JP3458642B2 - エンジンの可変動弁機構 - Google Patents

エンジンの可変動弁機構

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JP3458642B2
JP3458642B2 JP02418797A JP2418797A JP3458642B2 JP 3458642 B2 JP3458642 B2 JP 3458642B2 JP 02418797 A JP02418797 A JP 02418797A JP 2418797 A JP2418797 A JP 2418797A JP 3458642 B2 JP3458642 B2 JP 3458642B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンにおける
吸気弁や排気弁等の機関弁の開閉タイミングやバルブリ
フト量を変更できるようにした、エンジンの可変動弁機
構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、自動車等に用いられるエンジ
ンにおいて、吸気弁や排気弁を開閉する動弁系を操作し
て、これらの吸排気弁の開閉タイミングやリフト量を変
更するようにした可変動弁機構が種々開発されている。
このような可変動弁機構の一例としては、カムシャフト
にバルブ開閉タイミングやバルブリフト量の異なる2つ
のカム(即ち、カムプロフィールの異なる2つのカム)
を装備して、これらのカムのうちいずれか一方を選択し
て使用することで運転状態に対応した吸排気弁の開閉タ
イミングを得られるように構成されたものがある。 【0003】また、このような可変動弁機構では、上述
の2つのカムによってそれぞれ駆動される2つのロッカ
アームを設け、これらのロッカアームが一体に揺動する
ような係合状態と、各ロッカアームが独立して揺動する
ような非係合状態とをピン部材(係合ピン等)を進退さ
せることで切り替え可能にした技術が広く知られてい
る。 【0004】なお、このような2つのカムの組合せとし
ては、高速運転に対応した開閉タイミングを得ることの
できるカムプロフィールに形成された高速用カムと、低
速運転に対応した開閉タイミングを得ることのできるカ
ムプロフィールに形成された低速用カムとを組み合わせ
たものや、エンジンの通常運転に適した開閉タイミング
を得ることのできるカムプロフィールに形成された通常
運転用カムと、エンジンブレーキを有効に作動させるよ
うにしたエンジン補助ブレーキ用カムとを組み合せたも
のが考えられる。 【0005】しかしながら、このような従来の可変動弁
機構では、ピン部材がロッカアーム係合状態にあるとき
には、ロッカアームによりピン部材に剪断力が作用した
り、ピン部材の長手方向に曲げ応力が作用することにな
る。このため、ピン部材には十分な強度が要求される
が、ピン部材の強度を上げるようとすると、ピン部材の
径が大きくなり、これにより切り替え機構が大型化して
しまう。また、このようにピン部材の径を大きくする
と、ロッカアームの係合状態切り替え時のピン部材の応
答性が悪化してしまう。 【0006】これに対して、特公平4−18122号公
報には、このような課題を解決しようとする技術が開示
されている。すなわち、図13に示すように、ロッカシ
ャフト106には、高速用カム105により駆動される
第2ロッカアーム108が軸支されており、この第2ロ
ッカアーム108には、ロッカシャフト106の軸方向
に沿って、筒部117が形成されている。 【0007】そして、この筒部117の外周側には、低
速用カム104により駆動される第1ロッカアーム10
7が揺動可能に軸支されている。第2ロッカアーム10
8は、第1ロッカアーム107と隣接して配設されてお
り、図14においては、第1ロッカアーム107の後ろ
側に配設されている。また、第1ロッカアーム107
と、第2ロッカアーム108の筒部117との対向する
部位には、カムシャフト106の軸方向に沿って半円状
切欠き128,129が形成されている。 【0008】そして、これら半円状切欠き128,12
9により形成される穴部にピン部材133を進退させる
ことで、第1ロッカアーム107と第2ロッカアーム1
08とが一体に作動する状態(係合状態)と、第1ロッ
カアーム107と第2ロッカアーム108とが独立して
揺動する状態(非係合状態)とが切り替えられるのであ
る。 【0009】なお、図中101は吸気弁又は排気弁、1
02はカムシャフト、114はバルブリテーナ(鍔
部)、115はバルブスプリングである。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな技術であっても、やはりピン部材133には剪断力
が作用するという課題がある。すなわち、ピン部材13
3の進退方向をロッカシャフト106の軸方向と一致す
るように配設しても、図15に示すように、第1ロッカ
アーム107と第2ロッカアーム108の筒部117と
によりピン部材133の径方向には全長に亘って剪断力
が作用するのである。 【0011】また、このような技術では、ロッカアーム
切り替え機構(即ち、ピン部材133を進退させる機
構)をロッカアームの外部に設けなければならず、動弁
機構自体が大型化してしまうという課題がある。そこ
で、係合ピンに作用する圧縮荷重により、カムの駆動力
を一方のロッカアームから他方のロッカアームへ伝達す
るように可変動弁機構を構成したいという要望がある。 【0012】このような可変動弁機構としては、例えば
ロッカアームをバルブ側のロッカアームと、第1のカム
(例えば低速カム)により駆動される第1ロッカアーム
と、第2のカム(例えば高速カム)により駆動される第
2ロッカアームとに3分割して、バルブ側のロッカアー
ムと第1ロッカアームとの対向する位置に第1係合部を
設けるとともに、バルブ側のロッカアームと第2ロッカ
アームとの対向する位置に第1係合部と隣接して第2係
合部を設け、これらの第1係合部及び第2係合部との間
に係合ピンを配設し、係合ピンに作用する圧縮荷重によ
り各ロッカアームの係合状態を切り替えるようにした可
変動弁機構が考えられる。 【0013】しかしながら、このような可変動弁機構に
おいて、係合ピンが切り替え途中で停止してしまうと、
バルブ側のロッカアームが第1ロッカアームと第2ロッ
カアームとの2つのロッカアームに同時に係合してしま
うことが考えられ、このような場合には、動弁機構の耐
久性や安全性を大きく損ねてしまうという課題がある。 【0014】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、係合ピンに剪断力が作用しないように構成す
るとともに、係合ピンが切り替え途中で停止してしまっ
ても動弁機構を確実に保護するようにした、エンジンの
可変動弁機構を提供することを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のエンジンの可変動弁機構は、ロッカシャフト
に支持されカムの回転に応じて該ロッカシャフトを中心
に揺動する第1のロッカアームと、該第1のロッカアー
ムに隣接して該ロッカシャフトに支持され該第1のロッ
カアームと異なる態様で揺動する第2のロッカアーム
と、該ロッカシャフトに支持され吸気弁又は排気弁を開
弁駆動する第3のロッカアームと、該第3ロッカアーム
と該第1又は該第2のロッカアームとの揺動方向におい
てそれぞれのロッカアームと対向する位置に、該ロッカ
シャフトの軸方向に沿って形成された係合部と、該係合
部内に該ロッカシャフトの軸方向に沿って配設された係
合ピンと、上記揺動方向において該係合ピンに対向する
位置に上記第1及び該第2のロッカアームにそれぞれ形
成された第1突出部及び第2突出部と、該係合ピンを該
軸方向に沿って移動させることにより、該第1突出部が
該係合ピンに係合して該第1のロッカアームと該第3の
ロッカアームとが連動する状態と、該第2突出部が該係
合ピンに係合して該第2のロッカアームと該第3のロッ
カアームとが連動する状態とを切り替える切り替え機構
とをそなえ、該切り替え機構により該第1突出部又は該
第2突出部が該係合ピンに係合する状態に切り替えられ
ると、該係合ピンに作用する圧縮荷重により、該第1又
は該第2のロッカアームから該第3のロッカアームに該
カムの回転駆動力が伝達されるように構成され、上記係
合ピンに、上記第1及び上記第2突出部の少なくとも一
方との係合を回避しうる長穴形状の穴部を形成し、該切
り替え機構による切り替え動作中に、上記第1突出部と
該第2突出部とが同時に該係合ピンに対して係合しない
状態を介して切り替えが行なわれるように構成されてい
ことを特徴としている。 【0016】 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としてのエンジンの可変動弁機構について説明す
る。図1は本発明を適用した4サイクル式ディーゼルエ
ンジン(以後、単にエンジンという)1の動弁機構3を
示す模式的な上面図であって、エンジン1の任意の1気
筒について示したものである。図1に示すように、この
エンジン1の動弁機構3は、OHC式動弁機構として構
成されており、吸気2弁,排気2弁の4弁式エンジンと
して構成されている。また、エンジン1のシリンダ中心
には、燃料供給装置(インジェクタ)17が設けられて
いる。 【0018】このエンジン1の動弁機構3には、図示し
ないクランクシャフトからの回転駆動力により駆動され
るカムシャフト4が設けられており、このカムシャフト
4には、エンジン1の通常運転時に適したカムプロフィ
ールに形成された吸気カム5及び排気カム6が配設され
ている。また、このような吸気カム5及び排気カム6以
外にも、吸気カム5及び排気カム6とは異なるカムプロ
フィールに形成されたエンジン補助ブレーキ用の吸気カ
ム5Aや排気カム6Aが配設されている。なお、エンジ
ン補助ブレーキ用の吸気カム5A及び排気カム6Aにつ
いては後述する。 【0019】また、シリンダの上方には吸気弁7,7及
び排気弁8,8が配設され、これらの吸気弁7,7及び
排気弁8,8の上方には、それぞれ吸気用バルブブリッ
ジ9及び排気用バルブブリッジ10が配設されている。
そして、吸気用バルブブリッジ9により、2つの吸気弁
7,7が同時に開弁駆動されるとともに、排気用バルブ
ブリッジ10により、2つの排気弁8,8が同時に駆動
されるようになっている。 【0020】一方、この動弁機構3には、ロッカシャフ
ト2が配設されており、このロッカシャフト2には、吸
気用のロッカアーム11及び排気用のロッカアーム12
が遊嵌されている。そして、上述の各ロッカアーム1
1,12の一端は、それぞれバルブブリッジ9,10に
当接しており、各ロッカアーム11,12の揺動に応じ
てバルブブリッジ9,10が上下方向に駆動されること
により、吸排気弁7,8が開閉駆動されるようになって
いるのである。 【0021】ところで、本発明のエンジンの可変動弁機
構は、吸排気弁7,8のバルブ開閉タイミングやバルブ
リフト量を変更することで、エンジン1の動特性を変更
するものであるが、特に、本実施形態では、吸気弁7や
排気弁8の作動タイミングを変更することで、エンジン
1に負の仕事を与えエンジンブレーキ力を得るようにし
た圧縮圧開放式エンジンブレーキ装置(エンジン補助ブ
