JP3477912B2 - 複写機感光体バインダー用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

複写機感光体バインダー用熱可塑性樹脂組成物

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JP3477912B2 JP14947995A JP14947995A JP3477912B2 JP 3477912 B2 JP3477912 B2 JP 3477912B2 JP 14947995 A JP14947995 A JP 14947995A JP 14947995 A JP14947995 A JP 14947995A JP 3477912 B2 JP3477912 B2 JP 3477912B2
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、特に複写機用感光体の
バインダーとして用いた場合に、ゲルの発生がなく感光
特性に優れた塗膜を与える熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来より複写機などの電子写真機に用い
られる感光体として無機光導電材料または有機光導電材
料よりなる感光体が広く用いられている。これらの感光
体のバインダーとして通常ビスフェノールA骨格を有す
るポリカーボネート樹脂(PC)が良好な透明性・強度
・電気特性を有するため広く用いられているが、これら
のバインダーは加水分解や溶液のゲル化などの問題があ
り、良質な感光体層を得ることが難しかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、透明性に優れた塗膜
を与え、特に複写機用有機系感光体のバインダーとして
好適な熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする
ものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は[A]下記化3
(以下「化1」ともいう)で表される少なくとも一種の
単量体99〜1重量%および下記化4(以下「化2」と
もいう)で表される少なくとも一種の単量体1〜99重
量%からなる単量体をメタセシス重合し、さらに水素添
加して得られた水素添加率が98%以上の共重合体(以
下「特定共重合体」という)ならびに[B]電荷発生物
質および/または電荷移動物質を含有することを特徴と
する複写機感光体バインダー用熱可塑性樹脂組成物(以
下「熱可塑性樹脂組成物」ともいう)を提供することも
のである。 【0005】 【化学式3】 【0006】 【化学式4】【0007】(式中、A、B、C、Dは水素原子、ハロ
ゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、互
いに結合して単環または多環の基を形成していてもよ
く、かつ該単環または多環の基が二重結合を有していて
も良く、AとCとでアルキリデン基を形成していてもよ
い。XおよびYは水素原子または一価の有機基であっ
て、XおよびYの少なくとも一つは水素原子および炭化
水素基以外の極性を有する基を示し、kは0または正の
整数であり、qは0または1である。) 【0008】前記化1において、XおよびYは水素原子
または一価の有機基である。一価の有機基としてはアル
キル基、アルキリデン基、アリール基などの他に極性基
が挙げられる。前記化1において、極性基が特に−(C
2 n COOR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の
炭化水素基、nは0〜10の整数を示す)で表される基
であることが、得られる水添重合体が高いガラス転移温
度を有するものとなるので好ましい。特に、この−(C
2 n COOR3 で表される基は、化1で表される単
量体の1分子あたりに1個含有されることが好ましい。
ここで、R3は炭素数1〜20の炭化水素基であるが、
炭素数が多くなるほど得られる水添重合体の吸湿性が小
さくなる点では好ましいが、得られる水添重合体のガラ
ス転移温度とのバランスの点から、炭素数1〜4の鎖状
アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル基
であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シク
ロヘキシル基であることが好ましい。さらに、−(CH
2 n COOR3 で表される基が結合した炭素原子に、
同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換基として結合
されている化1の単量体は、吸湿性を低下させるので好
ましい。すなわち、Xが−(CH2 n COOR3 で表
される基である場合には、Aが炭素数1〜10の炭化水
素基であることが好ましい。特に、この炭素数1〜10
の炭化水素基がメチル基またはエチル基である化1の単
量体は、その合成が容易な点で好ましい。前記化1にお
いて、AおよびBは後述する化2に挙げるものと同様で
ある。 【0009】化1で表される単量体の具体例としては、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2,2,1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−
3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−n
−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−3
−ドデセン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−
(1−メチルプロピルオキシカルボニル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−
(2−メチルプロピルオキシカルボニル)テトラシクロ
[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−
(2,2−ジメチルエチルオキシカルボニル)テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8
−シクロヘキシルオキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プ
ロピルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプ
ロピルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−nーブ
チルオキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−シクロ
ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−
3−ドデセン、などを挙げることができる。これらの中
では特に、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラ
シクロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセンが
好ましい。 【0010】前記化2において、AおよびBは前記化1
と同様であり、CおよびDもAおよびBと同様の基から
選ばれる。前記A、B、CおよびDにおける炭素数1〜
10の炭化水素基は非極性基であり、具体的にはアルキ
ル基、アルキリデン基が好ましい。また、化2で表され
る単量体の例としては、ビシクロ[2,2,1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプ
ト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン、5−エチリデンビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]−8−デセン、テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、ペンタシクロ[7.4.
