JP3470520B2 - 着色繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

着色繊維構造物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色繊維構造物に
関する。さらに詳しくは、ポリエステル系繊維の低い発
色性を改善し、耐久性のある高発色性および撥水性を有
し、かつ、染色堅牢度に優れた着色繊維構造物およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、各種用途で多用さ
れているが、黒色などの濃色に染色した際、色の深みが
ない(発色性が低い)のが欠点とされている。これを改
善するため繊維構造物の発色性を改善する方法は種々提
案されている。たとえばシリコン系樹脂として、メチル
ハイロジェンポリシロキサンを用いた例としては特開平
2−74685号公報、特開平5−140874号公
報、特公平7−3032号公報などで提案されている。
特開平2−74685号公報にはメチルハイロジェンポ
リシロキサンを繊維製品に付与し、低温プラズマ処理を
施し、次いで耐久性を有する繊維加工用樹脂でトッピン
グ加工する方法が提案されている。特開平5−1408
74号公報にはメチルハイロジェンポリシロキサンを繊
維製品に付与し、無機ガスで低温プラズマ処理する方法
が提案されている。またシリコン系に関したものとし
て、特公平7−3032号公報には、染色された繊維構
造物が樹脂層で被覆され、その樹脂層が被覆形成樹脂
(A)および/または無機微粒子(B)と屈折率1.5
5以下の低屈折率ポリマー(C)とからなり、さらに樹
脂層の少なくとも片面にフッ素化合物の薄膜(D)が形
成されている繊維構造物であり、被覆形成樹脂(A)は
ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、ポリ
ウレタンアクリルから選ばれた1種、無機微粒子(B)
がシリカ、アルミナ、低屈折率ポリマー(C)がシリコ
ン系またはフッ素系,(D)は主にプラズマ重合あるい
は放電グラフトで形成させる方法が提案されている。
【0003】一方、特開昭61−83375号公報にお
いては有機高分子シリコン(ジメチルポリシロキサン)
化合物と酸化ケイ素を併用する方法が提案されている。
本発明者らの検討によれば、発色性はかなり良好である
が、処理浴の安定性が悪い、発色むらが生じやす
い、耐久性がやや不十分であるなどの問題があり、実
用化には問題がある。すなわち、具体的には、シリコン
エマルジョンがアニオン系であり、カチオン系の酸化ケ
イ素とは逆イオンの関係にあり、イオンコンプレックス
を作りやすく、時間がたつにつれ液安定が劣る傾向にあ
ること、低重合度のジメチルポリシロキサンはプラズマ
処理で著しく発色性が向上するが、一方、色の均一性を
得ることが非常に難しくむらになりやすいこと、耐久性
面においても摩擦などで白化しやすいという問題があっ
た。
【0004】低屈折率ポリマーを繊維に被覆すれば確か
に繊維構造物の発色性は向上するが、問題はいかに耐久
性を付与し、摩擦、摩耗、こすれによる変色を軽減させ
るかであり、従来の技術では解決することができなかっ
た。また、深色効果の大きいものほど白化現象が起こり
易く、しかも量的加工での再現性や均一性を得るのが難
しく、色ブレやプラズマでのムラが発生しやすく、従来
技術はいずれも実用上問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、着色
繊維構造物において、従来技術の諸問題を解決し、高発
色性で耐久性に優れ、かつ堅牢度低下の小さい着色繊維
構造物およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の着色繊維構造物
は前記課題を解決するため次の構成を有する。
【0007】すなわち、メチルハイドロジエンポリシロ
キサン架橋物と無機微粒子からなる被膜が表面に形成さ
れた、発色性が改善された着色繊維構造物である。
【0008】また、本発明の着色繊維構造物の製造方法
は前記課題を解決するため次の構成を有する。
【0009】すなわち、着色された繊維構造物にメチル
ハイドロジエンポリシロキサンと無機微粒子を付与し、
次いで低温プラズマ処理を施すことを特徴とする着色繊
維構造物の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明者らは、前記目的達成のため、鋭意
