JP3331605B2 - フッ素系磁性流体組成物 - Google Patents

フッ素系磁性流体組成物

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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、強磁性体微粒子をフ
ッ素系の溶媒中に安定に分散せしめた磁性流体組成物の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフッ系磁性流体組成物としては、
例えば米国特許3,784,471号や特開昭63−1
24402号に示されているものがある。これらはいず
れも、分子構造中に側鎖を有するパーフルオロ系溶媒を
分散媒として用い、その分散媒中に強磁性体微粒子を安
定に分散させる界面活性剤には、同じく側鎖を有する構
造のフルオロカーボン系界面活性剤を用いている。すな
わち、前者は分散媒として一般式
【0003】
【化1】
【0004】で示されるパーフルオロポリエーテルを用
い、界面活性剤として例えば式
【0005】
【化2】
【0006】で示されるパーフルオロポリエーテル系の
界面活性剤を用いている。一方、後者は分散媒として一
般式
【0007】
【化3】
【0008】で示されるパーフルオロポリエーテルを用
い、界面活性剤として例えば式
【0009】
【化4】
【0010】で示されるパーフルオロポリエーテル系の
界面活性剤を用いている。このように、従来のフッ素系
磁性流体組成物では、分散媒と界面活性剤との親和性を
高めるために、界面活性剤の極性基を除き双方とも同じ
構造を有する化合物を用いることが必要とされていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】磁性流体組成物は、回
転機器において発塵を零にできる軸シールとして好適に
利用される。その場合の磁性流体の性能としては、長期
にわたりシール性能を保つため分散安定性が良いこと、
軸回転のトルクを低減させるため低粘度であること、か
つトルクの経時変化が少ないことが望まれる。
【0012】しかしながら、界面活性剤の構成分子が側
鎖構造を有している従来のフッ素系磁性流体組成物にあ
っては、以下のような問題点があった。 界面活性剤分子が強磁性体微粒子に吸着される際に、
界面活性剤分子同士の側鎖が干渉しあって界面活性剤分
子の吸着が妨げられると同時にその分子自体の吸着占有
面積が大きいために、強磁性体微粒子への吸着密度が低
くなる。それゆえ、散媒中での強磁性体微粒子の分散安
定性が低い。
【0013】強磁性体微粒子に吸着された界面活性剤
分子の側鎖が粒子間で絡みあって粒子運動の自由が妨げ
られやすいため、得られた磁性流体の粘度が高い。 回転機器の回転軸シールに組み込んで長時間放置しト
ルクの経時変化について検討したところ、磁場中での強
磁性体微粒子の凝集が確認され、トルクの著しい上昇を
招いた。
【0014】そこで、この発明は、上記の問題点を解決
するためになされたものであり、フッ素系磁性流体組成
物の界面活性剤の構造を特定することにより、分散安定
性が良好で、低粘度でかつトルクの経時変化の少ない高
度の軸シール性能を有するフッ素系磁性流体組成物を提
供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、パーフルオ
ロ系溶媒中に強磁性体微粒子を分散させる分散剤として
パーフルオロ系界面活性剤を用いたフッ素系磁性流体組
成物に係り、前記溶媒の疎水基が側鎖を有し、前記界面
活性剤の疎水基が直鎖状であることを特徴とする。前記
溶媒は側鎖を有するパーフルオロポリエーテルとし、前
記界面活性剤は直鎖状のパーフルオロポリエーテル誘導
体又はその塩とすることができる。
【0016】
【作用】直鎖のみからなるパーフルオロ系界面活性剤
は、強磁性体微粒子に吸着される際に、界面活性剤分子
同士が干渉しあうことがなく吸着が妨げられないと同時
にその分子自体の吸着占有面積が小さいから、強磁性体
微粒子への高い吸着密度が得られる。その結果、強磁性
体微粒子の分散安定性が良好になる。
【0017】しかも、強磁性体微粒子に吸着された界面
活性剤分子の粒子間での絡みあいが側鎖を有するものに
比べて少ないから、各強磁性体微粒子の運動の自由度が
高い。そのため、磁性流体の粘度が低くなる。また、ト
ルク経時変化については、本願発明者らは分散媒,界面
活性剤双方の分子構造が深く係わっていると考えた。そ
こで、フッ素系磁性流体組成物においては分散媒と界面
