JP3475724B2 - ゲルマン酸塩蛍光体及びそれを用いた塗布スラリー - Google Patents
ゲルマン酸塩蛍光体及びそれを用いた塗布スラリーInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線により深赤色域に
発光するマンガン付活弗化ゲルマン酸マグネシウム蛍光
体に係り、特に、水性塗布スラリー中で経時的に安定化
された同蛍光体に関する。
発光するマンガン付活弗化ゲルマン酸マグネシウム蛍光
体に係り、特に、水性塗布スラリー中で経時的に安定化
された同蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】マンガン付活弗化ゲルマン酸塩蛍光体
(以下ゲルマン酸塩蛍光体と称する)は紫外線により励
起され深赤色に発光する。その為三波長域発光形蛍光ラ
ンプの演色性の改善に用いられるなど蛍光ランプ用に幅
広い用途がある蛍光体である。
(以下ゲルマン酸塩蛍光体と称する)は紫外線により励
起され深赤色に発光する。その為三波長域発光形蛍光ラ
ンプの演色性の改善に用いられるなど蛍光ランプ用に幅
広い用途がある蛍光体である。
【0003】ところが、ゲルマン酸塩蛍光体を水溶性バ
インダーに懸濁した水性塗布を行う場合、酢酸ブチル−
ニトロセルロース系等に代表される油性塗布において生
じなかった問題が新たに発生する。それは、一つにはゲ
ルマン酸塩蛍光体、或いは同蛍光体を含む蛍光体の水性
塗布スラリーが凝集し、それを用いて塗布した蛍光ラン
プガラス管の塗布面を悪化することがある。蛍光面は均
一性がなくては商品価値のある蛍光ランプが得られな
い。また、もう一つには蛍光体塗布スラリーが凝集傾向
にあると長期間保存できないという問題がある。
インダーに懸濁した水性塗布を行う場合、酢酸ブチル−
ニトロセルロース系等に代表される油性塗布において生
じなかった問題が新たに発生する。それは、一つにはゲ
ルマン酸塩蛍光体、或いは同蛍光体を含む蛍光体の水性
塗布スラリーが凝集し、それを用いて塗布した蛍光ラン
プガラス管の塗布面を悪化することがある。蛍光面は均
一性がなくては商品価値のある蛍光ランプが得られな
い。また、もう一つには蛍光体塗布スラリーが凝集傾向
にあると長期間保存できないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上述
した問題を解決することを目的とし、マンガン付活弗化
ゲルマン酸マグネシウム蛍光体を水性塗布する場合の塗
布面の改善と、蛍光体塗布スラリーの長期保存安定性を
改良することを目的とする。
した問題を解決することを目的とし、マンガン付活弗化
ゲルマン酸マグネシウム蛍光体を水性塗布する場合の塗
布面の改善と、蛍光体塗布スラリーの長期保存安定性を
改良することを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者等は上述した問
題を解決するために検討した結果、この蛍光体の凝集に
は蛍光体母体からのMgの溶出が関係し、塗布スラリー
中にMg2+イオンが増加するに従い蛍光体塗布スラリー
のpHが高くなり、これが塗布面の悪化、塗布スラリー
の長期保存安定性を阻害していることが分かり、そこ
で、塗布スラリーのpHを上昇しないように抑制する方
法について鋭意検討した結果、ゲルマン酸塩蛍光体にG
eO2を特定量混合することが効果的であることを見い
だし本発明を完成するに至った。
題を解決するために検討した結果、この蛍光体の凝集に
は蛍光体母体からのMgの溶出が関係し、塗布スラリー
中にMg2+イオンが増加するに従い蛍光体塗布スラリー
のpHが高くなり、これが塗布面の悪化、塗布スラリー
の長期保存安定性を阻害していることが分かり、そこ
で、塗布スラリーのpHを上昇しないように抑制する方
法について鋭意検討した結果、ゲルマン酸塩蛍光体にG
eO2を特定量混合することが効果的であることを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明のゲルマン酸塩蛍光体
は、一般式が次式で示されるゲルマン酸塩蛍光体100
重量部に対し、GeO2が0.1〜3.0重量部の範囲
混合されていることを特徴とする。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 2.8≦a≦4.0 0.3≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
は、一般式が次式で示されるゲルマン酸塩蛍光体100