0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、ト
リシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、ジ
メタノオクタヒドロナフタレン、8−メチル−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、
8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリメチル−テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセ
ン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、8−n−プロピル−テトラシク
ロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8−
n−ブチル−テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−メチレン−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセン、8
−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 7,10]−3−ドデセン、8−プロピリデン−テト
ラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−3−ドデセ
ン、8,8−ジメチレン−テトラシクロ[4.4.0.
2,5 7,10]−3−ドデセン、8,8,9−トリメチ
レン−テトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]−3
−ドデセントリメタノオクタヒドロナフタレン、ペンタ
シクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,18]−3−
ヘキサデセン、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.1
10,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18
13,16.03,8.012,17]5−ヘンエイコセンなどを
挙げることができる。 【0011】 これらの化1で表される単量体および化
2で表される単量体は、開環重合法を用いて共重合する
ことができ、例えば特開平4−77520号公報第4頁
右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された方法
によって、メタセシス重合、水素添加され、特定共重合
体とすることができる。化1で示される単量体と化2で
示される単量体の共重合比率は化1/化2比で99/1
〜1/99(重量比)の範囲で共重合する事ができる
が、得られる重合体の耐熱性と電荷発生物質(電荷移動
物質)の分散性のバランスから98/2〜50/50の
範囲であることが好ましく、95/5〜70/30の範
囲であることがさらに好ましい。上記水添重合体の軟化
温度は40℃以上、ガラス転移温度は50℃以上である
ことが耐熱性の点で好ましい。また、上記水添重合体の
水素添加率は、60MHz、H−NMRで測定した値
が98%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に
対する安定性が優れる。なお、本発明において特定共重
合体として使用される水添重合体は、塗膜表面やフィル
ム表面の肌あれなどの不良発生防止の面から該水添重合
体中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが
好ましく、さらに1重量%であることが好ましい。 【0012】本発明において特定共重合体としては、上
記化1で表される少なくとも一種の単量体99〜1重量
%、および上記化2で表される少なくとも一種の単量体
1〜99重量%を含む単量体組成物を共重合させてえら
れるものである。上記化1で表される単量体が1重量%
未満であると特定共重合体と電荷発生物質や電荷移動物
質との相溶性が悪くなり、製膜時にこれらの電荷発生物
質や電荷移動物質が表面にブリードするなど良質な感光
塗膜を得ることが難しい。本発明の熱可塑性樹脂組成物
を得る方法は特に限定されるものではなく、例えばペレ
ットまたは粉末状の上記特定共重合体を電荷発生物質お
よび/または電荷移動物質とともに適当な溶媒に溶解ま
たは分散させたものが用いられる。また、本発明の熱可
塑性樹脂組成物にはさらに他の熱可塑性樹脂や熱可塑性
エラストマーを含んでいてもよい。 【0013】本発明において、熱可塑性樹脂組成物にお
ける溶媒は、溶質である上記熱可塑性樹脂を溶解または
分散し得る溶剤であれば特に限定されない。このような
溶剤の例としては例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリメチルベン
ゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クロ
ロベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、アルカン類、
シクロアルカン類、アルケン類、シクロアルケン類など
の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンな
どのケトン系溶剤、ジエチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピランなどのエーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ギ酸エチル、ギ酸
ブチル、セロソルブアセテート、カルビトールアセテー
トなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール、セロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、エチ
ルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアル
コールなどのアルコール系溶剤が挙げられる。これら溶
剤は単独で用いられてもよいし、また2種以上の溶剤を
