JP3475575B2 - 半導体チップの封止方法及び封止構造 - Google Patents

半導体チップの封止方法及び封止構造

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JP3475575B2
JP3475575B2 JP14186095A JP14186095A JP3475575B2 JP 3475575 B2 JP3475575 B2 JP 3475575B2 JP 14186095 A JP14186095 A JP 14186095A JP 14186095 A JP14186095 A JP 14186095A JP 3475575 B2 JP3475575 B2 JP 3475575B2
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sealing
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    • H01L2224/73203Bump and layer connectors
    • H01L2224/73204Bump and layer connectors the bump connector being embedded into the layer connector

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体チップの封止構造
及び封止方法に関し、より詳細には例えば配線基板にワ
イヤボンディング接続あるいはボールグリッド接続され
た半導体チップの封止構造及び封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体チップを配線基板に接続す
る際は、ワイヤボンディング接続されることが多いが、
最近ではLSIの高集積化に伴いボールグリッド接続さ
れる場合も出てきている。ワイヤボンディング接続とは
熱または超音波のエネルギーで金属(ワイヤ−パッド電
極)間を接合することにより半導体チップを配線基板に
接続する方法であり、ボールグリッド接続とは低温で溶
融する金属接合材でハンダバンプ形成するか、あるいは
ボール電極をハンダで被覆しておいて熱を加えることに
より半導体チップを配線基板に接続する方法である。
【0003】通常、半導体チップはSi(シリコン)等
を用いて形成されており、配線基板はエポキシ樹脂やセ
ラミックス等を用いて形成されている。セタミックスの
中でも特にガラスセラミックスは熱膨張率がSiの熱膨
張率(3.5×10−6/℃程度)に近いため前記半導
体チップと前記配線基板との間の熱膨張率差が小さくな
り、該熱膨張率差によって生じるストレスを小さくし得
る点で注目されているが、高価であるため、コスト的な
理由により前記エポキシ樹脂が多く用いられている。し
かしながら、該エポキシ樹脂の熱膨張率は15×10
−6/℃程度であり、前記Siとの熱膨張率差はかなり
大きくなる。すなわち前記半導体チップにSiを用い、
前記配線基板にエポキシ樹脂を用いた場合は両者の熱膨
張率差によって生じたストレスが前記ワイヤや前記ハン
ダバンプ等に集中することからワイヤボンディング接続
部あるいはボールグリッド接続部(以下、併せて単に接
続部と記す)等が破壊され易い。
【0004】そこで、前記半導体チップと前記配線基板
との間の熱膨張率差によって生じるストレスを抑え込む
ため、あるいは半導体チップ及び前記接続部を湿気等か
ら保護するために、最近ではエポキシ樹脂等を用いて半
導体チップ及び前記接続部を含む配線基板上の所定部分
を封止する構造をとるようになってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8は半導体チップと
配線基板とをワイヤボンディング接続した場合の従来の
封止構造の一例を示した模式的断面図であり、図中1は
例えばSi製の半導体チップを示している。半導体チッ
プ1は例えばエポキシ樹脂製の配線基板2上に搭載さ
れ、金製のワイヤ3により120μmピッチ程度でワイ
ヤボンディングされている。また、半導体チップ1の上
面略中央部で例えば厚さ約1mm、半導体チップ1の側
面1bから約1.9mmの範囲はエポキシ樹脂等の樹脂
4により被覆・封止されている。
【0006】上記した半導体チップ1の封止方法として
は、配線基板2上にワイヤボンディング接続された半導
体チップ1の略中央部上方からディスペンサー等により
溶融状態の樹脂4を供給して所定範囲内をコーティング
した後、熱処理を施して樹脂4を固化させ、封止する方
