JP3458945B2 - 加工全脂豆乳及びその製造法 - Google Patents
加工全脂豆乳及びその製造法Info
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Description
に飲む際に胃内に感じる「重い食感」が効果的に除去さ
れた全脂豆乳、及びその製造方法に関するものである。
得られる豆乳は、豆腐の原料だけではなく、それ自体飲
料として用いられる。しかしその青臭味やエグ味を理由
に敬遠する人も多数存在している。
含まれるリポキシゲナーゼにより脂質成分が分解される
ためで、このリポキシゲナーゼを失活させ、風味を向上
させる方法が幾つか提案されている。例えば特開昭55-6
4777号公報には、重炭酸ナトリウムを加えることにより
風味を向上させているが、これら方法によって得られた
豆乳の風味は概して良いにも関わらず、敬遠する人は依
然多い。
程度のレベルでフィチン酸が含まれている。フィチン酸
はミオイノシトールの6リン酸エステルであり、蛋白質
と強固に結合していて単純な限外濾過や等電点沈澱では
分離し難いため、通常、豆乳や分離蛋白中にもほぼ同じ
程度で存在する。
するため、食餌中に含まれるカルシウムや亜鉛などの必
須金属の低下させるとの指摘があり、そこで、加工度の
高い分離蛋白質の製造においては、フィチン酸を処理す
るいくつかの報告がある。
澱させる方法(特開昭52-1054 号公報)、 2高濃度塩存
在下でフィチン酸を分離させる方法(J. Food Science,
Vol.44,No.2,596,1979)、 3pH5.5付近で蛋白質だ
けを沈澱させる方法(特開平8−173052号公
報)、 4分離蛋白を得る途中の脱脂豆乳にフィチン酸を
フィターゼで処理後、陽イオン交換樹脂でpH4〜6に
し、蛋白質の純度を向上する方法(特開昭50-130800 号
公報)等が提案されている。しかしそれらは、いずれも
分離蛋白の調製法であり、蛋白も油脂も含む全体的な栄
養成分を活用した全脂豆乳について応用した例はない。
分解する方法(特開昭59-166049 号公報)も提案されて
おり、これが全脂豆乳よりフィチン酸を減少させる唯一
の提案であるが、これは全リン酸含量そのものは低下し
ない。
低下せしめた全脂豆乳を得ることは行なわれておらず、
また全リン酸の除去により豆乳の風味を改良することに
ついて着眼した報告は存在しない。
ように、リポキシゲナーゼを失活させ風味良好と評価さ
れる豆乳に加工しても依然豆乳が敬遠される傾向の要因
を解明しようとして、それを探究する中で、その要因と
して、比較的多量の豆乳摂取後に胃部に独特な「重い食
感」が生じることに着目し、更に検討を進めた結果、こ
の「重い食感」は豆乳中に含まれるフィチン酸やその分
解物である無機リン酸と言ったリン酸化合物に由来する
ことが判明した。また、該「重い食感」は、豆乳を加工
する過程で加えられた或いは生成した塩のカチオンの種
類により軽重があることも見出した。即ちこの発明は、
豆乳を比較的多量に飲む際に胃内に感じる「重い食感」
を効果的に除去された全脂豆乳を得ることを課題とす
る。
は、豆乳中の全リン酸含量をその固形分に対して0.5
%以下とした食感の改善された加工全脂豆乳である。
「重い食感」の一層の改善には、豆乳中の全リン酸含量
が、その固形分に対して0.2%以下とすることがより
好ましい。
造法に係わり、全脂豆乳をフィチン酸分解活性を有する
酵素で処理し、遊離したリン酸を除去する製造方法(よ
り好ましくは限外濾過、陰イオン交換樹脂又は電気透析
で除去する製造方法)、全脂豆乳をpH10以上のアル
カリ性に調整してフィチン酸を沈澱除去後、脱塩する製
造方法(より好ましくは陽イオン交換樹脂もしくは電気
透析で中和脱塩する製造方法、又は、中和物を限外濾
過、イオン交換樹脂もしくは電気透析で脱塩する製造方
法)、全脂豆乳に5%以上の中性塩類を添加しフィチン
酸を沈澱除去後、脱塩する製造方法(より好ましくは限
