JP3475971B2 - 光電子集積回路及びその製造方法 - Google Patents

光電子集積回路及びその製造方法

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JP3475971B2
JP3475971B2 JP13914694A JP13914694A JP3475971B2 JP 3475971 B2 JP3475971 B2 JP 3475971B2 JP 13914694 A JP13914694 A JP 13914694A JP 13914694 A JP13914694 A JP 13914694A JP 3475971 B2 JP3475971 B2 JP 3475971B2
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pin
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健太郎 道口
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浩 矢野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光素子と電子素子とが
モノリシックに集積して形成され、光ファイバ通信等に
用いられる光電子集積回路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバ通信等に用いられる受
信フロントエンドとして、受光素子のpin型フォトダ
イオード(pin−PD)及び電子素子のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタ(HBT)をInP半導体基板上
でモノリシックに集積して構成された光電子集積回路
(OEIC)が開発されている。
【0003】なお、このような先行技術に関しては、文
献"IEEE Photonics Technology Letters,vol.2,no.7,p
p.505-506,July 1990"などに詳細に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光電子集積
回路では、半導体基板上にフォトダイオード層及びトラ
ンジスタ層を順次エピタキシャル成長して積層した後、
pin−PD領域ではトランジスタ層を除去してフォト
ダイオード層を成形し、HBT領域ではトランジスタ層
を成形することにより、pin−PD及びHBTがそれ
ぞれ製造されている。そのため、pin−PDはフォト
ダイオード層のみから形成されているが、HBTはフォ
トダイオード層上にトランジスタ層を積層して形成され
ている。
【0005】しかしながら、一般にフォトダイオード層
の厚さは2〜3μm程度であり、トランジスタ層の厚さ
は1μm程度であるので、pin−PDとHBTでは厚
さ方向において大きな段差を生じることになる。そのた
め、エッチングマスク作成時に塗布したレジスト膜に不
均一なムラが発生してマスク不良を起こしたり、各素子
形成後に配設した金属配線に切断損傷が発生するなどの
製造上の問題がある。
【0006】また、pin−PDとHBTとの段差を拡
大しないためにpin−PDの厚さを大きくすることが
できないので、受光した光の変換効率が低いという問題
がある。
【0007】さらに、電子回路内の抵抗がエピタキシャ
ル成長させた半導体層を用いて形成されているので、温
度に対して抵抗値の変動が大きくなるという問題があ
る。
【0008】そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みて
なされたものであり、プロセス不良が低減されると共
に、光変換効率及び抵抗安定性が向上する光電子集積回
路及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光電子集積回路
は、上記の目的を達成するために、半導体基板と、この
半導体基板の第1の表面領域内に形成されたpin型フ
ォトダイオードと、半導体基板の第2の表面領域内にp
in型フォトダイオードと電気的に接続して形成された
ヘテロ接合バイポーラトランジスタとを備える。ここ
で、pin型フォトダイオードは、第1の表面領域上に
順次積層して形成された第1のコレクタ層、第1のベー
ス層、第1のトンネルバリア層及び第1のエミッタキャ
ップ層からなる第1のトランジスタ層と、この第1のト
ランジスタ層上に順次積層して形成された第1導電型
層、高抵抗性層及び第2導電型層からなるフォトダイオ
ード層と、第1導電型層及び第2導電型層上にそれぞれ
形成された第1の電極層とから構成されており、ヘテロ
接合バイポーラトランジスタは、第2の表面領域上に順
次積層して形成された第2のコレクタ層、第2のベース
層、第2のトンネルバリア層及び第2のエミッタキャッ
プ層からなって第1のトランジスタ層と分離して形成さ
れた第2のトランジスタ層と、第2のコレクタ層、第2
のベース層及び第2のエミッタキャップ層上にそれぞれ
形成された第2の電極層とから構成されていることを特
徴とする。
【0010】ここで、第1及び第2の表面領域は、所定
の深さを有する凹状に形成された凹状段差部の内側領域
及び周辺領域としてそれぞれ構成されていることを特徴
としてもよい。
【0011】また、pin型フォトダイオードまたはヘ
テロ接合型バイポーラトランジスタと電気的に接続され
た金属抵抗層が、半導体基板の第3の表面領域上に形成
されていることを特徴としてもよい。
【0012】さらに、第1及び第2の電極層は、ともに
最下層としてPt層を含む多層構造を有して同一の材料
で形成されていることを特徴としてもよい。
【0013】本発明の光電子集積回路の製造方法は、上
記の目的を達成するために、半導体基板上にコレクタ
層、ベース層、トンネルバリア層、エミッタキャップ
層、第1導電型層、高抵抗性層及び第2導電型層を順次
エピタキシャル成長して形成する第1の工程と、第2導
電型層、高抵抗性層及び第1導電型層をそれぞれ部分的
に順次エッチング除去し、半導体基板の第1の表面領域
上にpin型フォトダイオードを形成する第2の工程
と、エミッタキャップ層、トンネルバリア層、ベース層
及びコレクタ層をそれぞれ部分的に順次エッチング除去
し、前記半導体基板の第2の表面領域上にヘテロ接合バ
イポーラトランジスタを形成する第3の工程と、第1導
電型層、第2導電型層、コレクタ層、ベース層及びエミ
ッタキャップ層上にそれぞれ所定の電極を形成する第4