法が一般的である。
【0007】しかしながらワイヤ3は半導体チップ1の
外周囲に高密度に配置されており、溶融状態の樹脂4は
広がりすぎないようにある程度の粘性を保っている必要
があることから、図8に示したようにワイヤ3と半導体
チップ1との間に気泡20´が入り込む場合がある。気
泡20´を取り込んだまま樹脂4が固化すると気泡20
´は樹脂4中に空洞20として残存することになる。
【0008】このようにして樹脂4中に空洞20が形成
されると、空洞20に前記ストレスが集中したり、空洞
20内部に湿気が溜ったりするため、半導体チップ1と
配線基板2との熱膨張率差による前記ストレスを、樹脂
4等により封止することによって均一に分散、吸収させ
るという効果が低減し、あるいはワイヤ3が湿気のため
にいたんでしまい、半導体チップ1と配線基板2とが剥
離し易くなったり、ワイヤ3が破損する場合が生ずると
いった課題があった。
【0009】図9は半導体チップと配線基板とをボール
グリッド接続した場合の封止構造を示した模式的断面図
であり、図8の場合と同一の機能を有する構成部品には
同一の符合を付すものとする。
【0010】半導体チップ1のフェイス面1cには電極
パッド11aを介してハンダバンプ12が形成されてお
り、半導体チップ1はハンダバンプ12を介して例えば
エポキシ樹脂製の配線基板2上に形成された電極パッド
11bに接続されている。半導体チップ1の上端1aか
ら配線基板2の所定範囲内にかけては断面形状が末広が
りになるよう樹脂4が供給され、これにより封止されて
いる。
【0011】上記した半導体チップ1の封止方法として
は、配線基板2上にボールグリッド接続された半導体チ
ップ1の側面1b近傍もしくはハンダバンプ12の近傍
から溶融状態の樹脂4を配線基板2上に供給した後、熱
処理を施して樹脂4を固化させ、封止する方法が一般的
である。
【0012】しかしながら半導体チップ1と配線基板2
との間には多数のハンダバンプ12が存在し、溶融状態
の樹脂4は広がりすぎないようにある程度の粘性を保っ
ている必要があることから、図9に示したように樹脂4
中に気泡20´が入り込む場合がある。気泡20´を取
り込んだまま樹脂4が固化すると、気泡20´は樹脂4
中に空洞20として残存することになる。
【0013】このようにして樹脂4中に空洞20が形成
されると、図8に示した封止構造の場合と同様の理由に
より、半導体チップ1と配線基板2とがハンダバンプ1
2部分から剥離し易くなるといった課題があった。
【0014】これらの課題に対し、空洞20が残存する
のは、溶融状態の樹脂4の半導体チップ1下方への侵入
がハンダバンプ12によりじゃまされてしまうためであ
るとの考えから、その改善のため樹脂4の温度を上昇さ
せて粘度を低下させる方法も考えられているが、樹脂4
の温度をあまり上昇させると一部が固化反応を起こして
しまう可能性があり、さらに、樹脂4の粘度が低いと半
導体チップ1周辺に拡がってしまい、接続部の信頼性を
確保することができないといった課題があった。
【0015】また、封止範囲の外周部にあらかじめレジ
スト等によりダムを形成しておき、該ダム内に溶融状態
の樹脂4を注入することにより樹脂4の広がりを抑える
方法もあるが、前記ダムにより樹脂4の流れを規制し得
る一方、気泡20´の抜け道を塞ぐ結果になり、空洞2
0の残存率を改善することはできず、接続部の信頼性を
向上させることはできないといった課題があった。
【0016】本発明に係る半導体チップの封止構造及び
封止方法は上記課題に鑑みなされたものであり、樹脂内
に空洞を残存させることなく、封止範囲内を確実に封止
することができ、半導体チップと配線基板との熱膨張率
差によって生じるストレスを確実に抑え込むことにより
接続部の信頼性を向上させ得る半導体チップの封止構造
及び封止方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
本発明に係る半導体チップの封止構造()は、配線
基板上に半導体チップがフェイスダウンでボールグリッ
ド接続され、該半導体チップが樹脂により封止された半
導体チップの封止構造において、前記配線基板上の前記
半導体チップの外周近傍全周に前記樹脂の流れを阻止す
る外側ダムが形成されると共に、該外側ダムの内側エリ
アを複数に区分けする区分けダムが形成され、該区分け
ダムに切れ目が形成されていることを特徴としている。
【0018】また、本発明に係る半導体チップの封止構
造()は、配線基板上に半導体チップがフェイスダウ
ンでボールグリッド接続され、該半導体チップが樹脂に
