JP3470304B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法Info
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Description
法に関し、詳しくは、環状オリゴマーの含有量が少な
く、かつ、成形に適する固有粘度を有するポリエステル
の製造方法に関する。
エステルは、物理的性質および化学的性質ともに優れて
おり、工業的価値が高く、繊維、フィルム、シート、ボ
トルなどとして広く用いられている。
ボン酸成分とグリコール成分とから重縮合反応により製
造される線状ポリマーである。
ndJ.A.Semlyen,Polymer,14,
185―192(1973)などに記載のように、従来
より公知のポリエステルは、数%の環状オリゴマーを含
有している。
リエステルから成形されるフィルム、シート、ボトルな
どの表面に析出し、表面肌の荒れや白化を引き起こし、
商品価値が低下する。ボトルなどの容器においては、環
状オリゴマーが容器の内壁にも析出おそれがあり、環状
オリゴマーが内容物へ溶出した場合には、異臭、味の変
化などが起こり、有害である。さらに、得られるフィル
ムをレトルト食品の包装用として使用する場合には、高
温・高圧処理(レトルト処理)を行うため、フィルム表
面の白化が起こり、フィルムへの印刷も困難となり、商
品価値が低下する。さらにまた、環状オリゴマーは、ポ
リエステルの成形工程および加工工程において、金型や
ノズル類の内壁を汚染するため、用いた金型やノズル類
の清掃および交換頻度が増加する。
に、得られる繊維類の表面に、環状オリゴマーが溶出す
るおそれがあり、その有害性、環境汚染などが問題とな
っている。このような繊維類を得る際に用いる撚糸機や
仮より機、あるいは得られた繊維類を染色する際に用い
る染色機への環状オリゴマーの付着は、得られる繊維類
の品質の低下、使用する機械の清掃頻度の増加などを引
き起こす。
ステルから得られる繊維、フィルム、シートなどは、機
械的強度が不充分である。
を減少させる方法として、例えば、特開昭51−485
05号公報および特開昭53−101092号公報に
は、重縮合反応により得られる粗製ポリエステルを減圧
条件下または不活性ガス流通下で、180℃から該ポリ
エステルの融点までの温度で加熱処理する固相重合法が
開示されている。これらの公報においては、この方法に
より、通常、ポリエチレンテレフタレートに含まれてい
る1.3〜1.7重量%の環状オリゴマーを0.5重量
%以下に減少できることが開示されている。しかし、こ
のような固相重合法においては、上記のように環状オリ
ゴマーのポリエステル中の含有量は、減少させることが
できるが、同時に上記粗製ポリエステルの重縮合反応も
進行し、得られるポリエステルの重合度が高くなる。ポ
リエステルの重合度が高くなると、成形する際に溶融時
のポリエステルの粘度が上昇し、そのため、押し出し成
形を行う際の負荷が大きくなったり、剪断発熱によりポ
リエステルの温度が上昇し、熱分解を起こしたりする。
62−49294号公報には、不活性ガスの流量を1〜
500リットル/kg・時間に調整する方法が開示され
ており、特公昭62−49295号公報には、固相重合
時の減圧度を15〜300mmHgに調整する方法が開
示されている。しかし、これらの方法においては、得ら
れるポリエステルの重合度が変動したり、着色や熱劣化
が生じるため、一定品質のポリエステルの製造は困難で
ある。
には、水の共存下で、140℃から得られるポリエステ
ルの融点までの温度で加熱処理を行うことにより、環状
オリゴマーを選択的に加水分解し、ポリエステル中の環
状オリゴマーを1重量%以下とする方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、ポリエステル自体の加水分
解により、重合度が低下し、ポリエステルの固有粘度が
低下し、成形不良などの問題が生じる。
性ガス中の水分量および酸素濃度を1,000ppm以
下とし、この不活性ガス雰囲気下であり、かつ、この実
質的に不活性ガスを流通させずに加熱処理する方法が開
示されている。しかし、この方法は、上記のように不活
性ガスが流動していないため、不活性ガス中に含まれる
水分や酸素濃度によっては、分解が生じ、得られるポリ
エステルの色調が悪かったり(黄色味を帯び)、固有粘
度の低下を引き起こすなどの悪影響がある。また、ポリ
エステルを加熱処理装置から取り出す際に、アルデヒド
の刺激臭がある。
欠点を解決するものであり、その目的とするところは、
環状オリゴマーの含有量が少なく、かつ、成形に適する
固有粘度を有するポリエステルの製造方法を提供するこ
