JP3466588B2 - エンジンの潤滑構造 - Google Patents
エンジンの潤滑構造Info
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Description
ンの潤滑構造、とくに、シリンダヘッド内にある2本の
ロッカーアームシャフトの外周面と各ロッカーアームと
の間に適切に潤滑油を供給する潤滑構造に関するもので
ある。
よび排気弁を開閉する手段としてカムシャフトやロッカ
ーアームシャフトなど動弁系の機構が配置されている。
動弁系には、ロッカーアームシャフトとそれらに支持さ
れたロッカーアームとの摺動面などのように部品同士の
擦れ合う部分が多く含まれている関係で、十分に潤滑油
を供給する必要がある。
ドに潤滑油を供給するためには、エンジンの外部に管を
設けて潤滑油を送るのが通常である。たとえば、図6に
示す従来の一般的なエンジン1’において、クランクケ
ース2’内の潤滑油は、同ケース2’内にあるオイルポ
ンプ(図示せず)により、フィルター23’を通したう
え外部配管5内を上方に送ってシリンダヘッド4’にま
で供給する。図中の符号3’はシリンダ、符号6’はシ
リンダヘッド4’内の動弁系の部品であるカムシャフ
ト、符号7’・8’は、やはり動弁系部品であるロッカ
ーアームシャフトを示している。また、符号5aは、ク
ランクケース2’の内部の経路と外部配管5とを接続す
る継手を示し、中心部と側部とに通孔を有するボルト
と、その側部の通孔と外部配管5とをつなぐ部品とを含
んでいる。一方、符号5bは、外部配管5とシリンダヘ
ッド4’の内部とをつなぐ同様の継手を示している。な
お、図6のものと同様に外部配管を通して潤滑油をシリ
ンダヘッドに送るエンジンは、特開平9−88537号
公報にも記載されている。
ャフトが2本配置された図6のようなエンジンにおいて
は、一般に、ロッカーアームシャフトへ向かう潤滑油の
経路が二つ設けられる。すなわち、図6に示す外部配管
5を2本並列に使用したり、上部の継手5bの付近に二
股の分岐管を接続したりすることにより、各ロッカーア
ームシャフト(ロッカーアームとの摺動部)に潤滑油を
供給する。どちらか一方のロッカーアームシャフトにの
み潤滑油の経路を設けることとし他方へは潤滑油を供給
しないで足りる場合もあるが、そのようなケースは、ロ
ッカーアームの運動にともなう摩擦上の負荷が少ないエ
ンジンに限られている。
潤滑油を、エンジンの外部に設けた配管(図6の外部配
管5など)に通す場合には、その配管を構成しまたは支
持する多数の部品のために、製作や組立に要するコスト
が高くなる。またさらに、2本あるロッカーアームシャ
フトのそれぞれに潤滑油を供給すべく上記のように潤滑
油の経路を二つ設けるとしたら、潤滑油の供給に関する
コストは一層増大する。外部配管を2本並列に使用する
ことも、二股の分岐管を取り付けたりシリンダヘッド内
に分岐形の流路を形成したりすることも、構成は単純で
なく相当のコストを要するからである。
る潤滑油の二つの経路を並列に配置しまたは途中から分
岐させて設ける方法では、両方の経路について内径や長
さ、接続状態等を均等にしなければならないという製作
上の負担もともなう。それらが均等でないと、潤滑油の
流れに対する抵抗が大きく異なる結果、経路間で潤滑油
流量(供給量)のアンバランスが生じることもあるから
である。
したもので、2本あるロッカーアームシャフトに対し、
経路を二つ設けるという上記の構成によらずに潤滑油を
適切に供給できるエンジンの潤滑構造、さらには、併せ
て外部配管を極力不要にできる潤滑構造を提供しようと
するものである。
ジンの潤滑構造は、シリンダヘッド内にある2本のロッ
カーアームシャフトとそれらに支持されたロッカーアー
ムとの間に潤滑油を供給する構造に関し、 ・ 各ロッカーアームシャフトを中空のものとし、ロッ
カーアームの支持位置で内外間(つまり内側の中空部と
外周面との間)に通孔を形成し、 ・ 一方のロッカーアームシャフトの一端部に向けて潤
滑油の供給経路を設けるとともに、そのロッカーアーム
シャフトの他の側の端部から他方のロッカーアームシャ
フトの端部にまで潤滑油の通路を形成したことを特徴の
一つとする。この特徴部分は、たとえば図4(a)の例
のように構成される。図4(a)において符号52・5
