JP3468036B2 - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のパワーウイ
ンドウ開閉用などのモータを駆動する駆動装置に係り、
車両の海への転落などによる水没事故が生じた場合で
も、スイッチの操作に応じて的確にモータを作動させる
ことができる信頼性の高い駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のパワーウインドウなどの
開閉機構においては、ウインドウの自動反転機能や多重
通信制御等を実現する電子制御が主流になっており、駆
動原であるモータに電源供給してその動作を制御する駆
動装置としては、リレーによる駆動方式が一般的になっ
ており、この種の駆動装置の従来の基本構成は、図5又
は図6に示すようになっている。以下、この装置を説明
する。
【0003】この駆動装置は、モータ1に電源供給して
モータ1をそれぞれ正方向又は逆方向に駆動するための
リレー2,3と、モータ1のそれぞれ正方向又は逆方向
の作動を指令するためのスイッチ4,5とを有する。
【0004】ここでリレー2,3は、それぞれ励磁用の
コイル2a,3aと、コモン端子(以下、C端子とい
う。),ノルマルオープン端子(以下、N.O端子とい
う。)及びノルマルクローズド端子(以下、N.C端子
という。)を有する接点部2b,3bとよりなり、コイ
ル2a,3aの通電が行われていない非作動状態ではC
端子とN.C端子が接続された状態となり、コイル2
a,3aの通電が行われた作動状態ではC端子とN.O
端子が接続された状態となる。
【0005】これらリレー2,3のN.O端子は、電源
6(例えば、車両のバッテリーなど)に接続され、N.
C端子は、グランドに接続されている。またリレー2の
C端子は、モータ1のモータコイルの両端子のうち、電
源側に接続されたときにモータが正方向に回転する側の
端子1aに接続されている。またリレー3のC端子は、
モータ1のモータコイルの両端子のうち、電源側に接続
されたときにモータが逆方向に回転する側の端子1bに
接続されている。
【0006】またスイッチ4,5は、車両の運転者など
の操作により作動する接点をそれぞれ一つ有し、例え
ば、回動可能な共通の操作部により、該操作部が一方向
に回動された場合には、スイッチ4がオンし、他方向に
回動された場合には、スイッチ5がオンする仕組となっ
ている。そして図5の場合には、これらスイッチ4,5
の接点がリレー2,3の各コイル2a,3aを電源6に
接続するラインに設けられ、このラインが開閉操作され
るものである。また、図6の場合には、この接点がリレ
ー2,3の各コイル2a,3aをグランドに接続するラ
インに設けられ、このラインが開閉操作されるものであ
る。
【0007】上記駆動装置では、リレー2,3のコイル
2a,3aの端子の片側をスイッチ4,5の接点で直接
開閉することで、モータ1の作動制御が行われる。すな
わち、まずスイッチ4が操作されてその接点が閉じる
と、バッテリー6の電圧によりリレー2の励磁用のコイ
ル2aに電流が流れて接点部2bのみが作動し、接点部
2bのC端子とN.O端子を介してモータ1の端子1a
のみが電源に接続されてモータが正方向に作動する。一
方、スイッチ5が操作されてその接点が閉じると、バッ
テリー6の電圧によりリレー3の励磁用のコイル3aに
電流が流れて接点部3bのみが作動し、接点部3bのC
端子とN.O端子を介してモータ1の端子1bのみが電
源に接続されてモータが逆方向に作動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
駆動装置では、例えば車両が海や湖に転落して装置が水
没した場合、水質によっては、スイッチ4,5が操作さ
れていないにもかかわらずスイッチ4,5の接点に不用
意に電流が流れる現象(いわゆる、リーク)が生じて、
いざスイッチ4,5が操作されてもモータ1が正逆いず
れの方向にも作動しない状況が起こる可能性があった。
【0009】すなわち、水分中に電解質が相当濃度あっ
た場合には、この電解質によってスイッチ4,5の接点
間が導通するため、コイル2a,3aにリーク電流が流
れて、そのリーク電流の大きさによっては、リレー2,
3の各接点部2b,3bがいずれも作動してしまう。こ
の結果、モータ1のコイルの各端子1a,1bがいずれ
も電源側に接続され、その後スイッチ4,5が人為的に
操作されても回路の状態に変化はなく、モータ1が結果
として動作不能となる。
【0010】なお、スイッチ4,5の接点を防水構造と
して、上記問題点を解決することが考えられるが、これ
は実用的には容易でない。というのは、スイッチ4,5
は、車両内に露出させる必要のある押圧操作部の機械的
動作によりその接点を作動させる必要があるため、接点
をモールドすることが困難であり、防水構造とするには
構造があまりに複雑になるためである。
【0011】なお、図5,6に示した前述の駆動装置
は、スイッチによりモータ用のリレーの電源ラインを直
接開閉するものであるが、スイッチの端子電圧のオンオ
フをワンチップのマクロコンピュータなどの処理手段で
読み込み、スイッチが操作されたか否かの判定(以下、
操作判定という。)を行い、操作されたと判定されたと
きにこの処理手段の出力で前記リレーに通電してモータ
を起動制御するタイプのものもある。
【0012】しかしながら、このような処理手段により
リレーを駆動する場合でも、従来では、スイッチの端子
電圧が一定のしきい値を越えるか否かによってスイッチ
の操作判定を行っており、しかも前記しきい値はリーク
電流を特に考慮しないで設定されていたために、水没時
に前記処理手段がスイッチが操作されたと誤判定してし
まう可能性があった。またこの場合も、リレーへの通電
は、やはりリレーのコイルの一端側(電源側又はグラン
ド側)をトランジスタなどのスイッチング素子でオンオ
フ制御することで行っていたので、図5,6の装置と同
様に、水没によるリークでリレーのコイルに電流が流れ
て、モータの起動制御に支障を生じる恐れがあった。
【0013】そこで本発明は、水没事故などによるリー
クが生じた場合でも、不用意にリレーが作動せず、スイ
