JP3434285B2 - エンジンの潤滑構造および潤滑用パイプ - Google Patents

エンジンの潤滑構造および潤滑用パイプ

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JP3434285B2
JP3434285B2 JP2001190916A JP2001190916A JP3434285B2 JP 3434285 B2 JP3434285 B2 JP 3434285B2 JP 2001190916 A JP2001190916 A JP 2001190916A JP 2001190916 A JP2001190916 A JP 2001190916A JP 3434285 B2 JP3434285 B2 JP 3434285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、エンジ
ンの潤滑構造、とくにクランクケース内の潤滑油をシリ
ンダヘッドへ送るための潤滑構造、およびそのような潤
滑構造において使用される潤滑用パイプに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッドには、一般に、吸気弁お
よび排気弁を開閉する手段としてカムシャフトなど動弁
系の機構が配置されている。動弁系には、部品同士の擦
れ合う部分が多く含まれている関係で、十分に潤滑油を
供給する必要がある。
【0003】動弁系の機構等を潤滑すべくシリンダヘッ
ドに潤滑油を供給するためには、エンジンの外部に管を
設けて潤滑油を送るのが通常である。たとえば、図7に
示す従来の一般的なエンジン1’において、クランクケ
ース2’内の潤滑油は、同ケース2’内にあるオイルポ
ンプ(図示せず)により、フィルター23’を通したう
え外部配管5内を上方に送ってシリンダヘッド4’にま
で供給する。図中の符号3’はシリンダ、符号6’はシ
リンダヘッド4’内の動弁系の部品であるカムシャフ
ト、また符号7’・8’は、やはり動弁系部品であるロ
ッカーアームを示している。また、符号5aは、エンジ
ン1’の内部の経路と外部配管5とを接続する継手を示
し、中心部と側部とに通孔を有するボルトと、その側部
の通孔と外部配管5とをつなぐ部品とを含んでいる。
【0004】図7のエンジン1’と同様に外部配管を通
して潤滑油をシリンダヘッドに送る例は、特開平9−8
8537号公報にも記載されている。なお、外部配管を
用いるのではなく、潤滑油を通すための穴をドリル加工
等によってエンジン(シリンダ等)の内部に形成するこ
とも、稀には行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】シリンダヘッドへ送る
潤滑油を、エンジンの外部に設けた配管(図7の外部配
管5など)に通す場合、つぎのような課題がともなう。イ ) その配管を構成するために多数の部品(図7の例で
は外部配管5や継手5a、パッキン類など)が必要であ
るから、部品製作および組み立てのためにエンジンのコ
ストが上昇する。ロ ) エンジンの振動に抗してしっかりと配管を支える必
要があるので、支持用部品に関連したコストも無視でき
ないものとなる。ハ ) エンジンの外部に配管とその支持用部品が付属する
ことになるため、外観上のデメリットもある。自動二輪
車等にそのエンジンが搭載される場合には、それらの部
品が風切り音を発することもあり得る。
【0006】一方、潤滑油の経路としての穴をシリンダ
等の内部に形成する場合には、ニ ) その穴を形成した部分(シリンダ等)が特定の鋳造
法により成型されている場合、穴の付近等に存在する巣
(気泡巣など)のために、その穴を通る潤滑油の一部が
エンジンの外部に漏れることがないようにする必要があ
る。溶融金属を急冷凝固させるダイキャスト法による場
合、とくに穴の鋳肌面を機械加工にて除去したとき等に
加工面上に巣が発生しないように工夫が要る。ホ ) 潤滑油を通すために専用の穴を形成することは、穴
の位置の設定が設計上必ずしも容易でなく、機械加工も
困難なことが多いので、コストアップを招きがちであ
る。
【0007】請求項の発明は、このような点を考慮して
なしたもので、外部配管を不要にしながら、潤滑油漏れ
の起こりにくい潤滑構造等を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したエン
ジンの潤滑構造は、クランクケース(オイルパン等を含
む)内の潤滑油をシリンダヘッドへ送るための構造に関
し、 ・ クランクケースとネジ結合してシリンダ、シリンダ
ヘッドおよびガスケットを締め付けるボルト(いわゆる
シリンダヘッドボルト。ただし、複数本あるうちの少な