検討した結果、メチルハイドロジエンポリシロキサン架
橋物と無機微粒子からなる被膜を表面に形成せしめるこ
とが発色性改善に顕著な効果を有するという知見を得
た。
【0012】メチルハイドロジエンポリシロキサンは低
温プラズマでの架橋性が高いため、耐久性に優れている
という特徴を有するが、メチルハイドロジエンポリシロ
キサン単独で発色性を向上させるためには、多量のメチ
ルハイドロジエンポリシロキサンが必要になり、風合い
および接着性に問題が生じる。本発明者らはこの点を検
討した。その改善のため無機微粒子を添加することによ
り、相乗効果があることを見いだしたものであり、メチ
ルハイドロジエンポリシロキサンの量を減少せしめ、し
かも風合いおよび接着性不良の問題についても解決でき
たものである。本発明の着色繊維構造物とは、天然繊
維、合成繊維、半合成繊維または再生繊維などから構成
される編織物、フェルト、不織布などが着色されたもの
をいう。本発明は、特に発色性の低いポリエステル繊維
構造物に有効であり、ポリエステル100%品のほか、
ポリエステルが含有された、例えば、ウールまたは木綿
などの混交品に効果的であるが、ナイロン等においても
有効である。
【0013】本発明でいうポリエステル系繊維は、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、またはエチレンテレフタレートを主たる繰り返し成
分とするもの(具体的には繰り返し単位の90モル%以
上)、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し成分と
するもの(具体的には繰り返し単位の90モル%以上)
などのポリエステルからなるポリエステル系繊維をい
う。なかでも、エチレンテレフタレートが90モル%以
上繰り返し成分とするポリエステルからなるポリエステ
ル系繊維が好ましく、エチレンテレフタレートが95モ
ル%以上繰り返し成分とするポリエステルからなること
がより好ましい。エチレンテレフタレートが100モル
%繰り返し成分とするポリエステル(すなわち、ポリエ
チレンテレフタレート)であることはさらに好ましい。
【0014】なお、イソフタル酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコールなどの脂肪族ジオール、1、4シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールAなどの脂環族また
は芳香族ジオールをポリエステルに共重合させることも
好ましく行なわれる。ポリエステル中の共重合率として
は10モル%以下が好ましい。またポリエステルの断面
形状として丸断面が好ましく、繊維に対する樹脂の付与
性を向上させて、耐久性を向上させる観点から、例え
ば、3角、5角、6角または8角などの異形断面がより
好ましい。
【0015】本発明に用いる樹脂はメチルハイドロジエ
ンポリシロキサンである。好ましくは非イオンまたはカ
チオン性のエマルジョンが用いられる。メチルハイドロ
ジエンポリシロキサンは低温プラズマ処理による架橋性
が高く、低温プラズマ処理により、各種溶剤に不溶の架
橋物を生成する。
【0016】本発明の低温プラズマ処理は無機ガスとし
て、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素、酸素、空気、
二酸化炭素あるいは一酸化炭素などを用いることができ
るが、アルゴンまたは空気を用いるのが好ましい。また
圧力は0.05〜1Torrの範囲が好ましく、0.3
〜0.8Torrの範囲がより好ましい。照射電力とし
ては5W/cm〜30W/cmで数秒照射処理を行うこ
とができるが、照射電力が強いと照射ムラにより、着色
繊維においても色ムラが発生する。また照射電力が弱い
と洗濯などの耐久性が低下するため、好ましくは10W
/cm〜20W/cmである。
【0017】シリコン樹脂と併用する無機微粒子は通常
多くはアニオン系であるが、本発明ではカチオン系の粒
子が好ましく、カチオン系のシリカ(コロイダルシリ
カ)、アルミナが好ましく、その粒径は60nm〜10
0mμが好ましく、その粒子形状は棒状、針状、羽毛
状、粒状などさまざまな形態をとることがある。
【0018】加工工程においては着色繊維構造物にメチ
ルハイドロジエンポリシロキサンと無機微粒子が主体の
べースレジンとしての樹脂液を付与するが、樹脂液に適
正な浸透剤を添加するとさらに発色性や均一性が向上す
