JP4849101B2 - エンジン - Google Patents

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本発明は、シリンダブロックとそれの下部にボルト留めされる支持部材とで挟んだ状態でクランクシャフトを回転自在に支持するエンジンに関する。
詳しくは、本発明の対象となるエンジンは、前記シリンダブロックに設けられるオイル供給路内のオイルを前記クランクシャフトのクランクジャーナルへ導くための第1オイル流路と、この第1オイル流路の下流側からさらにオイルを、シリンダブロックと支持部材との合わせ面を経て支持部材近傍の潤滑必要部分へ導くための第2オイル流路とを有する構成とされる。
一般的に、エンジンのシリンダブロックの下部にクランクシャフトを回転自在に支持させているが、シリンダブロックのメインギャラリーからエンジンオイルをクランクシャフトのクランクジャーナルの軸受部分に供給させるようにして、クランクジャーナルの潤滑や冷却を行うようにしている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1では、クランクシャフトのクランクジャーナルを、シリンダブロックの垂下隔壁の下側に設けられる略U字形の凹部と、それにボルト留めされる略U字形の凹部を有するキャップ(ベアリングキャップまたはクランクキャップ等と呼ばれる)との間に挟んだ状態で回転自在に支持させるようにしている。
クランクジャーナルの外周面と、シリンダブロックの隔壁やキャップとの間には、すべり軸受としてのメタルがそれぞれ介装されるようになっている。
このメタルは、一般的に、円筒形のものを二つ割りとしたような形状であり、二つ一対で組み合わせて使用される。これら二つのメタルのうち、シリンダブロック側に配置されるメタルをアッパーメタル、また、キャップ側に配置されるメタルをロアーメタルと呼んでいる。
一般的に、アッパーメタルの内周面の軸方向中間領域には、油溝が設けられていて、クランクジャーナルとアッパーメタルとの間に隙間を作るようにしている。アッパーメタルの油溝の適宜位置には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられている。
そして、シリンダブロックに設けられているメインギャラリー内のオイルが、シリンダブロックに設けられる連通路と、アッパーメタルの貫通孔とを経て、クランクジャーナルの外周面とアッパーメタルの油溝との間の隙間に供給されるようになっている。
前記の特許文献1では、アッパーメタルの貫通孔に供給されるオイルが、アッパーメタルとシリンダブロックの凹部との嵌め合い面からシリンダブロックとキャップとの合わせ面を伝ってキャップのボルト挿通孔から下方へ漏洩するおそれがある。
これに対し、例えば特許文献2では、クランクジャーナルに供給したオイルがシリンダブロックとキャップとの合わせ面を伝って漏洩することを防止するために、キャップのボルト挿通孔からシリンダブロックのねじ孔にまたがって円筒形のノックピンを嵌め込むようにし、さらに、このノックピンの外周でシリンダブロックの合わせ面にOリングを装着して、このOリングをキャップの合わせ面に圧接させるように構成している。
前記の特許文献1,2は、メインギャラリーからクランクジャーナルへオイルを供給するためのオイル流路しか備えていない。
ところで、特許文献3に示されているように、シリンダブロックとロアブロックとでクランクシャフトを挟んだ状態で回転自在に支持するとともに、このロアブロックの下部に、さらにオイルポンプのポンプボディをボルトで取り付け、このポンプボディにバランサーシャフトを支持させた構造において、シリンダブロックに設けられるメインギャラリー内のオイルをクランクジャーナルへ導くための第1オイル流路と、この第1オイル流路の途中からさらにオイルをバランサーシャフト(潤滑必要部分)へ導くための第2オイル流路とを備えるものがある。
前記の第1オイル流路は、上流がシリンダブロックに設けられるメインギャラリーにまた下流がシリンダブロックとロアブロックとの合わせ面にそれぞれ開放される孔と、シリンダブロックにおいてクランクジャーナルが嵌合される凹部内に設けられる湾曲溝と、前記孔と湾曲溝とを連通するようにシリンダブロックにおいてロアブロックとの合わせ面に設けられる溝とを組み合わせて構成されている。