混合して用いてもよい。また上記特定単量体を溶解する
溶媒と溶解しない溶媒との混合であってもよい。なお上
記特定単量体を溶解しないものとして水、油脂を使用し
てもよい。 【0014】上記溶剤のなかでも特に、炭化水素系溶
剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤、テトラヒドロフランな
どのエーテル系溶剤が好ましい。上記特定共重合体を溶
媒で溶解する場合、室温でも高温でもよい。充分に攪拌
することにより均一な溶液が得られる。本発明の熱可塑
性樹脂組成物の濃度は、特定共重合体の分子量や用途の
種類、要求物性によって自由に選択することが可能であ
るが、粘度にして100cp〜100,000cpの範
囲にあることが好ましい。100cp未満では粘度が低
すぎ塗装が困難で均一な塗膜が得られにくく、また塗装
後溶媒を除去するのに時間がかかる。また100,00
0cpを超えると流動性が悪く表面状態の良い塗膜が得
られにくい。また本発明の熱可塑性樹脂組成物から得ら
れる塗膜は室温で軟化しないことが望ましく、特に軟化
温度が50℃以上であることが望ましい。 【0015】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、公知の
酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t
−ブチル−5,5’−ジメチルフェニルメタン、テトラ
キス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5ートリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル−ベンゼン、ステアリル−β−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブ
チル−5,5’−ジエチルフェニルメタン、3,9−ビ
ス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ]エチル]、2,4,8,10−テトラオキスピロ
[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタン
テトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホス
ファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイトを添加することが
できる。これらの酸化防止剤の添加量は特定重合体10
0重量部に対して,通常0.1〜3重量部,好ましくは
0.2〜2重量部である。酸化防止剤の使用量が少なす
ぎる場合には耐久性の改良効果が不十分であり、多すぎ
る場合には成形表面からブリードしたり、透明性が低下
するなどの問題点が生じ好ましくない。 【0016】本発明の熱可塑性樹脂組成物には上記のよ
うな酸化防止剤の他に、必要に応じて紫外線吸収剤、例
えばp−t−ブチルフェニルサリシレ−ト、2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−(2’−ジヒドロキシ−
4’−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
無機充填剤、例えば炭酸カルシウム、カーボンファイバ
ー、金属酸化物;安定剤、帯電防止剤、染料、顔料、難
燃剤、レベリング材を添加することが出来る。また、加
工性を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加するこ
ともできる。本発明において、上記特定共重合体を溶剤
に溶解または分散させてなる樹脂溶液に添加される電荷
発生物質および/または電荷移動物質としては公知に用
いられているものを用いることができ、電荷発生物質の
例としては、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金、その他のセレン化合物およびセ
レン合金、酸化亜鉛、酸化チタンなどの無機系光導電体
や、アゾ顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、イ
ンジゴイド系顔料、フタロシアニン系顔料、カルボニウ
ム系顔料、キノンイミン系顔料、メチン系顔料、キノリ
ン系顔料、ベンゾキノン系顔料、ナフタルイミド系顔
料、ペリノン系顔料、アズレニウム系顔料、スクアリリ
ウム系顔料、チアピリリウム系顔料などの有機顔料を用
いることができる。また電荷移動物質の例としてはカル
バゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香
族アミン類、スチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘
導体などの物質を用いることができる。以上のような電
荷発生物質や電荷移動物質などを配合した本発明の熱可
塑性樹脂組成物を感光層として、浸漬塗布法 、スプレ
ーコーティング法、プレートコーティング法、スピナー
コーティング法、ビードコーティング法、カーテンコー
ティング法などの公知のコーティング法によって導電性
基板上に塗布すればよい。ここで感光層は電荷発生物質
と電荷移動物質の両方を同時に含む単相構造であって
も、電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷移動物質を含
む電荷移動層とに機能分離された積層構造であってもよ
い。さらに感光層の上に耐摩耗性層などの保護層を設け
ることもできる。本発明の熱可塑性系樹脂組成物は上記
のような電子写真用感光体としての用途の他に各種感光
体の用途に用いることができる。 【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン70g、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン30g、トルエン
300g、および1−ヘキセン9gを内容積1リットル
の反応器に加え80℃に加熱した。これに、トリエチル
アルミニウムのトルエン溶液(濃度1.15モル/リットル )
0.23部とジクロロフェニルホスホン酸とメタノール
で変性したWCl6のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)
