JP3479128B2 - 位相調整回路 - Google Patents

位相調整回路

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JP3479128B2
JP3479128B2 JP24711994A JP24711994A JP3479128B2 JP 3479128 B2 JP3479128 B2 JP 3479128B2 JP 24711994 A JP24711994 A JP 24711994A JP 24711994 A JP24711994 A JP 24711994A JP 3479128 B2 JP3479128 B2 JP 3479128B2
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  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
  • Manipulation Of Pulses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ信号とクロック
信号との相対的な位相を調整する位相調整回路に関し、
特に数GHZ の超高周波帯において位相調整の高速化を
図った位相調整回路に関する。本発明は、データ通信等
の分野において、クロック信号とそれに同期して入力さ
れるデータ信号を解析する符号誤り測定装置やロジック
アナライザ等のディジタル信号解析装置、またデータ信
号とクロック信号とを同期して出力しなければならない
パターン発生器等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】符号誤り測定装置やロジックアナライザ
等のディジタル信号解析装置は、外部から入力されたデ
ータ信号をコンパレータで波形整形して振幅のゆらぎ成
分を取り除き、そしてその波形整形されたディジタル信
号を識別器でクロック信号に基づいて識別(すなわち2
値レベルの符号判定)して位相のゆらぎ成分を取り除い
た後に、そのデータ信号の符号誤り測定、ロジック解析
等の解析を行うようにしている。
【0003】上記のように、データ信号をクロック信号
に基づいて識別する場合には、データ信号の2値レベル
が最も安定しているタイミングで識別されるように、識
別器に入力されるデータ信号とクロック信号との相対的
な位相(タイミング)を調整する必要がある。すなわ
ち、図7( a) 及び図7( b) の( ロ) に示すように、
データ信号のアイパターンの状態遷移点,のほぼ中
間点(位相余裕が最も大きい点)にクロック信号の立
上りタイミングが位置するようにする。そのような位相
調整を行うための技術として、従来から、図6及び図8
に示すような位相調整回路があった。
【0004】図6の従来例は、特開平5−7135号公
報に開示された、超高周波帯の符号誤り測定装置におい
て誤り率を位相調整の制御に用いるようにしたものであ
る。コンパレータ1は、入力データ信号を参照電圧発生
器2からの参照電圧と比較して、すなわち波形整形して
出力する。可変遅延器3は、入力クロック信号を制御部
9からの制御信号に応じて遅延し、入力データ信号に対
する入力クロック信号の位相を相対的に可変する。識別
器4は、コンパレータ1から出力されたデータ信号のレ
ベルを、可変遅延器3から出力されたクロック信号の立
上り(又は立下り)のタイミングで符号判定し、その識
別出力を誤り測定部5へ出力する。
【0005】誤り測定部5は、基準データ発生器6、符
号比較器7及び演算器8から構成されており、基準デー
タに基づいて入力データ信号の誤り率を検出する。基準
データ発生器6は、可変遅延器3からのクロック信号に
同期させて、入力データ信号のパターンと同一のパター
ン(すなわち入力データ信号に誤りがなかった場合のパ
ターンと同一のパターン)を有する基準データを発生す
る。なお、この基準データを発生させるために、基準デ
ータ発生器6内においては、入力データ信号に対して同
期引き込み動作が行なわれる。符号比較器7は、識別出
力と基準データとのパターン(符号)比較を行って、符
号の一致、不一致を判定する。演算器8は、符号比較器
7からの判定結果に基づいて、基準データ発生器6の同
期引き込み動作が完了したか否か(すなわち同期状態か
同期外れ状態か)を判定して、同期外れ状態の場合はさ
らに同期引き込み動作を行わせるとともに、同期状態の
場合は入力データ信号の符号誤り率を算出する。
【0006】制御部9は、可変遅延器3の入力クロック
信号に対する遅延量を所定範囲連続的に可変するととも
に、演算器8から出力される誤り率を、その可変した遅
延量に対応させて内部のメモリに記憶する。制御部9
は、さらに、メモリに記憶した遅延量と誤り率との関係
から誤り率が最大となる遅延量(特異点)を検出し、そ
の特異点に基づいて誤り率が最小となる遅延量を求め
て、例えば特異点に入力クロック信号の半周期分の時間
を加減した遅延量を求めて可変遅延器3に設定する。
【0007】ここで、図7を用いて、上記制御部9によ
る可変遅延器3の遅延量の制御方法を説明する。すなわ
ち、識別器4に入力されるデータ信号が図7( a) に示
すような場合において、識別器4に入力されるクロック
信号の位相が図7( b) の( イ) ,( ロ) ,( ハ) のよ
うに連続的に変化すると、可変遅延器3の遅延量に対す
る誤り率の関係が図7( c) のようになって、それが制
御部9のメモリに記憶される。したがって、制御部9
は、この図7( c) の関係に基づいて、誤り率が最大と
なる遅延量(特異点)D1 又はD3 から誤り率が最小と
なる遅延量D2 を求めて可変遅延器3を設定する。
【0008】一方、図8の従来例は、その主要部が「10
Gb/ S DCFL位相検出機能付き識別回路」(西野
他,1994年春季電子情報通信学会B-1068)に示された
ものである。コンパレータ1、参照電圧発生器2、可変
遅延器3及び識別器4については、前述の図6と同一の
内容であるので説明を省略する。EOR(排他的論理和
回路)11は、コンパレータ1から出力されて識別器4
に入力されるデータ信号と識別器4から出力される識別