前記の第2オイル流路は、シリンダブロックにおいてロアブロックに対する合わせ面に設けられかつ前記シリンダブロック内部に設けられる孔の下流側開口が開放される溝と、ロアブロックに設けられるポンプボディ取り付け用ボルトの挿通孔と、ポンプボディにおいてロアブロックに対する合わせ面に設けられる溝と、この溝に上流側が開放されるとともに下流側がバランサーシャフトの摺動面に開放されるようにポンプボディ内部に設けられる孔とを組み合わせて構成されている。
このような特許文献3に添付されている図7から図9では、第1オイル流路の溝が、シリンダブロックにロアブロックを取り付けるためのボルトの挿通孔を横切るように見えるとともに、このボルト挿通孔に円筒形の部材が装着されているように見える。但し、特許文献3では、前記円筒形の部材に関する詳細な説明が記載されていないので、円筒形の部材であるのか、単なる隙間であるのかが不明である。
実開昭63−71402号公報 実開昭61−88047号公報 特開平9−210136号公報
上記特許文献3に係る従来例では、メインギャラリーからクランクジャーナル側とバランサーシャフト側とにオイルを分流して供給させる構造になっているが、バランサーシャフト側へオイルを導く第2オイル流路は、ポンプボディをロアブロックに取り付けるためのボルトの挿通孔をオイル通路として積極的に利用するようになっている。この場合、前記のボルト挿通孔にオイルが常に存在することになるために、このオイルによって、ボルト挿通孔の内壁やボルトが経時的に腐食しやすくなることが懸念される。
というのは、エンジンに用いるオイルは、一般的に公知のように、エンジンの内外を循環させられるようになっていて、クランクケース内でオイルにブローバイガスが混合することがあって、このオイルがブローバイガス中の適宜成分によって酸性化される傾向となる。その関係より、前記経時的な腐食が起こりうるのである。
また、特許文献3は、ボルト挿通孔を第2オイル流路の一部として積極的に利用しており、本願発明のように「第2オイル流路を流れるオイルをボルト挿通孔に入れたくない」という思想とは明らかに異なる。つまり、特許文献3では、前述したようなオイルによる腐食作用をまったく認知していないことが明らかであり、それゆえ、必然的に前記腐食を回避しようとする思想など存在しないと言える。
このような事情に鑑み、本発明は、シリンダブロックとそれの下部にボルト留めされる支持部材とで挟んだ状態でクランクシャフトを回転可能に支持し、かつ、前記シリンダブロックに設けられるオイル供給路内のオイルを前記クランクシャフトのクランクジャーナルへ導くための第1オイル流路と、この第1オイル流路の下流側からさらにオイルを、シリンダブロックと支持部材との合わせ面を経て支持部材近傍の潤滑必要部分へ導くための第2オイル流路とを有するエンジンにおいて、第2オイル流路を流れるオイルがボルト挿通孔に入ることを防止し、ボルト挿通孔の内壁やボルトの経時的な破損を回避可能とすることを目的としている。
本発明は、シリンダブロックとそれの下部にボルト留めされる支持部材とで挟んだ状態でクランクシャフトを回転自在に支持するエンジンであって、前記シリンダブロックに設けられるオイル供給路内のオイルを前記クランクシャフトのクランクジャーナルへ導くための第1オイル流路と、この第1オイル流路の下流側からさらにオイルを前記支持部材近傍の潤滑必要部分へ導くための第2オイル流路とを有し、前記第2オイル流路は、前記支持部材の前記シリンダブロックとの合わせ面に前記クランクジャーナル側から前記ボルトの挿通孔を横切るように設けられる溝と、前記支持部材内部に設けられかつ上流側が前記溝の下流側にまた下流側が前記潤滑必要部分へ向けてそれぞれ開放される孔とを含み、前記ボルト挿通孔のシリンダブロック側開口は、外側へ向けて段階的に拡径されており、奥側拡径部には、前記ボルトが挿通される筒状部材が嵌合装着されており、また、外側拡径部は、前記筒状部材の外周面との間に、前記ボルト挿通孔で分断される前記溝間を接続するための迂回路を形成するものとされている、ことを特徴としている。
この構成では、第2オイル流路の一部となる溝を流れるオイルが、筒状部材の存在によってボルト挿通孔内に入り込むことが防止されるようになり、しかも、前記溝内でオイルが途切れることなくスムースに流れるようになる。
これにより、従来例のようにボルト挿通孔内にオイルが滞留することが原因となってボルト挿通孔の内壁やボルトが腐食されることを回避できるようになるので、例えば支持部材やボルトの疲労破壊強度を所期の設計どおりに維持できるようになる等、耐久性を向上することが可能になる。また、ボルト挿通孔から下方へのオイル漏れを防止できるようになるので、第2オイル流路におけるオイル流通量を安定的に確保することが可能になる。