とにある。本発明の目的はまた、熱分解反応が起こら
ず、色調が良好であるポリエステルの製造方法を提供す
ることにある。
の製造方法であって、ジカルボン酸成分とグリコール成
分との重縮合反応によって得られる粗製ポリエステル
を、該グリコール成分が少なくとも500ppmの割合
で含有される不活性ガスを加圧条件下で流通させなが
ら、180℃以上該粗製ポリエステルの融点以下の温度
で加熱処理する工程を包含し、そのことにより上記目的
が達成される。
ス中のグリコール成分の含有量は、2,000〜10
0,000ppmである。
する温度は、190℃〜260℃である。
通常の工程により製造され、例えば、ジカルボン酸成分
とグリコール成分との重縮合反応により得られる。
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルジカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシ
ン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;およびヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイ
ソフタル酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
ール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
1,3−プロピレングリコールなどが挙げられる。さら
に、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレング
リコールもまた使用することができる。これらのグリコ
ール成分は、単独で、または2種以上を組み合わせて用
いることもできる。
オキシカルボン酸も利用され得、それには、ヒドロキシ
エトキシ安息香酸、グリコール酸などがある。これらの
ジカルボン酸成分は、単独でまたは2種以上を組み合わ
せて用いることもできる。
グリコール成分、さらに必要に応じてオキシカルボン酸
成分を含む組成物を、従来公知のエステル化反応または
エステル交換反応によりエステル化し、次いで、減圧下
で重縮合反応を行うことにより、粗製ポリエステルを製
造する。この際、触媒として、従来公知のMn、Mg、
Ca、Ti、Ge、Sb、Co化合物、リン化合物など
が使用され得る。上記ジカルボン酸成分とグリコール成
分とを含む組成物には、安定剤、顔料、染料、核剤、充
填剤などの添加剤が含有され得る。
カット法、ストランドカット法などにより、適宜、チッ
プ状(例えば、円柱状)、粒子状などに成形する。
ステルを、少なくとも500ppmのグリコール成分を
含有する不活性ガスを加圧条件下で流通させながら18
0℃以上該ポリエステルの融点以下の温度で加熱処理を
行う。
エステルを製造する際に用いたグリコール成分をいう。
本発明においては、このグリコール成分は、不活性ガス
中に少なくとも500ppmの割合で含有される。好ま
しくは、グリコール成分の含有量は、不活性ガス中、
2,000〜100,000ppmであり、さらに好ま
しくは、3,000〜70,000ppmである。不活
性ガス中のグリコール成分の含有量が100ppm未満
の場合には、得られるポリエステルの固有粘度の上昇が
著しい。不活性ガス中のグリコール成分の含有量が過剰
である場合には、グリコシス反応が起こり、得られるポ
リエステルの固有粘度が低下するおそれがある。そのた
め、それを防ぐために過剰のグリコール成分の回収操作
が必要となる。さらに、グリコール成分を多量に使用す
ることによるコストアップも生じる。
本発明において得られるポリエステルに対して不活性な
ガスが用いられ得、例えば、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリ
ウムガスなどが挙げられる。特に、窒素ガスが安価であ
るため好ましい。
は、上記粗製ポリエステルと不活性ガスとを均一に接触
し得る装置が望ましい。このような加熱処理装置として
は、例えば、静置型乾燥機、回転型乾燥機、流動床型乾
燥機、攪拌翼を有する乾燥機などが挙げられる。
℃以上得られるポリエステルの融点以下の温度であり、
好ましくは190℃〜260℃、さらに好ましくは20
0℃〜250℃である。加熱処理温度が180℃未満の
場合には、粗製ポリエステル中の環状オリゴマーの減少
速度が小さい。加熱処理温度がポリエステルの融点を越
える温度の場合には、ポリエステルが融解してしまい、
接着が起こる。そのため、得られるポリエステルを加熱
処理装置から取り出すことが困難となり、また、成形操
作も困難となる。
ましく、さらに好ましくは2〜60時間、さらに好まし
