JP3479236B2 - 基板用パターン形成方法 - Google Patents

基板用パターン形成方法

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JP3479236B2
JP3479236B2 JP14436999A JP14436999A JP3479236B2 JP 3479236 B2 JP3479236 B2 JP 3479236B2 JP 14436999 A JP14436999 A JP 14436999A JP 14436999 A JP14436999 A JP 14436999A JP 3479236 B2 JP3479236 B2 JP 3479236B2
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  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体集
積回路,量子機能素子等を製造する際に適用されると共
に、基板上に微細なパターンを形成するための基板用パ
ターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路や量子機能素子の
製造に際しては、基板上に微細なパターンを形成するた
めの基板用パターン形成方法として、一般的に高エネル
ギー線を利用したリソグラフィによる微細加工技術を採
用している。
【0003】この微細加工技術においては、基板上に形
成した感光性材料薄膜に対して高エネルギー線を照射す
ることで潜像を形成し、これを現像することで基板上に
微細パターンを形成している。感光性材料としては、高
エネルギー線を照射された部位が現像時に溶解して未照
射部位がパターンとなるポジ型のものと、高エネルギー
線が照射されない部位が現像処理で溶解して照射部位が
パターンとなるネガ型のものとがある。
【0004】通常、昨今の微細化が進んだ半導体集積回
路や微細構造を有する量子機能素子を製造する場合、ポ
ジ型感光性材料やネガ型感光性材料の選択はスループッ
トを考慮して行われる。即ち、ポジ型かネガ型かの選択
は、高エネルギー線の照射時間が少なくなることを留意
してなされるが、何れにしても微細パターン形成には感
光性材料の選択が重要な要素となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した半導体集積回
路や量子機能素子の製造に適用される基板用パターン形
成方法の場合、微細パターン形成で要求される寸法が益
々微細化されるに伴い、感光性材料に対する様々な問題
点が顕在化している。
【0006】具体的に言えば、ネガ型感光性材料の場
合、従来のノボラック系高分子ポリマーに電子線を照射
して現像処理することで微細パターンを形成すると、文
献[吉村等、アプライド・フィジクス・レターズ(Ap
plied PhysicsLetters)第63巻
第734頁、1993年]により明らかにされているよ
うに、パターンサイズを100nm以下まで微細化すれ
ば10nm幅程のパターンラフネスを生じてしまうとい
う問題がある。これは、パターン形成の微細化が進むこ
とにより、パターンサイズが感光性材料を構成する高分
子の大きさに近づいたことに起因すると考えられてい
る。パターンラフネスは、半導体素子形成時にパターン
寸法の揺らぎの原因になり、これが素子特性のばらつき
や劣化を引き起こす要因となっている。
【0007】こうした微細パターン形成におけるパター
ンラフネス生成の問題を解決する方法として、文献[藤
田ら、アプライド・フィジクス・レターズ(Appli
edPhysics Letters)第68巻9号第
1297頁、1996年]によれば、感光性材料の分子
サイズを小さくすることが有効であり、一例として分子
サイズが1nm程度と非常に小さな分子であるカリック
スアレーン化合物を感光性材料として用いることが報告
されている。このカリックスアレーン化合物は、複数の
芳香環がメチレン架橋を介して環状構造を形成するメタ
シクロファンの一種であり、一般的にはフェノール類と
ホルマリンとの縮合反応により得られる環状のフェノー
ル樹脂が良く知られている。又、同様にカリックスアレ
ーン化合物を用いた例として、特公平7−23340号
公報には、p―メチルカリックスアレーンのアセチル化
合物、具体的にはp―メチルカリックス[6]アレーン