一般的に公知のように、エンジンに用いるオイルは、エンジンの内外を循環させられるようになっていて、クランクケース内でオイルにブローバイガスが混合することがあって、このオイルがブローバイガス中の適宜成分によって酸性化される傾向となる。その関係より、前記腐食が懸念される。
好ましくは、前記クランクジャーナルは、それぞれ半円形のアッパーメタルおよびロアーメタルを介して前記シリンダブロックと支持部材とに支持され、前記アッパーメタルは、その内面に油溝が設けられるとともに、前記油溝を外径側に開放するとともに前記第1オイル流路の下流側に連通される貫通孔が設けられる。
ここでは、クランクジャーナルの摺動面が、クランクジャーナルとすべり軸受としてのアッパーメタルおよびロアーメタルとの嵌め合い面に特定している。そして、オイル供給路から供給されるオイルをクランクジャーナルとアッパーメタルの油溝との対向間に供給させるようにしている。なお、前記対向間に供給されるオイルは、クランクジャーナルの回転に伴いロアーメタル側にも供給されるようになる。
好ましくは、前記筒状部材は、前記ボルト挿通孔のシリンダブロック側開口と前記シリンダブロックに設けられるねじ孔の支持部材側開口とに跨って設けられる。
このような構成にすれば、筒状部材が溝を流れるオイルの堰としての機能を確実に果たすようになる。
好ましくは、前記筒状部材とそれの嵌合相手との嵌め合い面に液体ガスケットが塗布され、さらに、この筒状部材の端面と前記シリンダブロックに設けられるねじ孔の支持部材側開口の段壁面との間に、シールリングが介装される。
このような構成にすれば、前記第2オイル流路の一構成要素である溝を流れるオイルが、筒状部材において支持部材側の外径側嵌め合い面を伝ってボルト挿通孔へ漏洩することを防止可能になるとともに、筒状部材においてシリンダブロック側の外径側嵌め合い面を伝って当該筒状部材の内孔とボルトとの間からボルト挿通孔へ漏洩することを防止可能になる。
本発明によれば、シリンダブロックのオイル供給路からクランクジャーナルへ導かれたオイルを、さらにシリンダブロックと支持部材との合わせ面を経て支持部材近傍の潤滑必要部分へ導くようにした第2オイル流路を有し、かつ第2オイル流路の一部が支持部材に設けられるボルト挿通孔を横切るように設けられたエンジンにおいて、第2オイル流路を流れるオイルが、ボルト挿通孔に入り込んで滞留することを防止できるようになる。
そのため、エンジン内で酸性化するオイルによってボルト挿通孔の内壁やボルトが経時的に腐食することを回避できるようになるので、例えば支持部材やボルトの疲労破壊強度を所期の設計どおりに維持できる等、耐久性を向上することが可能になる。また、ボルト挿通孔を経て下側へオイルが漏れ出すことを回避できるので、第2オイル流路におけるオイル流通量を安定的に確保することが可能になる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1から図5に、本発明の一実施形態を示している。まず、図1および図2を参照して、本発明に係るエンジンにおけるクランクシャフトの支持形態を説明する。
図1および図2において、1はシリンダブロック、2はロアケース、3はクランクシャフト、4はコネクティングロッド、5はピストンである。
クランクシャフト3は、エンジンの気筒数や気筒配列型式に応じた個数のクランクジャーナル31、クランクピン32ならびにバランスウェイト33を有している。
シリンダブロック1の下部には、クランクジャーナル31の数に対応した数の垂下隔壁11が設けられている。この各垂下隔壁11には、シリンダブロック1の上側へ向けて断面略U字形に凹む凹部12が設けられている。
ロアケース2には、シリンダブロック1の垂下隔壁11と同数の立ち上がり隔壁21が設けられている。この各立ち上がり隔壁21には、下側へ向けて断面略U字形に凹む凹部22が設けられている。
クランクシャフト3のクランクジャーナル31は、シリンダブロック1側の凹部12と、ロアケース2側の凹部22との間に挟まれた状態で回転自在に支持される。
ロアケース2は、シリンダブロック1にボルト6で取り付けられるようになっている。このボルト6は、ロアケース2の下側からロアケース2を貫通してシリンダブロック1の垂下隔壁11に螺合装着されている。そのために、ロアケース2の立ち上がり隔壁21には、ボルト6をルーズに挿通させるためのボルト挿通孔23が設けられており、また、シリンダブロック1の垂下隔壁11には、ボルト6を螺合させるためのねじ孔17が設けられている。