の工程とを備えることを特徴とする。
【0014】ここで、第1の工程は、まず半導体基板を
部分的にエッチング除去し、所定の深さを有する凹状段
差部の内側領域及び周辺領域として第1及び第2の表面
領域をそれぞれ形成することを特徴としてもよい。この
場合、第1の工程は、半導体基板の所定の表面領域をエ
ッチング除去することによって第1のアライメントマー
クを形成し、当該第1のアライメントマークに基づいた
位置合わせを行って当該半導体基板上に第1のエッチン
グマスクを形成した後、当該第1のエッチングマスクに
対応して凹状段差部を形成し、第2の工程は、第1のア
ライメントマークに基づいた位置合わせを行って第2導
電型層の所定の表面領域をエッチング除去することによ
って第2のアライメントマークを形成し、当該第2のア
ライメントマークに基づいた位置合わせを行って当該第
2導電型層上に第2のエッチングマスクを形成した後、
当該第2のエッチングマスクに対応して前記pin型フ
ォトダイオードを形成し、第3の工程は、第2のアライ
メントマークに基づいた位置合わせを行ってエミッタキ
ャップ層上に第3のエッチングマスクを形成した後、当
該第3のエッチングマスクに対応して前記ヘテロ接合バ
イポーラトランジスタを形成することが好適である。な
お、第1の工程は、凹部を平面的に配列した所定のパタ
ーンとして第1のアライメントマークを形成することが
好適である。
【0015】また、第1の工程は、エミッタキャップ層
及び第1導電型層を相互に異なる材料で形成することを
特徴としてもよい。
【0016】また、第1の工程は、エミッタキャップ層
及び第1導電型層をともに同一の材料で共通層として形
成することを特徴としてもよい。この場合、第1の工程
は、共通層の構成材料に対して異なるバンドギャップエ
ネルギーを有する材料からなるエッチングストップ層を
当該共通層の内部または当該共通層と高抵抗層との接合
部に形成することが好適である。
【0017】また、第4の工程は、pin型フォトダイ
オードまたはヘテロ接合型バイポーラトランジスタと電
気的に接続された金属抵抗層を半導体基板の第3の表面
領域上にさらに形成することを特徴としてもよい。
【0018】さらに、第4の工程は、電極層を同時に形
成することを特徴としてもよい。この場合、第4の工程
は、最下層としてPt層を含む多層構造を有して電極層
を形成することが好適である。一方、第4の工程は、p
in型フォトダイオードまたはヘテロ接合型バイポーラ
トランジスタと電気的に接続された金属配線層を半導体
基板の第4の表面領域上に電極層と同時に形成すること
が好適である。
【0019】
【作用】本発明の光電子集積回路においては、半導体基
板の第1の表面領域内では、pin型フォトダイオード
が第1のトランジスタ層上に積層したフォトダイオード
層に基づいて構成されている。一方、半導体基板の第2
の表面領域内では、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ
が第1のトランジスタ層と分離して成形された第2のト
ランジスタ層のみに基づいて構成されている。通常、1
個のpin型フォトダイオードに対して複数個のヘテロ
接合バイポーラトランジスタが集積して形成されること
から、より個数の多いヘテロ接合バイポーラトランジス
タの厚さがpin型フォトダイオードの厚さに依存せず
に設定される。したがって、pin型フォトダイオード
における高抵抗性層の厚さが大きな自由度で設定される
ことになる。
【0020】ここで、半導体基板の第1の表面領域が凹
状段差部の内側領域であり、半導体基板の第2の表面領
域が凹状段差部の周辺領域である場合、ヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの厚さに対するpin型フォトダイ
オードの厚さの差が凹状段差部の深さによって緩衝され
ている。そのため、pin型フォトダイオード及びヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタはほぼ同一の高さを有す
るように形成される。
【0021】また、pin型フォトダイオードまたはヘ
テロ接合型バイポーラトランジスタと電気的に接続され
た金属抵抗層が形成されている場合、この抵抗層を半導
体で形成する場合と比較し、温度に対する抵抗値の変動
が低減されている。
【0022】さらに、第1及び第2の電極層がともに最
下層としてPt層を含んで同一の材料で形成されている
場合、これらの電極層の最下層をPt層以外のもので形
成する場合と比較し、各半導体層に対する電極特性が向
上する。
【0023】本発明の光電子集積回路の製造方法におい
ては、第1の工程で半導体基板上にトランジスタ層及び
フォトダイオード層を順次積層して形成し、第2の工程
で上層として露出したフォトダイオード層を構成する各
半導体層を順次成形し、第3の工程でフォトダイオード
層を除去して露出したトランジスタ層を構成する各半導
体層を順次成形する。そのため、半導体基板の第1の表
面領域上には、pin型フォトダイオードがトランジス
タ層上に積層したフォトダイオード層に基づいて構成さ
れる。一方、半導体基板の第2の表面領域上には、ヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタがトランジスタ層のみに
基づいて構成される。通常、1個のpinフォトダイオ
ードに対して複数個のヘテロ接合バイポーラトランジス
タが集積して形成されることから、より個数の多いヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタの厚さがpin型フォト
ダイオードの厚さに依存せずに設定される。したがっ
て、pin型フォトダイオードにおける高抵抗性層の厚
さが大きな自由度で設定されることになる。
【0024】ここで、第1の工程で半導体基板に凹状段
差部を形成した後にトランジスタ層及びフォトダイオー
ド層を順次積層する場合、pin型フォトダイオードが
凹状段差部の内側領域上に形成され、ヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタが凹状段差部の周辺領域上に形成され
る。そのため、ヘテロ接合バイポーラトランジスタの厚
さに対するpin型フォトダイオードの厚さの差が凹状
段差部の深さによって緩衝されることから、pin型フ
ォトダイオード及びヘテロ接合バイポーラトランジスタ
はほぼ同一の高さを有するように形成される。
【0025】この場合、第1の工程で半導体基板に形成
