JP3469047B2 - プラスチック成形品の成形方法および成形装置 - Google Patents

プラスチック成形品の成形方法および成形装置

Info

Publication number
JP3469047B2
JP3469047B2 JP18424497A JP18424497A JP3469047B2 JP 3469047 B2 JP3469047 B2 JP 3469047B2 JP 18424497 A JP18424497 A JP 18424497A JP 18424497 A JP18424497 A JP 18424497A JP 3469047 B2 JP3469047 B2 JP 3469047B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer surface
molten resin
mold
resin
cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18424497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1128748A (ja
Inventor
俊宏 金松
康生 山中
明 福島
清孝 沢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP18424497A priority Critical patent/JP3469047B2/ja
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to CNB011370149A priority patent/CN1162265C/zh
Priority to CNB011370130A priority patent/CN1162266C/zh
Priority to US09/053,050 priority patent/US6287504B1/en
Priority to CN98105980A priority patent/CN1080635C/zh
Publication of JPH1128748A publication Critical patent/JPH1128748A/ja
Priority to US09/878,977 priority patent/US6565346B2/en
Priority to US09/878,991 priority patent/US6793868B2/en
Priority to US09/878,987 priority patent/US6620486B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3469047B2 publication Critical patent/JP3469047B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/174Applying a pressurised fluid to the outer surface of the injected material inside the mould cavity, e.g. for preventing shrinkage marks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C45/7337Heating or cooling of the mould using gas or steam

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタ、ファクシミリ等の光学走査系、ビデオカメラの光
学機器、光ディスク等に適用されるプラスチック成形品
の成形方法および成形装置に関し、特にレンズ、ミラ
ー、プリズム等のプラスチック成形品に鏡面や微細な凹
凸のパターン等を高精度に転写可能なプラスチック成形
品の成形方法およびプラスチック成形品の成形装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形方法は、金型温度を成
形用樹脂の熱変形温度前後とした一定容積のキャビティ
内に溶融樹脂を射出充填し、保圧を制御しながら徐冷し
た後、金型を開いて成形品を取り出すようにしている。
ところが、この方法は樹脂の冷却時の温度分布がそのま
ま圧力分布となるため、厚肉、偏肉な成形品を成形する
場合には、成形サイクルを短くすることができるものの
偏肉部に残圧が発生し、また、厚肉部にひけが発生して
高精度な成形品が得られないという欠点を有する。
【0003】このような不具合が発生しない射出成形法
としては、例えば、特開平3−128218号公報に記
載されたようなものがある(以下、第1従来例とい
う)。このものは、鏡面等が形成された転写面に対向す
る非転写面に粗面を形成したり、濡れ性を低くする表面
処理を行なったり、あるいは、多孔質材料を用い、キャ
ビティ内への溶融樹脂の充填完了の直前に射出を停止し
て保圧を加えることなく冷却固化することにより、溶融
樹脂と転写面および非転写面との密着力の差によって非
転写面側にひけを発生させ、転写面にひけが発生するの
を防止している。
【0004】また、他の成形方法としては、特開平2−
175115号公報に記載されたようなものがある(以
下、これを第2従来例という)。このものは、成形品の
非転写面に接する金型面に圧縮気体と連通する多孔質部
材を配設したキャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、溶
融樹脂のキャビティ内への充填完了後の保圧から冷却工
程中に、成形品の非転写面に多孔質部材を介して圧縮気
体を供給するようにしている。このものにあっては、円
筒状でレンズ肉厚が薄いレンズ側面をひけさせることが
できる。
【0005】また、その他の成形方法としては、特開平
6−304973号公報に記載されたものがある(以
下、これを第3従来例という)。このものは、非転写面
を通気孔を介して外気と連通させ、キャビティ内に溶融
樹脂の射出充填が開始されてから樹脂の冷却が終了する
までの間に樹脂の転写面と非転写面との間に圧力差を発
生させることにより、樹脂の非転写面にひけを誘発させ
るようにしている。
【0006】また、他の成形方法としては、特開平6−
315961号公報に記載されたようなものがある(以
下、これを第4従来例という)。このものは、金型の転
写面の温度を高温に加熱保持し、キャビティ内に溶融樹
脂の射出充填が開始されてから樹脂の冷却が終了するま
で樹脂の転写面側を高温加熱することにより、樹脂の非
転写面にひけを誘発させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例の成形方法にあっては、転写面に対向する非転写面
に粗面を形成したり、濡れ性を低くする表面処理を行な
ったり、あるいは、多孔質材料を用いていたため、金型
の加工コストが高くなってしまうという問題が発生して
しまった。
【0008】また、キャビティ内への溶融樹脂の充填完
了の直前に射出を停止して保圧を加えないようにしてい