そして、クランクシャフト3の各クランクジャーナル31の回転支持部分、詳しくはクランクジャーナル31の外周面と、シリンダブロック1側の凹部12内面およびロアケース2側の凹部22内面との対向間には、すべり軸受としてのメタル7,8が介装されるようになっている。
このクランクジャーナル用のメタル7,8は、一般的に、円筒形のものを二つ割りとしたような形状であり、二つ一対で使用される。
これら二つのメタルのうち、一方のメタル7は、シリンダブロック1側の凹部12内面に嵌合装着され、また、他方のメタル8は、ロアケース2側の凹部22内面に嵌合装着される。この装着関係に応じて、以下では、シリンダブロック1側に配置されるメタル7をアッパーメタル、また、ロアケース2側に配置されるメタル8をロアーメタルと言う。
アッパーメタル7については、図3に示すような一定深さの油溝71を有するタイプのものが用いられている。このアッパーメタル7には、その厚み方向に貫通して油溝71の底で開口する貫通孔72が周方向2ヶ所に設けられている。
一方、ロアーメタル8は、アッパーメタル7のような油溝71や貫通孔72を設けていないシンプルな形状とされている。その理由は、特に気筒内圧が最大となる圧縮行程においてコネクティングロッド4からクランクジャーナル31やクランクピン32に過大な荷重が作用する関係より、できるだけロアーメタル8の耐荷重性を高める必要があるからである。
なお、クランクシャフト3のクランクピン32には、コネクティングロッド4の大端部が揺動可能に取り付けられ、このコネクティングロッド4の小端部には、ピストン5が取り付けられる。
このコネクティングロッド4の大端部は、詳細に図示していないが、半割りとされ、この半割りの大端部にクランクピン32が挟まれた状態で回転自在に支持されている。このクランクピン32とコネクティングロッド4の大端部との間にも、上記クランクジャーナル31と同様にすべり軸受としてのメタル(図示省略)が介装されるようになっている。図示していないが、コネクティングロッド4の大端部側には前記同様のアッパーメタルが、また、キャップ側には前記同様のロアーメタルがそれぞれ装着されるようになっている。
ところで、一般的に、図示していないオイルパン内のオイルがクランクシャフト3により駆動されるオイルポンプ(図示省略)により吸い上げられて、シリンダブロック1に設けられるメインギャラリー13と呼ばれるオイル供給路に供給され、このメインギャラリー13内のエンジンオイルが、シリンダブロック1に設けられるジェットノズル(図示省略)からピストン5の裏面や気筒内周面へ噴射される他、クランクジャーナル31の摺動面やクランクピン32の摺動面に供給されるようになっている。
このメインギャラリー13からのクランクジャーナル31側へのオイル供給経路について詳しく説明する。
この実施形態では、シリンダブロック1に設けられるメインギャラリー13内のオイルをクランクシャフト3のクランクジャーナル31側へ導くための第1オイル流路(符号省略)と、この第1オイル流路の下流側からさらにオイルをロアケース2近傍の潤滑必要部分(図示省略)へ導くための第2オイル流路(符号省略)とを有している。
なお、前記潤滑必要部分は、この実施形態において、シリンダブロック1の前端(エンジン前端)または後端(エンジン後端)に位置する垂下隔壁11の外側のみに設置される部材(例えばギヤ等)とされる。
まず、第1オイル流路は、連通路14と、陥没部15と、アッパーメタル7の貫通孔72とを含んで構成されている。
連通路14は、シリンダブロック1の内部において、メインギャラリー13とシリンダブロック1の垂下隔壁11の凹部12底に設けられる陥没部15とを連通するように設けられている。陥没部15は、アッパーメタル7の貫通孔72に連通されている。
このような第1オイル流路では、メインギャラリー13内のオイルが、連通路14、陥没部15ならびにアッパーメタル7の貫通孔72を介してアッパーメタル7の油溝71内へ供給され、クランクジャーナル31とアッパーメタル7との摺動面に供給されるようになる。なお、前記油溝71に供給されるオイルは、クランクジャーナル31の回転に伴いロアーメタル8側にも供給されるようになる。
次に、第2オイル流路は、湾曲溝16A,16Bと、直線溝24A,24Bと、孔25A,25Bとを含んで構成されている。