1.1部を添加し、80℃で更に3時間重合反応を継続
した。こうして得られた開環重合体100部に、水素添
加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリストリフェニ
ルホスフィンルテニウム0.02部を添加し、オートク
レーブ内において、水素ガス圧100kg/cm2、温
度160℃の条件下で4時間加熱することにより水素添
加反応を行った。得られた反応液を冷却した後、水素ガ
スを放圧し、水素添加重合体溶液を得た。得られた水素
添加重合体の水素添加率は実質上100%であった。こ
の水素添加重合体溶液100部とトルエン25部を反応
容器内に仕込み、乳酸0.2部と水0.3部とを添加し
て、60℃で30分間攪拌し、ついでメタノール60部
を添加して、60℃でさらに1時間攪拌した。その後、
反応容器内を室温まで冷却し、貧溶媒相(メタノール
相)と良溶媒相(重合体含有相)とを分離させ、貧溶媒
のみを抜き出した。次いで、抜き出された貧溶媒相の4
5重量%に相当するメタノールと、55重量%に相当す
るトルエンとを反応容器内に添加して60℃で1時間攪
拌した。再び室温まで冷却して貧溶媒相と良溶媒相を分
離させ、貧溶媒のみを抜き出した。このメタノールによ
る抽出操作をもう一度繰り返した後、良溶媒相を分離
し、当該良溶媒相から水素添加重合体を回収した。この
水添重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリト
ールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体
に対して0.05%加えてから300℃で減圧化に脱溶
媒を行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押
し出し機によりペレット化し、重量平均分子量1.3×
105、水添率100%、ガラス転移温度162℃の特
定共重合体Aを得た。 【0018】参考例2 単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン90g、ビシクロ[2.2.1]ヘプトー2ーエン1
0gを用いた他は、実施例1と同様の方法でメタセシス
開環重合および水添、脱触操作を行ない、水添重合体溶
液を得た。この水添重合体溶液に、参考例1と同じ酸化
防止剤を水添重合体に対して0.05%加えてから、2
80℃で減圧化に脱溶媒を行なった。次いで溶融した樹
脂を窒素下雰囲気で押し出し機によりペレット化し、重
量平均分子量1.2×105、水添率100%、ガラス
転移温度130℃の特定共重合体Bを得た。 実施例1 参考例1で得られた特定共重合体A100部とアミン系
染料30部をジクロロメタン/ジクロルエタン混合溶液
に溶解してなる濃度10重量%の樹脂溶液を得た。この
樹脂溶液についてゲル発生の有無を評価した。次にIT
O蒸着されたガラス基板の蒸着面にビニル系ポリマーか
らなる電荷発生層を塗布により形成した後、上記の樹脂
溶液を塗布し、90℃で1時間の乾燥を行って、膜厚2
0μm以上の電荷移動層を形成することによって感光体
を得た。この感光体について感光体特性を評価した。評
価結果を表1に示す。なお、各測定は以下のように行っ
た。 【0019】ゲル発生の有無 樹脂溶液を24時間静置した後のゲル化の有無を目視で
観察した。感光体特性 感光体をコロナ帯電器で帯電させ(そのときの表面電位
をVi (V)とする)、1秒間放置した後(そのときの
表面電圧をV0 (V)とする)、単色レーザー光(78
0nm、2μW/cm2 )を連続的に露光し、表面電位
を減衰させることにより次の特性を求めた。 帯電保持率D1 上記の表面電位(Vi 、V0 )の測定値から下式により
算出した。 D1 =V0 /Vi ×100(%) 半減露光量E1/2 露光開始から表面電位がV0 の半分に減衰するのに必要
な時間t1/2 (s)と照射光の強度2(μW/cm2
との積を半減露光量E1/2 (μJ/cm2 )とした。 残留電位Vr 露光開始から時間10×t1/2 (s)経過したときの表
面電位を残留電位Vr(V)とした。 【0020】実施例2 特定共重合体Aのかわりに特定共重合体Bを用いた他は
実施例1と同様の方法で感光体を得た。この感光体につ
いて実施例1と同様に評価を行った。評価結果を表1に
示す。 比較例 特定重合体AのかわりにビスフェノールA型ポリカーボ
ネート(帝人化成(株)製「パンライト」K−130
0)を用いたほかは実施例1と同様の方法で感光体を得
た。この感光体について実施例1と同様に評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。 【0021】 【表1】【0022】 【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゲルの
発生のない透明性に優れた塗膜を与えるものであり、特
に電気写真などの感光体のバインダーとして用いた場合
に感光特性など優れた特性を有するものである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 [A]下記化1で表される少なくとも一
    種の単量体99〜1重量%および下記化2で表される少
    なくとも一種の単量体1〜99重量%からなる単量体を
    メタセシス重合し、さらに水素添加して得られた水素添
    加率が98%以上の共重合体ならびに[B]電荷発生物
    質および/または電荷移動物質を含有することを特徴と
    する複写機感光体バインダー用熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、A、B、C、Dは水素原子、ハロゲン原子また
    は炭素数1〜10の炭化水素基であり、互いに結合して
    単環または多環の基を形成していてもよく、かつ該単環
    または多環の基が二重結合を有していても良く、AとC
    とでアルキリデン基を形成していてもよい。XおよびY
    は水素原子または一価の有機基であって、XおよびYの
    少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性
    を有する基を示し、kは0または正の整数であり、qは
    0または1である。)
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