くとも1本)に沿って、そのボルトの通し穴の内側に潤
滑油を送ることとし、 ・ その通し穴のうち少なくとも一部においては、シー
ル部材を介して内側にパイプを装着し、当該ボルトとパ
イプとの間を潤滑油の経路とした ことを特徴とする。
【0009】この潤滑構造にはつぎのような作用があ
る。すなわち、 a) 上記したボルトの通し穴をシリンダヘッドへの潤滑
油の供給に使用することから、エンジンの外部にその潤
滑油用の配管を設ける必要がない。また、潤滑油を通す
ための専用の穴を形成するのでなく、エンジンのうちに
本来ある通し穴を潤滑油の経路とするのであるから、穴
の形成に関連するコストアップがほとんどない。したが
って、前記したイ)〜ハ)およびホ)の課題が解決される。
【0010】b) その通し穴の一部(または全部)に、
巣の存在しやすい方法により製造された部分(たとえ
ば、ダイキャスト法にて鋳造され穴の内面を機械加工さ
れたシリンダ)が含まれる場合にも、その部分に上記に
したがってパイプを装着し、当該パイプとボルトとの間
を潤滑油の経路とすることにより、潤滑油の漏れが防止
される。巣の存在しやすい部分では潤滑油がパイプの内
側を流れ、シール部材を使用することにより通し穴の内
面(巣の存在しがちな部分)には潤滑油が接しないよう
に処置できるからである。つまりこの潤滑構造により、
前記したニ)の課題も解決される。
【0011】請求項2に記載したエンジンの潤滑構造は
とくに、上記のパイプを、シリンダにおける上記通し穴
の内側に装着したことを特徴とする。上記したとおり、
パイプはシール部材を介して通し穴の内側に装着し、ボ
ルトとパイプとの間を潤滑油の経路とする。
【0012】シリンダは、シリンダヘッドなどとは違っ
てダイキャスト法により鋳造されることが多い。シリン
ダヘッド等に比べると、シリンダボアの周囲に規則的に
構成部分が存在する比較的単純な形状のものであるた
め、金型を用いるダイキャスト法によって能率的な鋳造
が可能である。そしてシリンダにおける上記ボルトの通
し穴は、両側から配置される金型の合わせ面にできるパ
ーティングラインの平滑化等のために内面を機械加工さ
れるので、当該通し穴に潤滑油を流すなら、前記のとお
り巣を介して潤滑油の一部が漏れ出ることがないように
する必要がある。その点、この請求項の潤滑構造は、シ
リンダにおける通し穴の内側にパイプを装着したもので
あるから、エンジンの外部に潤滑油が漏れるという不都
合が発生しない。つまりこの潤滑構造によると、ダイキ
ャスト法によってシリンダの製造を容易にすることと、
シリンダヘッドへの潤滑油の供給経路を適切化すること
とを両立できるわけである。
【0013】請求項3に記載したエンジンの潤滑構造は
とくに、上記のパイプを、シリンダにおける上記通し穴
の内側に装着するとともに、そのパイプの下端部がクラ
ンクケース内に入らず、かつ、パイプの上端部がシリン
ダヘッドの下部に入るようにしたことを特徴とする。パ
イプの下端部がクランクケース内に入らず、かつ、その
上端部がシリンダヘッドの下部に入るようにするという
のは、たとえば図3の例のように、パイプの下端部がク
ランクケースの上端の接合面より下には位置せず、ま
た、パイプの上端部がシリンダヘッドの下端の接合面よ
り上に出ていることをいう。
【0014】この潤滑構造は、まず、請求項2の潤滑構
造と同様にシリンダにおける上記通し穴の内側にパイプ
を装着するものであるため、シリンダがダイキャスト法
にて鋳造されていて上記ボルトの通し穴に機械加工が施
されている場合等であっても潤滑油の漏れが生じないと
いう利点を有する。
【0015】また、そのパイプの下端部がクランクケー
ス内に入らないことから、シリンダやシリンダヘッド等
を締め付ける上記ボルト(シリンダヘッドボルト)の全
数に共通のものを使用することができる。これはつぎの
ような理由による。つまり、パイプの下端部がもしクラ
ンクケース内に入るなら、入ったその部分ではボルトと
クランクケースとのネジ結合ができないので、パイプを
使用する(つまり潤滑油の経路とする)ボルトに関して
は、クランクケースにおけるネジ穴を深くしてボルトを
長くするなど、他と異なるものを使用せざるを得ない。
ところが、パイプの下端部をクランクケース内に入れな
いなら、パイプを使用するボルトとクランクケースとの
ネジ結合を、パイプを用いない他のボルトとクランクケ
ースとのネジ結合と同一にすることができる。つまり、
シリンダやシリンダヘッド等を締め付ける上記のボルト
として、全長やネジ部の長さ、径などが等しい共通のも
のを使用することが可能である。共通のボルトを使用で
きると、必要な部品の種類が少なくなるほか組み立てが