レーキ装置)に本発明を適用した場合について説明す
る。 【0022】なお、以下では、主に排気側の動弁機構を
用いて説明し、吸気側の動弁機構の詳しい説明は省略す
るが、吸気側についても排気側の動弁機構と略同様に構
成されている。さて、図2は排気側の動弁機構の要部を
示す模式図であるが、この排気側ロッカアーム12は、
図3に示すような第1ロッカアーム(第1のロッカアー
ム)12Aと、図4に示すような第2ロッカアーム(第
2のロッカアーム)12Bと、図6に示すような第3ロ
ッカアーム(第3のロッカアーム)12Cとから構成さ
れている。 【0023】このうち、第3ロッカアーム12Cは、ロ
ッカシャフト2に遊嵌され、回転可能に支持されてい
る。また、図6(a),図7に示すように、第3ロッカ
アーム12Cには、ロッカシャフト2の軸方向に突出す
る筒状端部31,32が形成されている。また、第1ロ
ッカアーム12A及び第2ロッカアーム12Bは、第3
ロッカアーム12Cに形成された筒状端部31,32に
それぞれ遊嵌されており、これにより、第3ロッカアー
ム12Cは、第1ロッカアーム12A及び第2ロッカア
ーム12Bにより両側から挟み込まれるようにして配設
されている。 【0024】そして、上述の第3ロッカアーム12C
は、後述する切り替え機構20(図1参照)により、第
1ロッカアーム12A又は第2ロッカアーム12Bのい
ずれか一方と選択的に係合して一体に揺動するように構
成されており、これにより、エンジン1の通常運転と、
エンジン補助ブレーキ装置(圧縮圧開放式エンジンブレ
ーキ装置)の作動とが切り替えられるようになってい
る。 【0025】また、図1〜図3に示すように、第1ロッ
カアーム12Aのカムシャフト4側の端部には、排気カ
ム6と常に接するローラ16が設けられており、このロ
ーラ16により排気カム6の動きが第1ロッカアーム1
2Aに滑らかに伝達されるようになっている。また、図
1,図2及び図4に示すように、第2ロッカアーム12
Bのカムシャフト4側の端部には、エンジン補助ブレー
キ用排気カム6Aの動きを第2ロッカアーム12Bに滑
らかに伝達するためのローラ16Aが設けられている。 【0026】ここで、エンジン補助ブレーキ用排気カム
6Aは、第2ロッカアーム12Bを2サイクルで駆動す
るようなカムプロフィールに形成されており、図示しな
いピストンが上死点近傍になると、第2ロッカアーム1
2Bを駆動するようになっている。このため、エンジン
補助ブレーキ用排気カム6Aは、180°の位相差に設
定された2つのカム山部をそなえており、各山部は同一
のプロフィールに形成されている。 【0027】また、図1に示す吸気側のロッカアーム1
1も排気側ロッカアーム12と同様に第1,第2及び第
3のロッカアーム11A,11B,11Cにより構成さ
れている。また、第3ロッカアーム11Cは、切り替え
機構20′により、第1ロッカアーム11A又は第2ロ
ッカアーム11Bのいずれか一方と選択的に係合して一
体に揺動するように構成されている。 【0028】そして、吸気側の動弁機構に設けられたエ
ンジン補助ブレーキ用吸気カム5Aは、上述の排気カム
6Aと同様に、吸気側の第2ロッカアーム11Bを2サ
イクルで駆動するようなカムプロフィールに形成されて
おり、ピストンが上死点を通過した直後に、吸気側の第
2ロッカアーム11Bを駆動するように形成されてい
る。 【0029】したがって、切り替え機構20により排気
側の第3ロッカアーム12Cと第2ロッカアーム12B
とが係合して一体に作動する状態に切り替えられ、且
つ、切り替え機構20′により吸気側の第3ロッカアー
ム11Cと第2ロッカアーム11Bとが係合して一体に
作動する状態に切り替えられた場合には、吸気弁7,7
及び排気弁8,8は、それぞれエンジン補助ブレーキ用
のカム5A,6Aにより駆動されるようになっている。 【0030】この場合には、吸気弁7,7は、ピストン
が上死点(クランク軸回転角度=0°)通過直後から開
き始め、ピストンの下死点(クランク軸回転角度=18
0°)位置近傍で閉じられる(吸入行程)。この後、ピ
ストンは上昇してシリンダ内の空気を圧縮し(圧縮行
程)、上死点(クランク軸回転角度=360°)位置近
傍になると、排気弁8,8が開いて圧縮空気を排気系に
排出するとともに、再び吸気弁7,7が開いて空気を吸
入する。なお、このときは、インジェクタ17からの燃
料噴射は停止されるようになっている。 【0031】そして、このようにエンジン1に空気を圧
縮するという負の仕事を行なわせて、エンジン1をポン
プとして作動させることにより、車両の走行エネルギを
吸収して制動力に変換するようになっているのである。
特に、このようなエンジン補助ブレーキでは、クランク
軸の回転角度360°毎に(即ち、クランク軸が1回転
する毎に)繰り返して作動させることで、2サイクルで
エンジン補助ブレーキが作動することになり、大きな吸
収馬力を得ることができるのである。 【0032】次に、切り替え機構20,20′について
説明すると、これらの切り替え機構20,20′は、い
ずれも同様に構成されたものであり、ここでは排気側の
切り替え機構20を用いてその構造を説明する。図1,
図6,図7に示すように、第3ロッカアーム12Cに
は、第1又は第2ロッカアーム12A,12Bと係合し
うる係合部21が形成されている。 【0033】図6に示すように、この係合部21には、
ロッカシャフト2の軸方向に沿ってシリンダ室35が形
成されており、シリンダ室35内には、図8(a)〜
(c)に示すような係合ピン39が嵌挿されている。こ
の係合ピン39は、図10に示す回り止め用ピン63に
よりシリンダ室35内での回転が規制されており、シリ
ンダ室35内においては軸方向にのみ移動しうるように
構成されている。 【0034】また、図1,図2,図11,図12に示す
ように、シリンダ室35内には、係合ピン39と隣接し
てリターンスプリング45が配設されており、係合ピン
39には、図1中右側(すなわち、第2ロッカアーム1
2B側)に、リターンスプリング45の付勢力が作用す
るようになっている。また、このシリンダ室35内に
は、後述する作動油供給路40,42を介して所定圧の
作動油が供給されるようになっており、この作動油の供
給状態に応じて係合ピン39が進退するようになってい
る。 【0035】一方、図1,図3(a),(b)に示すよ
うに、第1ロッカアーム12Aの係合部21に対向する
位置には、第1ロッカアーム12Aの揺動方向に突出す
るように形成された突出部(第1突出部)27が設けら
れており、また、図1,図4(a),(b)及び図5に
示すように、第2ロッカアーム12Bの係合部21に対
向する位置には、第2ロッカアーム12Bの揺動方向に
突出するように形成された突出部(第2突出部)28が
形成されている。 【0036】また、各突出部27,28は、略左右対象
の形状に形成され、互いに隣接するように形成されてい
る。また、図6(a),(b)及び図7に示すように、
係合部21のうち各突出部27,28に対向する部分に
は、各突出部27,28がシリンダ室35に挿入しうる
切り欠き部60が設けられている。 【0037】また、図8(a)〜(c)に示すように、
係合ピン39には、平面部62が形成されており、第1
ロッカアーム12Aの突出部27及び第2ロッカアーム
12Bの突出部28は、この平面部62に当接しうるよ
うになっている。また、この平面部62には、切り欠き
部60に対応した長穴61が形成されている。この長穴
61は、上記第1突出部27及び上記第2突出部28の
少なくとも一方との係合を回避するべく設けられたもの
であって、例えば係合ピン39の位置が図11に示すよ
うな状態にあるときには、第1ロッカアーム12Aがカ
ム6により駆動されると、第1ロッカアーム12Aの突
出部27が係合ピン39の平面部62に当接するが、第
2ロッカアーム12Bがカム6Aにより駆動されても、
突出部28が係合ピン39の長穴61に挿通して、突出
部28と係合ピン39とが係合しない状態となる。 【0038】また、作動油供給路40を介してシリンダ
室35に所定圧の作動油が供給されると、この作動油圧
により係合ピン39がリターンスプリング45の付勢力
に抗して図中左方向に駆動され、図12に示すような状
態となる。このような状態のときには、第2ロッカアー
ム12Bがカム6Aにより駆動されると、第2ロッカア
ーム12Aの突出部28が係合ピン39に当接し、第1
ロッカアーム12Aの突出部27は係合ピン39の長穴
61に挿通して、突出部27と係合ピン39とが係合し
ない状態となる。 【0039】そして、このようにして係合ピン39の位
置を切り替えることで、第1ロッカアーム12A又は第
2ロッカアーム12Bのいずれか一方を第3ロッカアー
ム12Cに係合させて、排気弁8,8のバルブ開閉タイ
ミング等を変更するようになっているのである。このと
き、第1ロッカアーム12A又は第2ロッカアーム12
Bから第3ロッカアーム12Cへは、係合ピン39の径
方向に作用する圧縮荷重を介して駆動力が伝達されるこ
とになるので、従来の可変動弁機構のように、係合ピン
39に剪断応力が作用することがなく小型で剛性の高い
可変動弁機構を提供することができるのである。 【0040】なお、図1,図2,図11,図12に示す
符号39aは、係合ピン39の位置を規制するためのス
トッパ部材である。ところで、図11に示すように、長
穴61の長径W2 は、各突出部27,28の幅方向の合
計寸法W1 よりも大きくなるように形成されている。こ
れは、係合ピン39の固着や作動油供給系に何らかの異
常が生じて係合ピン39が切り替え途中で停止してしま
った場合に、係合ピン39が第1ロッカアーム12A及
び第2ロッカアーム12Bの両方の突出部27,28と
同時に係合するような事態を回避するためである。 【0041】すなわち、単に係合ピン39と突出部2
7,28との係合状態を切り替えるだけであれば、長穴
61の寸法を突出部27,28のいずれか一方のみが挿
通する大きさ(例えばW2 の半分の寸法)に設定すれば
よい。しかしながら、係合ピン39の長穴61の長径寸
法をこのように設定すると、係合状態の切り替え途中で
係合ピン39が固着してしまった場合等に、係合ピン3
9に第1ロッカアーム12A及び第2ロッカアーム12
Bの両方の突出部27,28の両方が同時に係合する場
合が考えられる。 【0042】このような場合には、第3ロッカアーム1
2Cに、カム6及びカム6Aの両方に応じて駆動力が伝
達されることになり、動弁機構3の耐久性や安全性を大
きく損ねてしまう。そこで、本発明の可変動弁機構で
は、上述のように、係合ピン39に、各突出部27,2
8の幅方向の合計寸法W1 よりも大きい寸法W2 の長穴
61を形成することで、ロッカアーム12の係合状態の
切り替え途中には、両方の突出部27,28がいずれも
係合しないような状態を介して、係合ピン39がどちら
か一方の突出部27,28と係合するようになっている
のである。 【0043】ここで、図9(a)〜(c)は、係合ピン
39と各突出部27,28との係合状態の変化を模式的
に示す図であり、図2におけるA−A断面図である。図
9(a)は、図11に示す状態に対応しており、係合ピ
ン39がリターンスプリング45により右側に付勢され
ている状態である。この場合には、上述したように、第
1ロッカアーム12Aの突出部27が、係合ピン39の
平面部62に当接して突出部27と係合ピン39とが係
合し、第2ロッカアーム12Bの突出部28が、係合ピ
ン39の長穴61に挿通する。すなわち、第1ロッカア
ーム12Aと第3ロッカアーム12Cとが一体となり、
第2ロッカアーム12Bは空振りすることになる。 【0044】また、切り替え機構20の切り替え途中に
は、係合ピン39が図中左側に徐々に移動して図9
(b)に示す状態となる。このときには、各ロッカアー
ム12A,12Bの突出部27,28が両方とも係合ピ
ン39の長穴61に挿通して、これにより、第3ロッカ
アーム12Cは、第1及び第2のいずれのロッカアーム
12A,12Bとも係合しない状態となる。 【0045】そして、係合ピン39がさらに移動する
と、図9(c)に示すようように、第2ロッカアーム1
2Bの突出部28が係合ピン39の平面部62に当接し
て、突出部28と係合ピン39とが係合し、第1ロッカ
アーム12Aの突出部27が係合ピン39の長穴61に
挿通する。これにより、第2ロッカアーム12Bと第3
ロッカアーム12Cとが一体となり、第1ロッカアーム
12Aは空振りすることになる。 【0046】したがって、係合ピン39が途中で停止し
ても、係合ピン39が両方の突出部27,28と同時に
係合する事態を回避することができるのである。具体的
には、第3ロッカアーム12Cは、どちらか一方のロッ
カアーム12A,12Bのいずれかと係合するか、又
は、いずれのロッカアーム12A,12Bとも係合しな
い状態となり、これにより、切り替え機構20のフェイ
ル時に、動弁機構3を確実に保護して、耐久性や安全性
を向上させることができるのである。 【0047】なお、本実施形態の場合、係合ピン39と
シリンダ室35とは金属接触となっており、このような
場合には、図12に示すE部から作動油の漏れが生じる
おそれがあるが、部材間の公差を詰めてすきま管理を厳
密にすることで、作動油の漏れをほとんどなくすことが
できる。また、図示はしないが、ロッカシャフト2と第
1ロッカアーム12Aとの間や、ロッカシャフト2と第
2ロッカアーム12Bとの間は、ロストモーションスプ
リングが配設されている。 【0048】これらのロストモーションスプリングは、
第1ロッカアーム12A又は第2ロッカアーム12Bが
第3ロッカアーム12Cから切り離された場合に、常に
各ロッカアーム12A,12Bがカム6,6Aに追従す
るように、カム6,6A側にロッカアーム12A,30
Bを付勢するためのスプリングである。ところで、図
1,図10に示すように、ロッカシャフト2内には、軸
方向に沿って作動油供給路40が設けられている。この
作動油供給路40は第3ロッカアーム12Cに形成され
た油路42に接続されており、作動油供給路40,42
に供給された作動油は、第3ロッカアーム12A内のシ
リンダ室35に供給されるようになっている。 【0049】また、図10に示すように、この作動油供
給路40はメインギャラリ25に接続されており、メイ
ンギャラリ25内の作動油はポンプ24により所定の圧
力に加圧されるようになっている。このポンプ24の下
流側には、ソレノイドバルブ26が設けられており、こ
のソレノイドバルブ26をオンオフ制御することで、シ
リンダ室35内の作動油の供給状態が制御されるように
なっている。 【0050】ここで、ソレノイドバルブ26は、通常時
(オフ時)には閉弁状態となるようなノーマルクローズ
のソレノイドバルブであって、このようなオフ時には、
シリンダ室35内に作動油が供給されずにドレーンされ
るようになっている。また、このソレノイドバルブ26
には、コントローラ23が接続されており、このソレノ
イドバルブ26の作動状態は、コントローラ23により
制御されるようになっている。このコントローラ23に
は、図示しないアクセルスイッチやブレーキスイッチ等
の各種センサ類が接続されており、ドライバの運転操作
情報が入力されるようになっている。 【0051】そして、本実施形態では、ドライバがアク
セルペダルを戻したりブレーキペダルを踏んだりして減
速操作を行なうと、コントローラ23によりソレノイド
バルブ26がオンに制御されてシリンダ室35に作動油
が供給されるようになっており、また、これ以外のとき
には、ソレノイドバルブ26はオフになりシリンダ室3
5の作動油がドレーンされるようになっている。 【0052】なお、図10に示す24aは余剰油をドレ
ーンするためのリリーフ弁であり、油路41や、図3,
図4にそれぞれ示す油路41a,41bは通常の潤滑油
供給用の油路である。本発明の一実施形態としてのエン
ジンの可変動弁機構は、上述のように構成されているの
で、エンジンの通常運転時には、ソレノイドバルブ26
はオフに制御される。これにより、作動油供給路40へ
は作動油が供給されず、係合部21内の係合ピン39に
は油圧力が作用しない状態となる。 【0053】したがって、切り替え機構20内では、リ
ターンスプリング45の付勢力により係合ピン39が第
2ロッカアーム12B方向に付勢される〔図11,図9
(a)参照〕。これにより、第1ロッカアーム12Aの
突出部27が係合ピン39の平面部62に当接して、第
1ロッカアーム12Aと第3ロッカアーム12Cとが係
合状態となり、排気弁8,8は排気用バルブブリッジ1
0を介して排気カム6のカムプロフィールに応じて開弁
駆動される。 【0054】また、これと同様に、吸気側の動弁機構3
も、切り替え機構20′により第1ロッカアーム11A
と第3ロッカアーム11Cとが係合状態となり、吸気弁
7,7は吸気用バルブブリッジ9を介して吸気カム5の
カムプロフィールに応じて開弁駆動される。したがっ
て、吸気弁7,7及び排気弁8,8はエンジン1の通常
運転時に適したバルブタイミングで駆動され、エンジン
1の通常運転が行なわれる。 【0055】この場合は、排気カム6による駆動力は、
第1ロッカアーム12Aから係合ピン39を介して第3
ロッカアーム12Cに伝達されることになるが、従来の
可変動弁機構と異なり、圧縮ピン39の径方向に作用す
る圧縮荷重により、排気カム6による駆動力が第1ロッ
カアーム12Aから第3ロッカアーム12Cに伝達され
るのである。 【0056】また、この場合には、第2ロッカアーム1
2Bの突出部28は係合ピン39の長穴61に挿通する
ので、第2ロッカアーム12Bの駆動力は第3ロッカア
ーム12Cには伝達されない。すなわち、第2ロッカア
ーム12Bと第3ロッカアーム12Cとは切り離された
状態となる。このときには、第2ロッカアーム12B
は、図示しないロストモーションスプリングの付勢力に
より、エンジン補助ブレーキ用排気カム6Aに追従す
る。 【0057】一方、ドライバが減速操作を行なうと、各
種センサによりこのドライバ操作情報がコントローラ2
3に取り込まれ、コントローラ23からの制御信号に基
づいてソレノイドバルブ26がオンに切り替えられる。
これにより、ポンプ24によって加圧された作動油は、
作動油供給路40,42を介して第3ロッカアーム12
Cの係合部21に形成されたシリンダ室35に供給され
る。 【0058】そして、この作動油により係合ピン39が
駆動されてロッカアーム12の係合状態が切り替えられ
る過程で、図9(b)に示す状態となり、各ロッカアー
ム12A,12Bの突出部27,28が両方とも係合ピ
ン39の長穴61に挿通する。これにより、第3ロッカ
アーム12Cは、第1及び第2のいずれのロッカアーム
12A,12Bとも係合しない状態となる。 【0059】したがって、係合ピン39が途中で固着等
により停止するようなことがあっても、係合ピン39が
両方の突出部27,28と同時に係合するような事態を
回避することができる。そして、図12及び図9(c)
に示すように、係合ピン39がリターンスプリング45
の付勢力に抗してさらに第1ロッカアーム12A方向に
駆動されると、第2ロッカアーム12Bの突出部28が
係合ピン39の平面部62に当接するとともに、第1ロ
ッカアーム12Aの突出部27が係合ピン39の長穴6
1に挿通する。 【0060】これにより、第1ロッカアーム12Aと第
3ロッカアーム12Cとが切り離され、第2ロッカアー
ム12Bと第3ロッカアーム12Cとが係合状態とな
る。したがって、排気弁8,8は排気用バルブブリッジ
10を介してエンジン補助ブレーキ用排気カム6Aによ
り駆動されるようになる。この場合は、エンジン補助ブ
レーキ用排気カム6Aによる駆動力は、第2ロッカアー
ム12Bから圧縮ピン39を介して第3ロッカアーム1
2Cに伝達される。すなわち、上述の通常運転時と同様
に、エンジン補助ブレーキ用排気カム6Aによる駆動力
は、圧縮ピン39の径方向に作用する圧縮荷重により、
第2ロッカアーム12Bから第3ロッカアーム12Cに
伝達されるのである。 【0061】また、第1ロッカアーム12Aは、ロスト
モーションスプリングの付勢力により、排気カム6に追
従することになる。また、吸気側の動弁機構において
も、上述と同様に、切り替え機構20′により第1ロッ
カアーム11Aと第3ロッカアーム11Cとが切り離さ
れ、第2ロッカアーム11Bと第3ロッカアーム11C
とが係合状態となり、吸気弁7,7は吸気用バルブブリ
ッジ9を介してエンジン補助ブレーキ用吸気カム5Aの
カムプロフィールに応じて開弁駆動されるようになる。 【0062】そして、吸気弁7,7及び排気弁8,8
が、エンジン補助ブレーキ用のカム5A,6Aにより駆
動されることにより、エンジン1の運転モードが通常運
転モードからエンジン補助ブレーキ装置作動モードに切
り替えられ、圧縮圧開放式エンジンブレーキ装置が作動
するのである。なお、この場合には、インジェクタ17
からの燃料噴射は停止される。 【0063】すなわち、この場合には、図示しないピス
トンが上死点(クランク軸回転角度=0°)を通過した
直後から吸気弁7,7が開き始め、ピストンの下死点
(クランク軸回転角度=180°)位置近傍で閉じられ
る(吸入行程)。この後、ピストンが上昇してシリンダ
内の空気を圧縮し(圧縮行程)、上死点(クランク軸回
転角度=360°)位置近傍になると、排気弁8,8が
開いて圧縮空気を排気系に排出するとともに、再び吸気
弁7,7が開いて空気を吸入する。 【0064】そして、このようにエンジン1が空気を圧
縮するという負の仕事を行なうことにより、車両の走行
エネルギが吸収されて制動力に変換される。特に、この
ようなエンジン補助ブレーキでは、クランク軸の回転角
度360°毎に(即ち、クランク軸が1回転する毎に)
繰り返して作動させることで、2サイクルでエンジン補
助ブレーキが作動することになり、大きな吸収馬力を得
ることができるのである。 【0065】このように、本発明のエンジンの可変動弁
機構によれば、係合ピン39に作用する圧縮荷重により
カム6,6Aの駆動力を第1又は第2ロッカアーム12
A,12Bから第3ロッカアーム12Cに伝達すること
ができるので、剛性の高い可変動弁機構を提供すること
ができる。また、係合ピン39には剪断力ではなく圧縮
荷重が作用するので、大荷重にも耐えることができるよ
うになり、したがって、係合ピン39を小型化,軽量化
することができるという利点がある。 【0066】また、係合ピン39を小型化,軽量化する
ことにより、可変動弁機構全体も小型化,軽量化するこ
とができるという利点があるほか、動弁機構の切り替え
を迅速に行なうことができるという利点がある。また、
