JP3478053B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光学製品部材 - Google Patents
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光学製品部材Info
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Description
質性、低複屈折性等の、優れた光学的特性を備えると共
に、成形加工性にも優れた芳香族ポリカーボネート樹脂
組成物、およびそれからなる光学製品部材に関する。
脂、例えば、ジオール成分として、ビスフェノールA、
即ち、2,2−ビス(4−ヒドロキンフェニル)プロパ
ン、に代表される芳香族ジオールを用いて得られる芳香
族ポリカーボネート樹脂は、透明性、機械的性質、耐熱
性、および寸法安定性等に優れていることから、エンジ
ニアリングプラスチックとして多くの分野に広く用いら
れており、特に、透明性に優れることから光学製品部材
としての用途も多い。しかしながら、従来のポリカーボ
ネート樹脂は、光学材料としては複屈折が大きいという
欠点を有しており、近年、その低減化の要求が高まりつ
つある。特に、デジタル信号を利用した光情報材料とし
て供する場合、例えばデジタルオーディオディスク、デ
ジタルビデオディスク、さらには情報読み取り、書き込
みを目的としたディスクにおいては、透明性は勿論のこ
と、光学的歪みや複屈折低減の要求が厳しくなってお
り、中でも、光磁気記録方式では、基板断面方向の複屈
折(垂直複屈折)が5×10-5以下であることが要求さ
れている。これに対して、通常行われている射出成形に
おいて光学的歪みを少なくするために、溶融樹脂温度を
上げて溶融流動性をよくする等の方法が採られている
が、樹脂温度を上げると樹脂の劣化に伴う種々のトラブ
ルが生起し、十分な解決策とはなっていない。
リカーボネート樹脂材料の開発も行われている。例え
ば、ジオール成分として、耐熱性を併せ持つ、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを用いたポ
リカーボネート樹脂が知られているが、この樹脂は、複
屈折低減効果は著しいものの、成形が困難であるという
問題があり、例えば、米国特許第5486577号明細
書では、この点の解決を図るべく、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンを用いたポリカーボネー
ト樹脂を混合することが提案されている。しかし、本発
明者が知る限り、この組成物は、低複屈折性を有する反
面、透明性、光学的均質性に問題があり、また、成形加
工性も十分ではない。また、特開平2−304741号
公報には、前記フルオレンと、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンや1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン等の芳香族ジオー
ル成分とを共重合したポリカーボネート共重合体が記載
されているが、この場合も、本発明者が知る限り、複屈
折低減効果は認められるものの、透明性、光学的均質性
が不十分であり、また、成形加工性にも問題がある。
カーボネート樹脂を光学材料に用いるに当たっての前述
した従来の問題を解決すべくなされたものであって、従
って、本発明は、透明性、光学的均質性、低複屈折性等
の、優れた光学的特性を備えると共に、成形加工性にも
優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、およびそれ
からなる光学製品部材を提供することを目的とする。
(A)と成分(B)とからなる芳香族ポリカーボネート
樹脂組成物、およびそれからなる光学製品部材を要旨と
する。 成分(A);下記一般式(I)
有していてもよい。)で表される構成単位10〜60モ
ル%と、下記一般式(II)
ていてもよいアルキル基、または置換基を有していても
よいフェニル基を表し、それぞれのベンゼン環は置換基
を有していてもよい。)で表される構成単位90〜40
モル%とからなる芳香族ポリカーボネート共重合体樹脂
1〜99重量%
換基を有していてもよいアルキル基を表し、それぞれの
ベンゼン環は置換基を有していてもよい。)で表される
構成単位、および/または、下記一般式(IV)
ル結合、またはスルホン結合を表し、それぞれのベンゼ
ン環は置換基を有していてもよい。)で表される構成単
位、の過半量からなる芳香族ポリカーボネート樹脂99
〜1重量%
一般式(I)で表される構成単位でのベンゼン環の置換
基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、フェニル基、ニトロ基、およびハロゲ
ン原子等が挙げられ、前記一般式(I)で表される構成
単位を得るための芳香族ジオールの具体例としは、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,
9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル
−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(3−クロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ト
リクロロメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,6
−ジメチルフルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−4,5−ジメチルフルオレン、9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ジクロロフル
オレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,6−ジフェニルフルオレン、9,9−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−3,6−ジメチルフ
ルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−3,6−ジクロロフルオレン等を挙げるこ
とができる。中で、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、および、9,9−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
位でのR1 としては、水素原子、メチル基およびエチル
基等の炭素数1〜4のアルキル基、並びにフェニル基等
が例示され、また、ベンゼン環の置換基は、前記一般式
(I)におけると同じであり、前記一般式(II)で表さ
れる構成単位を得るための芳香族ジオールの具体例とし
ては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(2,6−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(3−フルオ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタ
ン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−
4−フルオロフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−フルオロフェニルメタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−クロロフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブロモフェニルメタ
ン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−4−フルオロフェニルメタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−
ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(4−ニトロフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェ
ニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ジフェニルメタン等を挙げることができる。中で、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、および、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルエタンが好ましい。
合体樹脂における前記一般式(I)で表される前記芳香
族ジオールに由来する構成単位(以後、「FL単位」と
略称することがある。)と、前記一般式(II)で表され
る前記芳香族ジオールに由来する構成単位(以後、「T
P単位」と略称することがある。)との構成比は、その
FL単位とTP単位との合計量に対して、FL単位が1
0〜60モル%、TP単位が90〜40モル%であるこ
とが必須であり、FL単位が10〜45モル%、TP単
位が90〜55モル%であるのが好ましく、FL単位が
10〜30モル%、TP単位が90〜70モル%である
のが特に好ましい。FL単位が10モル%未満では、組
成物としての複屈折の低減効果が認められず、また、6
0モル%超過では、組成物としての透明性および光学的
均質性が低下し、さらに、成形加工性にも問題が生じ
る。なお、本発明における成分(A)としては、その特
性を損なわない範囲で、前記FL単位と前記TP単位以
外の芳香族ジオールや脂肪族ジオールに由来する構成単
位が共重合されていてもよい。また、本発明における成
分(A)としての芳香族ポリカーボネート共重合体樹脂
は、塩化メチレン溶液、20℃での極限粘度[η]が、
0.20〜0.46dl/gの範囲にあるのが好まし
い。
(III)で表される構成単位でのR2 およびR3 として
は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、およ
びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が例示さ
れ、さらに、R2 とR3 でシクロアルキレン環を形成し
ていてもよく、また、前記一般式(III)および前記一般
式(IV)で表される構成単位でのベンゼン環の置換基
は、前記一般式(I)におけると同じであり、前記一般
式(III)で表される構成単位を得るための芳香族ジオー
ルの具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3
−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−s−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ジベンジルメタン等を挙げ
ることができる。また、前記一般式(IV)で表される構
成単位を得るための芳香族ジオールの具体例としては、