湾曲溝16A,16Bは、図2および図3に示すように、シリンダブロック1の垂下隔壁11の凹部12において陥没部15から凹部12の周方向両端までの領域へ延びるように、凹部12の軸方向中間領域に設けられている。
直線溝24A,24Bは、ロアケース2の立ち上がり隔壁21においてシリンダブロック1に対する合わせ面2a(以下では単にロアケース2の合わせ面と言う)に、凹部22の両側に延びるように設けられている。
この実施形態では、直線溝24A,24Bをロアケース2の合わせ面2aのみに設けて、この直線溝24A,24Bの開口を、シリンダブロック1の垂下隔壁11においてロアケース2に対する合わせ面1a(以下では単にシリンダブロック1の合わせ面と言う)で塞ぐことによって、径方向断面が略四角形の通路となっている。
この各直線溝24A,24Bは、図2および図3に示すように、ロアケース2の合わせ面2aの軸方向中間(幅方向中間)に、ロアケース2のボルト挿通孔23を横切るように設けられている。ボルト挿通孔23は、シリンダブロック1にロアケース2を取り付けるためのボルト6が挿通される孔である。
また、孔25A,25Bは、図2に示すように、その上流側開口が直線溝24A,24Bの溝底における下流側にそれぞれ開放されており、また、孔25A,25Bの下流側開口がロアケース2の立ち上がり隔壁21の幅方向一側へ向けてそれぞれ開放されている。
このような第2オイル流路では、メインギャラリー13から陥没部15に供給されたオイルが、湾曲溝16A,16B、直線溝24A,24Bならびに孔25A,25Bを経て、図示していない適宜の潤滑必要部分に供給されるようになる。
ところで、上述したように、ロアケース2の合わせ面2aのみに設けられる直線溝24A,24Bが、ボルト挿通孔23を横切るように設けられることで分断されていることを考慮し、この分断される直線溝24A,24B間にオイルをスムースに流せるようにするとともに、この直線溝24A,24Bを流れるオイルが、ボルト挿通孔23内に入り込んで滞留しないように工夫している。
そもそも、直線溝24A,24Bがボルト挿通孔23を横切るように設けられている理由は、例えば必要な強度を確保したうえで軽量化を図るために、ロアケース2の立ち上がり隔壁21の幅を可及的に薄く設定しているからである。
仮に、立ち上がり隔壁21の幅を十分に厚く設定することができるのであれば、直線溝24A,24Bを、ボルト挿通孔23に交差させずに迂回させるように湾曲形成することが可能になるが、その場合、迂回させる部分を形成するための加工が面倒となる。
前記工夫点について具体的に説明する。
まず、ロアケース2のボルト挿通孔23におけるシリンダブロック1側開口は、外側へ向けて2段階に拡径されている。また、シリンダブロック1のねじ孔17におけるロアケース2側開口は、1段階に拡径されている。
ボルト挿通孔23において比較的小径の奥側拡径部23aには、図5に示すように、円筒形のピンリング9が飛び出る状態で嵌入されるようになっており、このピンリング9において飛び出す部分が、図3に示すように、ねじ孔17における拡径部17aに嵌入されるようになっている。つまり、ロアケース2のボルト挿通孔23からシリンダブロック1のねじ孔17に跨って、円筒形のピンリング9が取り付けられている。
そして、ボルト挿通孔23において比較的大径の外側拡径部23bは、ピンリング9の外周面との間に、ボルト挿通孔23で2つに分断される直線溝24A,24B間を接続するための迂回路26を形成するために設けられている。
この迂回路26は、要するに、ピンリング9の外周面と外側拡径部23bの内周壁面および段壁面とで囲んで作る環状溝を、シリンダブロック1の合わせ面1aで塞ぐことによって作られている。つまり、迂回路26は、ピンリング9の外周に環状に形成されており、この迂回路26に、ボルト挿通孔23で2つに分断される直線溝24A,24Bがそれぞれ接続されるようになっている。
このように、ピンリング9を、ロアケース2のボルト挿通孔23におけるシリンダブロック1側開口と、シリンダブロック1のねじ孔17におけるロアケース2側開口とに跨って配置させているから、前記両開口が直線溝24A,24Bに露呈せずに隔離されるようになる。これにより、ピンリング9は、直線溝24A,24Bを流れるオイルがボルト挿通孔23に入り込むことを防止するための堰のような役割を果たすようになる。
