JP3463071B2 - フッ素ベース磁性流体 - Google Patents

フッ素ベース磁性流体

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JP3463071B2
JP3463071B2 JP01315597A JP1315597A JP3463071B2 JP 3463071 B2 JP3463071 B2 JP 3463071B2 JP 01315597 A JP01315597 A JP 01315597A JP 1315597 A JP1315597 A JP 1315597A JP 3463071 B2 JP3463071 B2 JP 3463071B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素ベース磁性
流体に関する。更に詳しくは、磁性微粒子をパーフルオ
ロポリエーテル系基油中に分散せしめたフッ素ベース磁
性流体に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第3,784,471号明細書には、界
面活性剤吸着フェライト類微粒子をパーフルオロポリエ
ーテル系基油中に分散させたフッ素ベース磁性流体にお
いて、フェライト類微粒子に吸着させた界面活性剤とし
て一般式 F[CF(CF3)CF2O]mCF(CF3)COOH (m:3〜50) で表わされるパーフルオロポリエーテルカルボン酸また
はそのアンモニウム塩等が用いられることが記載されて
いる。
【0003】しかしながら、このようなパーフルオロポ
リエーテルカルボン酸塩界面活性剤をフェライト類微粒
子に吸着させてパーフルオロポリエーテル系基油中に分
散させただけでは、後記比較例の結果に示されるように
分散性が悪く、基油中での分散不良微粒子量がかなり多
くなって、磁性流体の収率をかなり低下させるばかりで
はなく、得られる磁性流体の飽和磁化値もかなり低くな
り、実用性に欠けるものとなる。また、分散性について
は、上記パーフルオロポリエーテルカルボン酸(塩)のm
値が比較的小さい場合には、その分散性がよくないこと
も米国特許明細書に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁性
微粒子とパーフルオロポリエーテル系基油との間の親和
性を高め、真空装置のシール材などとして有効に用いら
れるフッ素ベース磁性流体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(A)磁性微粒子を、(B)一般式 F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)C
OOM (ここで、Mはアルカリ金属またはアンモニウム基で
あり、nは1〜100である)で表わされるパーフルオロエー
テルカルボン酸塩および(C)一般式 F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)XRSO3M´ F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)(X)qR´OSO3M´ またはF[CF(C
F3)CF2O]pCF(CF3)(X)qR´´(O)rCOCH2CH(SO3M´)CO(O)r
R´´(X)qCF(CF3)[OCF2CF(CF3)]pF (ここで、R、R´およびR´´は2価の有機基であり、M´
は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはア
ンモニウム基であり、Xは-COO-基または-CONH-基であ
り、pは1以上、好ましくは4〜20の整数であり、qおよび
rは0または1である)で表わされるパーフルオロエーテル
スルホン酸、パーフルオロエーテル硫酸エステルまたは
これらの塩を用いて、(D)パーフルオロポリエーテル系
基油中に分散せしめたフッ素ベース磁性流体によって達
成される。
【0006】
【発明の実施の形態】磁性微粒子としては、一般にフェ
ライト類微粒子が用いられる。フェライト類微粒子とし
ては、任意の方法によって製造されたものが用いられる
ものの、好ましくは純度、粒径の制御、そして何よりも
生産性の点で有利である共沈法によって製造されたフェ
ライト類微粒子、例えばマグネタイト(Fe3O4)、ニッケ
ルフェライト(NiO・Fe2O3)、マンガンフェライト(MnO・
Fe2O3)、コバルトフェライト(CoO・Fe2O3)、ニッケル-
亜鉛フェライト(Ni・ZnO・Fe2O3)、マンガン-亜鉛フェ
ライト(Mn・ZnO・Fe2O3)、コバルト-亜鉛フェライト(Co
・ZnO・Fe2O3)等が好んで用いられる。
【0007】これら以外にも、鉄、マンガン、ニッケ
ル、コバルト等の金属またはそれらのホウ化物、窒化
物、炭化物等の微粒子、更にはこれらの金属とマグネシ
ウム、アルミニウム、亜鉛、銅、ニオブ、モリブデン、
ガリウム、インジウム、ジルコニウム、カドミウム、錫
等の少なくとも一種との合金またはそれらのホウ化物、
窒化物、炭化物等の微粒子なども用いることができる。
【0008】一般に、磁性微粒子は親水性が強いため、
そのままでは基油中で凝集してしまい、磁性流体を形成
し得ない。そこで、磁性微粒子の表面に基油との親和性
を高め、凝集を防止する必要がある。親和性を高めかつ