出力との排他的論理和をとる。換言すれば、両信号間の
パターン(符号)比較を行って、符号の一致、不一致を
判定している。直流平均値検出器12は、EOR11か
ら出力されるパターン比較の結果を示す信号の直流平均
値を検出して出力する。直流平均値検出器12から出力
された直流平均値のアナログ値は、D/A変換器13で
ディジタル値に変換されて制御部14に入力される。
【0009】制御部14は、可変遅延器3の入力クロッ
ク信号に対する遅延量を所定範囲連続的に可変するとと
もに、その可変した遅延量に対応させてD/A変換器1
3から出力される直流平均値のディジタル値を内部のメ
モリに記憶する。制御部14は、さらに、メモリに記憶
した遅延量と直流平均値との関係から、設定すべき遅延
量を求めて可変遅延器3を設定する。
【0010】ここで、図9を用いて、上記制御部14に
よる可変遅延器3の遅延量の制御方法を説明する。すな
わち、識別器4に入力されるデータ信号が図9( a) に
示すような場合において、識別器4に入力されるクロッ
ク信号の位相が図9( b) の( イ) ,( ロ) ,( ハ) の
ように連続的に変化すると、可変遅延器3の遅延量に対
する直流平均値の関係が図9( c) のようになって、そ
れが制御部14のメモリに記憶される。したがって、制
御部14は、図9( c) の関係に基づいて、直流平均値
が最小となる遅延量d1 と最大となる遅延量d3 から設
定すべき遅延量d2 を求めて可変遅延器3を設定する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来例には、それぞれ次のような問題があった。6図
の従来例の場合には、前述のように、誤り測定部5内に
おいて入力データ信号と基準データとの同期引き込み動
作を行って同期状態になった後に、可変遅延器3の遅延
量を連続的に可変して誤り率の検出を行い、その結果に
基づいてクロック信号とデータ信号との位相調整を行っ
ている。しかし、上記同期引き込み動作に要する時間
は、入力データ信号のパターンの周期長に比例して長く
なるものであるために、このパターンの周期長が数Mビ
ット以上になると、可変遅延器3の遅延量を可変する時
間に対して無視できないくらい長くなってしまい、位相
調整に要する時間が長くなり過ぎるという問題があっ
た。
【0012】8図の従来例の場合には、誤り率を検出し
ていないので、上記のように位相調整に要する時間が長
くなり過ぎるという問題はないが、数GHz以上の超高
周波帯では次のような問題があった。すなわち、コンパ
レータ1から出力したデータ信号を識別器4へ入力する
とともに、分岐してEOR11へも入力する必要がある
ために、データ信号のファンアウトが増加し、データ信
号の波形の劣化に大きく影響する。なお、波形の劣化を
防止するためには、分配器を付加することも考えられる
が、能動形の分配器では波形劣化が生じ、また受動形の
分配器では振幅低下が生じるという欠点があるととも
に、回路規模が大きくなり、コスト高ともなって現実的
ではない。本発明の目的は、上記課題を解決した位相調
整回路を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、識別器の出力の直流平均値が、( イ)
波形整形回路(コンパレータ)において、入力データ信
号を波形整形するための参照電圧を入力データ信号のレ
ベルのどの位置に設定するか、( ロ) 識別器において、
クロック信号がデータ信号を識別するタイミングを識別
器に入力されるデータ信号の時間方向のどの位置に設定
するか、の条件によって変化すること、そして、このこ
とを利用して、データ信号のアイパターンの状態遷移点
(前述の図7( a) の,)を特異点として検出し、
この結果から設定したい可変遅延器の遅延量を特定でき
ることに着目した。
【0014】したがって、本発明の位相調整回路は、図
1の基本構成図に示すように、入力データ信号を参照電
圧と比較し波形整形して出力する波形整形回路15と、
前記参照電圧を変化させるための参照電圧発生器2と、
入力クロック信号を受けて遅延させる可変遅延器2と、
前記波形整形回路から出力されたデータ信号を前記可変
遅延器から出力されたクロック信号のタイミングで符号
判定して出力する識別器4と、該識別器で符号判定され
た前記波形整形回路からのデータ信号の直流平均値を検
出する直流平均値検出器18と、該直流平均値検出器の
出力を受けて前記可変遅延器の遅延量を変化させる制御
回路20とを備えた。
【0015】
【作用】手段の( イ) 、( ロ) に示した内容、すなわち
識別器の出力の直流平均値がどのように変化するかを、
図1及び図10を用いて説明する。波形整形回路15へ
入力される入力データ信号が、図10( a) のアイパタ
ーンで示されるように、ハイレベルとロウレベルの割合
が同じ(すなわちマーク率が1/2)であり、また、波
形整形回路15へ入力される参照電圧が、図10(a)
に示されるように、入力データ信号のの位置(ハイレ
ベルとロウレベルとの中間の電圧),の位置(中間の
電圧より高い電圧)及びの位置(中間の電圧より低い
電圧)に可変されて設定されたとすると、波形整形回路
15から出力されるデータ信号は、参照電圧,,
に対応して、それぞれ図10( b) の( イ) ,( ロ) ,
( ハ) のようになる。
【0016】波形整形回路15からのデータ信号は、そ
れぞれ識別器4に入力されて、可変遅延器3からのクロ
ック信号(入力クロック信号が図10( c) のように遅
延されたもの)によって識別される。そして、識別器4
からの識別出力は、それぞれ直流平均値検出器18に入
力されて、直流平均値が検出される。検出された直流平
均値は、参照電圧,,に対応して、それぞれ図1
0( d) の( イ) ,( ロ) ,( ハ) のようになる。すな
わち、参照電圧がの場合には、図10( d) の( イ)
に示すように、直流平均値は状態遷移点を除いて理想的
には入力クロック信号の遅延量に関わらず識別出力の中
間値となる。の場合には、( ロ) に示すように、入力
データ信号の状態遷移点においては上記中間値より低い
電圧となる。また、の場合には、( ハ) に示すよう