本可変動弁機構では、係合ピン39が第1係合部21又
は第2係合部22のいずれか一方に係合するように構成
されているため、ロッカアーム12の外部に係合ピン3
9を待機させる必要がなく係合ピン39の待機場所を設
ける必要がないという利点がある。 【0067】すなわち、例えば上述の特公平4−181
22号公報等に開示された技術では、係合ピンの待機場
所をロッカアームの外部に設ける必要があり、このため
切り替え機構がロッカアームと別体となり、動弁機構が
大型化してしまう。これに対して、本発明の可変動弁機
構によれば、切り替え機構20,20′をロッカアーム
11,12内に設けることができるので、可変動弁機構
全体を小型化,軽量化することができるという利点を有
しているのである。 【0068】また、係合ピン39が切り替え途中で停止
しても、係合ピン39が両方の突出部27,28と同時
に係合する事態を回避することができ、動弁機構3を確
実に保護して、耐久性や安全性を向上させることができ
るのである。すなわち、係合ピン39が両方の突出部2
7,28と同時に係合した場合には、第3ロッカアーム
12Cに、カム6及びカム6Aの両方に応じて駆動力が
伝達されることになり、動弁機構3の耐久性や安全性を
大きく損ねてしまうことが考えられるが、本可変動弁機
構においては、第3ロッカアーム12Cは、どちらか一
方のロッカアーム12A,12Bのいずれかと係合する
か、又は、いずれのロッカアーム12A,12Bとも係
合しない状態となり、これにより、切り替え機構20の
フェイル時に、動弁機構3を確実に保護して、耐久性や
安全性を向上させることができるのである。 【0069】さらには、係合ピン39を制御するための
油圧回路も単純なものとすることができ、信頼性も向上
するという利点がある。また、本可変動弁機構では、作
動油がシリンダ室35に供給されたときにのみ、第2ロ
ッカアーム12Bが第3ロッカアーム12Cに係合し
て、通常運転時とは異なる運転モード(本実施形態で
は、エンジン補助ブレーキ装置作動モード)となるの
で、作動油の供給系統の故障時には、フェイルセーフ機
能が働くという利点がある。 【0070】すなわち、作動油の供給系統の故障、例え
ば油圧ポンプ24やソレノイドバルブ26の故障時に
は、係合ピン39は第1ロッカアーム12内に収納され
ることになるので、これによりエンジン1を通常の運転
状態とすることができるのである。なお、本発明のエン
ジンの可変動弁機構は、上述のような圧縮圧開放式のエ
ンジンブレーキ装置(エンジン補助ブレーキ装置)のみ
に適用されるものではなく、エンジン1の吸気弁7,7
や排気弁8,8のバルブタイミングやリフト量を変更す
ることでエンジン1の動特性を変更するような可変動弁
機構に広く適用することができる。 【0071】また、本発明のエンジンの可変動弁機構
は、上述のような4弁式ディーゼルエンジンにのみ適用
されるものではなく、他の形式のエンジンにも広く適用
することができる。 【0072】 【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明のエンジンの可変動弁機構によれば、第1又は第2
のロッカアームが第3のロッカアームと連動する時には
係合ピンには圧縮荷重が作用することになり、この圧縮
荷重によりカムの駆動力を第1又は第2のロッカアーム
から第3のロッカアームに伝達することができるので、
剛性の高い可変動弁機構を提供することができる。 【0073】また、係合ピンには剪断力ではなく圧縮荷
重が作用するので、大荷重にも耐えることができるよう
になり、係合ピンの耐強度性が向上した分だけ係合ピン
を小型化,軽量化することができ、これにより、可変動
弁機構全体も小型化,軽量化することができるという利
点がある。また、係合ピンを小型化,軽量化すること
で、動弁機構の切り替えを迅速に行なうことができ、切
り替え時の応答性が向上するという利点がある。 【0074】また、ロッカアームの係合状態の切り替え
途中には、第1のロッカアーム及び第2のロッカアーム
の両方の突出部がいずれも係合ピンに係合しないような
状態を介して、係合ピンがどちらか一方の突出部と係合
するので、切り替え機構のフェイル等により、係合ピン
が切り替え途中で停止してしまっても、係合ピンが第1
及び第2のロッカアームの両方の突出部と同時に係合す
ることがなく、第3のロッカアームに第1及び第2ロッ
カアームから同時に力が伝達されるような事態を回避す
ることができるという利点がある。 【0075】これにより、切り替え機構のフェイル時等
であっても、動弁機構を確実に保護することができ、動
弁機構の耐久性や安全性を向上させることができるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における全体構成を示す模式的な上面図である。 【図2】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における排気側の要部構成を示す模式的な上面図
である。 【図3】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における第1のロッカアームを示す模式図であっ
て、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。 【図4】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における第2のロッカアームを示す模式図であっ
て、(a)はその上面図、(b)はその側面図である。 【図5】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における第2のロッカアームを示す模式的な斜視
