JP3474052B2 - 溶融紡糸用口金パック - Google Patents

溶融紡糸用口金パック

Info

Publication number
JP3474052B2
JP3474052B2 JP06413596A JP6413596A JP3474052B2 JP 3474052 B2 JP3474052 B2 JP 3474052B2 JP 06413596 A JP06413596 A JP 06413596A JP 6413596 A JP6413596 A JP 6413596A JP 3474052 B2 JP3474052 B2 JP 3474052B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
perforated plate
spinning
pack
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06413596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09256214A (ja
Inventor
陽子 丸大
秀男 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP06413596A priority Critical patent/JP3474052B2/ja
Publication of JPH09256214A publication Critical patent/JPH09256214A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3474052B2 publication Critical patent/JP3474052B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維の溶融紡
糸に用いられる溶融紡糸用口金パックに関するものであ
る。 【0002】 【従来の技術】合成繊維の溶融紡糸に用いられる溶融紡
糸用口金パックは、紡糸口金の上部に多数の孔を有した
有孔プレート、その上部に金網及び細粒砂等からなる濾
過層を積層し、その上部にポリマー供給口を備えた上蓋
を固定したものである。そして、ポリマー供給口から導
入されたポリマーは、まず濾過層を通過することによっ
て異物が取り除かれ、次いで有孔プレートで整流された
後、紡糸口金より紡糸される。 【0003】溶融紡糸用口金パック内に存在する気体、
滞留し、劣化したポリマー等に起因する紡糸時の不調は
従来から問題となっている。具体的には、溶融紡糸用口
金パック内に存在する気体によって、ポリマーの紡出時
に泡が生じて糸切れが発生したり、滞留劣化ポリマーが
異物として混入し、得られる糸条は性能の低下したもの
となるという問題がある。このため、溶融紡糸用口金パ
ックを短時間で交換する必要が生じ、コストアップの要
因となっている。 【0004】上記のような問題点を解決するものとし
て、特開平5−106105号公報には、紡糸口金パック内の
気体を排出するための排気孔を設けた溶融紡糸用口金パ
ックが提案されているが、この口金パックでは、排気孔
から気体が十分に排出されず、ポリマー紡出時の泡の発
生を解消することができず、さらに、滞留し、劣化した
ポリマーの発生を防ぐことができず、紡糸時の糸切れや
異物の混入を解消することはできない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
点を解決し、溶融紡糸用口金パック内の気体を排出し、
溶融紡糸用口金パック内の滞留劣化ポリマーの発生を抑
え、長期間安定した紡糸を行うことができる溶融紡糸用
口金パックを提供することを技術的な課題とするもので
ある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、紡糸口金の上部に有孔プレー
ト、その上部に濾過層を積層してなる溶融紡糸用口金パ
ックにおいて、有孔プレートの最外周のポリマー流通孔
1孔に対し、有孔プレートの外周に向かって垂直方向に
貫通するポリマー流路を2個以上設けたことを特徴とす
る溶融紡糸用口金パックを要旨とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。図1は、本発明の溶融紡糸用口金パックの一
実施態様を示す断面模式図であり、図2は図1の溶融紡
