JP3473363B2 - システム制御装置 - Google Patents

システム制御装置

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JP3473363B2
JP3473363B2 JP35352897A JP35352897A JP3473363B2 JP 3473363 B2 JP3473363 B2 JP 3473363B2 JP 35352897 A JP35352897 A JP 35352897A JP 35352897 A JP35352897 A JP 35352897A JP 3473363 B2 JP3473363 B2 JP 3473363B2
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加藤  良文
宮本  昇
杉浦  正典
藤綱  雅己
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    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/0205Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric not using a model or a simulator of the controlled system
    • G05B13/0255Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric not using a model or a simulator of the controlled system the criterion being a time-optimal performance criterion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/662Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
    • F16H61/66254Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力される調整量
により、この調整量に対応する状態に向けて制御系の状
態を変化させる被制御システム、例えば無段変速機等に
対して制御を行う制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の無段変速機として、ベル
ト式無段変速機が知られている。このベルト式無段変速
機を制御するための制御装置は、プーリ位置やプライマ
リ回転数(駆動プーリの回転数)を制御対象として、無
段変速機の変速比を、車両の運転状態に適合する変速比
となるように制御していた。
【0003】この変速比の調整のために、前記ベルト式
無段変速機においては、入力トルクに応じてセカンダリ
油圧(従動プーリのベルト挟持力調整のための油圧)を
設定するセカンダリ油圧制御系と、入力トルクおよびセ
カンダリ油圧に応じて、所定の変速比を得るのに必要な
プライマリ油圧(駆動プーリのプーリ位置調整のための
油圧)を設定する変速比制御系とを備えていた。
【0004】ここで、変速比制御系では目標変速比を実
現するために、対応する目標プーリ位置あるいは、目標
プライマリ回転数が演算され、これらプーリ位置あるい
はプライマリ回転数の実値との偏差に基づいてフィード
バック制御によるプライマリ油圧が演算され、このプラ
イマリ油圧となるように油圧が調整された。
【0005】このようなフィードバック制御を行うにあ
たっては、各種走行モード(発進、定常、キックダウ
ン、手動変速、ブレーキなど)に応じて制御ゲインを調
整、あるいは、目標値の補正を行うことにより、変速比
のハンチングを防止して、変速制御の応答性、収束性の
適正化が図られていた。
【0006】この種の無段変速機において、制御ゲイン
を調整するものとしては、例えば、特許第250542
0号公報記載の制御が挙げられる。この公報では、急ブ
レーキ時には通常の走行モードより制御ゲインを大きく
して変速比が大側に移動する速度を上げ、それ以外の場
合は制御ゲインを小さく維持する技術が開示されてい
る。
【0007】また、目標値の補正を行うものとしては、
たとえば、特開平7−167234号公報が挙げられ
る。この公報では、スロツトルが急閉された場合など、
目標のプライマリ回転数が急減したときに、PID制御
器の過剰な積分制御により、実プライマリ回転数がアン
ダーシュートすることで変速比のハンチングが生じるの
を防止するために、目標のプライマリ回転数の減少速度
にリミッタをかける技術が開示されている。
【0008】しかし、上記先行技術においては、基本的
にはPID制御であることからロバスト性が低いととも
に、以下の様な不具合がある。すなわち、(1)各種走
行モード毎に、制御ゲインを調整、あるいは、目標値の
補正を行うために、制御ソフトウエアが複雑化する。
(2)各種走行モード毎に、最適な制御ゲインや目標値
の補正量を設定する必要があるために制御ソフトウエア
の開発に時間がかかる。
【0009】このような、PID制御の欠点を補うフィ
ードバック制御として、ロバスト性が高く、前記
(1)、(2)の問題が少ない、スライディングモード
制御が知られている。例えば、特開平8−249067
号公報、特開昭61−271509号公報、特開昭61
−271510号公報、特開平2−297602号公報
等である。
【0010】これらは、基本的にはフィードフォワード
演算にて得られた目標値に基づいて、スライディングモ
ード制御器にてサーボ機構に対するフィードバック制御
を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スライディン
グモード制御では、その性質上、制御のハンチングが生
じ易い。したがって、運転条件が限られているロボット
のような分野では大きな問題とならないとしても、他の
多くの分野での各種装置の制御、例えば、車両用の無段
変速機等の制御に適用すると、そのハンチングが無視で
きず、乗り心地の低下につながるおそれがあった。
【0012】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ロバスト性を高めて、各
種走行モード等の運転条件に応じて制御ゲインを調整あ
るいは目標値の補正を行うことを減らし、あるいは無く
すとともに、かつハンチングを抑制することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の
システム制御装置は、状態調整手段が、フィードフォワ
ード制御量演算手段にて演算された制御量と、スライデ
ィングモード制御量演算手段にて演算された制御量との
加算に基づいて得られた調整量により、被制御システム
の状態を調整し、更に、スライディングモード制御量演
算手段が行うスライディングモード制御による制御量の
演算において、この制御量の内の非線形フィードバック
項の演算については、少なくともスライディングモード
制御の位相空間上の切換え面に設けられた境界層内で
は、位相空間上の被制御システムの状態点sと切換え面
との距離で比例計算して得られる値よりも、絶対値とし
て小さい値を与える非線形関数f(s)で前記状態点s
を写像した値に基づいて、非線形フィードバック項の値
を求める。
【0014】すなわち、本発明では、スライディングモ
ード制御量演算手段が行うスライディングモード制御に
よる制御量とは、別個に、フィードフォワード制御量演
算手段にて制御量が演算されている。被制御システム
は、スライディングモード制御による制御量と、フィー
ドフォワード制御による制御量との加算に基づいて調整
量が求められ、その調整量で調整される。
【0015】したがって、調整量は、従来のごとくその
すべてがスライディングモード制御による制御量に基づ
くというのではなく、スライディングモード制御とは並
行して求められたフィードフォワード制御による制御量
分が含まれている。すなわち、スライディングモード制
御による制御量は、フィードフォワード制御による制御
量が含まれている分、そうでない場合に比べ、小さくな
る。このことは、スライディングモード制御における非
線形フィードバック項ゲインを小さくとれることを示
し、スライディングモード制御の有するロバスト性を保
持しつつ、ハンチングを抑制させることができる。そし
て、更に、スライディングモード制御量演算手段が行う
スライディングモード制御による制御量の演算におい
て、この制御量の内の非線形フィードバック項の演算に
ついては、少なくともスライディングモード制御の位相
空間上の切換え面に設けられた境界層内では、位相空間
上の被制御システムの状態点sと切換え面との距離で比
例計算して得られる値よりも、絶対値として小さい値を
与える非線形関数f(s)で前記状態点sを写像した値
に基づいて、非線形フィードバック項の値を求めること
で、境界層での状態点の変動を抑制して、切換え面への
収束性を高め、一層、ハンチングを抑制することができ
る。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】ここで前記状態点sは、たとえば、目標値
演算手段にて演算された目標値と状態検出手段にて検出
された実値との偏差に基づいて式fのごとく定義するこ
とができる。
【0020】
【数4】 s=k1・err´+k2・err+k3・ierr … [式f] ここで、k1、k2、k3は0または有限の実数値、e
rrは前記偏差、err´はerrの微分量、ierr
はerrの積分量である。
【0021】また、前記位相空間上の被制御システムの
状態点sと前記切換え面との距離が、予め設定された値
より大きい場合は、前記式fにおける偏差の積分演算を
停止し、その積分演算の停止までの積分量(一定値)を
保持してもよい。この式fにおいて、sの演算にerr
の積分量を付加しているのは、定常偏差をなくすためで
あるが、反面、積分量を付加することにより、オーバー
シュートが発生しやすいので、位相空間上の被制御シス
テムの状態点sと切換え面との距離に応じて、偏差の積
分を停止することで、オーバーシュートを低減できる。
【0022】前記境界層内において、状態点sを非線形
関数f(s)で写像した値と非線形フィードバックゲイン
との積を非線形フィードバック項とすることとしてもよ
い。この場合は、前記式fにて示したごとく、微分項
「k1・err´」、比例項「k2・err」、および
積分項「k3・ierr」を合計した後に、非線形関数
f(s)にて写像している。
【0023】このように全項を合計した後に非線形関数
f(s)で写像するのではなく、状態点sの微分項「k1
・err´」、比例項「k2・err」および積分項
「k3・ierr」の内で、少なくとも積分項「k3・
ierr」は、他の項とは、別個に非線形関数f(s)で
写像し、この写像して得られた値を他の微分項および比
例項について非線形関数f(s)で写像して得られた値に
合計し、この合計値と非線形フィードバックゲインとの
積を非線形フィードバック項とすることとしてもよい。
【0024】このように、項を別々に、特に、積分項
を、微分項および比例項とは別個に非線形関数f(s)で
写像することにより、積分項に誤差が大量に蓄積されて
いたような場合に、微分項や比例項の変動が増幅されて
非線形フィードバック項に影響することを防止できる。