容易になり、全体としてエンジンの製造コストを下げる
ことができる。
【0016】パイプの上端部がシリンダヘッドの下部に
入ることから、シリンダに対するシリンダヘッドの組み
付けが容易になるという利点もある。エンジンを組み立
てる際、クランクケースの上にシリンダを重ねるととも
にそのシリンダ中の特定のボルト通し穴にパイプを装着
したとき、シリンダの上部にある接合面(シリンダヘッ
ドに対する接合面)からそのパイプの上端部が突出した
状態になる。これによりシリンダにおいては接合面上に
ある複数の通し穴のうち特定のものからパイプの上端部
が突出した状態になっている。シリンダヘッドにおいて
は、そのパイプの上端部が挿入される特定の通し穴(の
下部)のみが他の通し穴よりも大きく形成されているの
で、シリンダとシリンダヘッドとは、互いの通し穴が上
下に適切に連結される場合を除いて接合面同士を重ねる
ことができない。つまりそのために、シリンダに対して
一時的にも誤った向きにシリンダヘッドを組み付けてし
まうのを防止でき、もってエンジンの組み立てを能率化
し得るのである。
【0017】請求項4に記載した潤滑用パイプは、クラ
ンクケースやシリンダまたはシリンダヘッドの内部に装
着されて潤滑油の経路を形成する潤滑用パイプであっ
て、 ・ 潤滑油について上流側となる一端部に内径の拡大部
分を形成し、 ・ シール部材の軸方向位置(当該パイプの長さ方向に
沿った位置)を定めるための鍔(ツバ)部を、その拡大
部分と他方の一端部とに形成している ことを特徴とする。
【0018】このような潤滑用パイプを、エンジンの内
部、つまりクランクケースやシリンダまたはシリンダヘ
ッドのうち巣の存在しやすい部分の内部に適切に装着し
て、その内側を潤滑油の経路とすれば、エンジンの外部
に配管を設けることなく、しかも潤滑油漏れの起こらな
い潤滑構造を構成することが可能になる。しかも、 ・ 潤滑油の上流側となる一端部に内径の拡大部分を設
けるので、その拡大部分から当該パイプ内に的確に潤滑
油を送り込むことができる。このような拡大部分は一端
部にのみ形成するので、このパイプには、拡大部のない
側の端部を先にして穴の内部へ容易に挿入し装着できる
というメリットもある。 ・ 拡大部分と他方の一端部とに鍔部を形成するので、
軸方向位置がずれないようにOリング等のシール部材を
適切に装着することも可能である。鍔部に隣接する外周
位置にシール部材を嵌め、シリンダやシリンダヘッドに
形成した穴の段差部分とその鍔部との間でシール部材の
位置を拘束すれば、パイプの外側(当該穴の内面に接す
る部分)に潤滑油の回ることが当該シール部材によって
適切に防止される。
【0019】請求項5に記載の潤滑用パイプはとくに、
クランクケースとネジ結合してシリンダ、シリンダヘッ
ドおよびガスケットを締め付けるボルトに沿って潤滑油
の経路を形成すべく、そのボルトの通し穴のうち少なく
とも一部においてシール部材を介し内側(通し穴の内
側)に装着するものであることを特徴とする。
【0020】このような潤滑用パイプは、上記のボルト
を内側に通せる太さを与え、かつ外径のコンパクトなも
のとして形成すれば、上述(請求項1〜3)したエンジ
ンの潤滑構造において好適に使用することができる。つ
まり、当該ボルトに沿って、その通し穴の内側にシール
部材を介してこの潤滑用パイプを装着し、当該ボルトと
パイプとの間を潤滑油の経路とすることにより、上記し
たとおりの作用がもたらされる。
【0021】請求項6に記載した潤滑用パイプはとく
に、所定長さに切断した金属管に対し、塑性加工に
よって一端部に内径の拡大部分を形成し、さらに、軸
方向に圧縮して全周を外側に張り出させる加工により上
記の鍔部を(拡大部分と他方の一端部とに)形成する−
という成形加工(forming)によって製造したことを特
徴とする。
【0022】こうした潤滑用パイプなら、請求項4・5
に記載の特徴を有するものとして、好ましい態様でエン
ジンの潤滑構造に使用することができる。上記の加工
によって一端部に内径の拡大部分を形成され、の加工
を経てその拡大部分と他方の一端部とに鍔部を備えるか
らである。
【0023】またこの潤滑用パイプは、軽量な金属管を
素材とし、手間のかかる旋削加工等を施すことなく簡単
に製造される。の切断も・の加工も、薄肉の金属
管を素材として、図6に例示される工程により能率的に
行えるからである。この点から、パイプ自体が軽量で低
コストにて製造され、ひいてはエンジンの全体に関して
も同様の利益がもたらされる。
【0024】
【発明の実施の形態】発明の実施に関するエンジンにつ
いて一形態を図1〜図6に示す。図1は、一部に内部構