活性剤との親和性を高めるために、界面活性剤の極性基
を除き双方とも同じ構造を有する化合物を用いることが
必要とされている従来の定説に拘束されることなく研究
を重ねた。その結果、次の知見を得て本発明をなすに到
った。すなわち、直鎖系の界面活性剤に対して同じ直鎖
系の油を分散媒として用いたものより、側鎖を持つ油を
分散媒に用いたものの方がトルクの上昇が少なかった。
その理由は、強磁性体微粒子に吸着されている直鎖系の
界面活性剤が側鎖構造を持つ分散媒の側鎖に絡むこと
で、強磁性体微粒子同士の磁場での接合が妨げられて凝
集を防いでいるためと考えられる。
【0018】かくして、強磁性体微粒子の分散安定性が
良く、しかも低粘度で、かつトルクの経時変化の少な
い、軸シール等に最適のフッ素系磁性流体が得られる。
以下、この発明のフッ素系磁性流体組成物を詳細に説明
する。この発明において強磁性体微粒子を分散媒中に安
定に分散させるための界面活性剤の疎水基は、直鎖のみ
からなる構造のパーフルオロ系界面活性剤であり、一般
【0019】
【化5】
【0020】で示され、式中のAは−COOH,−CH
2OH,−OH,−SO3OH,−PO 3H,−NH2など
の群から選ばれた極性基であるパーフルオロポリエーテ
ル誘導体又はその塩であり、それらの内の少なくとも一
種を選択して用いる。一方、この発明の磁性流体の分散
媒として用いるパーフルオロ系溶媒は、一般式
【0021】
【化6】
【0022】で示される側鎖を有するパーフルオロポリ
エーテルである。
【0023】
【0024】の発明の強磁性体微粒子としては、公知
の湿式法により得られるマグネタイトコロイドを用い得
る。また、水中でマグネタイト粉末をボールミルにより
粉砕する、いわゆる湿式粉砕法で得られるものでもよ
い。更にまた、乾式法で得られるものを用いることもで
きる。
【0025】また、マグネタイト以外のマンガンフェラ
イト,コバルトフェライトもしくはこれらと亜鉛、ニッ
ケルとの複合フェライトやバリウムフェライトなどの強
磁性酸化物または鉄,コバルト,希土類などの強磁性金
属を用いることもできる。この発明の強磁性体微粒子の
粒径は、20〜500Åの間にある。例えばマグネタイ
トは格子定数約8Åの単位格子で逆スピネル構造をと
り、結晶は単位格子が数個以上でなりたつから、少なく
とも20Å以上の粒子径が必要となる。一方粒子径の上
限については、磁性粒子の懸濁液としての磁性流体の安
定性の見地からみると、λ=Ms2 2 /d3 kTで表
されるパラメータλの値が重要となる。(ここにMs:
飽和磁化,V:粒子の体積,d:粒子の直径,k:ボル
ッマン定数,T:絶対温度)。一般に、粒子表面に吸着
形成された界面活性剤層の反発力によって、粒子間引力
及び磁性粒子のもつ磁気双極子間引力に抗して凝集を防
止できる限界値はλ=103 とされる。そこで今、安全
を見積りλ=102 とし、かつ飽和磁化Ms=400G
とすると、上式により求める粒子径dの上限は500Å
である。もっとも、望ましい粒径は100Å前後であ
る。この場合には上式に於けるMs=400Gのときλ
=1となり、分散磁性微粒子は長時間静置しても沈降す
るおそれはない。
【0026】この発明の強磁性体微粒子の含有量は、従
来一般的に用いられている体積比で1〜20%の範囲は
勿論のこと、必要に応じて更に高濃度のものであっても
よい。すなわち、この発明によれば、後述するような界
面活性剤を用い、かつ強磁性体微粒子が低沸点溶媒中に
分散された中間媒体を利用することで、強磁性体微粒子
濃度を従来より遥かに高濃度に調整することができる。
これにより、磁化量が極めて高く、しかも安定した磁性
流体が得られるものである。
【0027】この発明のフッ素系磁性流体組成物を製造
する方法は、強磁性体微粒子と界面活性剤とをまず低沸
点のパーフルオロ系溶媒に加えて、表面を界面活性剤で
被覆した強磁性体微粒子がその低沸点溶媒中に分散され
た中間媒体を得るものである。次にその中間媒体中の分
散性の悪い微粒子を、例えば5000〜15000Gで
遠心分離して除く。その後、分散媒としてのパーフルオ
ロポリエーテル油を加えて混合し、次いでその混合物を
加熱して低沸点のパーフルオロ系溶媒を蒸発除去する
か、或いはまた中間媒体を加熱して低沸点パーフルオロ
系溶媒を蒸発させて得られる表面が界面活性剤で被覆さ
れた強磁性体微粒子に分散媒を加えることで、高濃度で
且つ極めて安定した磁性流体とするものである。
【0028】前記中間媒体の状態で強磁性体微粒子は、
分散性のよいものと悪いものとが選別される。この選別