した第1のアライメントマークに基づいて位置合わせを
行って凹状段差部を形成し、第2の工程で第1のアライ
メントマークに基づいて位置合わせを行って最上の半導
体層上に第2のアライメントマークを形成し、第2及び
第3の工程で第2のアライメントマークに基づいて位置
合わせを行ってpin型フォトダイオード及びヘテロ接
合バイポーラトランジスタをそれぞれ形成する。そのた
め、pin型フォトダイオード及びヘテロ接合バイポー
ラトランジスタがそれぞれ凹状段差部の内側領域及び周
辺領域上に高いアライメント精度で配置される。
【0026】なお、第1の工程で凹部を平面的に配列し
て第1のアライメントマークを形成し、半導体基板上に
トランジスタ層及びフォトダイオード層を構成する各半
導体層を順次エピタキシャル成長させる。そのため、凸
部を平面的に配列して第1のアライメントマークを形成
する場合と比較し、半導体基板表面の異なる結晶面に対
する半導体層の成長速度の差が低減されるので、成長過
程で生じる半導体層の変形が抑制される。
【0027】また、第1の工程で半導体基板上にエミッ
タキャップ層及び第1導電型層、すなわちトランジスタ
層及びフォトダイオード層が接合している境界領域の半
導体層を相互に異なる材料で積層する。このとき、第2
の工程でこれらの半導体層の材料に対応してエッチャン
トを適宜選択して成形すると、エミッタキャップ層を同
時にエッチング除去しないように第1導電型層がエッチ
ング除去される。そのため、pin型フォトダイオード
を形成した後に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタが
所望の通り高い信頼性で形成される。
【0028】また、第1の工程でエミッタキャップ層及
び第1導電型層をともに同一の材料で共通層として形成
する。そのため、これらの半導体層を異なる材料で形成
する場合と比較し、エピタキシャル成長の一工程が削減
されるので、作業工程が短縮される。
【0029】この場合、第1の工程でエッチングストッ
プ層を共通層の内部または共通層と高抵抗性層との接合
部に形成する。このとき、第2の工程でこれらの半導体
層の材料に対応してエッチャントを適宜選択して成形す
ることにより、pin型フォトダイオードを構成する共
通層をエッチング除去する際に、ヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを構成する共通層が同時にエッチング除去
されない。そのため、pin型フォトダイオードを形成
した後に、ヘテロ接合バイポーラトランジスタが所望の
通り高い信頼性で形成される。
【0030】また、第4の工程でpin型フォトダイオ
ードまたはヘテロ接合型バイポーラトランジスタと電気
的に接続された金属抵抗層を形成する。そのため、この
抵抗層を半導体で形成する場合と比較し、温度に対する
抵抗値の変動が低減される。
【0031】さらに、第4の工程で電極層を同時に形成
する。そのため、これらの電極層の中でオーミック接触
性の導電型が異なるものを互いに別工程で形成する場合
と比較し、電極形成の一工程が削減されるので、作業工
程が短縮される。
【0032】この場合、第4の工程で最下層としてPt
層を含んで電極層を形成する。そのため、これらの電極
層の最下層をPt層以外のもので形成する場合と比較
し、各半導体層に対する電極特性が向上する。一方、第
4の工程でpin型フォトダイオードまたはヘテロ接合
型バイポーラトランジスタと電気的に接続された金属配
線層を電極層と同時に形成する。そのため、これらの電
極層及び金属配線層を互いに別工程で形成する場合と比
較し、電極及び配線形成の一工程が削減されるので、作
業工程がいっそう短縮される。
【0033】
【実施例】以下、本発明に係る実施例の構成および作用
について、図1ないし図13を参照して説明する。な
お、図面の説明においては同一要素には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。
【0034】図1は、本発明の光電子集積回路に係る一
実施例の要部構造を示す断面図である。図2は、図1の
光電子集積回路の全体構造を示す平面図である。図3
は、図2のヘテロ接合バイポーラトランジスタの詳細構
造を示す平面図である。
【0035】この光電子集積回路では、半導体基板1上
に光素子のpin−PDと電子素子のHBTとがモノリ
シックに集積して形成されている。半導体基板1の表面
領域には、凹状段差部4が所定の深さを有して凹状に形
成されている。凹状段差部4の内側領域にはpin−P
D領域2としてpin−PDが配置され、凹状段差部4
の周辺領域にはHBT領域3としてHBTが配置されて
いる。
【0036】pin−PD領域2では、半導体基板1上
にコレクタ層11a,12a、ベース層13a、トンネ
ルバリア層18a及びエミッタキャップ層14aからな
る第1のトランジスタ層と、n型層15、i型層16及
びp型層17からなるフォトダイオード層とが順次積層
して形成されている。これらの半導体層は、それぞれ凹
状段差部4の内側領域に含まれるように成形されてい
る。特に、n型層15、i型層16及びp型層17はそ
れぞれメサ型に成形されている。n型層15及びp型層
17の表面領域には、カソード電極層31及びアノード
電極層32がそれぞれ所定の位置に形成されている。
【0037】一方、HBT領域3では、半導体基板1上
にコレクタ層11b,12b、ベース層13b、トンネ
ルバリア層18b及びエミッタキャップ層14bからな
る第2のトランジスタ層が順次積層して形成されてい
る。これらの半導体層は、それぞれ凹状段差部4の周辺
領域に含まれるようにそれぞれ階段状に成形されてい
る。すなわち、第1及び第2のトランジスタ層は、相互
に分離して成形されている。コレクタ層11b、ベース
層13b及びエミッタキャップ層14bの表面領域に
は、コレクタ電極層33、ベース電極層34及びエミッ
タ電極層35がそれぞれ所定の位置に形成されている。
【0038】なお、半導体基板1は、Feをドープした
InPから形成されている。コレクタ層11a,11b
は、ドーパント濃度約1×1019cm-3を有するn+
GaInAsから形成されている。コレクタ層12a,
12bは、ドーパント濃度約5×1016cm-3を有する
n型GaInAsから形成されている。これらのコレク
タ層11a,12aとコレクタ層11b,12bとは、
それぞれ合わせて層厚約800nmを有している。ベー
ス層13a,13bは、ドーパント濃度約8×1018
-3及び層厚約100nmを有するp型GaInAsか