造を示しながらエンジン1の全体的な概要を表す側面図
である。図2は、そのエンジン1のうちクランクケース
2の一部を示す横向きの断面図、図3は、やはりエンジ
ン1のうち、クランクケース2からシリンダ3・シリン
ダヘッド4に及ぶ潤滑油の経路を示す縦向き断面図であ
る。図4および図5はシリンダヘッド4の内部構造等を
示す図で、動弁系50とともにそれに対する潤滑油の経
路を示す横向き断面図(図4(a)、すなわち図4
(b)におけるa−a断面図)および側面図(図4
(b))、ならびに縦向き断面図(図5、すなわち図4
(b)におけるV−V断面図)である。また、図6
(a)〜(e)は、エンジン1において使用した潤滑用
パイプ35について製造工程を示す模式図である。
【0025】図1に示すエンジン1は単気筒の空冷4サ
イクルエンジンであり、下部のクランクケース2の上に
シリンダ3とリンダヘッド4とが組み付けられることに
より主要部が構成されている。クランクケース2・シリ
ンダ3・シリンダヘッド4はいずれもアルミ合金製であ
る。4サイクルエンジンであるから、シリンダヘッド4
に吸気および排気用のバルブ55・54が取り付けられ
ており、それらが、カムシャフト51やロッカーアーム
シャフト53・52を含む動弁系50によって動作させ
られる。なお、図中の符号4aは燃焼室、同45は気化
器、同46は吸気管、同47は排気管である。
【0026】クランクケース2に対するシリンダ3およ
びシリンダヘッド4の組み付けは、シリンダヘッドボル
ト10の締結によって行われている。当該ボルト10
は、シリンダボア3a(図3参照)を囲むように4本が
平行に配置され、いずれも頭部11を上にしてシリンダ
ヘッド4およびシリンダ3を上下に貫通し、下端部がク
ランクケース2内のネジ穴25に結合されている。クラ
ンクケース2とシリンダ3の接合面間、およびシリンダ
3とシリンダヘッド4の接合面間にはそれぞれガスケッ
ト12・13が締め付けられ、ボルト10の上端の頭部
11とシリンダヘッド4の上面との間にもガスケット1
1aが装着されている。図4(a)に示す4箇所の通し
穴42は、それぞれボルト10をシリンダヘッド4に貫
通させるためのものである。そして、図1・図3に示す
ように、シリンダ3やガスケット11a・12・13に
も、これら通し穴42の延長線上に通し穴(図3に示す
通し穴33など)が形成されている。
【0027】このようなエンジン1において、クランク
ケース2内の潤滑油をシリンダヘッド4内の動弁系50
に供給するための経路は、以下のように形成している。
【0028】まず、クランクケース2内には、図2のよ
うにオイルポンプ22とオイルフィルター23とを取り
付けている。オイルポンプ22は、クランクケース2内
の潤滑油の溜まる部分に対し経路21aを介して通じる
ように配置した。ポンプ22は、クランクシャフト(図
示せず)上のギヤ(図示せず)とかみ合うギヤ22aに
よって駆動され、潤滑油を加圧して吐出する。そして、
そのポンプ22の吐出口につながる経路21bの先にオ
イルフィルター23を配置してオイルフィルターキャッ
プ23bを付設し、フィルターエレメント23aを通っ
た潤滑油が経路21cに至るようにした。なお、図中の
白抜き矢印は、潤滑油の送られる向きを示している(他
の図においても同様)。
【0029】オイルフィルター23から経路21cに流
れた潤滑油のうち、一部は図3のように経路21dに送
ってクランクピン・コンロッド間(図示せず)等の潤滑
のためにクランクシャフト(図示せず)内に供給する一
方、他の一部は、シリンダヘッド4へ供給すべく経路2
1e・21fに送る。経路21fは、クランクケース2
の上部接合面に沿った溝であり、経路21eから、前記
した4本のシリンダヘッドボルト10のうち1本を結合
するネジ穴25の上部に達するものである。
【0030】経路21fに送った潤滑油は、当該1本の
シリンダヘッドボルト10に沿ってそのボルト10の通
し穴33(シリンダ3内の部分)および通し穴42(シ
リンダヘッド4内の部分)の内側を上方へ送ることとし
ている。ただし、図3のとおり、シリンダ3の範囲では
通し穴33の内側に潤滑用パイプ35を挿入し、そのパ
イプ35とボルト10との隙間を潤滑油の経路31aと
した。シリンダ3における通し穴33の内面には鋳造時
に発生した巣が開口していることがあるので、通し穴3
3の内面に沿って潤滑油を送るとその潤滑油がエンジン
1の外側に漏れ出ることもあり得るからである。つま
り、砂型を用いた重力鋳造法により成型するシリンダヘ
ッド4とは違って、シリンダ3はダイキャスト法にて成
型しているため内部に巣が存在する可能性があり、パー
ティングライン33p等の切削仕上げの際にその巣が通