より封止された半導体チップの封止構造において、前記
配線基板上の前記半導体チップの外周近傍全周に前記樹
脂の流れを阻止する外側ダムが形成される一方、該外側
ダムの内側に前記半導体チップ下方の中央部を区分けす
る内側ダムが形成され、該内側ダムの内側部分に透孔が
形成されていることを特徴としている。
【0019】また、本発明に係る半導体チップの封止方
法()は、上記記載の半導体チップの封止構造(
を形成する際、前記外側ダムと前記内側ダムとの間に樹
脂を供給すると共に、前記透孔より前記樹脂を吸引する
工程を含んでいることを特徴としている。
【0020】
【作用】 本発明に係る半導体チップの封止構造()に
よれば、配線基板上に半導体チ ップがフェイスダウンで
ボールグリッド接続され、該半導体チップが樹脂により
封止された半導体チップの封止構造において、前記配線
基板上の前記半導体チップの外周近傍全周に前記樹脂の
流れを阻止する外側ダムが形成されると共に、該外側ダ
ムの内側エリアを複数に区分けする区分けダムが形成さ
れ、該区分けダムに切れ目が形成されているので、区分
けされた前記内側エリア間に供給された樹脂量の不均衡
が発生しても、樹脂量が多いエリアから少ないエリアへ
と前記切れ目を通じて樹脂が均等に分散するため、前記
内側エリアには片寄ることなく前記樹脂が充填されるこ
とになり、場所による封止強度の片寄りをなくし得ると
いう作用がより確実になる。
【0021】また、本発明に係る半導体チップの封止構
造()によれば、配線基板上に半導体チップがフェイ
スダウンでボールグリッド接続され、該半導体チップが
樹脂により封止された半導体チップの封止構造におい
て、前記配線基板上の前記半導体チップの外周近傍全周
に前記樹脂の流れを阻止する外側ダムが形成される一
方、該外側ダムの内側に前記半導体チップ下方の中央部
を区分けする内側ダムが形成され、該内側ダムの内側部
分に透孔が形成されているので、前記外側ダムによっ
て、供給された樹脂の流れが半導体チップ下部方向に規
制されると共に、前記内側ダムによって前記樹脂の充填
範囲を規制し得るため、樹脂を半導体チップ下部に容易
に均一に充填し得る。また、樹脂内にたとえ気泡が取り
込まれたとしてもこの気泡は前記半導体チップ下方の中
央部に集まるため、樹脂内に空洞が残存することはなく
なると共に、所要量以上の樹脂が供給された場合であっ
ても前記外側ダムから外周方向に前記樹脂が流れ出るこ
とがなく、余分な樹脂は前記透孔から排出される。ま
た、内側ダムの内周部の空気も前記透孔から排出され、
封止部内部から確実に気泡が排出される。
【0022】また、本発明に係る半導体チップの封止方
法()によれば、上記記載の半導体チップの封止構造
)を形成する際、前記外側ダムと前記内側ダムとの
間に樹脂を供給すると共に、前記透孔より前記樹脂を吸
引する工程を含んでいるので、吸引力によって前記樹脂
が前記外側ダムから前記内側ダム方向へスムーズに移動
し、上記記載の半導体チップの封止構造()を容易に
確実に形成し得る。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る半導体チップの封止構造
及び封止方法の実施例を図面に基づいて説明する。な
お、従来例と同一の機能を有する構成部品には同一の符
合を付すものとする。
【0024】<参考例1> 参考例1に係る半導体チップの封止構造及び封止方法を
図1(a)〜(c)に基づいて説明する。(a)は封止
構造の概略側断面図を示しており、(b)、(c)はそ
れぞれ透孔の形状を変化させた場合の、封止用の樹脂を
供給する以前の状態を示した概略平面図である。
【0025】図中13は溶融状態の樹脂を供給するため
のディスペンサを示しており、ピストン13bが加圧さ
れることによりディスペンサ13内の樹脂4が供給口1
3aから所定箇所に供給されるように構成されている。
【0026】配線基板2のチップ搭載部外側近傍部分に
は透孔5aが形成されており、前記チップ搭載部上に搭
載された半導体チップ1が透孔5aの外側近傍の所定部
分に形成された電極パッド(図示せず)とワイヤボンデ
ィング接続されている。半導体チップ1及び接続部(ワ
イヤ3を含む)は樹脂4によりコーティングされ封止さ
れている。その他の構成は図8に示した従来例と同様で
ある。
【0027】透孔5aの形状としては、図1(b)に示
すような長孔形状であるが、別の参考例では図1(c)
に示すような円形状の透孔5bであってもよく、さらに
別の参考例では(b)、(c)に示した形状以外の形状
であってもよい。しかし、透孔5a、5bは半導体チッ
プ1の周囲に均一に分布しているのが好ましい。