ら形成されている。トンネルバリア層18a,18b
は、ドーパント濃度約4×1018cm-3及び層厚約10
nmを有するn型InPから形成されている。エミッタ
キャップ層14a,14bは、ドーパント濃度約4×1
18cm-3及び層厚約400nmを有するn型GaIn
Asから形成されている。
【0039】また、n型層15は、ドーパント濃度約8
×1018cm-3及び層厚約270nmを有するn型In
Pから形成されている。i型層16は、ドーパントを故
意に添加せずに層厚約2μmを有するi型GaInAs
から形成されている。p型層17は、ドーパント濃度約
1.1×1019cm-3及び層厚約350nmを有するp
型GaInAsから形成されている。
【0040】さらに、カソード電極層31、コレクタ電
極層33及びエミッタ電極層35は、ともにn型オーミ
ック接触性を有するAuGe/Niから形成されてい
る。アノード電極層33及びベース電極層35は、とも
にp型オーミック接触性を有するTi/Pt/Auから
形成されている。
【0041】凹状段差部4の周辺領域では、1個のpi
n−PDに対して十数個のHBTが金属抵抗層22を介
して配置されている。これらのpin−PD、HBT及
び金属抵抗層22は、多層配線技術に基づいて配置され
た下層配線の金属配線24または上層配線の金属配線2
6によってそれぞれ電気的に接続されている。ここで、
pin−PDやHBTなどを被覆して形成される絶縁層
及び反射防止膜の図示と、金属配線24,26に接続し
て形成されるパッド部の図示とについては省略してい
る。
【0042】なお、金属抵抗層22は、NiCrSiか
ら形成されている。金属配線24,26は、ともにTi
/Auから形成されている。
【0043】次に、上記実施例の作用について説明す
る。
【0044】この光電子集積回路においては、半導体基
板1のpin−PD領域2上では、pin−PDが第1
のトランジスタ層上に積層したフォトダイオード層に基
づいて構成されている。一方、半導体基板1のHBT領
域3では、HBTが第1のトランジスタ層と分離して成
形された第2のトランジスタ層のみに基づいて構成され
ている。通常、1個のpin−PDに対して複数個のH
BTが集積して形成されることから、より個数の多いH
BTの厚さがpin−PDの厚さに依存せずに設定され
る。したがって、pin−PDにおける高抵抗性層の厚
さが大きな自由度で設定されることになる。
【0045】ここで、pin−PD領域2が凹状段差部
4の内側領域であり、HBT領域3が凹状段差部4の周
辺領域であることから、HBTの厚さに対するpin−
PDの厚さの差が凹状段差部4の深さによって緩衝され
ている。そのため、pin−PD及びHBTは、ほぼ同
一の高さを有するように形成される。
【0046】また、金属抵抗層22がpin−PDまた
はHBTと電気的に接続して形成されていることから、
この抵抗層を半導体で形成する場合と比較し、温度に対
する抵抗値の変動が低減されている。そのため、光電子
集積回路としての温度特性が向上する。
【0047】次に、上記実施例の製造方法について説明
する。
【0048】図4ないし図7は、図1の光電子集積回路
の製造方法を示す工程断面図である。図8は、図1の光
電子集積回路を形成するチップ領域から構成された半導
体基板を示す平面図である。図9は、図8のアライメン
トマークの配列を示す平面図である。
【0049】まず、通常のフォトリソグラフィ技術及び
エッチング技術を用いることにより、図8に示すように
半導体基板1の各チップ領域40の周辺を部分的にエッ
チング除去して複数個のアライメントマーク41をアラ
イメントマークA1 として形成する。続いて、このアラ
イメントマークA1 の座標に基づいて位置合わせを行
い、半導体基板1上に図示しないエッチングマスクE1
を形成する。続いて、このエッチングマスクE1 のパタ
ーンに対応して半導体基板1の表面領域を部分的にエッ
チング除去し、pin−PD領域2に所定の深さを有す
る凹状段差部4を形成する(図4(a)参照)。
【0050】なお、複数個のアライメントマーク41
は、半導体基板1上で直交する2方向にそれぞれ配列さ
れている。図9に示すように、各アライメントマーク4
1は凹部42を平面的に配列して構成されており、中央
に配置された凹部42の位置が所定の座標を表してい
る。
【0051】次に、通常のエピタキシャル成長技術を用
いることにより、半導体基板1上にコレクタ層11,1
2、ベース層13、トンネルバリア層18、エミッタキ
ャップ層14、n型層15、i型層16及びp型層17
を順次積層して形成する(図4(b)参照)。
【0052】なお、エピタキシャル成長方法としては、
有機金属気相成長法(OMVPE)が圧力約60Tor
r及び基板温度約650℃の条件で用いられており、形
成する半導体層に対応して反応ガスが適宜選択される。
この反応ガスとしては、トリメチルインジウム(TM
I)及びフォスフィン(PH3 )がInP層の形成に、
トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム
及びアルシン(AsH3)がGaInAs層の形成にそ
れぞれ用いられる。
【0053】次に、アライメントマークA1 に基づいて
位置合わせを行い、p型層17の表面領域を部分的にエ
ッチング除去し、アライメントマークA1 と同様に構成
されたアライメントマークA2 を形成する。続いて、こ
のアライメントマークA2 の座標に基づいて位置合わせ
を行い、p型層17上に図示しないエッチングマスクE
2 を形成する。続いて、選択的エッチング技術を用いて
エッチングマスクE2のパターンに対応してp型層17
を成形し、pin−PD領域2に一部残存させる(図4
(c)参照)。
【0054】次に、エッチングマスクE2 と同様にし
て、i型層16上に図示しないエッチングマスクE3
形成する。続いて、選択的エッチング技術を用いること
により、エッチングマスクE3 のパターンに対応してi
型層16を成形し、pin−PD領域2に一部残存させ
る(図4(d)参照)。
【0055】次に、エッチングマスクE2 と同様にし
て、n型層15上に図示しないエッチングマスクE4
形成する。続いて、選択的エッチング技術を用いること
により、エッチングマスクE4 のパターンに対応してn
型層15を成形し、pin−PD領域2に一部残存させ
る(図5(a)参照)。
【0056】次に、エッチングマスクE2 と同様にし
て、エミッタキャップ層14上に図示しないエッチング
