JP3471607B2 - 疑似大地化方法及び装置 - Google Patents
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Description
(electromagnetic interference)対策に関し、特に
通信線、電源線、インタフェース線等複数のケーブルに
接続する電子装置の疑似大地化方法及び装置に関する。
る多くの通信線、例えば非シールドのツイスト・ペアの
電話線等に接続されるPBX(構内交換機)、ATM(非
同期転送モード)スイッチ等の企業情報通信機器にあっ
ては、一般的に、パソコン及びメインフレーム等の情報
機器で実施されているシールド線の採用のために全ての
屋内配線を取り替えることは不可能である。
穴あきフェライトコアに、通信線、インタフェース線、
もしくは電源線等を挿入してEMI対策を行っていた
が、高価格のフェライトコアを多用することによるEM
I対策費用は膨大なものとなっていた。
装置内部に複数のパッケージ、ケーブルがある場合に
は、パッケージの枚数およびケーブル本数を増加させて
いった時に、その放射雑音測定値が2dB以上の増加が
無くなるまで、パッケージ、ケーブルを追加していくこ
との規格が追加されたため、最大数のパッケージ収容、
ケーブル本数を収容した状態のシステムで測定を行う必
要があり、パッケージ及びケーブルの増加により、全く
放射雑音エネルギーが増加しない安定したEMI対策が
必須となるに至っている。
てなされたものであって、その目的は、通信線等を疑似
大地化することにより高価格なフェライトコアを全く不
要とする安価な対策を可能とし、EMI対策に要する作
業工数の削減及びコストの低減を図る疑似大地化方法及
び装置を提供することにある。
め、本発明は、疑似大地化した筐体に、前記筐体よりも
放射雑音エネルギーのレベルを低減し且つ接地用の線で
はない配線を容量を介して高周波的に接続させること
で、前記配線も疑似大地化する、ようにしたものであ
る。
した1つの筐体に収容されるパッケージの放射雑音エネ
ルギーレベルを前記筐体の放射雑音エネルギーレベルよ
りも小とし、前記パッケージ上の回路ブロックと接続し
且つコネクタを介して外部配線と接続し且つ接地用の線
ではない配線を、前記疑似大地化した筐体に、容量素子
を介して高周波的に接続させることで、前記配線を疑似
大地化するものである。
の筐体内に収容されるパッケージにおいて、前記パッケ
ージ上の集積回路ブロックに接続し且つコネクタを介し
て外部配線と接続し且つ接地用の線ではない配線が、疑
似大地化された前記筐体に、容量素子を介して高周波的
に接続して構成される。
に説明する。本発明は、その好ましい実施の形態におい
て、筐体の収容されるパッケージの集積回路ブロックに
接続し且つコネクタ(図4の461、462)を介して
外部配線に接続する配線(図4の47)を、EMI規制
値レベル以下に放射雑音エネルギーが低減された筐体
(疑似大地化された筐体)(図4の42)に、容量(図
4の451、452)を介して高周波的に接続し、前記
疑似大地化された筐体の放射雑音エネルギーレベル(図
4の50)よりも小となるまでEMI対策が施された前
記パッケージの放射雑音エネルギー(図4の49)を、
前記容量を介して前記疑似大地化された筐体の放射雑音
エネルギーレベルに同一化することで前記配線を疑似大
地化するようにしたものである。
て、モールド筐体に収容されるパッケージ上で回路ブロ
ック(図10の104)と接続し且つコネクタ(図10
の107)を介して外部配線(図10の108)と接続
する配線(図10の110A、110B)を、前記パッ
ケージ上の疑似大地化した特定のアース箇所(図10の
109)に、容量素子(図10の106A、106B)
を介して高周波的に接続させることで、前記配線を疑似
大地化するようにしてもよい。
において、筐体に収容されるパッケージが、回路ブロッ
クと接続し且つコネクタ(図11の113)を介して外
部配線(図11の114)と接続する配線パターン層
(図11の115)と、前記パッケージ上の疑似大地化
したアース箇所に接続するパターン層(図11の11
2)を備えた配線基板を備え、前記配線パターン層を、
前記疑似大地化したアース箇所と容量を介して高周波的
に接続させることで、前記配線を疑似大地化するように
してもよい。
を参照して説明する。
11に穴を掘って線材12を埋めた場合、この線材12
からは如何なる電磁波も放射しない。
ーレベルをEMI規制値レベル以下にまで低減した筐体
21は、疑似大地と見なすことができ、疑似大地筐体2