重量部に対し、GeO2が0.1〜3.0重量部の範囲
混合されていることを特徴とする。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 2.8≦a≦4.0 0.3≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
【0007】また、本発明のゲルマン酸塩蛍光体は、G
eO2を混合した後、さらに、500〜1100℃の温
度で加熱すると、スラリーの安定性はさらに改善され
る。それは、ゲルマン酸塩蛍光体粒子の表面にGeO2
が融着し、GeO2の分離が起こらなくなってその添加
物の効果は確実となり、さらに高温で加熱しているため
に、GeO2の溶解速度が小さくなるので、蛍光体の長
期保存に効果があるからである。
eO2を混合した後、さらに、500〜1100℃の温
度で加熱すると、スラリーの安定性はさらに改善され
る。それは、ゲルマン酸塩蛍光体粒子の表面にGeO2
が融着し、GeO2の分離が起こらなくなってその添加
物の効果は確実となり、さらに高温で加熱しているため
に、GeO2の溶解速度が小さくなるので、蛍光体の長
期保存に効果があるからである。
【0008】さらに、本発明において、ゲルマン酸塩蛍
光体を水溶性バインダー液に懸濁させた水性塗布スラリ
ーにおいて、ゲルマン酸塩蛍光体100重量部にGeO
2が0.1〜3.0重量部添加されている蛍光体塗布ス
ラリーを調製することでも同様な効果を発揮する。
光体を水溶性バインダー液に懸濁させた水性塗布スラリ
ーにおいて、ゲルマン酸塩蛍光体100重量部にGeO
2が0.1〜3.0重量部添加されている蛍光体塗布ス
ラリーを調製することでも同様な効果を発揮する。
【0009】また、ゲルマン酸塩蛍光体の組成中のMg
Oの量は重要であり、下記の範囲において、特にGeO
2添加の効果が増大する。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 3.0≦a≦3.5 0.5≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
Oの量は重要であり、下記の範囲において、特にGeO
2添加の効果が増大する。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 3.0≦a≦3.5 0.5≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
【0010】
【発明の実施の形態】一般に、ゲルマン酸塩蛍光体は次
のような組成式で表すことができる。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 2.8≦a≦4.0 0.3≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
のような組成式で表すことができる。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 2.8≦a≦4.0 0.3≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02
【0011】この蛍光体の紫外線発光輝度を向上するに
はaの値が関係し、図1に示すようにaの値の増加とと
もに相対輝度Yは上昇する。aの値が2.8以上では、
発光輝度は大きく変わらないが、4.0より大きくなる
と、輝度は低下する。従って、発光輝度に限ればaの値
は3.0〜3.5の範囲が最も好ましいといえる。この
図に使用した蛍光体はb=0.5、c=0.011であ
るものについて調べたが、この傾向は他の組成について
も同じである。
はaの値が関係し、図1に示すようにaの値の増加とと
もに相対輝度Yは上昇する。aの値が2.8以上では、
発光輝度は大きく変わらないが、4.0より大きくなる
と、輝度は低下する。従って、発光輝度に限ればaの値
は3.0〜3.5の範囲が最も好ましいといえる。この
図に使用した蛍光体はb=0.5、c=0.011であ
るものについて調べたが、この傾向は他の組成について
も同じである。
【0012】ところが、ゲルマン酸塩蛍光体のa値と蛍
光体塗布スラリーのpHの関係を調べると、図2に示す
ようにa値が大きくなるに従い塗布スラリーのpHが高
くなっている。上述したように、スラリーのpHが増大
する原因はMg2+イオンの溶出である。すなわち、pH
を低く抑えるためには、Mgの溶出を抑えることが有効
である。
光体塗布スラリーのpHの関係を調べると、図2に示す