に、の場合とは逆に、入力データ信号の状態遷移点に
おいては上記中間値より高い電圧となる。
【0017】以上から、波形整形回路15に入力される
参照電圧を入力データ信号のハイレベルとロウレベルと
の中間の電圧から少しずらした電圧に設定し、かつ、識
別器4へ入力されるクロック信号の位相を入力データ信
号の状態遷移点を検出できる程度に可変することによっ
て、識別出力の直流平均値の変動で上記状態遷移点を特
異点(図10( d) 参照)として認識できることが分か
る。したがって、上記のようにして特異点を認識し、か
つ、認識したその特異点に基づいて上記状態遷移点間の
ほぼ中間点を求め、この中間点に可変遅延器3の遅延量
を設定することによって、入力データ信号と入力クロッ
ク信号との相対的な位相を最適に調整できるようにした
ことが本発明の特徴である。
【0018】ここで、識別器4の出力の直流平均値が図
10( d) のように変動する理由を、図1及び図11を
用いて説明する。なお、図11に示す各波形は、図10
のアイパターンで示したものとは違って、データ周期に
同期して変化する様子を示している。図11( a) に示
す入力データ信号が波形整形回路15へ入力されて、図
11( a) の,,の位置に示される参照電圧によ
って波形整形されると、波形整形回路15から出力され
るデータ信号は、参照電圧,,に対応して、それ
ぞれ図11( b) の( イ) ,( ロ) ,( ハ) のように変
化する。
【0019】これらのデータ信号が識別器4へ入力され
て識別される場合において、まず、識別器4へ入力され
るクロック信号の遅延量が入力データ信号の状態遷移点
間の中央にくるように可変遅延器3によって設定される
(すなわち図11( c) の(イ) に示すようにクロック
信号の立上りのタイミングが状態遷移点間の中央にくる
ように調整される)と、識別器4からの出力は、図11
( c) の( ロ) の実線に示すように、入力データ信号に
対して遅延されるだけでマーク率には変化が生じない。
そのため直流平均値検出器18で検出される直流平均値
は、図11( c) の( ロ) の点線に示すように、識別出
力のハイレベル及びロウレベル電圧の中間値となる。
【0020】次に、識別器4へ入力されるクロック信号
の遅延量が入力データ信号の状態遷移点に可変遅延器3
によって設定される(すなわち図11( d) の( イ) に
示すようにクロック信号の立上りのタイミングが状態遷
移点にくるように調整される)と、識別器4の出力は、
参照電圧,,に対応して次のように変化する。す
なわち、参照電圧がの場合には、識別出力は状態が特
定されず、直流平均値は不定の電圧となる。の場合に
は、図11( d) の( ロ) に示すように、識別出力のハ
イレベルの割合が少なくなり、直流平均値は識別出力の
上記中間値より小さくなる。また、の場合には、図1
1( d) の( ハ) に示すように、の場合とは逆に、識
別出力のハイレベルの割合が多くなり、直流平均値は識
別出力の上記中間値より大きくなる。
【0021】したがって、以上のことから、図11(
c) ,( d) に示した直流平均値をアイパターンの形で
示すと、図10( d) に示したような直流平均値の変動
となる。なお、以上マーク率が1/2の場合について、
参照電圧とクロック信号の位相とを変化させることによ
って、識別器4の出力の直流平均値を変動させることが
できることを説明したが、これは、ハイレベルとロウレ
ベルの割合が同率でない(すなわちマーク率が1/2で
ない)場合にも適用することができる。その場合、マー
ク率の変化に応じて、識別器の出力の直流平均値もハイ
レベル側又はロウレベル側に片寄るので、クロック信号
の遅延量を変化させた場合の直流平均値の変動量は小さ
くなる。しかしながら、この場合でも、直流平均値の変
動が認識できることはもちろんである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。 (第1の実施例)図2は、第1の実施例を示す位相調整
回路のブロック図である。なお、従来例と同一の構成部
分には同一の記号を付けてある。波形整形回路を構成す
るコンパレータ1は、超高周波用の半導体素子(例えば
ガリウムヒ素型FET)等で構成されており、入力デー
タ信号を可変直流電源2aからの参照電圧と比較して、
すなわち波形整形して出力する。なお、可変直流電源2
aは、図10( a) に示す,,等の参照電圧を出
力できる参照電圧発生器である。
【0023】可変遅延器3は、入力クロック信号を制御
回路20からの制御信号に応じて遅延し、入力データ信
号に対する入力クロック信号の位相を相対的に可変す
る。なお、超高周波用の可変遅延器3としては、信号線
路長をスラグ可変することによって、その遅延量を可変
する可変長スラブライン構造のものが用いられる。信号
線路長は、サーボモータ等の駆動装置で摺動される。識
別器4は、例えばDタイプのフリップフロップで構成さ
れており、コンパレータ1から出力されてD端子に入力
されるデータ信号のレベルを、可変遅延器3から出力さ
れてCP端子に入力されるクロック信号の立上り(又は
立下り)のタイミングで符号判定し、その識別出力を直
流平均値検出器18へ出力する。直流平均値検出器18
は、抵抗R1とコンデンサC1によって積分回路を構成
しており、識別出力の平均直流電圧(直流平均値)を検
出して制御回路20へ出力する。
【0024】制御回路20は、A/D変換器21,第1
のメモリ22,特異点検出手段23,第1の遅延量設定
手段24及びD/A変換器25で構成されており、主に
可変遅延器3の遅延量を順次可変しつつ直流平均値検出
器18からの直流平均値を記憶して特異点を検出し、そ
の特異点に基づいて可変遅延器3の遅延量を最適値に設
定する。なお、特異点検出手段23及び第1の遅延量設
定手段24は、主にマイクロプロセッサ(CPU)によ
って実現される。
【0025】直流平均値検出器18から出力された直流
平均値は、A/D変換器21でディジタルデータに変換
された後に、第1の遅延量設定手段24から出力される
アドレス値に対応して第1のメモリ22に順次記憶され