4,4' −ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'
−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4' −ジヒ
ドロキシジフェニルスルフィド等を挙げることができ
る。これらの中で、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、および、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパンが好ましく、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが特に好ま
しい。
は、前記一般式(III)および/または(IV)で表される
構成単位(以後、「BP単位」と略称することがあ
る。)の過半量からなることが必須であり、そのBP単
位が80モル%以上であることが好ましく、その際の他
の構成単位としては、前記成分(A)における前記FL
単位、TP単位、および脂肪族ジオールに由来する構成
単位等が用いられるが、BP単位のみからなるものが好
適に用いられる。また、本発明における成分(B)とし
ての芳香族ポリカーボネート樹脂は、塩化メチレン溶
液、20℃での極限粘度[η]が、0.26〜0.64
dl/gの範囲にあるのが好ましい。
物における成分(A)および成分(B)の各々の芳香族
ポリカーボネート樹脂は、工業的に用いられている公知
の方法で製造することができる。例えば、公知の触媒を
用いて、前記芳香族ジオールとホスゲンから界面重合
(ホスゲン法、または界面重合法)によって、あるい
は、前記芳香族ジオールとジフェニルカーボネート等の
炭酸エステルとのエステル交換(エステル交換法、また
は溶融重合法)によって、等の方法により製造すること
ができる。
物は、成分(A)としての芳香族ポリカーボネート共重
合体樹脂と成分(B)としての芳香族ポリカーボネート
樹脂との組み合わせとして、具体的に、以下のものが例
示できる。 ・FL単位/TP単位共重合体 + BP単位重合体 ・FL単位/TP単位共重合体 + BP単位/FL単
位共重合体 ・FL単位/TP単位共重合体 + BP単位/TP単
位共重合体 ・FL単位/TP単位/BP単位共重合体 + BP単
位重合体 ・FL単位/TP単位/BP単位共重合体 + BP単
位/FL単位共重合体 ・FL単位/TP単位/BP単位共重合体 + BP単
位/TP単位共重合体
物における成分(A)と成分(B)との組成割合は、成
分(A)が1〜99重量%、成分(B)が99〜1重量
%であり、成分(A)が5〜60重量%、成分(B)が
95〜40重量%であるのが好ましい。成分(A)が1
重量%未満であると、組成物としての複屈折の低減効果
が認められず、また、99重量%超過では、組成物とし
ての成形加工性に問題が生じる。
物は、成分(A)と成分(B)とを、例えば、それぞれ
の粉末または粒状物をスーパーミキサー、ヘンシェルミ
キサー、タンブラー等の混合機で混合した後、二軸押出
機、ニーダー、ロール等で溶融混練する方法、あるいは
溶液状で混合する方法等の公知の方法で製造することが
できる。なお、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組
成物には、成形材料として使用するに当たって要求され
る熱安定性、離型性、帯電防止性等を付与するために、
例えば、亜燐酸エステル系、ヒンダードフェノール系の
酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系、ジベンゾイルメタン系、サリチレート系等の光安定
剤、シリコン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、脂肪酸
グリセリド系、蜜ろう系等の滑剤や離型剤、ポリアルキ
レングリコール系、脂肪酸グリセリド系等の帯電防止剤
等を添加することができる。
物を用いて光学製品部材等を成形するには、押出成形、
射出成形、ブロー成形、圧縮成形、射出圧縮成形等の公
知の成形法を用いることができるが、本発明の一つであ
る光学製品部材を成形するには、射出圧縮成形が好適で
ある。本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用
いて成形される光学製品部材の具体例としては、高密度
の光ディスク基板、光ディスク用ピックアップレンズ、
光学レンズ、LCD基板、PDP基板、プロジェクショ
ン用テレビスクリーン、位相差フィルム等が挙げられ
る。
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。 芳香族ポリカーボネート樹脂の製造 製造例1 FL単位用としての9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン17重量部、TP単位用としての1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン83重量部、水酸化ナトリウム41重量部、水62
0重量部、および塩化メチレン290重量部との混合物
を、撹拌機付き反応機に仕込み、800rpmで攪拌
し、これにホスゲン63重量部を1時間の間に吹き込ん
で界面重合を行い、反応終了後にポリカーボネートオリ
ゴマーを含有する塩化メチレン溶液のみを捕集した。得
られたオリゴマーの塩化メチレン溶液を以下の方法で分
析し、以下の結果を得た。 ・オリゴマー濃度(蒸発乾固させて測定);20.3重
量% ・末端クロロホーメート基濃度(アニリンと反応させて
得られたアニリン塩酸塩を0.2規定水酸化ナトリウム
