、一方の
    該凹部内に他方の凸部が噛み合うように遊挿されると共
    に、遊挿された該凹部と凸部とは、前後の間隔と左右の
    間隙とを存し非接触状態となって、回転可能な状態で噛
    み合っており、もって、搬送される該プリント配線基板
    材の巻付きを防止すべく機能すると共に、該スプレーノ
    ズルから噴射された該処理液が該プリント配線基板材の
    外表面を前後の搬送方向に流れず左右方向のみに流れる
    よう規制すべく機能し、 かつ、上下の搬送ローラーは、該処理液噴射用の間隔ス
    ペースを除き、上下で該凹部と凹部が対応位置すると共
    に該凸部と凸部が対応位置しており、上下の該凸部間に
    おいて該プリント配線基板材を点接触状態ではなく面接
    触状態で挟んで送ると共に、該間隔スペースでは、上下
    方向反対側の該搬送ローラーの凸部が該プリント配線基
    板材を面接触状態で保持して送り、もって、該プリント
    配線基板材の外表面での接触傷や擦り傷の発生を防止す
    べく機能すること、を特徴とするプリント配線基板材の
    搬送機構。
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