る。特異点検出手段23は、第1のメモリ22からデー
タを読出して、直流平均値検出器18から出力された直
流平均値の電圧の特異点(すなわち図10(d)の(
ロ) 又は( ハ) に示す特異点)をメモリのアドレス値の
情報として検出し、第1の遅延量設定手段24へ出力す
る。
【0026】第1の遅延量設定手段24は、次の二つの
処理を行う。第一の処理は、可変遅延器3の遅延量を入
力クロック信号の一周期分の時間範囲にわたって所定時
間間隔、例えば一周期分の時間(T)を20分割した時
間(T/20)間隔で順次設定するための信号を出力す
るとともに、その順次設定される遅延量に対応するよう
に第1のメモリ22のアドレス値を発生させて出力す
る。第1のメモリ22は、このアドレス値を受けて、前
述のように、A/D変換された直流平均値を順次記憶す
る。
【0027】第二の処理は、特異点検出手段23から前
述の特異点に対応するアドレス値の情報を受けて、この
アドレス値の情報から特異点に対応する可変遅延器3の
遅延量を特定するとともに、その遅延量に入力クロック
信号のほぼ半周期分の時間(T/2)を加減した遅延量
(すなわち図10( a) に示す状態遷移点のほぼ中間点
に対応する遅延量)を求めて、可変遅延器3をその遅延
量に設定するための信号を出力する。なお、第1の遅延
量設定手段24は、このように遅延量が特定できるよう
に、第1のメモリ22のアドレス値と可変遅延器3の遅
延量との関係(図13( a) 参照)を把握し記憶してい
る。第1の遅延量設定手段24から出力された可変遅延
器3の遅延量を設定するための信号は、D/A変換器2
5でアナログ信号に変換された後に、可変遅延器3の駆
動装置(サーボモータ等)に制御信号として供給され
る。
【0028】ここで、入力データ信号と入力クロック信
号との位相調整を行う手順を説明する。 (S1)入力データ信号をオシロスコープでモニタし
て、図10( a) に示すハイレベル及びロウレベルの電
圧を予め測定する。そして、ハイレベルとロウレベルと
の中間の電圧(図10( a) のに対応)をコンパレー
タ1にとっての最適値として算出し、さらにこの最適値
から45%位ずれた電圧(図10( a) の又はに対
応)を算出する。なお、最適値から45%位ずれた電圧
を特許請求の範囲では「補正の電圧」としている。 (S2)参照電圧が、上記最適値から45%位ずれた電
圧(図10( a) のに対応)になるように可変直流電
源2aを調整する。これは、作用で述べたように、直流
平均値検出器18の出力から特異点を検出できるように
するためである。なお、この参照電圧としては、図10
( a) のに対応する電圧でもよいが、以下を例に説
明する。 (S3)可変遅延器3の遅延量を0にし、この状態か
ら、遅延量をT/20間隔でTになるまで順次増加させ
るとともに、この遅延量の増加に対応して発生されるア
ドレス値にしたがって、直流平均値のディジタルデータ
を第1のメモリ22に順次記憶する。なお、Tは前述の
入力クロック信号の一周期分の時間である。 (S4)第1のメモリ22からデータを読出して、直流
平均値の最大の電圧(図10( d) の( ハ) に示す特異
点)をメモリのアドレス値の情報として検出する。 (S5)このアドレス値の情報から特異点における可変
遅延器3の遅延量を特定し、その遅延量からT/2増加
した遅延量を求めて、可変遅延器3に設定する。すなわ
ち、図10( d) の( ハ) に示す遅延量τ0 を特定し、
次にτi を求めて可変遅延器3に設定する。なお、この
場合、T/2増加した遅延量を求める代わりに、相隣合
う特異点の中間の遅延量を求めるようにしてもよい。 (S6)参照電圧を上記中間の電圧(最適値)に設定す
る。すなわち、位相調整が済んだ後は、コンパレータ1
の参照電圧を最適な状態にする。
【0029】なお、上記において、特異点を検出するた
めに、参照電圧を「最適値から45%ずれた電圧」と
し、また可変する遅延量の間隔を「T/20」とした
が、これらの値は、入力データ信号の振幅が0.25V
でマーク率が1/8〜7/8の場合、特異点の電圧とし
て最大値5mV〜200mVが検出できる値であり、経
験的に求めたものである。以上、位相調整回路について
説明したが、この位相調整回路を用いて符号誤り測定を
行う場合には、図6の従来例に示したように、識別器4
の識別出力と可変遅延器3からのクロック信号とを誤り
測定部5へ入力するようにすればよい。
【0030】(第2の実施例)図3は、第2の実施例を
示す位相調整回路のブロック図である。第1の実施例
(図2)では参照電圧の設定は手動であったが、この実
施例では自動的に行うようにした。したがって、この実
施例は第1の実施例に対して、次の点が異なる。
【0031】すなわち、波形整形回路15は、コンパレ
ータ1の他に、ハイレベル検出器16とロウレベル検出
器17とで構成される。ハイレベル検出器16及びロウ
レベル検出器17は、例えば図12に示すように、それ
ぞれ、ダイオードd1,コンデンサC2及び抵抗R2に
よって正方向及び負方向のピーク検波回路を構成してお
り、入力データ信号のハイレベル及びロウレベルの電圧
を検出する。参照電圧発生器としてD/A変換器2bを
用いて、ディジタルデータによって、図10( a) に示
す,,等の参照電圧を発生できるようにしてい
る。
【0032】制御回路20は、第1の実施例の場合に対
して、波形整形回路15から出力されるハイレベル及び
ロウレベルの電圧に基づいて、参照電圧発生器(D/A
変換器2b)を制御するための、A/D変換器26,第
2のメモリ27及び参照電圧設定手段28が追加されて
いる。なお、参照電圧設定手段28は、主にマイクロプ
ロセッサ(CPU)によって実現される。波形整形回路
15から出力された入力データ信号のハイレベル及びロ
ウレベルの電圧は、それぞれA/D変換器26でディジ
タルデータに変換された後に、第2のメモリ27に記憶
される。
【0033】参照電圧設定手段28は、次の二つの処理
を行う。第一の処理は、第2のメモリ27からハイレベ
ル及びロウレベルの電圧を読出して、ハイレベルとロウ
レベルとの中間の電圧(図10( a) のに対応)をコ
ンパレータ1にとっての最適値として求め、さらにこの