1にネジ止めした線材22からも如何なる電磁波も放射
しない。
形態の外観を示す斜視図である。図6を参照すると、筐
体61の隙間塞ぎ、Quineの式による放熱穴寸法、導波
管理論によるネジピッチ間隔決定等により、筐体からの
放射雑音エネルギーを低減し、筐体61に、金属フロン
トプレート62付の通信線機能パッケージを全て搭載
し、通信線64、およびコネクタ63を引き抜いた上
で、金属フロントプレート62の上下ネジに、通信線を
ネジ止めした状態とする。この状態を図8に模式的に示
す。
のパッケージを収容した筐体805から引き出される、
あらゆる通信線806、電源線807、インタフェース
線808、その他の線809は、筐体805にネジ止め
されている。
規制値以下である場合、この筐体805は、疑似大地筐
体となる。
7、インタフェース線808、その他の線809のネジ
止めを全て筐体805から外して、通信線回路等を有す
るパッケージ内部(図3の35)で、疑似大地筐体の雑
音エネルギーレベル以下まで対策した通信線回路と、疑
似大地筐体と、を高周波接続すれば、筐体の疑似大地エ
ネルギーの増加は全くないこととなる。
めの図であり、図3(a)は、筐体及びパッケージの構
成を模式的に示す図、図3(b)及び図3(c)は筐体
及びパッケージの放射雑音エネルギー特性を示す図であ
る。
ネルギー40はコネクタ361近傍で最も小さくBとな
る。疑似大地筐体33から引き出されるあらゆる通信
線、電源線、インタフェース線等をここでは通信線37
で代表する。
ド)32に挿入されている通信線回路パッケージ35内
部の雑音源であるLSI34からのエネルギーを、コモ
ンモードチョーク38等の対策部品により、パッケージ
内部の放射雑音エネルギー39が通信線コネクタ361
の箇所でレベルAとなるまでエネルギー低減を行う。す
なわち、通信線回路のコネクタ361の放射雑音エネル
ギーAを、疑似大地筐体33の雑音エネルギーB以下と
なるまで、パッケージ35内部で放射雑音エネルギーを
低減させる。
パッケージ44において、通信線回路のコモンモードチ
ョーク48とコネクタ461との間の通信線配線パター
ンと、疑似大地筐体42のコネクタ461に近傍の筐体
部分(図6、図7のパッケージの金属フロントプレート
62、76)とを高周波特性コンデンサ451、452
により高周波的に接続することにより、通信線47も、
疑似大地化でき、EMI規制に適合させることができ
る。
雑音エネルギー49と筐体の雑音エネルギー50の境界
の段差は、図3の状態から高周波特性を有するコンデン
サ451、452を接続する瞬間の直前におけるエネル
ギーレベル差のB、Aを表している。
52接続後には、筐体の雑音エネルギー50(図3
(c)のレベルB)からパッケージ内部の放射雑音エネ
ルギー49(図3(b)のレベルA)側へのエネルギー
の移動があり、筐体の雑音エネルギー50のレベルはB
よりも低減する。
筐体よりも雑音エネルギーレベルを低減した通信線を高
周波的に接続をすれば、図2に示した疑似大地筐体21
に埋めた線材22と等価となり、これが、本発明の疑似
大地化の原理である。すなわち、本発明の実施の形態に
おいては、以下の2点が重要な条件とされる。
似大地筐体の雑音エネルギーB以下に低減する。
波的に接続する。
説明すると、従来方式では、例えば図5に示すように、
通信線からの放射雑音エネルギーを筐体53に流すこと
で通信線からの放射雑音を低減する方法が用いられてい
た。
から筐体へ流れ出す雑音電流で、筐体が汚染されてしま
い、そのエネルギー量が多くなると、筐体がアンテナと
なり放射してしまうということである。
は異なり、有限の疑似大地であり、その筐体に流せる疑
似大地としての吸収エネルギー量には限界がある。
明すると、金属筐体71のスタッド81によりBWB
(バックボード)のE(アース)72と多点接続され、
バックボードに挿入されたPWB(プリント配線板)7
3のアースとも接続され、全てのアースが唯一の基準大
地状態とする構成としたため、筐体71の表面には、微
少の放射雑音電流が流れる。
減不足の場合には、筐体に放射雑音エネルギーを流して
しまう。特に、複数枚のパッケージを挿入し複数本の通
信線をEMI対策するにあたって、通信線から流れ出る
放射雑音電流が多くなり、何時、筐体がアンテナとなっ
てしまうか分からず、EMI対策の効率も非常に悪くな
ってしまうという問題点がある。
した高周波接続のコンデンサ451、452は、疑似大
地筐体42の放射雑音エネルギーよりも小さくなるまで
対策が施された通信線機能パッケージの放射雑音エネル
ギーAを、疑似大地筐体42の雑音エネルギーBに同一