たため、ひけの方向を誘導することができない上に、成
形条件の設定が難しくて成形品の形状の制限が大きくな
ってしまうという問題があった。さらに、ひけができる
方向が成形面の対向面であることからミラーにしか適用
することができず、レンズ等の成形には不向きであっ
た。
【0009】また、第2従来例の成形方法にあっては、
成形品の非転写面に接する金型面に圧縮気体と連通する
多孔質部材を配設していたため、金型の加工コストが高
くなってしまう上に多孔質部材の形状の管理が面倒なも
のとなってしまった。すなわち、多孔質部材の効果が大
きい場合には、溶融樹脂が孔部に入り込みひけることは
勿論のこと成形品の離型に支障を与えてしまう。また、
孔部の形状が金型の壁面よりも内部に広がっている場合
には、樹脂が入り込んでしまい、成形品の離型が不可能
になってしまう。
【0010】さらに、溶融樹脂のキャビティ内への充填
完了後の保圧から冷却工程中に、成形品の非転写面に多
孔質部材を介して圧縮気体を供給するようにしていたた
め、冷却工程中に樹脂の非転写面と転写面と間に気圧差
が生じたままの状態を維持することになるため、金型の
型開き後に成形品に内部歪みが残存してしまい、その残
圧により転写面精度も低下してしまう上に、成形品全体
が変形してしまうという問題が発生してしまった。
【0011】また、第3従来例の成形方法にあっては、
キャビティ内に溶融樹脂の射出充填が開始されてから樹
脂の冷却が終了するまでの間に樹脂の転写面と非転写面
との間に圧力差を発生させていたため、第2従来例と同
様に冷却工程中に樹脂の非転写面と転写面と間に気圧差
が生じたままの状態を維持することになるため、金型の
型開き後に成形品に内部歪みが残存してしまい、その残
圧により転写面精度も低下してしまう上に、成形品全体
が変形してしまうという問題が発生してしまった。
【0012】さらに、第4従来例の成形方法にあって
は、金型の転写面の温度を高温に加熱保持し、キャビテ
ィ内に溶融樹脂の射出充填が開始されてから樹脂の冷却
が終了するまで樹脂の転写面側を高温加熱していたた
め、冷却工程中に樹脂の非転写面と転写面と間に温度差
が生じたままの状態を維持することになるため、金型の
型開き後に成形品に内部歪みが残存してしまい、その残
圧により転写面精度も低下してしまう上に、成形品全体
が変形してしまうという問題があった。
【0013】そこで本発明は、非転写面にひけを確実に
誘導することができるようにして高精度な転写面を得る
ことができ、低歪みで変形の少ない安価なプラスチック
成形品の成形方法および成形装置を提供することを目的
としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
【0015】
【0016】
【0017】請求項1記載の発明は、上記課題を解決す
るために、少なくとも1つ以上の転写面を有するととも
に該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の非転写面が
形成され、該転写面および非転写面によって少なくとも
1つ以上のキャビティが画成された金型を準備し、前記
キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射
出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて
樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以下
に冷却し、次いで、型開きして取り出すようにしたプラ
スチック成形品の成形方法において、前記キャビティ内
に溶融樹脂の射出充填を開始する時点から溶融樹脂の充
填が完了するまでの間の溶融樹脂の射出充填中のすべて
において、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも
1箇所以上と金型の間に気体層を形成し続けることを特
徴としている。
【0018】その場合、射出充填開始時に溶融樹脂の非
転写面と金型の間に気体層を形成することにより、溶融
樹脂の射出充填の完了までの間に金型の非転写面に密着
しづらくなる。また、射出充填が終了して冷却を開始し
た際に気体層を形成するのを中止するが、このとき、樹
脂内圧によって樹脂の非転写面と金型の間に形成されて
いた気体層が圧縮してつぶされて樹脂の非転写面と金型
の間に残留する。そして、内圧が零に近づくにつれてこ
の残留気体が膨張するため、樹脂の非転写面が金型に接
しなくなり、内圧が零になった時点でその非転写面から
優先して離型性が高くなって他の金型に接した面よりも
ひけが優先して発生する。
【0019】このため、この非転写面が優先的にひけて
転写面にひけが生じることが防止され、所望する転写面
が短い成形サイクルで忠実に転写される。また、溶融樹
脂の射出充填が完了されて冷却工程に移行する前まで溶
融樹脂の非転写面と金型の間に気体層を形成しているた
め、冷却工程中に転写面と非転写面の圧力差が大きくな
ることがなく、金型の型開き後に成形品に内部歪みが残
存することがなく、転写面精度が低下するのを防止する
ことができる上に成形品全体が変形してしまうのを防止
することができる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】請求項記載の発明は、上記課題を解決す
るために、少なくとも1つ以上の転写面を有するととも
に該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の非転写面が
形成され、該転写面および非転写面によって少なくとも
1つ以上のキャビティが画成された金型を準備し、前記
キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射
出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させて
樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以下
に冷却し、次いで、型開きして取り出すようにしたプラ
スチック成形品の成形方法において、少なくとも前記キ
ャビティ内に溶融樹脂の射出充填を開始する時点から溶
融樹脂の充填が完了するまでの間の溶融樹脂の射出充填
中に、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも1箇
所以上の温度を前記転写面の樹脂の温度よりも低くす
る、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも1箇所
以上と金型の間に気体層を形成する、前記溶融樹脂の非
転写面のうちの少なくとも1箇所以上に対向する金型部
分の温度を前記転写面に対向する金型部分の温度よりも
低くするという方法の何れか1つ以上と、前記溶融樹脂
の非転写面のうちの少なくとも1箇所以上を気体によっ
て押圧するという方法を組合せることを特徴としてい
る。
【0027】その場合、キャビティ内への溶融樹脂の射
出充填を開始してから溶融樹脂の非転写面のうちの少な
