JP3465878B2 - 横流ファンおよびその多翼羽根車の製造方法 - Google Patents
横流ファンおよびその多翼羽根車の製造方法Info
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Description
ァン等に好適な横流ファン並びにその製造方法および装
置に係り、特に、モールド成型した複数齣の多翼羽根車
を軸方向に順次積み重ねて固着した横流ファン並びにそ
の製造方法および装置に関する。
ンとして組み込む空気調和機の一例としては図17に示
すものがある。これは室内機1の本体ケーシング2の前
面2aに、吸込グリル3と吹出グリル4とを図中上下に
配設し、これら吸込グリル3と吹出グリル4とをファン
ケーシング5内の通風路6により連通している。
器7の下流側に、室内ファンとして横流ファン8を配設
し、吸込グリル3から本体ケーシング2内へ吸い込んだ
室内空気を室内側熱交換器7で熱交換して、冷風または
暖風を横流ファン8により吹出グリル4から室内へ再び
送風して冷房または暖房するようになっている。
例えば図18に示すように左右一対の円板状の端板8
a,8b間に、ファン軸Oに対して平行をなす複数の長
尺翼8cを周方向に所要のピッチを置いて横架し、軸方
向中間部には環状の仕切板8dを軸方向に所要のピッチ
で並設している。
ケーシング5とノーズ9と共に送風機を構成し、ノーズ
9とファンケーシング5と横流ファン8との隙間の付近
では吸込み部分と吹出し部分とに分かれている。特に、
この2箇所の隙間部分では横流ファン8の長尺翼8cに
対する流速方向が逆転するために大きな圧力変動が発生
し、送風騒音の主音源となっている。
長尺翼8cの枚数×回転数の周波数と、その倍音の周波
数に大きなピークをもつ回転音Pa,Pbが図19
(A)の騒音波形Nに示すように発生し、圧力変動波形
が急峻であるために、これを基本波とする高調波(倍音
Pb)が発生し易いという特性がある。
が、例えば直径が88mm,全長が593mm,長尺翼8c
の枚数が35枚であり、長尺翼8cがファン軸Oと平行
であり、回転数20回/sec で運転したときの送風機騒
音Nの分析図を示している。
ァンケーシング5との隙間は小さくするほど回転数当り
の風量が増える傾向にあるが、この部分での圧力変動も
大きくなるため、回転音Nが大きくなり、その高調波成
分も増える。この隙間はある程度までは小さい方が風量
の増分が大きいため同一風量時の騒音値が下がり、送風
性能が上がる傾向にあるが、あまりこの隙間を小さくす
ると回転音Nが相対的に大きくなり、耳障りがする等聴
感上も好ましくないため、これらの隙間はあまり小さく
できない。
と平行に成形されている従来の横流ファン8を用いた送
風機では、横流ファン8と共に送風機を構成するノーズ
9,ファンケーシング5はファン軸Oと平行に構成され
ているため、1枚1枚の長尺翼8cはノーズ9およびフ
ァンケーシング5との各隙間付近を長尺翼8cの長さ方
向全体が同時に短時間で通過し、長尺翼8cの長さ分の
空間で同時に圧力変動が発生しようとするため、1枚の
長尺翼8cで発生する圧力変動の総和が大きく、波形の
歪みも大きいため高調波成分が多く発生し易かった(図
19(A))。この波形歪みは、ノーズ9,ファンケー
シング5と長尺翼8cの平行度によって大きく変化し、
高調波の数や大きさが変化し易い。すなわち長尺翼8c
をファン軸Oと平行に作った横流ファン8を用いた送風
機では、回転音Nの高調波成分に個体差が大きく発生し
易い。このような高調波は一般的に騒音に含まれると、
耳障りな音となり易い性質がある。また、風量を増すた
めノーズ9との隙間,ファンケーシング5との隙間を狭
めると、回転音Nが著しく大きくなるため、あまり隙間
を小さくできず、したがって、風量も増やすことができ
なかった。
昭56−2092号,実開昭56−45196号の各公
報でそれぞれ記載された横流ファンは翼をファン軸Oに
対して非平行に形成することによって、圧力変動を連続
的に発生させて前記回転騒音Nを低減させることが提案