3がロッカーアームシャフト、同52h・53hがロッ
カーアームであり、符号52a・53aが中空部、同5
2b・53bが通孔、同41dが一方のロッカーアーム
シャフトの一端部へ至る潤滑油の供給経路、そして同4
3が、ロッカーアームシャフト端部同士の間の潤滑油の
通路である。
滑油は、上記した供給経路から一方のロッカーアームシ
ャフトに向けて送られるだけで、2本のロッカーアーム
シャフトにおける必要部分に供給される。すなわち、ま
ず、上記の供給経路から一方のロッカーアームシャフト
の一端部に至った潤滑油は、そのロッカーアームシャフ
トの中空部に入って他の側の端部に達し、さらに上記し
た通路を経て他方のロッカーアームシャフトの端部に至
り、その中空部に流入する。各ロッカーアームシャフト
には、ロッカーアームを支持する位置において内外間に
通孔が形成されているので、双方の中空部に流入した潤
滑油はそれぞれの通孔から外周面に流出して、ロッカー
アームとの摺動面間に到達するのである。
み潤滑油を供給すればよいので、クランクケース等から
ロッカーアームシャフトへ至る潤滑油の経路が単純なも
ので足りる。外部配管を2本並列に取り付ける必要はな
く、また二股の分岐管を使用する必要もないのである。
他方のロッカーアームシャフトの中空部とはいわば直列
に通じ合うので、供給圧力が十分である以上は、的確
に、潤滑油は双方の中空部内に供給される。したがっ
て、各ロッカーアームシャフトにおいて内外間に設ける
通孔につき内径や長さに極端な差異がない限り、いずれ
の給油箇所にも偏ることなく潤滑油を供給できる。
とくに、上記した潤滑油の通路を、2本のロッカーアー
ムシャフトを支えるべくそれらの端部が挿入された支持
部材の表面と、当該表面上に取り付けられた板との間に
形成したことをも特徴とする。なお、上記の支持部材は
シリンダヘッド内の部材であるが、シリンダヘッドと一
体のものでも、別体であってシリンダヘッドに組み付け
られるものでもよい。
方のロッカーアームシャフトの端部とをつなぐ前述の通
路は、エンジンの外部に配置する管(外部配管)であっ
てもよく、シリンダヘッド等の肉部を貫いて形成される
ものであってもよい。しかし製造上は、その通路は、上
に記載のとおりロッカーアームシャフトの支持部材の表
面とそれに取り付けられる板との間に形成するのがとく
に有利である。それらの一方または双方に溝を形成して
おいてそれらを接合すれば、潤滑油を送るに必要な通路
が容易にできあがるからである。管や継手、支持部品等
をエンジンの外部に取り付ける必要がなく、シリンダヘ
ッド等の肉部に十分なスペースを見つけて穴の成型や機
械加工を施す必要もない。
さらに、上記した潤滑油の通路を、上記支持部材の表面
上に鋳造にて設けた溝と、支持部材の表面上に取り付け
てその溝を覆う平らな板とによって形成したことを特徴
とする。
をつなぐ上記の通路は、上記したように支持部材の表面
とその上に取り付けられる板との間に形成するのが好ま
しいが、この記載にしたがうのが製造上さらに有利であ
る。ロッカーアームシャフトを支える上記の支持部材は
基本部分が鋳造によって形づくられるのが一般であるた
め、その鋳造時に表面上に上記の溝を付けるのは困難で
なく、鋳造後に溝を機械加工する場合とは違って特別な
工程を必要ともしない。また、支持部材の側の表面にそ
うして溝を付ければ、溝を設けていない平らな板をボル
ト等によって当該表面上に取り付けるだけで上記の通路
を形成できる。表面に溝のある板は鋳造やプレス、機械
加工等によらないと作れないが、溝のない平らな板であ
れば市販の金属板を切り抜くだけで製作できる。上記の
通路からシリンダヘッド内に潤滑油が漏れ出ても不都合
はないため、支持部材と上記板との双方について接合面
を機械加工する必要はない。このような点から、こうし
た潤滑構造によれば上記通路の形成が容易に行える。
ンの潤滑構造は、 ・ 上記の板を、上記支持部材に対するロッカーアーム
シャフトの軸方向位置を定めるために2本のロッカーア
ームシャフトの端部に接する押さえ板としても使用し、 ・ 各ロッカーアームシャフトのうちその板に接する端
部(または端部付近)に、内外間(前記のように内側の
中空部と外周面との間)で潤滑油の移動を可能にする通
孔または切り欠きを形成したことを特徴とする。
るロッカーアームシャフトは、何らかの留め具によって
当該支持部材に対する軸方向位置を定められる必要があ
る。この請求項の潤滑構造では、支持部材の表面上に取
り付けられて潤滑油の通路を形成する上記の板を、2本
のロッカーアームシャフトの端部に接するように配置す
ることにより、ロッカーアームシャフトの軸方向位置を
定める留め具としても使用するわけである。一つの部品
にこうして二つの役割をもたせると、必要な部品数が減
少し、そのエンジンについて製造や組立・メンテナンス
等が容易になるほか軽量化もはかられる、というメリッ
トがある。
全体に上記の板を接触させる場合、何らの処置もとらな
ければ、ロッカーアームシャフトの中空部がその端部で
板により塞がれて潤滑油が流れなくなる。しかし、この
潤滑構造では、そのように板に接する端部に通孔または
切り欠きを形成して内外間で潤滑油の移動ができるよう
にしたので、潤滑油の流れが妨げられることはなく、一
方のロッカーアームシャフトの中空部から他方の中空部
にまで潤滑油が円滑に供給される。
は、上記の板を、シリンダヘッド内に支持されたカムシ
ャフトの軸方向位置を定めるためカムシャフト用軸受の
外輪の端面に接する押さえ板としても使用したことを特
徴とする。図5(すなわち図4におけるV−V断面)の
ように、潤滑油の通路43を形成するための板54をカ
ムシャフト51の軸受51hの外輪に当てることは、こ
の請求項に係る潤滑構造の一例である。
度で回転するため軸受を介してシリンダヘッド内に支持
される。軸受やカムシャフトの軸方向位置がずれるのを
防止するためには、軸受の外輪を、シリンダヘッド内
(ハウジング)の段差部分(いわゆる肩)に当てるとと
もに何らかの留め具を用いて固定するのが一般である。
面上に取り付けられて潤滑油の通路を形成する上記の板
を、カムシャフト用軸受の外輪の端面に接触させて配置
することにより当該軸受の軸方向位置を定める留め具と
しても使用するわけである。一つの部品にこうして複数
の役割をもたせることから、必要な部品数が減少し、そ
のエンジンについて製造や組立・メンテナンス等が容易
になり軽量化もはかられる。とくに、請求項2に記載し
たとおりその板にロッカーアームシャフトの留め具とし
ての役割をももたせるなら、そのようなメリットはさら
に顕著になる。
は、さらに、 ・ クランクケースとネジ結合してシリンダ、シリンダ
ヘッドおよびガスケットを締め付けるボルト(いわゆる
シリンダヘッドボルト)に沿って、そのボルトの通し穴
の内側を潤滑油の経路として使用し、 ・ 当該通し穴から分岐して一方のロッカーアームシャ
フトの一端部に向かう潤滑油の供給経路を設けるととも
に、やはり通し穴から分岐させて、カムの周面上に至る
通孔に連通した中空部を有するカムシャフトの一端部に
向かう潤滑油の供給経路を設けたことを特徴とする。図
4(a)にはこの潤滑構造の一例が示されている。すな
わち、図中の符号42はシリンダヘッドボルトの通し穴
であって図中右上の一つが潤滑油の通路41aとするも
の、同41b・41cは通し穴42から分岐してカムシ
ャフト51の一端部に向かう潤滑油の供給経路、同41
dはロッカーアームシャフト52の一端部に向かう潤滑
油の供給経路である。
クケース内の潤滑油をカムシャフトおよびロッカーアー
ムシャフトへ供給する手段として、エンジンの外部に管
(外部配管)を使用することが必要でなくなる。クラン
クケース内から上記のボルトの通し穴に至る経路さえ設
けておけば、潤滑油は、当該ボルトの通し穴を通り、上
記の各供給経路を経てロッカーアームシャフトおよびカ
ムシャフトの各中空部内に入り、必要な潤滑箇所に送ら
れるからである。
手・パッキン、管の支持具などが不要になるので、部品
数が少なくなってエンジンの構成が簡単化され、重量や
コストの面でのメリットがある。外観の点でも好ましく
なり、また、そのエンジンが自動二輪車用のものであれ
ば風切り音が低くなるという利点ももたらされる。その
ほか、潤滑油のための穴を新たに形成するのでなく、エ
ンジンのうちに本来ある通し穴を潤滑油の経路とするの
であるから、当該穴の形成に関連するコストアップもほ
とんどない。
いて一形態を図1〜図5に示す。図1は、一部に内部構
造を示しながらエンジン1の全体的な概要を表す側面図
である。図2は、そのエンジン1のうちクランクケース
2の一部を示す横向きの断面図、図3は、やはりエンジ
ン1のうち、クランクケース2からシリンダ3・シリン
ダヘッド4に及ぶ潤滑油の経路を示す縦向き断面図であ
る。また、図4および図5はシリンダヘッド4の内部構
造等を示す図で、動弁系50とともにそれに対する潤滑
油の経路を示す横向き断面図(図4(a)、すなわち図
4(b)におけるa−a断面図)および側面図(図4
(b))、ならびに縦向き断面図(図5、すなわち図4
(b)におけるV−V断面図)である。
イクルエンジンであり、下部のクランクケース2の上に
シリンダ3とリンダヘッド4とが組み付けられることに
より主要部が構成されている。クランクケース2・シリ
ンダ3・シリンダヘッド4はいずれもアルミ合金製であ
る。4サイクルエンジンであるから、シリンダヘッド4
に吸気および排気用のバルブ55・54が取り付けられ
ており、それらが、カムシャフト51やロッカーアーム
シャフト53・52を含む動弁系50によって動作させ
られる。なお、図中の符号4aは燃焼室、同45は気化
器、同46は吸気管、同47は排気管である。
びシリンダヘッド4の組み付けは、シリンダヘッドボル
ト10の締結によって行われている。当該ボルト10
は、シリンダボア3a(図3参照)を囲むように4本が
平行に使用され、いずれも頭部11を上にしてシリンダ
ヘッド4およびシリンダ3を上下に貫通し、下端部がク
ランクケース2内のネジ穴25に結合されている。クラ
ンクケース2とシリンダ3の接合面間、およびシリンダ
3とシリンダヘッド4の接合面間にはそれぞれガスケッ
ト12・13が締め付けられ、ボルト10の上端の頭部
11とシリンダヘッド4の上面との間にもガスケット1
1aが装着されている。図4(a)に示す4箇所の通し
穴42は、それぞれボルト10をシリンダヘッド4に貫
通させるためのものである。そしてシリンダ3やガスケ
ット11a・12・13にも、これら通し穴42の延長
線上に通し穴(図3に示す通し穴33など)が形成され
ている。
ケース2内の潤滑油をシリンダヘッド4内の動弁系5
0、すなわちロッカーアームシャフト52・53等にお
ける潤滑の必要な箇所に供給するための経路は、以下の
ように形成している。
うにオイルポンプ22とオイルフィルター23とを取り
付けている。オイルポンプ22は、クランクケース2内
の潤滑油の溜まる部分に対し経路21aを介して通じる
ように配置した。ポンプ22は、クランクシャフト(図
示せず)上のギヤ(図示せず)とかみ合うギヤ22aに
よって駆動され、潤滑油を加圧して吐出する。そして、
そのポンプ22の吐出口につながる経路21bの先にオ
イルフィルター23を配置してオイルフィルターキャッ
プ23bを付設し、フィルターエレメント23aを通っ
た潤滑油が経路21cに至るようにした。なお、図中の
白抜き矢印は、潤滑油の送られる向きを示している(他
の図においても同様)。
れた潤滑油のうち、一部は図3のように経路21dに送
ってクランクピン・コンロッド間(図示せず)等の潤滑
のためにクランクシャフト(図示せず)内に供給する一
方、他の一部は、シリンダヘッド4へ供給すべく経路2
1e・21fに送る。経路21fは、クランクケース2
の上部接合面に沿った溝であり、経路21eから、前記
した4本のシリンダヘッドボルト10のうち1本を結合
するネジ穴25の上部に達するものである。
シリンダヘッドボルト10に沿ってそのボルト10の通
し穴33(シリンダ3内の部分)および通し穴42(シ
リンダヘッド4内の部分)の内側を上方へ送ることとし
ている。ただし、図3のとおり、シリンダ3の範囲では
通し穴33の内側に潤滑用パイプ35を挿入し、そのパ
イプ35とボルト10との隙間を潤滑油の経路31aと
した。シリンダ3における通し穴33の内面には鋳造時
に発生した巣が開口していることがあるので、通し穴3
3の内面に沿って潤滑油を送るとその潤滑油がエンジン
1の外側に漏れ出ることもあり得るからである。つま
り、砂型を用いた重力鋳造法により成型するシリンダヘ
ッド4とは違って、シリンダ3はダイキャスト法にて成
型しているため内部に巣が存在する可能性があり、パー
ティングライン33p等の切削仕上げの際にその巣が通
し穴33の内側表面に開口していることも予想されるの
である。なお、仮に、巣の存在する可能性がシリンダ3
以外の部分にある場合にも、そのような可能性のある部
分をカバーするように潤滑用パイプ(パイプ35と同様
の構成をもつもの)を装着するとよい。
分35aを下端部付近に形成し、その拡大部分35aの
一部と他方(上端部付近)の一部とにそれぞれ鍔部35
b・35cを形成したものである。外周において鍔部3
5b・35cの各上部に隣接するようにシール部材とし
てのOリング36・37をはめ、拡大部分35aがシリ
ンダ3における通し穴33の下端部に位置し、他方の端
部がシリンダヘッド4における通し穴42の下端部内に
位置するように、当該パイプ35をシリンダ3内に装着
する。拡大部分35aにはめたOリング36は、通し穴
33の下端拡径部33aの内面に接し、その奥(上部)
の段差面33bと鍔部35bとにはさまれて位置が定ま
る。また、鍔部35cに隣接させてパイプ35の上端付
近にはめたOリング37は、シリンダヘッド4の通し穴
42の下端拡径部42aの内面に接し、その奥(上部)
の段差面42bと鍔部35cとにはさまれることにより
位置が定まる。パイプ35とOリング36・37との作
用により、ボルト10に沿って送られる潤滑油は必ずパ
イプ35内の経路31aを流れ、通し穴33の内面に接
しては流れることがない。そのため、前記したように適
切にガスケット11a(図1参照)・12・13が使用
されていること等と相まって、エンジン1の外部への潤
滑油の漏出が防止される。
をクランクケース2の上部接合面に当て、パイプ35の
内側が上記の経路21fと通じるようにしたことから、
前記のように経路21fに達した潤滑油はボルト10と
パイプ35との間の経路31aを上向きに流れて、シリ
ンダヘッド4内の経路41aに入る。経路41aは、上
記と同じボルト10とそのボルト10の通し穴42との
隙間である。重力鋳造によって成型されたシリンダヘッ
ド4には巣が内在する可能性がほとんどないので、その
通し穴42の内面上に潤滑油を流しても、それが外部へ
漏れ出る恐れはない。
のとおり、上記の経路41a(通し穴42の内部)と通
じ合うように潤滑油の経路41b・41cおよび41d
を形成している。経路41cはシリンダヘッド4の鋳造
時に形成したもので、鋳造後の機械加工にて形成した経
路41bを通して上記の経路41aから潤滑油を受け入
れ、カムシャフト51の中空部51aにそれを送る部分
(図5参照)である。また経路41dは、鋳造後の機械
加工によりシリンダヘッド4内に形成したもので、経路
41aからの潤滑油をロッカーアームシャフト52の中
空部52aに送り込むための部分である。なお、シリン
ダヘッド4の内部には、カムシャフト51とロッカーア
ームシャフト52・53とを支持する支持部材4bを鋳
造にてシリンダヘッド4と一体に形成しているが、上記
の経路41dは、一方のロッカーアームシャフト52用
の挿入穴と中心線を共通にして、当該挿入穴よりもやや
細めに設けた穴である。
部は、経路41b・41cを経てカムシャフト51の中
空部51aに流入し、図5に示す通孔51bおよび51
cよりそれぞれカム51dおよび51eの表面上に流出
する(図中の中空部51aの左端は、図示しないボルト
等にて塞がれている)。こうしてカム51d・51eの
表面に潤滑油が供給されることにより、それらとロッカ
ーアーム53h・52h(図4(a)を参照)との摺動
が円滑化される。
潤滑油の他の一部は、経路41dを経てロッカーアーム
シャフト52の中空部52aに流入し、ロッカーアーム
シャフト52・53とそれぞれにはめられたロッカーア
ーム52h・53hとの間の摺動部に供給される。1本
のシャフト52内に送った潤滑油を2本のシャフト52
・53における必要部分に供給する手段として、つぎの
ような構成を採用している。
・53を、それぞれ中空部52a・53aを全長に有す
る中空軸として形成する。そして、各中空部52a・5
3aから外周面すなわちロッカーアーム52h・53h
との間の摺動部に潤滑油を供給できるよう、各アーム5
2h・53hのはめ付け位置においてシャフト52・5
3に、半径方向に内外間を貫通する通孔52b・53b
をそれぞれ加工する。
み込まれた状態の両シャフト52・53間をつなぐよう
に、シャフト52の端部(経路41cから遠い側の端
部)から他方のシャフト53の端部へ達する潤滑油の通
路43を形成する。その通路43は、図4(a)に示す
押さえ板54と支持部材4bの表面におけるその板54
の取付け面との間に設ける溝によって構成する。押さえ
板54は、図4(b)に示すとおりビス54aにてシリ
ンダヘッド4上に取り付けられ、支持部材4b内に挿入
して支持させたロッカーアームシャフト52・53の端
部に接触してその位置を固定し、同時に、カムシャフト
51用の軸受51hの外輪端面に接触してその軸受51
hの位置を固定する(図5を参照)ものである。図の例
では、支持部材4bの表面(すなわち板54の取付け
面)に溝を形成し、その溝の外側を押さえ板54で覆う
ことによって、潤滑油の通路43を形成している(ただ
し、押さえ板54に溝を形成して平坦な取付け面に押し
当てても、同様の通路を形成できる)。
の各端部には、周上にそれぞれ1以上の切り欠きを含む
凹凸部52c・53cを形成し、端面の一部のみが上記
の押さえ板54と接するようにする。そうすれば、各シ
ャフト52・53の中空部52a・53aと上記の通路
43との間で潤滑油が円滑に流れ得るようになる。な
お、ロッカーアームシャフト53のうち凹凸部53cを
形成しない側の端部においては、支持部材4bにおける
当該シャフト53の挿入穴のうち非貫通の奥部壁面4c
によって空間を塞ぐこととする。
3c等の構成に基づき、潤滑油は、1本のロッカーアー
ムシャフト52内に送られるだけでも、2本のロッカー
アームシャフト52・53における必要部分に供給され
ることとなる。シャフト52の中空部52aに送られた
潤滑油は、一部がそのシャフト52の通孔52bから外
周面(すなわちロッカーアーム52hとの摺動面)に送
り出され、残りの一部は、中空部52aを端部の凹凸部
52cにまで送られたうえ、さらに通路43を経て他方
のシャフト53の凹凸部53cからその中空部53aに
入り、通孔53bからそのシャフト53の外周面(すな
わちロッカーアーム53hとの摺動面)に供給されるか
らである。そして、以上により、図1のエンジン1にお
いては、クランクケース2内の潤滑油をシリンダヘッド
4内の動弁系50にまで円滑に供給し得ることとなる。
にはつぎのような効果がある。すなわち、 ・ 潤滑油を一方のロッカーアームシャフトに向けての
み供給すれば2本のロッカーアームシャフトにおける必
要部分に供給できるので、潤滑油の経路が簡単化され
る。 ・ 2本のロッカーアームシャフトの中空部が直列的に
通じ合うので、潤滑油が双方に対して的確に供給されや
すい。
はそれに取り付けられる板かのいずれか(または双方)
に溝を形成することにより、潤滑油の通路が容易に形成
される。
ことなくさらに容易に形成される。
ンの潤滑構造では、 ・ 上記した板に二つの役割をもたせるため、必要な部
品数が減少し、そのエンジンについて製造等が容易にな
り軽量化もはかられる。 ・ ロッカーアームシャフトの端部に上記の板を接触さ
せるにもかかわらず、当該シャフトの中空部を経た潤滑
油の流れが妨げられず、必要箇所にまで潤滑油が円滑に
供給される。
ら、 ・ 上記の板に複数の役割をもたせるため、必要な部品
数が減少し、そのエンジンについて製造等が容易になり
軽量化もはかられる。
は、さらに、 ・ 外部配管を使用することなくクランクケース内の潤
滑油を動弁系に供給できるため、外部配管に関連する必
要部品が少なくなってエンジンの構成が簡単化され、重
量やコスト、外観等の面でメリットがある。 ・ エンジンのうちに本来ある通し穴を潤滑油の経路と
するので、潤滑油のための穴を新たに形成することにと
もなうコストアップもない。
し、一部に内部構造を示しながら全体的な概要を表す側
面図である。
一部を示す横向きの断面図である。
らシリンダ3・シリンダヘッド4に及ぶ潤滑油の経路を
示す縦向き断面図である。
等を示す図であり、図4(a)は、動弁系50とともに
それに対する潤滑油の経路を示す横向き断面図(すなわ
ち図4(b)におけるa−a断面図)である。また図4
(b)は、シリンダヘッド4の側面図である。
縦向きの断面図(すなわち図4(b)におけるV−V断
面図)である。
内部構造を示しながら全体的な概要を表す側面図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダヘッド内にある2本のロッカー
アームシャフトとそれらに支持されたロッカーアームと
の間に潤滑油を供給するエンジンの潤滑構造であって、 各ロッカーアームシャフトが中空のものでありロッカー