最適値から45%位ずれた電圧(図10( a) の又は
に対応)を求める。第二の処理は、次の条件によっ
て、第一の処理で求めた2種類の電圧の一方が参照電圧
として発生されるように参照電圧発生器(D/A変換器
2b)を制御する。すなわち、前述の特異点検出手段2
3から特異点の情報を受ける前は、最適値から45%位
ずれた電圧を、また特異点の情報を受けた後は、中間の
電圧(最適値)を参照電圧として発生させる。
【0034】なお、入力データ信号と入力クロック信号
との位相調整を行う手順は、第1の実施例の(S1)〜
(S6)の手順と基本的には同じである。ただし、第1
の実施例では(S1),(S2)及び(S6)の手順に
ついては、人が手動で測定,算出,調整,設定等を行っ
ていたが、この実施例では、上述のように自動的に行う
ようにしている点が異なる。
【0035】(第3の実施例)図4は、第3の実施例を
示す位相調整回路のブロック図である。第1及び第2の
実施例(図2,図3)では、特異点の検出は、可変遅延
器3の遅延量を順次可変しつつ直流平均値検出器18か
らの直流平均値をメモリに記憶することによって行った
が、この実施例では、上記直流平均値を可変遅延器3に
負帰還することによって行っている。すなわち、可変遅
延器3,識別器4,直流平均値検出器18及び制御回路
20で負帰還ループを形成すれば、この負帰還ループは
特異点の近傍(例えば図14( a) に示すA点)で安定
(収束)するということを利用している。なお、参照電
圧の設定は、第2の実施例と同様の構成で自動的に行う
ようにしている。
【0036】したがって、この実施例は第2の実施例に
対して、制御回路20の特異点の検出に係わる部分が次
のように異なる。すなわち、制御回路20において、特
異点の検出は、比較電圧発生器29,負帰還回路30
(減算器31及び低域通過フィルタ( LPF) 32を含
む),A/D変換器35,収束判定手段36,第2の遅
延量設定手段37,制御手段38,D/A変換器39及
び切換器40によって行われる。なお、収束判定手段3
6,第2の遅延量設定手段37及び制御手段38は、主
にマイクロプロセッサ(CPU)によって実現される。
【0037】比較電圧発生器29は、直流平均値検出器
18から出力された直流平均値と電圧比較を行うための
基準となる比較電圧を発生する。比較電圧としては、図
14( a) に示すように、直流平均値の電圧の最大値
(特異点)より小さい電圧が発生される。なお、比較電
圧は、予め分かっている入力データ信号のマーク率に応
じて変更されるものである。負帰還回路30は、減算器
31及びLPF(低域通過フィルタ)32で構成されて
おり、直流平均値検出器18から出力された直流平均値
と上記比較電圧とを受けて、両方の電圧を等しくする
(換言すれば電圧差を0にする)ように可変遅延器3の
遅延量を変化させるための信号を出力する。すなわち、
減算器31は両方の電圧の比較(減算)行い、LPF3
2はその比較結果から雑音成分を除いた信号をA/D変
換器35及び切換器40へ出力する。
【0038】収束判定手段36は、A/D変換器35で
ディジタルデータに変換されて出力された負帰還回路3
0からの信号の電圧値を検出するとともに、この電圧値
の変動量に基づいて直流平均値検出器18から出力され
た直流平均値と上記比較電圧とが等しいか否かを判定し
て、等しいと判定した時は特異点の情報を出力する。す
なわち、直流平均値と比較電圧とが一致している場合
は、直流平均値が特異点の近傍、例えば図14( a) に
示すA点に固定している(負帰還ループが収束してい
る)ために、上記電圧値の変動量がほとんど0となる。
【0039】なお、図14( a) から分かるように、特
異点と負帰還ループが収束するA点とは遅延量がずれて
いるが、直流平均値の変化が特異点付近で急峻である場
合には、そのずれは無視できる。したがって、この実施
例ではA点を検出したことを以て、特異点を検出したと
している。また、ここでは、図14( a) に示すA点、
すなわち特異点の近傍の減少側のエッジで負帰還ループ
が収束するというように説明したが、増加側のエッジの
B点で収束するように構成にしてもよいことはもちろん
である。
【0040】第2の遅延量設定手段37は、収束判定手
段36から特異点の情報と電圧値とを受けて、特異点に
おける電圧値(換言すれば直流平均値と比較電圧とが一
致した時の電圧値)から、この特異点に対応する可変遅
延器3の遅延量(図14( a) のτa )を特定し記憶す
る。そして、その遅延量に入力クロック信号のほぼ半周
期分の時間(T/2)を加減した遅延量(図14( a)
のτi )を求めて、可変遅延器3を設定するために出力
する。なお、第2の遅延量設定手段37は、このように
遅延量の特定ができるように、収束判定手段36から入
力される電圧値と可変遅延器3の遅延量との関係(図1
3( b) 参照)を把握し記憶している。第2の遅延量設
定手段37からのディジタル出力は、D/A変換器39
でアナログ値に変換されて切換器40へ出力される。切
換器40は、制御手段38からの制御信号に基づいて、
負帰還回路30からの出力とD/A変換器39からの出
力とを切り換えて可変遅延器3に出力する。
【0041】制御手段38は、収束判定手段36からの
出力を受けて、この出力から上記特異点の情報を検出す
る前は、切換器40が負帰還回路30からの出力を可変
遅延器3に出力させ、かつ、前述の参照電圧発生手段2
8が参照電圧発生器(D/A変換器2b)に参照電圧と
して前述の最適値から45%位ずれた電圧を発生させる
ように制御信号を出力する。また、上記特異点の情報を
検出した後は、切換器40がD/A変換器39からの出
力を可変遅延器3に出力させ、かつ、参照電圧発生手段
28が参照電圧発生器(D/A変換器2b)に参照電圧
として中間の電圧(最適値)を発生させるように制御信
号を出力する。なお、参照電圧発生手段28は、第2の
実施例では特異点検出手段23によって制御され、この
実施例では上記の制御手段38によって制御されるとい
う違いはあるが、前述の二つの処理内容は変わらない。
【0042】ここで、入力データ信号と入力クロック信
