JPH11173210A - 頭上カム式エンジン - Google Patents

頭上カム式エンジン

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JPH11173210A
JPH11173210A JP25814098A JP25814098A JPH11173210A JP H11173210 A JPH11173210 A JP H11173210A JP 25814098 A JP25814098 A JP 25814098A JP 25814098 A JP25814098 A JP 25814098A JP H11173210 A JPH11173210 A JP H11173210A
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JP
Japan
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cam
chamber
valve
head
cover
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP25814098A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Fukamachi
昌俊 深町
Takushi Matto
卓志 松任
Yuuichi Tawarada
雄一 俵田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to TW087113200A priority patent/TW374823B/zh
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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ部、ヘッド部及びヘッドカバー部を
一体鋳造する。 【解決手段】 略直方体形状の本体1と、その対向する
一対の左右側面へ取付けられるインレットカバー2及び
カムチェーンカバー3を備え、本体1とインレットカバ
ー2の間にウォータージャケット45、吸気ポート18
への接続部、カム軸6への給油部分を区画形成する。本
体1とカムチェーンカバー3の間にはチェーン室32を
形成するとともに、カムチェーン35によって駆動され
る水ポンプ40を支持する。本体1はピストン4を収容
するシリンダ部5と、カム軸6を収容するカム室7とを
備える。カム室7を本体1のカムチェーンカバー3取付
け面側を形成する金型と一体部分で同一方向へ鋳抜きで
形成するとともに、吸気バルブ20及び排気バルブ21
の各バルブリフタ25、26を収容するバルブリフタ穴
をシリンダ軸線Cと傾斜するバルブ軸線C1、C2に沿
ってカム軸6と交差するように形成し、ヘッドカバー部
9の各バルブ軸線C1、C2の延長上に覗き穴36、3
7を設け、キャップ38、39を取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は鋳造で形成された
頭上カム式エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なエンジンは、シリンダブロッ
ク、シリンダヘッド及びシリンダヘッドカバーを鋳造に
より各別体に構成し、それぞれを重ねて組立てられてい
る。また、シリンダブロック、シリンダヘッド及びシリ
ンダヘッドカバーの一部を一体に鋳造したものも公知で
あるが(特開平4−17759号)、この場合はシリン
ダヘッドカバーの全部でなく一部だけが一体に成形され
ている。
【0003】そのうえ、頭上カム式の動弁機構を採用
し、メタル軸受でカム軸を軸受けする場合は、軸受部を
上下分割する必要があり、しかもカム室及びバルブリフ
タ穴は砂中子を用いて一体に形成されていた。同様に吸
排気ポート及び水冷式エンジンの場合におけるウォータ
ージャケットも砂中子を用いて成形する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
のようにシリンダブロック、シリンダヘッド及びシリン