ようにa値が大きくなるに従い塗布スラリーのpHが高
くなっている。上述したように、スラリーのpHが増大
する原因はMg2+イオンの溶出である。すなわち、pH
を低く抑えるためには、Mgの溶出を抑えることが有効
である。
【0013】Mg2+の溶出を低濃度に維持するには、a
値を小さくすれば良いが、発光輝度が低下する。そこ
で、特にa値が3.0〜3.5の範囲の輝度の高い蛍光
体であって、Mg2+の溶出の少ない蛍光体が必要であ
る。
値を小さくすれば良いが、発光輝度が低下する。そこ
で、特にa値が3.0〜3.5の範囲の輝度の高い蛍光
体であって、Mg2+の溶出の少ない蛍光体が必要であ
る。
【0014】a=3.5であるゲルマン酸塩蛍光体10
0重量部に対するGeO2の添加量と、蛍光体塗布スラ
リーのpHの関係を図3にプロットした。この図より、
GeO2を蛍光体100重量部に対しわずか0.1重量
部添加しただけで、pHは10.5から8.3へ低下し
ている。経時変化を考慮するとGeO2はもう少し多く
加えた方が良好であるが、蛍光体に対し3重量部以上加
えてもその効果に大差ないので不経済である。従って、
GeO2の添加量は、蛍光体100重量部に対し0.1
〜3重量部の範囲が好ましく、0.5〜2.0の範囲が
より好ましい。また、この図は蛍光体塗布スラリーの調
製時にGeO2を添加した場合についてであるが、予め
蛍光体に乾式で混合しておいても全く同じ効果を得る。
0重量部に対するGeO2の添加量と、蛍光体塗布スラ
リーのpHの関係を図3にプロットした。この図より、
GeO2を蛍光体100重量部に対しわずか0.1重量
部添加しただけで、pHは10.5から8.3へ低下し
ている。経時変化を考慮するとGeO2はもう少し多く
加えた方が良好であるが、蛍光体に対し3重量部以上加
えてもその効果に大差ないので不経済である。従って、
GeO2の添加量は、蛍光体100重量部に対し0.1
〜3重量部の範囲が好ましく、0.5〜2.0の範囲が
より好ましい。また、この図は蛍光体塗布スラリーの調
製時にGeO2を添加した場合についてであるが、予め
蛍光体に乾式で混合しておいても全く同じ効果を得る。
【0015】これら塗布スラリーは、蛍光体100重量
部に対し、0.6重量%ポリエチレンオキサイド(PE
O)水溶液200重量部を混合して懸濁した塗布スラリ
ーであり、このスラリーへGeO2を蛍光体に対し所定
量添加して得た。
部に対し、0.6重量%ポリエチレンオキサイド(PE
O)水溶液200重量部を混合して懸濁した塗布スラリ
ーであり、このスラリーへGeO2を蛍光体に対し所定
量添加して得た。
【0016】また、本発明のゲルマン酸塩蛍光体は、G
eO2を混合した後、さらに、大気中で500〜110
0℃の温度で加熱すると、スラリーの安定性はさらに改
善される。それは、ゲルマン酸塩蛍光体粒子の表面にG
eO2が融着し、GeO2の分離が起こらなくなり、その
添加物の効果はより確実となり、さらに高温で加熱して
いるために、GeO2の溶解速度が小さくなるので、す
ぐに消費されず蛍光体の長期保存に効果があるからであ
る。加熱温度があまり低温では加熱の効果はなくなり、
加熱温度が高過ぎると、蛍光体の母体組成とGeO2の
間で反応が起こり、蛍光体の組成変化が起こり、相対的
にMgの少ない蛍光体を生成し、その結果蛍光体の発光
輝度が低下する。そこで、蛍光体母体との反応を起こさ
ない程度の温度が好ましい。そこで、この加熱の好まし
い温度範囲は800〜1000℃の範囲である。また、
加熱の雰囲気は酸素を含んだ大気中雰囲気が良く、ゲル
マン酸塩蛍光体のMnの価数は4価であるが、還元性雰
囲気では加熱するとMnの価数が低下し、発光輝度が低
下してしまうので良くない。
eO2を混合した後、さらに、大気中で500〜110
0℃の温度で加熱すると、スラリーの安定性はさらに改
善される。それは、ゲルマン酸塩蛍光体粒子の表面にG
eO2が融着し、GeO2の分離が起こらなくなり、その
添加物の効果はより確実となり、さらに高温で加熱して
いるために、GeO2の溶解速度が小さくなるので、す
ぐに消費されず蛍光体の長期保存に効果があるからであ
る。加熱温度があまり低温では加熱の効果はなくなり、
加熱温度が高過ぎると、蛍光体の母体組成とGeO2の
間で反応が起こり、蛍光体の組成変化が起こり、相対的
にMgの少ない蛍光体を生成し、その結果蛍光体の発光
輝度が低下する。そこで、蛍光体母体との反応を起こさ
ない程度の温度が好ましい。そこで、この加熱の好まし
い温度範囲は800〜1000℃の範囲である。また、