くとも1箇所以上を気体によって押圧することに加え
て、溶融樹脂の非転写面の温度を転写面の樹脂の温度よ
りも低くする、溶融樹脂の非転写面と金型の間に気体層
を形成する、溶融樹脂の非転写面に対向する金型部分の
温度を前記転写面に対向する金型部分の温度より低くす
る方法の1つ以上を組合せることにより、溶融樹脂の射
出充填の完了までの間に金型の非転写面に確実に密着し
ないようにすることができる。この結果、この非転写面
の冷却工程中における内圧が略零になった時点でその非
転写面から優先して離型性を高くして他の金型に接した
面よりもひけを優先して確実に発生させることができ
る。
【0028】このため、この非転写面が優先的にひけて
転写面にひけが生じることが防止され、所望する転写面
が短い成形サイクルで忠実に転写される。また、溶融樹
脂の射出充填が完了されて冷却工程に移行する前まで溶
融樹脂の非転写面の間に気体層を形成したり、非転写面
の温度を転写面の温度よりも低くしているため、冷却工
程中に転写面と非転写面の圧力差や温度差が大きくなる
のを防止することができる。このため、金型の型開き後
に成形品に内部歪みが残存するのを防止することがで
き、転写面の精度が低下するのを防止することができる
上に成形品全体が変形してしまうのを防止することがで
きる。
【0029】請求項記載の発明は、上記課題を解決す
るために、請求項1、2何れかに記載のプラスチック成
形品を成形する成形装置であって、前記金型の少なくと
も1つ以上の非転写面から溶融樹脂の非転写面に向かっ
て所定の圧力および温度に調節された気体を供給する気
体供給手段を有することを特徴としている。本発明で
は、溶融樹脂の非転写面の温度を転写面の樹脂の温度よ
りも低くする場合には、気体供給手段から溶融樹脂の非
転写面に向かって低温でかつ、所定圧力の気体を溶融樹
脂の転写面に供給することにより、非転写面の温度を転
写面の温度に比べて低くすることができる。
【0030】また、溶融樹脂の非転写面と金型の間に気
体層を形成する場合には、気体供給手段から溶融樹脂の
非転写面と金型の間に所定圧力の気体を注入するように
すれば良い。また、溶融樹脂の非転写面を気体によって
押圧する場合には、気体供給手段から溶融樹脂の非転写
面に向かって高圧の気体を供給すれば良い。
【0031】このようにして、溶融樹脂の非転写面の温
度を下げたり、非転写面を押圧したり、あるいは、溶融
樹脂の非転写面と金型の間に気体層を形成して安価な構
成で非転写面にひけを優先的に発生させることができ
る。請求項記載の発明は、上記課題を解決するため
に、請求項記載の発明において、前記気体供給手段
は、非転写面を有する金型部分に形成されて一端部がキ
ャビティ内に開口する通気孔と、該通気孔の他端部に連
結され、該通気孔を通してキャビティ内に所定の圧力お
よび温度に調節された気体を供給する供給装置とを有す
ることを特徴としている。
【0032】その場合、金型に通気孔を設け、この通気
孔に供給装置を接続するだけで気体供給手段を構成する
ことができ、金型の構造が複雑になるのを防止すること
ができる。
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。まず、図1〜3は本発明に係るプラ
スチック成形品の成形方法および成形装置の第1実施形
態を示す図であり、請求項3、4何れかに記載の発明に
対応している。
【0035】まず、構成を説明する。図1は、本発明の
プラスチック成形品の成形方法によって成形されたプラ
スチック成形品の構成図であり、成形品としてレンズを
対象にしている。なお、本実施形態で成形される成形品
はレンズに限らず、ミラー、プリズム等の光学素子にも
適用可能である。図1において、1は成形品であり、こ
の成形品1の上下面には鏡面(転写面)1a、1bが形
成されており、一側面には他部品に取付けられる基準面
(非転写面)1cが形成されているとともに、他側面に
はひけを発生させたいひけ発生面(非転写面)1dが形
成されている。
【0036】図2、3は図1に示される成形品1を成形
する成形装置の構成図である。図2、3において、2は
成形装置であり、この成形装置2の架台3には下型4が
取付けられている。この下型4には上型5が対向して設
けられており、この上型5は図示しない型締め、型開き
装置によって下型4に当接、離隔可能になっている。
【0037】この下型4と上型5の間にはキャビティ入
れ子を構成する複数(本実施形態では4つ)の入れ子が
介装されている。このキャビティ入れ子は、互いに対向
して設けられ、成形品に鏡面1a、1bを形成する鏡面
6a、7aが形成された鏡面入れ子6、7と、この入れ
子6、7を挟んで設けられ、成形品1に基準面1cおよ
びひけ発生面1dを形成する非転写面8a、9aが形成
された基準入れ子8およびひけ発生入れ子9から構成さ
れ、各入れ子6〜9の対向面によってキャビティ10が画
成されている。なお、非転写面8a、9aには微小な凹
凸が形成されている。
【0038】なお、図2においては成形装置2の半分の
みを示しており、残りの半分の部分にも上述したものと
同様の構成を有するキャビティ入れ子が設けられてい
る。また、上型5には図示しないスプルーが形成されて
いるとともに鏡面入れ子6にはこのスプルーに連通する
スプルー6bが形成されており、キャビティ10内にはこ
の図示しないスプルーおよびスプルー6bを介して図示
しない射出成形機から溶融樹脂が射出充填されるように
なっている。
【0039】また、ひけ発生入れ子9には通気孔11が形
成されており、この通気孔11は一端部がキャビティ10内
に開口するとともに、他端部が下型4および上型5に介
装された供給管12に接続されている。この供給管12は温
度制御装置13を介して気体供給装置14に連結されてお
り、気体供給装置14で所定の圧力に設定され、温度制御
装置13によって所定の温度に調整された気体(例えば、
空気)を供給するようになっている。
【0040】本実施形態では、金型を樹脂の軟化温度未
満に加熱した状態でキャビティ10内に軟化温度以上に加
熱された溶融樹脂を射出充填するようになっているた
め、温度制御装置13によって調整される気体の温度は鏡
面入れ子6、7および基準入れ子8の温度よりも約3℃
低い温度に設定されており、供給孔11からひけ発生面1
dには鏡面1a、1bおよび基準面1cよりも低い温度
の気体が供給されるようになっている。また、各入れ子
6〜9の周囲の下型4および上型5にはヒータやオイル
クーラー等の温度調整機構が設けられており、このヒー
タおよびオイルクーラー等によって下型4および上型5
が加熱および冷却されることにより、各入れ子6〜9が
加熱および冷却されるようになっている。
【0041】なお、本実施形態では、温度制御装置13お
よび気体供給装置14が供給装置を構成し、この温度制御
装置13および気体供給装置14に加えて供給孔11が気体供
給手段を構成している。次に、作用を説明する。通常の
射出成形において、レンズ等のプラスチック光学素子を
成形する場合には、全領域を転写させる成形条件(成形
品の取り出し時に内圧が零近傍となるような条件)で成
形するが、溶融樹脂は金型に入った時点から急冷される