アームの支持位置で内外間に通孔を有していて、一方の
ロッカーアームシャフトの一端部に向けて潤滑油の供給
経路が設けられるとともに、そのロッカーアームシャフ
トの他の側の端部から他方のロッカーアームシャフトの
端部にまで潤滑油の通路が形成されていること、 上記した潤滑油の通路が、2本のロッカーアームシャフ
トを支えるべくそれらの端部が挿入された支持部材の表
面と、当該表面上に取り付けられる板との間に形成され
ていること、 および、上記支持部材の表面上に鋳造にて設けられた溝
と、当該表面上に取り付けられてその溝を覆う平らな板
とによって、上記した潤滑油の通路が形成されているこ
と を特徴とするエンジンの潤滑構造。 - 【請求項2】 シリンダヘッド内にある2本のロッカー
アームシャフトとそれらに支持されたロッカーアームと
の間に潤滑油を供給するエンジンの潤滑構造であって、 各ロッカーアームシャフトが中空のものでありロッカー
アームの支持位置で内外間に通孔を有していて、一方の
ロッカーアームシャフトの一端部に向けて潤滑油の供給
経路が設けられるとともに、そのロッカーアームシャフ
トの他の側の端部から他方のロッカーアームシャフトの
端部にまで潤滑油の通路が形成されていること、 上記した潤滑油の通路が、2本のロッカーアームシャフ
トを支えるべくそれらの端部が挿入された支持部材の表
面と、当該表面上に取り付けられる板との間に形成され
ていること、上記の板が、上記支持部材に対するロッカーアームシャ
フトの軸方向位置を定めるために2本のロッカーアーム
シャフトの端部に接する押さえ板であり、 各ロッカーアームシャフトのうちその板に接する端部
に、内外間で潤滑油の移動を可能にする通孔または切り
欠きが形成されていること を特徴とする エンジンの潤滑
構造。 - 【請求項3】 上記した潤滑油の通路が、上記支持部材
の表面上に鋳造にて設けられた溝と、当該表面上に取り
付けられてその溝を覆う平らな板とによって形成されて
いることを特徴とする請求項2に記載したエンジンの潤
滑構造。 - 【請求項4】 上記の板が、シリンダヘッド内に支持さ
れたカムシャフトの軸方向位置を定めるためカムシャフ
ト用軸受の外輪の端面に接する押さえ板であることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したエンジンの
潤滑構造。 - 【請求項5】 クランクケースとネジ結合してシリン
ダ、シリンダヘッドおよびガスケットを締め付けるボル
トに沿って、そのボルトの通し穴の内側が潤滑油の経路
とされ、 当該通し穴から分岐して一方のロッカーアームシャフト
の一端部に向かう潤滑油の供給経路が設けられるととも
に、やはり通し穴から分岐して、カムの周面上に至る通
孔に連通した中空部を有するカムシャフトの一端部に向
かう潤滑油の供給経路が設けられていることを特徴とす
る請求項1〜4に記載したエンジンの潤滑構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001203207A JP3466588B2 (ja) | 2001-07-04 | 2001-07-04 | エンジンの潤滑構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003020920A JP2003020920A (ja) | 2003-01-24 |
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JP (1) | JP3466588B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016052395A1 (ja) * | 2014-09-29 | 2016-04-07 | 本田技研工業株式会社 | Ohc型内燃機関 |
-
2001
- 2001-07-04 JP JP2001203207A patent/JP3466588B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2003020920A (ja) | 2003-01-24 |
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