くは、4〜40時間である。1時間未満の場合には、粗
製ポリエステル中の環状オリゴマーが充分に減少せず、
70時間を越える場合には、粗製ポリエステル中の環状
オリゴマーの減少速度が小さく、逆に熱劣化などの問題
が生じるおそれがある。
粘度と密接な関係がある。また、不活性気体中に含まれ
るエチレングリコールの濃度もポリエステルの固有粘度
の変化に影響する。そのため、不活性気体の流量は、含
まれるエチレングリコールの濃度および所望のポリエス
テルの固有粘度、加熱処理温度などに応じて適宜選択さ
れるべきである。
ルを含む場合、エチレングリコールによるグリコシスな
どの悪影響を回避するために、流量は多くする必要があ
る。また、加熱処理温度を高温とする場合、ポリエステ
ルの固有粘度の上昇を抑制するために、不活性気体の流
量は少なくする必要がある。
ポリエステル1kg当たり毎時1リットル以上、さらに
好ましくは5リットル以上が必要である。不活性気体の
流量がポリエステル1kg当たり毎時1リットルより少
ない場合には、酸素の混入などにより、得られる樹脂が
黄色味を帯びるなどの悪影響が生じるおそれがある。不
活性気体の流量の上限は、不活性気体中に含まれるエチ
レングリコール濃度および加熱処理温度によって決定さ
れるが、通常、好ましくは、ポリエステル1kg当たり
毎時10,000リットル以下、さらに好ましくは5,
000リットル以下、さらに好ましくは2,000リッ
トル以下である。不活性気体の流量を、10,000リ
ットル以上としても、本発明の目的から逸脱するような
ことはないが、経済的な面を考慮すれば、むやみに流量
を多くする必要はない。
条件下で不活性ガスを流通させながら、加熱処理するこ
とにより実施される。
水分や酸素が反応機に混入するのを抑制することが目的
であるから、加圧条件は5kg/cm2以下で充分であ
る。加圧条件が5kg/cm2を越える場合でも、本発
明の目的を逸脱することはないが、設備にコストがかか
るため、必要以上に圧力を高くすることは意味がない。
オリゴマーの含有量は、通常、0.6重量%以下であ
り、0.5重量%以下であることが好ましい。
ルは、環状オリゴマーの含有量が少なく、製造工程にお
けるさらなる重合および分解が極めて少ないため、色調
も良好であり、そして製造時にアセトアルデヒドなどの
刺激臭もない。このようなポリエステルは、繊維、フィ
ルム、シート、ボトルなどに成形され得る。
縮合により得られた粗製ポリエステルを、少なくとも5
00ppmのグリコール成分を含有する不活性ガスを加
圧条件下で流通させながら、180℃以上該ポリエステ
ルの融点以下の温度で加熱処理することにより、ポリエ
ステルの重合反応を進行させることなく、粗製ポリエス
テル中に含まれる環状オリゴマーの含有量を減少させる
ことができる。
に行われる従来法である固相重合法においては、不活性
ガス中に、重合に使用されなかった少量のグリコール成
分が存在している(例えば、特開昭58−134118
号公報には、固相重合時の窒素ガス中のエチレングリコ
ール含量が10ppm以下であったことが開示されてい
る)。工業化学雑誌、65、162―164(196
2)においてはまた、減圧固相重合時に少量のエチレン
グリコールが拡散することが開示されている。しかし、
このように不活性ガス中のグリコール成分の含有量が少
量(例えば、10ppm以下)の場合には、重合が進む
ため、得られるポリエステルの固有粘度は上昇する。本
発明においては、不活性ガス中にグリコール成分を加
え、不活性ガス中のグリコール成分の含有量を少なくと
も500ppmとすることにより、固有粘度の低下およ
び上昇の小さいポリエステルを得ることができる。
ることが好ましく、0.5〜0.95であることが特に
好ましい。得られるポリエステルの固有粘度が0.4未
満である場合には、紡糸する際に糸切れが生じたり、製
膜する際に膜が破れたり、成形体を成形する際に破損を
生じたりするおそれがある。固有粘度が0.95を越え
る場合には、成形時に溶融樹脂の剪断発熱により温度が
上昇したり、溶融成形性を高めるために成形温度を高く
設定しなければならなかったり、溶融成形の時間が延長
されたりする。その結果、熱劣化による品質の低下、環
状オリゴマーが再生成されるおそれがある。このよう
に、本発明により得られるポリエステルは、粘度低下お
よび粘度上昇が小さいため、予め粗製ポリエステルを所
望の固有粘度に調整しておくことにより、最終的に所望
の固有粘度を有するポリエステルを得ることができる。
応が起こることにより、色調が良好であり(黄色味を帯
びることなく)、分解によるアセトアルデヒドなどの刺
激臭がないポリエステルを得ることができる。
する。以下の実施例および比較例において用いられた固
有粘度の測定法、および環状オリゴマーの定量方法を以