凝集を防止するために用いられる化合物は、一分子が親
フッ素基とフェライト類への吸着力の強い極性基によっ
て構成されていることが好ましい。また、親フッ素基に
は、微粒子の凝集を防止するために、ある程度の弾性を
有する鎖長が必要であり、溶媒への溶解性や分散能など
から、パーフルオロエーテル基を持つものが選択され
る。
【0009】結局、これらの観点から、本発明において
は、前記一般式で表わされるようなパーフルオロエーテ
ルカルボン酸塩が用いられる。かかるパーフルオロエー
テル系カルボン酸塩は、くり返し単位nが1〜100、好ま
しくは4〜20のヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴ
マーから導かれるカルボン酸のアルキルエステルを水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の水溶液
で加水分解することにより得られる。ここで、くり返し
単位nの上限が20に好ましいとされるのは、nがそれ以上
では調製された磁性流体の特性(粘度等)の低下がみられ
るからである。
【0010】また、前述の如くパーフルオロエーテルカ
ルボン酸塩を用いたのみでは分散性が悪いので、これと
共に前記3種類のパーフルオロエーテルスルホン酸、パ
ーフルオロエーテル硫酸エステルまたはこれらの塩類の
少なくとも一種が用いられる。これら3種類のパーフル
オロエーテルスルホン酸またはその塩類は、以下に記載
される如き方法によって容易に得ることができる。ここ
で、2価の有機基であるR基としては、炭素数1〜20のア
ルキレン基、アリレン基等が、R´基としては同様のア
ルキレン基、ポリアルキレンエーテル基、アリレン基等
が、またR´´基としては同様のアルキレン基、ポリア
ルキレンエーテル基、ポリアミン基等がそれぞれ用いら
れる。
【0011】一般式 F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)XRSO3
で表わされるパーフルオロエーテルスルホン酸(塩)は、
くり返し単位pが1以上の整数のヘキサフルオロプロペ
ンオキシドオリゴマーから導かれるカルボン酸またはそ
の誘導体を、アミノアルキルスルホン酸(塩)もしくはヒ
ドロキシアルキルスルホン酸(塩)と反応させることによ
って製造される。
【0012】一般式 F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)(X)qR´OS
O3M´で表わされるパーフルオロエーテル硫酸エステル
(塩)は、くり返し単位pが1以上の整数のヘキサフルオ
ロプロペンオキシドオリゴマーから導かれるカルボン酸
またはその誘導体とジオールまたはアミノアルコールと
の縮合物、あるいはヘキサフルオロプロペンオキシドオ
リゴマーから導かれるカルボン酸またはその誘導体を還
元したアルコールを硫酸エステル化することによって製
造される。
【0013】また、一般式 F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)(X)
qR´´(O)rCOCH2CH(SO3M´)CO(O)rR´´(X)qCF(CF3)[OC
F2CF(CF3)]pFで表わされるパーフルオロエーテル硫酸エ
ステル(塩)は、くり返し単位pが1以上の整数のヘキサ
フルオロプロペンオキシドオリゴマーから導かれるカル
ボン酸またはその誘導体とジオールまたはアミノアルコ
ールとの縮合物、あるいはヘキサフルオロプロペンオキ
シドオリゴマーから導かれるカルボン酸またはその誘導
体を還元したアルコールを無水マレイン酸と反応させた
後、亜硫酸ナトリウム水溶液と反応させることによって
製造される。
【0014】これら3種類のパーフルオロエーテルスル
ホン酸、パーフルオロエーテル硫酸エステルまたはこれ
らの塩類の一般式において、pの値がこのような範囲内
に限定されるのは、これ以外の値のものを用いた場合に
は、得られる磁性流体に分散性の低下や粘度の増加など
の性能低下がみられるためである。
【0015】磁性流体は、パーフルオロエーテルカルボ
ン酸塩およびパーフルオロエーテルスルホン酸、パーフ
ルオロエーテル硫酸エステルまたはこれらの塩類の存在
下において、磁性微粒子をパーフルオロポリエーテル系
基油中に分散せしめることによって調製される。パーフ
ルオロエーテルカルボン酸塩は、磁性微粒子100重量部
当り約10〜100重量部、好ましくは約20〜50重量部の割
合で、またパーフルオロエーテルスルホン酸、パーフル
オロエーテル硫酸エステルまたはこれらの塩類は、パー
フルオロポリエーテル系基油100重量部当り約0.1〜50重
量部、好ましくは約1〜20重量部の割合でそれぞれ用い
られ、これらは同時にあるいは任意の順序で添加されて
用いられる。
【0016】また、パーフルオロポリエーテル系基油と
しては、次のような一般式で表わされるようなものが用
いられ、実際には市販品、例えばNOKクリューバー製品B
ARRIERTAシリーズのもの等を用いることができる。 F[CF(CF3)CF2O]mRf Rf:パーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜3の
パーフルオロアルキル基 m:1以上の整数、好ましくは10〜50(平均)
【0017】分散処理は、ホモジナイザ、ボールミル、
超音波照射等を用いる常法に従って行われるが、この際
フロリナートFC-72(住友3M製品)などのフッ素化有機溶
媒を共存させて分散液の調製を容易とし、調製後用いら
れた有機溶媒を留去し、その後遠心分離して分散不良微
粒子を除去することにより磁性流体を得ることができ
る。
【0018】
【発明の効果】磁性微粒子をパーフルオロポリエーテル
系基油中に分散せしめてフッ素ベース磁性流体を製造す
るに際し、パーフルオロエーテルカルボン酸塩およびパ
ーフルオロエーテルスルホン酸、パーフルオロエーテル
硫酸エステルまたはこれらの塩類を併用することによ
り、分散性良好な磁性流体が得られる。得られたフッ素
ベース磁性流体は、シャフト付き真空装置のシール材な
どとして用いられたとき、真空度およびトルク値の変化
量を最小のものとする効果を奏する。
【0019】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0020】実施例1 (A) 共沈法マグネタイト微粒子 (粒径90Å) 4g (B) F[CF(CF3)CF2O]nCF(CF3)COONa (n:平均8) 1g (C) F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COO(CH2)2SO3H (p:平均15) 5g (D) パーフルオロポリエーテル系基油 30g (BARRIERTA J100V) 以上の各成分からなる混合物について、24時間の超音波
照射による分散処理を行い、39.9gのフッ素ベース磁性
流体を得た。
【0021】得られたフッ素ベース磁性流体を、ポール
ピース-永久磁石-ポールピースが15mm径のシャフトに嵌
裝され、その間に形成された空間に充填させて真空シー
ルを構成させた後、真空シール評価装置に設置し、0.01
Torr、1000rpm、400時間の条件下で連続運転したときの
真空度およびトルク値を測定すると、真空度に変化はみ
られず、またトルク値の変化量も1%以下であった。
【0022】実施例2 実施例1において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COO(CH2)2SO3Na (p:平均15) の同量を用い、同様の結果を得た。
【0023】実施例3 実施例1において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CONH(CH2)2SO3H (p:平均15) を2.5g用い、同様の結果を得た。
【0024】実施例4 実施例1において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COCN(CH2)10SO3Na (p:平均1
5) を5g用い、同様の結果を得た。
【0025】実施例5 実施例1において、(B)成分として同じ物質の(n:平均1
5)のものを同量用い、同様の結果を得た。
【0026】実施例6 実施例1において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2OSO3Na (p:平均15) の同量を用いてフッ素ベース磁性流体を製造し、得られ
た磁性流体について同様に真空度およびトルク値を測定
(ただし、500rpm、300時間)すると、真空度に変化はみ
られず、またトルク値の変化量も3%以下であった。
【0027】なお、上記(C)成分は次の如くにして製造
された。pが平均15のヘキサフルオロプロペンオキシド
オリゴマーカルボン酸(末端基−COOH)26.5gをジグライ
ム100g中に溶解させた溶液を0℃に冷却し、そこにLiAlH
40.9gを溶解させたジグライム30gを静かに滴下して3時
間攪拌した。この反応混合物を40℃迄昇温させ、更に3
時間攪拌した後再び0℃に冷却し、そこに水10gを注意深
く滴下する。反応溶媒を留去し、フッ素系溶媒(フロリ
ナートFC72)100gを加えて残渣を溶解させ、不溶物をロ
別して、ヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーの
アルコール体(末端基−CH2OH)を溶解させた溶液を得
る。
【0028】このアルコール体溶液に、ジグライム150g
および濃硫酸1.2gを添加して100℃に昇温し、フッ素系
溶媒(フロリナートFC72)を留去する。残りの反応混合物
を更に2時間100℃に保持して反応させた後、氷温下に冷
却し、次いで水酸化ナトリウム0.48gを溶解させたメタ
ノール30gを添加し、2時間攪拌した。溶媒を留去し、飽
和食塩水200mlおよびフッ素系溶媒(フロリナートFC72)2
00mlで同時に抽出する。抽出液(フッ素系溶媒層)を無水
硫酸ナトリウムで十分に乾燥した後溶媒を留去し、前記
(C)成分を20.3g(全工程収率74%)の収量で得た。
【0029】実施例7 実施例6において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COO(CH2)18OSO3 1/2 Ca (p:
平均15) を2.5g用い、同様の結果を得た。
【0030】なお、上記(C)成分は次の如くにして製造
された。1,18-オクタデカン酸 HOOC(CH2)16COOH 3.14g
をジグライム100g中に溶解させた溶液を0℃に冷却し、