【0028】上記した半導体チップ1の封止構造の形成
は、配線基板2上にワイヤボンディング接続された半導
体チップ1の略中央部上方からディスペンサ13により
溶融状態の樹脂4を供給すると同時に、透孔5aから樹
脂4を吸引し、その後熱処理を施して樹脂4を固化させ
ることにより行う。
【0029】樹脂4の吸引には通常配線基板2の位置決
め等のために用いられている吸引装置を用いることがで
きる。
【0030】このように構成された半導体チップ1の封
止構造によれば、溶融状態の樹脂4の供給時に樹脂4内
に取り込まれた気泡は透孔5aから外部に吸引・排出さ
れることとなり、樹脂4内に空洞が残存することがな
い。よって半導体チップ1と配線基板2との熱膨張率差
によって生じるストレスを樹脂4により確実に抑えるこ
とができる。また、湿気等が空洞部にたまることがない
のでワイヤ3が早期にいたむこともなく、接続部の信頼
性を向上させることができる。
【0031】また上記した封止方法によれば、ワイヤ3
が高密度に配置されていても、吸引力によりワイヤ3間
を溶融状態の樹脂4がスムーズに通過し、ワイヤ3と半
導体チップ1との間にも余すところなく樹脂4が充填さ
れる。よって樹脂4内に空洞を残存させることなく、上
記構成の半導体チップの封止構造を容易に、しかも短時
間に形成することができる。
【0032】<参考> 図2(a)、(b)は参考に係る半導体チップの封
止方法を説明するための概略断面図であり、(a)は樹
脂4の供給時の様子を、(b)は樹脂4による封止後の
様子をそれぞれ示している。
【0033】参考に係る半導体チップの封止方法に
おいては、半導体チップ1に透孔5bを形成しておき、
半導体チップ1を配線基板2上にフェイスダウンでボー
ルグリッド接続した後、ディスペンサ13を用いて透孔
5bからチップ封止用の樹脂4を供給する(図2
(a))。この時、透孔5bが例えば5mm角程度であ
る場合は、直径0.5〜0.8mmの供給口13aを有
するディスペンサ13を用いる等、透孔5bの大きさに
適した供給口13aを有するディスペンサ13を用いる
のが好ましい。
【0034】上記した方法によれば、樹脂4は半導体チ
ップ1のフェイス面1cから配線基板2上面へ向けてス
ムーズに導入され、導入時の圧力によりハンダバンプ1
2間にも余すところなく樹脂4が充填される。このよう
に溶融状態の樹脂4は半導体チップ1の下方中心部から
外側へ向けて気泡を追い出す方向に供給されるので、空
洞として樹脂内に残存することがない。よって参考例1
の場合の半導体チップの封止構造と同様の効果を得るこ
とができると共に、樹脂4の供給口13aの位置を上昇
させることにより半導体チップ1のフェイス面1c以外
をも封止可能(図2(b))とすることができる。
【0035】<参考> 図3(a)、(b)は参考に係る半導体チップの封
止方法を説明するための概略断面図であり、(a)は樹
脂4を吸引する前の状態を、(b)は樹脂4による封止
後の状態をそれぞれ示している。
【0036】参考に係る半導体チップの封止方法に
おいては、半導体チップ1に透孔5bを形成しておき、
半導体チップ1を配線基板2上にフェイスダウンでボー
ルグリッド接続した後、半導体チップ1周辺部にチップ
封止用の樹脂4を供給し、透孔5bから吸引することに
より樹脂4を半導体チップ1下部に充填する。前記吸引
は真空ポンプ等(図示せず)により行う。
【0037】上記した方法によれば、半導体チップ1下
部の空気を吸引しながら半導体チップ1周辺部に供給し
ておいた樹脂4を半導体チップ1のフェイス面1c全体
にゆきわたらせることが可能になる。よって半導体チッ
プ1下部に空洞が残存することはなく、参考例1の場合
の半導体チップの封止構造と同様の効果を得ることがで
きると共に、必然的に半導体チップ1周辺部よりも半導
体チップ1下部の中心に向かって樹脂4が移動するの
で、溶融状態の樹脂4の拡がりを抑え、封止部の外周範
囲を正確に決定することができる。
【0038】<参考> 図4は参考に係る半導体チップの封止構造を説明す
るための概略断面図であり、封止構造の完成後であって
半導体チップを除いた状態を示している。
【0039】参考に係る半導体チップの封止構造に
おいては、配線基板2上に半導体チップ1がフェイスダ
ウンでボールグリッド接続され、半導体チップ1が樹脂
4により封止された半導体チップ1の封止構造におい
て、配線基板2上の半導体チップ1の外周近傍全周に樹
脂4の流れを阻止する外側ダム7が形成されると共に、
外側ダム7の内側エリアを複数に区分けする区分けダム
8が形成されている。