糸用口金パックに設けられた有孔プレートの上面図であ
る。図3は図1の溶融紡糸用口金パックに設けられた有
孔プレートの断面模式図であり、図4は、本発明の溶融
紡糸用口金パックに設けられた有孔プレートの他の実施
態様を示す断面模式図である。図5は、従来の溶融紡糸
用口金パックに設けられた有孔プレートの断面模式図で
ある。 【0008】本発明の溶融紡糸用口金パックは、紡糸口
金4の上部に有孔プレート3、その上部に濾過層2を積
層し、その上部にポリマー供給口を備えた上蓋5を固定
したものである。ポリマーは、上蓋5のポリマー供給口
より供給され、順に濾過層2、有孔プレート3を通過
し、紡糸口金4より紡糸される。そして、図3、4に示
すように、有孔プレート3は、最外周のポリマー流通孔
10に、有孔プレート3の外周に向かって垂直方向に貫通
するポリマー流路11を、ポリマー流通孔1孔につき2個
以上設けたものである。 【0009】溶融紡糸用口金パックにおいては、濾過層
2を通過したポリマーは有孔プレート3に流れるが、有
孔プレート3の外周の口金パックと有孔プレート3との
わずかな空隙12にポリマーの一部が滞留することがあ
る。このように滞留したポリマーは劣化するが、この滞
留劣化ポリマーが有孔プレート3を通過し、紡糸口金4
より紡出されるポリマーに混入すると、紡糸時に糸切れ
が発生したり、得られる糸は異物の混入したものとな
る。 【0010】図3〜5において、矢印はポリマーの流れ
を示すものである。図3に示す有孔プレート3は、最外
周に位置するポリマー流通孔10に、外周、すなわち空隙
12に向かって垂直方向に貫通するポリマー流路11を2個
設けてあるため、まず、最外周に位置するポリマー流通
孔10にポリマーが流れると、ポリマーの一部は上部のポ
リマー流路11aを通って空隙12を流れ、次いで下部のポ
リマー流路11bを通って、ポリマー流通孔10に流入し、
紡糸口金4に供給される。 【0011】図4に示す有孔プレート3は、最外周に位
置するポリマー流通孔10が下部に貫通していないもので
あるが、図3の有孔プレート3と同様に、ポリマー流通
孔10に流れたポリマーは、上部のポリマー流路11aを通
って、空隙12を流れ、次いで下部のポリマー流路11bを
通って、ポリマー流通孔10に流入し、紡糸口金4に供給
される。 【0012】このように、図3、4の有孔プレートは、
ポリマーが空隙12を流れ、滞留することがないため、滞
留劣化ポリマーの発生を防ぐことができる。一方、図5
の有孔プレートを用いると、空隙12に流入したポリマー
は、ポリマー流通孔10に戻ることができず、空隙12内で
滞留し、劣化する。 【0013】ポリマーの供給開始時点においては、紡糸
開始後にポリマー中で泡が発生する原因となる気体が紡
糸口金パック内の主に空隙12に存在しているが、図3、
4に示すような、最外周に位置するポリマー流通孔10に
垂直方向に貫通するポリマー流路11を設けた有孔プレー
トとすることによって、空隙12内の気体は、上記したよ
うに流れるポリマーに押し出され、紡糸口金パック外に
良好に排出される。 【0014】有孔プレート3には、1つのポリマー流通
孔10に対して、ポリマー流路11を2個以上設ける必要が
ある。1つのポリマー流通孔10に対して、ポリマー流路
11の数が1個の場合は、空隙12に流れたポリマーがポリ
マー流通孔10に流入することができず、図5の有孔プレ
ートを用いたときと同様に、滞留劣化ポリマーが発生す
る。ポリマー流路11の数の上限は特に限定されるもので
はないが、ポリマーが良好に流れるように、又はコスト
の面から2〜5個とすることが好ましく、さらに好まし
くは、2〜3個である。 【0015】また、ポリマー流路11は、ポリマー流通孔
10に対して垂直方向に貫通したものである必要がある
が、垂直方向とは、ポリマー流通孔10に対する角度が90
°に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわな
い範囲であれば、上下方向に角度をもたせたものでもか
まわない。 【0016】ポリマー流路11から空隙12に流出するポリ
マーの体積が空隙12の体積より小さいと、空隙12にポリ
マーが滞留する時間が長くなってしまい、劣化ポリマー
の発生の原因となることがあるので、ポリマー流路11の
径はポリマー流通孔10の径と同等程度とすることが好ま
しい。さらに、ポリマーの流れをスムースにするために
は、対称な位置のポリマー流通孔10にポリマー流路11を