加熱の雰囲気は酸素を含んだ大気中雰囲気が良く、ゲル
マン酸塩蛍光体のMnの価数は4価であるが、還元性雰
囲気では加熱するとMnの価数が低下し、発光輝度が低
下してしまうので良くない。
【0017】組成を構成するMgF2はMgの量に関係
するが、組成中の弗化物の割合を決め、フラックスとし
ての作用があり、蛍光体の粒径に影響を及ぼす。目標粒
径が決定されると焼成温度に対し最適値があり、MgF
2の量を規定するb値は通常ほぼ0.5程度になるよう
に原料を調製する。
するが、組成中の弗化物の割合を決め、フラックスとし
ての作用があり、蛍光体の粒径に影響を及ぼす。目標粒
径が決定されると焼成温度に対し最適値があり、MgF
2の量を規定するb値は通常ほぼ0.5程度になるよう
に原料を調製する。
【0018】
[実施例1]
<GeO2を乾式混合する場合>3.5MgO・0.5MgF2
・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対し、平均粒径
が10μmであるGeO2を0.5gをボールミルを用
いて乾式で十分に混合し、GeO2を0.5重量部添加
した本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対し、平均粒径
が10μmであるGeO2を0.5gをボールミルを用
いて乾式で十分に混合し、GeO2を0.5重量部添加
した本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
【0019】[実施例2]
<GeO2を乾式混合する場合>3.5MgO・0.5MgF2
・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対し、平均粒径
が10μmであるGeO2を2.0gをボールミルを用
いて乾式で十分に混合し、GeO2を2.0重量部添加
した本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対し、平均粒径
が10μmであるGeO2を2.0gをボールミルを用
いて乾式で十分に混合し、GeO2を2.0重量部添加
した本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
【0020】[実施例3]
<GeO2を乾式混合した後加熱した場合>3.5MgO・
0.5MgF2・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対
し、平均粒径が10μmであるGeO2を1.0gをボ
ールミルを用いて乾式で十分に混合した後、大気中90
0℃で1時間焼成し、GeO2を1.0重量部添加した
本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
0.5MgF2・GeO2:0.011Mn蛍光体100gに対
し、平均粒径が10μmであるGeO2を1.0gをボ
ールミルを用いて乾式で十分に混合した後、大気中90
0℃で1時間焼成し、GeO2を1.0重量部添加した
本発明のゲルマン酸塩蛍光体を得た。
【0021】実施例1〜3で得られた本発明のゲルマン
酸塩蛍光体全量を0.6%PEO水溶液を入れた内容量
500mlのビーカーに入れ、1時間攪拌してゲルマン
酸塩蛍光体塗布液を調製した。
酸塩蛍光体全量を0.6%PEO水溶液を入れた内容量
500mlのビーカーに入れ、1時間攪拌してゲルマン
酸塩蛍光体塗布液を調製した。
【0022】[実施例4]
<水性塗布スラリーの調合時にGeO2を添加する場合
>この実施例では、GeO2を混合していないゲルマン
酸塩蛍光体を使用し、塗布スラリーを調合する場合であ
る。500mlビーカー中に0.6%PEO水溶液を2
00gと、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.011M
n蛍光体100gと、GeO2を1.0gを入れ、1時
間攪拌して本発明のGeO2を蛍光体に対し1重量部添
加した蛍光体塗布スラリーを得た。
>この実施例では、GeO2を混合していないゲルマン
酸塩蛍光体を使用し、塗布スラリーを調合する場合であ
る。500mlビーカー中に0.6%PEO水溶液を2
00gと、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:0.011M
n蛍光体100gと、GeO2を1.0gを入れ、1時
間攪拌して本発明のGeO2を蛍光体に対し1重量部添
加した蛍光体塗布スラリーを得た。
【0023】[比較例1]500mlビーカー中に0.