下に示す。
/1,1,2,2―テトラクロロエタン(3/1(重量
比))の混合溶媒25ml中に溶解し、30℃でオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。
3―ヘキサフルオロ―2―プロパノール/クロロホルム
(2/3(容量比))の混合溶媒3mlに溶解する。得
られた溶液にクロロホルム20mlを加えて均一に混合
する。得られた混合液にメタノール10mlを加え、線
状ポリエステルを再沈殿させる。次いで、この混合液を
濾過し、沈殿物をクロロホルム/メタノール(2/1
(容量比))の混合溶媒30mlで洗浄し、さらに濾過
する。得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮
乾固する。濃縮乾固物にジメチルホルムアミド10ml
を加え、環状オリゴマー測定溶液とする。この測定溶液
を横河電機(株)社製LC100型の高速液体クロマト
グラフィーを使用して定量する。
標であり、得られたポリエステル6.5gを用いて、日
本電子工業(株)製の色差計により、測定される。
ール700部、および酢酸亜鉛・2水塩0.3部をエス
テル交換反応缶に仕込み、120〜210℃でエステル
交換反応を行い、生成するメタノールを留去した。エス
テル交換反応が終了した時点で、リン酸0.13および
三酸化アンチモン0.3部を加え、系内を徐々に減圧に
し、75分間で1mmHg以下とした。同時に徐々に昇
温し、280℃とした。同条件で70分間重縮合反応を
実施し、溶融ポリマーを吐出ノズルより水中に押し出
し、カッターによって、直径約3mm、長さ約5mmの
円柱状チップとした。得られた粗製ポリエステルの固有
粘度は0.625であり、環状オリゴマーの含有量は
1.05重量%であった。
て乾燥し、次いで、5,000ppmのエチレングリコ
ールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル1kg当た
り、毎時70リットルの割合で流通し、215℃で24
時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘
度は0.631であり、環状オリゴマーの含有量は0.
35重量%であった。さらに得られたポリエステルのb
値は2.0であった。
機にて、285℃で押し出し、厚み100μmのフィル
ムを得た。このフィルムの環状オリゴマー含有量は0.
45重量%であった。
下160℃にて乾燥し、次いで、50ppmのエチレン
グリコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル1k
g当たり、毎時300リットルで流通し、230℃で1
2時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有
粘度は0.851であり、環状オリゴマーの含有量は
0.30重量%であった。
様にしてフィルムを得ようとしたところ、押し出しに時
間がかかり、得られたフィルムの環状オリゴマーの含有
量は、0.76重量%と高濃度であった。
下160℃にて乾燥し、次いで、25,000ppmの
エチレングリコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエス
テル1kg当たり、毎時300リットルで流通し、23
0℃で12時間加熱処理を行った。得られたポリエステ
ルの固有粘度は0.617であり、環状オリゴマーの含
有量は0.28重量%であった。さらに、得られたポリ
エステルのb値は1.4であった。
下160℃にて乾燥し、次いで、30ppmのエチレン
グリコールを含有する窒素ガスを用いて参考例2と同様
にして加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有
粘度は0.912であり、環状オリゴマーの含有量は
0.26重量%であった。
様にしてフィルムを得ようとしたところ、負荷が大き
く、製膜に時間がかかり、得られたフィルムの環状オリ
ゴマーの含有量は、0.68重量%と高濃度であった。
同様にして、固有粘度が0.720であり、環状オリゴ
マーの含有量が1.20重量%である粗製ポリエステル
を得た。得られた粗製ポリエステルを、減圧下160℃
にて乾燥し、次いで、16,000ppmのエチレング
リコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル1kg
当たり、毎時200リットルで流通し、220℃で10
時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘
度は0.715であり、環状オリゴマーの含有量は0.