されている。
0で示す横流ファン10のように複数の長尺翼11を数
枚の円盤状の仕切板12に貫通させ、これら長尺翼11
を複数の仕切板12と左右一対の端板13a,13bと
に固定した後、ねじる外力を加えて塑性変形させるか、
あるいは、図21で示す横流ファン14のように、複数
の長尺翼15に外力を加えてねじった状態で複数の仕切
板16と左右一対の端板17a,17bとに固定してい
る。
載の横流ファンでは仕切板の片面上に、ファン軸に平行
な複数の翼を林立させ、他面に翼と同数の嵌合溝を設け
た多翼羽根車を用い、この多翼羽根車の翼の先端部を他
の多翼羽根車の仕切板上の嵌合溝に嵌合して連結し、1
本の横流ファンに組み立てているが、嵌合するために翼
を溝に押し込む際に、翼先端部を所定方向へひねるよう
に溝形状を設定している。
このように翼に外力を加えて変形させる従来の横流ファ
ンでは、翼材料内部に残留応力が大きく残り、寸法精度
を確保することが難しいために送風機の性能にばらつき
が発生し易い。また、このような残留応力を減らすため
には長時間のアニーリングが必要である。一方、翼材料
に応力を残さないようにするためには、翼自体を長手方
向に円弧状に形成する方法があるが、削成によれば材料
に無駄が生ずるうえに、削成工程が増える。
報記載の横流ファンでは長尺翼をねじった状態で成形し
た後、組み立ててゆくので、長尺翼の残留応力は少なく
て済むが、次の(3)の課題がある。
撃が加わると、翼と仕切板の接合部に応力が集中する。
そのため、その接合部で破壊変形が起こり易い性質があ
る。
め込んで成型する場合は、翼と仕切板との接合手段とし
てカシメあるいは接着が考えられるが、いずれの方法で
も接合部分の強度・剛性は低く、比較的小さい外力の作
用でも接合部分の塑性変形が起こり易く、仕切板と翼と
の取付角度が変化してしまい易い。
にファン軸心との非平行度を安定して製造することが難
しく、製造誤差が増大して送風性能にも大きなばらつき
を生じる。
は工作性を上げるために、圧着点以外の部分に隙間を作
るのが通常であるが、横流ファンでは翼面に軸方向に気
流が生じ、この気流が仕切板に激しく衝突するので、こ
のカシメ用の隙間に軸方向の気流が流れ込み、笛吹き音
が生じるという課題がある。
の横流ファンは、翼の溶着溝を擂鉢状に形成しておき、
翼の溶着時にねじるように構成しており、翼の長さ違い
の製品を容易に製造することが可能であるが、一旦成形
した翼を組み立てる際に外力を加えてねじり変形させる
ので、上記(1)と同様の課題が生じる。
なされたもので、その目的は、低騒音で高効率、かつ翼
形状やファン長の変更が容易で信頼性が高く、安価な横
流ファン並びにその製造方法および装置を提供すること
にある。
するために次のように構成される。
で射出成形され、その回転軸回りに各翼の傾斜方向へ回
転させながら前記成形型から抜き出された、仕切板の一
面に複数の翼を環状かつ所定角度傾斜させて一体に立設
した1駒の多翼羽根車を、その軸方向に複数駒順次積み
重ねて固着したことを特徴とする横流ファンである。
記載の横流ファンにおいて、前記積み重ねて固着された
複数駒の多翼羽根車の積層両端の多翼羽根車の一方の前
記各翼先端に端板を固着したことを特徴とする横流ファ
ンである。
記載の横流ファンにおいて、前記積み重ねて固着された
複数駒の多翼羽根車の積層両端の多翼羽根車の、他方の
前記仕切板に、回転軸を結合せしめるボス部を形成した
ことを特徴とする横流ファンである。
射出成形され、その回転軸周りに各翼の傾斜方向へ回転
させながら成形型から抜き出された複数齣の多翼羽根車
を軸方向に順次積み重ねて固着して横流ファンを一体に
形成するので、成形型から多翼羽根車を抜く際の摩擦を
低減して型寿命を延ばすことができると共に、製造が簡
単かつ安価である上に、その多翼羽根車の積層数を適宜
選択することによりファン軸長の変更が容易である。し
かも、多翼羽根車同士を周方向に適宜ずらす、いわゆる
齣ずれの設定が容易であり、翼形状も任意に設定するこ
とができる。
して立設することによりファン軸に対して非平行に形成