ダヘッドカバーを分割して構成するものでは、部品点数
が多くなりパッキン面が多くなるので加工工数が増大す
る。また、パッキン面にガスケット類が必要であり、シ
ールの信頼性を高めなければならない。そのうえガスケ
ットのシール面を確保する必要があり、シリンダとウォ
ータジャケット間の肉厚やボア径に制約を受ける。
【0005】さらに、シリンダブロック、シリンダヘッ
ド及びシリンダヘッドカバーの一部までを一体鋳造する
場合でも、カム室とバルブリフタ穴並びに吸排気ポート
及びウォータージャケットの成形に砂中子を用いるの
で、中子作成や砂落としに多くの工数が必要になる。そ
のうえ、シリンダヘッドカバーはカム軸部分で上下分割
しなければならず、カム軸の上方を覆う部分を含むシリ
ンダヘッドカバーの略全体をシリンダヘッドと連続に一
体鋳造することはできない。しかも、上下分割されるメ
タル軸受のためにカムホルダが必要となり、かつカムホ
ルダとシリンダヘッドを同軸の共加工が必要になるの
で、カム軸の軸受構造が複雑でかつその加工も手間がか
かることになる。そこで、本願発明は係る課題の解決を
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願の頭上カム式エンジンに係る第1の発明は、ピスト
ンを摺動自在に収容するシリンダ部と、燃焼室、吸排気
バルブ及びこれらのバルブを駆動するカムが設けられた
カム軸を回転可能に収容するカム室を有するヘッド部
と、カム室を覆うヘッドカバー部を備えた頭上カム式エ
ンジンにおいて、上記カム室がカム軸の軸方向へ鋳抜き
で形成されかつヘッドカバー部の少なくとも一部がカム
軸上方を覆う状態で、上記シリンダ部、ヘッド部及びヘ
ッドカバー部を一体に鋳造成形されていることを特徴と
する。
【0007】第2の発明は、上記第1の発明において、
上記エンジンを金型鋳造品とし、カム室を形成する型が
エンジンの外形の一側を形成する型と一体にかつ同一方
向へ引き抜かれて形成されるようにすることを特徴とす
る。
【0008】第3の発明は、上記第1の発明において、
ヘッド部にバルブリフタを収容するバルブリフタ穴をカ
ム軸線と交差して鋳抜きにより形成したことを特徴とす
る。
【0009】第4の発明は、上記第3の発明において、
上記ヘッドカバー部のうち上記バルブリフタ穴の軸線延
長上にカム室へ貫通するカム覗き穴を設け、このカム覗
き穴にカム室を閉塞するキャップ部材を着脱自在に取付
けることを特徴とする。
【0010】
【発明の効果】第1の発明によれば、カム室をカム軸の
軸方向へ鋳抜きで形成したので、シリンダ部及びヘッド
部並びにカム軸の上方を覆う部分を含むヘッドカバー部
を一体に鋳造成形できる。このため、部品点数を削減で
き、これらの接合部に必要であったパッキン面がなくな
るので加工工数が減少し、パッキン面のシールも不要に
なり、シール面の確保に伴うシリンダとウォータジャケ
ット間の肉厚やボア径に対する制約もなくなる。
【0011】さらに、カム室の成形に砂中子を用いない
ので、中子作成や砂落としに要した多くの工数が不要に
なる。そのうえ、シリンダヘッドカバー全体をシリンダ
ヘッドと連続して一体に鋳造できるので、軸受けをカム
軸部分で上下分割する必要がなくなり、カムホルダを廃
止できかつカムホルダとシリンダヘッドを同軸の共加工
する必要がなくなるので、軸受構造が簡単になりかつそ
の加工に要する手間もあまりかからなくなる。
【0012】第2の発明によれば、鋳造を金型鋳造と
し、この金型のうち、カム室を形成する型がエンジンの
外形を形成する型と一体で、かつ同一方向へ引き抜かれ
るため、エンジンの外形を形成するとき、カム室もカム
軸方向へ鋳抜かれて一体に形成できることになり、カム
室の成形が容易になる。
【0013】第3の発明によれば、バルブリフタを収容
するバルブリフタ穴をカム軸線と交差して鋳抜きにより
形成したので、ヘッド部のカム室を形成するとき、バル
ブリフタ穴を同時に成形でき、しかも中子を廃止できる
ので、工数を著しく削減できる。
【0014】第4の発明は、ヘッドカバー部のうちバル
ブリフタ穴の軸線延長上にカム室へ貫通するカム覗き穴
を設けたので、この覗き穴をバルブリフタ穴の鋳抜きと
同時に形成できる。しかもこのカム覗き穴にカム室を閉
塞するキャップ部材を着脱自在に取付けることによりメ
ンテナンス用の穴として活用できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて小型自動2
輪用の水冷式4サイクル小排気量エンジンに適用された
一実施例を説明する。図1は本実施例に係るエンジンの
全体断面図、図2はインレットカバーを取り去った右側
面を示す図、図3はカムチェーンカバーを取り去った左
側面を示す図、図4は図1の4−4線断面図、図5は図
1の5−5線断面図、図6は本体部の断面図、図7はイ
ンレットカバーの接合面側を示す図、図8はカムチェー
ンカバーの接合面側を示す図、図9は本体部の鋳造金型
を示す断面図、図10はカム室及びバルブリフタ穴の成
形方法を示す金型の断面図、図11はウオータジャケッ
トの成形方法を示す金型の断面図である
【0016】このエンジンはアルミ合金等の適宜金属を
ダイカスト成形等の鋳造方法によって形成された略直方
体形の本体1に対して、その長手方向へ形成された略平
行に対向する二つの側面へインレットカバー2及びカム
チェーンカバー3を取付けることにより組立てられ、ク
ランクケース(図示省略)へ取付けられるようになって
いる。
【0017】本体1はコンロッド4aを介してクランク
軸(図示省略)へ連結されているピストン4を収容する
シリンダ部5と、カム軸6を回転自在に収容するカム室
7を有するヘッド部8とが一体に成形されたものであ
る。
【0018】なお本願では、ヘッド部8のうちカム室7
を覆う部分を特にヘッドカバー部9とし、さらに便宜
上、本体1の各面につき、インレットカバー2が取付け
られる面を右側面10、カムチェーンカバー3が取付け
られる面を左側面11(図6)、これらの面に挟まれた
対向する二面のうち後述するラジエタが取付けられる面
を前面12、他方を背面13(図5)という。また、ヘ
ッドカバー部9の天井部外表面を頂面14、クランクケ
ースへ取付けられる面を底面15とする(図1)。
【0019】シリンダ部5にはシリンダ16が底面15
側から本体1の長さ方向略中間部まで形成され、このシ
リンダ16の最奥部であるヘッド部8側に形成された燃
焼室17は吸気ポート18及び排気ポート19と連通
し、各ポートの燃焼室17側の開口部は吸気バルブ20
と排気バルブ21で開閉され、各バルブの軸線C1,C
2はシリンダ軸線Cに対して所定のバルブ挟み角をなし
ている。符号20a及び21bはステムホルダである。
【0020】吸気ポート18はインレットカバー2に形
成された吸気通路22に連通し、この吸気通路22は吸
気ポート18の延長上を斜めに外方へ延び、インレット
パイプ23を介して気化器(図示省略)へ接続されてい
る。排気ポート21は吸気ポート18と略直角方向へ延
びて背面13において排気管24へ接続している。図2
及び3中の符号29は点火プラグである。
【0021】各バルブの駆動は、それぞれの軸端部に設
けられたバルブリフタ25、26を介してカム27、2
8により直接駆動される直動式となっており、これらの
カム27、28が形成されたカム軸6は、右側面10と
左側面11の間を貫通してテーパー状に形成されている
カム室7の両開口端部においてベアリング30、31に
より軸受けされている。カム27、28の各摺動面はそ
れぞれバルブリフタ25、26の摺動面に対応して傾斜
面になっている。またカム軸6の一端部とインレットカ
バー2の間には給油部6aが形成されている。
【0022】カム軸6の他端部は、カムチェーンカバー
3と左側面11との間に形成されたチェーン室32内へ
突出し、その突出端部にカムスプロケット33がボルト
34で取付けられている。このカムスプロケット33は
カムチェーン35を介して図示しないクランク軸に設け
られた駆動スプロケットへ巻き掛けられている。
【0023】ヘッドカバー部9のうち各バルブ軸線C1
及びC2の延長上には、それぞれのバルブ軸線C1及び
C2と同軸でかつ各バルブリフタ25、26と略同径の
カム覗き穴36、37が形成され、それぞれにカム室7
を開閉するキャップ38、39がシールを介してねじ止
めで密封されている。