設けることが好ましい。 【0017】 【作用】本発明の溶融紡糸用口金パックは、口金パック
内に載置する有孔プレートにおいて、最外周のポリマー
流通孔1孔に対し、有孔プレートの外周に向かって垂直
方向に貫通するポリマー流路を2個以上設けているの
で、紡糸口金パックと有孔プレートの空隙をポリマーが
流通し、溶融紡糸の開始時には、この空隙中に存在する
気体をポリマーが押し出し、気体の排出を短時間で行う
ことができ、溶融紡糸中は、空隙に流入したポリマーを
劣化する前に順次押し出し、口金より紡出させることが
できる。したがって、ポリマー紡出時の泡の発生を十分
に解消することができ、滞留劣化ポリマーの発生を防ぐ
ことができるので、糸切れの発生もなく良好に紡糸を行
うことができ、異物の混入のない品位の高い糸条を得る
ことができる。 【0018】 【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の各種特性値は、下記の方法で測定
と評価を行った。 (1)気体排出時間 ポリマーの紡出開始直後から、糸切れがなくなり、生産
可能となるまでの時間である。 (2)糸切れ回数 1錘に1つの紡糸口金パックを設置し、16錘で生産を7
日間、計168 時間行ったときの合計の糸切れ回数を、1
錘、1時間あたりの糸切れ回数で表したものである。
(例:合計24回の糸切れの場合、24/(16×168)=0.00
9 ) 【0019】実施例1 ポリマー流通孔1孔に対して、ポリマー流路を2個設け
た図3に示す有孔プレートを載置した図1に示す溶融紡
糸用口金パックを用い、融点260 ℃、固有粘度0.70のポ
リエチレンテレフタレートの溶融紡糸を行った。このと
き、有孔プレートの最外周のポリマー流通孔(直径3m
m)は12個あり、このうち6個のポリマー流通孔にポリ
マー流路(直径3mm)を設けた。また、紡糸条件は、紡
糸温度280 ℃、吐出量250 g/分、引取速度3500m/分
とした。紡糸開始からの気体排出時間、糸切れ回数及び
7日間での口金パックの交換回数、終了後のノズル解体
時の滞留劣化ポリマーの有無を目視で調べた結果を表1
に示す。 【0020】実施例2〜4 有孔プレートのポリマー流通孔1孔に対して設けるポリ
マー流路の数、ポリマーの吐出量を表1に示すように変
更した以外は実施例1と同様にして行った。紡糸開始か
らの気体排出時間、糸切れ回数及び7日間での口金パッ
クの交換回数、終了後のノズル解体時の滞留劣化ポリマ
ーの有無を目視で調べた結果を表1に示す。 【0021】比較例1 図5に示すポリマー流路のないポリマー流通孔を有する
有孔プレートを用いた以外は、実施例1と同様にして行
った。紡糸開始からの気体排出時間、糸切れ回数及び7
日間での口金パックの交換回数、終了後のノズル解体時
の滞留劣化ポリマーの有無を目視で調べた結果を表1に
示す。 【0022】 【表1】 【0023】表1より明らかなように、実施例1〜4の
有孔プレートを有する紡糸口金パックによれば、気体排
出時間が短く、糸切れ回数、紡糸口金パックの交換回数
も少なく、ノズル内の滞留劣化ポリマーの発生もなかっ
た。このため、異物の混入した糸条もなく、操業性よ
く、品位の高い糸条を得ることができた。一方、比較例
1は、ポリマー流通孔にポリマー流路のない有孔プレー
トを用いたため、気体排出に時間がかかり、また、ノズ
ル内に滞留劣化ポリマーが発生したため、糸切れが多く
発生し、紡糸口金パックの交換回数も多く、操業性が悪
かった。 【0024】 【発明の効果】本発明の溶融紡糸用口金パックによれ
ば、紡糸口金パック内の気体を短時間で排出し、また、
紡糸用口金パック内での滞留劣化ポリマーの発生を防ぐ
ことができるので、糸切れの発生もなく長期間安定した
紡糸を行うことができ、異物の混入のない品位の高い糸
条を得ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の溶融紡糸用口金パックの一実施態様を
示す断面模式図である。 【図2】図1の溶融紡糸用口金パックに設けられた有孔
プレートの上面図である。 【図3】図1の溶融紡糸用口金パックに設けられた有孔
プレートの断面模式図である。 【図4】本発明の溶融紡糸用口金パックに設ける有孔プ
レートの他の実施態様を示す断面模式図である。 【図5】従来の溶融紡糸用口金パックに設けられた有孔
プレートの断面模式図である。 【符号の説明】 2 濾過層 3 有孔プレート 4 紡糸口金 5 上蓋 10 ポリマー流通孔 11 ポリマー流路 12 空隙