を繰り返せば、中間媒体中の強磁性体微粒子の濃度はか
なり減少するが、中間媒体は容易に蒸発させて濃縮させ
得るので、濃縮したものに別の新たな中間媒体を加え、
これをまた濃縮することを繰り返し、分散媒としてのパ
ーフルオロポリエーテル油に混合することによって、多
量の強磁性体微粒子を磁性流体中に分散させることが可
能となる。
【0029】もし、このような中間媒体を用いずに直接
分散媒を加えた場合、分散媒は低揮発性であるから、加
熱による蒸溜濃縮は困難で、一定以上の濃度のものは得
難い。また、最初に分散媒の量を少な目に調整して強磁
性体微粒子の含有率を高めようとしても、必ず、分散性
があまり良くない強磁性体微粒子も一緒に一旦溶液中に
取り込まれるため、分散性の良い強磁性体微粒子の含有
率は制限されてしまう。しかも、これら分散性が不十分
な強磁性体微粒子は、遠心分離の際にそれら自身が分離
沈降するのみならず、隣接して浮遊していた分散性の良
い強磁性体微粒子と一緒に沈降してしまうため、非常に
多くの沈澱物を生じて溶液中の強磁性体微粒子は著しく
減少し、性能上必要な強磁性体微粒子濃度を得ることは
困難である。
【0030】もっとも、この発明のフッ素系系磁性流体
組成物を得るのに、必ずしも上記の中間媒体を介して行
う必要はなく、一般的に行われているように、強磁性体
微粒子を直接に分散媒中に混入させてもよい。以下に、
この発明のフッ素系磁性流体組成物の実施例を、その製
造工程とともに説明する。
【0031】
【実施例】
(1)まず、硫酸第1鉄と硫酸第2鉄の各1モル/lの
水溶液300mlに6NのNaOH水溶液を加えてpHを
11以上にした後、60℃で30分間熟成してマグネタ
イトコロイドを得た。これを静置し、マグネタイト粒子
が凝集し沈降したら、その上澄を捨てて水を注ぎ、更に
水洗する操作を数回繰り返して、電解質を除去する。水
洗が終われば濾過、脱水し、次いで80℃で5時間真空
乾燥してマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイ
ト粒子20gに、低沸点のパーフルオロカーボン溶媒
(住友スリーエム(株)社製、フロリナートFC72,沸
点56℃)90gと直鎖系の界面活性剤であるパーフル
オロポリエーテルカルボン酸(ダイキン社製、デムナム
SH3)8gを加え、ボールミルで4時間粉砕混合し
た。
【0032】この混合物を12000Gの遠心力で1時
間遠心分離することにより、非分散固形物を取り除い
た。この上澄液に、分散媒として側鎖系のパーフルオロ
ポリエーテル合成油(デュポン社製、KRYTOX 1
625)10gを添加し良く混合する。これをロータリ
ーエバポレータに採取し、100℃で低沸点パーフルオ
ロカーボン溶媒を蒸発除去した。フラスコ内に残ったコ
ロイド溶液は極めて安定な磁性流体であった。これを本
発明の磁性流体とする。 (2)上記と同様の方法で、分散媒として直鎖系のパー
フルオロポリエーテル合成油(ダイキン社製、デムナム
S−100)を用いて磁性流体を調製した。これを比較
の磁性流体とする。 (3)比較例として、界面活性剤に側鎖系のパーフルオ
ロポリエーテルカルボン酸(デュポン社製、KRYTO
X 157FM)を用い、分散媒に同じく側鎖系のパー
フルオロポリエーテル合成油(デュポン社製、KRYT
OX 1625)を用い同様に磁性流体を調製した。こ
れを比較例の磁性流体とする。
【0033】上記の各磁性流体,,を用いて軸シ
ール試験を行い、結果を比較した。試験用のシール試験
装置の構造を図1に示す。シャフト1は軸方向に間隔を
おいて装着された二個の玉軸受2を介して回転自在にハ
ウジング3に支持されている。4はシャフト1,玉軸受
2の軸方向移動を阻止するスナップリングである。ハウ
ジング3のシャフト突出端部には、ゴムリング等の非磁
性体リング5を介して、シールリング6が組み込まれて
いる。そのシールリング6はドーナツ板状の磁石7を挟
んだ2枚のポールピース8を有し、各のポールピース8
の内周端面とシャフト1の外周面との間にシールギャッ
プ9が形成されている。そのシールギャップ9に微量の
磁性流体10を注入すると磁力で保持され軸シールが行
われる。
【0034】図1のシールリング6のシールギャップ9
に、磁性流体〜をそれぞれ4μlずつ注入し、注入
直後のシャフト1の回転トルクを測定して初期トルクと
した。その後24時間静置してから再びトルクを測定し
て記録した。次いで再び初期トルクを測定し、その後5
0時間静置してから再びトルクを測定して記録した。こ
のようにして初期トルクとその後所定時間静置した後の