しているので、この翼を有する横流ファンとノーズとフ
ァンケーシングの間隙で発生する圧力を連続的に変動さ
せることができる。このために、横流ファンの回転音を
低減することができる。
で、これら翼と仕切板との取付角度の精度を安定的に向
上させて送風性能のばらつきを低減することができる上
に、各翼を仕切板にカシメ止めする必要がないので、翼
のねじれ角度を大きくとることができる上に、仕切板に
カシメ止め用の間隙を設ける必要がないので、この間隙
に気流が流入して発生する笛吹き音を防止することがで
きる。
〜3のいずれか1項に記載の横流ファンにおいて、翼
は、仕切板に、その周方向に複数種類の取付ピッチで環
状に立設されていることを特徴とする横流ファンであ
る。
その周方向に複数種類の取付ピッチで取り付けているの
で、複数翼の傾斜形状により低減せしめた回転音のピー
ク周波数を分散させることができる。このために、耳障
りを低減して聴感を改善することができる。
〜4のいずれか1項に記載の横流ファンにおいて、軸方
向で隣り合う多翼羽根車同士は、軸心回りに所定角度ず
れて連結されていることを特徴とする横流ファンであ
る。
羽根車同士が軸心回りに所定角度ずれているので、仕切
板を挟んで隣り合う各翼で発生する音圧波同士を打ち消
し合うように位相差をつけることができる。このため
に、翼の傾斜形状により低減した回転音をさらに一段と
低減することができる。
〜5のいずれか1項に記載の横流ファンにおいて、翼
は、その長手方向に直線状に形成されると共に、回転方
向側へ所定角度傾斜して立設されていることを特徴とす
る横流ファンである。
直線状に形成されると共に、回転方向側へ所定角度傾斜
して立設されているので、多翼羽根車の成形型の製造が
容易である上に、翼の長手方向引張りおよび圧縮強度が
向上し、成形型から多翼羽根車を抜く際の摩擦を低減し
て型寿命を延ばすことができる。
頼性が増し、さらに、強度向上の分、翼厚を薄型に形成
して軽量化し、送風量を増加させることができる。
〜5のいずれか1項に記載の横流ファンにおいて、翼
は、その長手方向に曲線状に形成されてなることを特徴
とする横流ファンである。
方向に曲線状に形成されているので、多翼羽根車を成形
型から抜く際の摩擦を低減して引き抜き易くする。
〜7のいずれか1項に記載の横流ファンにおいて、翼
は、その回転軸に垂直な断面の厚みが根元側から先端側
へ行くに連れて小さくなるように形成されていることを
特徴とする横流ファンである。
さを、その根元から先端へ向けて先細に形成したので、
射出成形後の多翼羽根車を型から抜く際の摩擦力を低減
して引き抜き易くすると共に、成形性を良好にすること
ができる。
たは環状の仕切板の一面に、複数の翼を環状に配して所
定角度傾斜させて一体に立設した横流ファン用多翼羽根
車の製造方法において、前記多翼羽根車を成形型内で一
体に射出成形した後、この多翼羽根車をその回転軸回り
に各翼の傾斜方向へ回転させながら前記成形型から抜き
出す工程を有することを特徴とする横流ファン用多翼羽
根車の製造方法である。
車を、その回転軸回りに各翼の傾斜方向へ回転させなが
ら型から抜き出すので、各翼が仕切板に対して所定角度
傾斜していても、各翼に損傷を与えずに容易に抜き出す
ことができ、成型性が向上する上に型寿命が延ばすこと
ができる。
16に基づいて説明する。なお、図1〜図16中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
図、図2は図1の分解斜視図、図3(A),(B)は図
1の詳細斜視図であり、これらの図において、横流ファ
ン21は、例えば図17で示す空気調和機の室内機1に
室内ファンとして組み込む場合等に好適な横流ファンで
あり、左右一対の端板22,23間に、横断面が円弧状
の複数の翼24を同心状に環状に配すると共に、所定角
度傾斜させて横架固着しており、各翼24の軸方向中間
部には環状(リング状)の仕切板25を軸方向に所要の
ピッチで配設しており、ファン軸O周りに回転すること
により軸方向に送風するようになっている。
形の複数齣の多翼羽根車26を軸方向に順次同心状に固
着してなり、図2中右端の多翼羽根車26の端板23は
円板状または環状の仕切板25の外面に、図示しないモ
ータ等の回転軸を止めねじ等により着脱自在に結合せし
めるボス部27を同心状に一体、または一体的に形成し
ている。
中右隣の多翼羽根車26の各翼24の先端部を各嵌合溝
22a内に嵌入固着せしめるものであり、その外面中央
部には同心状に軸28を一体、または一体的に突設して
いる。
示すように環状の仕切板25の一面に、隣り合う多翼羽
根車26の各翼24の先端部をそれぞれ嵌入させて固着
する円弧状の嵌合凹部25aを形成する一方、仕切板2
5の他面には、複数の翼24を周方向に所要の取付ピッ
チを置いて射出成型等により一体に立設している。
して前向きに傾斜する円弧状をなし、その回転方向前縁
24aが回転方向へファン軸Oに対して所定角度直線的
に傾斜するように仕切板25に一体にモールド成形され
ている。但し、図5に示すように各翼24を、その回転
方向前縁24bが曲線的に傾斜するように一体に成形し
てもよい。
拡大図の図7に示すように、その横断面の厚さを仕切板
25側の根元部24cから翼先端部24dへ向けて次第
に薄くなるように先細に形成すると共に、翼根元部24
cと翼先端部24dの両前縁部(外周縁部)同士を結ぶ
前縁24aの外形線に接する接線Loと、翼先端部24
d前縁からファン軸Oに垂下した垂線Soとがなす角度
θoが90°以上(θo≧90°)であり、しかも、翼
根元部24cと翼先端部24dの両後縁部(内周縁部)
同士を結ぶ後縁24eの外形線に接する接線Liと、翼
根元部24c後縁からファン軸Oに垂下した垂線Siと
がなす角度θiが90°以上(θi≧90°)になるよ
うに形成されている。
ン21は軸方向で隣り合う各多翼羽根車26を、例えば
回転方向へ所定の齣ずれ角29でずらして、順次同心状
に連結固着している。
の先端が図9中破線で示す垂線よりも回転方向へねじれ
角30だけ角度傾斜して仕切板25に形成されており、
このねじれ角30は上述の駒ずれ角29よりも小さい値
に設定されている。
6は、各仕切板25上の各翼24の周方向の取付ピッチ
を例えば3種類Pa,Pb,Pc以上に設定している。
成形により一体に形成した後、金型(成形型)から抜き
出す方法および装置について説明する。
ら分離した下型より抜き出す場合は、図11に示すよう
に複数の平行ノックピン31を多翼羽根車26の仕切板
25の下面に突き当てて押し上げる方法が考えられる
が、この方法では、各翼24が仕切板25に対して所定
角度傾斜しているために、金型から簡単に抜き出すこと
ができず、無理に抜こうとすれば、翼24等が破損して
しまう。
を、その回転軸回りに各翼24の傾斜方向へ回転させな
がら金型より抜き出す方法を提案し、そのためのエジェ
クタ装置を発明した。
要部斜視図であり、これは軸心回りに回転するエジェク
タシャフト33にカム構造によってスキューカムプレー
ト34を連動自在に設け、エジェクタシャフト33を回
転させながら上下動させるようになっている。エジェク
タシャフト33の上端部上にはエジェクタブロック35
を連結している。
ように、例えば図示しない上下に分離可能の金型の上金
型が下金型36から分離されたときに、その下金型36
の中心孔36aから上方へ突出して多翼羽根車26をそ
の軸心回りに回転させながら下金型36から上方へ抜き
出すものであり、円盤上の台座37を有する。
には下金型36と共に、多翼羽根車26の仕切板25の
一部を形成し、この台座37の円形の突部37aは仕切
板25の中心孔25bを形成する。
14でも示すように仕切板25の内面(下面)に、例え
ば矩形状の突部25cを係脱自在に嵌入せしめる嵌合凹
部37bがそれぞれ形成され、台座37の回転時に、回
転しながら多翼羽根車26を持ち上げる際に、確実に多
翼羽根車26が台座37に追随するようになっている。
なお、仕切板25の各突部25cは図15で示すように
円孔25dでもよく、この場合は、各円孔25dに係脱
自在に嵌合する突部をエジェクタブロック36に突設す
る必要がある。