外濾過、イオン交換樹脂又は電気透析で脱塩する製造方
法)である。上記アルカリ性への調整は1価のアルカリ
剤を添加して行うことが好ましく、水酸化カリウムを添
加して行うことがより好ましい。上記中性塩類のカチオ
ンは1価が好ましく、カリウムがより好ましい。
工全脂豆乳を用いた飲料又は食品である。
豆,脱皮脱胚軸大豆など、脱脂処理を行っていない大豆
を原料とし、それを浸漬後破砕し水で抽出を行ない、オ
カラを分離して得るのが最も一般的である。
に30分〜1 日ほど浸漬するのがよい。この温度は常温で
も加熱でも良く状況に応じて選択できる。一般的には破
砕の前に加熱してリポキシゲナーゼを失活させるのが、
風味をより向上させる点で好ましい。浸漬終了後そのま
ま、あるいは浸漬液を分離後に膨潤大豆に別途水を加え
てから、適当な破砕装置を用いて破砕を行う。破砕後は
遠心分離機等を用いてオカラを分離し、豆乳を得る。
遊離リン酸、リン脂質、核酸などであるが、この発明に
おける全リン酸含量は、全リン量(絶対値)を測定し、
遊離リン酸の量に換算し、それを豆乳中の固形分で除し
て表す(相対値)。なお、遊離リンは試料をそのままモ
リブデン酸アンモニウムで発色させる方法を、全リンは
試料を硫酸分解後にメタバナジン酸/モリブデン酸で発
色させる方法(バナドモリブデン酸吸光光度法)を用い
て測定した(第二版 化学的合成品以外の食品添加物自
主規格・日本食品添加物協会編)。
ムの他、塩化カリウム,硫酸カリウム,炭酸水素カリウ
ム等の塩類が使用でき、その他のアルカリ金属イオン生
成物は代表的には、ナトリウムイオンのそれら、即ち、
水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム等である。これらアルカリ金属イオ
ン生成物を用いる場合その使用時期は特に限定されない
が、上記の浸漬,破砕工程において全体のpHを中性〜弱
アルカリ性にする量加えるのがよく、通常豆乳固形物に
対し0.1〜3、好ましくは0.2〜1.5重量%の範
囲にある。
となる豆乳の「重い食感」は、以下の試験方法にて定量
化可能である。即ち試料(N社製造市販全脂豆乳)を50
mlづつ6杯を分注する。被験者は3分おきに1杯づつを
飲み、その時々の胃部での感覚を評価する。その評価尺
度は 1何も感じない、 2やや違和感を感じる、 3胃に
「重い食感」を感じる、 4更に強い「重い食感」を感じ
る、 5それ以上の摂取ができない程の非常に強い「重い
食感」を感じる、の5 段階に区別した。
たものについても同様の試験を行い、試料中の乾物量を
横軸で表し、先ほどの評価をプロットすると図1に示す
様になり、試料のボリュームよりは、乾物量と「重い食
感」とに直線的な関係が認められる。
強い「重い食感」を、重さ活性1(=1YU)と定め、
該「非常に強い重い食感」に至らない試料も、直線的に
「重い食感」が増えることを利用し、活性を算出する。
この方法により測定した各種飲料の重さ活性は、表1の
様になり、大豆製品等で大きいが、大豆中に含まれるフ
ィチン酸及び、その構成成分であるリン酸( 但し酸味の
ため水酸化ナトリウムで中和した) に強い活性のあるこ
とがわかる。
オンが存在すると上記「重い食感」を低減できる。即
ち、表1でフィチン酸の中和に使用した水酸化ナトリウ
ムを水酸化カリウムに置き換えていくと、「重い食感」
を半分以下に低減できる。カリウム/ナトリウム混合系
の場合、カリウム/アルカリ金属比が分子比で約7/8
程度で、「重い食感」を半減できる(表2)が、それ以
上の分子比になっても低減効果は増大が乏しいので、全
リン酸含量の低減がより有効である。
る方法)通常の豆乳のフィチン酸含有量は乾物当たり2
%程度であり、この範囲より大幅に全リン酸含量の低い
豆乳を調製するほど「重い食感」が大きく軽減された加
工全脂豆乳を得ることができる。豆乳固形物中の全リン
酸濃度は好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.
2%以下とする。
は、全脂豆乳をフィチン酸分解活性を有する酵素で処理
することにより蛋白質に結合したフィチン酸を加水分解
してリン酸を遊離させ、その後、リン酸を除去する。こ
の際に用いるフィチン酸分解活性を有する酵素は代表的
にはフィターゼやフォスファターゼで、各種の植物由
来、微生物由来、更には遺伝子組み換えにより生産され
た物など各種の起源の物が使用出来る。酵素の添加量,
処理時間,pH,温度等は、用いる酵素に応じて適宜定
めることが出来る。
は、 全脂豆乳1Kg に対し、フィターゼを500mg 加え、 pH
6,60℃で30分間反応させる。 その後90℃で30分間反応さ
せることで酵素を失活させ、 フィチン酸分解豆乳を得
る。
が、これには限外濾過もしくは陰イオン交換樹脂もしく
は電気透析が有効である。
万の限外濾過膜やセラミックフィルターを用い、低分子
の糖,塩類,リン酸を系外に除去する。大豆油エマルジ
ョンを含む蛋白成分は濾過されずに残り、結果として低
フィチン酸豆乳が得られる。この際の濃縮倍率が高いほ
ど全リン酸は除去されるが、豆乳そのものの粘度が上昇
するために通常2倍程度にしか濃縮は出来ない。そこで
濃縮前もしくは濃縮中に適宜水により希釈を行い、濃縮
倍率を上げることも出来る。2 〜5倍程度の濃縮を行う
と残存リン酸量は固形物あたり0.5%程度以下の値に
低下が可能である。例えば、東芝セラミックス社製のセ
ラミックフィルター(孔径500 オングストローム,膜面
積0.35m2)を用いると、予め3倍に希釈した豆乳
を1/3容量に濃縮してリン酸を除去した豆乳を得るこ
とが出来る。
これは、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜で隔てられた
脱塩室に前記の溶出液を満たし、通電することでイオン
成分を膜を通して除去する。豆乳の場合は、分画分子量
数百〜数万の電気透析膜を用いると、糖などの低分子呈
味成分を残したままリン酸のみを除去することが可能で
ある。電気透析装置は、公知の電気透析装置を用いるこ
とが出来る。
を用いることができ、例えば、4級アンモニウム基、1
級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、更にこれら
のイオン交換基の複数種類が混在した様な陰イオン交換
膜が適当である。
を用いることができ、例えば、スルフォン酸基、カルボ
ン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、更にこれ
らのイオン交換基の複数種類が混在した様な陽イオン交
換膜が適当である。
ン交換膜に隔てられた試料に通電することで、イオン成
分を膜を通して除去する。電気透析装置の通電電圧、電
流、時間は電気透析装置に応じて自由に設定することが
出来る。例えばフィチン酸分解豆乳にCS-O型実験用電気
透析装置(膜プロセスエンジニアリング製)を用いる
と、9Vの定電圧で2時間通電することで、脱塩室(豆
乳)内の遊離リン酸は殆ど消失し、低リン酸の豆乳を得
ることが出来る。
酸のみを吸着除去することが出来る。本発明に用いる陰
イオン交換樹脂は、アンバーライトIR-45 、IR-68 、IR
-93 、IR-410、IR-411(オルガノ株式会社製)やデュオ
ライトC-161 、A-375 、A-368 、A-378 (住友化学工業
株式会社製)等が使用出来るが、これらに拘らず塩基性
基を持つものからも適宜選択する。更に、ジルコニウム
フェライト系のセブントールP(武田薬品工業株式会
社)の様なリン酸吸着剤も有効である。
フィターゼ処理豆乳に接触させると、遊離リン酸が陰イ
オン交換樹脂のアニオンと交換し、低リン酸の豆乳を得
ることが出来る。例えば、デュオライトA-375 カラムに
対し、フィターゼ処理豆乳をSV10程度で通液することで
遊離リン酸を吸着除去させることが出来る。
ない以下の方法でも、全リン酸含量の低減が可能であ
る。
カリ性とすることで、フィチン酸成分を蛋白質より分離
し沈澱することを利用し、豆乳のフィチン除去を行う。
即ち前述の全脂豆乳をpH10以上になる様にアルカリ剤で
pHを調整すると、フィチン酸を含んだ沈澱が生成する。
この際、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の2
価のアルカリ剤を用いると、蛋白質成分までもが沈澱す
るので好ましくなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アンモニア水等の1価のアルカリ剤が適当である。
離器等で分離し、上澄を回収することでフィチン酸が低
減した豆乳が得られる。次にこの溶液を中和するが、こ
こで陽イオン交換樹脂もしくは電気透析で直接pH調整
を行うと、塩濃度を上げることなく中和することが出来
る。
-124,252 ,XT-1006 (オルガノ株式会社製)やデュオ
ライトC20 、C476(住友化学工業株式会社製)等が使用
出来るが、これに拘らず酸性基を持つのものから適宜選
択することが出来る。陽イオン交換樹脂のカチオン型は
H 型とし、これをアルカリ性の脱フィチン酸豆乳に接触
させることで、塩濃度を変えず風味変化を抑えたまま豆
乳のpHを中性域に下げることが出来る。
チン酸豆乳に対して処理することで、塩濃度を変えず風
味変化を抑えたまま豆乳のpHを下げることが出来る。
また、アルカリ性豆乳を各種の酸を用いて中和した上
で、その中和物を限外濾過もしくはイオン交換樹脂もし
くは電気透析で脱塩することも可能である。ここで用い
る酸は塩酸,硫酸などの鉱酸、クエン酸,酒石酸,乳酸
などの有機酸を用いることが出来るが、電気透析膜を通
過できない高分子の酸や、「重い食感」を持つリン酸は
好ましくない。
た陰イオン交換樹脂のOH型と陽イオン交換樹脂のH 型を
用いるが、試料を2本のカラムに続けて通すか、もしく
は両樹脂を混合して通液処理することが出来る。ただし
中和後に脱塩を行うと、上昇した塩を更に脱塩する為に
2ステップとなり、処理が煩雑になる。
塩類を添加することで、フィチン酸成分が蛋白質より分
離し沈澱することを利用し、除フィチンを行うことが出
来る。即ち、豆乳に5%以上好ましくは8%以上、更に好ま
しくは10% 以上の中性塩類を添加すると、フィチン酸と
蛋白質の相互作用が減り、アルカリによる方法の時と同
様にフィチン酸の沈澱が起こる。ここで用いる中性塩は
塩化ナトリウム,塩化カリウム,硫酸ナトリウム,硫酸
カリウム,硫酸アンモニウムなどの1価カチオンを含む
中性塩類で、カルシウム,マグネシウムなどの2価カチ
オンを用いると、蛋白質の沈澱を引き起こす場合があり
好ましくない。
せず、8%以上の塩濃度でも一部のフィチン酸は上澄に残
留する。10% 以上では殆どのフィチン酸は沈澱するが、
塩濃度が高い為に、脱塩が困難になる。その時の濃度,
pH等を考慮した中で、なるべく低い濃度が好ましい。
れた、飲みやすい全脂豆乳は、その用途が拡大され、飲
料のみならず、醗酵食品、小麦粉使用食品、製菓・製パ
ンによる食品、その他食品全般の主原料ないしは添加用
素材として用いることが出来るが、全脂豆乳を取り分け
含水状態で用いる食品に差異が顕著である。
販売)1,000 部にフィターゼ(アスペルギルス属由来。
シグマ社製。力価5U/mg)0.5部を加え、50℃で
1時間反応させた。反応後、住友化学工業製デュオライ
トA-375 陰イオン交換樹脂(Cl型)カラムに空間速度S
V5で通液し、リン酸を吸着除去させて試料Aを得た。
換え品。NOVO社製。力価5U/mg)0.5部を加え、
50℃で1時間反応させた。反応後、CS-O型実験用電気透
析装置(膜プロセスエンジニアリング製)を用て通電す
ることで、遊離リン酸が低減したリン酸低含量の豆乳を
脱塩室内に得ることが出来た(試料Bとした。以下、同
様)。
後3倍に希釈し、東芝セラミックス社製のセラミックフ
ィルター(孔径500 Å)を用いて3倍まで濃縮すること
で、遊離リン酸を系外に排除したリン酸低含量の豆乳を
得た(試料C)。
30分間加熱した。膨潤大豆を分離後に3 倍加水し、コミ
ットロールを用いて磨砕した。磨砕スラリーを遠心分離
することで全脂豆乳を得た。得られた全脂豆乳に水酸化
カリウムを加えてpHを10とし、生じたフィチン酸を含む
沈澱を遠心分離機で分離した。次にバッチで撹拌しつつ
H 型に平衡化した陽イオン交換樹脂(デュオライトC20
)を加え、K+→H+の交換反応でpHが中性となった点
で終了とした。樹脂を除去し溶液部を回収した(試料
D)。
ムを加えてpHを10とし、生じたフィチン酸を含む沈澱を
遠心分離機で分離した。次に試料をマイクロアシライザ
ーEX3 型電気透析式イオン交換装置(旭化成株式会社
製)を用いて中性になるまで通電することで、脱塩室
(豆乳)内のカリウムイオンのみを排出し、低塩リン酸
低含量の豆乳を得ることが出来た(試料E)。
ウムを加えてpHを10とし、生じたフィチン酸を含む沈澱
を遠心分離機で分離した。次に試料に塩酸を添加して中
和した後に、CS-O型実験用電気透析装置(膜プロセスエ
ンジニアリング製)を用て通電することで、脱塩された
豆乳を得ることが出来た(試料F)。
ウムを加えてpHを10とし、生じたフィチン酸を含む沈澱
を遠心分離機で分離した。次に試料に塩酸を添加して中
和した後に3 倍に希釈し、東芝セラミックス社製のセラ
ミックフィルター(孔径500 オングストローム)を用い
て3 倍まで濃縮することで、脱塩された豆乳を得ること
が出来た(試料G)。
フィチン酸を含む沈澱を遠心分離機で分離した。上澄を
3 倍に希釈し、東芝セラミックス社製のセラミックフィ
ルター(孔径500 Å)を用いて3 倍まで濃縮し、低塩リ
ン酸低含量の豆乳を得た(試料H)。
フィチン酸を含む沈澱を遠心分離機で分離した。CS-O型
実験用電気透析装置(膜プロセスエンジニアリング製)
を用いて通電することで、脱塩された豆乳を得ることが
出来た(試料I)。
溶液で90℃,30分間加熱した。膨潤大豆を分離後に3 倍
加水し、コミットロールを用いて磨砕した。磨砕スラリ
ーを遠心分離することで全脂豆乳を得た(参考J)。
トロールを用いて磨砕した。水酸化カリウムを用いてpH
を7.0 に維持しつつ90℃で30分間加熱し、オカラを遠心
分離することで全脂豆乳を得た(参考K)。
トロールを用いて磨砕した。水酸化ナトリウムを用いて
pHを7.0 に維持しつつ90℃で30分間加熱し、オカラを遠
心分離することで全脂豆乳を得た(比較例A)。
30分間加熱した。膨潤大豆を分離後に3 倍加水し、コミ
ットロールを用いて磨砕した。磨砕スラリーを遠心分離
することで全脂豆乳を得た(比較例B)。
た。試料A〜Iでは低いリン酸含量とそれに伴って「重
い食感活性」の低下が認められた。また試料J〜Kで
は、リン酸含量は殆ど変わらないものの、「重い食感活
性」が比較例より明らかに低減されていた。
酸含量 ───────────────────────────── 試料No. 重い食感(YU/乾物g ) リン酸(乾物% ) ───────────────────────────── 試料A 0.002 0.15 試料B 0.002 0.18 試料C 0.005 0.49 試料D 0.002 0.15 試料E 0.001 0.12 試料F 0.004 0.18 試料G 0.005 0.20 試料H 0.002 0.22 試料I 0.004 0.15 ---------------------------------------------------------- 参考J 0.018 1.6 参考K 0.020 1.8 ---------------------------------------------------------- 比較例A 0.043 1.6 比較例B 0.051 1.9 ─────────────────────────────