し穴33の内側表面に開口していることも予想されるの
である。なお、仮に、巣の存在する可能性がシリンダ3
以外の部分にある場合にも、そのような可能性のある部
分をカバーするように潤滑用パイプ(パイプ35と同様
の構成をもつもの)を装着するとよい。
【0031】潤滑用パイプ35は、直径の大きな拡大部
分35aを下端部付近に形成し、その拡大部分35aの
一部と他方(上端部付近)の一部とにそれぞれ鍔部35
b・35cを形成したものである。外周において鍔部3
5b・35cの各上部に隣接するようにシール部材とし
てのOリング36・37をはめ、拡大部分35aがシリ
ンダ3における通し穴33の下端部に位置し、他方の端
部がシリンダヘッド4における通し穴42の下端部内に
位置するように、当該パイプ35をシリンダ3内に装着
する。拡大部分35aにはめたOリング36は、通し穴
33の下端拡径部33aの内面に接し、その奥(上部)
の段差面33bと鍔部35bとにはさまれて位置が定ま
る。また、鍔部35cに隣接させてパイプ35の上端付
近にはめたOリング37は、シリンダヘッド4の通し穴
42の下端拡径部42aの内面に接し、その奥(上部)
の段差面42bと鍔部35cとにはさまれることにより
位置が定まる。パイプ35とOリング36・37との作
用により、ボルト10に沿って送られる潤滑油は必ずパ
イプ35内の経路31aを流れ、通し穴33の内面に接
しては流れることがない。そのため、前記したように適
切にガスケット11a(図1参照)・12・13が使用
されていること等と相まって、エンジン1の外部への潤
滑油の漏出が防止される。
【0032】潤滑用パイプ35の拡大部分35aの端面
をクランクケース2の上部接合面に当て、パイプ35の
内側が上記の経路21fと通じるようにしたことから、
前記のように経路21fに達した潤滑油はボルト10と
パイプ35との間の経路31aを上向きに流れて、シリ
ンダヘッド4内の経路41aに入る。経路41aは、上
記と同じボルト10とそのボルト10の通し穴42との
隙間である。重力鋳造によって成型されたシリンダヘッ
ド4には巣が内在する可能性がほとんどないので、その
通し穴42の内面上に潤滑油を流しても、それが外部へ
漏れ出る恐れはない。
【0033】シリンダヘッド4においては、図4(a)
のとおり、上記の経路41a(通し穴42の内部)と通
じ合うように潤滑油の経路41b・41cおよび41d
を形成している。経路41cはシリンダヘッド4の鋳造
時に形成したもので、鋳造後の機械加工にて形成した経
路41bを通して上記の経路41aから潤滑油を受け入
れ、カムシャフト51の中空部51aにそれを送る部分
(図5参照)である。また経路41dは、鋳造後の機械
加工によりシリンダヘッド4内に形成したもので、経路
41aからの潤滑油をロッカーアームシャフト52の中
空部52aに送り込むための部分である。
【0034】経路41aを上向きに送られる潤滑油の一
部は、経路41b・41cを経てカムシャフト51の中
空部51aに流入し、図5に示す通孔51bおよび51
cよりそれぞれカム51dおよび51eの表面上に流出
する(図中の中空部51aの左端は、図示しないボルト
等にて塞がれている)。こうしてカム51d・51eの
表面に潤滑油が供給されることにより、それらとロッカ
ーアーム53h・52h(図4(a)を参照)との摺動
が円滑化される。
【0035】一方、図4(a)の経路41aを送られる
潤滑油の他の一部は、経路41dを経てロッカーアーム
シャフト52の中空部52aに流入し、ロッカーアーム
シャフト52・53とそれぞれにはめられたロッカーア
ーム52h・53hとの間の摺動部に供給される。1本
のシャフト52内に送った潤滑油を2本のシャフト52
・53における必要部分に供給するためには、つぎのよ
うな構成を採用している。
【0036】まず、2本のロッカーアームシャフト52
・53を、それぞれ中空部52a・53aを全長に有す
る中空軸として形成する。そして、各中空部52a・5
3aから外周面すなわちロッカーアーム52h・53h
との間の摺動部に潤滑油を供給できるよう、各アーム5
2h・53hのはめ付け位置においてシャフト52・5
3に、半径方向に内外間を貫通する通孔52b・53b
をそれぞれ加工する。
【0037】シリンダヘッド4内には、組み込まれた状
態の両シャフト52・53間をつなぐように、シャフト
52の端部(経路41cから遠い側の端部)から他方の
シャフト53の端部へ達する潤滑油の通路43を形成す
る。その通路43は、図4(a)に示す押さえ板54と
シリンダヘッド4中のその板54の取付け面との間に設
ける溝によって構成する。押さえ板54は、図4(b)