そこにLiAlH4 1.8gを溶解させたジグライム30gを静かに
滴下して3時間攪拌した。この反応混合物を40℃迄昇温
させ、更に3時間攪拌した後再び0℃に冷却し、そこに水
10gを注意深く滴下する。反応溶媒を留去し、そこにク
ロロホルム100gおよび水50gを加えて残渣を溶解させ、
不溶物(LiAlH4)をロ別して、1,18-オクタデカングリコ
ール HO(CH2)18OH を溶解させた溶液を得る。
【0031】 このグリコール溶液に、実施例6で用い
られたヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーカル
ボン酸の同量、ジグライム100gおよび濃硫酸10g
を加えて激しく攪拌しながら70℃迄昇温させ、クロロ
ホルムを留去する。次いで、反応混合物を120℃の温
度で5時間反応させた後室温迄冷却し、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で中和する。大部分の溶媒を留去した
後、冷水200mlおよびフッ素系溶媒(フロリナート
FC72)200mlで同時に抽出する。抽出溶媒(フ
ッ素系溶媒)を留去して、中間体[末端基−COO(C
18OH]を23.4g(全工程収率80%)の
収量で得た。
【0032】得られた中間体に、フッ素系溶媒(フロリ
ナートFC72)100g、ジグライム150gおよび濃硫酸0.94gを
添加した後100℃に昇温し、フッ素系溶媒(フロリナート
FC72)を留去する。反応混合物を100℃に保持して2時間
反応させた後氷冷し、そこに水素化カルシウム0.25gを
添加して2時間攪拌する。デカンテーションして不溶物
を分離した後溶媒を留去し、飽和食塩水200mlおよびフ
ッ素系溶媒(フロリナートFC72)200mlで同時に抽出す
る。抽出液(フッ素系溶媒層)を無水硫酸ナトリウムで十
分に乾燥した後溶媒を留去し、前記(C)成分を21.2g(全
工程収率70%)の収量で得た。
【0033】実施例8 実施例6において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COO(CH2CH2O)4OSO3Na (p:平
均15) を同量用い、同様の結果を得た。
【0034】 なお、上記(C)成分は次の如くにして
製造された。グライム100gにテトラエチレングリコ
ールHO(CHCHO)H1.9gおよびナトリ
ウムメトキサイド0.1gを溶解させた溶液に、pが平
均15のヘキサフルオロプロペンオキシドオリゴマーカ
ルボン酸(末端基−COOH)26.5gを滴下し、温
度を80℃に上げ、発生するメタノールを除去しながら
5時間攪拌した。溶媒を留去した後、IN塩酸10ml
を加えた冷水200mlおよびフッ素系溶媒(フロリナ
ートFC72)200mlによる抽出を同時に行い、抽
出液(フッ素系溶媒層)について2回の水洗を行った。
溶媒を留去し、中間体[末端基−COO(CHCH
O)H]を26.1g(収率92%)の収量で得た。
【0035】得られた中間体をジグライム150gに溶解さ
せた後、濃硫酸1.08gを添加し、攪拌しながら100℃に昇
温させ、その温度を保ちながら2時間反応させた。その
後氷冷し、水酸化ナトリウム0.44gを溶解させたメタノ
ール30gを添加し、2時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣
を飽和食塩水200mlおよびフッ素系溶媒(フロリナートFC
72)200mlで同時に抽出し、抽出液(フッ素系溶媒層)を無
水硫酸ナトリウムで十分に乾燥した後溶媒を留去し、前
記(C)成分を22.5g(全工程収率76%)の収量で得た。
【0036】実施例9 実施例6において、(B)成分として同じ物質の(n:平均1
5)のものを同量用い、同様の結果を得た。
【0037】実施例10 実施例1において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2OCOCH2CH(SO3Na)COOCH2CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]pF (p:平均15) を2.5g用いてフッ素ベース磁性流体を製造し、得られた
磁性流体について同様に真空度およびトルク値を測定
(ただし、900rpm、500時間)すると、真空度に変化はみ
られず、またトルク値の変化量も1%以下であった。
【0038】実施例11 実施例10において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CH2OCOCH2CH(SO3H)COOCH2CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]pF (p:平均15) の同量を用い、同様の結果を得た。
【0039】実施例12 実施例10において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)CONH(CH2CH2NH)4COCH2CH(SO3Na)CO(NHCH2CH2)4NHCO [OCF2CF(CF3)]pF (p:平均15) の同量を用い、同様の結果を得た。
【0040】実施例13 実施例10において、(C)成分として F[CF(CF3)CF2O]pCF(CF3)COO(CH2CH2O)4COCH2CH(SO3Na)CO(OCH2CH2)4OCO[OCF2C F(CF3)]pF (p:平均15) の同量を用い、同様の結果を得た。
【0041】実施例14 実施例10において、(B)成分として同じ物質の(n:平
均15)のものを同量用い、同様の結果を得た。
【0042】比較例1 実施例1において、(C)成分を用いない場合には、磁性
微粒子の分散性は不良であり、磁性流体を得ることがで
きなかった。
【0043】比較例2 前記実施例5において、(C)成分を用いない場合には、
磁性流体を得ることはできるが、連続回転後の真空度は
10Torr迄低下し、またトルク値の変化量も10%以上であ
った。
【0044】比較例3 前記実施例9において、(C)成分を用いない場合には、
磁性流体を得ることはできるが、連続回転後の真空度は
10Torr迄低下し、またトルク値の変化量も10%以上であ
った。
【0045】比較例4 前記実施例13において、(C)成分を用いない場合に
は、磁性流体を得ることはできるが、連続回転後の真空
度は10Torr迄低下し、またトルク値の変化量も10%以上
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 智子 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケ ー株式会社内 (72)発明者 菅野 隆夫 茨城県つくば市和台25番地 エヌオーケ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−142227(JP,A) 特開 昭61−263202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/12 - 1/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)磁性微粒子を、(B)一般式 F[CF(CF3)
    CF2O]nCF(CF3)COOM (ここで、Mはアルカリ金属またはア
    ンモニウム基であり、nは1〜100である)で表わされるパ
    ーフルオロエーテルカルボン酸塩および(C)一般式 F[CF
    (CF3)CF2O]pCF(CF3)XRSO3M´(ここで、Rは2価の有機基
    であり、M´は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類
    金属またはアンモニウム基であり、Xは-COO-基または-C
    ONH-基であり、pは1以上の整数である)で表わされるパ
    ーフルオロエーテルスルホン酸またはその塩を用いて、
    (D)一般式 F[CF(CF3)CF2O]mRf (ここで、Rfはパーフル
    オロアルキル基であり、mは1以上の整数である)で表わ
    されるパーフルオロポリエーテル系基油中に分散せしめ
    たフッ素ベース磁性流体。
  2. 【請求項2】 (A)磁性微粒子を、(B)一般式 F[CF(CF3)
    CF2O]nCF(CF3)COOM (ここで、Mはアルカリ金属またはア
    ンモニウム基であり、nは1〜100である)で表わされるパ
    ーフルオロエーテルカルボン酸塩および(C)一般式 F[CF
    (CF3)CF2O]pCF(CF3)(X)qR´OSO3M´(ここで、R´は2価
    の有機基であり、M´は水素原子、アルカリ金属、アル
    カリ土類金属またはアンモニウム基であり、Xは-COO-基
    または-CONH-基であり、pは1以上の整数であり、qは0
    または1である)で表わされるパーフルオロエーテル硫酸
    エステルまたはその塩を用いて、(D)一般式 F[CF(CF3)C
    F2O]mRf (ここで、Rfはパーフルオロアルキル基であ
    り、mは1以上の整数である)で表わされるパーフルオロ
    ポリエーテル系基油中に分散せしめたフッ素ベース磁性
    流体。
  3. 【請求項3】 (A)磁性微粒子を、(B)一般式 F[CF(CF3)
    CF2O]nCF(CF3)COOM (ここで、Mはアルカリ金属またはア
    ンモニウム基であり、nは1〜100である)で表わされるパ
    ーフルオロエーテルカルボン酸塩および(C)一般式 F[CF
    (CF3)CF2O]pCF(CF3)(X)qR´´(O)rCOCH2CH(SO3M´)CO
    (O)rR´´(X)qCF(CF3)[OCF2CF(CF3)]pF (ここで、R´´
    は2価の有機基であり、M´は水素原子、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属またはアンモニウム基であり、Xは-CO
    O-基または-CONH-基であり、pは1以上の整数であり、q
    およびrは0または1である)で表わされるパーフルオロエ
    ーテルスルホン酸またはその塩を用いて、(D)一般式 F
    [CF(CF3)CF2O]mRf (ここで、Rfはパーフルオロアルキル
    基であり、mは1以上の整数である)で表わされるパーフ
    ルオロポリエーテル系基油中に分散せしめたフッ素ベー
    ス磁性流体。
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