ため、温度分布、圧力分布、密度分布等が生じて成形品
の形状が乱されたり、内部歪み(偏向)が発生して光学
特性に悪影響を及ぼしてしまう。
【0042】一方、成形品の一部にひけを発生させるこ
とで、金型形状の転写性および内部歪み、変形を抑制す
ることができるが、このひけの箇所を特定することは非
常に難しい。本実施形態では、このひけの発生箇所を特
定することができる点で実に有意義なものである。以
下、具体的に説明する。
【0043】まず、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保
持し、キャビティ10内に軟化温度以上に加熱された溶融
樹脂Aを射出充填し、次いで、鏡面入れ子6、7の転写
面6a、7aに樹脂圧力を発生させる。また、溶融樹脂
の射出充填と同時に気体供給装置14から所定の圧力に設
定され、温度制御装置13によって温度調整された冷風を
通気孔11からひけ発生面1dに供給し、この供給作業を
キャビティ10に溶融樹脂の射出充填が完了するまで継続
する。
【0044】このとき、鏡面1a、1bに比べて温度が
低いひけ発生面1dが先に固化されて高粘度になるた
め、溶融樹脂の射出充填の完了までの間にひけ発生入れ
子9の非転写面9aにひけ発生面1dが密着しづらくな
る。溶融樹脂の射出充填作業が終了して冷風の供給を停
止した後に、キャビティ10内を一定の圧力に保圧してキ
ャビティ10内を冷却する。次いで、キャビティ10内の圧
力が略零になったときに、上型5を下型4から離隔させ
て型開きしてキャビティ10から成形品1を取り出す。
【0045】このとき、成形品1はひけ発生面1dから
優先して離型性が高くなって他の入れ子6〜8に接した
面よりもひけが優先して発生するため、鏡面1a、1b
にひけが生じることが防止され、所望する鏡面1a、1
bを短い成形サイクルで忠実に転写することができる。
また、溶融樹脂の射出充填が完了されて冷却工程に移行
する前まで溶融樹脂のひけ発生面1dの温度を鏡面1
a、1bの樹脂の温度よりも低くしているため、冷却工
程中に鏡面1a、1bとひけ発生面1dの温度差が生じ
ることがなく、金型の型開き後に成形品1に内部歪みが
残存することがなく、鏡面1a、1b精度が低下するの
を防止することができる上に成形品1全体が変形してし
まうのを防止することができる。
【0046】また、ひけ発生入れ子9に通気孔11を設
け、この通気孔11に温度制御装置13および気体供給装置
14を接続するだけで気体供給手段を構成することができ
るため、金型の構造が複雑になるのを防止することがで
きる。図4〜6は本発明に係るプラスチック成形品の成
形方法および成形装置の第2実施形態を示す図であり、
請求項1、3、4何れかに記載の発明に対応している。
なお、本実施形態では、成形品の形状は第1実施形態と
同様であるため、成形品の説明については図1を引用す
るとともに、第1実施形態と同様の構成には同一番号を
付して説明を省略する。
【0047】図4、5において、下型4と上型5の間に
はキャビティ入れ子を構成する複数(本実施形態では4
つ)の入れ子が介装されている。このキャビティ入れ子
は、互いに対向して設けられ、成形品に鏡面1a、1b
を形成する鏡面16a、17aが形成された鏡面入れ子16、
17と、この入れ子16、17を挟んで設けられ、成形品1に
基準面1cおよびひけ発生面1dを形成する非転写面18
a、19aが形成された基準入れ子18およびひけ発生入れ
子19から構成され、各入れ子16〜19の対向面によってキ
ャビティ20が画成されている。なお、非転写面18a、19
aには微小な凹凸が形成されている。
【0048】また、上型5には図示しないスプルーが形
成されているとともに鏡面入れ子16にはこのスプルーに
連通するスプルー16bが形成されており、キャビティ20
内にはこの図示しないスプルーおよびスプルー16bを介
して図示しない射出成形機から溶融樹脂が射出充填され
るようになっている。また、ひけ発生入れ子19には通気
孔21が形成されており、この通気孔21は一端部がキャビ
ティ20内に開口するとともに、他端部が下型4および上
型5に介装された供給管22に接続されている。
【0049】この供給管22は気体供給装置23に連結され
ており、気体供給装置23は所定の圧力に設定された気体
(例えば、空気)を供給管22および通気孔21を介してひ
け発生面1dと転写面19aの間に注入するようになって
いる。なお、本実施形態では、気体供給装置23が供給装
置を構成し、この気体供給装置23に加えて供給孔21およ
び供給管22が気体供給手段を構成している。
【0050】次に、図5に基づいて作用を説明する。ま
ず、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、キャビテ
ィ20内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂Aを射出充
填し、次いで、鏡面入れ子16、17の転写面16a、17aに
樹脂圧力を発生させる。また、溶融樹脂の射出充填と同
時に気体供給装置23から所定の圧力の気体をひけ発生面
1dと転写面19aの間に注入し、この注入作業をキャビ
ティ20に溶融樹脂の射出充填が完了するまで継続する
(図5(a)(b)参照)。
【0051】このとき、非転写面19aとひけ発生面1d
の間に気体層が形成されるため、溶融樹脂の射出充填の
完了までの間にひけ発生面1dが非転写面19aに密着し
づらくなる。溶融樹脂の射出充填作業が終了して気体の
注入を停止すると、キャビティ20内を一定の圧力に保圧
してキャビティ20内を冷却する。このとき、樹脂内圧に
よって樹脂のひけ発生面1dと非転写面19aの間に形成
されていた気体層が圧縮してつぶされて樹脂のひけ発生
面1dと非転写面19aの間に残留する(図5(c)参
照)。
【0052】そして、内圧が零に近づくにつれてこの残
留気体が膨張するため、樹脂のひけ発生面1dが非転写
面19aに接しなくなり、内圧が零になった時点でその非
転写面19aから優先して離型性が高くなる(図5(d)
参照)。そして、キャビティ20内の圧力が略零になった
ときに、上型5を下型4から離隔させて型開きしてキャ
ビティ20から成形品1を取り出す。
【0053】この結果、ひけ発生面1dを優先的にひけ
させて鏡面1a、1bにひけが生じるのを防止して、所
望する鏡面1a、1bを短い成形サイクルで忠実に転写
することができる。また、溶融樹脂の射出充填が完了さ
れて冷却工程に移行する前まで溶融樹脂のひけ発生面1
d非転写面19aの間に気体層を形成しているため、冷却
工程中に鏡面1a、1bとひけ発生面1dの圧力差が大
きくなることがなく、金型の型開き後に成形品1に内部
歪みが残存することがなく、鏡面1a、1bの転写精度
が低下するのを防止することができる上に成形品1全体
が変形してしまうのを防止することができる。
【0054】なお、本実施形態の態様を第1実施形態と
同様の構成によって達成することができる。この場合に
は、第1実施形態の温度調整装置13によって気体供給装
置23から供給される気体を金型の同等の温度に調整すれ
ば良い。この場合には、図6に示すように、金型を樹脂