号との位相調整を行う手順を説明する。 (S1)図10( a) に示す入力データ信号のハイレベ
ル及びロウレベルの電圧を検出し記憶する。 (S2)記憶したハイレベルとロウレベルの電圧から、
これらの中間の電圧(コンパレータ1にとっての最適
値)に対して45%位ずれた電圧(図10( a) のに
対応)を求めて、参照電圧として発生させる。また、可
変遅延器3に負帰還回路30からの出力が入力されるよ
うに切換器40を設定する。すなわち負帰還ループを形
成する。なお、この参照電圧としては、図10( a) の
に対応する電圧でもよいが、以下を例に説明する。 (S3)マーク率に対応した比較電圧を発生させる。比
較電圧は、図14( a)に示すように、直流平均値の電
圧の最大値(特異点)より小さい電圧となる。 (S4)負帰還ループが収束したかを判定する。そし
て、収束したと判定した時は特異点の情報を出力する。
負帰還ループが収束すると、例えば図14(a)に示す
ように、直流平均値がA点( 特異点の近傍) で固定され
る。 (S5)特異点の情報と負帰還回路30の出力の電圧値
とから、この特異点に対応する可変遅延器3の遅延量
(図14( a) のτa )を特定し、さらにその遅延量に
入力クロック信号のほぼ半周期分の時間(T/2)を加
算した遅延量(図14( a) のτi )を求めて、可変遅
延器3を設定するためにD/A変換器39に出力する。 (S6)可変遅延器3にD/A変換器39からの出力が
入力されるように切換器40を切り換える。また、(S
1)で記憶したハイレベルとロウレベルの電圧から、こ
れらの中間の電圧(図10( a) のに対応)をコンパ
レータ1にとっての最適値として求めて、参照電圧とし
て発生させる。
【0043】以上説明したように、この実施例では、負
帰還ループを形成することによってアナログ的に特異点
を検出しているので、第1及び第2の実施例に比べて位
相調整の時間が短いという特徴がある。
【0044】(第4の実施例)図5は、第4の実施例を
示す位相調整回路のブロック図である。第3の実施例
(図4)では、負帰還ループを形成することによって特
異点の近傍(例えば図14( a) に示すA点)を特定
し、これを特異点として検出したが、この実施例では、
負帰還ループを二度形成することによって特異点の両側
にそれぞれ特異点の近傍(例えば図14( b) に示すA
点とB点)を特定し、これらの中心を特異点として検出
するようにした。したがって、この実施例は第3の実施
例に対して、次の点が異なる。
【0045】すなわち、制御回路20の中の負帰還回路
30は、減算器31及びLPF32の他に、反転増幅器
33と切換器34とで構成される。反転増幅器33は減
算器31からの出力を位相反転して出力する。切換器3
4は、制御手段38からの制御信号によって、減算器3
1からの出力と反転増幅器33からの出力とを切り換え
て、LPF32に出力する。
【0046】ここで、負帰還ループを二度形成して、特
異点を検出することについて、以下に説明する。まず、
切換器34が減算器31からの出力をLPF32に出力
している場合は、第3の実施例と同様の負帰還ループ
(第1のループという)が形成され、例えば図14(
b) に示すA点(特異点近傍の減少側のエッジ)に直流
平均値が固定される。したがって、第2の遅延量設定手
段37は、収束判定手段36から出力される特異点の情
報と電圧値とを受けて、特異点における電圧値(換言す
れば直流平均値と比較電圧とが一致した時の電圧値)か
ら、この特異点に対応する可変遅延器3の遅延量(図1
4( b) のτa )を特定し記憶する。すなわち、第1の
ループによって、特異点の近傍の一方に対応する可変遅
延器3の遅延量が特定される。
【0047】次に、切換器34が反転増幅器33からの
出力をLPF32に出力している場合は、第3の実施例
と異なった負帰還ループ(第2のループという)が形成
され、例えば図14( b) に示すB点(特異点近傍の増
加側のエッジ)に直流平均値が固定される。したがっ
て、第2の遅延量設定手段37は、上記と同様に、収束
判定手段36から出力される特異点の情報と電圧値とを
受けて、特異点における電圧値(換言すれば直流平均値
と比較電圧とが一致した時の電圧値)から、この特異点
に対応する可変遅延器3の遅延量(図14( b) の
τb )を特定し記憶する。すなわち、第2のループによ
って、特異点の近傍の他方に対応する可変遅延器3の遅
延量が特定される。
【0048】そして、第2の遅延量設定手段37は、上
記第1及び第2のループによって求められた特異点の近
傍の遅延量(図14( b) のτa ,τb )から、それら
の中心の遅延量を特異点の遅延量(図14( b) のτ
0 )として特定し、そして、その遅延量に入力クロック
信号のほぼ半周期分の時間(T/2)を加減した遅延量
(図14( b) のτi )を求めて、可変遅延器3を設定
するために出力する。
【0049】制御手段38は、上記第1及び第2のルー
プを形成するために、切換器34を切り換える必要があ
るという点において第3の実施例とは多少異なる。すな
わち、収束判定手段36からの出力を受けて、この出力
から上記特異点の情報を検出する前は、切換器34が減
算器31からの出力をLPF32に出力させ、切換器4
0が負帰還回路30からの出力を可変遅延器3に出力さ
せ、前述の参照電圧発生手段28が参照電圧発生器(D
/A変換器2b)に参照電圧として前述の最適値から4
5%位ずれた電圧を発生させるように、換言すれば第1
のループを形成するように制御信号を出力する。
【0050】そして、第1のループが形成された状態で
上記特異点の情報を検出したときは、切換器34が反転
増幅器33からの出力をLPF32に出力させるよう
に、換言すれば第2のループを形成するように制御信号
を出力する。さらに、第2のループが形成された状態で
上記特異点の情報を検出した後は、切換器40がD/A
変換器39からの出力を可変遅延器3に出力させ、か
つ、参照電圧発生手段28が参照電圧発生器(D/A変
換器2b)に参照電圧として中間の電圧(最適値)を発
生させるように制御信号を出力する。
【0051】ここで、入力データ信号と入力クロック信
