JP3464251B2 - スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット

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JP3464251B2 JP25338293A JP25338293A JP3464251B2 JP 3464251 B2 JP3464251 B2 JP 3464251B2 JP 25338293 A JP25338293 A JP 25338293A JP 25338293 A JP25338293 A JP 25338293A JP 3464251 B2 JP3464251 B2 JP 3464251B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はスパッタリングターゲッ
トに関し、更に詳しくはスパッタ法により基板上にセラ
ミックス材から成る誘電体膜を形成するために用いるス
パッタリングターゲットに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、基板上にセラミックス材から成る
誘電体膜を成膜する際に用いるスパッタリングターゲッ
トとしては数多く知られており、その中でも、SrTi
3[チタン酸ストロンチウム]、BaTiO3[チタン
酸バリウム]、(BaSr)TiO3[チタン酸ストロ
ンチウムバリウム]等が使用されており、これらスパッ
タリングターゲットはセラミックス材の原料粉末を大気
中または真空雰囲気中で加圧加熱して焼成処理を行って
作製されている。 【0003】そして該セラミックス材ターゲットの電気
抵抗は一般に無限大であるが、セラミックス材の材料中
の不純物量や製造工程で生じるターゲット材の酸素欠損
量により、厳密には無限大ではなく、数百メガオーム
(MΩ・cm)から数十オーム(Ω・cm)までの範囲
にある。 【0004】また、セラミックス材から成る誘電体膜の
成膜は、前記スパッタリングターゲットを用いて直流ス
パッタ法、或いは高周波スパッタ法により基板上に成膜
する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来のセラミックス材
ターゲットを用いてスパッタ法で基板上に誘電体膜を成
膜する場合、セラミックス材ターゲットは酸化物である
ため、金属材料から成るターゲットに比べてスパッタ時
ターゲット表面にスパッタガスが入射した際、ターゲッ
トを構成している原子を叩き出す効率、所謂スパッタ収
率が低く、その結果、成膜速度が十分でなかった。ま
た、成膜速度を高めるためにターゲットに印加するスパ
ッタパワーを大きくすると、一般に脆く割れやすいた
め、大きなスパッタパワーを印加することが出来ないと
いう問題があった。 【0006】従って、ある程度低い印加パワーでも高い
成膜速度を得るためターゲット材のスパッタ収率を高く
する必要があった。 【0007】一方、セラミックス材の材料によっては、
その構成する金属材料から成る合金ターゲットを用い、
スパッタ成膜中に膜を酸化させるに十分な量の酸素ガス
を添加してスパッタする方法が用いられており、この方
法ではターゲットが金属であるため、スパッタ収率は高
いが、ターゲット表面が酸素プラズマに晒されているの
で、ターゲット表面が次第に酸化され、徐々に成膜速度
が低下し、かつ酸素の最適添加量が経時変化するので、
生産には適しないという問題があった。 【0008】本発明はかかる問題点を解消し、低い印加
パワーでスパッタリングを行っても高いスパッタ収率
で、安定した成膜速度が得られるスパッタリングターゲ
ットを提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、スパッタリングターゲットが割れない程度の比
較的低い印加パワーにおいても、ある条件を満たすスパ
ッタリングターゲットを用いることにより、高いスパッ
タ収率が得られ、かつ安定して高い成膜速度が得られる
を知見した。 【0010】本発明のスパッタリングターゲットはかか
る知見に基づいてなされたものであって、セラミックス
材ターゲットを用いて基板上に誘電体膜を形成するため
のスパッタリングターゲットにおいて、該スパッタリン
グターゲットは、焼成時に酸素欠損を引き起こさせたS
rTiO 3-X 、BaTiO 3-X 、(BaSr)Ti
3-X 、LiNbO 3-X 、LiTaO 3-X 、PbTi
3-X 、(PbLa)TiO 3-X 及び(PbLa)(Z
rTi)O 3-X から選ばれるABO 3-X 型金属酸化物
[A:B:O=1:1:(3−x)(x>0)]で表され
るセラミックス材であり、かつ、印加電圧1.5Vで測
定したターゲットの板厚方向の電気抵抗が100mΩ・
cmないし10Ω・cmの範囲にあることを特徴とす
る。 【0011】 【作用】基板上にスパッタ法で誘電体膜を成膜する際に
用いるスパッタリングターゲットは酸素欠損の特定の
金属酸化物であり、印加電圧1.5Vで測定したターゲ
ットの板厚方向の電気抵抗が100mΩ・cmないし1
0Ω・cmであるため、直流スパッタ或いは高周波スパ
ッタを行う際、ターゲットのスパッタ収率が完全な酸化
物状態である場合よりも高いので、低い印加パワーを印
加しても高い成膜速度が得られ、また、高いパワーが印
加されてもスパッタリングターゲットがその電気抵抗の
低さにより発熱することがなく、熱膨脹によりターゲッ
トにひび割れが生じない。また、ターゲットに高い電位
が印加されてもスパッタリングターゲットが、或いはタ
ーゲット内の電流の通る部分が絶縁破壊されることがな
いため、ターゲット内部やターゲット表面にひび割れや
穴の発生が生じない。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明におけるスパッタリングタ
ーゲットは、誘電体膜を成膜するセラミックス材の原料
粉末を加圧加熱して焼成処理を施す際、酸素欠損を引き
起こさせ、印加電圧1.5Vで測定したターゲットの板
厚方向の電気抵抗が100mΩ・cmないし10Ω・c
mである。 【0013】本発明のスパッタリングターゲットを用い
ると、スパッタ収率が高く、従来のセラミックス材ター
ゲットに比べ安定した高い成膜速度が得られるのは次の
理由による。 【0014】図1は、セラミックス材ターゲットとして
金属酸化物の(BaSr)TiO3を用いて、高周波マ
グネトロンスパッタ法によるスパッタ成膜時のスパッタ
ガス中の酸素分圧と成膜速度との関係を示すものであ
る。図1に示すように、スパッタガス中に酸素ガスを全
く添加せずにアルゴンガスのみでスパッタを行った場合
は、成膜速度150Å/minが得られるが、スパッタ
ガス中に酸素ガスを添加して行くと、次第に成膜速度が
低下し、酸素ガス量(分圧)が6%以上で約半分にな
り、それ以上酸素ガスを添加しても飽和状態となり、成
膜速度もほぼ同じ程度となる。 【0015】一般にある種の金属に対しては、その金属
酸化物のスパッタ収率は小さくなることから、この場
合、酸素を添加しないアルゴンガスのみのスパッタガス
雰囲気中でターゲットにスパッタを施した際、(BaS
r)TiO3 ターゲットの最表面の組成がアルゴンガス
の衝突エネルギーで、ある程度の酸素が解離し、金属に
近い状態になったので、スパッタ収率が上昇し、その結
果、成膜速度が増加したものと考えられる。 【0016】ところが、スパッタガス中の酸素分圧が増
加してくると、アルゴンガスがターゲットの最表面の酸
素を解離しても、スパッタガス中の酸素がすぐ再結合す
るので、スパッタ収率は減少する。この場合、6%以上
の酸素分圧のスパッタガスを用いると、ターゲットの最
表面は常に金属酸化物の最表面と同じ状態になるため、
一定の成膜速度しか得られなくなる。 【0017】以上の事項から、スパッタ時のターゲット
最表面の結合された酸素量が少ない程、スパッタ収率が
高いので、一定の酸素分圧を有するスパッタガスを用い
て成膜を行う時、もともとのターゲット材の酸素量が少
ない程、即ち酸素欠損が大きく、ターゲットの比抵抗が
小さい程、スパッタ収率が高く、その結果同じ印加パワ
ーでも高い成膜速度が得られることになる。 【0018】一般に、金属酸化物ターゲットを得るため
にターゲット原料を焼成する際、真空中でホットプレス
を行って焼結すると、ターゲットの構成元素中の酸素組
成が化学量論組成より僅かに酸素欠損を生じ、ターゲッ
トの電気抵抗が無限大から数100Ω・cm程度まで低
下することは広く知られている。 【0019】ところが、このように電気抵抗が高いター
ゲットを用いると、直流スパッタ法の場合は勿論、高周
波スパッタ法の場合でもターゲットに流れる電流がその
高い電気抵抗のため、熱エネルギーに変えられ、ターゲ
ットの温度が局部的に上昇し、セラミックス材は熱応力
に対し比較的脆いので、一番弱い部分からターゲットが
割れ始め、次第に安定放電が出来なくなる。 【0020】本発明において、ターゲットの電流が流れ
る方向、即ち板厚方向の電気抵抗が10Ω・cm以下の
場合には、ターゲットが割れることなく、かつスパッタ
収率が高い範囲にあることが見い出だされた。 【0021】ここで、例えば(BaSr)TiO3 ター
ゲットにおいて、酸素欠損を引き起こさせた(BaS
r)TiO3-X のxの値ごく僅かでも、その電気抵抗
が大きく変化するので、xの値で電気抵抗を規定するこ
とは難しい。 【0022】本発明でターゲットがひび割れずに安定放
電できるのは、ターゲットに流れる電流ができるだけ熱
エネルギーに変換されずに、ターゲットの温度上昇によ
る熱膨張がないためであるので、xの値よりもターゲッ
トの電気抵抗が重要である。 【0023】また、このような型のセラミックス材の中
にはバリスタ特性を示すものもあり、印加電圧により電
気抵抗値が大きく異なるので、電気抵抗値を1.5V
印加電圧で測定した。 【0024】一方、セラミックスターゲットの真空焼成
時に従来一般に行われている焼成温度よりも高くする
か、焼成時の雰囲気ガスとして水素ガスや一酸化炭素ガ
ス等の還元性ガスを導入することにより、その電気抵抗
を数10mΩ・cm以下にすることが可能である。 【0025】この場合、既に述べたようにスパッタ収率
はより高くなるはずであるが、スパッタガス中に添加さ
れた酸素ガスのためターゲット表面の再酸化が生じ、次
第にスパッタ収率が低下し始め、最終的には電気抵抗が
100mΩ・cmから10Ω・cmの範囲のターゲット
と同程度のスパッタ収率に落ち着く。この間成膜速度が
徐々に変化していくため安定性に欠ける。また、そのタ
ーゲットの保管状態により大気中の酸素や水分を吸収し
てしまうため取扱いが面倒である。 【0026】本発明においては、ターゲットの厚さ方向
の電気抵抗が100mΩ・cmから10Ω・cmの範囲
になるように酸素欠損を生じさせたセラミックス材から
成るスパッタリングターゲットが安定した高いスパッタ
収率のため、高い成膜速度が得られる。 【0027】本発明のセラミックス材ターゲットの電気
抵抗を100mΩ・cmから10Ω・cmの範囲とした
のは、電気抵抗が100mΩ・cmに満たない場合は、
スパッタ成膜中の成膜速度が経時変化したり、ターゲッ
トの保管状況により成膜速度がばらつくことがあり、ま
た、電気抵抗が10Ω・cmを超えた場合は、成膜速度
が遅く、またターゲットの割れや絶縁破壊が生じるから
である。 【0028】 【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。 【0029】実施例1 セラミック材料としてBaTiO3粉末と、SrTiO3
粉末を等量混合し、真空中でホットプレス法により焼成
して組成が(Ba0.5Sr0.5)TiO3-X から成るスパ
ッタリングターゲットを作製した。尚、焼成温度は15
00℃とした。 【0030】作製されたスパッタリングターゲットの印
加電圧1.5Vでの板厚方向の電気抵抗は10Ω・cm
であった。 【0031】作製された組成が(Ba0.5Sr0.5)Ti
3-X から成るスパッタリングターゲットをスパッタ装
置内に設定し、該スパッタ装置内を1×10- 4Paま
で真空排気した後、該装置内にアルゴンガスを分圧0.
4Pa、酸素ガスを分圧0.1Pa導入し、高周波(R
F)マグネトロンスパッタ法によりSiウエハー(基
板)上に成膜した。尚、ターゲットへの印加パワーは3
00Wとした。 【0032】成膜開始直後の成膜速度を測定したところ
80Å/minであった。 【0033】また、10時間連続放電を行い、2時間毎
に成膜を行って、その都度成膜速度を測定したところ、
78〜83・/minの範囲で安定していた。その時間
毎の成膜速度変化を図2に示す。 【0034】成膜後ターゲットの表面を観察したとこ
ろ、何ら変化は見当たらなかった。 【0035】実施例2 前記実施例1で作製された組成が(Ba0.5Sr0.5)T
iO3-X から成るスパッタリングターゲットを用い、成
膜時のスパッタ法を直流(DC)マグネトロンスパツタ
法とし、ターゲットへの印加パワーは300Wとした以
外は前記実施例1と同様に基板上に成膜した。 【0036】成膜開始直後の成膜速度を測定したところ
104Å/minであり、また、連続放電時の成膜速度
は99〜106Å/minの範囲で安定していた。 【0037】成膜後ターゲットの表面を観察したとこ
ろ、何ら変化は見当たらなかった。 【0038】実施例3 セラミックス材料としてLiNbO3[ニオブ酸リチウ
ム]粉末を用い、焼成温度を1000℃とした以外は、
前記実施例1と同様の方法で組成がLiNbO3-Xから
成るスパッタリングターゲットを作製した。 【0039】作製されたスパッタリングターゲットの印
加電圧1.5Vでの板厚方向の電気抵抗は500mΩ・
cmであった。 【0040】作製された組成がLiNbO3-X から成る
スパッタリングターゲットを用い、前記実施例1と同様
の方法で基板上に成膜した。成膜開始直後の成膜速度を
測定したところ90Å/minであり、また、連続放電
時の成膜速度は85〜93Å/minの範囲で安定して