図である。 【図6】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における第3のロッカアームを示す模式図であっ
て、(a)はその上面図、(b)は(a)におけるC−
C断面図である。 【図7】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における第3のロッカアームを示す模式的な斜視
図である。 【図8】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における係合ピンの形状を示す模式図であって、
(a)はその上面図、(b)はその正面図、(c)はそ
の側面図である。 【図9】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変動
弁機構における動作を説明するための模式図であって、
(a)〜(c)はいずれも切り替え機構による係合ピン
と第1,第2突出部との係合状態の変化を模式的に示す
図であり、いずれも図2におけるA−A断面図である。 【図10】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変
動弁機構における制御系統の構成を示す模式図であっ
て、図2におけるB−B断面図である。 【図11】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変
動弁機構における要部構成を示すとともにその動作を説
明する図であって、図10におけるD−D断面図であ
る。 【図12】本発明の一実施形態としてのエンジンの可変
動弁機構における要部構成を示すとともにその動作を説
明する図であって、図10におけるD−D断面図であ
る。 【図13】従来の可変動弁機構の一例を説明するための
模式図であって一部破断して示す図である。 【図14】従来の可変動弁機構の一例を説明するための
模式的な断面図である。 【図15】従来の可変動弁機構の作用を説明するための
図であって、図14の一部を拡大して示す図である。 【符号の説明】 1 エンジン 2 ロッカシャフト 3 動弁機構 4 カムシャフト 5 吸気カム 5A エンジン補助ブレーキ用吸気カム 6 排気カム 6A エンジン補助ブレーキ用排気カム 7 吸気弁 8 排気弁 9 吸気用バルブブリッジ 10 排気用バルブブリッジ 11 吸気ロッカアーム 12 排気ロッカアーム 11A,12A 第1ロッカアーム(第1のロッカアー
ム) 11B,12B 第2ロッカアーム(第2のロッカアー
ム) 11C,12C 第3ロッカアーム(第3のロッカアー
ム) 16,16A ローラ 17 インジェクタ 20,20′ 切り替え機構 21 係合部 23 コントローラ 24 ポンプ 24a リリーフ弁 25 メインギャラリ 26 ソレノイドバルブ 27 第1突出部 28 第2突出部 31,32 筒状端部 35 シリンダ室 39 係合ピン 39a ストッパ部材 40 作動油供給路 42 作動油供給路 45 リターンスプリング 60 切り欠き部 61 長穴 62 平面部 63 回り止め用ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−77019(JP,A) 特開 平6−17629(JP,A) 特開 平7−19015(JP,A) 実開 昭61−160206(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ロッカシャフトに支持されカムの回転に
    応じて該ロッカシャフトを中心に揺動する第1のロッカ
    アームと、 該第1のロッカアームに隣接して該ロッカシャフトに支
    持され該第1のロッカアームと異なる態様で揺動する第
    2のロッカアームと、 該ロッカシャフトに支持され吸気弁又は排気弁を開弁駆
    動する第3のロッカアームと、 該第3ロッカアームと該第1又は該第2のロッカアーム
    との揺動方向においてそれぞれのロッカアームと対向す
    る位置に、該ロッカシャフトの軸方向に沿って形成され
    た係合部と、 該係合部内に該ロッカシャフトの軸方向に沿って配設さ
    れた係合ピンと、 上記揺動方向において該係合ピンに対向する位置に上記
    第1及び上記第2のロッカアームにそれぞれ形成された
    第1突出部及び第2突出部と、 該係合ピンを該軸方向に沿って移動させることにより、
    該第1突出部が該係合ピンに係合して該第1のロッカア
    ームと該第3のロッカアームとが連動する状態と、該第
    2突出部が該係合ピンに係合して該第2のロッカアーム
    と該第3のロッカアームとが連動する状態とを切り替え
    る切り替え機構とをそなえ、 該切り替え機構により該第1突出部又は該第2突出部が
    該係合ピンに係合する状態に切り替えられると、該係合
    ピンに作用する圧縮荷重により、該第1又は該第2のロ
    ッカアームから該第3のロッカアームに該カムの回転駆
    動力が伝達されるように構成され、 上記係合ピンに、上記第1及び上記第2突出部の少なく
    とも一方との係合を回避しうる長穴形状の穴部を形成
    し、 該切り替え機構による切り替え動作中に、上記第1突出
    部と該第2突出部とが同時に該係合ピンに対して係合し
    ない状態を介して切り替えが行なわれるように構成され
    ている ていることを特徴とする、エンジンの可変動弁機
    構。
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