の軟化温度未満に加熱保持し、キャビティ10内に軟化温
度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、次いで、鏡
面入れ子6、7の転写面6a、7aに樹脂圧力を発生さ
せる。また、溶融樹脂の射出充填と同時に気体供給装置
23から所定の圧力の気体をひけ発生面1dと転写面9a
の間に注入し、この注入作業をキャビティ10に溶融樹脂
の射出充填が完了するまで継続する(図6(a)(b)
参照)。
【0055】このとき、非転写面9aとひけ発生面1d
の間に気体層が形成されるため、溶融樹脂の射出充填の
完了までの間にひけ発生面1dが非転写面9aに密着し
づらくなる。溶融樹脂の射出充填作業が終了して気体の
注入を停止すると、キャビティ10内を一定の圧力に保圧
してキャビティ10内を冷却する。このとき、樹脂内圧に
よって樹脂のひけ発生面1dと非転写面9aの間に形成
されていた気体層が圧縮してつぶされて樹脂のひけ発生
面1dと非転写面9aの間に残留する(図6(c)参
照)。
【0056】そして、内圧が零に近づくにつれてこの残
留気体が膨張するため、樹脂のひけ発生面1dが非転写
面9aに接しなくなり、内圧が零になった時点でその非
転写面9aから優先して離型性が高くなる(図6(d)
参照)。そして、キャビティ10内の圧力が略零になった
ときに、上型5を下型4から離隔させて型開きしてキャ
ビティ10から成形品1を取り出す。
【0057】図7、8はプラスチック成形品の成形方法
および成形装置の他の例を示す図である。なお、本
は、成形品の形状は第1実施形態と同様であるため、成
形品の説明については図1を引用するとともに、第1実
施形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略す
る。
【0058】下型4と上型5の間にはキャビティ入れ子
を構成する複数(本では4つ)の入れ子が介装されて
いる。このキャビティ入れ子は、互いに対向して設けら
れ、成形品に鏡面1a、1bを形成する鏡面26a、27a
が形成された鏡面入れ子26、27と、この入れ子26、27を
挟んで設けられ、成形品1に基準面1cおよびひけ発生
面1dを形成する非転写面28a、29aが形成された基準
入れ子28およびひけ発生入れ子29から構成され、各入れ
子26〜29の対向面によってキャビティ 30が画成されて
いる。なお、非転写面28a、29aには微小な凹凸が形成
されている。
【0059】また、上型5には図示しないスプルーが形
成されているとともに鏡面入れ子26にはこのスプルーに
連通するスプルー26bが形成されており、キャビティ30
内にはこの図示しないスプルーおよびスプルー26bを介
して図示しない射出成形機から溶融樹脂が射出充填され
るようになっている。また、ひけ発生入れ子29には通気
孔31が形成されており、この通気孔31は一端部が下型4
に形成された通気孔32および供給管34を介して気体供給
装置36に連通されるとともに、他端部が下型4に形成さ
れた通気孔33および排気管35を介して外気に連通してい
る。
【0060】この気体供給装置36は所定の圧力に設定さ
れ、かつ、所定の温度に調整された気体(例えば、空
気)を供給管34、通気孔32を介して通気孔31に供給した
後、通気孔33および排気管35を介して排気することによ
り、ひけ発生入れ子29の非転写面29aを冷却するように
なっている。本では、金型を樹脂の軟化温度未満に加
熱した状態でキャビティ30内に軟化温度以上に加熱され
た溶融樹脂を射出充填するようになっているため、気体
制御装置36によって調整される気体の温度は鏡面入れ子
26、27および基準入れ子28の温度よりも約3℃低い温度
に設定されており、供給孔31からひけ発生面29aには鏡
面26a、27aおよび非転写面28aよりも低い温度の気体
が供給されるようになっている。
【0061】なお、本では、気体供給装置36、供給管
34、通気孔31〜33および排気管35が冷却手段を構成して
いる。次に、作用を説明する。まず、溶融樹脂の射出充
填を開始する前に気体供給装置36から所定の圧力に設定
され、かつ、所定の温度に設定された冷風を通気孔31か
ら非転写面19に供給して非転写面29aを冷却しておく。
【0062】次いで、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱
保持し、キャビティ30内に軟化温度以上に加熱された溶
融樹脂Aを射出充填し、次いで、鏡面入れ子26、27の転
写面26a、27aに樹脂圧力を発生させるとともに冷風の
供給作業をキャビティ30に溶融樹脂の射出充填が完了す
るまで継続する。このとき、鏡面1a、1bに比べて温
度が低いひけ発生面1dが先に固化されて高粘度になる
ため、溶融樹脂の射出充填の完了までの間にひけ発生入
れ子29の非転写面29aにひけ発生面1dが密着しづらく
なる。
【0063】溶融樹脂の射出充填作業が終了して冷風の
供給を停止した後に、キャビティ30内を一定の圧力に保
圧してキャビティ30内を冷却する。次いで、キャビティ
30内の圧力が略零になったときに、上型5を下型4から
離隔させて型開きしてキャビティ10から成形品1を取り
出す。この結果、第1実施形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0064】図9〜13は本発明に係るプラスチック成形
品の成形方法および成形装置の第実施形態を示す図で
あり、請求項2または3記載の発明に対応している。な
お、本実施形態では、成形品の形状は第1実施形態と同
様であるため、成形品の説明については図1を引用す
る。とともに、第1実施形態と同様の構成には同一番号
を付して説明を省略する。
【0065】下型4と上型5の間にはキャビティ入れ子
を構成する複数(本実施形態では4つ)の入れ子が介装
されている。このキャビティ入れ子は、互いに対向して
設けられ、成形品に鏡面1a、1bを形成する鏡面41
a、42aが形成された鏡面入れ子41、42と、この入れ子
41、42を挟んで設けられ、成形品1に基準面1cおよび
ひけ発生面1dを形成する非転写面43a、44aが形成さ
れた基準入れ子43aおよびひけ発生入れ子44から構成さ
れ、各入れ子41〜44の対向面によってキャビティ45が画
成されている。なお、非転写面44a、45aには微小な凹
凸が形成されている。
【0066】また、上型5には図示しないスプルーが形
成されているとともに鏡面入れ子41にはこのスプルーに
連通するスプルー41bが形成されており、キャビティ45
内にはこの図示しないスプルーおよびスプルー41bを介
して図示しない射出成形機から溶融樹脂が射出充填され
るようになっている。また、ひけ発生入れ子29には通気
孔46が形成されており、この通気孔46は一端部がキャビ
ティ45に開口するとともに他端部が連通孔47に開口して
いる。この連通孔47は下型4に形成された通気孔48およ
び供給管49を介して流量調整装置50に接続されている。
この流量調整装置50は圧力調整装置51、温度調整装置52
を介して気体供給装置53に接続されている。
【0067】気体供給装置53は気体供給源を構成してお