なお、ピンリング9は、上述したような堰のような役割を果たせばいいものであるから、その素材は、耐油性および耐腐食性を有するものであれば、任意の金属や合成樹脂等とすることができる。ピンリング9の素材として、耐油性および耐腐食性を有することを条件にしているのは、ピンリング9に接触するオイルが、上述しているように酸性化することを考慮しているからである。
また、ピンリング9の内径は、ボルト6がルーズに挿通されるような寸法に設定されており、それによって、このピンリング9がロアケース2のボルト挿通孔23とシリンダブロック1のねじ孔17とを連通させるようになっている。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態では、ピンリング9を堰とするように設けることによって、ボルト挿通孔23内に、ブローバイガスによって酸性化されたオイルが入り込んで滞留することを防ぐようにしたうえで、ボルト挿通孔23を横切ることで2つに分断される直線溝24A,24B間を連通させるための迂回路26を、ボルト挿通孔23のシリンダブロック1側開口に設けることにより、直線溝24A,24B内にオイルをスムースに流せるようにしている。
これにより、従来例のようにオイルによってボルト挿通孔23の内壁やボルト6が経時的に腐食することを回避できるようになるので、例えばロアケース2やボルト6の疲労破壊強度を所期の設計どおりに維持できるようになる等、耐久性を向上することが可能になる。また、ボルト挿通孔23を経て下側へオイルが漏れ出すことを回避できるようになるので、第2オイル流路(16A,16B,24A,24B,25A,25B)におけるオイル流通量を安定的に確保することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態では、クランクシャフト3に備える複数のクランクジャーナル31を、シリンダブロック1の垂下隔壁11とロアケース2の立ち上がり隔壁21とで支持するようにした例を挙げているが、本発明は、それに限定されるものではなく、ロアケース2の代わりに、クランクジャーナル31毎に、個別のクランクキャップを用いるような形態とすることも可能であり、その場合にも上記実施形態と同様に本発明を適用できる。
(2)上記実施形態では、アッパーメタル7に一定深さの油溝71を設けたタイプとしているが、例えば油溝71の周方向両端側を深さがゼロとなるような偏心タイプとしたものを用いることも可能である。
(3)上記実施形態では、ロアケース2の合わせ面2aに直線溝23A,23Bを設けた例を挙げているが、例えば図示していないが、シリンダブロック1の合わせ面1aにも直線溝を設け、両方の溝を組み合わせてオイルの通路を形成することも可能である。その場合、例えば前記通路の断面積を大きくしてオイル流通量を多くすることが容易になる。
(4)上記実施形態では、第2オイル流路として2つの流路(16A,24A,25A)、(16B,24B,25B)を有する形態にした例を挙げているが、いずれか片方のみとすることも可能である。
(5)上記実施形態では、シリンダブロック1の凹部12に陥没部15を設け、この陥没部15からアッパーメタル7の貫通孔72を介してアッパーメタル7の油溝71とクランクジャーナル31との間の隙間にオイルを供給させるようにした例を挙げているが、例えば図6に示すように、シリンダブロック1内部に設けられる連通路14をアッパーメタル7の貫通孔72に直接連通させるように構成することも可能である。
但し、この図6に示す実施形態の場合、図3に示す陥没部15を無くしているので、凹部12の軸方向中間において周方向全長に、1つの連続する湾曲溝16が設けられるようになっている。
(6)上記実施形態において、例えば図7および図8に示すように、構成要素を追加することも可能である。
図7および図8に示す実施形態において図1から図5に示す実施形態との相違は、図7のみに太線で示すように、ピンリング9の外表面、つまり外周面および両端面に液体ガスケット18を塗布するとともに、シリンダブロック1のねじ孔17における拡径部17aの段差部分とピンリング9の端面との間に、Oリング等のシールリング19を装着するようにしていることである。
この液体ガスケット18は、一般的に公知のものであれば何でもよいが、例えば時間経過に伴い硬化するようなものとすることが好ましい。なお、液体ガスケット18は、ピンリング9の外周面のみに塗布するようにしてもよいし、ピンリング9の嵌合相手となる側に塗布するようにしてもよい。