ることを見出した。発色性が向上するため、ベースレジ
ンの量が低下でき、コスト面で非常に有利である。浸透
剤としてはエタノール、イソプロパノールなどのアルコ
ール類、非イオン系、アニオン系の各種界面活性剤など
が用いられるが、本発明者らの検討によれば、フッ素系
のアニオン活性剤またはアニオン活性剤を含有する活性
剤組成物が効果が大きい。
【0019】浸透剤の濃度としてはアルコール類の場
合、0.1%〜10重量%、また活性剤の場合、0.0
1〜1重量%である。
【0020】なお、発色性に悪影響を与えない範囲で、
他の樹脂や加工剤、例えば、風合い調整剤としてのメラ
ミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ基含
有化合物や帯電防止剤を添加することもできる。樹脂液
の付与方法としてはパツド法、スプレー法、浸漬法、コ
ーティング法(泡加工)などいずれの方法でもよいが、
好ましくはパツド法およびコーティング法である。樹脂
液の付与後は乾燥、次いで低温プラズマ処理、仕上げ剤
付与、仕上げセットの順序で通常行うが、これに限定さ
れるものでない。
【0021】本発明者らの検討によればメチルハイドロ
ジエンポリシロキサンと無機微粒子を併用することによ
り、発色性をブランク比(ΔL)で1.5以下とする
ことができる。発色性の観点から、メチルハイドロジエ
ンポリシロキサンと無機微粒子の比率は、純分換算でメ
チルハイドロジエンポリシロキサン1に対して無機微粒
子0.05〜1.5が好ましく、さらに好ましくは0.
2〜1.0である。付与量である乾燥固形量は0.5%
〜2.5%が好ましく、1%〜2%がより好ましい。
【0022】本発明の着色繊維構造物は発色性および洗
濯、ドライクリーニングの耐久性が高く、しかも、各種
の堅牢度の低下、物性、特性の低下がほとんど起らない
という特徴を有する。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0024】なお、表1〜4に記載の発色性、洗濯、ド
ライクリーニング、繰り返し洗濯、繰り返しドライクリ
ーニング、摩耗変色は次の方法により求めたものであ
る。
【0025】[発色性]多光源分光光度計で発色性(L
)を測定した。なお、Lは数字が小さいほど高発色
性を示すものである。
【0026】[耐光性]耐光性はJIS L 0841
に準じて測定した。
【0027】[洗濯汚染堅牢度]洗濯はJIS L 0
821に準じて測定した。
【0028】[ドライクリーニング]JIS L 08
60に準じて測定した。
【0029】[摩擦]JIS L 0849に準じて測
定した。
【0030】[摩擦変色]学振形摩擦試験機を用い、試
料をシホンジョーゼットで100回往復摩擦した後、変
色を変退色用グレースケールで等級を判定した。
【0031】[繰り返し洗濯]市販の自動反転渦巻式電
気洗濯機に45×45mの試験布500gと40±2℃
の0.2%弱アルカリ性合成洗剤(JIS K 337
1 弱アルカリ性・第1種)液25リットルとを入れ、
強制条件で25分間洗濯した(5回相当の洗濯)。次い
で脱水機で約30秒間脱水し、常温水をオーバーフロー
させながら10分間すすぎを行った。その後、再度約3
0秒間脱水し、同条件で10分間すすぎを行った。前記
の方法を4回繰り返し、20回洗濯とした。
【0032】[繰り返しドライクリーニング]JIS
L 0217に準じて測定した。
【0033】[実施例1〜10、比較例1]ポリエチレ
ンテレフタレート100%からなる着色されたフィラメ
ント織物カシドスの通常加工による、黒染上がり品(発
色性はL16.3)を用い、メチルハイドロジエンポ
リシロキサンに表1に示した無機微粒子を配合しパッド
法で付与(絞り率100%)、乾燥後(120℃)、下
記の条件で低温プラズマ処理を行い、次いで仕上げセッ
ト(180℃で30秒)、未処理(比較例1)も含め繰
り返し洗濯20回行い、結果を表1に示した。
【0034】メチルハイドロジエンポリシロキサンとし
て”ドライポン600”(日華化学株式会社製:純度約
60%)を20g/lと一定にし、無機微粒子との配合
を検討した。無機微粒子の濃度は純度20%換算で10
g/lであった。組成比はいずれもシリコン1に対し無
機微粒子は0.17である。また、実施例10は無機微
粒子を1:1に配合して用いた。
【0035】〈低温プラズマ処理条件〉 ガス:アルゴン 流量:100ml/min 電圧:1.5KV 速度:10cm/min 圧力:0.5Torr 照射強度:20W/cm