【0024】本体1の燃焼室17近傍部には水ポンプ4
0が設けられている。図5に明らかなように、本体部1
のカムチェーンカバー3に面する側壁部に円形のポンプ
取付凹部41が形成され、その中に水ポンプ40の外形
をなす樹脂製カバーの一部に形成されたフランジ42が
収容されている。このフランジ42もポンプ取付凹部4
1とほぼ同じ円形であり、ポンプ取付凹部41の周壁部
にOリング44を介してと液密に嵌合することにより、
ポンプ取付凹部41の間でシールされている。
【0025】さらに、このフランジ42より内側のポン
プ取付凹部41内にはポンプボデイ43が嵌合され、ウ
オータジャケット45の開口部を覆っている。ポンプボ
デイ43の中央部にはインペラ46が配設されてポンプ
軸47と一体に回転自在に支持され、かつポンプボデイ
43のうちインペラ46の中心部相当位置にインペラ4
6とウオータジャケット45とを連通する開口部が形成
されて水通路43aをなしている。
【0026】ポンプ軸47の一端はシリンダ16の外周
壁面に突出形成されて水通路43a内へ突出するボス4
8へ回転自在に支持されている。ポンプ軸47の他端側
は、カムチェーン35を越えてチェーン室32内へ突出
し、その周囲にマグネットリング49が設けられ、さら
にその周囲にフランジ42と一体の樹脂製カバーの一部
で覆われた小径部50となっている。この小径部50は
円形をなし、そのカムチェーンカバー3側へ突出する端
部はカムチェーンカバー3に形成された円形の嵌合凹部
51へ嵌合支持されている。
【0027】図3に明らかなように、この小径部50の
中心とフランジ42の中心は異なっており、小径部50
と同心の嵌合凹部51と、フランジ42と同心のポンプ
取付凹部41の各中心も異なっている。小径部50を嵌
合凹部51へ嵌合した状態でフランジ42をポンプ取付
凹部41へ嵌合し、カムチェーンカバー3を左側面11
へボルト止め等により取付けることにより水ポンプ40
がポンプ取付凹部41へ固定されている。
【0028】図5に明らかなように、小径部50の外周
部にはマグネットリング52が内周側に一体化された水
ポンプ用スプロケット53が設けられ、カムチェーン3
5で駆動されるようになっている。水ポンプ用スプロケ
ット53のボス外周はベアリング54を介してカムチェ
ーンカバー3に形成された円形の水ポンプ収容部55内
へ回転自在に収容されている。
【0029】マグネットリング52が水ポンプ用スプロ
ケット53と一体に回転すると、小径部50内のマグネ
ットリング49が磁気的に結合されて一体に回転し、こ
れによってマグネットリング49と一体のポンプ軸47
を介してインペラ46が回転され、水ポンプ40が駆動
状態となる。
【0030】本体部1の前面12には、水出口56及び
水入口57がそれぞれ横並びに突出形成されている。水
出口56はカムチェーンカバー3の近傍に形成され、ポ
ンプボデイ43に設けられている吐出路58に連通して
いる。吐出路58はポンプボデイ43内部のインぺラ4
6周囲へ通じる略円弧状通路部59に連続している。水
入口57はインレットカバー2の近傍に位置してウオー
タジャケット45へ連通している。
【0031】これらの水出口56及び水入口57にはそ
れぞれラジエタ60の戻り口61と送水口62が直接嵌
合して接続され、戻り口61はラジエタ60内を吐出路
58の延長方向へ直線状に延びる戻り通路63を介して
上タンク64へ接続されている。
【0032】図6に示すように、本体1のヘッド部8に
は、各バルブリフタ25、26を収容するバルブリフタ
穴84、85、これらの先端から連続して吸気ポート1
8及び排気ポート19へ延びる小径のステムホルダ穴8
6、87が形成され、これらの各穴はバルブ軸線C1又
はC2に沿っており、各バルブ軸線C1又はC2の延長
はカム軸6の軸線(カム室の中心軸線)と交差して延
び、その延長上のヘッドカバー部9にカム覗き穴36、
37が形成されている。
【0033】図7に示すように、本体部1の右側面10
へ取付けられるインレットカバー2の接合面側には、矩
形の冷却水シール65、楕円形の吸気シール66、略P
字状をなすオイル部シール67が形成され、インレット
カバー2を本体部1の右側面10へ被せることにより、