のアセチル化合物を感光性材料としてパターン形成する
旨が記載されている。
【0008】ところが、p―メチルカリックス[6]ア
レーンのアセチル化物を感光性材料(レジストパターン
材料)として使用した微細パターン形成では、nmオー
ダのパターンラフネス生成を十分に抑制できないため、
結果としてこうした場合には素子特性のばらつきや劣化
を十分に防止できず、素子特性の向上に影響を及ぼさな
いという問題がある。
【0009】本発明は、このような問題を解決すべくな
されたもので、その技術的課題は、nmオーダのパター
ンラフネスの生成を十分に抑制できて素子特性の顕著な
向上に寄与し得る基板用パターン形成方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、カリッ
クス[7]アレーン化合物を90重量%以上含有するネ
ガ型レジストパターン材料を使用して基板上にカリッ
クス[7]アレーン化合物を主成分とする薄膜を形成す
る薄膜形成工程と、薄膜の所望領域に高エネルギー線を
照射して該薄膜に潜像を形成する潜像形成工程と、潜像
が形成された薄膜に対して該潜像が形成された領域以外
の領域を選択的に現像液に溶解させてパターンを形成す
るパターン形成工程とから選ばれる少なくとも1つの工
程を含み、基板上に薄膜に基づいて100nm以下の
細パターンを1〜2nmの低パターンラフネスを示すよ
うに形成する基板用パターン形成方法が得られる。
【0011】この基板用パターン形成方法において、潜
像形成工程で使用する高エネルギー線を、電子線,X
線,イオンビームの何れか一つとすることは好ましい。
【0012】又、本発明によれば、上記何れか一つの基
板用パターン形成方法において、薄膜形成工程で使用す
ネガ型レジストパターンは、p−メチルヘプタアセト
キシカリックス[7]アレーンを90重量%以上含有し
て成るものである基板用パターン形成方法が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の基
板用パターン形成方法について、図面を参照して詳細に
説明する。
【0014】最初に、本発明の基板用パターン形成方法
の技術的背景及び概要を簡単に説明する。本発明者等
は、パターンラフネスの高度な低減を目的として、先ず
上述した特公平7−23340号公報に開示されている
種々のカリックスアレーン化合物の性状を調べるために
分析を行った。その結果、通常の方法で得られるp−メ
チルヘプタアセトキシカリックス[7]アレーンは、環
サイズの異なる複数種類のカリックスアレーン化合物の
混合物であるという知見を得た。そして、単一環サイズ
のp−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレー
ンを高純度で得る方法を特願平10−360223号で
見い出し、この方法で得られた純度90重量%以上から
なるp−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレ
ーンを用いてパターンラフネス生成の度合いについて鋭
意研究した結果、カリックス[7]アレーン化合物を感
光性材料として使用して微細パターンを形成すると、分
子サイズのみならず、感光性材料分子の対称性がパター
ンラフネス生成の低減に有効であることを見い出した。
【0015】そこで、本発明の基板用パターン形成方法
の基本的な技術的要旨は、カリックス[7]アレーン化
合物を90重量%以上含有するネガ型レジストパターン
材料を使用して基板上にカリックス[7]アレーン化合
物を主成分とする薄膜を形成する薄膜形成工程と、薄膜
の所望領域に高エネルギー線を照射して薄膜に潜像を形
成する潜像形成工程と、潜像が形成された薄膜に対して
潜像が形成された領域以外の領域を選択的に現像液に溶
解させてパターンを形成するパターン形成工程とから選
ばれる少なくとも1つの工程を含み、基板上に薄膜に基
づいて100nm以下の微細パターンを1〜2nmの
パターンラフネスを示すように形成するものである。
又、この基板用パターン形成方法の他の技術的要旨は、
潜像形成工程で使用する高エネルギー線を電子線,X
線,イオンビームの何れか一つとするものである。更
に、この基板用パターン形成方法の別な技術的要旨は、
薄膜を形成するネガ型レジストパターン材料として、p
−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレーンを
90重量%以上含有して成る材料を用いるものである。
【0016】こうした基板用パターン形成方法に従っ
て、カリックス[7]アレーン化合物を感光性材料(レ
ジストパターン材料)として使用して微細パターンを形
成すると、100nm以下の微細パターンを形成したと
きに生成されるパターンラフネスを例えば1〜2nm程
度という極めて低いレベルまで低減することが可能とな
る。p−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレ
ーンのような7個の芳香環から環が構成されるカリック
ス[7]アレーン化合物は、その分子の大きさが1nm
程度であるばかりでなく、その環を構成する芳香族環の
数(環サイズ)が7であるため、分子の対称性が低く、
比較的低融点であることが特色となっている。このた
め、これらのカリックス[7]アレーン化合物を感光性
材料として用いた場合には、薄膜形成時や露光時に微結
晶化し難く、形成される微細パターンのラフネスが低減
されるという格別な効果が発現するものと考えられる。
又、この微細パターンのラフネス低減を計るためには、
薄膜を形成するときに使用するカリックスアレーン系ネ
ガ型レジストパターン材料としてp−メチルヘプタアセ
トキシカリックス[7]アレーンを90重量%以上含む
ようにすることが好ましい。
【0017】本発明で感光性材料として使用するカリッ
クス[7]アレーン化合物は、電子線やX線のような高
エネルギー線を照射すると高分子化し、未照射部と比較
して難溶となるため、パターン形成の際にはネガ型レジ
ストパターン材料として機能する。このようなカリック
ス[7]アレーン化合物としては、フェノール類とホル
マリンとを塩基存在下縮合させることにより得られた7
個の芳香環からなる環状フェノール樹脂及びこれを機能
化することにより得られた化合物を挙げることができ
る。
【0018】これらのカリックス[7]アレーン類の構
造は、文献[「カリックスアレーンズ(Calixar
enes)」C.D.グッチェ編、ロイヤル・ソサイア
ティ・オブ・ケミストリィ(Royal Societ
y of Chemistry)、1989年]や、文
献[「カリックスアレーン(Calixarene
s)」J.ヴィショーンら編、クルーワー・アカデミッ
ク・パブリッシャーズ(Kluwer Academi
c Publishers)、1991年]等の製本、
並びにベーマーの総説[アンゲバンテ・ケミー・インタ
ーナショナル・エディション・イン・イングランド(A
ngewandte Chemi Internati
onal Edition in England)3
4巻、p713、1995年]等に記載されている。
又、機能化手法についてもこれらの文献に記載されてい
る方法を採用することができる。ここで機能化とは、環
状フェノール樹脂のフェノール性水酸基部位及び芳香環
部位の片方又は双方の部位を分子修飾することにより、
置換基の種類を変えることを意味する。一般に、機能化
されたカリックスアレーン化合物は、溶媒に対する溶解
性が高く、後述するような方法による薄膜化が容易であ
るため、機能化されたカリックス[7]アレーン化合物
を用いるのが好適となる。
【0019】カリックス[7]アレーン化合物の機能化
方法は、特に限定されるものでなく、例えばフェノール
性水酸基の分子修飾を行う場合には、一般的にフェノー
ル性水酸基の水酸基の機能化に用いられている手法を適
用することができる。即ち、酸クロリド又は酸無水物を
用いたアセチル化、ウィリアムソン合成法によるアルキ
ル化等を用いることができるし、芳香環部位の修飾に
は、p−位が未置換(即ち、水素原子)のカリックス
[7]アレーン類に所謂求電子置換反応によるニトロ化
及びスルホン化、フリース転位反応によるアシル化、ク
ライゼン転位反応によるアリル化、マニッヒ反応による
アミノメチル化、クロロメチル化等の一般的に芳香環を
機能化する手法等を用いることが可能である。又、これ
らの反応後に得られた置換基を更に分子修飾することに
より、更なる機能化を計ることも可能である。
【0020】尚、上述した文献に記載されている方法に
より得られるカリックスアレーン化合物は、一般に環サ
イズの異なる複数のカリックスアレーン化合物の混合物
であるが、環サイズの違いによる溶媒に対する溶解性の
差を利用して分別晶出や晶析を繰り返すことにより、或
いはカラムクロマトグラフィー等により分離することが