25重量%であった。さらに、得られたポリエステルの
b値は1.8であった。
295℃で押し出し、厚み100μmのフィルムを得
た。押し出しに際しては、負荷もなくスムーズに製膜が
できた。得られたフィルム中の環状オリゴマーの含有量
は、0.48重量%であった。
同様にして、固有粘度が0.627であり、環状オリゴ
マーの含有量が1.25重量%である粗製ポリエステル
を得た。得られた粗製ポリエステルを、減圧下160℃
にて乾燥し、次いで、36,000ppmのエチレング
リコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル1kg
当たり、毎時700リットルで流通し、210℃で20
時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘
度は0.613であり、環状オリゴマーの含有量は0.
31重量%であった。さらに、得られたポリエステルの
b値は1.3であった。
同様にして、固有粘度が0.615であり、環状オリゴ
マーの含有量が1.09重量%である粗製ポリエステル
を得た。得られた粗製ポリエステルを、減圧下160℃
にて乾燥し、次いで、10,000ppmのエチレング
リコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル1kg
当たり、毎時40リットルで流通し、240℃で6時間
加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有粘度は
0.613であり、環状オリゴマーの含有量は0.32
重量%であった。さらに、得られたポリエステルのb値
は1.6であった。
圧下160℃にて乾燥し、次いで、10,000ppm
のエチレングリコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエ
ステル1kg当たり、毎時40リットルで流通し、17
0℃で24時間加熱処理を行った。得られたポリエステ
ル中の環状オリゴマーの含有量は1.09重量%と全く
減少しなかった。
圧下160℃にて乾燥し、次いで、10,000ppm
のエチレングリコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエ
ステル1kg当たり、毎時40リットルで流通し、26
3℃で12時間加熱処理を行った。得られたポリエステ
ルは、缶内で融着を起こしていた。しかも、環状オリゴ
マーの含有量は1.13重量%と増加していた。
圧下160℃にて乾燥し、次いで、500ppmのエチ
レングリコールを含有する窒素ガスを粗製ポリエステル
1kg当たり、毎時40リットルで流通し、この反応系
を1.2kg/cm2の微加圧に調整し、215℃で2
0時間加熱処理を行った。得られたポリエステルの固有
粘度は0.559であり、環状オリゴマーの含有量は
0.34重量であった。さらに、得られたポリエステル
のb値は2.0であった。
ガス非流通)としたこと以外は、実施例1と同様にして
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの固有粘度
は0.571であり、環状オリゴマーの含有量は0.3
1重量%であった。さらに、得られたポリエステルのb
値は4.6と黄色味が強く、得られたポリエステルを反
応缶から取り出す際に、アセトアルデヒドの刺激臭があ
った。
環状オリゴマーの含有量が少ないため、成形時の環状オ
リゴマーによる金型、ノズル類の汚染は生じない。さら
に、本発明の製造方法は加熱処理時にポリエステルの粘
度が低下したり上昇することが少ないため、予め粗製ポ
リエステルを所望の固有粘度に調整しておくことによ
り、最終的に所望の固有粘度を有するポリエステルを得
ることができる。さらに本発明により、色調が良好であ
り(黄色味を帯びることなく)、アセトアルデヒドなど
の刺激臭がないポリエステルを得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエステルの製造方法であって、 ジカルボン酸成分とグリコール成分との重縮合反応によ
って得られる粗製ポリエステルを、該グリコール成分が
少なくとも500ppmの割合で含有される不活性ガス
を加圧条件下で流通させながら、180℃以上該粗製ポ
リエステルの融点以下の温度で加熱処理する工程を包含
する、方法。 - 【請求項2】 前記不活性ガス中のグリコール成分の含
有量が、2,000〜100,000ppmである、請
求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記加熱処理する温度が、190℃〜2
60℃である、請求項1に記載の方法。
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JP25549394A JP3470304B2 (ja) | 1994-10-20 | 1994-10-20 | ポリエステルの製造方法 |
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JPH08120062A JPH08120062A (ja) | 1996-05-14 |
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1994
- 1994-10-20 JP JP25549394A patent/JP3470304B2/ja not_active Expired - Fee Related
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