【表1】 “スノーテックス”:コロイダルシリカ “アルミナゾル”:コロイダルアルミナであり、いずれ
も日産化学工業株式会社製 RF:樹脂加工後の発色性を表す。
【0036】FS:樹脂加工→プラズマ処理→仕上げセ
ット後の発色性を表す。
【0037】表1に示したように、いずれの無機微粒子
も効果が認められ、コロイダルシリカとしては粒径が大
きいほど、また全体としてはアニオン性よりカチオン性
のコロイダルシリカやコロイダルアルミナが改善効果が
高く、両者を配合しても効果が認められる。
【0038】[比較例2〜10]各種シリコンを単独で
用いた以外は実施例1と同様な方法で処理し、結果を表
2に示した。
【0039】各種シリコンの濃度は純度40%換算で2
0g/lであった。
【0040】
【表2】 ドライポン以外のシリコンは東レ・ダウコーニング・シ
リコン株式会社製である。
【0041】DMPS:ジメチルポリシロキサンの略で
ある。
【0042】MHPS:メチルハイドロジエンポリシロ
キサンの略である。
【0043】PLSM:樹脂加工→プラズマ処理後の発
色性を表す。
【0044】イオン性:Aはアニオン性、Cはカチオン
性、Nは非イオン性を表す。
【0045】表2に示したように、ジメチルポリシロキ
サンの低重合度のものは(比較例3)発色性は良好であ
るが、プラズマ処理での発色性が著しく向上し、再現性
が難しく、発色ムラを起こしやすい。また高重合度のも
のは摩耗変色があり好ましくない。アミノ変性シリコン
は改善効果が小さく、また摩擦堅牢度の低下が認めら
れ、総合的にメチルハイドロジエンポリシロキサンが良
いが、発色性が十分とはいえない。
【0046】[実施例11〜19、比較例11〜15]
メチルハイドロジエンポリシロキサンとして“ドライポ
ン600”、酸化ケイ素として“スノーテックスAK”
を用いた。両者の配合量を表3に示した。
【0047】布帛および処理方法は実施例1と同様であ
る。また、表3に組成比としてシリコン1に対する無機
微粒子の比率を併せて記載した。
【0048】
【表3】 表3に示したように本発明はシリコン単独(比較例11
〜12)、酸化ケイ素単独(比較例13〜14)では到
達できない高発色性が得られ、かつ耐久性に富むもので
ある。また両者の配合による相乗効果が認められ、比較
的低濃度で大きな効果が得られる。
【0049】[実施例20〜22]下記に示す3種類の
布帛を用い、下記の樹脂組成でパッド処理した。絞り率
はAが100%、B、Cが63%であった。Cはカチオ
ン染料で染色されたポリエステルである。
【0050】それ以外の処理方法は実施例1と同一であ
る。結果を表4に示した。
【0051】<布帛> A:ポリエステル85%/ウール15%からなる黒色に
着色されたスパン織物 B:ナイロン85%/ポリウレタン15%からなる黒色
に着色されたフィラメント編地 C:カチオン染料可染ポリエステル85%/ポリウレタ
ン15%からなる黒色に着色されたフィラメント編地 〈樹脂組成〉 “ドライポン600”:15(g/l) “スノーテックスAK”:15(g/l) グアニジン誘導体:10(g/l) “Sumitex Resin M−3”:0.8(g
/l) “Sumitex Accelerator AC
X”:0.4(g/l) “Sumitex”は住友化学工業株式会社製である。
【0052】
【表4】 表4に示したとおり、本発明はポリエステル系繊維/ウ
ール、ナイロン/ポリウレタンについても効果が認めら
れる。ポリエステル系繊維をカチオン染料で染色した場
合も分散染料と同様に効果が認められ、染料の影響は殆
どない。
【0053】また、コントロールレジン(M−3)を添
加しても、少量であれば効果が低下することはない。
【0054】[実施例23〜28]実施例1と同様な試
料および実施例18の樹脂組成に表5に示した浸透剤を
添加した以外は実施例1と同様な方法で処理し、結果を
表5に示した。
【0055】表5に示した通り、いずれの浸透剤も効果
が認められるが、特にアニオン性の浸透剤を使用するこ
とにより、さらに発色性が向上する。
【0056】
【表5】 表5において、 イオン性:Nはノニオン、Aはアニオン性 浸透剤はすべて大日本インキ化学工業(株)社製 メガファク F−144D:パーフルオロアルキルエチ
レンオキサイド付加物 メガファク F−179 :パーフルオロアルキル基含
有オリゴマー メガファク F−833 :フッ素系特殊配合品 [実施例29、比較例16]実施例1で用いた布帛を用
い、下記の樹脂組成で泡加工(コーティング)で処理し
た。絞り率は7.4%である。それ以外の処理方法は実
施例1と同様である。未処理と比較し(比較例16)結
果を表6に示した。また実施例12のパッドも同時に評
価した。
【0057】〈樹脂組成〉 ”ドライポン600” :133(g/l) ”スノーテックスAK”:66(g/l) グアニジン誘導体 :66(g/l) 製泡剤 :20(g/l)
【表6】 表6に示したとおり、発色性、染色堅牢度、物性におい
て大きな問題はなく洗濯やドライクリーニングの耐久性
も備えている。
【0058】[実施例30、比較例17]樹脂液(1)
および低温プラズマ処理条件(2)は下記のとおりであ
るがそれ以外は実施例1と同様な処理を行い、結果を表
7に示した。
【0059】 〈樹脂液〉 実施例30 比較例17 “ドライポン600”: 15g/l トーレシリコンSH−8708: 5g/l “スノーテックスAK”: 5g/l 3g/l (トーレシリコンSH−8708はジメチルポリシロキサンである。) 〈低温プラズマ処理条件〉 ガス:アルゴン 流量:30ml/min 電圧:2KV 速度:20cm/min 圧力:0.6Torr 照射強度:25W/cm
【表7】 表7に示した通り、ジメチルポリシロキサンと無機微粒
子の配合は(比較例17)、発色性は非常に良好である
が、加工工程ごとに色の変化が大きく、色の安定供給に
問題が残る。また、樹脂液が逆イオンのため6時間放置
すると、僅かにに沈殿が認められる。一方、本発明の実
施例30は加工工程による色変化が少なく、液の安定性
も良好である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、着色繊維構造の発色性
が向上し、しかも、耐久性に富み、かつ、染色堅牢度の
低下がない、繊維構造物が提供でき実用的価値が極めて
高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 10/08 D06M 11/32 D06M 15/643

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルハイドロジエンポリシロキサン架橋
    物と無機微粒子からなる被膜が表面に形成された、発色
    性が改善された着色繊維構造物。
  2. 【請求項2】無機微粒子がカチオン系であることを特徴
    とする請求項1に記載の着色繊維構造物。
  3. 【請求項3】無機微粒子が酸化ケイ素または/およびア
    ルミナであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の着色繊維構造物。
  4. 【請求項4】メチルハイドロジエンポリシロキサンと無
    機微粒子の組成比が1:0.05〜1:1.5であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載の着色繊維構造物。
  5. 【請求項5】繊維構造物がポリエステル系繊維からなる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    着色繊維構造物。
  6. 【請求項6】着色された繊維構造物にメチルハイドロジ
    エンポリシロキサンと無機微粒子を付与し、次いで低温
    プラズマ処理を施すことを特徴とする着色繊維構造物の
    製造方法。
  7. 【請求項7】着色された繊維構造物にメチルハイドロジ
    エンポリシロキサンと無機微粒子を付与するに際し、処
    理液に浸透剤を添加し、次いで低温プラズマ処理を施す
    ことを特徴とする着色繊維構造物の製造方法。
  8. 【請求項8】無機微粒子がカチオン性の酸化ケイ素また
    は/およびアルミナであり、メチルハイドロジエンポリ
    シロキサンが非イオン性エマルジョンであることを特徴
    とする請求項6または7に記載の着色繊維構造物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】メチルハイドロジエンポリシロキサンと無
    機微粒子の組成比が純分換算で1:0.05〜1:1.
    5の浴濃度であることを特徴とする請求項6〜8のいず
    れか1項に記載の着色繊維構造物の製造方法。
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