号との位相調整を行う手順を説明する。 (S1)図10( a) に示す入力データ信号のハイレベ
ル及びロウレベルの電圧を検出し記憶する。 (S2)記憶したハイレベルとロウレベルの電圧から、
これらの中間の電圧(コンパレータ1にとっての最適
値)に対して45%位ずれた電圧(図10( a) のに
対応)を求めて、参照電圧として発生させる。可変遅延
器3に負帰還回路30からの出力が入力されるように切
換器40を設定する。また、減算器31からの出力がL
PF32に入力されるように切換器34を設定する。
(第1のループを形成する) なお、この参照電圧としては、図10( a) のに対応
する電圧でもよいが、以下を例に説明する。 (S3)マーク率に対応した比較電圧を発生させる。比
較電圧は、図14( b)に示すように、直流平均値の電
圧の最大値(特異点)より小さい電圧となる。 (S4)第1のループが収束したかを判定する。そし
て、収束したと判定した時は特異点の情報を出力する。
第1のループが収束すると、例えば図14( b) に示す
ように、直流平均値がA点( 特異点の近傍) で固定され
る。 (S5)特異点の情報と負帰還回路30の出力の電圧値
とから、この特異点の近傍に対応する可変遅延器3の遅
延量(図14( b) のτa )を特定し記憶する。 (S6)反転増幅器33からの出力がLPF32に入力
されるように切換器34を設定する。(第2のループを
形成する) (S7)第2のループが収束したかを判定する。そし
て、収束したと判定した時は特異点の情報を出力する。
第2のループが収束すると、例えば図14( b) に示す
ように、直流平均値がB点( 特異点の近傍) で固定され
る。 (S8)特異点の情報と負帰還回路30の出力の電圧値
とから、この特異点の近傍に対応する可変遅延器3の遅
延量(図14( b) のτb )を特定し記憶する。 (S9)特異点の近傍の、上記二つの遅延量(図14(
b) のτa ,τb )から特異点の遅延量(図14( b)
のτ0 )を特定し、さらにその遅延量に入力クロック信
号のほぼ半周期分の時間(T/2)を加算した遅延量
(図14( b) のτi )を求めて、可変遅延器3を設定
するためにD/A変換器39に出力する。 (S10)可変遅延器3にD/A変換器39からの出力が
入力されるように切換器40を切り換える。また、(S
1)で記憶したハイレベルとロウレベルの電圧から、こ
れらの中間の電圧(図10( a) のに対応)をコンパ
レータ1にとっての最適値として求めて、参照電圧とし
て発生させる。
【0052】以上説明したように、この実施例では、負
帰還ループを二度形成することによって特異点の両側に
それぞれ特異点の近傍を特定し、これらの中心を特異点
として検出しているので、入力データ信号の波形劣化が
激しく、入力クロック信号の遅延量変化に対して直流平
均値の変動がゆるやかな場合においても、位相調整の時
間が短く、かつ正確な位相調整が行えるという特徴があ
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、波形整形回路
へ入力される参照電圧を変化させることと、識別器から
出力される識別出力の直流平均値を検出をすることとに
よって、入力データ信号の状態遷移点を検出して、入力
データ信号と入力クロック信号との相対的な位相を調整
するようにしたので、次のような効果を有している。 誤り率に基づいて位相調整を行っていないので、同
期引き込み動作に要する時間が不要となり、位相調整の
時間が短縮できる。 入力データ信号のパターンの周期長に依存しないの
で、例え、パターンの周期長が数Mビット以上になった
としても、位相調整に要する時間は一定で短い。 波形整形回路から出力されるデータ信号を分岐する
必要がないので、データ信号のファンアウトを増加させ
て、データ信号の波形を劣化させることもない。 回路規模も非常に小さなもので実現でき、かつコス
ト低減もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相調整回路の基本構成図、
【図2】本発明の第1の実施例を示す位相調整回路のブ
ロック図、
【図3】本発明の第2の実施例を示す位相調整回路のブ
ロック図、
【図4】本発明の第3の実施例を示す位相調整回路のブ
ロック図、
【図5】本発明の第4の実施例を示す位相調整回路のブ
ロック図、
【図6】位相調整回路の一つの従来例の構成を示すブロ
ック図、
【図7】図6の従来例の動作を説明するための図、
【図8】位相調整回路の他の従来例の構成を示すブロッ
ク図、
【図9】図8の従来例の動作を説明するための図、
【図10】識別器の出力の直流平均値の変化を説明する
ための図、
【図11】識別器の出力の直流平均値が変化する理由を
説明するための図、
【図12】ハイレベル検出器及びロウレベル検出の構成
を示す図、
【図13】第1及び第2の遅延量設定手段を説明するた
めの図、
【図14】第3及び第4の実施例の動作を説明するため
の図。
【符号の説明】
1・・・・コンパレータ、2・・・・参照電圧発生器、3・・・・可
変遅延器、4・・・・識別器、15・・・・波形整形回路、16
・・・・ハイレベル検出器、17・・・・ロウレベル検出器、1
8・・・・直流平均値検出器、20・・・・制御回路、22・・・・
第1のメモリ、23・・・・特異点検出手段、24・・・・第1
の遅延量設定手段、27・・・・第2のメモリ、28・・・・参
照電圧設定手段、29・・・・比較電圧発生器、30・・・・負
帰還回路、36・・・・収束判定手段、37・・・・第2の遅延
量設定手段、38・・・・制御手段、40・・・・切換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 7/02 H04L 7/00 H04L 25/03 H03L 7/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力データ信号を参照電圧と比較し波形
    整形して出力する波形整形回路(15)と、 前記参照電圧を変化させるための参照電圧発生器(2)
    と、 入力クロック信号を受けて遅延させる可変遅延器(3)