試作した。実施例で調製した試料Hを145℃で4秒の
殺菌処理後、40℃まで冷却した。これにショ糖1%添
加後、ラクトバチルス・ブルガリクス、ストレプトコッ
カス・サーモフィルスの各種乳酸菌(凍結乾燥乳酸菌)
の個別培養液をスターターとして各1%ずつ添加して醗
酵タンク内にて、40℃で7時間の醗酵を行った。次い
でプレート冷却器で7℃まで冷却した後に、小型の紙プ
ラスチック複合容器に充填し、乳酸醗酵物を得た。
に低減させない全脂豆乳に比べて大量に食べても腹に持
たれる不快さは明らかに低減されていた。
その固形分に対して1.0%以下とするか又は実質的に
カリウムイオン生成物からなるアルカリ金属イオン生成
物を添加した加工全脂豆乳とすることにより、胃部に与
える「重い食感」を軽減した全脂豆乳及びその製造法を
提供することが可能になった。これによりリポキシゲナ
ーゼを失活させる等する従来の風味良好技術と相俟っ
て、全脂豆乳の嗜好性をより向上させることができる。
に与える食感の「重い食感」を数値化して図示したも
の。
Claims (12)
- 【請求項1】全脂豆乳をフィチン酸分解活性を有する酵
素で処理し、遊離したリン酸を除去し、豆乳中の全リン
酸含量をその固形分に対して0.5%以下とすることを
特徴とする、食感の改善された加工全脂豆乳を製造する
方法。 - 【請求項2】遊離したリン酸の除去が限外濾過、陰イオ
ン交換樹脂又は電気透析で行われる請求項1に記載の加
工全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項3】全脂豆乳をpH10以上のアルカリ性に調
整してフィチン酸を沈澱除去後、脱塩し、豆乳中の全リ
ン酸含量をその固形分に対して0.5%以下とすること
を特徴とする、食感の改善された加工全脂豆乳を製造す
る方法。 - 【請求項4】脱塩方法が陽イオン交換樹脂又は電気透析
による中和脱塩である請求項3に記載の加工全脂豆乳を
製造する方法。 - 【請求項5】脱塩方法が中和物を限外濾過、イオン交換
樹脂又は電気透析で脱塩する方法である請求項3に記載
の加工全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項6】アルカリ性への調整を、1価のアルカリ剤
を添加して行う請求項3〜請求項5の何れかに記載の加
工全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項7】アルカリ性への調整を、水酸化カリウムを
添加して行う請求項3〜請求項5の何れかに記載の加工
全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項8】全脂豆乳に5%以上の中性塩類を添加しフ
ィチン酸を沈澱除去後、脱塩し、豆乳中の全リン酸含量
をその固形分に対して0.5%以下とすることを特徴と
する、食感の改善された加工全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項9】脱塩方法が限外濾過、イオン交換樹脂又は
電気透析で脱塩する方法である請求項8に記載の加工全
脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項10】中性塩類のカチオンが1価である請求項
8又は請求項9に記載の加工全脂豆乳を製造する方法。 - 【請求項11】中性塩類のカチオンがカリウムである請
求項8又は請求項9に記載の加工全脂豆乳を製造する方
法。 - 【請求項12】請求項1〜11の何れかの製造方法によ
り得られた加工全脂豆乳を用いた飲料又は食品。
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