マスクE5 を形成する。続いて、選択的エッチング技術
を用いることにより、エッチングマスクE5 のパターン
に対応してエミッタキャップ層14を成形し、pin−
PD領域2及びHBT領域3にそれぞれエミッタキャッ
プ層14a,14bを形成する(図5(b)参照)。
【0057】次に、エッチングマスクE2 と同様にし
て、トンネルバリア層18上に図示しないエッチングマ
スクE6 を形成する。続いて、選択的エッチング技術を
用いることにより、エッチングマスクE6 のパターンに
対応してトンネルバリア層18、ベース層13及びコレ
クタ層12をそれぞれ成形し、pin−PD領域2にト
ンネルバリア層18a、ベース層13a及びコレクタ層
12aを形成するとともに、HBT領域3にトンネルバ
リア層18b、ベース層13b及びコレクタ層12bを
形成する(図5(c)参照)。
【0058】次に、エッチングマスクE2 と同様にし
て、さらにコレクタ層11上に図示し示しないエッチン
グマスクE7 を形成する。続いて、選択的エッチング技
術を用いることにより、エッチングマスクE7 に対応し
てコレクタ層11を成形し、pin−PD領域2及びH
BT領域3にそれぞれコレクタ層11a,11bを形成
する。このとき、pin−PD領域2とHBT領域3と
は電気的にも物理的にも分離される(図5(d)参
照)。
【0059】なお、選択的エッチング方法としては、エ
ッチングする半導体層に対応してエッチャントが適宜選
択される。このエッチャントの成分としては、HCl及
びH2 OがInP層のエッチングに、H3 PO4 、H2
O及びH2 2 がGaInAs層のエッチングにそれぞ
れ用いられる。
【0060】次に、pin−PD領域2及びHBT領域
3を含む半導体基板1の表面に絶縁層21を堆積し、n
型層15、エミッタキャップ層14b及びコレクタ層1
1b上で所定領域の絶縁層21をそれぞれ部分的にエッ
チング除去してn型オーミック電極領域を形成する。続
いて、これらのn型オーミック電極領域にそれぞれAu
Ge/Niを蒸着した後、基板温度約400℃で合金化
し、カソード電極層31、エミッタ電極層35及びコレ
クタ電極層33を形成する(図6(a)参照)。
【0061】次に、p型層17上で所定領域の絶縁層2
1を部分的にエッチング除去するとともに、ベース層1
3b上で所定領域の絶縁層21及びトンネルバリア層1
8bを部分的にエッチング除去し、p型オーミック電極
領域を形成する。続いて、これらのp型オーミック電極
領域にTi/Pt/Auを蒸着し、アノード電極層32
及びベース電極層34を形成する(図6(b)参照)。
【0062】次に、pin−PD領域2及びHBT領域
3を除く絶縁層21上に所定のパターンを有する金属抵
抗層22を形成し、pin−PDまたはHBTに電気的
に接続する(図6(c)参照)。
【0063】次に、pin−PD領域2及びHBT領域
3を含む半導体基板1上の表面に絶縁層23を堆積し、
カソード電極層31、アノード電極層32、コレクタ電
極層33、ベース電極層34及びエミッタ電極層35上
を含む周辺領域で所定領域の絶縁層23をエッチング除
去して下部配線領域を形成する。次に、これらの下部配
線領域に金属配線層24を形成する(図6(d)参
照)。
【0064】次に、pin−PD領域2及びHBT領域
3を含む半導体基板1上の表面に絶縁層25を堆積し、
HBT領域3の金属配線層24上で所定領域の絶縁層2
5をエッチング除去してコンタクトホールを形成する
(図7(a)参照)。
【0065】次に、これらのコンタクトホールに金属配
線層26を形成する(図7(b)参照)。
【0066】次に、pin−PD領域2およびHBT領
域3を含む半導体基板1上の表面に反射防止膜27を堆
積する(図7(c)参照)。
【0067】なお、絶縁層21、23、25及び反射防
止膜27は、SiNで形成されている。
【0068】次に、金属配線層26上で所定領域の反射
防止膜27をエッチング除去してパッド部を形成し、所
望のpin−PD及びHBTを形成された光電子集積回
路を完成する(図7(d)参照)。
【0069】次に、上記の製造方法の作用について説明
する。
【0070】この光電子集積回路の製造方法において
は、半導体基板1上にトランジスタ層及びフォトダイオ
ード層を順次積層して形成した後、上層として露出した
フォトダイオード層を構成する各半導体層を順次成形
し、フォトダイオード層を除去して露出したトランジス
タ層を構成する各半導体層を順次成形する。そのため、
半導体基板1のpin−PD領域2上には、pin−P
Dがトランジスタ層上に積層したフォトダイオード層に
基づいて構成される。一方、半導体基板1のHBT領域
3上には、HBTがトランジスタ層のみに基づいて構成
される。通常、1個のpin−PDに対して複数個のH
BTが集積して形成されることから、より個数の多いH
BTの厚さがpin−PDの厚さに依存せずに設定され
る。したがって、pin−PDにおける高抵抗性層の厚
さが大きな自由度で設定されることになる。
【0071】ここで、半導体基板1に凹状段差部4を形
成した後にトランジスタ層及びフォトダイオード層を順
次積層し、pin−PDが凹状段差部4の内側領域上に
形成され、HBTが凹状段差部4の周辺領域上に形成さ
れる。そのため、HBTの厚さに対するpin−PDの
厚さの差が凹状段差部の深さによって緩衝されることか
ら、pin−PD及びHBTはほぼ同一の高さを有する
ように形成される。
【0072】この場合、半導体基板1に形成したアライ
メントマークA1 に基づいて位置合わせを行って凹状段
差部4を形成した後、アライメントマークA1 に基づい
て位置合わせを行って最上の半導体層上にアライメント
マークA2 を形成し、アライメントマークA2 に基づい
て位置合わせを行ってpin−PD及びHBTをそれぞ
れ形成する。そのため、pin−PD及びHBTがそれ
ぞれ凹状段差部4の内側領域及び周辺領域上に高いアラ
イメント精度で配置される。
【0073】なお、凹部を平面的に配列してアライメン
トマークA1 を形成し、半導体基板1上にトランジスタ
層及びフォトダイオード層を構成する各半導体層を順次
エピタキシャル成長させる。そのため、凸部を平面的に
配列してアライメントマークA1 を形成する場合と比較
し、半導体基板1表面の異なる結晶面に対する半導体層
の成長速度の差が低減されるので、成長過程で生じる半
導体層の変形が抑制される。
【0074】また、半導体基板1上にエミッタキャップ
層14a及びn型層15、すなわちトランジスタ層及び
フォトダイオード層が接合している境界領域の半導体層
