JP3475338B2 - 棚装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、左右に離隔して側
板を配設し、これらの側板に複数段の棚板を並設してな
る棚装置、特に図書館等で用いられる大型の複式書架に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の棚装置としては、棚の左
右における前後方向に鋼製の支柱を離間して垂設し、各
支柱の上部と下部に連結金具を設け、これらの連結金具
に、天板、台板となる固定棚板の四隅の前面側または後
面側をボルトナットにより締着したものが知られてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来の棚装置で
は、支柱と固定棚板とが連結金具を介してひとつの面の
みで接合されているために、支柱の曲げ方向及び捩れ方
向の変形に弱く、棚装置全体の変形が生じることがあっ
た。

【０００４】本発明の目的は、このような問題点を解決
するため、支柱ないしは側板の曲げ方向及び捻れ方向の
変形に強く、全体としての剛性に優れ、変形が生じにく
い棚装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (１) 左右に離隔して側板を配設し、これらの側板に複
数段の棚板を並設してなる棚装置において、前記側板間
に配置される固定棚板の四隅に、その角を落とした形状
の傾斜面を形成し、この傾斜面とこれに隣接する前後面
の端部に雌ねじ部を設けるとともに、前記傾斜面及び前
記前後面端部に対応する取付面を形成するように折り曲
げた連結金具を、前記固定棚板に対応する位置において
左右方向内方に突出させて前記側板に取付け、この連結
金具の取付面に前記雌ねじ部に対向して穿設した通孔か
ら雄ねじを挿通させ、この雄ねじを前記固定棚板の雌ね
じ部に螺合させて、前記側板に前記固定棚板を取り付た
こと。

【０００６】(２) 上記(１)項において、固定棚板が、
天板、台板を構成する固定棚板である。

【０００７】

【発明の実施の態様】図３に示す棚装置(Ａ)は、図書館
等において使用される大型の複式書架である。この書架
は、左右端及び中間のパネルとなっている側板(１)の間
に棚板を複数段配設して成るもので、上部の棚板は、天
板(３)を構成する固定棚板であり、下部の棚板は、台板
(４)を構成する固定棚板(４)である。中間の棚板(２)
は、上下方向の位置が変更可能な棚板とするのが好適で
あるが、その中のいくつかを固定棚板とすることもでき
る。この書架は、複式すなわち図示の表側ばかりでな
く、その裏側にも棚板を配設した、両面に書籍を収納す
る形式の書架である。

【０００８】図１には、図３に示した棚装置(Ａ)の固定
棚板に本発明を適用したものとして、側板(１)と天板
(３)を構成する固定棚板(２)との接合状況を示してい
る。この図に示す天板は、図３の右側の天板(３)であ
る。

【０００９】側板(１)は、両側端に角形断面のパイプ材
から成る支柱(５)、中間に中間支柱(６)を備え、それら
の間にパネル(７)を配してなる組立体である。右側の側
板(１)と左側の中間の側板(１)とを左右方向に間隔を離
して相対峙させ、これらふたつの側板(１)の上部に天板
を構成する固定棚板(３)を取り付け、その前後縁部に表
示板取付材(８)を載置し、その上から化粧天板(９)が取
り付けられる。

【００１０】固定側板(３)の四隅部は、４５度の角度に
垂直に角を落とした形状に折り曲げた板金により傾斜面
(18)が形成されている。この傾斜面(18)と、これに続く
前後側縁部(3a)の端部とには、それぞれ雌ねじ部(10)(1
1)が穿設されている。

【００１１】他方、側板(１)の上端部には、その支柱
(５)の前後面に連結金具(12)がふたつのねじ(13)により
固定されている。棚装置右側の端部となる側板(１)で
は、左側すなわち左右方向内方に、この連結金具(12)が
突出して、この突出部分が”く”字状に折れ曲がったふ
たつの取付面(12a)(12b)を形成している。取付面(12a)
は、前述の傾斜面(18)に対応する位置において対応する
角度をなして形成されており、取付面(12b)は、前後側
縁部(3a)の端部に対応する位置に形成されている。これ
らの取付面(12a)(12b)には、それぞれ前述の雌ねじ部(1
0)(11)に対応する位置に、通孔(14)(15)が穿設されてい
る。