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 紡糸口金の上部に有孔プレート、その上
    部に濾過層を積層してなる溶融紡糸用口金パックにおい
    て、有孔プレートの最外周のポリマー流通孔1孔に対
    し、有孔プレートの外周に向かって垂直方向に貫通する
    ポリマー流路を2個以上設けたことを特徴とする溶融紡
    糸用口金パック。
JP06413596A 1996-03-21 1996-03-21 溶融紡糸用口金パック Expired - Fee Related JP3474052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06413596A JP3474052B2 (ja) 1996-03-21 1996-03-21 溶融紡糸用口金パック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06413596A JP3474052B2 (ja) 1996-03-21 1996-03-21 溶融紡糸用口金パック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09256214A JPH09256214A (ja) 1997-09-30
JP3474052B2 true JP3474052B2 (ja) 2003-12-08

Family

ID=13249341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06413596A Expired - Fee Related JP3474052B2 (ja) 1996-03-21 1996-03-21 溶融紡糸用口金パック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3474052B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113718358B (zh) * 2021-09-08 2023-01-06 清华大学 一种纤维成型装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4330099Y1 (ja) * 1967-05-04 1968-12-09
JPS488646Y1 (ja) * 1970-05-15 1973-03-07

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09256214A (ja) 1997-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2007013270A1 (ja) (原着)ポリエステルモノフィラメント
JP3474052B2 (ja) 溶融紡糸用口金パック
JPH06294014A (ja) 導電性繊維の製造方法
JP2009030197A (ja) 中空糸用複合紡糸口金
EP3896199B1 (en) Core-sheath composite polyester monofilament for superfine high-mesh filter
JP3953417B2 (ja) 溶融紡糸方法
JP2009243017A (ja) 熱可塑性重合体の溶融紡糸パックおよび熱可塑性重合体の溶融紡糸方法
JP6701822B2 (ja) 溶融紡糸用パック
JP3774810B2 (ja) 紡糸口金パックの製造方法
JP3958627B2 (ja) 溶融紡糸用口金パック
JPH11279822A (ja) 溶融紡糸用口金パック
JP2838042B2 (ja) 多孔紡糸口金及びこの紡糸口金を用いた極細マルチフィラメント糸の溶融紡糸方法
JP2707889B2 (ja) 紡糸用スピンパック
JPH08158144A (ja) 海島繊維の紡糸口金装置
JP2582437Y2 (ja) 分割型溶融紡糸パック
JP2000017517A (ja) 溶融紡糸用口金パック及び溶融紡糸方法
JP2734699B2 (ja) 多フィラメント用紡糸口金
JPH10331022A (ja) 紡糸パック
JPS5943109A (ja) 溶融紡糸装置
JP2020096996A (ja) 金属濾過フィルター
JP2000265316A (ja) 紡糸パック
JPH07310225A (ja) 芯鞘中空複合繊維用紡糸口金及び芯鞘中空複合繊維の製造法
JPS61174412A (ja) 混合紡糸用口金パツク
JPS63159510A (ja) 溶融紡糸方法
JPH0525704A (ja) 紡糸装置および複合繊維の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees