JPH08298747A - 動圧軸受装置 - Google Patents

動圧軸受装置

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JPH08298747A
JPH08298747A JP7124324A JP12432495A JPH08298747A JP H08298747 A JPH08298747 A JP H08298747A JP 7124324 A JP7124324 A JP 7124324A JP 12432495 A JP12432495 A JP 12432495A JP H08298747 A JPH08298747 A JP H08298747A
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JP
Japan
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dynamic pressure
pressure bearing
magnetic
bearing device
magnet
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JP7124324A
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English (en)
Inventor
Masamichi Hayakawa
正通 早川
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Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受特性を満足し、潤滑性・シール性・寿命
信頼性を合わせ持つ動圧軸受を可能とする。 【構成】 磁性粉の含有量を20重量%以下に低減した
磁性流体Aを潤滑流体に用いることによって、流動性即
ち軸受ロスを低減するための低粘度性を良好に維持する
とともに、磁気力と毛細管力とを併用するシール部によ
って十分な流体保持機能を得るようにし構成し、特に動
圧発生用の潤滑流体と磁気シール用の流体とを一つの流
体で兼用するようにした動圧軸受装置の実現性及び信頼
性を向上させるようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑流体の動圧により
回転部材と固定部材とを回転移動可能に支承する動圧軸
受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の装置、特にポリゴンミラ
ー、磁気ディスク、光ディスク等の各種回転板を高速回
転駆動させるモータ等の各種装置において、磁性潤滑流
体を用いた動圧軸受の提案がなされている。磁性流体
は、強磁性体微粒子を液体分散溶媒中に安定的に分散さ
せたコロイド溶液であり、その液体自体が見掛け上強い
磁性を示すという特性から、通常は玉軸受と組み合わせ
てシーリングとして用いられることが多いが、その玉軸
受よりも高速回転安定性及び静粛性等において優るもの
として磁性潤滑流体を用いた動圧軸受が有望視されてい
る。磁性潤滑流体を用いた動圧軸受の提案は、この様な
背景のもとになされており、例えば特開昭60−882
23号公報においては、動圧発生用の潤滑流体と磁気シ
ール用の磁性流体とを一つの流体で兼用するようにした
装置が開示されている。
【0003】しかしながらそのような装置においては、
磁性流体組成物に、シールとしての低蒸発特性と、軸受
ロスを低減するための低粘度性とを併せ持つことが要求
されるため、それに適合し得る磁性流体組成物の特性を
実際には得ることができないのが現状である。すなわち
動圧軸受部では、シール部より遥かに大きなせん断力を
受けると共に高温に曝され、また起動・停止時には金属
同士の接触・摩耗を生じて活性金属面に触れることがあ
る。磁性流体組成物は、「高速回転でも高気密性が得ら
れる(〜10-6 Toor )」という最大の利点から使用さ
れているものの、潤滑流体としての機能(低摩耗特性)
と寿命特性(低蒸発性、耐高温性)とを同時に十分と有
したものは未だ開発されていない(PETROTECH
第13巻第12号(1989)より)。このようにシ
ール性だけでなく潤滑性および寿命特性をもカバーした
動圧軸受装置が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】より具体的には、動圧
発生用の潤滑流体と磁気シール用の流体とを一つの流体
で兼用するために潤滑流体組成物が備えるべき特性とし