【００１２】側板(１)の上部に固定棚板(３)を取り付け
るに当たっては、側板(１)から内方に突出する連結金具
(12)の先端を、横から固定棚板(３)の前後側縁部(3a)の
端部に差し入れ、その取付面(12a)(12b)を、それぞれ固
定棚板(３)の傾斜面(18)及び側縁部(3a)に当接させる。
この状態で、まず取付面(12a)の通孔(14)に雄ねじ(16)
を挿通して、これを傾斜面(18)の雌ねじ部(10)に螺入す
る。すると、傾斜面の傾斜のため、固定棚板(３)は次第
に斜めに側板(１)に引き寄せられ、面と面とが接して固
定される。次いで、側縁部(3a)の雌ねじ部(11)に、取付
面(12b)の通孔(15)に挿通した雄ねじ(17)を螺入して、
同様に側縁部(3a)と取付面(12b)とを当接させて固定す
る。このような雄ねじによる固定を、固定棚板(３)の四
隅部について行うのである。

【００１３】なお、図１において左側の連結金具(19)
は、この位置が棚装置の中間位置であるため、両側の固
定棚板を固定するように左右両方向に同形の取付面を突
出させた形状のものとされている。

【００１４】なお、図１において左側の連結金具(19)
は、この位置が棚装置の中間位置であるため、両側の固
定棚板を固定するように左右両方向に同形の取付面を突
出させた形状のものとされている。

【００１５】

【発明の効果】本発明によれば、側板に固定棚板を取り
付ける場合、側板から左右方向に突出させた連結金具突
出部のふたつの取付面に、それぞれ固定棚板の傾斜面と
前後側縁部の端部とが当接し、雄ねじにより固定される
が、この際に、固定棚板の四隅部の傾斜面とこれに対応
する連結金具の取付面とが、雄ねじの締め付けにより互
いに引き寄せられ、側板が固定棚板に確実に固定され
る。

【００１６】さらに、連結金具の突出部の端部と固定棚
板の前後側縁部の端部とが締着されるとともに、方向の
異なる連結金具突出部の取付面のひとつと固定棚板の四
隅の傾斜面とが締着されるため、側板を構成する支柱の
曲げ方向及び捩れ方向の変形に強く、棚装置全体の剛性
を向上させ、棚装置全体に変形が生じにくい棚装置が得
られるのである。

【００１７】請求項２記載の発明のように、固定棚板
が、天板、台板を構成する固定棚板であると、棚装置全
体が、その上下端でしっかりと固定され、曲げ方向及び
捩れ方向の変形に対して、より強い構造とすることがで
きるという効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した棚装置の天板付近を分解して
示す拡大展開斜視図である。

【図２】図１の天板を構成する固定棚板の右前隅部の水
平断面図である。

【図３】本発明を実施する棚装置の正面図である。

【符号の説明】

(Ａ)棚装置 (１)側板 (２)棚板 (３)天板（固定棚板） (3a)側縁部 (４)台板（固定棚板） (５)支柱 (６)中間の支柱 (７)パネル (８)表示板取付材 (９)化粧天板 (10)(11)雌ねじ部 (12)連結金具 (12a)(12b)取付面 (13)ねじ (14)(15)通孔 (16)(17)雄ねじ (18)傾斜面 (19)連結金具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47B 55/00 - 55/05 A47B 63/00 A47B 96/20 A47B 43/00 - 47/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に離隔して側板を配設し、これらの
   側板に複数段の棚板を並設してなる棚装置において、 前記側板間に配置される固定棚板の四隅に、その角を落
   とした形状の傾斜面を形成し、この傾斜面とこれに隣接
   する前後面の端部に雌ねじ部を設けるとともに、前記傾
   斜面及び前記前後面端部に対応する取付面を形成するよ
   うに折り曲げた連結金具を、前記固定棚板に対応する位
   置において左右方向内方に突出させて前記側板に取付
   け、この連結金具の取付面に前記雌ねじ部に対向して穿
   設した通孔から雄ねじを挿通させ、この雄ねじを前記固
   定棚板の雌ねじ部に螺合させて、前記側板に前記固定棚
   板を取り付けたことを特徴とする棚装置。
2. 【請求項２】 固定棚板が、天板、台板を構成する固定
   棚板であることを特徴とする請求項１記載の棚装置。