【0025】これは、たとえば、フィードフォワード制
御量演算手段により得られるフィードフォワード制御量
がずれを生じていたような場合に、積分項に誤差が大量
に蓄積される。前述したごとく、位相空間上の被制御シ
ステムの状態点sと切換え面との距離で比例計算して得
られる値よりも、絶対値として小さい値を与えるように
非線形関数f(s)が設計されているため、非線形関数f
(s)は状態点sの絶対値が大きい場合には、状態点sの
変動は写像された値においては大きい変動を生じさせ
る。このような変動は制御のハンチングを生じて好まし
くない。したがって、積分項の写像と、他の項との写像
とを分けることにより、微分項および比例項の変動は切
換え面近くで行われるようにでき、非線形フィードバッ
ク項の大きな変動を防止することができる。
【0026】この場合、積分項「k3・ierr」は、
他の項とは、異なる非線形関数f1(s)で写像してもよ
い。あるいは、微分項「k1・err´」、比例項「k
2・err」および積分項「k3・ierr」の各毎
に、異なる非線形関数f(s)で写像してもよい。
【0027】また、前記非線形フィードバック項の演算
については、スライディングモード制御の位相空間上の
切換え面に設けられた境界層の幅を、切換え面より被制
御システムの状態点が存在する側では、反対側よりも広
く設定することとして、状態点側では境界層内での状態
点の変動を抑制するとともに、切換え面の反対側へ状態
点が移行するのを急速なゲインの上昇で強力に阻止する
ことにより、オーバーシュートを強力に抑制し、かつ切
換え面への収束性を高めて、一層、ハンチングを抑制す
ることができる。
【0028】更に、何等かの原因により実際にハンチン
グが生じてしまったと、ハンチング判定手段により判断
された場合には、ハンチング状態でないと判定された場
合よりも、スライディングモード制御の位相空間上の切
換え面に設けられた境界層の幅を広く設定することとし
て、ハンチング時には状態点の変動を抑制してハンチン
グを早期に納めるようにするとともに、ハンチングが生
じていない場合には、境界層の幅を狭い状態に維持し
て、目標値への収束性を高めることができる。
【0029】また、ハンチング判定手段により実際にハ
ンチングが生じてしまったと判断された場合には、ハン
チング状態でないと判定された場合よりも、非線形フィ
ードバック項のゲインを小さくすることとして、ハンチ
ング時には状態点の変動を抑制するとともに、ハンチン
グが生じていない場合には、非線形フィードバック項の
ゲインを高い状態に維持して、目標値への収束性を高め
ることができる。
【0030】また、スライディングモード制御の位相空
間上の切換え面を、状態検出手段にて検出された実値の
ハンチング周波数に対応した位相進み遅れ特性を有する
ように設定することにより、位相のずれを生じさせて、
発生しているハンチングを抑制することにしても良い。
【0031】なお、被制御システムとしては、無段変速
機が挙げられる。この場合は、例えば、目標値演算手段
は、状態検出手段の検出結果に基づいて、無段変速機の
目標変速比を演算するように構成される。また、無段変
速機としては、ベルトに対する駆動プーリの挟持位置お
よびベルトに対する従動プーリの挟持位置を調整するこ
とにより変速比が制御されるベルト式の無段変速機を挙
げることができる。ここで、目標変速比を、駆動プーリ
の目標プーリ位置に変換する目標位置変換手段と、状態
検出手段の検出結果から駆動プーリの実プーリ位置を検
出する実位置検出手段とを備えて、フィードフォワード
制御量演算手段は、入力トルク推定手段にて推定された
無段変速機への入力トルクと、目標値演算手段にて演算
された目標変速比と、従動プーリ挟持力調整手段にて演
算された従動プーリに対する目標調整量と、に基づいて
駆動プーリに対する制御量を求め、スライディングモー
ド制御量演算手段は、目標位置変換手段にて目標変速比
から変換された目標プーリ位置と、実位置検出手段にて
検出された実プーリ位置との偏差に基づいて駆動プーリ
に対する制御量を求め、状態調整手段は、フィードフォ
ワード制御量演算手段にて演算された制御量と、スライ
ディングモード制御量演算手段にて演算された制御量と
の加算に基づいて得られた調整量により、駆動プーリを
調整する構成とする。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】このように従動プーリ側と駆動プーリ側と
を構成することにより、ベルト式の無段変速機におい
て、変速比のフィードバック制御におけるロバスト性や
各種走行モード等の運転条件に応じた制御ゲイン調整あ
るいは目標値補正がほとんど不要となるとともに、スラ
イディングモード制御に起因するハンチングも抑制した
高精度な制御を実行させることができる。
【0038】なお、実位置検出手段は、状態検出手段の
検出結果から実変速比を求め、この実変速比から駆動プ
ーリの実プーリ位置を検出する様に構成しても良い。数
式的には、スライディングモード制御量演算手段は、例
えば、次のように構成する。
【0039】すなわち、式aに示す、目標位置変換手段
にて前記目標変速比から変換された目標プーリ位置xt
と実位置検出手段にて検出された実プーリ位置xrとの
偏差err、および駆動プーリに対する制御量P2との
関係を表す近似式に基づき、式bに示す偏差積分計算に
て定義される変数ierrの導入と、式cに示すスライ
ディングモード制御における切換え面sの定義とから、
非線形フィードバック項ゲインkが式dを満足する条件
下に、式eから駆動プーリに対する制御量P2を求め
る。
【0040】
【数5】 d(err)/dt = A・err + B・P2 … [式a] ierr = ∫err・dt … [式b] s = s1・ierr + err … [式c] k> max(| dA・err |) + max(| dB・P2 |) … [式d] P2=(−1/B0)・((s1+A0)・err+k・sat(s)) … [式e] ここでA,Bの値は、従動プーリにおける目標調整量、
駆動プーリへの入力トルク、変速比に依存する値であ
り、s1は定数であり、dA=| A−A0 |、dB=
| B−B0 |であり、max()は最大値をとること
を示す演算子であり、A0,B0は、それぞれ変動する
数であるA,Bの公称値であり、sat()は飽和関数
である。
【0041】また、プライマリ圧の指令値と実在の遅れ
が無視できない場合には、スライディングモード制御量
演算手段は、次のように構成する。すなわち、式gに示
す、目標位置変換手段にて前記目標変速比から変換され
た目標プーリ位置xtと実位置検出手段にて検出された
実プーリ位置xrとの偏差err、および駆動プーリに
対する制御量P2との関係を表す近似式と、式hに示す
スライディングモード制御における状態点sの定義とか
ら、非線形フィードバック項ゲインk12が式iを満足す
る条件下に、式jから駆動プーリに対する制御量P2を
求める。
【0042】
【数6】 d(err)/dt=C・err′+D・err+E・P2…[式g] s=s11・ierr+s12・err+err′…[式h] k12>max(|dC・err′|)+max(|dD・err|)+max
(|dE ・P2|)…[式i] P2=(−1/E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・er
r′−k1 2・sat2(s)]…[式j] ここでC,D,Eの値は、従動プーリにおける目標調整
量、駆動プーリへの入力トルク、変速比に依存する値で
あり、s11,s12は定数であり、dC=| C−C
0 |、dD=| D−D0 |、dE=| E−E0
|であり、max()は最大値をとることを示す演算
子であり、C0,D0,E0は、それぞれ変動する数で
あるC,D,Eの公称値であり、sat2()は飽和関
数である
【0043】お、本願発明者等の知見によれば、ハン
チングが特に生じ易い変速比領域およびトルク比領域が
存在する。この事実に基づいて、無段変速機の実変速比
またはトルク比に応じて、スライディングモード制御の
位相空間上の切換え面に設けられた境界層の幅の広さを
増減し、ハンチングが生じ易い変速比領域またはトルク
比領域であれば、境界層の幅を広げ、そうでなければ、
広げずにそのまま維持したりあるいは狭くしたりして、
ハンチングを有効に抑制することができる。
【0044】
【0045】
【0046】なお、このようなシステム制御装置の各手
段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例え
ば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとし
て備えることができる。このようなプログラムの場合、
例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−
ROM、ハードディスク等の機械読み取り可能な記憶媒
体に記憶し、必要に応じてコンピュータシステムにロー
ドして起動することにより用いることができる。この
他、ROMやバックアップRAMを機械読み取り可能な
記憶媒体として前記プログラムを記憶しておき、このR
OMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステ
ムに組み込んで用いても良い。
【0047】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された無段変速機2、制御装置4、および
周辺装置の概略構成を表すブロック図である。これら無
段変速機2および制御装置4は自動車の無段変速機2お
よび制御装置4として構成されている。
【0048】無段変速機2は、可動円錐盤6と固定円錐
盤8とからなる駆動側のプライマリプーリ10(駆動プ
ーリに相当する。)、可動円錐盤12と固定円錐盤14
とからなる従動側のセカンダリプーリ16(従動プーリ
に相当する。)、駆動側のプライマリプーリシリンダ1
8、従動側のセカンダリプーリシリンダ20、およびプ
ライマリプーリ10とセカンダリプーリ16との間に掛
け渡された金属ベルト22、内燃機関としてのエンジン
Eにより駆動されるオイルポンプ24、プライマリ油圧
制御アクチュエータ26、セカンダリ油圧制御アクチュ
エータ28、エンジンEからのトルクの伝達を調整する
トルクコンバータ等の発進デバイス30を備えている。
【0049】制御装置4は、電子制御回路から成るコン
トロールユニット32、プライマリプーリ10の回転数
を検出するプライマリ回転センサ34、セカンダリプー
リ16の回転数を検出するセカンダリ回転センサ36、
エンジンEへの吸入空気量を調整するスロットル開度を
検出するスロットル開度センサ38、およびエンジンE
の回転数を検出するエンジン回転センサ40を備えてい
る。
【0050】コントロールユニット32は、CPUを中
心とするマイクロコンピュータとして構成され、状態検
出手段としての、プライマリ回転センサ34、セカンダ
リ回転センサ36、スロットル開度センサ38、および
エンジン回転センサ40の検出データに基づいて目標変
速比を設定し、この目標変速比となるように、プライマ
リ油圧制御アクチュエータ26を調整して、オイルポン
プ24にて発生しプライマリプーリシリンダ18に供給
される油圧を制御している。また、コントロールユニッ
ト32は、金属ベルト22がスリップを生じないよう