て、 1)100CP以下(27℃)の低粘度を有すること、 2)50ガウス以上の飽和磁化を有すること、 3)シール特性を維持し得る低蒸発性を有すること、 4)高温ゲル化や酸化等がなく、またそれを抑制できる
安定性を有すること、 5)接触・摩耗で生じた金属の活性を抑制すること、 等があるが、このような良好な特性を満足させる磁性流
体は未だ得られていない。なかでも上記4)のように、
磁性潤滑流体の寿命特性として流動性を喪失する所謂ゲ
ル化の現象は高温使用時において特に発生し易く、解決
すべき重要な課題となっている。
【0005】そこで本発明は、上記各特性を満足し、潤
滑性・シール性・寿命信頼性を合わせ持つ動圧軸受装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1にかかる動圧軸受装置は、潤滑流体に生じる動
圧により固定部材に対して回転部材を回転自在に支承す
る動圧軸受部を備えた動圧軸受装置において、上記潤滑
流体が、磁性粉を20重量%含有した磁性流体からなる
とともに、前記動圧軸受部の軸端側に、環状磁石を有す
るシール部を設けてなり、上記シール部の環状磁石は、
当該環状磁石が対面する部材との隙間距離が開放端側に
向かって徐々に拡大する傾斜壁面を有し、かつ当該環状
磁石と上記対面部材との間の磁束密度を、開放端側に向
かって徐々に粗とした構成を有している。
【0007】また請求項2にかかる動圧軸受装置は、請
求項1記載の動圧軸受装置において、回転部材及び固定
部材を磁性材料で構成するとともに、環状磁石にラジア
ル方向の着磁を施し、当該環状磁石と動圧軸受部とを磁
気的に連係させるヨークを設けた構成を有している。
【0008】さらに請求項3にかかる動圧軸受装置は、
請求項1記載の動圧軸受装置において、環状磁石が、N
d−Fe−B系の磁性粉を主成分とするプラスティック
マグネットからなる構成を有している。
【0008】さらにまた請求項4にかかる動圧軸受装置
は、請求項1記載の動圧軸受装置において、動圧軸受部
とシール部とが互いに連通するように設けられ、かつ、
この互いに連通する動圧軸受部からシール部にかけて同
一の潤滑流体が連続的に充填された構成を有している。
【0009】
【作用】このような請求項1記載の動圧軸受装置におい
ては、磁性粉の含有量を低減した磁性潤滑流体を用いる
ことによって、流動性即ち軸受ロスを低減するための低
粘度性が得られるとともに、磁気力と毛細管力とを併用
したシール部によって十分な流体保持機能が得られるよ
うになっている。
【0010】また請求項2記載の動圧軸受装置において
は、シール部の環状磁石からの磁束がヨークを通して動
圧軸受部に導かれ、環状磁石による磁束が磁性潤滑流体
に対して良好に形成されるようになっている。
【0011】さらに請求項3記載の動圧軸受装置におい
ては、Nd−Fe−B系の強い磁力を有する磁石が用い
られることによって、磁性潤滑流体のシール性がより一
層向上されるとともに、プラスティックマグネットが用
いられることによって、磁性潤滑流体における所謂接触
角が適当な範囲に設定され、シール部における毛細管力
が一層向上されるようになっている。
【0012】さらにまた上述した本発明の各作用は、請
求項4記載の動圧軸受装置のように、動圧発生用の潤滑
流体と磁気シール用の磁性流体とを一つの流体で兼用す
るようにした装置に対して特に顕著である。
【0013】
【実施例】以下、本発明をHDDスピンドルモータに適
用した実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】まず図1に示めされたHDDスピンドルモ
ータは、フレーム1側に組み付けられた固定部材として
のステータ組2と、このステータ組2に対して、図示上
側から積層状に組み付けられた回転部材としてのロータ
組3とから構成されている。このうちステータ組2を構
成しているステータコア21は、上記フレーム1の略中
心位置に立設された略円筒状の軸受ホルダー22の外周
部に嵌着されており、当該ステータコア21の突極部に
巻線23が巻回されている。
【0015】上記軸受ホルダー22の内周部には、一体
形成された一対のラジアル滑り軸受24,24が、軸方
向に所定間隔離して設けられており、それら一対のラジ
アル滑り軸受24,24によって、回転軸31が回転自
在に支承されている。即ち上記両ラジアル滑り軸受2
4,24の内周面は、回転軸31の外周面に対して、所
定の軸受潤滑流体Aを介して摺動可能に滑り対面されて
おり、上記各ラジアル滑り軸受24の内周面と回転軸3
1の外周面とによってラジアル方向の動圧滑り面が構成
されている。これら両動圧滑り面の少なくとも一方側に