に示すとおりビス54aにてシリンダヘッド4上に取り
付けられ、シリンダヘッド4内に挿入して支持させたロ
ッカーアームシャフト52・53の端部に接触してその
位置を固定し、同時に、カムシャフト51用の軸受51
hの外輪端面に接触してその軸受51hの位置を固定す
る(図5を参照)ものである。図の例では、シリンダヘ
ッド4上の取付け面に溝を形成し、その溝の外側を押さ
え板54で覆うことにより、潤滑油の通路43を形成し
ている(逆に、押さえ板54に溝を形成して平坦な取付
け面に押し当てても、同様の通路を形成できる)。
【0038】図4(a)に示すように2本のロッカーア
ームシャフト52・53の端部には凹凸部52c・53
cをそれぞれ形成し、端面の一部のみが上記の押さえ板
54と接するようにする。そうすれば、各シャフト52
・53の中空部52a・53aと上記の通路43との間
で潤滑油が円滑に流れ得るようになる。
【0039】上記のような通路43や凹凸部52c・5
3c等の構成に基づき、潤滑油は、1本のロッカーアー
ムシャフト52内に送られるだけでも、2本のロッカー
アームシャフト52・53における必要部分に供給され
ることとなる。シャフト52の中空部52aに送られた
潤滑油は、一部がそのシャフト52の通孔52bから外
周面(すなわちロッカーアーム52hとの摺動面)に送
り出され、残りの一部は、中空部52aを端部の凹凸部
52cにまで送られたうえ、さらに通路43を経て他方
のシャフト53の凹凸部53cからその中空部53aに
入り、通孔53bからそのシャフト53の外周面(すな
わちロッカーアーム53hとの摺動面)に供給されるか
らである。そして、以上により、図1のエンジン1にお
いては、クランクケース2内の潤滑油をシリンダヘッド
4内の動弁系50にまで円滑に供給し得ることとなる。
【0040】シリンダ3の範囲内でシリンダヘッドボル
ト10に沿って図3のとおり潤滑油の経路31aを形成
した潤滑用パイプ35は、鋼管(金属管)を素材として
概ね図6(a)〜(e)の手順にしたがい製造してい
る。すなわち、 ・ 外径が10mmで厚さが0.7mmの薄肉鋼管3
5’を適切な長さ(約100mm)に切断する(図6
(a))。 ・ 切断した鋼管35’を、一端に拡大部分をもつ成形
金型61内に入れて他方の端部にストッパー63を当
て、金型61のうち拡大部分のある側から、同様の拡大
部分をもつオス型のパンチ62を押し入れることによ
り、鋼管35’の一端付近に拡大部分35aを形成する
(図6(b))、 ・ 拡大部分35aの一部を突出させる短めの成形金型
64内に上記の鋼管35’を入れて他方の端部にストッ
パー63を当て、拡大部分35aには、内側に密着部6
5aがあって外側に変形しろとなる空間65bを有する
パンチ65を押し当てる(図6(c))。 ・ 押し当てたパンチ65等にて鋼管35’に軸方向へ
の圧縮力をかけるというスプール加工により、拡大部分
35aのうち端部寄りの箇所の全周に、鋼管壁が座屈に
より外側へ張り出して屈曲した鍔部35bを形成する
(図6(d))。 ・ 鋼管35’のうち拡大部分35aとは反対側の端部
に対し、上記と同様の方法でスプール加工を施すことに
より、一端部に内径の拡大部分35aを有していて、そ
の拡大部分35aと他方の端部とに鍔部35b・35c
をそれぞれ具備する潤滑用パイプ35を完成する(図6
(e))。パイプ35の内側には図6(e)のように外
径が7.2mmのボルト10が通されるので、拡大部分
35a以外の部分では、パイプ35とボルト10との間
に0.7mmの厚さの隙間が全周にでき、これが前記し
た経路31a(図3参照)となる。
【0041】図1のエンジン1の組み立て、すなわち、
潤滑用パイプ35の装着過程を含むクランクケース2・
シリンダ3・シリンダヘッド4間の組み付け作業は、た
とえばつぎの要領で行うことができる。 ・ クランクケース2の上部接合面にガスケット12を
敷く。 ・ つぎに、シリンダ3に形成された4本の通し穴33
のうち、内部に潤滑油の経路を形成する1本に対し、潤
滑用パイプ35を装着する。装着は、シリンダ3の下方
から、図3のように拡大部分35aのない端部を上にし
てパイプ35を挿入することにより行う。ただし、拡大
部分35aの鍔部35bの上部位置にあらかじめOリン
グ36をはめておく。Oリング36とともに通し穴33
に挿入したパイプ35は、Oリング36の弾性に基づく
摩擦力のために、組立作業中にも簡単には通し穴33か
ら抜け出ることがない。 ・ パイプ35を装着した通し穴33が、クランクケー
ス2の4箇所のネジ穴25のうち図3のように潤滑油の
経路21f等が形成されたものの真上にくるようシリン
ダ3の位置を定めながら、クランクケース2の上部接合