いた。 【0041】成膜後ターゲットの表面を観察したとこ
ろ、何ら変化は見当たらなかった。 【0042】実施例4 ターゲットの作製条件を変えることにより、スパッタリ
ングターゲットの電気抵抗を種々変化させた組成(Ba
0.5Sr0.5)TiO3-X から成るスパッタリングターゲ
ットを作製した。 【0043】電気抵抗が種々異なる夫々のスパッタリン
グターゲットにより得られたスパッタ成膜開始直後の成
膜速度および連続放電10時間後の成膜速度を図3に示
す。ターゲットの電気抵抗が10Ω・cm以上では成膜
速度が低く、また100mΩ・cm以下では、スパッタ
開始直後は成膜速度が高いものの、10時間後には成膜
速度が下がってしまい、±10%以上の差が生じてい
る。 【0044】尚、基板上への成膜時のスパッタ条件は実
施例1と同じとした。 【0045】比較例1 真空中ホットプレス時の焼成温度を1350℃とした以
外は、前記実施例1と同様の方法でスパッタリングター
ゲットを作製した。 【0046】作製されたスパツタリングターゲットの組
成は(Ba0.5Sr0.5)TiO3-Xであり、また印加電
圧1.5Vでのターゲットの板厚方向の電気抵抗は20
0Ω・cmであった。 【0047】このスパッタリングターゲットを用い、前
記実施例1と同様の方法で基板上に成膜した。成膜開始
直後の成膜速度を測定したところ50Å/minであっ
た。 【0048】また、10時間連続放電を行い、2時間毎
に成膜を行って、その都度成膜速度を測定したところ、
当初50Å/minであった成膜速度が最終的にも50
Å/minであった。 【0049】成膜後ターゲットの表面を観察したとこ
ろ、ターゲット全面に亘って細いひび割れが十数本入っ
ていた。 【0050】比較例2 真空中ホットプレス時の焼成温度を1550℃とし、焼
成中水素ガスを炉内に導入しながら焼成した以外は、前
記実施例1と同様の方法でスパッタリングターゲットを
作製した。 【0051】作製されたスパツタリングターゲットの組
成は(Ba0.5Sr0.5)TiO3-Xであり、また印加電
圧1.5Vでのターゲットの板厚方向の電気抵抗は30
mΩ・cmであった。 【0052】このスパッタリングターゲットを用い、前
記実施例1と同様の方法で基板上に成膜した。成膜開始
直後の成膜速度を測定したところ115Å/minであ
った。 【0053】また、10時間連続放電を行い、2時間毎
に成膜を行って、その都度成膜速度を測定したところ、
当初115Å/minであった成膜速度が最終的には8
0Å/minまで低下していた。その時間毎の成膜速度
変化を図4に示す。 【0054】成膜後ターゲットの表面を観察したとこ
ろ、ひび割れなどは生じていなかったが、当初黒ぽかっ
たターゲットの色が10時間成膜後は少し灰色がかって
おり、若干色の変化を生じていた。 【0055】前記各実施例および各比較例の結果から明
らかなように、実施例1のスパッタリングターゲットは
酸素欠損を起こしているため、酸素欠損の少ない比較例
1のスパッタリングターゲットおよび実施例4の電気抵
抗が無限大(∞)のスパッタリングターゲットに比して
スパッタ収率が高く、より高い成膜速度が得られること
が確認された。 【0056】このことは既に述べたように、ターゲット
表面がよりスパッタ収率の高い金属に近いためと考えら
れる。 【0057】また、図3から明らかなように、特に電気
抵抗が10Ω・cm以下のスパッタリングターゲットで
は、電気抵抗が100Ω・cm以上のスパッタリングタ
ーゲットに比して1.6倍以上の成膜速度が得られてい
る。 【0058】実施例2では成膜時のスパッタ法を直流
(DC)マグネトロンスパッタ法で行ったため、実施例
1と同一組成のスパッタリングターゲットでありなが
ら、成膜速度が1.3倍に向上している。 【0059】これはスパッタの効率、すなわちターゲッ
トに印加されたパワーがターゲットをスパッタするエネ
ルギーになる割合が高周波(RF)マグネトロンスパッ
タ法よりも直流(DC)マグネトロンスパッタ法の方が
高いためであるが、ターゲットを作製する際、焼成時に
酸素欠損を引き起こし電気抵抗が低下した本発明のスパ
ッタリングターゲットは、直流(DC)マグネトロンス
パッタ法を活用て、より高い成膜速度を得ることが可
能である。 【0060】一方、比較例2のスパッタリングターゲッ
トは、実施例1のスパッタリングターゲットに比して電
気抵抗が低く、スパッタ収率が高いため、成膜開始直後
の成膜速度は大きな値が得られるが、連続スパッタ中に
ターゲット表面が再酸化されるために徐々にスパッタ収
率が低下し、結局本発明の実施例1に示したターゲット
のスパッタ収率に収束している。すなわち、比較例2の