6%PEO水溶液を200gと、3.5MgO・0.5MgF
2・GeO2:0.011Mn蛍光体100gを入れ、1時間
攪拌して比較例の蛍光体塗布スラリーを得た。
6%PEO水溶液を200gと、3.5MgO・0.5MgF
2・GeO2:0.011Mn蛍光体100gを入れ、1時間
攪拌して比較例の蛍光体塗布スラリーを得た。
【0024】実施例1〜4と、比較例1で得られた蛍光
体塗布スラリーについて、次のような評価を行い、結果
を表1〜表3にまとめる。
体塗布スラリーについて、次のような評価を行い、結果
を表1〜表3にまとめる。
【0025】塗布スラリーの5分の1量をとり、スラ
リーのpHを測定し、40w蛍光ランプ用のガラス管の
内面に一様に流し込み、温風で強制乾燥行い蛍光体塗布
面を得る。得られた塗布膜面を5段階評価をする。(A
>B>C>D>Eの順で膜面の品質は良い)
リーのpHを測定し、40w蛍光ランプ用のガラス管の
内面に一様に流し込み、温風で強制乾燥行い蛍光体塗布
面を得る。得られた塗布膜面を5段階評価をする。(A
>B>C>D>Eの順で膜面の品質は良い)
【0026】塗布スラリーの残りの5分の4量は内容
量500mlのプラスチックポットに入れ、スラリー中
の蛍光体が沈降しないように、ローラーの上で乗せて2
0rpmの速度で回転攪拌させた。回転攪拌3時間後、
1日後、3日後、10日後、と同様に、スラリーのp
Hを測定し、40w蛍光ランプ用のガラス管の内面に一
様に流し込み、温風で強制乾燥し蛍光体塗布膜を得た。
得られた蛍光体塗布膜の塗布面を5段階評価をした。
(A>B>C>D>Eの順で膜面の品質は良い)
量500mlのプラスチックポットに入れ、スラリー中
の蛍光体が沈降しないように、ローラーの上で乗せて2
0rpmの速度で回転攪拌させた。回転攪拌3時間後、
1日後、3日後、10日後、と同様に、スラリーのp
Hを測定し、40w蛍光ランプ用のガラス管の内面に一
様に流し込み、温風で強制乾燥し蛍光体塗布膜を得た。
得られた蛍光体塗布膜の塗布面を5段階評価をした。
(A>B>C>D>Eの順で膜面の品質は良い)
【0027】このようにして測定したpHと塗布面の評
価結果について、それぞれ表1及び表2にまとめる。
価結果について、それぞれ表1及び表2にまとめる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】蛍光ランプの塗布面については、本発明を
適用することで、大幅に改善された。10日後の経時変
化については、実施例3に示すように、GeO2を乾式
混合しさらに900℃で1時間加熱した蛍光体の塗布面
が特に良好である。これはGeO2が加熱されたことに
より、急激に溶解しなくなり、その結果、長期に渡って
スラリーのpHを低く抑えることができるようになった
ためである。
適用することで、大幅に改善された。10日後の経時変
化については、実施例3に示すように、GeO2を乾式
混合しさらに900℃で1時間加熱した蛍光体の塗布面
が特に良好である。これはGeO2が加熱されたことに
より、急激に溶解しなくなり、その結果、長期に渡って
スラリーのpHを低く抑えることができるようになった
ためである。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、ゲルマン酸塩蛍光体
を用いて水性塗布を行う際、スラリー中に組成中のMg
の溶出に伴うpHの上昇による塗布スラリーの凝集が起
こり、それにより蛍光ランプガラス管の蛍光体塗布面の
品質は低下した。また、このような凝集がさらに経時的
に進行するために、塗布スラリーの長期保存も不可能で
あった。このような状況に対し、本発明に従い特定量の
GeO2を添加することで、スラリーのpHは低く維持