    と、 前記波形整形回路から出力されたデータ信号を前記可変
    遅延器から出力されたクロック信号のタイミングで符号
    判定して出力する識別器(4)と、 該識別器で符号判定された前記波形整形回路からのデー
    タ信号の直流平均値を検出する直流平均値検出器(1
    8)と、 該直流平均値検出器の出力を受けて前記可変遅延器の遅
    延量を変化させる制御回路(20)とを備え、 前記参照電圧を変化させることと、前記直流平均値検出
    器からの出力に基づいて入力クロック信号を遅延させる
    こととによって、入力データ信号と入力クロック信号と
    の相対的な位相を調整するようにしたことを特徴とする
    位相調整回路。
  2. 【請求項2】 前記制御回路は、 前記直流平均値検出器からの出力を順次記憶する第1の
    メモリ(22)と、 該第1のメモリからデータを読出して、前記直流平均値
    検出器の出力の電圧の特異点を検出する特異点検出手段
    (23)と、 前記可変遅延器の遅延量を変えて順次設定するとともに
    その順次設定される遅延量に対応した信号を前記第1の
    メモリに出力し、かつ、前記特異点検出手段から出力さ
    れる前記特異点の情報を受けて、該情報に基づいて前記
    可変遅延器に設定すべき遅延量を特定するとともに特定
    した該遅延量を前記可変遅延器に出力する第1の遅延量
    設定手段(24)とを含むことを特徴とする請求項1記
    載の位相調整回路。
  3. 【請求項3】 前記波形整形回路は、 前記入力データ信号のハイレベル電圧を検出するハイレ
    ベル検出器(16)と、 該入力データ信号のロウレベル電圧を検出するロウレベ
    ル検出器(17)と、 該入力データ信号を参照電圧と比較し波形整形して出力
    するコンパレータ(1)とを含み、かつ、前記制御回路
    は、 前記直流平均値検出器からの出力を順次記憶する第1の
    メモリ(22)と、 該第1のメモリからデータを読出して、前記直流平均値
    検出器の出力の電圧の特異点を検出する特異点検出手段
    (23)と、 前記可変遅延器の遅延量を変えて順次設定するとともに
    その順次設定される遅延量に対応した信号を前記第1の
    メモリに出力し、かつ、前記特異点検出手段から出力さ
    れる前記特異点の情報を受けて、該情報に基づいて前記
    可変遅延器に設定すべき遅延量を特定するとともに特定
    した該遅延量を前記可変遅延器に出力する第1の遅延量
    設定手段(24)と、 前記ハイレベル検出器及びロウレベル検出器からそれぞ
    れ出力されたハイレベル電圧及びロウレベル電圧を記憶
    する第2のメモリ(27)と、 該第2のメモリからデータを読出して、前記ハイレベル
    電圧と前記ロウレベル電圧との中間の電圧及び該中間の
    電圧に所定の電圧を加減した補正の電圧を求めるととも
    に、前記特異点検出手段が前記特異点を検出する前は該
    補正の電圧を、また該特異点を検出した後は該中間の電
    圧を前記参照電圧発生器が前記参照電圧として発生する
    ようにする参照電圧設定手段(28)とを含むことを特
    徴とする請求項1記載の位相調整回路。
  4. 【請求項4】 前記波形整形回路は、 前記入力データ信号のハイレベル電圧を検出するハイレ
    ベル検出器(16)と、 該入力データ信号のロウレベル電圧を検出するロウレベ
    ル検出器(17)と、 該入力データ信号を参照電圧と比較し波形整形して出力
    するコンパレータ(1)とを含み、かつ、前記制御回路
    は、 前記直流平均値検出器の出力と電圧比較を行うための基
    準となる比較電圧を発生する比較電圧発生器(29)
    と、 該比較電圧発生器からの比較電圧と前記直流平均値検出
    器からの出力とを受けて、該直流平均値検出器の出力を
    該比較電圧と等しくするように前記可変遅延器の遅延量
    を変化させるための信号を出力する負帰還回路(30)
    と、 該負帰還回路から出力される信号の電圧値を検出して出
    力するとともに、検出された該電圧値の変動量に基づい
    て前記直流平均値検出器の出力と前記比較電圧とが等し
    くなったか否かを判定して、等しくなったと判定した時
    は特異点の情報を出力する収束判定手段(36)と、 該収束判定手段から前記特異点の情報と前記電圧値とを
    受けて、該特異点における電圧値に基づいて前記可変遅
    延器に設定すべき遅延量を特定して出力する第2の遅延
    量設定手段(37)と、 制御信号に基づいて、前記負帰還回路からの出力と該第
    2の遅延量設定手段からの出力とを切り換えて前記可変
    遅延器に出力する切換器(40)と、 前記収束判定手段からの出力を受けて、該出力から前記
    特異点の情報を検出する前は前記負帰還回路からの出力
    を、また該特異点の情報を検出した後は前記第2の遅延
    量設定手段からの出力を前記切換器が前記可変遅延器に
    出力するように該切換器を制御するための前記制御信号
    を出力する制御手段(38)と、 前記ハイレベル検出器及びロウレベル検出器からそれぞ
    れ出力されたハイレベル電圧及びロウレベル電圧を記憶
    する第2のメモリ(27)と、 該第2のメモリからデータを読出して、前記ハイレベル
    電圧と前記ロウレベル電圧との中間の電圧及び該中間の
    電圧に所定の電圧を加減した補正の電圧を求めるととも
    に、前記制御手段が前記負帰還回路からの出力を前記可
    変遅延器に出力するように前記切換器を制御していると
    きは該補正の電圧を、また第2の遅延量設定手段からの
    出力を該可変遅延器に出力するように該切換器を制御し
    ているときは該中間の電圧を前記参照電圧発生器が前記
    参照電圧として発生するようにする参照電圧設定手段
    (28)とを含むことを特徴とする請求項1記載の位相
    調整回路。
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