に、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28を調整し
て、オイルポンプ24にて発生しセカンダリプーリシリ
ンダ20に供給される油圧を制御している。
【0051】ここで、コントロールユニット32により
実行される詳細な制御を、図2,図3の制御ブロック図
により説明する。図2は、セカンダリプーリ16側の制
御ブロック図であり、セカンダリプーリシリンダ20の
セカンダリ油圧制御アクチュエータ28の調整を実行し
て、セカンダリプーリ16に対して金属ベルト22が滑
らないように、可動円錐盤12と固定円錐盤14との挟
持力を十分に発生させるための制御処理を示している。
この内、入力トルク推定部42および目標セカンダリ油
圧演算部44はコントロールユニット32のCPUが実
行するプログラムとして実現されている。また、セカン
ダリ油圧制御器46はコントロールユニット32内に備
えられた、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28を駆
動するための駆動回路である。
【0052】制御が開始されると、入力トルク推定部4
2は、スロットル開度センサ38から検出されたスロッ
トル開度θとエンジン回転センサ40から検出されたエ
ンジン回転数NEとに基づいて、図4に示すエンジン回
転数NEおよびスロットル開度θと入力トルクTinと
の関係を表すマップから入力トルクTinを推定する。
この入力トルクTinは、エンジンEで発生し、エンジ
ンEから発進デバイス30を介して無段変速機2へ入力
されるトルクである。
【0053】次に、目標セカンダリ油圧演算部44が、
入力トルク推定部42にて求められた入力トルクTin
と、後述する目標変速比設定部48にて求められた目標
変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PSt
を演算する。この目標セカンダリ油圧PStは、金属ベ
ルト22がセカンダリプーリ16に対してスリップする
こと無くトルクを伝達できる油圧であり、図5に示す3
次元マップから求められる。
【0054】こうして求められた目標セカンダリ油圧P
Stの信号に基づいて、セカンダリ油圧制御器46に
て、セカンダリ油圧制御アクチュエータ28が駆動制御
され、ベルトスリップしないセカンダリ油圧PSが実現
する。図3は、プライマリプーリ10側の制御ブロック
図であり、駆動側のプライマリプーリシリンダ18のプ
ライマリ油圧制御アクチュエータ26の調整を実行し
て、プライマリプーリ10に対して、セカンダリプーリ
16との間で金属ベルト22を介して行われる変速を、
目標変速比TRtにする制御処理を示している。この
内、目標変速比設定部48、変速比−プーリ位置変換部
50、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部5
2、スライディングモード制御部54、実変速比検出部
58、および変速比−プーリ位置変換部60は、コント
ロールユニット32のCPUが実行するプログラムとし
て実現されている。また、プライマリ油圧制御器56は
コントロールユニット32内に備えられた、プライマリ
油圧制御アクチュエータ26を駆動するための駆動回路
である。
【0055】制御が開始されると、目標変速比設定部4
8は、スロットル開度センサ38から検出されるスロッ
トル開度θ、およびセカンダリ回転センサ36から検出
されるセカンダリ回転数NS等の、各種センサから得ら
れる無段変速機2および無段変速機2を駆動するエンジ
ンEの状態に基づいて、所定のマップから目標変速比T
Rtを求める。
【0056】次に、この目標変速比TRt、目標セカン
ダリ油圧PSt、および入力トルクTinとに基づい
て、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部52
は、目標プライマリ油圧フィードフォワード項P1の演
算を行う。この演算は、まず、目標セカンダリ油圧PS
tに基づいて、図6に示す、予め測定されているセカン
ダリ油圧PSと入力トルクTinとの関係を表すテーブ
ルにより、セカンダリプーリ16にて金属ベルト22が
スリップせずに伝達可能な最大トルクTmaxが求めら
れる。次に入力トルクTinと最大トルクTmaxとの
比から、トルク比Tin/Tmaxが演算される。
【0057】次に、このトルク比Tin/Tmaxか
ら、図7に示すプライマリ油圧フィードフォワード項演
算マップに基づいて、該当する変速比TRのラインから
油圧比(PP:プライマリ油圧/PS:セカンダリ油
圧)を求め、この油圧比と目標セカンダリ油圧PStと
の積を計算し、その値をプライマリ油圧フィードフォワ
ード項P1とする。
【0058】具体的には、例えばトルク比Tin/Tm
ax=0.25、目標変速比TRt=2.0であった場
合には、図7に示すごとく、油圧比(PP/PS)=
0.41が求まり、P1=0.41・PStにて、プラ
イマリ油圧フィードフォワード項P1が求まる。なお、
図7は一例であり、無段変速機2の種類により異なるマ
ップとなる。
【0059】一方、目標変速比設定部48で得られた目
標変速比TRtは変速比−プーリ位置変換部50により
目標プーリ位置xt、すなわちプライマリプーリ10の
可動円錐盤6の目標位置xtに変換される。次に、実変
速比検出部58が、実際に無段変速機2のプライマリ回
転センサ34とセカンダリ回転センサ36との検出から
得られるプライマリ回転数NPおよびセカンダリ回転数
NSの比から実変速比TRrを得、変速比−プーリ位置
変換部60がこの実変速比TRrを実プーリ位置xr、
すなわち、プライマリプーリ10の可動円錐盤6の実位
置xrに変換する。
【0060】変速比−プーリ位置変換部50からの目標
プーリ位置xtと変速比−プーリ位置変換部60からの
実プーリ位置xrとの偏差errが次式のごとく演算さ
れて、この偏差errがスライディングモード制御部5
4に入力する。
【0061】
【数7】 err = xr − xt … [式1] スライディングモード制御部54では、この偏差err
に基づいて、スライディングモード制御によるプライマ
リ油圧フィードバック項P2を演算して出力する。
【0062】次に、スライディングモード制御部54に
て、偏差errに基づいて実行されるスライディングモ
ード制御演算について説明する。ここで、まず、プライ
マリ油圧フィードフォワード項P1とプーリ位置xtと
が対応しているものと考え、更に図1の構成に対する実
験データから、プライマリ油圧フィードバック項P2と
errとの間には次の近似式が成り立つと考えることが
できる。
【0063】
【数8】 d(err)/dt = A・err + B・P2 … [式2] ここでA,Bの値は、セカンダリ油圧PS、入力トルク
Ti、変速比TRに依存する。
【0064】定常偏差を無くするために次式の偏差積分
計算にて定義される変数ierrを導入する。
【0065】
【数9】 ierr = ∫err・dt … [式3] スライディングモード制御における状態点s(切換え面
はs=0に該当する。)を次式のように定義する。
【0066】
【数10】 s = s1・ierr + err … [式4] 上述した式に基づいて、プライマリ油圧フィードバック
項P2を、次式のごとく求める。
【0067】
【数11】 P2=(−1/B0)・((s1+A0)・err+k・sat(s)) … [式5] なお、A0,B0は、それぞれ変動する数であるA,B
の公称値である。また、飽和関数sat()は図8に示
す関数であり、図8におけるdは、図9に示す位相空間
における切換え面(s=0)の両側に存在する境界層の
幅である。kは非線形フィードバック項ゲイン(別名、
ロバストネスパラメータと言う。)である。
【0068】A,Bが変動し、それぞれA0,B0とは
異なる値をとった場合に、目標プーリ位置xtに実プー
リ位置xrが追従するためには、kの値は次の不等式を
満足する必要がある。
【0069】
【数12】 k>max(| dA・err |) + max(| dB・P2 |) … [式6] ただし、dA=| A−A0 |、dB=| B−B0 |
である。max()は最大値をとることを示す。
【0070】前記式6は、次のようにして導出される。
前記式2において、A=A0+dA、B=B0+dBと
すれば、式2は次式のごとくとなる。
【0071】
【数13】 d(err)/dt=(A0+dA)・err+(B0+dB)・P2 =A0・err+B0・P2+dA・err+dB・P2 … [式7] このとき、切換え面を表す式4を微分すると、次式のご
とくとなる。
【0072】
【数14】 s′=s1・d(ierr)/dt + d(err)/dt =s1・err+A0・err+B0・P2+dA・err+dB・P2 … [式8] 式8に前記式5を代入すれば、s′は次式のごとくとな
る。
【0073】
【数15】 s′=s1・err+A0・err −(s1+A0)・err−k・sat(s) +dA・err+dB・P2 =−k・sat(s)+dA・err+dB・P2 … [式9] ここで、スライディングモードが存在するためには、
s′・s<0を満足する必要があることから、式9がす
べてのdA,dBに対して、sと異符号になるためには
前記式6が成立すれば十分であることが判る。
【0074】上述のごとく、プライマリ油圧フィードバ
ック項P2が求まり、プライマリ油圧フィードフォワー
ド項演算部52にて求められているプライマリ油圧フィ
ードフォワード項P1と加算され、目標プライマリ油圧
PPtとされる。この目標プライマリ油圧PPtの信号
に基づいて、プライマリ油圧制御器56にて、プライマ
リ油圧制御アクチュエータ26が駆動制御され、ベルト
スリップしないプライマリ油圧PPが実現するととも
に、無段変速機2の実変速比TRrが目標変速比TRt
へ向けて調整される。
【0075】本実施の形態1では、スライディングモー
ド制御部54(スライディングモード制御量演算手段に
相当する。)が行うスライディングモード制御による制
御量(プライマリ油圧フィードバック項P2)とは、別
個に、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部52
(フィードフォワード制御量演算手段に相当する。)に
て制御量(プライマリ油圧フィードフォワード項P1)
が演算されている。
【0076】無段変速機2は、スライディングモード制
御によるプライマリ油圧フィードバック項P2と、フィ
ードフォワード制御によるプライマリ油圧フィードフォ
ワード項P1との加算に基づいて調整量(目標プライマ
リ油圧PPt)が求められ、その目標プライマリ油圧P
Ptでプライマリ油圧制御アクチュエータ26が調整さ
れる。
【0077】したがって、目標プライマリ油圧PPt
は、そのすべてがスライディングモード制御による制御
量に基づくのではなく、フィードフォワード制御による
制御量分が含まれている。すなわち、スライディングモ
ード制御による制御量は、フィードフォワード制御によ
る制御量分が含まれている分、そうでない場合に比べ、
小さくなる。このことは、スライディングモード制御に
おける非線形フィードバック項ゲインを小さくとれるこ
とを示し、応答性を満足しつつ、ハンチングの防止がで
きる。これを、以下、図で説明する。
【0078】図10に実線で示すごとく、目標変速比T
Rtが変化して、プーリ位置がxt1からxt2に移動
する場合、フィードフォワード制御による制御量が含ま