トルクの測定を静置時間を変えて繰り返し行ない、各磁
性流体試料毎のトルクの経時変化(トルク上昇率)を求
めて比較した。その結果を図2に示す。
【0035】図2から、直鎖系の界面活性剤を用いた本
発明の磁性流体及び比較例の磁性流体は、側鎖系の
界面活性剤を用いた比較例の磁性流体より経時的なト
ルクの上昇率が低いことが明らかである。その理由は、
比較例の磁性流体の場合、界面活性剤と溶媒との双方
とも側鎖を有するため、磁場内の強磁性体微粒子同士の
間で、吸着界面活性剤の側鎖の絡み合いが発生して磁性
流体の凝集を促進するためと思われる。
【0036】また、同じ直鎖系の界面活性剤を用いた本
発明の磁性流体と比較例の磁性流体との間にも差が
認められ、分散媒に側鎖系の溶媒を用いた磁性流体の
方が、分散媒に直鎖系の溶媒を用いた磁性流体よりト
ルクの上昇率が低いことが明らかにされた。このように
同じ直鎖系の界面活性剤を用いてもトルク上昇率に差を
生ずる理由は、分散媒が側鎖構造の場合、強磁性体微粒
子に吸着されている直鎖系の界面活性剤に分散媒の側鎖
が絡むことで、強磁性体微粒子同士の磁場での接合を妨
げ凝集を防ぐためと考えられる。
【0037】すなわち、トルクの経時変化に関して、界
面活性剤と溶媒との分子構造を合わせる必要はなく、む
しろ界面活性剤には直鎖構造のパーフルオロポリエーテ
ル誘導体またはその塩を用い、溶媒には少なくとも一個
の側鎖を有するパーフルオロポリエーテルを組合せたも
のがトルク上昇率が最低であり最も好ましい。また、溶
媒.界面活性剤とも同構造とする場合は、双方とも直鎖
構造のパーフルオロポリエーテルを用いる方が、トルク
上昇率10%以下の実用レベルに抑えることができて好
ましい。
【0038】上記軸シール試験に用いた各磁性流体,
,の粘度を測定した結果は次の通りであった。 測定温度40℃ 本発明磁性流体 1100cP比較例 磁性流体 1000cP 比較例磁性流体 2000cP 本発明磁性流体及び比較例磁性流体は粘度に大差は
ないが、比較例磁性流体の場合は本発明品の二倍の値
を示している。すなわち、本発明品の場合は界面活性剤
が直鎖のみからなる構造であり、強磁性体微粒子に吸着
された界面活性剤分子の粒子間での絡みあいが少ないか
ら、各強磁性体微粒子の運動が比較的自由で磁性流体の
粘度が低い。これに対して、比較例の場合は界面活性剤
の構造が側鎖を有するため、吸着された界面活性剤分子
が粒子間で絡みあい、各強磁性体微粒子の自由な運動が
拘束されて磁性流体の粘度が高くなるものと思われる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のフッ素
系磁性流体組成物は、界面活性剤の疎水基を直鎖状とし
たので、強磁性体微粒子に吸着された界面活性剤分子の
粒子間での絡みあいが少なく、粘度が低い磁性流体が得
られる。また、強磁性体微粒子に吸着されている直鎖状
の界面活性剤がパーフルオロ系溶媒の側鎖に絡むこと
で、強磁性体微粒子同士の磁場での接合が妨げられ凝集
が抑制されるので、フッ素系磁性流体組成物は経時的な
トルクの上昇が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性流体の軸シール試験装置の断面図である。
【図2】本発明のフッ素系磁性流体組成物と従来のもの
とのトルク経時変化のグラフである。
【符号の説明】
1 シャフト 6 シールリング 9 磁性流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 119:08) F16J 15/40 A C10N 40:02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/44 C10M 169/04 F16J 15/43

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロ系溶媒中に強磁性体微粒子
    を分散させる分散剤としてパーフルオロ系界面活性剤を
    用いたフッ素系磁性流体組成物において、前記溶媒の疎
    水基が側鎖を有し、前記界面活性剤の疎水基が直鎖状で
    あることを特徴とするフッ素系磁性流体組成物。
  2. 【請求項2】 前記溶媒が側鎖を有するパーフルオロポ
    リエーテルであり、前記界面活性剤が直鎖状のパーフル
    オロポリエーテル誘導体又はその塩であることを特徴と
    する請求項1に記載のフッ素系磁性流体組成物。
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