【0040】このように構成された半導体チップ1の封
止構造によれば、区分けされた前記内側エリアにはそれ
ぞれ略同等量の樹脂4が充填される。よって、場所によ
る封止強度の片寄りをなくすことができる。
【0041】<実施例> 図5は実施例に係る半導体チップの封止構造を説明す
るための概略断面図であり、封止構造の完成後であって
半導体チップを除いた状態を示している。
【0042】実施例に係る半導体チップの封止構造に
おいては、参考の場合の半導体チップの封止構造に
おいて、区分けダム8に切れ目9が形成されている。
【0043】このように構成された半導体チップの封止
構造によれば、区分けされた前記内側エリア間に供給さ
れた樹脂4量の不均衡が発生しても、樹脂4量が多いエ
リアから少ないエリアへと切れ目9を通じて樹脂4が均
等に分散するため、参考に記載の半導体チップの封
止構造による効果をより強化することができる。
【0044】<参考例> 図6は参考例に係る半導体チップの封止構造を説明す
るための概略断面図である。
【0045】参考例に係る半導体チップの封止構造に
おいては、配線基板2上に半導体チップ1がフェイスダ
ウンでボールグリッド接続され、半導体チップ1が樹脂
4により封止された半導体チップ1の封止構造におい
て、配線基板2上の半導体チップ1の外周近傍全周に樹
脂4の流れを阻止する外側ダム7が形成される一方、外
側ダム7の内側に半導体チップ1下方の中央部を区分け
する内側ダム10が形成されている。
【0046】このように構成された半導体チップの封止
構造によれば、外側ダム7によって、供給された樹脂4
の流れが半導体チップ1下部方向に規制されると共に、
内側ダム10によって樹脂4の充填範囲を規制し得るた
め、樹脂4を半導体チップ1下部に容易に均一に充填し
得る。また、樹脂4内にたとえ気泡が取り込まれたとし
てもこの気泡は半導体チップ1下方の中央部に集まるた
め、樹脂4内に空洞が残存することはなくなる。
【0047】<実施例> 図7は実施例に係る半導体チップの封止構造を説明す
るための概略断面図である。
【0048】実施例に係る半導体チップの封止構造に
おいては、参考例記載の半導体チップの封止構造にお
いて、配線基板2における内側ダム10の内側部分に透
孔5cが形成されている。
【0049】上記した半導体チップ1の封止構造の形成
は、外側ダム7と内側ダム10との間に樹脂4を供給す
ると共に、透孔5cより樹脂4を吸引する。該吸引は真
空ポンプ等(図示せず)により行う。
【0050】このように構成された半導体チップの封止
構造によれば、参考例記載の半導体チップの封止構造
と同様の効果が得られると共に、所要量以上の樹脂4が
供給された場合であっても外側ダム7から外周方向に樹
脂4が流れ出るのを防ぎ、余分な樹脂4を透孔5cから
排出することができる。また、内側ダム10の内周部の
空気も透孔5cから排出され、樹脂内部から確実に気泡
が排出される。
【0051】また上記した封止方法によれば、吸引力に
よって樹脂4を外側ダム7から内側ダム10方向へスム
ーズに移動させることができ、実施例記載の半導体チ
ップの封止構造を容易に確実に形成し得る。
【0052】
【発明の効果】 以上詳述したように、 本発明に係る半導
体チップの封止構造()においては、配線基板上に半
導体チップがフェイスダウンでボールグリッド接続さ
れ、該半導体チップが樹脂により封止された半導体チッ
プの封止構造において、前記配線基板上の前記半導体チ
ップの外周近傍全周に前記樹脂の流れを阻止する外側ダ
ムが形成されると共に、該外側ダムの内側エリアを複数
に区分けする区分けダムが形成され、該区分けダムに切
れ目が形成されているので、区分けされた前記内側エリ
ア間に供給された樹脂量の不均衡が発生しても、樹脂量
が多いエリアから少ないエリアへと前記切れ目を通じて
樹脂が均等に分散するため、前記外側ダムの内側エリア
には片寄ることなく前記樹脂が充填されることになり、
場所による封止強度の片寄りをなくし得るという作用を
より確実なものとすることができる。
【0053】また、本発明に係る半導体チップの封止構
造()においては、配線基板上に半導体チップがフェ
イスダウンでボールグリッド接続され、該半導体チップ
が樹脂により封止された半導体チップの封止構造におい
て、前記配線基板上の前記半導体チップの外周近傍全周
に前記樹脂の流れを阻止する外側ダムが形成される一
方、該外側ダムの内側に前記半導体チップ下方の中央部
を区分けする内側ダムが形成され、該内側ダムの内側部
分に透孔が形成されているので、前記外側ダムによっ
て、供給された樹脂の流れが半導体チップ下部方向に規
制されると共に、前記内側ダムによって前記樹脂の充填
範囲を規制し得るため、樹脂を半導体チップ下部に容易
に均一に充填することができる。また、樹脂内に取り込
まれた気泡は前記半導体チップ下方の中央部に集まるた
め、樹脂内に空洞が残存するのを防ぐことができると共
に、所要量以上の樹脂が供給された場合であっても前記
外側ダムから外周方向に前記樹脂が流れ出ることがな
く、余分な樹脂を前記透孔から排出することができる。
また、内側ダムの内周部の空気も前記透孔から排出さ
れ、樹脂内から確実に気泡を排出することができる。
【0054】また、本発明に係る半導体チップの封止方
法()においては、上記記載の半導体チップの封止構
造()を形成する際、前記外側ダムと前記内側ダムと
の間に樹脂を供給すると共に、前記透孔より前記樹脂を
吸引する工程を含んでいるので、吸引力によって前記樹
脂が前記外側ダムから前記内側ダム方向へスムーズに移
動し、上記記載の半導体チップの封止構造()を容易
に確実に形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は参考例1に係る半導体チップの封止構
造及び封止方法を示した概略側断面図であり、(b)、
(c)はそれぞれ透孔の形状を変化させた場合の、封止
用の樹脂を供給する以前の状態を示した概略平面図であ
る。
【図2】(a)、(b)は参考に係る半導体チップ
の封止方法を説明するための概略断面図であり、(a)
は樹脂の供給時の様子を、(b)は樹脂による封止後の
様子をそれぞれ示している。
【図3】(a)、(b)は参考に係る半導体チップ
の封止方法を説明するための概略断面図であり、(a)
は樹脂を吸引する前の状態を、(b)は樹脂による封止
後の状態をそれぞれ示している。
【図4】参考に係る半導体チップの封止構造を説明
するための概略断面図であり、封止構造の完成後であっ
て半導体チップを除いた状態を示している。
【図5】実施例に係る半導体チップの封止構造を説明
するための概略断面図であり、封止構造の完成後であっ
て半導体チップを除いた状態を示している。
【図6】参考例に係る半導体チップの封止構造を説明
するための概略断面図である。
【図7】実施例に係る半導体チップの封止構造を説明
するための概略断面図である。
【図8】半導体チップと配線基板とをワイヤボンディン
グ接続した場合の従来の封止構造を示した模式的断面図
である。
【図9】半導体チップと配線基板とをボールグリッド接
続した場合の封止構造を示した模式的断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−171969(JP,A) 特開 平6−314715(JP,A) 特開 平6−326211(JP,A) 特開 平3−19259(JP,A) 特開 平5−55303(JP,A) 特開 昭64−59835(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/56 H01L 23/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線基板上に半導体チップがフェイスダ
    ウンでボールグリッド接続され、該半導体チップが樹脂
    により封止された半導体チップの封止構造において、前
    記配線基板上の前記半導体チップの外周近傍全周に前記
    樹脂の流れを阻止する外側ダムが形成されると共に、該
    外側ダムの内側エリアを複数に区分けする区分けダムが
    形成され、該区分けダムに切れ目が形成されていること
    を特徴とする半導体チップの封止構造。
  2. 【請求項2】 配線基板上に半導体チップがフェイスダ
    ウンでボールグリッド接続され、該半導体チップが樹脂
    により封止された半導体チップの封止構造において、前
    記配線基板上の前記半導体チップの外周近傍全周に前記
    樹脂の流れを阻止する外側ダムが形成される一方、該外
    側ダムの内側に前記半導体チップ下方の中央部を区分け
    する内側ダムが形成され、該内側ダムの内側部分に透孔
    が形成されていることを特徴とする半導体チップの封止
    構造。
  3. 【請求項3】 請求項記載の半導体チップの封止構造
    を形成する際、前記外側ダムと前記内側ダムとの間に樹
    脂を供給すると共に、前記透孔より前記樹脂を吸引する
    工程を含んでいることを特徴とする半導体チップの封止
    方法。
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