水溶液で中和滴定);0.27規定 ・末端フェノール性水酸基濃度(四塩化チタン、酢酸溶
液に溶解させたときの発色を546nmで比色定量);
0.025規定 引き続いて、このオリゴマー溶液100重量部、3−ペ
ンタデシルフェノール1.8重量部、および塩化メチレ
ン140重量部の混合物を撹拌機付き反応機に仕込み、
550rpmで撹拌し、さらに、水酸化ナトリウム4重
量%水溶液48重量部、およびトリエチルアミン2重量
%水溶液0.27重量部を加え、7時間界面重合を行っ
た後、反応物を分液し、ポリカーボネート樹脂を含む塩
化メチレン溶液を、水酸化ナトリウム水溶液、塩酸水溶
液、水の順に用いて洗浄し、最後に塩化メチレンを蒸発
させて樹脂を採取した。この樹脂の極限粘度[η]は
0.29dl/gであった。以上の結果を表1に示し
た。
2〜6では、重合体製造時の撹拌速度を200rpmと
した。)外は、製造例1と同様にして、オリゴマーを製
造し、その溶液を分析し、さらに、ポリカーボネート樹
脂を製造し、その極限粘度を測定した。それらを表1に
示した。
び、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
に由来する構成単位のみからなるポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学社製、ユーピロンH4000、極限粘度
[η]0.36dl/g)を用いて、表2に示す配合割
合で、スーパーミキサーで混合した後、二軸押出機を用
いて樹脂温度300〜320℃の温度条件で溶融混練し
て樹脂組成物を製造した。さらに、得られた樹脂組成物
を住友重機社製の射出圧縮成形機(ディスク5AM3)
を用いて射出圧縮成形し、直径130mm、厚さ1.2
mmの光ディスク基板を成形した。それぞれ得られた光
ディスク基板について、全光線透過率、光学的均質性、
複屈折、および成形転写性を以下の方法で評価し、結果
を表2および表3に示した。
拠して測定した。 ・光学的均質性 PULSTEC社製テスター(光学系:レーザー波長6
80nm、NA=0.6)を用い、トラッキングONの
状態でフォーカスエラー信号(FES)を測定し、前記
「ユーピロンH4000」の振幅値に対する比で示し
た。なお、フォーマットは4.6GB容量の光磁気ディ
スクとした。 ・複屈折 オーク製作所製ADR−130Nを用い、半径27〜6
2mmの範囲を波長632nmのレーザーにて斜め30
度入射角で測定したものを垂直複屈折の平均値で示し
た。 ・成形転写性 ショット数1500とし、10枚中のダブルスタンピン
グ(D/S)発生枚数で評価した。また、ピットにおけ
る基板レプリカとガラスマスターとの深さ比および形状
から判断し、以下の基準で評価した。 ◎;非常に良好 ○;良好 △;不十分 ×;非常に悪い
と製造例8で得られた樹脂72重量%との混合組成物
(極限粘度[η]0.30dl/g)を用いた外は、前
記実施例1〜6等と同様にして樹脂組成物を製造した。
結果を表3に併記した。
屈折性等の、優れた光学的特性を備えると共に、成形加
工性にも優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、お
よびそれからなる光学製品部材を提供することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】下記の成分(A)と成分(B)とからなる
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 成分(A);下記一般式(I) 【化1】 (式中、それぞれのベンゼン環は置換基を有していても
よい。)で表される構成単位10〜60モル%と、下記
一般式(II) 【化2】 (式中、R1 は、水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル
基を表し、それぞれのベンゼン環は置換基を有していて
もよい。)で表される構成単位90〜40モル%とから
なる芳香族ポリカーボネート共重合体樹脂1〜99重量
% 成分(B);下記一般式(III) 【化3】 (式中、R2 およびR3 は、水素原子、置換基を有して
いてもよいアルキル基を表し、それぞれのベンゼン環は
置換基を有していてもよい。)で表される構成単位、お
よび/または、下記一般式(IV) 【化4】 (式中、Xは、エーテル結合、チオエーテル結合、また
はスルホン結合を表し、それぞれのベンゼン環は置換基
を有していてもよい。)で表される構成単位、の過半量
からなる芳香族ポリカーボネート樹脂99〜1重量% - 【請求項2】 成分(A)における前記一般式(I)で
表される構成単位が10〜30モル%、前記一般式(I
I)で表される構成単位が90〜70モル%である請求
項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】 成分(A)が5〜60重量%、成分
(B)が95〜40重量%である請求項1または2に記
載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の芳香
族ポリカーボネート樹脂組成物からなることを特徴とす
る光学製品部材。 - 【請求項5】 光学製品部材が光ディスク用基板である
請求項4に記載の光学製品部材。
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JP12206197A JP3478053B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる光学製品部材 |
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