を相互に異なる材料で積層する。このとき、これらの半
導体層の材料に対応してエッチャントを適宜選択して成
形すると、エミッタキャップ層14bを同時にエッチン
グ除去しないようにn型層15がエッチング除去され
る。そのため、pin−PDを形成した後に、HBTが
所望の通り高い信頼性で形成される。
【0075】さらに、pin−PDまたはHBTと電気
的に接続された金属抵抗層22を形成する。そのため、
この抵抗層を半導体で形成する場合と比較し、温度に対
する抵抗値の変動が低減される。
【0076】ここで、本発明の光電子集積回路は上記実
施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であ
る。
【0077】図10は、図1の光電子集積回路に係る一
変形例の要部構造を示す断面図である。
【0078】例えば、上記実施例では、半導体基板のp
in−PD領域は凹状段差部の内側領域として形成され
ている。しかしながら、図10に示すように、半導体基
板のpin−PD領域もHBT領域と同様にして平坦に
形成されてもよい。
【0079】また、上記実施例及び変形例では、pin
−PDのp型層はGaInAsから形成している。しか
しながら、p型層はInPから形成されても、同様な作
用効果が得られる。
【0080】また、上記実施例及び変形例では、pin
−PDは半導体基板上にn型層、i型層及びp型層を順
次積層して形成されている。しかしながら、pin−P
Dはn型層及びp型層を相互に置換して形成されても、
同様な作用効果が得られる。
【0081】また、上記実施例及び変形例では、HBT
はトンネルエミッタ型HBTとして形成されている。し
かしながら、通常のHBTが形成されても、同様な作用
効果が得られる。
【0082】また、上記実施例及び変形例では、n型オ
ーミック接触性を有する電極層はAuGe/Niから形
成され、p型オーミック接触性を有する電極層はTi/
Pt/Auiから形成されている。しかしながら、これ
らの電極層がともにPt/Ti/Pt/Auの多層構造
として最下層にPt層を配置して形成されると、これら
の電極層の最下層がPt層以外のもので形成される場合
と比較し、接触する各半導体層に対する電極特性が向上
する。
【0083】さらに、本発明の光電子集積回路の製造方
法は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形
が可能である。
【0084】図11及び12は、図10の光電子集積回
路に係る第1及び第2変形例の要部構造をそれぞれ示す
断面図である。図13は、図1の光電子集積回路の製造
方法に係る一変形例を示す工程断面図である。
【0085】例えば、上記実施例では、半導体基板のp
in−PD領域として凹状段差部を形成した後、半導体
基板上にトランジスタ層及びフォトダイオード層を順次
積層して形成する。しかしながら、半導体基板のpin
−PD領域もHBT領域と同様にして平坦なままに、半
導体基板上にトランジスタ層及びフォトダイオード層を
順次積層して形成してもよい。このような製造方法によ
る結果は、図10に示す通りである。
【0086】また、上記実施例及び変形例では、半導体
基板上にエミッタキャップ層及びn型層、すなわちトラ
ンジスタ層及びフォトダイオード層が接合している境界
領域の半導体層を相互に異なる材料で積層する。しかし
ながら、エミッタキャップ層及びn型層をともに同一の
材料で共通層として形成すると、エピタキシャル成長の
一工程が削減されるので、作業工程が短縮される。この
ような製造方法による結果は、図11に示すように、p
in−PD領域2ではエミッタキャップ層14a及びn
型層15が共通層として形成される。ただし、n型層1
5の部分をエッチング除去する際にエミッタキャップ層
14bとなる部分も同時にエッチング除去しないよう
に、共通層の構成材料に対するエッチャントのエッチン
グ速度をあらかじめ測定し、そのエッチング速度に基づ
いてエッチング時間を決定する必要がある。
【0087】この場合、共通層の構成材料に対して異な
るバンドギャップエネルギーを有する材料からなるエッ
チングストップ層をその共通層の内部または共通層とi
型層との接合部に形成すると、このエッチングストップ
層を形成しない場合と比較し、pin−PDを形成した
後に、HBTが所望の通り高い信頼性で形成される。こ
のような製造方法による結果は、図12に示すように、
pin−PD領域2ではエッチングストップ層19が共
通層に接合して形成される。というのは、共通層及びエ
ッチングストップ層19の材料に対応してエッチャント
を適宜選択して成形することにより、n型層15の部分
をエッチング除去する際に、エミッタキャップ層14b
となる部分が同時にエッチング除去されないからであ
る。
【0088】さらに、上記実施例及び変形例では、n型
オーミック接触性を有する電極層とp型オーミック接触
性を有する電極層とを別工程で形成する。しかしなが
ら、これらの電極層を同時に形成すると、電極形成の一
工程が削減されるので、作業工程が短縮される。
【0089】この場合、これらの電極層をともにPt/
Ti/Pt/Auの多層構造として最下層にPt層を配
置して形成すると、これらの電極層の最下層をPt層以
外のもので形成する場合と比較し、接触する各半導体層
に対する電極特性が向上する。
【0090】一方、pin−PDまたはHBTと電気的
に接続された金属配線層をこれらの電極層と同時に形成
すると、電極及び配線形成の一工程が削減されるので、
作業工程がいっそう短縮される。このような製造方法に
よる工程は、図13に示す通りである。
【0091】すなわち、図5(d)に示す工程に続い
て、pin−PD領域2及びHBT領域3を含む半導体
基板1の表面に絶縁層21を堆積し、pin−PD領域
2及びHBT領域3を除く絶縁層21上に所定のパター
ンを有する金属抵抗層22を形成する(図13(a)参
照)。
【0092】次に、pin−PD領域2及びHBT領域
3を含む半導体基板1上の表面に絶縁層23を堆積し、
n型層15、p型層17、エミッタキャップ層14b及
びコレクタ層11b上で所定領域の絶縁層21,23を
部分的にエッチング除去するとともに、ベース層13b
上で所定領域の絶縁層21,23及びトンネルバリア層
18bを部分的にエッチング除去して電極領域を形成す
る。続いて、これらの電極領域の周辺領域で絶縁層23
を部分的にエッチング除去して下部配線領域を形成す
る。続いて、これらの電極領域及び下部配線領域にそれ
ぞれPt/Ti/Pt/Auを蒸着した後、基板温度約
400℃で合金化し、カソード電極層31、アノード電
極層32、コレクタ電極層33、ベース電極層34、エ
ミッタ電極層35及び金属配線層24を形成し、図7
(a)に示す工程に移行する(図13(b)参照)。
【0093】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、pin−PDが第1のトランジスタ層上に積層し
たフォトダイオード層に基づいて構成され、HBTが第
1のトランジスタ層と分離して成形された第2のトラン
ジスタ層のみに基づいて構成される。そのため、pin
−PDよりも個数の多いHBTの厚さがpin−PDの
厚さに依存せずに設定されることから、pin−PDに
おける高抵抗性層の厚さが大きな自由度で設定されるの
で、受光した光の変換効率が向上する。
【0094】また、半導体基板の表面領域に形成された
凹状段差部の内側部領域及び周辺部領域にそれぞれpi
n−PD及びHBTをそれぞれ形成することにより、こ
れらの素子はほぼ同一の高さを有して形成される。その
ため、エッチングマスク作成時にレジスト膜がほぼムラ
なく塗布されるので、マスク整合不良の発生が低減され
る。また、pin−PD及びHBTの成形後に配設した
金属配線に発生する切断損傷が低減される。さらに、p
in−PDにおける高抵抗性層の厚さが凹状段差部の深
さに対応して大きくなるので、受光した光の変換効率が
向上する。
【0095】また、表面領域に凹部を平面上に配列して
アライメントマークが形成された半導体基板上に、HB
T及びpin−PDを構成する各半導体層を順次エピタ
キシャル成長させる。そのため、これらの半導体層に成
長過程で生じる変形が抑制されるので、形成された各素
子のアライメント精度が向上される。
【0096】さらに、半導体基板上にHBT及びpin
−PDが接合している半導体層を相互に異なる材料で形
成するか、あるいはエッチングストップ層を挟んで同一
の材料で形成し、これらの材料に対応してエッチャント
を適宜選択して成形する。そのため、HBTの最上層を
同時にエッチング除去しないようにpin−PDの最下
層がエッチングされるので、pin−PDを形成した後
にHBTが所望の通り良好に形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電子集積回路に係る一実施例の要部
構造を示す断面図である。
【図2】図1の光電子集積回路の全体構造を示す平面図
である。
【図3】図2のヘテロ接合バイポーラトランジスタの詳
細構造を示す平面図である。
【図4】図1の光電子集積回路の製造方法を示す工程断
面図である。
【図5】図1の光電子集積回路の製造方法を示す工程断
面図である。
【図6】図1の光電子集積回路の製造方法を示す工程断
面図である。
【図7】図1の光電子集積回路の製造方法を示す工程断
面図である。
【図8】図1の光電子集積回路を形成するチップ領域か
ら構成された半導体基板を示す平面図である。
【図9】図8のアライメントマークの配列を示す平面図
である。
【図10】図1の光電子集積回路に係る一変形例の要部
構造を示す断面図である。
【図11】図10の光電子集積回路に係る第1及び第2
変形例の要部構造をそれぞれ示す断面図である。
【図12】図10の光電子集積回路に係る第1及び第2
変形例の要部構造をそれぞれ示す断面図である。
【図13】図1の光電子集積回路の製造方法に係る一変
形例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…pin−PD領域、3…HBT領
域、4…凹状段差部、11,12…コレクタ層、13…
ベース層、14…エミッタキャップ層、15…n型層、
16…i型層、17…p型層、18…トンネルバリア
層、19…エッチングストップ層、21,23,25…
絶縁層、22…金属抵抗層、24,26…金属配線層、
27…反射防止膜、31…カソード電極層、32…アノ
ード電極層、33…コレクタ電極層、34…ベース電極
層、35…エミッタ電極層、40…チップ領域、41…
アライメントマーク、42…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 宗作 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社 横浜製作所内 (56)参考文献 特開 平4−311071(JP,A) 特開 平5−36962(JP,A) 特開 平5−63181(JP,A) 特開 平2−283067(JP,A) 特開 平5−47620(JP,A) 特開 平5−114543(JP,A) 特開 平5−129179(JP,A) 特開 平5−152446(JP,A) 特開 平5−67763(JP,A) 特開 平4−22177(JP,A) 特開 昭63−233563(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/10

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 この半導体基板の第1の表面領域内に形成されたpin
    型フォトダイオードと、 前記半導体基板の第2の表面領域内に前記pin型フォ
    トダイオードと電気的に接続して形成されたヘテロ接合
    バイポーラトランジスタとを備え、 前記pin型フォトダイオードは、前記第1の表面領域
    上に順次積層して形成された第1のコレクタ層、第1の
    ベース層、第1のトンネルバリア層及び第1のエミッタ
    キャップ層からなる第1のトランジスタ層と、この第1
    のトランジスタ層上に順次積層して形成された第1導電
    型層、高抵抗性層及び第2導電型層からなるフォトダイ
    オード層と、前記第1導電型層及び前記第2導電型層上
    にそれぞれ形成された第1の電極層とから構成され、前
    記第1導電型層は前記第1のエミッタキャップ層上に直
    接積層されており、 前記ヘテロ接合バイポーラトランジスタは、前記第2の
    表面領域上に順次積層して形成された第2のコレクタ
    層、第2のベース層、第2のトンネルバリア層及び前記
    第1のエミッタキャップ層と共通の材料から形成された
    第2のエミッタキャップ層からなって前記第1のトラン
    ジスタ層と分離して形成された第2のトランジスタ層
    と、前記第2のコレクタ層、前記第2のベース層及び前
    記第2のエミッタキャップ層上にそれぞれ形成された第
    2の電極層とから構成されている、ことを特徴とする光
    電子集積回路。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の表面領域は、所定の
    深さを有する凹状に形成された凹状段差部の内側領域及
    び周辺領域としてそれぞれ構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の光電子集積回路。
  3. 【請求項3】 前記pin型フォトダイオードまたは前
    記ヘテロ接合型バイポーラトランジスタと電気的に接続
    された金属抵抗層が、前記半導体基板の第3の表面領域
    上に形成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の光電子集積回路。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の電極層は、ともに最
    下層としてPt層を含む多層構造を有して同一の材料で
    形成されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の光電子集積回路。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板、前記第1及び第2のコ
    レクタ層、前記第1及び第2のベース層、前記第1及び
    第2のトンネルバリア層、前記第1及び第2のエミッタ
    キャップ層、前記第1導電型層、前記高抵抗性層及び前
    記第2導電型層は、それぞれInP、n型GaInA
    s、p型GaInAs、n型InP、n型GaInA
    s、n型InP、i型GaInAs及びp型GaInA
    sで形成されていることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の光電子集積回路。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板、前記第1及び第2のコ
    レクタ層、前記第1及び第2のベース層、前記第1及び
    第2のトンネルバリア層、前記第1及び第2のエミッタ
    キャップ層、前記第1導電型層、前記高抵抗性層及び前
    記第2導電型層は、それぞれInP、n型GaInA
    s、p型GaInAs、n型InP、n型GaInA
    s、n型GaInAs、i型GaInAs及びp型Ga
    InAsで形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の光電子集積回路。
  7. 【請求項7】 半導体基板上にコレクタ層、ベース層、
    トンネルバリア層、エミッタキャップ層、第1導電型
    層、高抵抗性層及び第2導電型層を順次エピタキシャル
    成長して形成する第1の工程と、 前記第2導電型層、前記高抵抗性層及び前記第1導電型
    層をそれぞれ部分的に順次エッチング除去し、前記半導
    体基板の第1の表面領域上にpin型フォトダイオード
    を形成する第2の工程と、 前記エミッタキャップ層、前記トンネルバリア層、前記
    ベース層及び前記コレクタ層をそれぞれ部分的に順次エ
    ッチング除去し、前記半導体基板の第2の表面領域上に
    ヘテロ接合バイポーラトランジスタを形成する第3の工
    程と、 前記第1導電型層、前記第2導電型層、前記コレクタ
    層、前記ベース層及び前記エミッタキャップ層上にそれ
    ぞれ所定の電極層を形成する第4の工程とを備え 前記第1の工程は、前記エミッタキャップ層及び前記第
    1導電型層をともに同一の材料で共通層として形成する
    ことを特徴とする光電子集積回路の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の工程は、まず前記半導体基板
    を部分的にエッチング除去し、所定の深さを有する凹状
    段差部の内側領域及び周辺領域として前記第1及び第2
    の表面領域をそれぞれ形成することを特徴とする請求項
    7記載の光電子集積回路の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第4の工程は、前記pin型フォト
    ダイオードまたは前記ヘテロ接合型バイポーラトランジ
    スタと電気的に接続された金属抵抗層を前記半導体基板
    の第3の表面領域上にさらに形成することを特徴とする
    請求項7または請求項8記載の光電子集積回路の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記第4の工程は、最下層としてPt
    層を含む多層構造を有して前記電極層を同時に形成する
    ことを特徴とする請求項7または請求項8記載の光電子
    集積回路の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の工程は、前記半導体基板、
    前記コレクタ層、前記ベース層、前記トンネルバリア
    層、前記エミッタキャップ層、前記第1導電型層、前記
    高抵抗性層及び前記第2導電型層をそれぞれInP、n
    型GaInAs、p型GaInAs、n型InP、n型
    GaInAs、n型GaInAs、i型GaInAs及
    びp型GaInAsで形成することを特徴とする請求項
    7または請求項8記載の光電子集積回路の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の工程は、前記共通層の構成
    材料に対して異なるバンドギャップエネルギーを有する
    材料からなるエッチングストップ層を当該共通層の内部
    または当該共通層と前記高抵抗層との接合部に形成する
    ことを特徴とする請求項7または請求項8記載の光電子
    集積回路の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第4の工程は、前記pin型フォ
    トダイオードまたは前記ヘテロ接合型バイポーラトラン
    ジスタと電気的に接続された金属配線層を前記半導体基
    板の第4の表面領域上に前記電極層と同時に形成するこ
    とを特徴とする請求項10記載の光電子集積回路の製造
    方法。
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