は、図示を省略した動圧発生溝が形成されており、その
動圧発生溝により軸受潤滑流体Aに発生させられる動圧
によって上記回転軸31が回転自在に支承されるように
構成されている。上記軸受潤滑流体Aは、本発明にかか
る磁性流体組成物から構成されるものであって、それに
ついては後述する。
【0016】さらに上記回転軸31の先端部(図示下側
部)は、前記軸受ホルダー22の図示下端側の開口部を
覆うスラスト受板25に対して、上記と同様な軸受潤滑
流体Aを介して摺動可能に滑り対面されており、これら
回転軸31の先端面とスラスト受板25の受面とによっ
て、スラスト方向の動圧滑り面が構成されている。以
下、上記ラジアル方向の軸受部とスラスト方向の軸受部
との双方を合わせて、動圧軸受部と呼ぶこととする。
【0017】一方上記回転軸31の先端部分(図示下側
部分)には、鍔状の抜止板32が固着されており、この
抜止板32によってロータ組3の全体がステータ組2側
から脱落しないようになっている。
【0018】また本実施例における軸受潤滑流体Aは、
当該軸受潤滑流体Aをシールするための磁性流体を兼用
している。即ち前記軸受ホルダー22の上端開口部に
は、上述した動圧軸受部と連通するようにしてシール部
が設けられており、その動圧軸受部からシール部にかけ
て、つまり軸受ホルダー22の底部から上端開口近傍に
かけて同一の軸受潤滑流体Aが連続的に充填されてい
る。
【0019】一方、上記上記回転軸31及びラジアル滑
り軸受24は、所定の磁性材料から形成されているとと
もに、前述したシール部には、半径方向(ラジアル方
向)に着磁されたシール磁石26が、シール部の内周壁
に沿って環状に装着されている。そしてこのシール磁石
26による磁気的吸引力によって軸受潤滑流体Aの保持
が行われ、当該軸受潤滑流体Aの外部流出が防止される
ように構成されている。上記シール磁石26としては、
Nd−Fe−B系の磁性粉を主成分とするプラスティッ
クマグネットが採用されている。
【0020】このとき特に図2に示されているように、
上記シール磁石26の内周側壁面は図示上方側である開
放端側に向かって開く傾斜壁面26aに形成されてお
り、当該傾斜壁面26aが対面する回転軸31の外周面
との隙間距離が、開放端側(図示上方側)に向かって徐
々に拡大するように構成されている。そしてこの隙間距
離の変化に従って、上記シール磁石26と回転軸31と
の間に形成されている磁束の密度が、開放端側(図示上
方側)に向かって徐々に粗となるように構成されてい
る。
【0021】さらに上記シール磁石26の外周側(図示
右側)壁面には、リング状の磁性ヨーク27が環状に配
置されており、この磁性ヨーク27を介して上記シール
磁石26が動圧軸受部側に磁気的に連係されている。即
ち上記シール磁石26からの磁束は、磁性ヨーク27を
通して動圧軸受部側に図示のように導かれ、その結果、
シール磁石26による磁束が軸受潤滑流体Aに対して良
好に形成されるようになっている。
【0022】再び図1に戻って、前記回転軸31の基端
部分(図示上端部分)には、ロータ組3を構成するハブ
33が一体に回転するように固着されている。このハブ
33は、複数体の磁気ディスク34を外周部に装着する
略円筒体から形成されており、図示下端縁に、バックヨ
ーク35を介して駆動マグネット36が環状に装着され
ている。上記駆動マグネット36は、前記ステータコア
21の外周端面に対して環状に対向するように近接配置
されている。
【0023】このとき上記ハブ33の中心部分は、前記
シール磁石26と軸方向に対面するように配置されてお
り、これらの対面壁面に装着された一対の磁石体33a
及び26bどうしの吸引力によって、回転軸31及びハ
ブ33を含むロータ組3が、スラスト受板25に向かっ
てスラスト方向に所定の押圧力を受けるように構成され
ている。
【0024】このような動圧軸受装置に用いられている
軸受潤滑流体Aは、磁性粉を20重量%以下の割合で含
有した磁性流体からなるものであって、その磁性流体の
実施例を次に説明する。
【0025】本実施例においては、磁性微粒子として共
沈法により得られたMn−Znフェライトが用いられて
いる。具体的には、硫酸マンガン0.1mol、硫酸亜
鉛0.4mol、硫酸第2鉄0.5molを1lの水に
溶解し、この水溶性の液温を90℃に保ち、攪拌しつ
つ、6N水酸化ナトリウムを滴下して、水溶液のPHを
11として、Mn−Znフェライトのコロイドを生成さ
せた後、液温を80℃として、さらに攪拌を続けなが
ら、オレイン酸ナトリウムの10%溶液250mlを加
えたこの溶液を室温に冷却した後、3Nの塩酸水溶液を
加えてPH6とした。凝集したコロイド粒子を十分水
洗、さらに脱水乾燥させて、オレイン酸で被覆されたM
n−Znフェライト微粒子を得た。
【0026】ついで上記のオレイン酸で被覆されたMn
−Znフェライトから14.8gを採り、下記の基油溶
媒15gを加えて、十分攪拌して分散させた後、遠心分
離によって未分散物を除去、さらに比重1.02となる
よう基油を加えて、流体を得た。こうして得られた流体
のフェライト濃度は、20wt%、飽和磁化は120ガ
ウスであった。
【0027】さらに上記磁性微粒子としてのMn−Zn
フェライトを分散させる基油溶媒として、ポリ−α−オ
レフィン水素化物[C30〜C40](新日鐵化学
(株)社製;シンフルード(PAO)401)を用い
て、本実施例の磁性潤滑流体を作製した。
【0028】得られた磁性潤滑流体はシャーレに入れ、
析出、凝集、分離等の外観確認によって磁性微粒子の分
散安定性を評価するとともに、温度80℃・520時間
における重量減により蒸発量を比較し、さらに温度14
0℃放置におけるゲル化時間を比較した。粘度について
は、25℃における粘度および粘度温度指数を比較し
た。その評価結果を下表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】この表1に示されているように、本実施例
にかかる試料では、磁紛濃度が低く設定されているため
飽和磁化は低下しているが、良好な粘度特性を示し、ま
た高温ゲル化寿命が大幅に改善している。
【0031】このように本実施例の動圧軸受装置におい
ては、磁性粉の含有量を20重量%以下に低減した軸受
磁性流体Aを用いることによって、流動性即ち軸受ロス
を低減するための低粘度性が良好に維持されるととも
に、シール磁石26による磁気力と、開放端側に隙間を
拡大させる傾斜壁面26aによる毛細管力とを併用した
シール部によって十分な流体保持機能が得られるように
なっている。
【0032】また本実施例においては、シール磁石26
からの磁束が磁性ヨーク27を通して動圧軸受部に導か
れ、シール磁石26による磁束が軸受磁性流体Aに対し
て良好に形成されるようになっている。
【0033】さらにシール磁石26として、Nd−Fe
−B系の強い磁力を有する磁石が用いられることによっ
て、軸受磁性流体Aのシール性がより一層向上されると
ともに、プラスティックマグネットが用いられることに
よって軸受磁性流体Aの所謂接触角が適当な範囲に設定
され、シール部における毛細管力が一層向上されるよう
になっている。
【0034】そしてこのような各作用は、上記実施例に
おける動圧軸受装置のように、動圧発生用の潤滑流体と
磁気シール用の磁性流体とを一つの流体で兼用するよう
にした装置に対して特に顕著に得られる。
【0035】一方、図2に示されている実施例に対応す
る構成物を同一の符号で表した図3にかかる実施例にお
いては、シール磁石46の内周側壁面に、動圧軸受側
(図示下方側)から開放端側(図示上方側)に所定長だ
け延びる平行壁面(非傾斜壁面)46bが設けられてお
り、その平行壁面46bが傾斜壁面46aに連続してい
る。このような実施例においても同様な作用・効果を得
ることができる。
【0036】さらに図2に示されている実施例に対応す
る構成物を同一の符号で表した図4にかかる実施例にお
いては、シール磁石26に付設された磁性ヨーク47,
48が、シール磁石26における軸側対向面以外の3面
を取り囲むように設けられている。このような実施例に
おいても同様な作用・効果を得ることができる。
【0037】以上本発明によってなされた発明を実施例
に基づき具体的に説明したが、本発明は上記に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形
可能であるというのはいうまでもない。例えば上記実施
例においては、軸回転型のモータに対する適用例が述べ
られているが、軸固定回転型のモータに対しても勿論適
用可能である。また上記実施例においては、磁気ディス
ク駆動用のスピンドルモータに適用された動圧軸受装置
の例が述べられているが、本動圧軸受装置は他のモータ
に対しても同様に適用できるというのはいうまでもな
く、さらにモータ以外の動圧軸受装置にも適用可能であ
る。
【0038】またシール部の磁石は、回転部材側及び固
定部材側のいずれに対しても装着することができる。
【0039】さらに磁性流体の磁性微粒子としては、M
n−Znフェライトの他に、Ni−Znフェライトやマ
グネタイトを同様に用いることができる。また界面活性
剤も、他のあらゆる高級脂肪酸を採用することができ