面(ガスケット12)の上にシリンダ3を重ねる。 ・ クランクケース2の上に置いたシリンダ3の上部接
合面にガスケット13を敷く。また、当該接合面やガス
ケット13において、4箇所の通し穴33のうち1箇所
の穴33からパイプ35の一端部が突出した状態になっ
ているので、その端部からパイプ35に対し、鍔部35
cに触れる位置にまでOリング37をはめる。 ・ シリンダヘッド4における4箇所の通し穴42のう
ち下端に拡径部42aを備えるものが、上記によりOリ
ング37をはめたパイプ35が突出しているシリンダ3
の通し穴33の真上になるように位置を定めて、シリン
ダ3およびガスケット13の上にシリンダヘッド4を重
ねる。パイプ35の端部や鍔部35cは寸法上、拡径部
42aのない通し穴42には入り得ないので、実際に
は、この過程でシリンダ3に対する向きを間違えてシリ
ンダヘッド4を組み付ける心配はなく、作業は能率的に
行える。 ・ 図1にしたがい、4本の各シリンダヘッドボルト1
0(の頭部11の下)にガスケット11aをはめ、シリ
ンダヘッド4における4箇所の通し穴42の上端部から
各ボルト10を挿入してシリンダ3やガスケット12・
13の内部を通し、下端のネジ部をクランクケース2の
ネジ穴25に結合させる。ボルト10を十分に締め込む
ことによりクランクケース2に対するシリンダ3とシリ
ンダヘッド4との組み立てが完了する。そして同時に、
そうしたボルト10のうち1本に沿ってクランクケース
2内よりシリンダヘッド4(動弁系50)へ送る潤滑油
の供給経路も完成される。
【0042】なお、頭部のあるボルト10に代えて、両
端にネジ部のあるスタッドボルトをシリンダヘッドボル
トとして使用することもできる。その場合にも、上記と
同様に潤滑用パイプ35を使用してシリンダヘッド4へ
の潤滑油の経路を形成でき、クランクケース2に対する
シリンダ3およびシリンダヘッド4の組み立ても同様に
実施できる。ただし、その組み立てに当たっては、シリ
ンダ3およびシリンダヘッド4をクランクケース2の上
に重ねる前にシリンダヘッドボルトをクランクケース2
のネジ穴25に結合させる必要がある。
【0043】
【発明の効果】請求項1に記載したエンジンの潤滑構造
にはつぎのような効果がある。すなわち、 ・ 元々存在するボルトの通し穴を潤滑油の供給に使用
することから、エンジンの外部に潤滑油用の配管を設け
る必要がない。そのため、必要部品の数が減少するとと
もに組み立ても容易になり、コスト上のメリットがもた
らされる。潤滑油を通す穴を形成するのに手間やコスト
がかかる、という不利もない。外側に雑多な部品が表れ
ないので、エンジンの外観も向上する。 ・ 通し穴の内側にシール部材を介してパイプを装着す
るので、当該通し穴のうちに巣の存在しやすい部分が含
まれる場合にも、エンジンの外部に潤滑油の漏れること
がない。
【0044】請求項2に記載したエンジンの潤滑構造
は、さらに、 ・ シリンダにおける通し穴の内側に上記のパイプを装
着したものなので、ダイキャスト法によってシリンダの
製造を能率化することと、漏出をなくして潤滑油を適切
にシリンダヘッドへ供給することとをともに実現する。
【0045】請求項3に記載したエンジンの潤滑構造な
ら、さらに、 ・ シリンダやシリンダヘッド等を締め付けるボルト
(シリンダヘッドボルト)として共通のものを使用する
ことができる。そのため、当該エンジンについて必要な
部品の種類が少なくなるほか組み立てが容易になり、製
造コストが低減する。 ・ エンジンを組み立てる際、シリンダの上部にある接
合面からパイプの上端部が突出し、それがシリンダに対
するシリンダヘッドの取付け向きを規定するので、エン
ジンの組み立てが円滑化される。上記のように共通のボ
ルトが使用できる構造であってシリンダヘッド等の取り
付け向きが一時的に間違われやすいことを考慮すると、
この点の効果は著しい。
【0046】請求項4に記載した潤滑用パイプにはつぎ
の効果がある。すなわち、 ・ エンジンのうち巣の存在しやすい部分の内部にこの
パイプを適切に装着して内側を潤滑油の経路とすれば、
エンジンの外部に配管を設けることなく、しかも潤滑油
漏れの起こらない潤滑構造を構成できる。 ・ 潤滑油の上流側となる一端部に内径の拡大部分を設
けるので、パイプの内部に潤滑油を送り込むことが容易
である。穴の内部への装着も難しくない。 ・ 拡大部分と他方の一端部とに鍔部を形成するので、
軸方向位置がずれないようにOリング等のシール部材を
装着することができ、パイプの外側に潤滑油の回ること
が適切に防止される。
【0047】請求項5に記載の潤滑用パイプではとく
に、 ・ シリンダやシリンダヘッド等を締め付けるボルトに