れている分、図10の中の線Aで示すように、スライデ
ィングモード制御に起因するハンチングを防止できる。
【0079】なお、比較例として、図10の線B,Cで
示しているのは、フィードフォワード制御による制御量
(プライマリ油圧フィードフォワード項P1)がなく、
スライディングモード制御による制御量(プライマリ油
圧フィードバック項P2)のみで、制御した場合の実プ
ーリ位置の応答を示している。
【0080】線Bは、特に実プーリ位置の応答を重視し
て、スライディングモード制御の適合をおこなった場合
であり、実プーリ位置の応答の立ち上がりは早いもの
の、スライディングモード制御の高ゲインによるハンチ
ングが発生する。線Cは、特に安定性を重視して、スラ
イディングモード制御の適合をおこなった場合であり、
定常状態におけるハンチングは見られないが、実プーリ
位置の応答の立ち上がりが緩慢である。
【0081】[実施の形態2]実施の形態2は、図11
に示すごとく、プライマリプーリ10側の制御ブロック
が異なるのみであり、他は実施の形態1と同じである。
図11においては、特に、フィルタ前処理部162とフ
ィルタ後処理部164とがスライディングモード制御部
154の処理の前後に設けられている点が異なり、目標
変速比設定部148、変速比−プーリ位置変換部15
0、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部15
2、スライディングモード制御部154、プライマリ油
圧制御器156、実変速比検出部158、および変速比
−プーリ位置変換部160は、実施の形態1における目
標変速比設定部48、変速比−プーリ位置変換部50、
プライマリ油圧フィードフォワード項演算部52、スラ
イディングモード制御部54、プライマリ油圧制御器5
6、実変速比検出部58、および変速比−プーリ位置変
換部60とそれぞれ同一である。
【0082】フィルタ前処理部162は、ローパスフィ
ルタあるいはバンドストップフィルタを用い、偏差er
rから変速比ハンチングを生じる周波数成分を除くこと
で、変速比ハンチングを更に抑制している。また、フィ
ルタ後処理部164は、ローパスフィルタあるいはバン
ドストップフィルタを用い、スライディングモード制御
部154が出力するプライマリ油圧フィードバック項P
2から変速比ハンチングを生じる周波数成分を除くこと
で、変速比ハンチングを更に抑制している。
【0083】なお、フィルタ処理部は、フィルタ前処理
部162のみでもフィルタ後処理部164のみでも効果
はあるが、特に、フィルタ後処理部164の方がハンチ
ングを抑制するには、より効果的である。 [実施の形態3]実施の形態1の式5においては、飽和
関数sat(s)として図8に示した関数を使用した
が、実施の形態3では、この飽和関数sat(s)の代
りに、図12に実線で示す非線形関数f(s)を使用す
る点が実施の形態1とは異なる。
【0084】この非線形関数f(s)では、特に、境界
層内(−d<s<0,0<s<d)では、実施の形態1
で行った位相空間上の無段変速機2の制御系の状態点s
と切換え面(s=0)との距離で比例計算して得られる
値(実施の形態1の飽和関数sat(s)の値であり、
破線で示す。)よりも、非線形フィードバック項の値を
小さくすることになる(実線で示す。)。したがって、
境界層内に入ると状態点sの変動を実施の形態1よりも
大きく抑制して、切換え面への収束性を高めることにな
り、一層、制御のハンチングを抑制することができる。
【0085】なお、境界層の外側(s<−d,s>d)
では、| f(s) |>1であることから、無段変速機
2の状態量が、境界層の外側に存在する場合には、飽和
関数sat(s)よりも非線形フィードバック項の値が
大きくなり、境界層までの収束性が高いので、目標変速
比方向への状態点の移動が急速であり、しかも境界層内
に入れば上述したごとく状態点の変動を抑制できるの
で、ハンチングを防止できる。
【0086】f(s)の例としては、例えば、次式のご
とくの関数を挙げることができる。
【0087】
【数16】 f(s) = sqrt(s) ・ sat(s) … [式10] ここで、sqrt(s)は、sの平方根の計算を表す。 [実施の形態4]実施の形態4は、実施の形態1におけ
る式(3)の演算が異なるのみであり、他は実施の形態
1と同じである。実施の形態4においては、位相空間上
の被制御システムの状態点sと前記切換え面との距離
が、予め設定された値より大きい場合には、前記式fに
おける偏差の積分演算を停止し、その積分演算の中止ま
での積分量(一定値)を保持する。この効果を、図1
3、図14を用いて説明する。
【0088】図13に示すようにステップ状に変化する
目標値が、図3の変速比−プーリ位置変換部50より印
加された場合の応答を、図14に示すような位相空間で
考察する。簡単のために、目標値がステップ状に変化す
る前は、系の状態点は位相空間の原点に存在するとす
る。一般にはフィードフォワード項に含まれる誤差のせ
いで、目標値がステップ状に変化した後の定常状態にお
ける系の状態点は、原点でなく図14の位相空間の中の
ierr軸上の点Aに存在する。
【0089】実施の形態1のように積分演算に制限を施
さない場合には、系の状態点は、図14中に示すがごと
く軌道1にそって、点Aに接近する。すなわち、目標値
がステップ状に変化した直後には、正の偏差が現れるの
で、ierrの値も正の方向に向かって増大する。この
結果、系の状態点は、第1象限を右上がりに進む。その
後フィードバック制御によって、偏差が減少し始める
と、軌道は点Dに達する。その後、偏差は減少してゆく
が、その符号は依然として正なので、ierrは増加し
続ける。この結果、軌道は第1象限を左上がりに進む。
そして、点Eに達すると、偏差の符号は負になるので、
ierrは減少し始める。この結果、軌道は第2象限を
左下がりに進む。
【0090】その後、スライディングモード制御の性質
により、点Aを通り且つ切換え面s=0に平行な線1に
沿って、平衡点Aに達する。ここで、今述べたように、
軌道1は第1象限から第2象限にわたって、点Aに接近
することから、偏差errは正から負へ符号を変え、図
13の一点鎖線に示すようなオーバーシュートが発生す
る。
【0091】これに対し、実施の形態4においては、系
の状態点は、図14中に示す軌道2に沿って点Aに達す
る。すなわち、目標値がステップ状に変化した直後に
は、実施の形態1の場合と同様に、正の偏差が現れるの
で、ierrの値も正の方向に向かって増大する。この
結果、系の状態点は、第1象限を右上がりに進む。その
後、系の状態点が、切換え面s=0から、予め定められ
た距離d0だけ離れた線2に到達すると(点B)、積分
演算が停止するので、軌道は、err軸に平行に点Cま
で進む。その後、フィードバック制御によって偏差が減
少し始めると、軌道は同じ線を通って、点Bに再び達す
る。すると、積分演算が再開されるので、ierrは再
び増加し始める。この結果、軌道は第1象限を左上がり
に進む。
【0092】その後、スライディングモード制御の性質
により、点Aを通り且つ切換え面S=0に平行な線1に
沿って、平衡点Aに達する。このように、軌道2は第1
象限の中から点Aに接近することから、偏差errは符
号を変えず、図13の実線に示すようにオーバーシュー
トは発生しない。
【0093】なお、このようなことが成立するには、点
Bにおけるierrの値が、点Aにおけるierrの値
よりも小さい必要がある。仮に、点Bにおけるierr
の値が、点Aにおけるierrの値よりも大きい場合
や、定常状態における系の状態点Aがierr軸の負の
位置に存在する場合には、実施の形態4においても、オ
ーバーシュートが発生するが、その量は、実施の形態1
におけるオーバーシュートの量より少ない。
【0094】これを、定常状態における系の状態点Aが
ierr軸の負の位置に存在する場合を例に取って説明
する。定常状態における系の状態点Aがierr軸の負
の位置に存在する場合には、図15に示す様に、実施の
形態4における軌道2も、実施の形態1における軌道1
と同様に、第1象限から第2象限を通って第3象限から
点Aに接近するが、図からわかるように、軌道2におけ
るオーバーシュート量a2は軌道1におけるオーバーシ
ュート量alよりも必ず小さくなる。
【0095】[実施の形態5]実施の形態1の式5にお
いては、飽和関数sat(s)として図8に示す関数を
使用したが、実施の形態5では、この飽和関数sat
(s)の代りに、図16,図17に示す飽和関数sat
1(s),sat2(s)を使用する点が実施の形態1
とは異なる。
【0096】図16の飽和関数sat1(s)は、制御
系の状態点sが、図18に示すごとく領域1(s>0)
に存在する場合に用いられる。図17の飽和関数sat
2(s)は、制御系の状態点sが、図19に示すごとく
領域2(s<0)に存在する場合に用いられる。
【0097】図18,図19から判るように、切換え面
(s=0)を挟んで、制御系の状態点sが存在する側の
境界層の幅d1またはd2は、存在しない側の境界層の
幅d2またはd1よりも大きく設定されている。すなわ
ち、制御系の状態点sが存在する側においては、存在し
ない側に比較して、飽和関数sat1(s),sat2
(s)の勾配は小さくなっている。
【0098】このことにより、制御系の状態点s側では
境界層内での状態点sの変動を抑制するとともに、切換
え面の反対側へ状態点sが移行するのを急速な絶対値の
上昇で強力に阻止することにより、オーバーシュートを
強力に抑制し、切換え面への収束性を高めてハンチング
を抑制することができる。
【0099】[実施の形態6]実施の形態6は、図20
に示すごとく、プライマリプーリ10側の制御ブロック
が異なるのみであり、他は実施の形態1と同じである。
図20においては、特に、変速比ハンチング検出部26
6が実プライマリ回転数NPrのハンチング状態から、
変速比ハンチングであるか否かを判断して、変速比ハン
チング有無のデータをスライディングモード制御部25
4へ出力するものである。スライディングモード制御部
254では、変速比ハンチングであれば、変速比ハンチ
ングを抑制する処理を行う。目標変速比設定部248、
変速比−プーリ位置変換部250、プライマリ油圧フィ
ードフォワード項演算部252、プライマリ油圧制御器
256、実変速比検出部258、および変速比−プーリ
位置変換部260は、実施の形態1における目標変速比
設定部48、変速比−プーリ位置変換部50、プライマ
リ油圧フィードフォワード項演算部52、プライマリ油
圧制御器56、実変速比検出部58、および変速比−プ
ーリ位置変換部60とそれぞれ同一である。
【0100】変速比ハンチング検出部266にて行われ
る変速比ハンチングであるか否かの判断は、次のように
して行われる。すなわち、変速比ハンチング検出部26
6は、一定周期で実プライマリ回転数NPrを、プライ
マリ回転センサ34の信号に基づいて求めて、メモリに
蓄積し、N周期毎に次式の計算にて実プライマリ回転数
NPrの平均値NPaを算出する。
【0101】
【数17】 NPa = (NPr[N]+NPr[N-1]+……+NPr[1])/N … [式11] ここで、NPr[1]は、最新に得られた実プライマリ
回転数NPrを表し、NPr[N]はN−1周期前に得
られた実プライマリ回転数NPrを表す。
【0102】次に、判定量Varを次式のごとく計算す
る。
【0103】