することが可能となり、Mg2+の溶出を低く維持するこ
とで、塗布面は改善され、また、塗布スラリーの長期保
存が可能となった。
を用いて水性塗布を行う際、スラリー中に組成中のMg
の溶出に伴うpHの上昇による塗布スラリーの凝集が起
こり、それにより蛍光ランプガラス管の蛍光体塗布面の
品質は低下した。また、このような凝集がさらに経時的
に進行するために、塗布スラリーの長期保存も不可能で
あった。このような状況に対し、本発明に従い特定量の
GeO2を添加することで、スラリーのpHは低く維持
することが可能となり、Mg2+の溶出を低く維持するこ
とで、塗布面は改善され、また、塗布スラリーの長期保
存が可能となった。
【0032】さらに、GeO2を混合したゲルマン酸塩
蛍光体を500〜1100℃の範囲の温度で加熱するこ
とでGeO2の溶解速度が小さくなり、その結果pHの
調整が長期に渡り可能となり、その結果、塗布スラリー
の保存をさらに長くすることができた。
蛍光体を500〜1100℃の範囲の温度で加熱するこ
とでGeO2の溶解速度が小さくなり、その結果pHの
調整が長期に渡り可能となり、その結果、塗布スラリー
の保存をさらに長くすることができた。
【図1】相対発光輝度とゲルマン酸塩蛍光体組成中のa
値の関係を示す特性図
値の関係を示す特性図
【図2】ゲルマン酸塩蛍光体を懸濁した塗布スラリーの
pH値とゲルマン酸塩蛍光体組成中のa値の関係を示す
特性図
pH値とゲルマン酸塩蛍光体組成中のa値の関係を示す
特性図
【図3】ゲルマン酸塩蛍光体を懸濁した塗布スラリーに
添加するGeO2の量と塗布スラリーのpH値の関係を
示す特性図
添加するGeO2の量と塗布スラリーのpH値の関係を
示す特性図
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式が次式で示されるゲルマン酸塩
蛍光体100重量部に対し、GeO2が0.5〜2.0
重量部の範囲混合され、酸素を含んだ大気中雰囲気で8
00〜1000℃の温度で加熱されていることを特徴と
するゲルマン酸塩蛍光体。 aMgO・bMgF2・GeO2:cMn 2.8≦a≦4.0 0.3≦b≦1.0 0.003≦c≦0.02 - 【請求項2】 請求項1に記載のゲルマン酸塩蛍光体を
水溶性バインダー液に懸濁させて得られる塗布スラリー
であって、スラリーのpHが10.5より低いことを特
徴とする塗布スラリー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16291697A JP3475724B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | ゲルマン酸塩蛍光体及びそれを用いた塗布スラリー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16291697A JP3475724B2 (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | ゲルマン酸塩蛍光体及びそれを用いた塗布スラリー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH115974A JPH115974A (ja) | 1999-01-12 |
JP3475724B2 true JP3475724B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=15763674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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