る場合は、まず、図示しない金型の上金型と下金型36
および台座37を合せて形成される空間に樹脂材料が射
出されて多翼羽根車26が成形される。
ェクタシャフト33が多翼羽根車26を下金型から排出
するように可動する。その際、スキューカムプレート3
4によってエジェクタシャフト33が図中矢印Aの方向
へ回転する。これに伴って、エジェクタブロック35お
よび台座37も回転し、これに成形された多翼羽根車2
6の仕切板25も回転することになる。したがって、多
翼羽根車26は回転しながら下金型36から抜け出る。
を図19(B)〜(E)に基づいて説明する。なお、図
19(B)〜(E)は、従来例の騒音分布を示す同図
(A)の実験データを得た実験方法と同一の条件により
行なった結果を示している。つまり、横流ファンの寸法
と翼24の枚数、単位時間当りの回転数を従来例実験と
同一にしている。
24をファン軸Oに対して傾斜させて非平行に形成して
いるので、横流ファン21と、図17で示すノーズ9お
よびファンケーシング5との間隙で発生する圧力が連続
的に変動する。このために、齣ずれ角29を設けず、さ
らに、各翼24の周方向設置ピッチを等間隔にした場合
でも、図19(B)に示すように回転音ピーク値Pa
と、その倍音ピーク値Pbとを共に低減することができ
る。
せると共に、齣ずれ角29を設けた場合には、仕切板2
5を挟んで隣り合う翼24で発生する音圧波を、齣ずれ
角29により相互に打ち消し合うように位相差をつける
ことができるので、翼24の傾斜形状によって低減させ
た回転音の全体を、図19(C)に示すように、さらに
一段と低減することができる。
チを複数種類Pa〜Pc設定したので、齣ずれ角29を
設けない場合でも、図19(D)に示すように各翼24
の傾斜形状により低減した回転音Nのピーク周波数成分
を分散させることができ、耳障り感を低減して聴感を改
善することができる。
を複数種類Pa〜Pc設定すると共に、齣ずれ角29を
設ける場合は、図19(E)に示すように各翼24の傾
斜形状により低減した回転音Nをさらに一段と低減し、
しかも、残った翼ピッチ音の周波数成分を分散させるこ
とができ、耳障り感を改善して聴感を改善することがで
きる。
4とを一体成形した多翼羽根車26の複数齣を軸方向に
連結固着したので、その齣数を適宜調整することによ
り、横流ファン21全体の長さの変更が容易である上
に、齣ずれ角29を適宜選択することにより翼24の形
状変更も非常に容易であり、製造コストを低減すること
ができる。
5とを一体成形したので、次の諸効果がある。
ねる必要がなく、残留歪みが生じないので、翼24と仕
切板25の強度を向上させることができる上に、翼24
と仕切板25との取付角度等の部品寸法の精度を安定し
て向上させることができるので、送風性能のばらつきを
低減することができる。
以上に大きくとれ、大幅な騒音低減が図れる。これに対
して図20で示す従来のカシメ構造の横流ファン10で
は、前記したようにねじれ角を大きく取ると、カシメ強
度が落ちる。そこで、翼11に歪みが大きく残らないよ
うにするためには、平板を円弧状にカットしなければな
らず、材料に無駄が生じるという課題がある。
音等の異常音が生じない。つまり、横流ファン21では
翼24面上で軸方向の流れが必ず生じるため、仕切板2
5に気流が激しく衝突する特性がある。このため、従来
のカシメ方式では工作性を上げるために、圧着点以外の
部分に隙間を作るのが通常であった。しかし、この隙間
には軸方向の気流が流れ込み、笛吹き音が生じるという
問題があったが、本実施例では、仕切板25には貫通す
る隙間がないので、これが原因となる笛吹音等の異常音
は殆ど発生しない。
その軸心回りに回転させながら下金型36から抜き出す
ので、この多翼羽根車26を型から引き抜く際の摩擦力
を低減することができ、引抜が容易となる上に、成形性
が良好となる。また、各翼24を先細形状に形成してい
るので、金型からの引抜を一段と容易にすることができ
る。
4eの接線Lo,Liと、ファン軸Oの垂線So,Si
とでなす角度θoを、共に90°以上に設定しているの
で、多翼羽根車26を金型から回転させながら引き抜く
際に、各翼24の前,後縁部24a,24eが型に触れ
なくなり、多翼羽根車26の応力を低減して強度を高め
ると共に、型の摩耗が減少して型寿命が延びる。
に翼24を一体に立設した場合について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば図16で
示す横流ファン41のように環状の仕切板42の両面
に、複数の翼43をそれぞれ一体に立設してもよい。
発明によれば、成形型内で射出成形され、その回転軸周
りに各翼の傾斜方向へ回転させながら成形型から抜き出
された複数齣の多翼羽根車を軸方向に順次積み重ねて固
着して横流ファンを一体に形成するので、成形型から多
翼羽根車を抜く際の摩擦を低減して型寿命を延ばすこと
ができると共に、製造が簡単かつ安価である上に、その
多翼羽根車の積層数を適宜選択することによりファン軸
長の変更が容易である。しかも、多翼羽根車同士を周方
向に適宜ずらす、いわゆる齣ずれの設定が容易であり、
翼形状も任意に設定することができる。
して立設することによりファン軸に対して非平行に形成
しているので、この翼を有する横流ファンとノーズとフ
ァンケーシングの間隙で発生する圧力を連続的に変動さ
せることができる。このために、横流ファンの回転音を
低減することができる。
で、これら翼と仕切板との取付角度の精度を安定的に向
上させて送風性能のばらつきを低減することができる上
に、各翼を仕切板にカシメ止めする必要がないので、翼
のねじれ角度を大きくとることができる上に、仕切板に
カシメ止め用の間隙を設ける必要がないので、この間隙
に気流が流入して発生する笛吹き音を防止することがで
きる。
数の翼を仕切板に、その周方向に複数種類の取付ピッチ
で取り付けているので、複数翼の傾斜形状により低減せ
しめた回転音のピーク周波数を分散させることができ
る。このために、耳障りを低減して聴感を改善すること
ができる。
方向で隣り合う多翼羽根車同士が軸心回りに所定角度ず
れているので、仕切板を挟んで隣り合う各翼で発生する
音圧波同士を打ち消し合うように位相差をつけることが
できる。このために、翼の傾斜形状により低減した回転
音をさらに一段と低減することができる。
は、その長手方向に直線状に形成されると共に、回転方
向側へ所定角度傾斜して立設されているので、多翼羽根
車の成形型の製造が容易である上に、翼の長手方向引張
りおよび圧縮強度が向上し、成形型から多翼羽根車を抜
く際の摩擦を低減して型寿命を延ばすことができる。
頼性が増し、さらに、強度向上の分、翼厚を薄型に形成
して軽量化し、送風量を増加させることができる。
流ファンの翼が長手方向に曲線状に形成されているの
で、多翼羽根車を成形型から抜く際の摩擦を低減して引
き抜き易くする。
翼の軸直角断面の厚さを、その根元から先端へ向けて先
細に形成したので、射出成形後の多翼羽根車を型から抜
く際の摩擦力を低減して引き抜き易くすると共に、成形
性を良好にすることができる。
出成形後の多翼羽根車を、その回転軸回りに各翼の傾斜
方向へ回転させながら型から抜き出すので、各翼が仕切
板に対して所定角度傾斜していても、各翼に損傷を与え
ずに容易に抜き出すことができ、成型性が向上する上に
型寿命が延ばすことができる。
す斜視図。
斜視図。
底面図。
平行ノックピンにより金型より抜け出す方法を示す要部
拡大斜視図。
めのエジェクタ装置の斜視図。
等で示す多翼羽根車を下金型から抜け出す状態を示す斜
視図。
斜視図。
断面図。
転音の分布図、(B)〜(E)は図1等で示す本発明の
各実施例の回転音の分布図。
Claims (9)
- 【請求項1】成形型内で射出成形され、その回転軸回り
に各翼の傾斜方向へ回転させながら前記成形型から抜き
出された、仕切板の一面に複数の翼を環状かつ所定角度
傾斜させて一体に立設した1駒の多翼羽根車を、その軸
方向に複数駒順次積み重ねて固着したことを特徴とする
横流ファン。 - 【請求項2】 請求項1記載の横流ファンにおいて、前
記積み重ねて固着された複数駒の多翼羽根車の積層両端