【数18】 Var=(NPr[N]−NPa)^2+(NPr[N-1]−NPa)^2+ ……+(NPr[1]−NPa)^2 … [式12] ここで、()^2は()内の値の二乗計算を表してい
る。
【0104】変速比ハンチング検出部266では、こう
して得られた判定量Varが基準値以上である場合に
は、変速比ハンチングがあるとし、基準値未満であれば
変速ハンチングがないものとする。変速比ハンチング検
出部266にて変速比ハンチングがあると判定されてい
る場合に、スライディングモード制御部254が行う変
速比ハンチングを抑制する処理としては、実施の形態1
の図9にて示した位相空間に設けられた境界層の幅dを
所定幅分あるいは所定割合、広げる処理、あるいは、実
施の形態1の式5に示した非線形フィードバック項ゲイ
ンkの値を所定値分あるいは所定割合、小さくする処理
が挙げられる。この変速比ハンチングを抑制する処理
は、変速比ハンチング検出部266にて変速比ハンチン
グがあると判定されている限り、繰り返し行われて、境
界層の幅dは、所定幅を限界として次第に広がり、ある
いは非線形フィードバック項ゲインkの値は、0より大
きい所定値を限界として次第に小さくなる。逆に、変速
ハンチングが変速比ハンチング検出部266にてしばら
く検出されていないと、境界層の幅dあるいは非線形フ
ィードバック項ゲインkの値は元の状態に次第に戻る。
【0105】このことにより、ハンチング時には状態点
の変動を抑制してハンチングを早期に納めるようにでき
るとともに、ハンチングが生じていない場合には、境界
層の幅dを狭い状態に維持して、あるいは非線形フィー
ドバック項のゲインkを高い状態に維持して、目標値へ
の収束性を高めることができる。
【0106】なお、変速比ハンチング検出部266は、
プライマリ回転センサ34から得られる実プライマリ回
転数NPrに基づいて、その実プライマリ回転数NPr
の変動から、変速比ハンチングを判定したが、実プライ
マリ回転数NPrの代りに、実変速比検出部258にて
検出される実変速比TRrを用いて、前記式11,12
と同じ計算を行って、直接、変速比ハンチングを判断し
ても良い。また、実プライマリ回転数NPrの代りに、
変速比−プーリ位置変換部260にて求められる実プー
リ位置xrを用いて、前記式11,12と同じ計算を行
って、実プーリ位置xrの変動から変速比ハンチングを
判断しても良い。
【0107】[実施の形態7]実施の形態7は、図21
に示すごとく、プライマリプーリ10側の制御ブロック
が異なるのみであり、他は実施の形態1と同じである。
図21においては、特に、制御パラメータ変更部368
が、入力トルク推定部42にて推定される入力トルクT
inに基づいて、スライディングモード制御部354に
て用いられる境界層の幅dあるいは非線形フィードバッ
ク項のゲインkの値を変更する。
【0108】目標変速比設定部348、変速比−プーリ
位置変換部350、プライマリ油圧フィードフォワード
項演算部352、プライマリ油圧制御器356、実変速
比検出部358、および変速比−プーリ位置変換部36
0は、実施の形態1における目標変速比設定部48、変
速比−プーリ位置変換部50、プライマリ油圧フィード
フォワード項演算部52、プライマリ油圧制御器56、
実変速比検出部58、および変速比−プーリ位置変換部
60とそれぞれ同一である。
【0109】スライディングモード制御部354では、
制御パラメータ変更部368により、図22に示すごと
く、入力トルクTinが大きくなれば、境界層の幅dも
広くなるように設定される。あるいは、図23に示すご
とく、入力トルクTinが大きくなれば、非線形フィー
ドバック項のゲインkの値は小さくなるように設定され
る。
【0110】入力トルクTinが大きいとアンダーシュ
ートあるいはオーバーシュートが大きくなり、ハンチン
グの程度も大きくなるので、境界層の幅dを広くするこ
とで、あるいは、非線形フィードバック項のゲインkを
小さくすることで、その状態点の変動を抑制して、ハン
チングを有効に抑制することができる。
【0111】[実施の形態8]本実施の形態8では、図
21に示した制御パラメータ変更部368が、入力トル
クTinの代りに、実変速比検出部358にて検出され
た実変速比TRrを用い、実変速比TRrに応じて境界
層の幅dを、図24に示すごとく広狭調整している点
が、実施の形態7とは異なる。他の構成は実施の形態7
と同じである。
【0112】図24のグラフは、変速比ハンチングが生
じ易い変速比領域が存在するという知見に基づいてい
る。したがって、変速比ハンチングが生じ易い変速比領
域(ここでは実変速比TRr=1.0を中心とする領
域)では、図24のごとく、境界層の幅dを広くしてい
る。このことにより、ハンチングが生じ易い変速比領域
であれば、境界層の幅dを広げてハンチングを抑制し、
ハンチングが生じ易い変速比領域でなければ、広げずに
そのまま維持したりあるいは狭くしたりして、目標変速
比TRtへの迅速な移動を行わせることができる。
【0113】なお、実変速比TRrに応じて境界層の幅
dの広さを調整するのではなく、実変速比TRrに応じ
て非線形フィードバック項のゲインkを調整しても良
い。この場合、図25のごとく、変速比ハンチングが生
じ易い変速比領域(ここでは実変速比TRr=1.0を
中心とする領域)では、非線形フィードバック項のゲイ
ンkを小さくしている。このことにより、ハンチングが
生じ易い変速比領域であれば、ゲインkを小さくしてハ
ンチングを抑制し、ハンチングが生じ易い変速比領域で
なければ、小さくせずにそのまま維持したりあるいは大
きくしたりして、目標変速比TRtへの迅速な移動を行
わせることができる。
【0114】[実施の形態9]本実施の形態9では、図
21に示した制御パラメータ変更部368が、入力トル
クTinの代りに、実施の形態1で述べたごとく、プラ
イマリ油圧フィードフォワード項演算部52が入力トル
クTinと最大トルクTmaxとの比から演算したトル
ク比Tin/Tmaxを用い、トルク比Tin/Tma
xに応じて境界層の幅dを、図26に示すごとく広狭調
整している点が、実施の形態7とは異なる。他の構成は
実施の形態7と同じである。
【0115】図26のグラフは、変速比ハンチングが生
じ易いトルク比領域が存在するという知見に基づいてい
る。したがって、変速比ハンチングが生じ易いトルク比
領域(ここではトルク比Tin/Tmax=0を中心と
する領域)では、図26のごとく、境界層の幅dを広く
している。このことにより、ハンチングが生じ易いトル
ク比領域であれば、境界層の幅dを広げてハンチングを
抑制し、ハンチングが生じ易いトルク比領域でなけれ
ば、広げずにそのまま維持したりあるいは狭くしたりし
て、目標変速比TRtへの迅速な移動を行わせることが
できる。
【0116】なお、トルク比に応じて境界層の幅dの広
さを調整するのではなく、トルク比に応じて非線形フィ
ードバック項のゲインkを調整しても良い。この場合、
図27のごとく、変速比ハンチングが生じ易いトルク比
領域(ここではトルク比Tin/Tmax=0を中心と
する領域)では、非線形フィードバック項のゲインkを
小さくしている。このことにより、ハンチングが生じ易
いトルク比領域であれば、ゲインkを小さくしてハンチ
ングを抑制し、ハンチングが生じ易いトルク比領域でな
ければ、小さくせずにそのまま維持したりあるいは大き
くしたりして、目標変速比TRtへの迅速な移動を行わ
せることができる。
【0117】[実施の形態10]本実施の形態10で
は、スライディングモード制御における切換え面sを、
前記実施の形態1で定義した式4の代りに、次式のよう
に定義する。
【0118】
【数19】 s = G(ierr) + err … [式13] ここで、G(ierr)は線形オペレータである。位相
空間における制御系の状態点sが、切換え面(s=0)
に拘束されているとすれば、状態変数ierr,err
に以下の関係式が成立する。
【0119】
【数20】 d(ierr) / dt=err … [式14] err=−G(ierr) … [式15] すなわち、G()の設計は、図28に示す制御系の設計
と等価である。そこで、G()として次式に示すよう
な、変速比ハンチング周波数付近で位相を進ませる位相
進み遅れ補償器を用いる。
【0120】
【数21】 G(q)=(1+T1・q)/(1+T2・q) … [式16] ここで、qはラプラス演算子であり、T1>T2であ
る。このように、スライディングモード制御の位相空間
上の切換え面(s=0)を、実値のハンチング周波数に
対応した位相進み遅れ特性を有するように設定すること
により、位相のずれを生じさせて、発生しているハンチ
ングを抑制することができる。
【0121】[実施の形態11]上記実施の形態1にお
いて、式2の近似式が成り立つとして、スライディング
モード制御部54にてプライマリ油圧フィードバック項
P2を演算したが、プライマリ圧の指令値と実在の遅れ
が無視できない場合には次式17が成り立つものとし
て、以下に述べるごとく、スライディングモード制御部
54にてプライマリ油圧フィードバック項P2を演算し
ても良い。
【0122】
【数22】 d2(err)/dt2=C・err′+D・err+E・P2 … [式17] ここでC,D,Eの値は、従動プーリにおける目標調整
量、駆動プーリへの入力トルク、変速比に依存する。
【0123】スライディングモード制御における状態点
s(切換え面s=0)を次式のように定義する。
【0124】
【数23】 s=s11・ierr + s12・err + err′ … [式18] ここで、s11,s12は定数である。上述した式に基づい
て、プライマリ油圧フィードバック項P2を、次式のご
とく求める。
【0125】
【数24】 P2=(−1/E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′− k12・sat2(s)] … [式19] ここで、C0,D0,E0は、それぞれ変動する数であ
るC,D,Eの公称値である。また、飽和関数sat2
()は図8に示した飽和関数sat()と同じものであ
り、k12は非線形フィードバック項ゲイン(別名、ロバ
ストネスパラメータと言う。)である。
【0126】C,D,Eが変動し、それぞれC0,D
0,E0とは異なる値をとった場合に、目標プーリ位置
xtに実プーリ位置xrが追従するためには、k12の値
は次の不等式を満足する必要がある。
【0127】
【数25】 k12>max(|dC・err′|)+max(|dD・err |)+max (| dE・P2 |) … [式20] ここで、dC=| C−C0 |、dD=| D−D0
|、dE=| E−E0|であり、max()は最大値
をとることを示す演算子である。
【0128】前記式20は、次のようにして導出され
る。プライマリ油圧フィードバック項P2と対応する実
圧P2aの遅れを考慮すると、次の関係が得られる。
【0129】
【数26】 d(P2a)/dt=−(1/Tp)・P2a+(1/Tp)・P2 … [式21] ここでTpはP2→P2aを1次遅れとみなした時の時定
数である。更に実圧P2aとプーリ位置偏差errとの間
には次の関係が成り立つ。
【0130】
【数27】 d(err)/dt=As・err+Bs・P2a … [式22] 前記式21,22をまとめると、プライマリ油圧フィー
ドバック項P2とプーリ位置偏差errとの間には、次
の関係が成立する。
【0131】