化させるための役割を果たすためのものである。これ
は、図5に示すように、従来より一般的にEMI対策と
して用いられている、通信線からの放射雑音エネルギー
を、Yコンデンサ54から筐体53へ流す方式とは、全
く逆の理論に基づくものである。
音が例えばコモンモードであった場合には、図3に示し
たようなコモンモードチョーク38によりコモンモード
雑音を低減するのであって、一見、コモンモード雑音
を、筐体に逃がす目的のように見える高周波接続用コン
デンサ(図4の451、452)は、通信線からの雑音
を低減するYコンデンサ(図5の54)とは全く逆の目
的で動作する。
レベルが筐体の放射雑音エネルギーのレベルよりも低け
れば、高周波接続用コンデンサ(図4の451、45
2)は不要ではないかとも考えられるが、これには、次
のような重要な意味がある。
多くの種類があり、パッケージ内部でEMI対策を施し
た通信線回路の放射雑音エネルギーレベルは筐体のレベ
ル以下ではあるが、その通信線回路の放射雑音エネルギ
ーレベルは、パッケージ種類の差、部品のバラツキによ
って多くの差が存在するのは当然である。
各通信線に放射雑音エネルギーのレベルの差があると、
複数の通信線が太束のケーブルとして束ねられると、ケ
ーブル内の通信線間に存在する放射雑音エネルギーのレ
ベル差により、高周波電流(漏話現象のように)が流れ
ることになる。
Sである電流ループに周波数fの電流Iが流れたとき、
電流ループの中心でありX−Y平面の中心点であるA点
から距離d離れたB点での電磁波の強度E(V/m)
は、一般的に、 E(V/m)=K×{S(m2)×I(A)×f2(Hz)/d(m)}×sinθ …(1) で表される。ここでKは定数、θ(rad)はA点とB点を
結ぶ線とZ軸が作る角度である。
てもループ面積Sが大きくなれば、S×Iに比例して電
磁波強度が大きくなってしまい放射雑音エネルギーも大
きくなってしまう。
ル内の通信線間のエネルギーレベル差によって、ケーブ
ルの長さ方向で大きな電流ループ面積Sを構成してしま
うと、S×Iは大きくなってしまい、放射雑音電磁波E
もまた大きくなってしまう。
た場合に、ケーブル内の通信線間で放射雑音エネルギー
差ができないように、疑似大地筐体の箇所で全ての通信
線のエネルギーレベルを一致させる目的で、高周波接続
コンデンサが必要となる。
地筐体と通信線との高周波接続位置(図4の451、4
52)は、図9および電磁波強度の式(1)を最も小さ
くする離間距離であること、すなわち、放射雑音源であ
る電流ループから最も遠い距離dである必要があり、雑
音源であるバックボード側(図7の72)とは反対側の
フロントプレート側(図7の76)にあることが必要で
ある。
ントプレート(図7の76)側に通信線(図7の78)
を高周波的に接続すること、すなわちネジ止めすること
は、通信線がアンテナとなって雑音を放射させない為に
も重要である。
の大きいバックボードに近い筐体側に通信線をネジ止め
してしまうと、通信線がアンテナとなって電磁波を放射
してしまう。以下、本発明の実施例について詳細に説明
する。
す図である。金属筐体61、金属フロントプレート62
付の通信回路機能パッケ―ジ(パッケージ)が筐体61
にネジ止めされている。金属フロントプレート付62の
通信機能パッケージは外部の屋内配線64と接続するた
めにコネクタ63が準備されている。
断面図である。図7において、バックボード(BWB)
72のE(アース)と金属筐体71のスタッド81はネ
ジ等で電気的に接続されている。バックボード72のコ
ネクタ84には通信線回路機能パッケージ73が挿入さ
れる。
クボードと正反対側には金属フロントプレート76があ
り、この金属フロントプレート76は筐体71とネジ等
で電気的に接続されるとともに、パッケージ内のベタ配
線パターン75とも電気的に接続される。
のバックボード72に近い箇所に雑音源であるLSI等
の集積回路部品を実装し、式(1)のS、I、fを小さ
く、dを大きくする放射雑音エネルギ−低減化手法を用
いた通信線回路ブロック80から、通信配線パターン8
5、86が引き出される。
エネルギーが大きい場合には、通信線85と通信線88
および通信線86と通信線89の中間にコモンモードチ
ョーク87を挿入する。
特性を有するコンデンサ74の一端と接続され、通信線
89は、コネクタ772および高周波特性を有するコン
デンサ79の一端と接続されている。コンデンサ74、
79の他端はともにベタ配線パターン75に電気的に接
続されている。
タ771によりパッケージ73に取り付けられたコネク
タ772に挿入されるようになっている。