できる。又、p−メチルカリックス[7]アレーンのフ
ェノール性水酸基をアセチル化したp−メチルヘプタア
セトキシカリックス[7]アレーンについては、特願平
10−360223号に記載されているように、p−メ
チルヘプタアセトキシカリックス[7]アレーンやp−
メチルヘプタアセトキシカリックス[6]アレーン等の
混合物をアセトンに溶解した後、p−メチルヘキサアセ
トキシカリックス[6]アレーンを主成分とする固体相
を析出させ、次いで析出した固体相を分離した後にアセ
トンを除去し、得られた残さをジエチルエーテル等の溶
解度パラメータが14〜16(MPa1/2 )である溶媒
に溶解させた後、得られた溶液からp−メチルヘプタア
セトキシカリックス[7]アレーンを主成分とする固体
相を析出させ、この固体相を目的物として溶液から分離
・回収することにより、高純度のp―メチルヘプタアセ
トキシカリックス[7]アレーンを得ることができる。
【0021】本発明で使用するカリックス[7]アレー
ン化合物は、特に限定されないが、その合成方法が既に
確立しているという観点から、p−メチルフェノールと
ホルマリンとを塩基存在下で縮合させることにより得ら
れる環状のフェノール樹脂を用いるのが好適である。特
に、p−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレ
ーンは、溶媒への溶解性も高く、その製造においても生
成収率が高いばかりでなく、上述したような方法により
容易に高純度品を得ることができるため、特に好適であ
る。
【0022】以下は、本発明のパターン形成方法におけ
る各工程について順を追って詳細に説明する。
【0023】先ず、薄膜形成工程では、カリックス
[7]アレーン化合物を主成分とする薄膜を基板上に形
成する。ここでの薄膜の形成は、カリックス[7]アレ
ーン化合物を主成分とするカリックスアレーン系ネガ型
レジストパターン材料の溶液を用いて、例えばシリコン
基板等の基板上にスピンコート等で溶液を塗布した後、
必要に応じて加熱しながら溶媒を乾燥することで実施す
ることができる。ここで使用する基板は、所望のデバイ
スに依るもので、シリコン基板の他、ガリウム砒素基
板、インジウム燐基板、等を使用する場合を例示するこ
とができるので、基板の種類については特に限定されな
い。
【0024】又、薄膜形成工程で使用するカリックス
[7]アレーン化合物を主成分とするカリックスアレー
ン系ネガ型レジストパターン材料としては、カリックス
[7]アレーン化合物を主成分としてネガ型レジストパ
ターン材料として作用するものを制限なく使用できる。
例えば、カリックス[7]アレーン化合物、又はこの化
合物と他のネガ型レジストパターン材料との混合物等が
使用できる。因みに、カリックス[7]アレーン化合物
と混合可能な他のネガ型レジストパターン材料として
は、カリックス[6]アレーン等の環サイズが7以外の
カリックス[7]アレーン化合物等を使用できる。この
とき、ネガ型レジストパターン材料全体に占めるカリッ
クス[7]アレーン化合物の含有率(割合)は、パター
ンラフネス生成の低さの観点から90重量%以上である
ことが好ましい。p−メチルヘプタアセトキシカリック
ス[7]アレーンを90重量%以上含有するカリックス
アレーン系ネガ型レジストパターン材料を使用するのは
最も好ましい態様である。
【0025】更に、ネガ型レジストパターン材料の溶液
を調製するのに使用する溶媒は、カリックス[7]アレ
ーン化合物を主成分とするカリックスアレーン系ネガ型
レジストパターン材料を溶解する有機溶媒であれば特に
限定されず、例えばベンゼン、トルエン及びキシレン等
の芳香族系溶媒、クロルベンゼン及びジクロロベンゼン
等の塩素化芳香族系溶媒、クロロホルム等の塩素化脂肪
族炭化水素等を挙げることができる。これら有機溶媒
は、目的に合わせて適宜選択することが好ましい。薄膜
形成の目的には揮発性が高過ぎないことが好ましく、例
えば沸点が100℃前後の溶媒を選択して使用すること
ができる。又、必要に応じて溶媒を混合しても良い。
【0026】加えて、ネガ型レジストパターン材料の溶
液中に含まれるネガ型レジストパターン材料の濃度は、
得られる薄膜の厚さや操作性を考慮して適宜調節すれば
良いが、一般的には0.5〜5.0重量%程度である。
【0027】次に、潜像形成工程では、例えば薄膜形成
工程のように、基板上に形成されたカリックス[7]ア