ッチの操作に応じて的確にモータを作動させることがで
きる信頼性の高い駆動装置を提供することを目的として
いる。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の駆動装置は、モータに電源供給して
モータを駆動するためのリレーと、モータの作動を指令
するためのスイッチとを有し、このスイッチの作動状態
に応じて、前記リレーを作動させてモータを駆動する駆
動装置であって、前記スイッチの接点の端子電圧読み
込み、この端子電圧の変化に基づいて前記スイッチが操
作されたことを判定する処理を行い、前記スイッチが操
作されたと判定された場合に前記リレーのコイルに通電
して前記リレーを作動させる制御処理手段を備え、前記
制御処理手段は、前記端子電圧が設定されたしきい値を
越えた場合に前記スイッチが操作されたと判定する構成
とされ、前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧と、
前記スイッチが操作されたときの前記端子電圧との間の
値に設定されていることを特徴とする。
【0015】請求項記載の駆動装置は、モータに電源
供給してモータを駆動するためのリレーと、モータの作
動を指令するためのスイッチとを有し、このスイッチの
作動状態に応じて、前記リレーを作動させてモータを駆
動する駆動装置であって、 前記スイッチの接点の端子電
圧を読み込み、この端子電圧の変化に基づいて前記スイ
ッチが操作されたことを判定する処理を行い、前記スイ
ッチが操作されたと判定された場合に前記リレーのコイ
ルに通電して前記リレーを作動させる制御処理手段を備
え、前記制御処理手段が、前記端子電圧の変化率を演算
し、この変化率が設定されたしきい値を越えた場合に前
記スイッチが操作されたと判定する構成とされ、前記し
きい値は、リーク時の前記端子電圧の変化率と、前記ス
イッチが操作されたときの前記端子電圧の変化率との間
の値に設定されていることを特徴とする。
【0016】請求項記載の駆動装置は、モータに電源
供給してモータを駆動するためのリレーと、モータの作
動を指令するためのスイッチとを有し、このスイッチの
作動状態に応じて、前記リレーを作動させてモータを駆
動する駆動装置であって、前記スイッチの接点の端子電
圧を読み込み、この端子電圧の変化に基づいて前記スイ
ッチが操作されたことを判定する処理を行い、前記スイ
ッチが操作されたと判定された場合に前記リレーのコイ
ルに通電して前記リレーを作動させる制御処理手段を備
えるとともに、前記リレー及び前記スイッチとして、モ
ータの正転用と逆転用の二つのリレー及びスイッチを備
え、前記制御処理手段が、前記二つのスイッチの各接点
の端子電圧を比較し、これら端子電圧の差が設定された
しきい値を越えた場合に、前記端子電圧の変化量の大き
い方のスイッチが操作されたと判定する構成とされ、前
記しきい値は、リーク時の前記端子電圧の差と、いずれ
か一方のスイッチが操作されたときの前記端子電圧の差
との間の値に設定されていることを特徴とする。
【0017】請求項記載の駆動装置は、モータに電源
供給してモータを駆動するためのリレーと、モータの作
動を指令するためのスイッチとを有し、このスイッチの
作動状態に応じて、前記リレーを作動させてモータを駆
動する駆動装置であって、前記スイッチの接点の端子電
圧を読み込み、この端子電圧の変化に基づいて前記スイ
ッチが操作されたことを判定する処理を行い、前記スイ
ッチが操作されたと判定された場合に前記リレーのコイ
ルに通電して前記リレーを作動させる制御処理手段を備
えるとともに、前記リレー及び前記スイッチとして、モ
ータの正転用と逆転用の二つのリレー及びスイッチを備
え、前記制御処理手段が、前記二つのスイッチの各接点
の端子電圧の変化率を比較し、これら端子電圧の変化率
の差が設定されたしきい値を越えた場合に、前記端子電
圧の変化率の大きい方のスイッチが操作されたと判定す
る構成とされ、前記しきい値は、リーク時の前記端子電
圧の変化率の差と、いずれか一方のスイッチが操作され
たときの前記端子電圧の変化率の差との間の値に設定さ
れていることを特徴とする。
【0018】請求項記載の駆動装置は、前記制御処理
手段が、前記リレーのコイルの電源側及びグランド側を
それぞれオンオフするスイッチング素子と、前記スイッ
チの接点の端子電圧読み込んで前記スイッチが操作さ
れたことを判定する処理を行い、前記スイッチが操作さ
れたと判定された場合に前記スイッチング素子を電源側
及びグランド側のいずれもオンする駆動信号を出力する
処理回路と、よりなることを特徴とする。
【0019】請求項記載の駆動装置は、前記制御処理
手段が、モールドされた制御回路よりなることを特徴と
する。
【0020】請求項記載の駆動装置は、モータに電源
供給してモータを駆動するためのリレーと、モータの作
動を指令するためのスイッチとを有し、このスイッチの
作動状態に応じて、前記リレーを作動させてモータを駆
動する駆動装置であって、前記スイッチの作動状態に応
じて、前記リレーのコイルの両端側が同期してオンオフ
制御され、それぞれグランド側或いは電源側に対して接
続又は切断される構成としたことを特徴とする。
【0021】請求項記載の駆動装置は、前記オンオフ
制御が、前記スイッチの作動状態に応じた制御処理手段
の指令により実行されることを特徴とする。
【0022】請求項記載の駆動装置は、前記スイッチ
として、前記リレーのコイルの両端側を同時に開閉する
スイッチを有し、このスイッチの動作により前記オンオ
フ制御が実行されることを特徴とする。
【0023】請求項10記載の駆動装置は、前記リレー
及び前記スイッチとして、モータの正転用と逆転用の二
つのリレー及びスイッチを備え、一方のスイッチの作動
状態に応じて一方のリレーが作動してモータが正転し、
他方のスイッチの作動状態に応じて他方のリレーが作動
してモータが逆転することを特徴とする。
【0024】請求項11記載の駆動装置は、前記モータ
が車両のパワーウインドウ開閉用のモータであることを
特徴とする。
【0025】請求項12記載の駆動装置は、前記モータ
が車両のサンルーフ開閉用のモータであることを特徴と
する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の各例
を図面に基づいて説明する。第1例 まず、本発明の第1例について、図1乃至図3により説
明する。図1は、本例の駆動装置の要部回路構成を示す
図であり、図2は、同装置の外観等の概略を示す図であ
る。
【0027】なお、図2(a)は同装置の平面図、図2
(b)は同装置の側面図、図2(c)は同装置の側断面
図である。また図3は、同装置の操作判定のしきい値設
定を説明する図(スイッチの端子電圧の変化を示す図)
である。なお、図5,6に示した装置と同様の構成要素
には同符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】本例の駆動装置は、図2に示すように、モ
ータ1(ここでは、図示省略)に電源供給してモータ1
を駆動するためのリレー2,3と、モータ1の作動を指
令するためのスイッチ4,5と、これらスイッチ4,5
の操作判定を行い、その判定結果によりリレー2,3の
通電制御を行う制御回路11(制御処理手段)と、装置
の電源ラインやモータへの接続ライン(リレー2,3の
前述のC端子)を、電源(例えば、車両のバッテリー)
やモータ1のコイルに接続するためのコネクタ12とを
備え、これらが共通の基板13に搭載され、ケース14
内に収納されてなるものである。
【0029】ここでスイッチ4,5は、前述した如く、
例えば図2(c)に示すような操作部15の回動操作に
より、その接点が作動する構成となっている。この場合
操作部15は、ケース14に設けられた開口から外側に
張出すように配設されて例えば車室内等に露出するよう
になっており、図2(c)の矢印で示すように引き起こ
す方向又は押し倒す方向に回動可能に支持されている。
そして、この操作部15がいずれかの方向に押圧操作さ
れることにより、ロッド15aを介してスイッチ4,5
のいずれかの押圧部が機械的に押されて対応する接点が
閉じる方向に作動する構成となっている。
【0030】制御回路11は、図1に示すように、リレ
ー2,3のコイル2a,3aの電源側をオンオフするト
ランジスタ21a,21b(スイッチング素子)と、リ
レー2,3のコイル2a,3aのグランド側をオンオフ
するトランジスタ22a,22b(スイッチング素子)
と、スイッチ4,5の接点の端子電圧の大きさを読み込
んでスイッチ4,5のいずれかが操作されたことを判定
する処理(即ち、操作判定)を行い、この判定結果に応
じて前記トランジスタの駆動信号を出力するマイクロコ
ンピュータ23(処理回路)とを備える。
【0031】またこの場合、制御回路11は、車両のバ
ッテリーなどを電源とする電源電圧が印加される電源ラ
イン24,25や、スイッチ4,5の接点の一方の端子
4a,5aをグランドに接続するための抵抗26,27
や、過電圧防止用にコイル2a,3aのグランド側とグ
ランドとの間に接続されたツェナーダイード28,29
を有し、さらに、マイクロコンピュータ23(以下、マ
イコン23という。)の入出力用の抵抗(符号省略)を
図1に示すように備えている。
【0032】なお、電源ライン24,25に供給される
電圧としては、車両のバッテリーなどの電源電圧が、必
要に応じて図示省略した変圧回路により変圧され、或い
は必要に応じて図示省略した安定化回路により安定化さ
れた所定の電圧(例えば、5V又は12V)が印加され
る。また制御回路11は、例えば各要素や回路導体が小
型基板上に搭載又は形成され、全体が樹脂モールドされ
ている。
【0033】ここで電源ライン24は、マイコン23に
電力を供給するとともに、スイッチ4,5の他方の端子
4b,5bに接続されて、スイッチ4,5の端子電圧を
生じさせる電力を供給する。すなわち、この場合スイッ
チ4,5が操作されて接点が閉じると、その接点の一方
の端子4a,5aに、抵抗26,27による電圧降下分
の端子電圧が生じる。なおこの端子電圧は、スイッチ
4,5の接点を介して流れる電流の量により変化し、接
点の接触抵抗を無視すれば、正常に接点が閉じた場合に
は電源電圧(例えば、5V又は12V)に等しくなる。
また、接点にリークが生じた場合には、そのリーク電流
に応じた電圧となる。
【0034】なお、スイッチの電源側に抵抗26,27
を接続し、スイッチ4,5の他方の端子4b,5bの電
圧を端子電圧として読み込む構成とすることもでき、こ
の場合には、スイッチが操作されて接点が閉じると、端
子電圧は電源電圧からグランドレベル(0V)となる。
即ち本例では、スイッチ信号がいわゆる正論理の態様
(スイッチオンで端子電圧がLレベルからHレベルに上
昇するアクティブハイの態様)である場合を図示して説
明しているが、本装置は、スイッチ信号がいわゆる負論
理の態様(スイッチオンで端子電圧がHレベルからLレ
ベルに下降するアクティブローの態様)であってもよ
い。
【0035】また電源ライン25は、トランジスタ21
a,21bを介してリレー2,3のコイル2a,3aの
電源側に接続され、リレー2,3を作動させるための電
圧を印加するものである。
【0036】また、マイコン23は、スイッチ4,5の
上記端子電圧がそれぞれ入力される入力端子S1,S2
と、トランジスタ21a,21b,22a,22bの駆
動信号をそれぞれ出力する出力端子a1,b1,a2,b2
とを有し、ROM等に記憶されたプログラムに従って動
作し、以下のような処理を行うものである。
【0037】すなわち、スイッチ4,5の接点の前記端
子電圧の大きさを読み込み、この端子電圧の大きさの変
化態様に基づいて、スイッチ4,5のいずれかが操作さ
れたことを、リーク時の前記端子電圧の変化と区別して
判定する操作判定を行い、そしてスイッチ4,5のいず
れかが操作されたと判定された場合に、対応するトラン
ジスタを作動させる駆動信号を出力して、リレー2,3
のコイル2a,3aのうち対応するものの電源側及びグ
ランド側を同時にオンして作動させる。
【0038】具体的には、後述するような操作判定によ
りスイッチ4が操作されたと判定された場合には、トラ
ンジスタ21a及び22aを作動させる駆動信号を出力
し、コイル2aの電源側及びグランド側を同時にオンし
てリレー2を作動させる。これにより、モータ1が正転
する。また、スイッチ5が操作されたと判定された場合
には、トランジスタ21b及び22bを作動させる駆動
信号を出力し、コイル3aの電源側及びグランド側を同
時にオンしてリレー3を作動させる。これにより、モー
タ1が逆転する。
【0039】なお、マイコン23の構成は特に限定され
ず、CPU,ROM,RAM,及び入出力回路等が一つ
のチップに形成されたワンチップのものでもよいし、各
回路が別個のチップとされたものでもよい。
【0040】次に、上述したマイコン23が行う操作判
定の各種具体例(第1乃至第4の判定方法)を説明す
る。まず、第1の判定方法について説明する。この場合
マイコン23では、各スイッチ4,5の前記端子電圧を
所定のサンプリングタイムで逐次読取り、いずれかのス
イッチの前記端子電圧が予め設定されたしきい値を越え
た場合にそのスイッチが操作されたと判定する。そして
前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧と、前記スイ
ッチが操作されたときの前記端子電圧との間の値に設定
する。
【0041】この場合具体的には、いずれかのスイッチ
が操作されてその接点が正常に閉じると、その端子電圧
は図3(a)に示すように0Vからほぼ電源電圧(例え
ば5V)に等しい値まで急激に立ち上がる。しかし、水
没などによるリークでいずれかのスイッチの接点が導通
した場合には、通常は正常に接点が閉じた場合よりも接
触抵抗が大きいので、端子電圧はその分小さくなり、図
3(b)に示すような端子電圧の変化となる。
【0042】このため、水没などのリークにより最終的
に到達する端子電圧の最大値を実験などにより求め、こ
のリーク時の端子電圧の値よりも大きくて電源電圧より
も十分小さい値にしきい値を設定すれば、リーク時の端
子電圧の変化と区別して、いずれかのスイッチが操作さ
れたことが確実に判定できる。なお、非操作時にはスイ
ッチの端子電圧がハイレベルにあり、スイッチの操作に
より端子電圧がグランドレベルまで低下する構成とした
場合には、リーク時の端子電圧の値よりも小さくてグラ
ンドレベルよりも十分大きい値にしきい値を設定し、端
子電圧がこのしきい値を下回った場合にスイッチが操作
されたと判定する構成とすればよい。
【0043】次に、第2の判定方法について説明する。
この場合マイコン23では、各スイッチ4,5の前記端
子電圧の変化率を所定周期で逐次演算し、この変化率が
予め設定されたしきい値を越えた場合に、しきい値を越
えた端子電圧のスイッチが操作されたと判定する。そし
て前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧の変化率
と、前記スイッチが操作されたときの前記端子電圧の変
化率との間の値に設定する。
【0044】この場合具体的には、いずれかのスイッチ
が操作されてその接点が正常に閉じると、その端子電圧
は図3(a)に示すように0Vからほぼ電源電圧(例え
ば5V)に等しい値まで急激に立ち上がる。しかし、水
没などによるリークでいずれかのスイッチの接点が導通
する場合には、接触抵抗は徐々に低下するので、端子電
圧も徐々に増加して、図3(b)に示すような端子電圧
の変化となる。
【0045】このため、水没などのリークによる端子電
圧の変化率の最大値を実験などにより求め、このリーク
時の端子電圧の変化率の値よりも大きくて、正常な操作
時の端子電圧の変化率よりも十分小さい値にしきい値を
設定すれば、リーク時の端子電圧の変化と区別して、い
ずれかのスイッチが操作されたことが確実に判定でき
る。なお、非操作時にはスイッチの端子電圧がハイレベ
ルにあり、スイッチの操作により端子電圧がグランドレ
ベルまで低下する構成とした場合にも、端子電圧の変化
率の符号がマイナスになるだけで、絶対値としての関係
は同じであるので、前記変化率を絶対値として取扱え
ば、同様のしきい値による同様の判定が可能である。
【0046】次に、第3の判定方法について説明する。
この場合マイコン23では、各スイッチ4,5の各接点
の端子電圧を所定周期で逐次比較し、これら端子電圧の
差が予め設定されたしきい値を越えた場合に、前記端子
電圧の変化量の大きい方のスイッチが操作されたと判定
する。そして前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧
の差と、いずれか一方のスイッチが操作されたときの前
記端子電圧の差との間の値に設定する。
【0047】この場合具体的には、各スイッチの端子電
圧は、非操作時でリークなしの場合にはいずれも0Vで
等しい値となっているが、いずれか一方のスイッチが操
作されてその接点が正常に閉じると、その端子電圧は図
3(a)に示すようにほぼ電源電圧(例えば5V)に等
しい値まで急激に立ち上がり、他方のスイッチの端子電
圧とは大きく異なる値となる。しかも、水没などによる
リークで操作されていない他方のスイッチの接点が導通
する場合でも、その端子電圧は通常比較的小さいので、
操作された一方のスイッチの端子電圧と操作されていな
い他方のスイッチの端子電圧との差は、非操作時にリー
クにより各端子電圧の値に差がでる場合と比較しても大
きな値となる。
【0048】このため、水没などのリークによる各端子
電圧の差の最大値を実験などにより求め、このリーク時
の各端子電圧の差の値よりも大きくて、正常な操作時の
各端子電圧の差よりも十分小さい値にしきい値を設定す
れば、リーク時の端子電圧の変化と区別して、いずれか
のスイッチが操作されたことが確実に判定できる。なお
記述したように、本装置は、スイッチ信号がいわゆる負
論理の態様でもよく、上述の説明における 前記端子電
圧の変化量の大きい方のスイッチが操作されたと判定す
とは、前記端子電圧がより大きく変化した方(正論
理の場合には高電位側であり、負論理の場合には低電位
側)のスイッチが操作されたと判定するということを意
味する。
【0049】次に、第4の判定方法について説明する。
この場合マイコン23は、各スイッチ4,5の各接点の
端子電圧の変化率を所定周期で逐次比較し、これら端子
電圧の変化率の差が設定されたしきい値を越えた場合
に、前記端子電圧の変化率の大きい方のスイッチが操作
されたと判定する。そして前記しきい値は、リーク時の
前記端子電圧の変化率の差と、いずれか一方のスイッチ
が操作されたときの前記端子電圧の変化率の差との間の
値に設定する。
【0050】この場合具体的には、いずれかのスイッチ
が操作されてその接点が正常に閉じると、その端子電圧
は前述したように急激に立ち上がり、他方のスイッチの
端子電圧とはその変化率が大きく異なる値となる。しか
も、水没などによるリークで操作されていない他方のス
イッチの接点が導通する場合でも、その端子電圧の変化
率は格段に小さいので、操作された一方のスイッチの端
子電圧の変化率と操作されていない他方のスイッチの端
子電圧の変化率との差は、非操作時にリークにより各端
子電圧の変化率の値に差がでる場合と比較しても大きな
値となる。
【0051】このため、水没などのリークによる各端子
電圧の変化率の差の最大値を実験などにより求め、この
リーク時の端子電圧の変化率の差よりも大きくて、正常
な操作時の端子電圧の変化率の差よりも十分小さい値に
しきい値を設定すれば、リーク時の端子電圧の変化と区
別して、いずれかのスイッチが操作されたことが確実に
判定できる。
【0052】以上説明した本例の駆動装置によれば、上
述したような操作判定がマイコン23で行われ、この判
定結果に基づいてマイコン23の前述の制御で、トラン
ジスタ21a及び22a、或いはトランジスタ21b及
び22bが駆動されて、リレー2a又は3aのいずれか
が通電され、モータ1が操作指令どおりの方向に回転す
る。
【0053】これにより、水没事故が生じた場合でも、
スイッチの操作に応じて的確にモータを作動させること
ができ、装置の信頼性が向上する。すなわち、まず、い
ずれかのスイッチ4,5が操作されたことは、前述した
マイコン23の操作判定の処理によって、リークと区別
して確実に判定される。このため、水没事故によるスイ
ッチ4,5の接点でのリークに起因して、スイッチ4,
5の操作判定が誤判定される可能性は極めて低い。
【0054】また、レリー2,3のコイル2a,3aへ
の通電のためのラインの開閉は、トランジスタ21a及
び22a、或いはトランジスタ21b及び22bのスイ
ッチング動作により、コイル2a,3aの両端側で行わ
れる。つまり、スイッチ4,5のいずれかが操作されな
い限り、コイル2a,3aはいずれも両端側がラインか
ら確実に切断された状態にある。このため、水没により
制御回路11の各端子間の絶縁抵抗が低下しても、コイ
ル2a,3aに印加されるべき電圧によるリーク電流は
電源側(この場合、例えば電源ライン25が接続された
端子)から直接アース側(例えば、制御回路11の図示
しないアース端子)に流れるのみであり、コイル2a,
3aには流れない。
【0055】従って、水没事故によりモータ1に電源供
給するリレー2,3が不用意に作動してしまう現象や、
また水没事故が起こった後にスイッチの操作が効かなく
なるという不具合が、信頼性高く防止できる。そして本
例の駆動装置が、車両のパワーウインドウ開閉用のモー
タや、サンルーフ開閉用のモータに適用されれば、車両
の水没事故が発生した場合でも、パワーウインドウやサ
ンルーフの開閉操作が確実に可能となり、車室からの脱
出が容易に可能で安全性が高まる。
【0056】なお本例では、マイコン23を含む制御回
路11の全体が樹脂モールドされているため、水没によ
り制御回路11が短時間で故障してしまうことも、信頼
性高く回避される。従ってこの点からも、モータ駆動制
御の信頼性がより高くなる。
【0057】第2例 次に、本発明の第2例について説明する。図4は、本例
の駆動装置の回路構成を示す図である。なお、図5,6
の装置と同様の要素には同符号を使用して重複する説明
を省略する。本例では、図5,6の装置におけるスイッ
チ4,5の代りに、2接点式のスイッチ40,50を備
える。
【0058】スイッチ40,50は、それぞれ、操作部
15の操作により同時に作動する二つの接点41,42
或いは接点51,52を有する。そして、スイッチ40
の接点41,42は、リレー2のコイル2aの両側(電
源側及びグランド側)にそれぞれ接続され、また、スイ
ッチ50の接点51,52は、リレー3のコイル3aの
両側(電源側及びグランド側)にそれぞれ接続されてい
る。
【0059】本例の駆動装置では、スイッチ40が操作
されてその接点41,42が閉じることにより、コイル
2aの両側が電源側或いはグランド側にそれぞれ接続さ
れてコイル2aに通電され、リレー2が作動してモータ
1が正転する。また、スイッチ50が操作されてその接
点51,52が閉じることにより、コイル3aの両側が
電源側或いはグランド側にそれぞれ接続されてコイル3
aに通電され、リレー3が作動してモータ1が逆転す
る。
【0060】そして、水没事故によりスイッチ40,5
0の接点においてリークが生じても、電源6の電圧によ
るリーク電流はコイル2a,3aには流れず、不用意に
リレー2,3が作動して誤動作やモータ1の起動不能事
故が生じることはない。
【0061】つまり本例の回路構成によれば、スイッチ
40,50の非操作状態では、リレー2,3のコイル2
a,3aの両端側(電源側及びグランド側)がラインか
ら切断されているため、水没事故が生じても、リーク電
流は電源側(この場合、図4で符号41a,51aで示
す端子)から直接アース側(この場合、図4で符号42
a,52aで示す端子)に流れるのみであり、コイル2
a,3aには流れない。このため、水没事故が生じた際
にも、モータ駆動用のリレー2,3が不用意に作動して
しまうことがなく、スイッチ40,50に応じたモータ
1の動作が確実に実現され、駆動装置として信頼性が格
段に向上する。
【0062】なお、本発明は上記形態例に限られず、各
種の態様や変形があり得る。例えば、上記第1例(図
1)の場合のように、マイコン等の制御処理によりモー
タの駆動制御を行う場合には、スイッチの操作によら
ず、マイコン等の特別な処理機能によりモータの駆動制
御を行うようにしてもよい。すなわち、例えば車両のパ
ワーウインドウ開閉用、或いはサンルーフ開閉用のモー
タの場合に、挟み込みを検出して自動的にモータを逆転
させてウインドウなどを開動させる自動反転機能や、多
重通信などの方式により送信された信号に応じてウイン
ドウなどの開閉を行う通信制御機能を有していてもよ
い。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の駆動装置では、制御処理
手段が、スイッチの接点の端子電圧読み込み、この端
子電圧が設定されたしきい値を越えた場合にスイッチが
操作されたと判定し、スイッチが操作されたと判定され
た場合にモータ駆動用のリレーのコイルに通電して前記
リレーを作動させる。そして上記しきい値は、リーク時
の前記端子電圧と、スイッチが操作されたときの前記端
子電圧との間の値に設定されている。
【0064】このため、水没事故などによるスイッチ接
点のリークによって、モータ駆動用のリレーが不用意に
作動してしまい、スイッチによるモータの操作が不能に
なるといった不具合が回避される。即ち、リークによる
前記端子電圧の変化ではスイッチが操作されたとは確実
に判定されず、スイッチが操作されて初めて前記端子電
圧がしきい値を越えて操作判定されるので、スイッチの
操作判定がリークと区別して確実になされるようにな
り、水没事故に対してもモータ操作の信頼性が高まる。
【0065】また請求項記載の駆動装置では、制御処
理手段が、前記端子電圧の変化率を演算して、この変化
率が設定されたしきい値を越えた場合にスイッチが操作
されたと判定し、この場合のしきい値は、リーク時の端
子電圧の変化率と、スイッチが操作されたときの前記端
子電圧の変化率との間の値に設定されている。
【0066】このため、リークによる前記端子電圧の変
化ではスイッチが操作されたとは判定されず、スイッチ
が操作されて初めて前記端子電圧の変化率がしきい値を
越えて操作判定されるので、スイッチの操作判定がリー
クと区別して確実になされるようになり、水没事故に対
してもモータ操作の信頼性が高まる。
【0067】なお、このような変化率に基づく操作判定
であると、単に前記端子電圧の大きさをしきい値と比べ
る場合と比較して、しきい値の設定が容易になり、信頼
性の向上が容易になるという特有の効果がある。
【0068】というのは、水没などによる絶縁抵抗の低
下は、水質などの条件によらず必ず徐々に進行し、それ
によるリーク電流の増加(即ち、端子電圧の変化)は、
図3に示すように緩やかに生じる。これに対してスイッ
チを操作した場合の端子電圧の変化は、図3に示すよう
に瞬時の変化となる。このため、リーク時の端子電圧の
変化率と、スイッチが操作されたときの端子電圧の変化
率との間には、必ず大きな差があり、上記しきい値の設
定範囲が常に大きいからである。
【0069】また請求項記載の駆動装置では、モータ
の正転用と逆転用の二つのリレー及びスイッチを備え、
制御処理手段が、二つのスイッチの各接点の端子電圧を
比較し、これら端子電圧の差が設定されたしきい値を越
えた場合に、前記端子電圧の変化量の大きい方のスイッ
チが操作されたと判定する構成とされ、この場合のしき
い値は、リーク時の前記端子電圧の差と、いずれか一方
のスイッチが操作されたときの前記端子電圧の差との間
の値に設定されている。
【0070】このため、リークによる前記端子電圧の変
化ではスイッチが操作されたとは判定されず、いずれか
一方のスイッチが操作されて初めて前記端子電圧の差が
しきい値を越えて操作判定されるので、スイッチの操作
判定がリークと区別して確実になされるようになり、水
没事故に対してもモータ操作の信頼性が高まる。
【0071】というのは、水没などによるリークは、通
常いずれのスイッチの接点でも同時に生じるので、リー
ク時の前記端子電圧の変化は、二つのスイッチについて
同様に生じる。このため、リーク時の各スイッチの前記
端子電圧の差は、ほとんど0に近い値となる。これに対
して、いずれか一方のスイッチが操作されたときの前記
端子電圧の差は、操作されていない他方のスイッチの接
点でリークが生じている場合でも、ある程度の大きさを
もつので、これら差の値の間の値として設定されたしき
い値による上記判定で、操作判定が確実になされる。
【0072】また請求項記載の駆動装置では、モータ
の正転用と逆転用の二つのリレー及びスイッチを備え、
制御処理手段が、前記二つのスイッチの各接点の端子電
圧の変化率を比較し、これら端子電圧の変化率の差が設
定されたしきい値を越えた場合に、前記端子電圧の変化
率の大きい方のスイッチが操作されたと判定する構成と
され、この場合のしきい値は、リーク時の前記端子電圧
の変化率の差と、いずれか一方のスイッチが操作された
ときの前記端子電圧の変化率の差との間の値に設定され
ている。
【0073】このため、リークによる前記端子電圧の変
化ではスイッチが操作されたとは判定されず、いずれか
一方のスイッチが操作されて初めて前記端子電圧の変化
率の差がしきい値を越えて操作判定されるので、スイッ
チの操作判定がリークと区別して確実になされるように
なり、水没事故に対してもモータ操作の信頼性が高ま
る。
【0074】というのは、水没などによるリークは、前
述したように二つのスイッチについて同様に生じる。こ
のため、リーク時の各スイッチの前記端子電圧の変化率
の差も、ほとんど0に近い値となる。これに対して、い
ずれか一方のスイッチが操作されたときの前記端子電圧
の変化率の差は、操作されていない他方のスイッチの接
点でリークが生じている場合でも、ある程度の大きさを
もつので、これら差の値の間の値として設定されたしき
い値による上記判定で、操作判定が確実になされる。
【0075】なお、このような変化率に基づく操作判定
であると、前記端子電圧の大きさの差をしきい値と比べ
る場合と比較して、請求項記載の場合と同様にしきい
値の設定が容易になり、信頼性の向上が容易になるとい
う特有の効果がある。
【0076】また請求項記載の駆動装置では、制御処
理手段が、リレーコイルの電源側及びグランド側をそれ
ぞれオンオフするスイッチング素子と、これらスイッチ
ング素子の駆動信号を出力する処理回路とを有する。そ
して処理回路が、スイッチの接点の端子電圧読み込ん
で前記操作判定を行い、スイッチが操作されたと判定さ
れた場合に前記スイッチング素子を電源側及びグランド
側のいずれもオンする駆動信号を出力する。
【0077】すなわち、前述したような操作判定が処理
回路で行われ、この判定結果に基づいて処理回路の制御
で前記スイッチング素子が駆動され、リレーが通電され
てモータが操作指令どおりに回転する。
【0078】これにより、水没事故が生じた場合でも、
スイッチの操作に応じて的確にモータを作動させること
ができ、装置の信頼性が向上する。
【0079】すなわち、まず、スイッチが操作されたこ
とは、前述した操作判定によって、リークと区別して確
実に判定される。このため、水没事故によるスイッチの
接点でのリークに起因して、スイッチの操作判定が御判
定される可能性は極めて低い。
【0080】また、リレーコイルへの通電のためのライ
ンの開閉は、スイッチング素子のスイッチング動作によ
り、コイルの両端側で行われる。つまり、スイッチが操
作されない限り、コイルはいずれも両端側がラインから
確実に切断された状態にある。このため、水没により制
御処理手段の各端子間の絶縁抵抗が低下しても、コイル
に印加されるべき電圧によるリーク電流は電源側端子か
ら直接アース側端子に流れるのみであり、リレーコイル
には流れない。
【0081】従って、水没事故によりモータに電源供給
するリレーが不用意に作動してしまう現象や、また水没
事故が起こった後にスイッチの操作が効かなくなるとい
う不具合が、信頼性高く防止できる。
【0082】また請求項記載の駆動装置では、制御処
理手段が、モールドされた制御回路よりなるため、水没
により制御処理手段が短時間で故障してしまうことも、
信頼性高く回避される。従ってこの点からも、モータ駆
動制御の信頼性がより高くなる。
【0083】請求項乃至10記載の駆動装置では、ス
イッチの操作に応じて、モータ駆動用のリレーのコイル
の両端側が同期してオンオフ制御され、それぞれグラン
ド側或いは電源側に対して接続又は切断される。
【0084】このため、スイッチが操作されることによ
り、リレーコイルの両側が電源側或いはグランド側にそ
れぞれ接続されてコイルに通電され、リレーが作動して
モータが作動する。そして、水没事故によりスイッチの
接点においてリークが生じても、リレーコイルに印加さ
れるべき電源電圧によるリーク電流はコイルには流れ
ず、不用意にリレーが作動して誤動作やモータの起動不
能事故が生じることはない。
【0085】つまり、本装置の構成によれば、スイッチ
の非操作状態では、リレーコイルの両端側(電源側及び
グランド側)がラインから切断されているため、水没事
故が生じても、リーク電流は電源側端子から直接アース
側端子に流れるのみであり、コイルには流れない。この
ため、水没事故が生じた際にも、モータ駆動用のリレー
が不用意に作動してしまうことがなく、スイッチに応じ
たモータの動作が確実に実現され、駆動装置として信頼
性が格段に向上する。
【0086】また請求項11記載のように、本発明の駆
動装置が車両のパワーウインドウ開閉用のモータに適用
されれば、車両の水没事故が発生した場合でも、パワー
ウインドウの開閉操作が確実に可能となり、車室からの
脱出が容易に可能で車両の安全性が高まる。
【0087】また請求項12記載のように、本発明の駆
動装置が車両のサンルーフ開閉用のモータに適用されれ
ば、車両の水没事故が発生した場合でも、サンルーフの
開閉操作が確実に可能となり、車室からの脱出が容易に
可能で車両の安全性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である駆動装置の構成を示す回
路図である。
【図2】同装置の外観等の概略を示す平面図、側面図、
側断面図である。
【図3】スイッチの端子電圧の変化を示す図である。
【図4】本発明の第2例である駆動装置の構成を示す回
路図である。
【図5】従来の駆動装置の構成例を示す回路図である。
【図6】従来の駆動装置の他の構成例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
1 モータ 2,3 リレー 2a,3a リレーのコイル 4,5 スイッチ 11 制御回路(制御処理手段) 21a,21b トランジスタ(スイッチング素子) 22a,22b トランジスタ(スイッチング素子) 23 マイクロコンピュータ(処理回路) 40,50 スイッチ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 1/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータに電源供給してモータを駆動する
    ためのリレーと、モータの作動を指令するためのスイッ
    チとを有し、このスイッチの作動状態に応じて、前記リ
    レーを作動させてモータを駆動する駆動装置であって、 前記スイッチの接点の端子電圧読み込み、この端子電
    の変化に基づいて前記スイッチが操作されたことを
    定する処理を行い、前記スイッチが操作されたと判定さ
    れた場合に前記リレーのコイルに通電して前記リレーを
    作動させる制御処理手段を備え 前記制御処理手段は、前記端子電圧が設定されたしきい
    値を越えた場合に前記スイッチが操作されたと判定する
    構成とされ、 前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧と、前記スイ
    ッチが操作されたときの前記端子電圧との間の値に設定
    されている ことを特徴とする駆動装置。
  2. 【請求項2】 モータに電源供給してモータを駆動する
    ためのリレーと、モータの作動を指令するためのスイッ
    チとを有し、このスイッチの作動状態に応じて、前記リ
    レーを作動させてモータを駆動する駆動装置であって、 前記スイッチの接点の端子電圧を読み込み、この端子電
    圧の変化に基づいて前記スイッチが操作されたことを判
    定する処理を行い、前記スイッチが操作されたと判定さ
    れた場合に前記リレーのコイルに通電して前記リレーを
    作動させる制御処理手段を備え、 前記制御処理手段は、前記端子電圧の変化率を演算し、
    この変化率が設定されたしきい値を越えた場合に前記ス
    イッチが操作されたと判定する構成とされ、 前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧の変化率と、
    前記スイッチが操作されたときの前記端子電圧の変化率
    との間の値に設定されていることを特徴とする駆動装
    置。
  3. 【請求項3】 モータに電源供給してモータを駆動する
    ためのリレーと、モータの作動を指令するためのスイッ
    チとを有し、このスイッチの作動状態に応じて、前記リ
    レーを作動させてモータを駆動する駆動装置であって、 前記スイッチの接点の端子電圧を読み込み、この端子電
    圧の変化に基づいて前記スイッチが操作されたことを判
    定する処理を行い、前記スイッチが操作されたと判定さ
    れた場合に前記リレーのコイルに通電して前記リレーを
    作動させる制御処理手段を備えるとともに、 前記リレー及び前記スイッチとして、モータの正転用と
    逆転用の二つのリレー及びスイッチを備え、 前記制御処理手段は、前記二つのスイッチの各接点の端
    子電圧を比較し、これら端子電圧の差が設定されたしき
    い値を越えた場合に、前記端子電圧の変化量の大きい方
    のスイッチが操作されたと判定する構成とされ、 前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧の差と、いず
    れか一方のスイッチが操作されたときの前記端子電圧の
    差との間の値に設定されていることを特徴とする駆動装
    置。
  4. 【請求項4】 モータに電源供給してモータを駆動する
    ためのリレーと、モータの作動を指令するためのスイッ
    チとを有し、このスイッチの作動状態に応じて、前記リ
    レーを作動させてモータを駆動する駆動装置であって、 前記スイッチの接点の端子電圧を読み込み、この端子電
    圧の変化に基づいて前記スイッチが操作されたことを判
    定する処理を行い、前記スイッチが操作されたと判定さ
    れた場合に前記リレーのコイルに通電して前記リレーを
    作動させる制御処理手段を備えるとともに、 前記リレー及び前記スイッチとして、モータの正転用と
    逆転用の二つのリレー及びスイッチを備え、 前記制御処理手段は、前記二つのスイッチの各接点の端
    子電圧の変化率を比較し、これら端子電圧の変化率の差
    が設定されたしきい値を越えた場合に、前記端子電圧の
    変化率の大きい方のスイッチが操作されたと判定する構
    成とされ、 前記しきい値は、リーク時の前記端子電圧の変化率の差
    と、いずれか一方のスイッチが操作されたときの前記端
    子電圧の変化率の差との間の値に設定されていることを
    特徴とする駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記制御処理手段は、 前記リレーのコイルの電源側及びグランド側をそれぞれ
    オンオフするスイッチング素子と、 前記スイッチの接点の端子電圧読み込んで、前記スイ
    ッチが操作されたことを判定する前記処理を行い、前記
    スイッチが操作されたと判定された場合に前記スイッチ
    ング素子を電源側及びグランド側のいずれもオンする駆
    動信号を出力する処理回路と、 よりなることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記
    載の駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記制御処理手段は、モールドされた制
    御回路よりなることを特徴とする請求項1乃至の何れ
    かに記載の駆動装置。
  7. 【請求項7】 モータに電源供給してモータを駆動する
    ためのリレーと、モータの作動を指令するためのスイッ
    チとを有し、このスイッチの作動状態に応じて、前記リ
    レーを作動させてモータを駆動する駆動装置であって、 前記スイッチの作動状態に応じて、前記リレーのコイル
    の両端側が同期してオンオフ制御され、それぞれグラン
    ド側或いは電源側に対して接続又は切断される構成とし
    たことを特徴とする駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記オンオフ制御は、前記スイッチの作
    動状態に応じた制御処理手段の指令により実行されるこ
    とを特徴とする請求項記載の駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記スイッチとして、前記リレーのコイ
    ルの両端側を同時に開閉するスイッチを有し、このスイ
    ッチの動作により前記オンオフ制御が実行されることを
    特徴とする請求項記載の駆動装置。
  10. 【請求項10】 前記リレー及び前記スイッチとして、
    モータの正転用と逆転用の二つのリレー及びスイッチを
    備え、一方のスイッチの作動状態に応じて一方のリレー
    が作動してモータが正転し、他方のスイッチの作動状態
    に応じて他方のリレーが作動してモータが逆転すること
    を特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の駆動装
    置。
  11. 【請求項11】 前記モータが車両のパワーウインドウ
    開閉用のモータであることを特徴とする請求項1乃至
    の何れかに記載の駆動装置。
  12. 【請求項12】 前記モータが車両のサンルーフ開閉用
    のモータであることを特徴とする請求項1乃至10の何
    れかに記載の駆動装置。
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