この場合、直線溝24A,24Bを流れるオイルが、図7の矢印Xで示すように、ピンリング9においてロアケース2側の外径側嵌め合い面を伝ってボルト挿通孔23へ漏洩することを防止することが可能になるとともに、図7の矢印Yで示すように、ピンリング9においてシリンダブロック1側の外径側嵌め合い面を伝って当該ピンリング9の内孔とボルト6との間からボルト挿通孔23へ漏洩することを防止することが可能になる。
(7)上記実施形態では、請求項に記載の筒状部材として円筒形のピンリング9を用いる例を挙げているが、このピンリング9は、円筒形の他に、角筒形状や楕円形状等であってもよい。
本発明に係る内燃機関の一実施形態で、クランクシャフト支持部分を模式的に示す側面図である。 図1に示すクランクシャフトとシリンダブロックとを分離した状態を示す分解斜視図である。 図1の(3)−(3)線断面の矢視図である。 図2の要部を拡大して示す図である。 図4においてロアケースのボルト挿通孔にピンリングを装着した状態を示す斜視図である。 本発明に係る内燃機関の他実施形態で、図3に対応する図である。 本発明に係る内燃機関のさらに他実施形態で、図3に対応する図である。 図7の実施形態で、図4に対応する図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
1a シリンダブロックの合わせ面
11 シリンダブロックの垂下隔壁
12 垂下隔壁の凹部
13 メインギャラリー(オイル供給路)
14 シリンダブロック内の連通路
15 シリンダブロックの凹部内の陥没部
16A,16B シリンダブロックの凹部内の湾曲溝
17 シリンダブロックのねじ孔
2 ロアケース
2a ロアケースの合わせ面
21 ロアケースの立ち上がり隔壁
22 立ち上がり隔壁の凹部
23 ボルト挿通孔
23a ボルト挿通孔の奥側拡径部
23b ボルト挿通孔の外側拡径部
24A,24B ロアケースの合わせ面の直線溝
25A,25B ロアケース内部の孔
26 迂回路
3 クランクシャフト
31 クランクシャフトのクランクジャーナル
6 ボルト
7 クランクジャーナル用のアッパーメタル
71 アッパーメタルの油溝
72 アッパーメタルの貫通孔
8 クランクジャーナル用のロアーメタル
9 ピンリング(筒状部材)

Claims (4)

  1. シリンダブロックとそれの下部にボルト留めされる支持部材とで挟んだ状態でクランクシャフトを回転自在に支持するエンジンであって、
    前記シリンダブロックに設けられるオイル供給路内のオイルを前記クランクシャフトのクランクジャーナルへ導くための第1オイル流路と、この第1オイル流路の下流側からさらにオイルを前記支持部材近傍の潤滑必要部分へ導くための第2オイル流路とを有し、
    前記第2オイル流路は、前記支持部材の前記シリンダブロックとの合わせ面に前記クランクジャーナル側から前記ボルトの挿通孔を横切るように設けられる溝と、前記支持部材内部に設けられかつ上流側が前記溝の下流側にまた下流側が前記潤滑必要部分へ向けてそれぞれ開放される孔とを含み、
    前記ボルト挿通孔のシリンダブロック側開口は、外側へ向けて段階的に拡径されており、奥側拡径部には、前記ボルトが挿通される筒状部材が嵌合装着されており、また、外側拡径部は、前記筒状部材の外周面との間に、前記ボルト挿通孔で分断される前記溝間を接続するための迂回路を形成するものとされている、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記クランクジャーナルは、それぞれ半円形のアッパーメタルおよびロアーメタルを介して前記シリンダブロックと支持部材とに支持され、
    前記アッパーメタルは、その内面に油溝が設けられるとともに、前記油溝を外径側に開放するとともに前記第1オイル流路の下流側に連通される貫通孔が設けられる、ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、
    前記筒状部材は、前記ボルト挿通孔のシリンダブロック側開口と前記シリンダブロックに設けられるねじ孔の支持部材側開口とに跨って設けられる、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項3に記載のエンジンにおいて、
    前記筒状部材とそれの嵌合相手との嵌め合い面に液体ガスケットが塗布され、さらに、この筒状部材の端面と前記シリンダブロックに設けられるねじ孔の支持部材側開口の段壁面との間に、シールリングが介装される、ことを特徴とするエンジン。
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