レーン化合物を主成分とする薄膜の所望の領域に高エネ
ルギー線を照射して薄膜に潜像を形成する。ここでの潜
像とは、感光性材料に露光したときに感光性材料に引き
起こされる変化であって、現像等の処理を行うことによ
り発現するようになる像である。例えばカリックス
[7]アレーンのようなネガ型レジストパターン材料を
用いた場合、高エネルギー線の照射によって高分子化
し、未照射部位と比較して溶媒が困難になった部位が形
成する像を示す。
【0028】ここで使用する高エネルギー線としては、
エネルギー照射により薄膜に潜像を形成させることが可
能な線源であれば何ら制限無く適用できるが、例示すれ
ば上述したような電子線,X線,イオンビームを挙げる
ことができる。
【0029】更に、パターン形成工程では、薄膜形成工
程のように、基板上に形成され、且つその所望の領域に
潜像が形成されたカリックス[7]アレーン化合物を主
成分とする薄膜に対し、この薄膜が形成された領域以外
の領域を選択的に現像液に溶解させてパターンを形成す
る。
【0030】ここで用いる現像液としては薄膜の潜像以
外の領域(薄膜形成工程では薄膜の未露光部に相当す
る)を選択的に溶解除去できるものであれば制限無く適
用することができる。例えばベンゼン、トルエン及びキ
シレン等の芳香族系溶媒、クロルベンゼン及びジクロロ
ベンゼン等の塩素化芳香族系溶媒、クロロホルム等の塩
素化脂肪族炭化水素、水酸化テトラメチルアンモニウム
等の水系溶媒を挙げることができる。これら溶媒は、使
用する感光性材料の種類や露光条件等に応じて適宜選択
することが望ましい。
【0031】要するに、本発明の基板用パターン形成方
法の技術的要旨は、上述した薄膜形成工程、潜像形成工
程、及びパターン形成工程から選ばれる少なくとも1つ
の工程を含んでいれば良く、又パターン形成方法自体は
必要に応じてこれら工程以外の工程を導入しても実施す
ることができる。
【0032】そこで、具体的な実施形態を示すと、p−
メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレーンの合
成例として、Ostaszewski等により報告され
ている文献[ポリッシュ・ジャーナル・オブ・ケミスト
リー(Polish Jounal of Chemi
stry)71巻、p1053、1997年]の方法に
準じて下記の化1に示される化学構造式のものを得る場
合が挙げられる。
【0033】
【化1】 ここでは、先ず三ツ口フラスコにキシレン溶媒を500
ml添加し、溶媒温度を30℃に加熱した。この三ツ口
フラスコにp−クレゾール50g、パラホルムアルデヒ
ド30.6g、及び45mlの水に水酸化カリウム1
8.3gを溶解した溶液を添加して反応を開始した。反
応開始後、125℃まで昇温し、更にその温度で4時間
加熱を続けた後に放冷した。反応溶液内に析出した固形
分をろ別した後、固形物をイオン交換水、続いてエタノ
ール洗浄し、真空乾燥を行って租生成物48gを得た。
得られた租生成物をそのままアセチル化反応に用いた。
アセチル化反応は租生成物1gにつき無水酢酸1.1
g、及びピリジン10mlを加え室温で12時間攪拌し
た。アセチル化反応後、得られた反応混合物を希塩酸中
にあけ、得られた沈殿物をろ別、洗浄した。回収された
沈殿物を真空乾燥し、アセチル置換体の混合物を62g
を得た。アセチル置換体の混合物をHPLC及びGPC
分析した結果から、アセチル置換体の混合物における各
化合物の含有率は以下の通りであった。即ち、p−メチ
ルヘキサアセトキシカリックス[6]アレーンは21重
量%、p−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]ア
レーンは60重量%、p−メチルオクタアセトキシカリ
ックス[8]アレーンは11重量%、高分子成分は8重
量%であった。
【0034】次に、微細パターンの現像後の残さの影響
を除去するために、合成物から不純物を除去するための
工程を実行した。先ず上述した生成混合物10gをアセ
トン10mlに加えて室温で攪拌し、生成混合物を溶解
させた。2時間後に溶液相を析出してきた固相と分離
し、更に真空乾燥を行って6.9gの残さを回収した。
得られた残さにジエチルエーテル50mlを添加して室
温で3時間攪拌を行った。その後、得られた固体相をろ
別し、続いて乾燥して4.5gの固体を回収した。この
固体を分析したところ、p−メチルヘプタアセトキシカ