り、温度調整装置52はこの気体供給装置53から供給され
る気体の温度を調整するようになっている。また、圧力
調整装置51は気体供給装置53から供給される気体の圧力
を調整するようになっており、流量調整装置50は気体供
給装置53から供給される気体の流量を調整するようにな
っている。
【0068】また、連通孔47は下型4に形成された通気
孔54および排気管55を介して排気弁56に連通しており、
気体供給装置53から連通孔47に供給される気体は排気弁
56のが開放されるときに外部に排気され、排気弁56が閉
じられたときにキャビティ45内に供給されるようになっ
ている。なお、本実施形態では、流量調整装置50、圧力
調整装置51、温度調整装置52および気体供給装置53が供
給装置を構成し、この供給装置に加えて、通気孔46、連
通孔47、通気孔48、54、供給管49、排気管55および排気
弁56が気体供給手段を構成している。
【0069】次に、図11、12に基づいて作用を説明す
る。本実施形態では、溶融樹脂のひけ発生面1dの温度
を鏡面1a、1bの温度よりも低くする、溶融樹脂のひ
け発生面1dとひけ発生入れ子44の間に気体層を形成す
る、溶融樹脂のひけ発生面1dに対向するひけ発生入れ
子44の温度を鏡面入れ子41、42の温度よりも低くすると
いう方法の何れか1つ以上と、溶融樹脂のひけ発生面1
dを気体によって押圧するという方法を組合せることを
特徴とするものであり、この場合、全ての方法を組合せ
たものについて説明する。
【0070】まず、排気弁56を開き、流量調整装置50に
よって連通孔47に僅かな気体を供給してひけ発生入れ子
44を冷却する(図11(a)参照)。このとき、気体の流
量が多いと連通孔47から通気孔46を通してキャビティ45
内に気体が供給されて鏡面入れ子41、42等まで冷却して
しまうのを防止するために、キャビティ45内に気体が供
給されない程度の流量に調整する。
【0071】また、このときにひけ発生入れ子44を効果
的に冷却するために、温度調整装置52によって温度を調
整しても良い。次いで、金型を樹脂の軟化温度未満に加
熱保持した後、キャビティ30内に軟化温度以上に加熱さ
れた溶融樹脂を射出充填する前に流量調整装置50および
圧力調整装置51によって気体の流量と圧力を上げ、連通
孔47から通気孔46を介してキャビティ45内に気体を供給
した後、キャビティ45内への溶融樹脂の射出充填を開始
する(図11(b)参照)。
【0072】このとき、ひけ発生面1dに供給される気
体の量を増すことにより樹脂の冷却効果を高めることが
でき、さらに、気体の圧力を高めることによりひけ発生
面1dを押圧することができるとともにひけ発生面1d
とひけ発生入れ子44の間に空気層を形成することができ
る。次いで、樹脂の射出充填作業が終了したとき(図12
(a)参照)、排気弁56を閉じて適切な気体圧力となる
ように圧力調整装置51によって気体の圧力を調整してキ
ャビティ45内を一定の圧力に保圧してキャビティ45内を
冷却する(図12(b)(c)参照)。
【0073】次いで、キャビティ45内の圧力が略零にな
ったときに、上型5を下型4から離隔させて型開きして
キャビティ45から成形品1を取り出す。この結果、第1
実施形態と同様の効果に加えて、常にひけ発生面1dを
加圧しているため、ひけ発生入れ子44からひけ発生面1
dを確実に離型させることができ、ひけ発生面1dにひ
けをより確実に発生させることができるという効果を得
ることができる。
【0074】なお、本実施形態では、圧力調整装置51等
を設けているが、工場用エアーの設備がある場合には、
図13に示すように流量調整装置50を工場用エアー57に接
続するようにしても良い。また、実施形態では、常にひ
け発生面1dを加圧しているが、加圧せずに、少なくと
もキャビティ45内に溶融樹脂の射出充填を開始する時点
から溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、溶融樹脂の
非転写面のうちの少なくとも1箇所以上の温度を転写面
の樹脂の温度よりも低くする、溶融樹脂の非転写面のう
ちの少なくとも1箇所以上と金型の間に気体層を形成す
る、溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも1箇所以上
に対向する金型部分の温度を前記転写面に対向する金型
部分の温度よりも低くするという方法の何れか1つ以上
を組み合せるだけにしても良い。
【0075】
【発明の効果】
【0076】請求項記載の発明によれば、成形品の非
転写面を優先的にひけさせて転写面にひけが生じるのを
防止することができ、所望する転写面を短い成形サイク
ルで忠実に転写することができる。また、溶融樹脂の射
出充填が完了されて冷却工程に移行する前まで溶融樹脂
の非転写面と金型の間に気体層を形成しているため、冷
却工程中に転写面と非転写面の圧力差が大きくなること
がなく、金型の型開き後に成形品に内部歪みが残存する
ことがなく、転写面精度が低下するのを防止することが
できる上に成形品全体が変形してしまうのを防止するこ
とができる。
【0077】
【0078】請求項記載の発明によれば、成形品の非
転写面を優先的にひけさせて転写面にひけが生じるのを
防止することができ、所望する転写面を短い成形サイク
ルで忠実に転写することができる。また、溶融樹脂の射
出充填が完了されて冷却工程に移行する前まで溶融樹脂
の非転写面の間に気体層を形成したり、非転写面の温度
を転写面の温度よりも低くしているため、冷却工程中に
転写面と非転写面の圧力差や温度差が大きくなるのを防
止することができる。このため、金型の型開き後に成形
品に内部歪みが残存するのを防止することができ、転写
面の精度が低下するのを防止することができる上に成形
品全体が変形してしまうのを防止することができる。
【0079】請求項6記載の発明によれば、溶融樹脂の
非転写面の温度を下げたり、非転写面を押圧したり、あ
るいは、溶融樹脂の非転写面と金型の間に気体層を形成
して安価な構成で非転写面にひけを優先的に発生させる
ことができる。請求項7記載の発明によれば、金型に通
気孔を設け、この通気孔に供給装置を接続するだけで気
体供給手段を構成することができ、金型の構造が複雑に
なるのを防止することができる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチック成形品の成形方法お
よび成形装置の第1実施形態を示す図であり、(a)は
その成形方法によって成形された成形品の斜視図、
(b)はそのひけ発生領域を示す成形品の側面図、
(c)は同図(b)のA−A矢視断面図である。
【図2】第1実施形態の成形装置を示す図であり、
(a)は全体構成の半分の部分を示すその断面図、
(b)はそのキャビティ入れ子の斜視図である。
【図3】(a)は図2(b)のX方向断面図、(b)は
図2(b)のY方向断面図である。
【図4】本発明に係るプラスチック成形品の成形方法お
よび成形装置の第2実施形態を示す図であり、その成形
装置の半分の部分を示すその断面図である。
【図5】第2実施形態の成形方法の手順を示す図であ
る。
【図6】第2実施形態の成形方法の他の手順を示す図で