沿って、その通し穴の内側にシール部材を介してこの潤
滑用パイプを装着することにより、請求項1〜3の潤滑
構造を構成することができる。
【0048】請求項6に記載した潤滑用パイプなら、さ
らに、 ・ 軽量な金属管を素材として、手間のかかる旋削加工
等を施すことなく簡単に製造できる。ひいては、エンジ
ンの軽量化がはかられその製造も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の一形態としてのエンジン1に関
し、一部に内部構造を示しながら全体的な概要を表す側
面図である。
【図2】図1のエンジン1のうち、クランクケース2の
一部を示す横向きの断面図である。
【図3】図1のエンジン1のうち、クランクケース2か
らシリンダ3・シリンダヘッド4に及ぶ潤滑油の経路を
示す縦向き断面図である。
【図4】エンジン1のうちシリンダヘッド4の内部構造
等を示す図であり、図4(a)は、動弁系50とともに
それに対する潤滑油の経路を示す横向き断面図(すなわ
ち図4(b)におけるa−a断面図)である。また図4
(b)は、シリンダヘッド4の側面図である。
【図5】エンジン1のうち、シリンダヘッド4における
縦向きの断面図(すなわち図4(b)におけるV−V断
面図)である。
【図6】図6(a)〜(e)は、エンジン1において使
用した潤滑用パイプ35について製造工程を示す模式図
である。
【図7】従来の一般的なエンジン1’について、一部に
内部構造を示しながら全体的な概要を表す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 クランクケース 3 シリンダ 4 シリンダヘッド 10 ボルト(シリンダヘッドボルト) 35 パイプ 35a 拡大部分 35b・35c 鍔部 36・37 Oリング 33・42 通し穴 50 動弁系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02F 1/00 F02F 1/00 J 1/24 1/24 G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/06 B21D 19/08 B21D 41/02 B21D 53/84 F02F 1/00 F02F 1/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクケース内の潤滑油をシリンダヘ
    ッドへ送るためのエンジンの潤滑構造であって、 クランクケースとネジ結合してシリンダ、シリンダヘッ
    ドおよびガスケットを締め付けるボルトに沿って、その
    ボルトの通し穴の内側を潤滑油が送られ、その通し穴の
    うち少なくとも一部においては、シール部材を介して内
    側にパイプが装着され、当該ボルトとパイプとの間が潤
    滑油の経路とされていることを特徴とするエンジンの潤
    滑構造。
  2. 【請求項2】 上記のパイプが、シリンダにおける上記
    通し穴の内側に装着されていることを特徴とする請求項
    1に記載したエンジンの潤滑構造。
  3. 【請求項3】 上記のパイプは、下端部がクランクケー
    ス内には入らず、かつ上端部がシリンダヘッドの下部に
    入るように、シリンダにおける上記通し穴の内側に装着
    されていることを特徴とする請求項1または2に記載し
    たエンジンの潤滑構造。
  4. 【請求項4】 クランクケースやシリンダまたはシリン
    ダヘッドの内部に装着されて潤滑油の経路を形成する潤
    滑用パイプであって、 潤滑油の上流側となる一端部に内径の拡大部分が形成さ
    れ、シール部材の軸方向位置を定めるための鍔部が、そ
    の拡大部分と他方の一端部とに形成されていることを特
    徴とする潤滑用パイプ。
  5. 【請求項5】 クランクケースとネジ結合してシリン
    ダ、シリンダヘッドおよびガスケットを締め付けるボル
    トに沿って潤滑油の経路を形成すべく、そのボルトの通
    し穴のうち少なくとも一部においてシール部材を介し内
    側に装着されることを特徴とする請求項4に記載した潤
    滑用パイプ。
  6. 【請求項6】 所定長さに切断された金属管が、塑性加
    工によって一端部に内径の拡大部分を形成され、さら
    に、軸方向に圧縮して全周を外側に張り出させる加工に
    より上記の鍔部を形成されていることを特徴とする請求
    項4または5に記載した潤滑用パイプ。
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