右側面10とインレットカバー2の間で、水、混合気及
びオイルを分離してシールするようになっている。
【0034】なお、図7中の符号67はメインギャラリ
(図示省略)へ通じる油路67a(図5)と連通する凹
部、68はカム軸6の軸端に形成された給油部6a(図
1、図4)へ給油するオイル通路、図4中の符号69は
点火プラグ29の取付用ボスである。
【0035】図9は図1に示した本体1の断面部を成形
するための金型構造を示し、本体1の右側面10を形成
する右型70、左側面11を形成する左型71、シリン
ダ16部分を形成するシリンダ型72、頂面14側を形
成する上型73で構成されている。なお、図11に示す
ように、前面12及び背面13の形成にもそれぞれ前面
型92及び背面型97が用いられる。
【0036】右型70には、カム軸の一端軸受け部に相
当する突部74、吸気ポート18の一部に相当する下穴
18aを形成する突部75、インレットカバー2側のウ
ォータージャケット45に相当する突部76等が形成さ
れている。
【0037】左型71にはカム室7を鋳抜きで形成する
先細りテーパー状の突部77、ブリーザー穴78を形成
するピン79、ポンプ取付凹部41に相当する突部80
が形成され、この突部80の中央には、ボス部48に相
当する成形部81が形成されている。
【0038】シリンダ型72には、吸気通路18の一部
をなす下穴18bに相当する突部82及び排気ポート1
9相当部の下穴19a相当する突部83が形成されてい
る。
【0039】上型73には、各バルブリフタ25、26
を収容するバルブリフタ穴84、85、これらの先端か
ら連続して吸気ポート18及び排気ポート19へ延びる
小径のステムホルダ穴86、87の下穴86a、87a
並びにカム覗き穴36、37を同時に鋳抜きで形成する
ためのスライドピンが設けられている。
【0040】図10に明らかなように、このスライドピ
ン88、89はそれぞれバルブ軸線C1、C2に沿って
斜めに進退自在であり、成形時には突部77と交差する
ようになっている。このとき各スライドピン88、89
の先端はそれぞれ突部75及び82並びに83の近傍に
位置する。
【0041】成形後、各スライドピン88、89をそれ
ぞれのバルブ軸線C1、C2に沿って図の上方へスライ
ドさせ、さらに各型を開くと、左型71を左へ開くこと
により本体部1の左側面11が形成され、同時に同一方
向へ引き抜かれる突部77によりカム室7が鋳抜かれ
る。また、各スライドピン88、89によって、バルブ
リフタ穴84、85、ステムホルダ穴86、87の下穴
86a、87a並びにカム覗き穴36、37が同時に鋳
抜きで形成される。
【0042】その後、各下穴(18a、19a、86
a、87a)等に対する穿孔及び穴部内周面の切削並び
に覗き穴36、37に対するねじ切り加工など、僅かな
機械加工をすれば、シリンダ部5、ヘッド部8及びカム
室7の上方まで覆うヘッドカバー部9の三者が一体にな
った本体1が完成する。
【0043】図11はウオータジャケット45部分を成
形する金型構造を示し、右型70の突部76及び左型7
1の突部80は、それぞれシリンダ型72の周囲をシリ
ンダ16の肉厚程度の間隙を有してリング状に取り囲む
ように半円弧状の成形面90、91を備え、前面型92
には水出口50と水入口51を鋳抜くための鋳抜きピン
93、94及び中間の凹部95を形成する突部96が設
けられている。符号97は背面型である。
【0044】各成形面90、91は、図5示すように、
シリンダ16を囲むシリンダ部5の4隅に案内部10
1、102、103及び104を嵌合する空間を形成し
ている。これらの案内部101、102、103及び1
04はいずれもシリンダ16の外周に対して略平行する
アール状曲面の案内面で対向し、案内部101及び10
2はポンプボデイ43から突出して形成され、案内部1
03及び104はインレットカバー2のウオータジャケ
ット45側に形成されている。
【0045】ポンプボデイ43のウオータジャケット4
5に臨む面はシリンダ16を囲む凹面状の案内面をな
し、そのうち案内部101及び102の中間部にはウオ
ータジャケット45へ臨む開口部が形成されて水通路4