ある。
【図7】本発明に係るプラスチック成形品の成形方法お
よび成形装置の他の例を示す図であり、その成形装置の
概略上面図である。
【図8】他の例の成形方法の手順を示す図である。
【図9】本発明に係るプラスチック成形品の成形方法お
よび成形装置の第実施形態を示す図であり、その成形
装置の概略上面図である。
【図10】(a)は第実施形態のキャビティ入れ子の
斜視図、(b)は同図(a)のX方向断面図、(c)は
同図(a)のY方向断面図である。
【図11】第実施形態の成形方法の手順を示す図であ
る。
【図12】図11(b)に後続する成形方法の手順を示す
図である。
【図13】第実施形態の成形装置の他の態様を示す概
略構成図である。
【符号の説明】
1 成形品 2 成形装置 6、7、16、17、26、27、41、42 鏡面入れ子(金
型) 6a、7a、16a、17a、26a、27a、41a、42a
鏡面(転写面) 8、18、28、43 基準入れ子(金型) 9、19、29、44 ひけ発生入れ子(金型) 9a、19a、29a、44a 非転写面 11、46、48、54 通気孔(気体供給手段) 13、52 温度調整装置(供給装置、気体供給手段) 14、53 気体供給装置(供給装置、気体供給手段) 21 通気孔(気体供給手段) 22、49 供給管(気体供給手段) 31〜33 通気孔(冷却手段) 34 供給管(冷却手段) 35 排気管(気体供給手段) 36 気体供給装置(冷却手段) 47 連通孔(気体供給手段) 50 流量調整装置(供給装置、気体供給手段) 51 圧力調整装置(供給装置、気体供給手段) 55 排気管(気体供給手段) 56 排気弁(気体供給手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 清孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平10−119077(JP,A) 特開 平8−323753(JP,A) 特開 平6−315961(JP,A) 特開 平8−127032(JP,A) 特開 平9−155928(JP,A) 特開 平9−193257(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つ以上の転写面を有するとと
    もに該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の非転写面
    が形成され、該転写面および非転写面によって少なくと
    も1つ以上のキャビティが画成された金型を準備し、前
    記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を
    射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させ
    て樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以
    下に冷却し、次いで、型開きして取り出すようにしたプ
    ラスチック成形品の成形方法において、前記キャビティ
    内に溶融樹脂の射出充填を開始する時点から溶融樹脂の
    充填が完了するまでの間の溶融樹脂の射出充填中のすべ
    てにおいて、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくと
    も1箇所以上と金型の間に気体層を形成し続けることを
    特徴とするプラスチック成形品の成形方法。
  2. 【請求項2】少なくとも1つ以上の転写面を有するとと
    もに該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の非転写面
    が形成され、該転写面および非転写面によって少なくと
    も1つ以上のキャビティが画成された金型を準備し、前
    記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を
    射出充填し、次いで、前記転写面に樹脂圧力を発生させ
    て樹脂を該転写面に密着させた後、該樹脂を軟化温度以
    下に冷却し、次いで、型開きして取り出すようにしたプ
    ラスチック成形品の成形方法において、少なくとも前記
    キャビティ内に溶融樹脂の射出充填を開始する時点から
    溶融樹脂の充填が完了するまでの間の溶融樹脂の射出充
    填中に、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも1
    箇所以上の温度を前記転写面の樹脂の温度よりも低くす
    る、前記溶融樹脂の非転写面のうちの少なくとも1箇所
    以上と金型の間に気体層を形成する、前記溶融樹脂の非
    転写面のうちの少なくとも1箇所以上に対向する金型部
    分の温度を前記転写面に対向する金型部分の温度よりも
    低くするという方法の何れか1つ以上と、前記溶融樹脂
    の非転写面のうちの少なくとも1箇所以上を気体によっ
    て押圧するという方法を組合せることを特徴とするプラ
    スチック成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】請求項1、2何れかに記載のプラスチック
    成形品を成形する成形装置であって、前記金型の少なく
    とも1つ以上の非転写面から溶融樹脂の非転写面に向か
    って所定の圧力および温度に調節された気体を供給する
    気体供給手段を有することを特徴とするプラスチック成
    形品の成形装置。
  4. 【請求項4】前記気体供給手段は、非転写面を有する金
    型部分に形成されて一端部がキャビティ内に開口する通
    気孔と、該通気孔の他端部に連結され、該通気孔を通し
    てキャビティ内に所定の圧力および温度に調節された気
    体を供給する供給装置とを有することを特徴とする請求
    項3記載のプラスチック成形品の成形装置。
JP18424497A 1997-04-01 1997-07-10 プラスチック成形品の成形方法および成形装置 Expired - Lifetime JP3469047B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18424497A JP3469047B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 プラスチック成形品の成形方法および成形装置
CNB011370130A CN1162266C (zh) 1997-04-01 1998-04-01 塑料模塑品的成形方法
US09/053,050 US6287504B1 (en) 1997-04-01 1998-04-01 Plastic molding and method and apparatus for producing the same by injection molding
CN98105980A CN1080635C (zh) 1997-04-01 1998-04-01 塑料模塑品及其成形方法、模具及成形装置