発明は、上記した金属筐体のみならず、図10に示すよ
うなモールド筐体101において、疑似大地はパッケー
ジ102のアース103であり、パッケージ102のア
ース103からの放射雑音エネルギーをEMI規制値以
下となるまで対策したパッケージ102のアース103
は疑似大地と見なすことができる。
02のアース103においても雑音エネルギーが一様で
は無く斑模様である。電磁波式(1)のdの大きい箇所
すなわちLSI等の放射雑音源104から最も離隔距離
が大きい箇所が最も放射雑音エネルギ−が小さい箇所で
あり、安定して通信線を引き出すことができる箇所は、
図10の109である。
ルギーが最小の箇所109であり、この箇所で、疑似大
地化したアース109と通信線110A、110Bと高
周波特性を有するコンデンサ106A、106Bで高周
波接続する。
ージのE(アース)を疑似大地まで低減した特定箇所で
通信線と高周波接続すればよい。
に通信線を高周波的に接続する手段としては、上記実施
例では高周波特性を有するコンデンサを用いているが、
本発明は、かかる構成に限定されるものではない。
る必要が無い、パターン配線技術による分布容量で構成
するようにしてもよく、この場合、より安価なEMI対
策が可能となる。
クタ113を介して屋内通信線114に接続される。2
層構造のプリント基板を想定し第1層目は、通信線11
5のパターン配線が、第2層目は、疑似大地金属筐体ま
たはモールド筐体属疑似大地E箇所と電気的に接続され
たベタ配線パターン112の構成となっている。
112は2層基板の板厚、若しくは多層基板の場合には
層間厚さで構成される分布容量によって高周波接続を可
能とすることができる。
コンデンサ5pF以下で充分に疑似大地化できること、
さらにEMI対策で動作機能性能を低減するようなこと
があってはならないため、一般的には、容量値5pF〜1
0pFのものを用いる。従って、パターン設計手法でPW
Bの層間の数umの厚さの上下層すなわち上層に通信線、
下層に疑似大地層を設けることにより、分布容量による
高周波接続を行うことができる。
疑似大地化した筐体に複数の通信線、インタフェース線
および電源線を高周波的に接続することにより、全ての
通信線、インタフェース線、電源線もまた、疑似大地と
なり、EMI規制値を超える電磁波を放射しないようす
ることができ、安価、良好且つ安定なEMI対策を行う
とが出来るという顕著な効果を奏する。
ライトコア、シールド線等を全く採用せず、ビル建設と
同時に屋内配線される一般的通信線等(非シールドの電
話線、インタフェース線等、また安全規格上シールドで
きない電源線線等)を、そのまま何らの加工をする必要
が無く、本発明にしたがい、企業通信機器側に、疑似大
地化対策を施すだけで、安定したEMI対策が可能であ
り、その実用的価値はきわめて高い。
り、(a)は筐体側断面図、(b)、(c)は、パッケ
ージ内、筐体の放射雑音エネルギーの特性を示す図であ
る。
り、(a)は筐体側断面図、(b)は、パッケージ内、
筐体の放射雑音エネルギーの特性を示す図である。
ための図である。
る。
る。
り、電磁波強度の一般式を説明するための図である。
ある。
ある。
等ケーブル 102 パッケージ 103 アース 104 LSI等の放射雑音源 106A、106B コンデンサ 107 コネクタ 108 通信線 109 放射雑音エネルギー 112 ベタ配線パターン 113 コネクタ 114 通信線 115 通信線のパターン配線
Claims (2)
- 【請求項1】1つのモールド筐体に収容されるパッケー
ジ上で回路ブロックと接続し且つコネクタを介して外部
配線と接続し且つ接地用の線ではない複数の配線を、前
記パッケージ上の疑似大地化した放射雑音エネルギーの
最も小さい特定のアース箇所に、前記配線の間の放射雑
音エネルギーレベルを前記アース箇所で一致させる役割
を持つ容量素子を介して高周波的に接続させることで、
前記配線を疑似大地化する、ことを特徴とするEMI対
策方法。 - 【請求項2】1つのモールド筐体に収容されるパッケー
ジにおいて、前記パッケージ上の集積回路ブロックに接
続し且つコネクタを介して外部配線と接続し且つ接地用
の線ではない複数の配線が、疑似大地化された放射雑音
エネルギーの最も小さい特定のアース箇所と、前記配線
の間の放射雑音エネルギーレベルを前記アース箇所で一
致させる役割を持つ容量素子を介して高周波接続されて
なる、ことを特徴とする電子装置のEMI対策構造。
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