3aをなしている。また、案内部103及び104の間
も連続する曲面で形成され、インレットカバー2のウオ
ータジャケット45側面は全体が一つの案内面105を
形成している。但し、この案内面105のうち水入口5
7近傍部分は逃げ面106が部分的に形成されている。
インレットカバー2の外表面側には空冷フィン107が
一体に形成されている。
【0046】次に、本実施例の作用を説明する。カム室
7をカム軸6の軸方向へ鋳抜きで形成したので、シリン
ダ部5、ヘッド部8及びヘッドカバー部9を一体に鋳造
成形できる。このため、部品点数を削減でき、これらの
接合部に必要であったパッキン面がなくなるので加工工
数が減少し、パッキン面のシールも不要になり、シール
面の確保に伴うシリンダとウォータジャケット間の肉厚
やボア径に対する制約もなくなる。また、エンジン全体
の強度がアップする。
【0047】そのうえ、鋳造後の本体1に対する後加工
として僅かな機械加工を施すだけで、シリンダ部5、ヘ
ッド部8及びカム室7の上方まで覆うヘッドカバー部9
の三者が一体になった本体1を容易に形成できるので、
本体1の生産効率が向上する。しかも、金型を用いたダ
イカスト成形によるため、成形面が比較的美しくかつ緻
密になるため、このような機械加工による仕上げ処理を
不要にできる場所も多くなるから、さらに製造上有利に
なる。
【0048】また、カム室7の成形に砂中子を用いない
ので、中子作成や砂落としに要した多くの工数が不要に
なる。そのうえ、覗き穴36、37部分を除くヘッドカ
バー部9の略全体をヘッド部8と連続して一体に鋳造で
きるので、カム軸6の両端をボールベアリング等の分割
を要しないベアリング30、31で軸受けできる。この
ため、上下分割されるメタルベアリングを用いなくて済
み、カムホルダを廃止できかつカムホルダとシリンダヘ
ッドを同軸の共加工する必要がなくなるので、軸受構造
を簡単にできる。
【0049】しかも、カム室7を形成する型である突部
77を本体1の左側面11を形成する左型71と一体に
設け、かつ左型71の開き方向と同一方向へ引き抜くこ
とにより、本体1の外形を形成すると同時に、カム室7
もカム軸方向へ鋳抜かれて一体に形成できることにな
り、カム室7の成形が容易になる。
【0050】さらに、上型73に設けたスライドピン8
8、89を突部77と組み合わせることによりバルブリ
フタ穴84、85及びをカム軸線と交差して鋳抜きによ
り形成したので、ヘッド部8のカム室7を形成すると
き、バルブリフタ穴84、85を同時に成形でき、しか
も中子を廃止できるので、工数を著しく削減できる。
【0051】そのうえさらに、ヘッドカバー部9のう
ち、バルブリフタ穴84、85を通るバルブ軸線C1、
C2の延長上にカム室7へ貫通するカム覗き穴36、3
7を設けたので、この覗き穴36、37をバルブリフタ
穴84、85の鋳抜きと同時に形成できる。しかもこの
カム覗き穴36、37にカム室を閉塞するキャップ3
8、39を着脱自在に取付けることによりメンテナンス
用の穴として活用できる。
【0052】図12は第2実施例でありこの例ではチェ
ーン室32の天井壁110並びに側壁111を本体部1
における左側面11の周囲より一体に側方へ突出させ、
チェーンカバー3の合わせ部112をカムチェーン35
よりも外方に位置させたものである。
【0053】このようにすると、本体部1と一体にチェ
ーン室32も鋳抜きで形成できる。そのうえ、チェーン
カバー3との合わせ部112の構造も単一面における合
わせになるので簡単になる。なお、他の構造は前実施例
と同様であり、また共通部の符号は共通に用いている
(以下同じ)。
【0054】図13は本願発明を空冷エンジンに適用し
た第3実施例であり、この例では水ポンプやウォータジ
ャケット並びにインレットカバーを廃止するとともに、
シリンダ部5に空冷フィン120を一体に形成してあ
る。この空冷フィン120は右側面10の成形と同時に
鋳抜きで形成できる。このようにすると、空冷フィン1
20による冷却機能により十分な冷却能力が得られる。
【0055】但し、本実施例のカム室7は右側面10へ
貫通していないが、前各実施例と同様に形成されること