の多翼羽根車の一方の前記各翼先端に端板を固着したこ
とを特徴とする横流ファン。 - 【請求項3】 請求項2記載の横流ファンにおいて、前
記積み重ねて固着された複数駒の多翼羽根車の積層両端
の多翼羽根車の、他方の前記仕切板に、回転軸を結合せ
しめるボス部を形成したことを特徴とする横流ファン。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の横
流ファンにおいて、翼は、仕切板に、その周方向に複数
種類の取付ピッチで環状に立設されていることを特徴と
する横流ファン。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の横
流ファンにおいて、軸方向で隣り合う多翼羽根車同士
は、軸心回りに所定角度ずれて連結されていることを特
徴とする横流ファン。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の横
流ファンにおいて、翼は、その長手方向に直線状に形成
されると共に、回転方向側へ所定角度傾斜して立設され
ていることを特徴とする横流ファン。 - 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の横
流ファンにおいて、翼は、その長手方向に曲線状に形成
されてなることを特徴とする横流ファン。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の横
流ファンにおいて、翼は、その回転軸に垂直な断面の厚
みが根元側から先端側へ行くに連れて小さくなるように
形成されていることを特徴とする横流ファン。 - 【請求項9】円板状または環状の仕切板の一面に、複数
の翼を環状に配して所定角度傾斜させて一体に立設した
横流ファン用多翼羽根車の製造方法において、前記多翼
羽根車を成形型内で一体に射出成形した後、この多翼羽
根車をその回転軸回りに各翼の傾斜方向へ回転させなが
ら前記成形型から抜き出す工程を有することを特徴とす
る横流ファン用多翼羽根車の製造方法。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02423399A JP3465878B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 横流ファンおよびその多翼羽根車の製造方法 |
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JP9337494A Division JP2988897B2 (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 横流ファン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11264394A JPH11264394A (ja) | 1999-09-28 |
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ID=12132551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP02423399A Expired - Lifetime JP3465878B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 横流ファンおよびその多翼羽根車の製造方法 |
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-
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- 1999-02-01 JP JP02423399A patent/JP3465878B2/ja not_active Expired - Lifetime
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