【数28】 d2(err)/dt2=−(1/Tp−As)・d(err)/dt+(As/ Tp)・err+(Bs/Tp)・P2 … [式23] C=−(1/Tp−As)、D=As/Tp、D=Bs/
Tpとおけば、式23は次のように表される。
【0132】
【数29】 d2(err)/dt2=C・err′+D・err+E・P2 …[式24] スライディングモード制御における状態点s(切換え面
s=0)を次のように定義する。
【0133】
【数30】 s=s11・ierr + s12・err + err′ … [式25] 上述した式に基づいてプライマリ油圧フィードバック項
P2を次のように求める。
【0134】
【数31】 P2=(−1/E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′− k12・sat2(s)] … [式26] ここでC0,D0,E0は、それぞれ変動する数である
C,D,Eの公称値である。C,D,Eが変動し、C
0,D0,E0とは異なる値をとった場合に偏差err
が0になるためには、k12は以下の不等式を満足する必
要がある。
【0135】
【数32】 k12>max(|dC・err′|)+max(|dD・err |)+max (| dE・P2 |) … [式27] ただし、dC=| C−C0 |、dD=| D−D0
|、dE=| E−E0|であり、max()は最大値
をとることを示す演算子である。
【0136】この不等式27は、以下のようにして導出
される。すなわち、次のごとくの関係にあるとする。
【0137】
【数33】 C=C0+dC,D=D0+dD,E=E0+dE … [式28] すると、式24は、次のように表される。
【0138】
【数34】 d2(err)/dt2=(C0+dC)・err′+(D0+dD)・err+ (E0+dE)・P2=C0・err′+D0・err+E0・P2 +dC・err′+dD・err+dE・P2 … [式29] このとき式25に示した状態点s(切換え面s=0)を
微分すると、次のようになる。
【0139】
【数35】 s′=s11・err+s12・err′+err′′ =s11・err+s12・err′+C・err′+D・err+E・P2 =(s11+D)・err+(s12+C)・err′+E・P2 =(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′+E0・P2+dC・e rr′+dD・err+dE・P2 … [式30] 式30に、式26を代入すると次のようになる。
【0140】
【数36】 s′=(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′+E0・(−1 /E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′−k12・sat 2(s)]+dC・err′+dD・err+dE・P2 =−k12・sat2(s)+dC・err′+dD・err+dE・P2 … [式31] ここでスライディングモードが存在するためには、s′
・s<0が成立する必要があるが、k12が式27を満た
せば十分であることが式31から判る。
【0141】上述のごとく、プライマリ油圧フィードバ
ック項P2が求まり、プライマリ油圧フィードフォワー
ド項演算部52にて求められているプライマリ油圧フィ
ードフォワード項P1と加算され、目標プライマリ油圧
PPtとされる。このようにして、本実施の形態におい
ても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0142】また、本実施の形態のスライディングモー
ド制御部54におけるプライマリ油圧フィードバック項
P2の演算は、実施の形態2〜11にも適用でき、同様
な効果を得ることができる。さらに、前記実施の形態4
に述べたように、位相空間上の被制御システムの状態点
sと切換え面との距離が、予め設定された値より大きい
場合には、偏差の積分演算を停止し、その積分演算の停
止までの積分量(一定値)を保持する手法を適用すれ
ば、オーバーシュート低減の効果が得られる。
【0143】[実施の形態12]本実施の形態12は、
実施の形態11とは次の点で異なる。実施の形態11で
は、スライディングモード制御部54にて、式18にて
次のように、状態点s(切換え面s=0)を求めてい
た。
【0144】
【数37】 s=s11・ierr + s12・err + err′ … [式18] そして、この状態点sの値を用いて、式19にて、プラ
イマリ油圧フィードバック項P2を、次式のごとく求め
ていた。
【0145】
【数38】 P2=(−1/E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・err′− k12・sat2(s)] … [式19] したがって、この実施の形態11に実施の形態3を組み
合わせたものは、式18(図29参照)に示したごと
く、予め積分項「s11・ierr」、比例項「s12・e
rr」および微分項「err′」を合計し、その後、非
線形関数f(s)にて写像していたが、本実施の形態のス
ライディングモード制御部54では、予め各項を合計す
るのではなく、f(s)を次のように変更する。
【0146】
【数39】 (f(s11・ierr)+f(s12・err)+f(err′)) … [式32] すなわち、図30に示すごとく、積分項「s11・ier
r」、比例項「s12・err」および微分項「er
r′」を合計する前に、各項について、非線形関数f
(s)にて写像して、その後、合計して、前記式19のs
at(s)の代わりに用いている。
【0147】図12に実線で示す関数f(s)は、境界
層内では、位相空間上の被制御システムの状態点sと切
換え面(s=0)との距離で比例計算して得られる値よ
りも、絶対値として小さい値を与える非線形関数f(s)
である。また、このような性質を非線形関数f(s)に与
えるために、境界層内では、図31に示すごとく、切換
え面(s=0)に近いほど、その曲線の勾配が緩くされ
ている。このことは、切換え面から状態点sが遠いほど
迅速に、状態点sが切換え面に近づける効果があり、切
換え面に近くなれば、状態点sの移動を緩慢にして、切
換え面でのハンチングを防止する効果がある。
【0148】何らかの原因で、プライマリ油圧フィード
フォワード項演算部52側の出力に比較的大きい誤差Δ
が生じて、積分項「s11・ierr」が膨れ上がった場
合に、式18の計算を行ってしまうと、図32に示すご
とく状態点sが切換え面(s=0)から離れ、非線形関
数f(s)の内、勾配が大きな位置で計算されてしまう
ため、比例項「s12・err」や微分項「err′」に
て生じる変動Δ2が大きくなり、プライマリ油圧フィー
ドバック項P2がハンチングしてしまうおそれがある。
【0149】しかし、本実施の形態では、各項の関数f
(s)による写像は独立して行われるため、比例項「s
12・err」や微分項「err′」の写像に、積分項
「s11・ierr」の値が影響しないので変動Δ1は小
さくなる。このため、前記実施の形態1〜11に比較し
て、より一層ハンチングを防止することができる。
【0150】[その他]前記実施の形態1〜12では、
変速比−プーリ位置変換部50,60により、変速比T
Rをプーリ位置に変換し、更に、スライディングモード
制御部54,154,254,354内では、実プーリ
位置xrを目標プーリ位置xtへ一致させる処理を行っ
たが、変速比−プーリ位置変換部50,60の代りに変
速比TRをプライマリ回転数NPに変換する変速比−プ
ライマリ回転数変換部を設けて、スライディングモード
制御部54,154,254,354内では、実プーリ
位置xrおよび目標プーリ位置xtの代りに実プライマ
リ回転数NPrと目標プライマリ回転数NPtを用いて
も良く、同様な効果が得られる。なお、目標プーリ位置
xtは目標変速比TRtに対して一意に決定するが、目
標プライマリ回転数NPtの場合は変速比にも関係する
ので、それだけ計算処理が必要となる。しかし、計算処
理的に問題となるほどではない。
【0151】実施の形態12では、スライディングモー
ド制御部54は、式32に示したごとく、積分項「s11
・ierr」、比例項「s12・err」および微分項
「err′」の各項毎に同一の非線形関数f(s)にて写
像して、その合計値を式19の「sat(s)」の代わ
りに用いていたが、図33および次式に示すごとく、各
項毎に異なる非線形関数f11(s),f12(s),f13(s)
にて写像して合計した値を、式19の「sat(s)」
の代わりに用いても良い。
【0152】
【数40】 (f11(s11・ierr)+f12(s12・err)+f13(err′)) … [式33] このように各項毎に異なる非線形関数f(s)にて写像し
た場合には、特に積分項を写像するf11()について
は、他の項のf12(),f13()に比較して低ゲイン化
すること、すなわち、図12に示した非線形関数f(s)
の勾配を小さくすれば、より一層高応答でかつ滑らかな
収束が得られる。
【0153】また、実施の形態12のごとく、積分項、
比例項および微分項の各項を分けて別々に写像するので
はなく、積分項のみを他の比例項および微分項と分け
て、それぞれ同一の非線形関数f(s)にて写像しても良
い。たとえば、次の式のごとく計算した値を式33の代
わりに用いても良い。
【0154】
【数41】 (f(s11・ierr)+f(s12・err+err′)) … [式34] 同様に、積分項のみを他の比例項および微分項と分け
て、それぞれ異なる非線形関数f21(),f22()にて
次式のごとく写像し合計したものを用いても良い。
【0155】
【数42】 (f21(s11・ierr)+f22(s12・err+err′)) … [式35] 前述した非線形関数f11(s),f12(s),f13(s)の一
例を図34に示す。図中、fk(s)[k=11,12,13]
の値がsよりも小さい領域が境界層であり、その幅dk
[k=11,12,13]が境界層幅である。
【0156】ここで境界層幅dkの設定としては、たと
えば、d11は固定とし、d12,d13はそれぞれ、入力ト
ルクTin、実変速比TRrおよびトルク比Tin/T
maxの内から選択された1つ以上に基づいて調整して
も良い。このことにより、高収束性と低ハンチング性と
を両立させることができる。
【0157】また別の境界層幅dkの設定としては、た
とえば、d11は図35に示す偏差収束時間を所望の値に
することで決定し、d12,d13は実値の立ち上がり速度
を所望の値にすることで決定しても良い。このように構
成することにより、定常偏差0と高応答性を両立させる
ことができる。
【0158】前述した実施の形態7,8,9では、制御
パラメータ変更部368が、入力トルクTin、実変速
比TRrあるいはトルク比Tin/Tmaxに基づい
て、スライディングモード制御部354にて用いられる
境界層の幅dあるいは非線形フィードバック項のゲイン
kの値を変更していたが、入力トルクTin、実変速比
TRrおよびトルク比Tin/Tmaxから2つあるい
は3つすべてをパラメータとした2次元あるいは3次元
マップにより、境界層の幅dあるいは非線形フィードバ
ック項のゲインkの値を変更するようにしても良い。
【0159】このようなマップでは、入力トルクTi
n、実変速比TRrおよびトルク比Tin/Tmaxの
すべてを用いた3次元マップから境界層の幅dあるいは