リックス[7]アレーンが92重量%含まれていること
が判った。不純物成分は、p−メチルヘキサアセトキシ
カリックス[6]アレーン、p−メチルオクタアセトキ
シカリックス[8]アレーンがそれぞれ約1重量%ず
つ、その他に高分子成分が数重量%であった。
【0035】更に、アセチル置換体の混合物をカラムク
ロマトグラフィー(シリカ、展開溶媒:クロロホルム/
ヘキサン)を用いて精製することにより、p−メチルヘ
キサアセトキシカリックス[6]アレーン及びp−メチ
ルオクタアセトキシカリックス[8]アレーンを93重
量%、95重量%の純度で得た。
【0036】このようにして得られた純度の高いカリッ
クスアレーン化合物の融点を測定したところ、p−メチ
ルヘキサアセトキシカリックス[6]アレーンに関して
は352℃、p−メチルヘプタアセトキシカリックス
[7]アレーンに関しては265℃、p−メチルオクタ
アセトキシカリックス[8]アレーンに関しては357
℃であることが判った。
【0037】そこで、こうした合成例により得られたp
−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレーンを
用い、以下に説明する薄膜形成工程を実施して薄膜を形
成した。即ち、先ずp−メチルヘプタアセトキシカリッ
クス[7]アレーンをクロロベンゼンに1.5重量%溶
解させた。溶解性を上げるためにはマグネティックスタ
ーラによる攪拌が効果的である。作製した溶液は0.2
ミクロンメッシュのフィルタでろ過し、レジスト溶液と
した。次に、このレジスト溶液を清浄なシリコン基板に
回転塗布した。回転塗布は標準的には4000rpmで
行った。
【0038】このような薄膜形成工程の結果、シリコン
基板上に厚さ40nmの均一な塗布薄膜が得られた。塗
布薄膜中の分子の応力成分を除去するために、通常は1
00〜200℃程度の熱処理を一定時間行う。熱処理温
度は溶媒が蒸発可能な温度から感光性分子が分解しない
温度であれば良い。ここでは、170℃でその熱処理を
施した。
【0039】次に、以下に説明する潜像形成工程を実施
して高エネルギー線の照射により潜像を形成した。即
ち、先ず高エネルギー線には電子線を使用し、電子線発
生装置としては電子ビーム露光装置[日本電子(株)製
JEOL−JBX5FE]を用いるものとし、50kV
加速の電子線の露光量を種々変化させてシリコン基板上
の塗布薄膜に照射した。
【0040】更に、以下に説明するパターン形成工程を
実施してシリコン基板上に微細パターンを形成した。即
ち、ここでは電子線を照射した塗布薄膜が形成されてい
るシリコン基板自体をキシレンに30秒浸すことで現像
処理を行い、更にキシレンを乾燥させてシリコン基板上
に微細パターンを形成した。
【0041】図1は、このような本発明の基板用パター
ン形成方法の一実施例に係るp−メチルヘプタアセトキ
シカリックス[7]アレーンを用いて形成した微細パタ
ーンの走査型電子顕微鏡像を例示したものである。この
走査型電子顕微鏡像からは、生成されたパターンラフネ
スは1〜2nm程度であり、ほぼ分子サイズと同程度に
低減されていることが判った。
【0042】比較として、下記の化2に示される化学構
造式のp−メチルヘキサアセトキシカリックス[6]ア
レーンを用いて具体的な実施形態の場合と同様の処理方
法を実施して微細パターンを形成した。
【0043】
【化2】 図2は、本発明の基板用パターン形成方法の比較例に係
るp−メチルヘキサアセトキシカリックス[6]アレー
ンを用いて形成した微細パターンの走査型電子顕微鏡像
を例示したものである。この走査型電子顕微鏡像から
は、生成されたパターンラフネスは最大で約5nmであ
ることが判った。
【0044】又、合成例で得られた不純物除去処理を行
っていない、p−メチルヘプタアセトキシカリックス
[7]アレーンが60重量%、p−メチルヘキサアセト
キシカリックス[6]アレーンが21重量%、p−メチ
ルオクタアセトキシカリックス[8]アレーンが11重
量%、高分子成分が8重量%の組成の混合物を感光性材
料として使用し、実施例と同様にして微細パターンを形
成したところ、生成されたパターンラフネスは約5nm
程度であることが判った。
【0045】このように、カリックス[7]アレーン化
合物であるp−メチルヘプタアセトキシカリックス
[7]アレーンを使用することにより、微細パターン形
成時に生成されるパターンラフネスが顕著に低減される
ことが実証された。
【0046】尚、具体的な実施形態では、感光性分子に
照射する高エネルギー線として電子線を使用した場合を
説明したが、高エネルギー線としては他にもシンクルト
ロン放射光を利用したX線、或いは集束イオンビーム装
置を利用したGaイオンやBeイオン等のイオンビーム
も使用することが可能であるので、本発明の基板用パタ
ーン形成方法は、上述した具体的な実施形態に限定され
ない。
【0047】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明の基板用パタ
ーン形成方法によれば、分子の大きさが1nm程度で分
子の対称性が低いカリックス[7]アレーン化合物を
0重量%以上含有するネガ型レジストパターン材料を使
用して基板上に微細パターンを形成しているため、微細
パターンの形成を100nm以下として行ったときに生
成されるパターンラフネスを1〜2nm程度という極め
て低いレベルまで低減することが可能となり、低ラフネ
ス及び高解像度を両立させて素子特性の顕著な向上に寄
与し得るようになる。特に、この基板用パターン形成方
法は、ネガ型パターン形成として主に半導体集積回路の
ゲートの加工や量子化機能素子の製造等に適用すると極
めて有効であり、パターン幅のラフネス生成を低減でき
ることがデバイスの性能向上に大きく寄与できるため、
微細化への傾向が顕著なデバイスの製造分野において大
いに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板用パターン形成方法の一実施例に
係るp−メチルヘプタアセトキシカリックス[7]アレ
ーンを用いて形成した微細パターンの走査型電子顕微鏡
写真を例示したものである。
【図2】本発明の基板用パターン形成方法の比較例に係
るp−メチルヘプタアセトキシカリックス[6]アレー
ンを用いて形成した微細パターンの走査型電子顕微鏡写
真を例示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博将 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社 トクヤマ内 (72)発明者 手嶋 隆裕 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社 トクヤマ内 (56)参考文献 特開 平4−128253(JP,A) 特開 平10−239843(JP,A) 特開 平11−72916(JP,A) 特開 平10−115926(JP,A) 特開 平5−113662(JP,A) 特開 平11−43524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カリックス[7]アレーン化合物を90
    重量%以上含有するネガ型レジストパターン材料を使用
    して基板上にカリックス[7]アレーン化合物を主成
    分とする薄膜を形成する薄膜形成工程と、前記薄膜の所
    望領域に高エネルギー線を照射して該薄膜に潜像を形成
    する潜像形成工程と、前記潜像が形成された薄膜に対し
    て該潜像が形成された領域以外の領域を選択的に現像液
    に溶解させてパターンを形成するパターン形成工程とか
    ら選ばれる少なくとも1つの工程を含み、前記基板上に
    前記薄膜に基づいて100nm以下の微細パターンを
    〜2nmの低パターンラフネスを示すように形成するこ
    とを特徴とする基板用パターン形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基板用パターン形成方法
    において、前記潜像形成工程で使用する前記高エネルギ
    ー線は電子線,X線,イオンビームの何れか一つである
    ことを特徴とする基板用パターン形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の基板用パターン形
    成方法において、前記薄膜形成工程で使用する前記ネガ
    型レジストパターン材料は、p−メチルヘプタアセトキ
    シカリックス[7]アレーンを90重量%以上含有して
    成るものであることを特徴とする基板用パターン形成方
    法。
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