る。さらにゲル化防止剤としては、酸化防止剤以外の例
えば、アミン系又はフェノール系又は硫黄系などのもの
を同様に採用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように請求項1の発明にかか
る動圧軸受装置は、磁性粉の含有量を20重量%以下に
低減した磁性流体を潤滑流体に用いることによって、流
動性即ち軸受ロスを低減するための低粘度性を良好に維
持するとともに、磁気力と毛細管力とを併用するシール
部によって十分な流体保持機能を得るようにしたもので
あるから、簡易な構造で良好な軸受特性を得ることがで
き、特に請求項4の発明にかかるように、動圧発生用の
潤滑流体と磁気シール用の流体とを一つの流体で兼用す
るようにした動圧軸受装置の実現性及び信頼性を向上さ
せることができる。
【0041】さらに請求項2の発明にかかる動圧軸受装
置は、シール部の環状磁石からの磁束を磁性ヨークを通
して動圧軸受部に導き、環状磁石による磁束を良好に形
成させるようしたものであるから、上記請求項1にかか
る効果を一層向上させることができる。
【0042】さらにまた請求項3の発明にかかる動圧軸
受装置は、シール部の環状磁石として、Nd−Fe−B
系の強い磁力を有する磁石を用ることによって、潤滑流
体のシール性をより一層向上するとともに、プラスティ
ックマグネットを用ることによって潤滑流体の所謂接触
角を適当な範囲に設定し、シール部における毛細管力を
一層向上させるようしたものであるから、上記請求項1
にかかる効果を一層向上させることができる。
【0043】また請求項4の発明のように、動圧発生用
の潤滑流体と磁気シール用の流体とを一つの流体で兼用
するようにした動圧軸受装置に対しては、上述した各作
用が良好に発揮されることとなり、当該構成の動圧軸受
装置の実現性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における動圧軸受装置を有す
るHDDモータを表した半横断面説明図である。
【図2】図1に表した動圧軸受装置の要部を表した部分
拡大半横断面説明図である。
【図3】本発明の他の実施例における動圧軸受装置の要
部を表した部分拡大半横断面説明図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例における動圧軸受装
置の要部を表した部分拡大半横断面説明図である。
【符号の説明】
A 軸受潤滑流体(磁性流体) 2 ステータ組(固定部材) 3 ロータ組(回転部材) 22 軸受ホルダー 23 駆動コイル 26,46 シール磁石 26a,46a 傾斜壁面 27,47 磁性ヨーク 31 回転軸 36 駆動マグネット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑流体に生じた動圧により固定部材に
    対して回転部材を回転自在に支承する動圧軸受部を備え
    た動圧軸受装置において、 上記潤滑流体が、磁性粉を20重量%以下の割合で含有
    する磁性流体からなるとともに、 前記動圧軸受部の軸端側に、環状磁石を有するシール部
    を設けてなり、 上記シール部の環状磁石は、当該環状磁石が対面する部
    材との隙間距離が開放端側に向かって徐々に拡大する傾
    斜壁面を有し、かつ当該環状磁石と上記対面部材との間
    の磁束密度を、開放端側に向かって徐々に粗としたこと
    を特徴とする動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動圧軸受装置において、
    回転部材及び固定部材を磁性材料で構成するとともに、
    環状磁石にラジアル方向の着磁を施し、当該環状磁石と
    動圧軸受部とを磁気的に連係させるヨークを設けたこと
    を特徴とする動圧軸受装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の動圧軸受装置において、
    環状磁石が、Nd−Fe−B系の磁性粉を主成分とする
    プラスティックマグネットからなることを特徴とする動
    圧軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の動圧軸受装置において、
    動圧軸受部とシール部とを互いに連通するように設け、
    かつ、この互いに連通する動圧軸受部からシール部にか
    けて同一の潤滑流体を連続的に充填したことを特徴とす
    る動圧軸受装置。
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