非線形フィードバック項のゲインkを求めることが、も
っとも効果的である。次に、好ましいのは2次元マップ
であるが、この内でも、入力トルクTinまたはトルク
比Tin/Tmaxの内の一つと、実変速比TRrとの
組み合わせをパラメータとするマップが、トルク成分と
変速比成分との両方を反映させることができることから
効果上好ましい。もちろん、入力トルクTinとトルク
比Tin/Tmaxとの組み合わせでも効果はある。
【0160】なお、これらのマップを設計するに当たっ
ては、入力トルクTinの高いところ、実変速比TRr
が1〜1.2付近、あるいはトルク比Tin/Tmax
が小さい(0付近)範囲では、境界層の幅dを広くした
り、あるいは非線形フィードバック項のゲインkの値を
小さくする。
【0161】前述した各実施の形態における制御は、好
適な例として無段変速機の場合を挙げたが、他の装置に
おいても同様に用いることができ、前述したロバスト性
を維持しつつ、制御のハンチングを抑制させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としての、無段変速機、制御装
置、および周辺装置の概略構成を表すブロック図であ
る。
【図2】 実施の形態1におけるセカンダリプーリの制
御ブロック図である。
【図3】 実施の形態1におけるプライマリプーリの制
御ブロック図である。
【図4】 実施の形態1におけるエンジン回転数NEお
よびスロットル開度θと入力トルクTinとの関係を表
すマップである。
【図5】 実施の形態1における入力トルクTinと目
標変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PS
tを求めるための3次元マップである。
【図6】 実施の形態1におけるセカンダリ油圧PSと
入力トルクTinとの関係を表すグラフである。
【図7】 実施の形態1における変速比TRに応じたト
ルク比Tin/Tmaxと油圧比PP/PSとの関係を
表すマップである。
【図8】 実施の形態1における飽和関数sat(s)
を示すグラフである。
【図9】 実施の形態1における制御系の位相空間にお
ける切換え面(s=0)の両側に存在する境界層を示す
グラフである。
【図10】 実施の形態1におけるプーリ位置の推移と
比較例とを表すタイミングチャートである。
【図11】 実施の形態2におけるプライマリプーリの
制御ブロック図である。
【図12】 実施の形態3における非線形関数f(s)
を示すグラフである。
【図13】 実施の形態4におけるステップ状の目標値
に対する応答を示すグラフである。
【図14】 実施の形態4に対比した比較例における制
御系の位相空間における状態点sの変化をグラフであ
る。
【図15】 実施の形態4における制御系の位相空間に
おける状態点sの変化をグラフである。
【図16】 実施の形態5における飽和関数sat1
(s)を示すグラフである。
【図17】 実施の形態5における飽和関数sat2
(s)を示すグラフである。
【図18】 実施の形態5における制御系の状態点が領
域1(s>0)に存在する場合の位相空間での境界層お
よび状態点の推移を表すグラフである。
【図19】 実施の形態5における制御系の状態点が領
域2(s<0)に存在する場合の位相空間での境界層お
よび状態点の推移を表すグラフである。
【図20】 実施の形態6におけるプライマリプーリの
制御ブロック図である。
【図21】 実施の形態7におけるプライマリプーリの
制御ブロック図である。
【図22】 実施の形態7における入力トルクTinに
応じて設定される境界層の幅dを示すグラフである。
【図23】 実施の形態7における入力トルクTinに
応じて設定される非線形フィードバック項のゲインkの
値を示すグラフである。
【図24】 実施の形態8における実変速比TRrに応
じて設定される境界層の幅dを示すグラフである。
【図25】 実施の形態8における実変速比TRrに応
じて設定される非線形フィードバック項のゲインkの値
を示すグラフである。
【図26】 実施の形態9におけるトルク比Tin/T
maxに応じて設定される境界層の幅dを示すグラフで
ある。
【図27】 実施の形態9におけるトルク比Tin/T
maxに応じて設定される非線形フィードバック項のゲ
インkの値を示すグラフである。
【図28】 実施の形態10におけるG()と等価な設
計を表すブロック図である。
【図29】 実施の形態11におけるスライディングモ
ード制御部54の非線形フィードバック項の演算説明ブ
ロック図である。
【図30】 実施の形態12におけるスライディングモ
ード制御部54の非線形フィードバック項の演算説明ブ
ロック図である。
【図31】 実施の形態12における状態点sと切換え
面(s=0)との距離による非線形関数f(s)の勾配状
態説明図である。
【図32】 アクセル全開時におけるプライマリ油圧フ
ィードフォワード項P1の違いによる状態点sの挙動説
明図である。
【図33】 実施の形態12の変形例におけるスライデ
ィングモード制御部54の非線形フィードバック項の演
算説明ブロック図である。
【図34】 非線形関数f11(s),f12(s),f13(s)
の形状説明図である。
【図35】 境界層幅d11,d12,d13の設定説明図で
ある。
【符号の説明】
E…エンジン 2…無段変速機 4…制御装置 6…可動円錐盤 8…固定円錐盤 10…プライ
マリプーリ 12…可動円錐盤 14…固定円錐盤 16…セカ
ンダリプーリ 18…プライマリプーリシリンダ 20…セカンダリ
プーリシリンダ 22…金属ベルト 24…オイルポンプ 26…プライマリ油圧制御アクチュエータ 28…セカンダリ油圧制御アクチュエータ 30…発
進デバイス 32…コントロールユニット 34…プライマリ回転
センサ 36…セカンダリ回転センサ 38…スロットル開度
センサ 40…エンジン回転センサ 42…入力トルク推定部 44…目標セカンダリ油圧演算部 46…セカンダリ
油圧制御器 48…目標変速比設定部 50…変速比−プーリ位置
変換部 52…プライマリ油圧フィードフォワード項演算部 54…スライディングモード制御部 56…プライマ
リ油圧制御器 58…実変速比検出部 60…変速比−プーリ位置変
換部 148…目標変速比設定部 150…変速比−プーリ位
置変換部 152…プライマリ油圧フィードフォワード項演算部 154…スライディングモード制御部 156…プライ
マリ油圧制御器 158…実変速比検出部 160…変速比−プーリ位置
変換部 162…フィルタ前処理部 164…フィルタ後処理部 248…目標変速比設定部 250…変速比−プーリ位
置変換部 252…プライマリ油圧フィードフォワード項演算部 254…スライディングモード制御部 256…プライ
マリ油圧制御器 258…実変速比検出部 260…変速比−プーリ位置
変換部 266…変速比ハンチング検出部 348…目標変速比設定部 350…変速比−プーリ位
置変換部 352…プライマリ油圧フィードフォワード項演算部 354…スライディングモード制御部 356…プライ
マリ油圧制御器 358…実変速比検出部 360…変速比−プーリ位置
変換部 368…制御パラメータ変更部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤綱 雅己 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平2−297602(JP,A) 特開 昭62−187628(JP,A) 特開 平6−141578(JP,A) 特開 平3−78802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 F16H 9/00 F16H 61/04 G05B 11/32

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される調整量により該調整量に対応
    する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シス
    テムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 該制御量の内の非線形フィードバック項の演算について
    は、少なくともスライディングモード制御の位相空間上
    の切換え面に設けられた境界層内では、位相空間上の前
    記被制御システムの状態点sと前記切換え面との距離で
    比例計算して得られる値よりも、絶対値として小さい値
    を与える非線形関数f(s)で前記状態点sを写像した
    値に基づいて、非線形フィードバック項の値を求めるこ
    とを特徴とするシステム制御装置。
  2. 【請求項2】 前記状態点sは、前記偏差に基づいて式
    fのごとく定義されることを特徴とする請求項記載の
    システム制御装置。 【数1】 s=k1・err´+k2・err+k3・ierr…[式f] ここで、k1、k2、k3は0または有限の実数値、e
    rrは前記偏差、err´はerrの微分量、ierr
    はerrの積分量である。
  3. 【請求項3】 前記位相空間上の被制御システムの状態
    点sと前記切換え面との距離が、予め設定された値より
    大きい場合には、前記式(f)における偏差の積分演算
    を停止するとともに、該積分演算の停止までの積分量を
    保持することを特徴とする請求項記載のシステム制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記状態点sを前記非線形関数f(s)
    で写像した値と非線形フィードバックゲインとの積を非
    線形フィードバック項とすることを特徴とする請求項
    または記載のシステム制御装置。
  5. 【請求項5】 前記状態点sの微分項「k1・err
    ´」、比例項「k2・err」および積分項「k3・i
    err」の内で、少なくとも積分項「k3・ierr」
    は、他の項とは、別個に非線形関数f(s)で写像し、
    該写像で得られた値を前記他の項について写像して得ら
    れた値に合計した値と非線形フィードバックゲインとの
    積を非線形フィードバック項とすることを特徴とする請
    求項または記載のシステム制御装置。
  6. 【請求項6】 前記積分項「k3・ierr」は、他の
    項とは、異なる非線形関数f1(s)で写像したことを
    特徴とする請求項記載のシステム制御装置。
  7. 【請求項7】 微分項「k1・err´」、比例項「k
    2・err」および積分項「k3・ierr」の各項毎
    に、異なる非線形関数f(s)で写像した値の合計値と
    非線形フィードバックゲインとの積を非線形フィードバ
    ック項とすることを特徴とする請求項または記載の
    システム制御装置。
  8. 【請求項8】 入力される調整量により該調整量に対応
    する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シス
    テムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する 目標値演算手段と、前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 該制御量の内の非線形フィードバック項の演算について
    は、スライディングモード制御の位相空間上の切換え面
    に設けられた境界層の幅を、前記切換え面より前記被制
    御システムの状態点sが存在する側では、反対側よりも
    広く設定することを特徴とするシステム制御装置。
  9. 【請求項9】 入力される調整量により該調整量に対応
    する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シス
    テムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 更に、 前記状態検出手段にて検出された実値がハンチング状態
    にあるか否かを判定するハンチング判定手段を備え、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 前記スライディングモード制御による制御量の内の非線
    形フィードバック項の演算については、前記ハンチング
    判定手段にてハンチング状態であると判定された場合に
    は、ハンチング状態でないと判定された場合よりも、ス
    ライディングモード制御の位相空間上の切換え面に設け
    られた境界層の幅を広く設定することを特徴とするシス
    テム制御装置。
  10. 【請求項10】 入力される調整量により該調整量に対
    応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
    ステムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモ ード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、を備え、 更に、 前記状態検出手段にて検出された実値がハンチング状態
    にあるか否かを判定するハンチング判定手段を備え、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 前記スライディングモード制御による制御量の内の非線
    形フィードバック項の演算については、前記ハンチング
    判定手段にてハンチング状態であると判定された場合に
    は、ハンチング状態でないと判定された場合よりも、非
    線形フィードバック項のゲインを小さくすることを特徴
    とするシステム制御装置。
  11. 【請求項11】 入力される調整量により該調整量に対
    応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
    ステムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御において、 スライディングモード制御の位相空間上の切換え面は、
    前記状態検出手段にて検出された実値のハンチング周波
    数に対応した位相進み遅れ特性を有する切換え面として
    設定されていることを特徴とする請求項1〜13のいず
    れか記載のシステム制御装置。
  12. 【請求項12】 入力される調整量により該調整量に対
    応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
    ステムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記被制御システムは、無段変速機であり、 前記目標値演算手段は、前記状態検出手段の検出結果に
    基づいて、前記無段変速機の目標変速比を演算し、
    に、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて求められた前記
    無段変速機への入力トルクを推定する入力トルク推定手
    段と、 前記入力トルク推定手段にて推定された入力トルクと、
    前記目標値演算手段にて演算された目標変速比とに基づ
    いて、前記従動プーリにおいてベルトスリップを起こさ
    ない挟持力を生じさせる目標調整量を演算し、該目標調
    整量に基づいて、前記従動プーリのベルト挟持力を調整
    する従動プーリ挟持力調整手段と、 前記目標変速比を、前記駆動プーリの目標プーリ位置に
    変換する目標位置変換手段と、 前記状態検出手段の検出結果から前記駆動プーリの実プ
    ーリ位置を検出する実位置検出手段と、 を備え、 前記フィードフォワード制御量演算手段は、前記入力ト
    ルク推定手段にて推定された無段変速機への入力トルク
    と、前記目標値演算手段にて演算された目標変速比と、
    前記従動プーリ挟持力調整手段にて演算された前記従動
    プーリに対する目標調整量と、に基づいて前記駆動プー
    リに対する制御量を求め、 前記スライディングモード制御量演算手段は、前記目標
    位置変換手段にて前記目標変速比から変換された目標プ
    ーリ位置と、前記実位置検出手段にて検出された実プー
    リ位置との偏差に基づいて前記駆動プーリに対する制御
    量を求め、 前記状態調整手段は、前記フィードフォワード制御量演
    算手段にて演算された制御量と、前記スライディングモ
    ード制御量演算手段にて演算された制御量との加算に基
    づいて得られた調整量により、前記駆動プーリを調整す
    ることを特徴とするシステム制御装置。
  13. 【請求項13】 前記スライディングモード制御量演算
    手段は、 式aに示す、前記目標位置変換手段にて前記目標変速比
    から変換された目標プーリ位置xtと前記実位置検出手
    段にて検出された実プーリ位置xrとの偏差err、お
    よび前記駆動プーリに対する制御量P2との関係を表す
    近似式に基づき、式bに示す偏差積分計算にて定義され
    る変数ierrの導入と、式cに示すスライディングモ
    ード制御における状態点sの定義とから、非線形フィー
    ドバック項ゲインkが式dを満足する条件下に、式eか
    ら前記駆動プーリに対する制御量P2を求めることを特
    徴とする請求項12記載のシステム制御装置。 【数2】 d(err)/dt=A・err+B・P2…[式a] ierr=∫err・dt…[式b] s=s1・ierr+err…[式c] k>max(|dA・err|)+max(|dB・P2|)…[式d] P2=(−1/B0)・((s1+A0)・err+k・sat(s)) …[式e] ここでA,Bの値は、前記従動プーリにおける前記目標
    調整量、前記駆動プーリへの入力トルク、変速比に依存
    する値であり、s1は定数であり、dA=|A−A0
    |、dB=| B−B0 |であり、max()は最大
    値をとることを示す演算子であり、A0,B0は、それ
    ぞれ変動する数であるA,Bの公称値であり、sa
    t()は飽和関数である。
  14. 【請求項14】 前記スライディングモード制御量演算
    手段は、 式gに示す、前記目標位置変換手段にて前記目標変速比
    から変換された目標プーリ位置xtと前記実位置検出手
    段にて検出された実プーリ位置xrとの偏差err、お
    よび前記駆動プーリに対する制御量P2との関係を表す
    近似式と、式hに示すスライディングモード制御におけ
    る状態点sの定義とから、非線形フィードバック項ゲイ
    ンk12が式iを満足する条件下に、式jから前記駆動
    プーリに対する制御量P2を求めることを特徴とする請
    求項12記載のシステム制御装置。 【数3】 d(err)/dt=C・err′+D・err+E・P2…[式g] s=s11・ierr+s12・err+err′…[式h] k12>max(|dC・err′|)+max(|dD・err|)+max
    (|dE ・P2|)…[式i] P2=(−1/E0)[(s11+D0)・err+(s12+C0)・er
    r′−k1 2・sat2(s)]…[式j] ここでC,D,Eの値は、前記従動プーリにおける前記
    目標調整量、前記駆動プーリへの入力トルク、変速比に
    依存する値であり、s11,s12は定数であり、dC
    =| C−C0 |、dD=| D−D0 |、dE=
    | E−E0 |であり、max()は最大値をとるこ
    とを示す演算子であり、C0,D0,E0は、それぞれ
    変動する数であるC,D,Eの公称値であり、sat2
    ()は飽和関数である。
  15. 【請求項15】 入力される調整量により該調整量に対
    応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
    ステムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記被制御システムは、無段変速機であり、 前記目標値演算手段は、前記状態検出手段の検出結果に
    基づいて、前記無段変速機の目標変速比を演算し、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 前記スライディングモード制御による制御量の内の非線
    形フィードバック項の演算については、前記状態検出手
    段の検出結果に基づいて求められた前記無段変速機の実
    変速比に応じて、スライディングモード制御の位相空間
    上の切換え面に設けられた境界層の幅の広さを増減する
    ことを特徴とするシステム制御装置。
  16. 【請求項16】 入力される調整量により該調整量に対
    応する状態に向けて制御系の状態を変化させる被制御シ
    ステムに対して制御を行う制御装置であって、 前記被制御システムの状態を検出する状態検出手段と、 前記状態検出手段の検出結果に基づいて、前記被制御シ
    ステムの状態の目標値を演算する目標値演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値に基づいて、
    フィードフォワード制御としての制御量を演算するフィ
    ードフォワード制御量演算手段と、 前記目標値演算手段にて演算された目標値と前記状態検
    出手段にて検出された実値との偏差に基づいて、スライ
    ディングモード制御としての制御量を演算するスライデ
    ィングモード制御量演算手段と、 前記フィードフォワード制御量演算手段にて演算された
    制御量と、前記スライディングモード制御量演算手段に
    て演算された制御量との加算に基づいて得られた調整量
    により、前記被制御システムの状態を調整する状態調整
    手段と、 を備え、 前記被制御システムは、無段変速機であり、 前記目標値演算手段は、前記状態検出手段の検出結果に
    基づいて、前記無段変速機の目標変速比を演算し、 前記スライディングモード制御量演算手段が行うスライ
    ディングモード制御による制御量の演算において、 前記スライディングモード制御による制御量の内の非線
    形フィードバック項の演算については、前記状態検出手
    段の検出結果に基づいて求められた前記無段変速機のト
    ルク比に応じて、スライディングモード制御の位相空間
    上の切換え面に設けられた境界層の幅の広さを増減する
    ことを特徴とするシステム制御装置。
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