には変わりがない。またチェーン室32は第2実施例と
同じ構造であり、チェーンカバー3側にアイドリングス
プロケット121が回転自在に支持されている。また、
チェーンの通過穴122はシリンダ部5の側方張り出し
部に鋳抜きで形成されている。
【0056】なお、本願発明は上記各実施例に限定され
るものではなく種々に変形可能であり、例えば、少なく
とも第1の発明においては鋳造方法を必ずしもアルミダ
イカスト成形にする必要はなく、砂型を用いる等他の公
知の鋳造方法を採用できる。また、ヘッドカバー部は、
少なくともその一部がカム軸上方を覆っていれば足りる
が、このカム軸を覆う部分は他の本体形成部分と一体に
形成されていなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係るエンジンの全体断面図
【図2】 インレットカバーを取り去った右側面を示す
【図3】 カムチェーンカバーを取り去った左側面を示
す図
【図4】 図1の4−4線断面図
【図5】 図1の5−5線断面図本体部の断面図
【図7】 インレットカバーの接合面側を示す図
【図8】 カムチェーンカバーの接合面側を示す図
【図9】 本体部の鋳造金型を示す断面図
【図10】カム室とバルブリフタ穴の成形方法を示す金
型の断面図
【図11】ウォータジャケットの成形方法を示す金型の
断面図
【図12】第2実施例に係る図1に相当する図
【図13】第3実施例に係る図1に相当する図
【符号の説明】
1:本体、2:インレットカバー、3:カムチェーンカ
バー、5:シリンダ部、6:カム軸、7:カム室、8:
ヘッド部、9:ヘッドカバー部、16:シリンダ、」3
2:チェーン室、35:カムチェーン、36・37:カ
ム覗き穴、40:水ポンプ、41:ポンプ取付凹部、4
2:フランジ、43:ポンプボデイ、45:ウオータジ
ャケット、46:インペラ、84・85:バルブリフタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンを摺動自在に収容するシリンダ
    部と、燃焼室、吸排気バルブ及びこれらのバルブを駆動
    するカムが設けられたカム軸を回転可能に収容するカム
    室を有するヘッド部と、カム室を覆うヘッドカバー部を
    備えた頭上カム式エンジンにおいて、上記カム室がカム
    軸の軸方向へ鋳抜きで形成されかつヘッドカバー部の少
    なくとも一部がカム軸上方を覆う状態で、シリンダ部、
    ヘッド部及びヘッドカバー部が一体に鋳造成形されてい
    ることを特徴とする頭上カム式エンジン。
  2. 【請求項2】 上記エンジンが金型鋳造品であって、カ
    ム室を形成する型がエンジンの外形の一側を形成する型
    と一体にかつ同一方向へ引き抜かれて形成されることを
    特徴とする請求項1に記載した頭上カム式エンジン。
  3. 【請求項3】 上記ヘッド部にバルブリフタを収容する
    バルブリフタ穴がカム軸線と交差して鋳抜きにより形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載した頭上カ
    ム式エンジン。
  4. 【請求項4】 上記ヘッドカバー部のうち上記バルブリ
    フタ穴の軸線延長上にカム室へ貫通するカム覗き穴を設
    け、このカム覗き穴にカム室を閉塞するキャップ部材を
    着脱自在に取付けたことをことを特徴とする請求項2に
    記載した頭上カム式エンジン。
JP25814098A 1997-09-12 1998-09-11 頭上カム式エンジン Withdrawn JPH11173210A (ja)

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US8042508B2 (en) 2006-01-19 2011-10-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Camshaft support structure for internal combustion engine

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