スパッタリングターゲットは、成膜中のスパッタ収率が
不安定であり、誘電体膜の成膜に適さない。 【0061】図3から明らかなように、電気抵抗が10
0mΩ・cmに満たないスパッタリングターゲットで
は、成膜開始直後の成膜速度と10時間連続放電後の成
膜速度との差異が10%以上と大きく、実用上誘電体膜
の成膜に際しては非常に使いづらいことが分かる。 【0062】実施例5〜10 セラミックス材料として表1に示すような材料を用い、
焼成温度を表1に示す温度とした以外は、前記実施例1
と同様の方法で各種のスパッタリングターゲットを作製
した。 【0063】作製された各種のスパッタリングターゲッ
トの印加電圧1.5Vでの板厚方向の電気抵抗を測定
し、その結果を表1に示す。 【0064】作製された各種のスパッタリングターゲッ
トを用い、前記実施例1と同様の方法で基板上に成膜す
ると共に、スパッタ成膜開始直後の成膜速度および連続
放電10時間後の成膜速度を測定し、その結果を表
示す。 【0065】 【表1】 【0066】 【表2】 【0067】表1,2に示すように、本発明のスパッタ
リングターゲットは印加電圧1.5Vで測定したターゲ
ットの板厚方向の電気抵抗が100mΩ・cmないし1
0Ω・cmの範囲において、高い成膜速度で安定して成
膜出来ることが確認された。 【0068】本発明のスパッタリングターゲットのセラ
ミックス組成中の酸素組成が化学量論組成よりも少ない
酸素欠損のセラミックス材は、セラミックス原料粉末を
焼成してターゲットを作製する際、高真空中または還元
性ガス雰囲気中で焼成すればよい。 【0069】 【発明の効果】本発明によるときは、基板上に誘電体膜
を成膜する際に用いるスパッタリングターゲットをター
ゲット焼成時に酸素欠損を引き起こさせ、印加電圧1.
5Vで測定したターゲットの板厚方向の電気抵抗を10
0mΩ・cmないし10Ω・cmの範囲としたので、従
来の金属酸化物から成るスパッタリングターゲットに比
して安定して高い成膜速度が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】 スパッタガス中の酸素分圧と成膜速度との関
係の1例を表す特性線図、 【図2】 本発明の1実施例における放電時間と成膜速
度の経時変化の関係を表す特性線図、 【図3】 ターゲットの電気抵抗と成膜速度との関係に
おいて経時変化の差異を表す特性線図、 【図4】 比較例2における放電時間と成膜速度の経時
変化の関係を表す特性線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鄒 紅▲こう▼ 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 白 忠烈 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (72)発明者 石川 道夫 千葉県山武郡山武町横田523 日本真空 技術株式会社千葉超材料研究所内 (56)参考文献 特開 平6−264230(JP,A) 特開 平6−264231(JP,A) 特開 平6−330297(JP,A) 特開 昭59−43518(JP,A) 特開 昭59−136480(JP,A) 特開 昭62−58510(JP,A) 特開 昭63−274020(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/34 H01L 21/31 JSTPlusファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 セラミックス材ターゲットを用いて基板
    上に誘電体膜を形成するためのスパッタリングターゲッ
    トにおいて、該スパッタリングターゲットは、焼成時に
    酸素欠損を引き起こさせたSrTiO 3-X 、BaTiO
    3-X 、(BaSr)TiO 3-X 、LiNbO 3-X 、LiT
    aO 3-X 、PbTiO 3-X 、(PbLa)TiO 3-X 、及
    び(PbLa)(ZrTi)O 3-X から選ばれるABO
    3-X 型金属酸化物[A:B:O=1:1:(3−x)(x
    >0)]で表されるセラミックス材であり、かつ、印加
    電圧1.5Vで測定したターゲットの板厚方向の電気抵
    抗が100mΩ・cmないし10Ω・cmの範囲にある
    ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
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