CNB011370149A CN1162265C (zh) 1997-04-01 1998-04-01 塑料模塑品的成形方法和成形装置
US09/878,977 US6565346B2 (en) 1997-04-01 2001-06-13 Plastic molded article or product and method and apparatus for producing the same by injection molding
US09/878,991 US6793868B2 (en) 1997-04-01 2001-06-13 Plastic molding and method and apparatus for producing the same by injection molding
US09/878,987 US6620486B2 (en) 1997-04-01 2001-06-13 Plasting molding and method and apparatus for producing the same by injection molding

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18424497A JP3469047B2 (ja) 1997-07-10 1997-07-10 プラスチック成形品の成形方法および成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1128748A JPH1128748A (ja) 1999-02-02
JP3469047B2 true JP3469047B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=16149917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18424497A Expired - Lifetime JP3469047B2 (ja) 1997-04-01 1997-07-10 プラスチック成形品の成形方法および成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3469047B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3875475B2 (ja) * 2000-09-22 2007-01-31 株式会社リコー プラスチック成形品の製造方法及び射出成形金型
JP2007030339A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Ricoh Co Ltd プラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法
KR100745592B1 (ko) * 2005-09-06 2007-08-14 (주) 금성풍력 위치 조정 기능을 갖는 대형 송풍기

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06315961A (ja) * 1993-05-10 1994-11-15 Tohoku Munekata Kk 可視面にヒケを発生させない射出成形プラスチック製品の製造方法及びその装置
JP2821093B2 (ja) * 1994-11-02 1998-11-05 株式会社リコー プラスチック成形品の製造方法およびその成形金型
JPH08323753A (ja) * 1995-05-29 1996-12-10 Ricoh Co Ltd 光学部品成形金型および光学部品成形方法
JP3698779B2 (ja) * 1995-12-01 2005-09-21 オリンパス株式会社 光学反射ミラーの射出成形方法及び成形用金型
JPH09193257A (ja) * 1996-01-18 1997-07-29 Canon Inc レンズの成形方法及び成形型及びレンズ及び走査光学系
JP3819972B2 (ja) * 1996-10-21 2006-09-13 旭化成ケミカルズ株式会社 ガス併用射出成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1128748A (ja) 1999-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3512595B2 (ja) プラスチック成形品の成形方法およびプラスチック成形品の成形用金型
JPH10101347A (ja) 光学部品の射出成形装置及び射出成形方法
JP4108195B2 (ja) プラスチック成形品およびその成形方法
US6919120B2 (en) Plastic molding and a method and a mold assembly for producing the same
JP3469047B2 (ja) プラスチック成形品の成形方法および成形装置
JP3696420B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法
JP3867966B2 (ja) 光学素子、成形用金型、及び光学素子の製造方法
JP3875475B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法及び射出成形金型
JP2821093B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法およびその成形金型
JPH1034723A (ja) 射出成形装置
JP3279859B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法
JP2001096578A (ja) プラスチック成形装置
JPH06304973A (ja) 射出成形金型
JP3698779B2 (ja) 光学反射ミラーの射出成形方法及び成形用金型
JP2001096584A (ja) プラスチック成形装置
JP2002264193A (ja) 成形金型
JPH0421574B2 (ja)
JPH0724890A (ja) 射出成形金型および射出成形方法
JP2831959B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法およびプラスチック成形装置
JPH09262878A (ja) 射出圧縮成形方法およびその装置ならびに圧縮成形方法およびその装置
JP4053716B2 (ja) プラスチック成形品及びその成形方法
JPH11291261A (ja) プラスチック成形品の製造方法
JP2003011191A (ja) プラスチック成形品の製造方法、プラスチック成形品の成形用金型およびプラスチック成形品
JPH0834038A (ja) 射出成形金型及び成形方法
JP2002086517A (ja) プラスチック成形品の製造方法及び成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term