JP3463168B2 - 焼却炉 - Google Patents

焼却炉

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JP3463168B2
JP3463168B2 JP2000153421A JP2000153421A JP3463168B2 JP 3463168 B2 JP3463168 B2 JP 3463168B2 JP 2000153421 A JP2000153421 A JP 2000153421A JP 2000153421 A JP2000153421 A JP 2000153421A JP 3463168 B2 JP3463168 B2 JP 3463168B2
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照男 中見
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株式会社 ピー・エスエンタープライズ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦向き周壁で囲ま
れた燃焼室を有するゴミ等の焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板からなる縦向き周壁の下寄り部位に
側面開閉口を、そして頂壁の一部に焼却物投入用開閉口
を形成され、頂壁に煙突を装設され、縦向き周壁の内面
の適当箇所に空気供給口を形成された燃焼室部を有する
ゴミ焼却炉は存在している。この種の焼却炉ではダイオ
キシンの発生を抑制するため、燃焼室内の燃焼温度は、
一般に、凡そ800℃〜1200℃まで上昇するように
なされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の焼却炉
では、燃焼室部の縦向き周壁が焼却物の燃焼による高熱
に曝されることに起因した熱応力により変形する等の問
題が生じている。これを回避するため縦向き周壁の内面
に不定形炉材の一種であるキャスタブル炉材を塗りつけ
ることがあるが、これによるときは炉材が温度変化によ
り剥げ落ちる等の問題が生じている。本発明は、このよ
うな問題点を簡易に解消させるほか従来に増して効率的
な燃焼の得られる焼却炉を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、請求項1に記載したように、鋼板で形
成された縦向き周壁の下寄り部位に側面開閉口を、そし
て頂壁に焼却物投入用開閉口を形成され、頂壁近傍に煙
突を装設され、底壁近傍部にロストルを装着され、この
ロストルの下方を灰溜め部となされ、また周壁内面の周
方向の適当間隔個所の縦方向部位の近傍で縦向き周壁高
さの半分以上の長さに渡る範囲箇所に縦向き空気供給管
を固定され、縦向き周壁内面の底壁近傍部に下部空気供
給管を固定された燃焼室部を有するものとなし、前記縦
向き周壁の内面を覆うものとした多数の鋼材製の方形状
板材ライナを上下左右方向へ装着するものであって、上
記板材ライナーの上部には該板材ライナを遊隙の形成下
に取付けるためのボルト挿入孔を穿設し、且つ該板材ラ
イナの上辺部に鋼材製の係止片gを固着させると共に、
上部板材ライナの下辺部が下部板材ライナの係止片gに
より周壁の半径方向へ向かう変位を規制されるものとな
し、各板材ライナが温度変化により縦向き周壁に対し自
在に伸縮変形を可能となした構成を特徴にする
【0005】これによれば、焼却物の燃焼熱が縦向き周
壁へ向かっても、板材ライナがこの熱を遮断して縦向き
周壁へのその影響力を効果的に抑制するため、縦向き周
壁の過熱は阻止される。一方、板材ライナはたとえ高熱
に曝されても独立して自由に伸縮し、熱負荷によるその
塑性変形は生じない
【0006】上記発明は次のように具体化する。即ち、
請求項2に記載したように板材ライナの内面を平面視
正8角形の燃焼室周面となすことは、この周面に沿った
上向きの空気螺旋流の生成を確実かつ安定的となして、
燃焼室内での焼却物の燃焼が効率的に行われるものとな
る。 なお、板材ライナが周壁の平面部に簡易に密接され
るほか、板材ライナの内面側に形成される燃焼室が縦向
き周壁に対し比較的大きく確保されるものとなる。
【0007】また請求項3に記載したように、側面開閉
口は、縦向き周壁に形成された透孔箇所に固着された筒
状の枠体と、この枠体の外方端開口を閉鎖するものとし
た外側扉体と、前記透孔と対応したライナ箇所の開口を
閉鎖するものとした内側扉体とを有するものとなし、こ
の際、前記内側扉体の内面は平面視正8角形の燃焼室周
面の一部となす。このようにすれば、側面開閉口の存在
にも拘わらず、内側扉体が板材ライナと一緒になって燃
焼室周面を完全な平面視正8角形となすのであり、この
ことが燃焼室内の空気の上昇螺旋流をさらに安定的とな
して、焼却物をさらに安定的に燃焼させるものとなる。
また内側扉体は焼却物の燃焼熱を遮断し、外側扉体や枠
体の過熱を阻止する。
【0008】また請求項4に記載したように、煙突が、
直列に連通された4本以上の排気筒を有し、これら排気
筒の関係は下側の排気筒の上端部に上側の排気筒の下端
部を外嵌させて3つ以上の排気筒重なり部分を形成した
ものとなし、燃焼室内で生成された排気が各排気筒内を
これの下端から上昇し、この上昇中にこれら排気筒重な
り部分の隙間から空気が流入し、この空気が下側の排気
筒内を上昇する排気の未燃分を上側の排気筒内で燃焼さ
せる構成となす。このようにすれば、煙突内に未燃分の
ガスが流入しても、このガスは煙突内で完全に燃焼され
るのであり、煙突からの黒煙の流出が阻止される。また
煙突内の燃え滓がその自重で 排気筒重なり部分から排
気筒の外方へ落下するものとなる。
【0009】さらに請求項5に記載したように、排気筒
重なり部分の内側の排気筒の上端に多数の透孔を密状に
形成された有孔筒体を連通状に固定させ、この有孔筒体
をこれの対応する排気筒重なり部分の上側の排気筒の内
方に位置させた構成となす。これによれば、有孔筒体が
排気筒重なり部分の内側の排気筒内を流れる未燃分のガ
スに空気を効果的に混合させ、未燃分の燃焼を促進させ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図6は本発明に係る焼却炉
に関するもので、図1は前記焼却炉の全体を示し片半分
を断面とした正面図、図2は一部を破断した前記焼却炉
の側面図、図3は前記焼却炉の頂壁部を示す平面図、図
4は図2のx−x部を示す断面図、図5は前記焼却炉の
周壁及び板材ライナの一部を示しAは正面図で、Bは断
面図、図6は煙突の断面図である。
【0011】図1及び図2に示すように、本発明に係る
焼却炉は、燃焼室部1、煙突2及び送風手段3を備えて
なり、先ず燃焼室部1について説明すると、次のとおり
である。
【0012】即ち、燃焼室aの側部を囲う縦向き周壁4
を備えている。この周壁4は鋼板で形成されると共に平
面視正8角形となされる。ここに、8角形の周壁は6角
形〜10角形の範囲で変更しても差し支えないものであ
り、この範囲では均等な効用が得られる。そして、この
周壁の下寄り部位には後述する側面開閉口5が形成され
ている。
【0013】6は燃焼室aの上面を覆うための頂壁であ
り、図3に示すように、この頂壁6の一部に焼却物投入
用開閉口7が形成してある。この開閉口7は頂壁6の一
部をなす扉体6aを頂壁6の固定部bにヒンジ8を介し
て開閉揺動可能に装着したものとなされている。この
際、扉体6aの下面や頂壁6の固定部bの下面にはキャ
スタブル炉材が塗着される。9は燃焼室aと連通され煙
突2を接続されるものとした接続管部材であり、この接
続管部材9は頂壁6の固定部bの特定位置に固着されて
いる。接続管部材9の直下で燃焼室aの内方には必要に
応じて空気を煙突2内に吹き込むための空気噴出ノズル
10が設けてある。
【0014】11は燃焼室aの底面を囲うものとした底
壁であり、この底壁11は外周部cを除いた部分を円形
凹み箇所dとなされている。この円形凹み箇所dは上面
開口部にこれを覆うようにロストル12を装着され、こ
のロストル12の下方空間を灰溜め部13となされてい
る。円形凹み箇所dの周壁にはこれの内方に溜まった灰
分を炉外へ吸引排出するための灰分吸引管14、14が
接続されている。
【0015】15は円形凹み箇所dの中央に起立されロ
ストル12上面よりも数十cm程度高くなされた中央空
気供給管で、周面及び頂面に多数の空気噴出孔が縦線回
りの放射方向や上方へ向けて形成されている。この空気
供給管15の頂面上には適当な間隙を存在させて水平支
持板16を支柱棒を介して固定し、燃焼室a内の焼却物
がこの空気供給管15の頂面に直接に載るのを阻止し
て、その頂面に形成された空気噴出孔から空気が円滑に
噴出するようになしてある。
【0016】そして図4に示すように、縦向き周壁4内
面の周方向の等角配置個所(図示例では、直径方向上で
対向した2箇所)の縦方向部位の近傍で縦向き周壁4高
さの半分以上の長さに渡る範囲箇所に縦向き空気供給管
17、17が固定してある。各縦向き空気供給管17は
これの全長に渡って種々の放射方向へ向かう多数の空気
噴出孔を形成され、これら空気噴出孔から噴出する空気
のうち特定方向fへ向かうものの勢力が強くなるように
なされている。この際、各空気供給管17の最上部の周
壁には放射方向でやや下向きに向かう複数の空気噴射孔
を形成し、この空気噴射孔から噴射される空気流が燃え
滓の上昇を阻止する構成となす。
【0017】縦向き周壁4内面の底壁11近傍部には燃
焼室aの下部に空気を供給するための下部空気供給管1
8が縦向き周壁4の周方向の等角配置個所をなす4箇所
に固定してある。各下部空気供給管18は数十cm程度
の比較的短いものとなされ、その全長に渡って種々の放
射方向へ向かう多数の空気噴出孔を形成されている。
【0018】縦向き周壁4の内面で側面開閉口5や空気
供給管15、18の貫通部を除いた箇所にはこれを覆う
ものとした金属材からなる多数の板材ライナ19が装着
してある。ここに、板材ライナ19は金属以外の耐熱材
で形成することも差し支えないものである。このように
装着された多数の板材ライナ19の内面が燃焼室aの周
面を形成するのであり、この周面は平面視正8角形とな
される。各板材ライナ19は縦向き周壁4と同じ鋼材製
の方形平板となされ、その幅を縦向き周壁4の正8角形
の一辺部に適合されると共に、図5に示すように比較的
上部にボルト挿通孔eを有し、上辺部に鋼材製の係止片
gを固着したものとなされる。なお、ボルト挿通孔eは
横並びに2つ形成される。
【0019】この板材ライナ19を縦向き周壁4に固定
させるには、縦向き周壁4の平面部分に板材ライナ19
の外面を接合させるように配置し、ボルト挿通孔e及び
ワッシャhに固定ボルト20を遊隙の形成されるように
挿通させ、各ボルト20の先部を縦向き周壁4に固着さ
れたナット21に螺着させる。
【0020】この際、各板材ライナ19は温度の変化に
より縦向き周壁4とは無関係に自在に伸縮し、伸縮に際
して大きな力学的負荷の作用しない状態となすことが重
要である。このため、一つの板材ライナ19とこれの周
囲に隣接する他の板材ライナ19との間には適当な隙間
を存在させ、また一つの板材ライナ19の下辺部は下側
に隣接した他の板材ライナ19に固着された係止片gに
より縦向き周壁4の半径内方向へ向かう変位を規制され
た状態となす。そして最下位置の板材ライナ19の下辺
部については、底壁11に係止片g1を固着し、この係
止片g1により縦向き周壁4の半径内方向へ向かう変位
を規制された状態となす。
【0021】上記側面開閉口5は、図4に示すように縦
向き周壁4に形成された四角状の透孔iに固着された筒
状の枠体22と、この枠体22の外方端開口を閉鎖する
ものとした外側扉体23と、前記透孔iと対応した板材
ライナ19箇所の開口を閉鎖するものとした両開き式の
内側扉体24とで形成してある。この際、内側扉体24
の内面は平面視正8角形の燃焼室a周面の一部となされ
る。
【0022】煙突2について説明すると、次のとおりで
ある。即ち、図6に示すように接続管部材9に連通状に
ボルト固定される最下位置の排気筒25の上端部に上側
の排気筒26を外嵌させ、この排気筒26の上端部にこ
れの上側の排気筒27を外嵌させ、この排気筒27の上
端部に最上位置の排気筒28を外嵌させている。これら
排気筒25、26、27、28の重なり部分k1、k
2、k3に於いて外側の排気筒と内側の排気筒との間に
は空気を外側の排気筒内に流入させるための環状の隙間
m1、m2、m3が形成してある。環状の隙間m2の下
端は環状板27aで結合し、この環状板27aの周方向
適当間隔位置に空気流入管27bを貫設し、この空気流
入管27bから空気が隙間m2を経て排気筒27内に流
入する構成となしてある。
【0023】29は多数の透孔が密状に形成されたパン
チングメタルのような有孔筒体であり、この筒体29は
これら排気筒26、27、28の重なり部分k2、k3
の外側の排気筒内に位置されてあってこの重なり部分k
2、k3の内側の排気筒の上端に連通状に固定されてい
る。29aは排気の流れを遮るように固定した邪魔板
(多孔板等で形成される。)である。この際、各排気筒
25,26、27、28は内部掃除のため分離可能に結
合させるのがよい。n1は排気筒25と排気筒26の結
合片であり、n2は排気筒26と排気筒27の結合片で
あり、n3は排気筒27と排気筒28の結合片である。
また270は排気筒27よりも径大の案内筒で、250
は案内筒270より径大となされ排気筒25に固着され
た受け皿である。
【0024】送風手段3は次のようになされている。即
ち、図2及び図4に示すように縦向き周壁4に固着され
た支持台30上に固定した3台の送風ファン31a、3
1b、31cを備えており、それぞれの送風ファン31
a、31b、31cは回転数を任意に変化させることが
できるものとなされている。
【0025】中央の送風ファン31aは中央空気供給管
15及び、後側の2つの下部空気供給管18、18のほ
か空気噴射ノズル10に空気供給ラインs10、s1
1、s12、s13を介して連通させている。この際、
1つの下部空気供給管18にのみ空気を供給するものと
した空気供給ラインs11、s12の途中に流量調整弁
32a、32bが介装され、また空気噴射ノズル10に
のみ空気を供給するものとした空気供給ラインs13に
図示しない開閉弁が介装される。空気噴射ノズル10の
噴射口近傍の周壁には放射方向でやや下向きに向かう複
数の空気噴射小孔10aを形成し、この小孔10aから
噴射される矢印方向f1の空気流が燃え滓等の排気筒2
5内への流入を阻止するようになす。
【0026】左右の送風ファン31b、31cのそれぞ
れはその対応する側の縦向き空気供給管17及び、前側
の下部空気供給管18に空気供給ラインs20、s2
1、s22を介してと連通させており、この際、1つの
下部空気供給管18にのみ空気を供給するものとした空
気供給ラインs22の途中に流量調整弁33が介装され
る。なお、図1及び図2中のu1は縦向き周壁4の外面
に固着された補強部材であり、図4中のu2は枠体22
に固着された補強部材である。
【0027】次の上記した焼却炉の使用例及びその作用
について説明する。焼却物投入用開閉口7を開閉して焼
却物であるゴミ等を燃焼室a内に供給し、側面開閉口5
の外側扉体23及び内側扉体24を開放した状態で手作
業により焼却物に着火し、その燃焼を開始させる。この
後、側面開閉口5の内側扉体24及び外側扉体23を図
4に示す状態に閉鎖し、次に3台の送風ファン31a、
31b、31cを作動させて、2本の縦向き空気供給管
17、17、中央空気供給管15及び、4本の下部空気
供給管18から燃焼室a内に空気を噴出させる。この
際、流量調整弁32a、32b、33を操作して、各空
気供給管15、17、18からの空気の噴出量を最適化
する。
【0028】2本の縦向き空気供給管17、17は、燃
焼室aの下部から上部に渡るほぼ全高さ範囲に比較的均
等に空気を噴出するのであり、このように噴出された空
気は縦向き周壁4の周方向に沿った特定方向fへ向かう
勢力が強いため燃焼室a内でその周面に沿った上昇螺旋
空気流を生成させる。この際、板材ライナ19の内面で
形成された燃焼室周面が正8角形であることは、これが
円形である場合に比べて上昇螺旋空気流を一層、確実且
つ安定的に生成させるように作用する。そして、各空気
供給管17から噴射された空気は略水平のエアーカーテ
ンを形成するように作用し、このエアーカーテンは燃え
滓の上昇を阻止する上で寄与する。
【0029】また下部空気供給管18は燃焼室a内の下
部周囲に比較的均等に空気を噴出し、中央空気供給管1
5は燃焼室a内の下部中央の全周囲に比較的均等に空気
を噴出するほか上方へも噴出する。
【0030】このように燃焼室a内に噴出された空気は
燃焼室a内で燃焼している焼却物に効率的に供給され
て、その燃焼を促進させるのであり、これにより燃焼室
a内の燃焼温度は速やかに800℃以上に上昇し、以
後、焼却物はこの温度以上で燃焼し続け、ダイオキシン
の生成が阻止される。実際のゴミ焼却の一例では、送風
ファン31a、31b、31cの作動開始から2分後に
500℃に達し、5分後には800℃以上になった。
【0031】燃焼室a内の焼却物の量が多くて燃焼に必
要な空気が不足するようなときは図示しない開閉弁を操
作し空気供給ラインs13を通じて空気噴射ノズル10
から空気を噴射させるのであり、これにより燃焼室a内
の空気や燃焼ガスはエゼクタ原理で煙突2から強制的に
排出されて、燃焼室a内は負圧となり、空気供給管1
5、17、18からの空気の噴出量が増大されて、空気
不足が解消される。ここで、燃焼室a内が負圧となるこ
とは焼却物投入用開閉口7等の隙間を経て外方へ黒煙が
漏れ出るのを阻止する上でも寄与する。
【0032】また焼却物の燃焼中には板材ライナ19は
高温の燃焼熱が縦向き周壁4に及ぶのを遮断するのであ
り、従って縦向き周壁4は過熱するものとならず、その
熱変形は確実に阻止される。一方、板材ライナ19は高
温の燃焼熱に直接に曝され縦横に大きく熱膨張する。こ
の熱膨張は板材ライナ19間に隙間が存在するため何ら
規制されず、板材ライナ19に過大な力学的負荷の及ぶ
ことはない。また側面開閉口5に於いては、内側扉体2
4が板材ライナ19と同様に燃焼熱を遮断するため、枠
体22や外側扉体23は格別な熱対策を施さないでも過
熱することはない。また燃焼室aの上面では燃焼熱がキ
ャスタブル炉材により遮断されるため、蓋体6aを含む
頂壁6は過熱するものとならない。
【0033】煙突2からは燃焼室a内で発生したガス等
が排出される。この排出中、最下位置の排気筒25を通
過する排気はこの排気筒25とこれの上側の排気筒26
との重なり部分k1の環状隙間m1から空気を誘引し、
上側の排気筒26内でこの空気と混合され、この排気に
含まれる未燃分が重なり部分k1の上方近傍の排気筒2
6内で燃焼される。
【0034】また排気筒26を通過する排気はこの排気
筒26とこれの上側の排気筒27との重なり部分k2の
環状隙間m2から空気を誘引し、上側の排気筒27内で
この空気と混合され、残存する未燃分がこの重なり部分
k2の上方近傍の排気筒27内で燃焼される。
【0035】さらに排気筒27を通過する排気はこの排
気筒27と最上位置の排気筒28との重なり部分k3の
環状隙間m3から空気を誘引し、最上位置の排気筒28
内でこの空気と混合され、最終的に残存している未燃分
がこの重なり部分k3の上方近傍の排気筒内28で完全
に燃焼される。従って、最上位置の排気筒28からは無
色透明な燃焼ガスが放出されるものとなる。そして排気
筒26、27内で生じた燃え滓は空気流入管27b及び
案内筒270を経て受け皿250に達し、ここから図示
しない管路を経て適当場所へ廃棄される。
【0036】燃焼室a内で焼却物が燃焼すると、灰分が
生成されるが、この灰分はロストル12を経て灰溜め部
13内に落下し、ここに堆積する。このように堆積した
灰分は焼却物の燃焼中に或いは焼却処理後に灰分吸引管
14を経て吸引され特定場所に集められる。
【0037】
【発明の効果】以上のように構成した本発明によれば、
次のような効果が得られる。即ち、請求項1に記載のも
のによれば、縦向き周壁の内面に従来のキャスタブル炉
材等を塗り付けないでも板材ライナの遮熱作用により縦
向き周壁の熱による変形を確実に阻止することができ、
また縦向き周壁内面にキャスタブル炉材等を厚層状に塗
り付けないで済むため周壁内に比較的大きな燃焼室を形
成することができるのであり、また金属製の板材ライナ
が熱膨張による損傷を受けないため燃焼室構造の寿命が
長期化するほか、板材ライナがたとえ損傷してもこのラ
イナを取り替えることで容易に補修でき、しかもキャス
タブル炉材に於けるような乾燥処理を要することなく直
ちに使用することができるのである。さらに燃焼室周壁
が正8角形であることに基づいて燃焼室内の空気流を確
実且つ安定的に燃焼室周面に沿った上昇空気螺旋流とな
すことができ、これにより燃焼室内の焼却物を効率的に
燃焼させることができる。またライナは焼却作業中止後
に於ける炉内温度の下降を阻止して助燃装置の代わりを
なすのであって、これにより温度下降に起因した不燃ガ
ス等の発生が阻止されるのである。ここで、助燃装置を
使用しないことはこれの使用による大気汚染やその他の
二次汚染を封じる上でも寄与する。本発明品で実際に焼
却試験したところ、財団法人岡山県環境保全事業団に於
ける焼却灰のダイオキシン測定数値は0.052という
良い成績を上げることができた。
【0038】請求項2に記載したものによれば、板材ラ
イナを容易に作成することができると共に、縦向き周壁
に板材ライナを簡易且つ確実に支持させることができ
る。
【0039】請求項3に記載したものによれば、内側扉
体が板材ライナと一緒になって燃焼室周面をより完全な
平面視正8角形となすため、側面開閉口の存在に拘わら
ず燃焼室内の空気流を安定した上昇空気螺旋流となすこ
とができ、焼却物を効率的且つ安定的に燃焼させること
ができる。また内側扉体の存在により外側扉体や枠体の
熱変形を別の断熱手段を要することなく阻止できる。
【0040】請求項4に記載したものによれば、最下位
置の排気筒内に未燃分のガスが流入しても、簡易な構造
により、このガスを煙突内で完全燃焼させることがで
き、煙突からの黒煙の流出を阻止することができる。
【0041】請求項5に記載したものによれば、煙突内
の排気ガスと、排気筒間の重なり部分から吸引された空
気とを有孔周壁体により効果的に混合させて排気中の未
燃分を完全燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却炉を示すもので片半分を断面
で示した正面図である。
【図2】前記焼却炉を示すもので一部を破断した側面図
である。
【図3】前記焼却炉の頂壁部を示す平面図である。
【図4】図2のx−x部を示す断面図である。
【図5】前記焼却炉の周壁及び板材ライナの一部を示
し、Aは正面図で、Bは断面図である。
【図6】前記焼却炉に装着される煙突の断面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室部 2 煙突 4 縦向き周壁 5 側面開閉口 6 頂壁 7 焼却物投入用開閉口 11 底壁 12 ロストル 13 灰溜め部 17 縦向き空気供給管 18 下部空気供給管 19 板材ライナ 22 枠体 23 外側扉体 24 内側扉体 25 排気筒 26 排気筒 27 排気筒 28 排気筒 29 有孔筒体 a 燃焼室 k1 重なり部分 k2 重なり部分 k3 重なり部分
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−229335(JP,A) 特開 平10−281434(JP,A) 特開 平1−95224(JP,A) 特開 平8−159427(JP,A) 特開 平10−122531(JP,A) 実開 昭58−142501(JP,U) 実開 昭61−115833(JP,U) 実開 昭48−19245(JP,U) 実公 平1−20485(JP,Y2) 実公 昭57−1274(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/44 ZAB F23G 5/00 119 F23M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板で形成された縦向き周壁の下寄り部
    位に側面開閉口を、そして頂壁に焼却物投入用開閉口を
    形成され、頂壁近傍に煙突を装設され、底壁近傍部にロ
    ストルを装着され、このロストルの下方を灰溜め部とな
    され、また縦向き周壁内面の周方向の適当間隔個所の縦
    方向部位の近傍で縦向き周壁高さの半分以上の長さに渡
    る範囲箇所に縦向き空気供給管を固定され、縦向き周壁
    内面の底壁近傍部に下部空気供給管を固定された燃焼室
    部を有するものとなし、前記縦向き周壁の内面を覆うも
    のとした多数の鋼材製の方形状板材ライナを上下左右方
    向へ装着するものであって上記板材ライナーの上部に
    は該板材ライナを遊隙の形成下に取付けるためのボルト
    挿入孔を穿設し、且つ該板材ライナの上辺部に鋼材製の
    係止片gを固着させると共に、上部板材ライナの下辺部
    が下部板材ライナの係止片gにより周壁の半径方向へ向
    かう変位を規制されるものとなし、各板材ライナが温度
    変化により縦向き周壁に対し自在に伸縮変形を可能とな
    した構成を特徴とする焼却炉。
  2. 【請求項2】 縦向き周壁を平面視正8角形となすと共
    に、一つの板材ライナとこれの周囲に隣接する他の板材
    ライナとの間には適当な隙間を存在させたものとなした
    ことを特徴とする請求項1記載の焼却炉。
  3. 【請求項3】 側面開閉口が、周壁に形成された透孔箇
    所に固着された筒状の枠体と、この枠体の外方端開口を
    閉鎖するものとした外側扉体と、前記透孔と対応したラ
    イナ箇所の開口を閉鎖するものとした内側扉体とを備え
    てなり、この際、内側扉体の内面を平面視正8角形の燃
    焼室周面の一部となしたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の焼却炉。
  4. 【請求項4】 煙突が、直列に連通された4本以上の排
    気筒を有し、これら排気筒の関係は下側の排気筒の上端
    部に上側の排気筒の下端部を外嵌させて3つ以上の排気
    筒重なり部分を形成したものとなし、燃焼室内で生成さ
    れた排気が各排気筒内をこれの下端から上昇し、この上
    昇中にこれら排気筒重なり部分の隙間から空気が流入
    し、この空気が下側の排気筒内を上昇する排気の未燃分
    を上側の排気筒内で燃焼させる構成を特徴とする請求項
    1〜3の何れかに記載の焼却炉。
  5. 【請求項5】 排気筒重なり部分の内側の排気筒の上端
    に多数の透孔を密状に形成された有孔筒体を連通状に固
    定させ、この有孔筒体をこれの対応する排気筒重なり部
    分に於ける上側の排気筒の内方に位置させたことを特徴
    とする請求項4記載の焼却炉。
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