JP3458238B2 - 感熱孔版製版印刷方法 - Google Patents

感熱孔版製版印刷方法

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JP3458238B2 JP14299793A JP14299793A JP3458238B2 JP 3458238 B2 JP3458238 B2 JP 3458238B2 JP 14299793 A JP14299793 A JP 14299793A JP 14299793 A JP14299793 A JP 14299793A JP 3458238 B2 JP3458238 B2 JP 3458238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱孔版製版印刷方法に
関し、詳しくは、実質的に熱可塑性樹脂フィルムからな
る感熱孔版マスターに製版を施し、これを印刷版として
用いるようにした感熱孔版製版印刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】簡便な印刷方式として孔版印刷方式が従
来より広く行なわれている。この方式は適当なインキ
透過性の支持体(例えば和紙等)の表面に熱可塑性樹脂
フィルムを積層したものを感熱孔版マスターとして使用
し、サーマルヘッド等により熱可塑性樹脂フィルムを加
熱溶融して画像状の穿孔を形成し、インキ透過性の支持
体側から印刷インキを前記穿孔を通して紙等の被印刷体
に印刷を行なうものである(特開平2−155739号
などの公報)。
【0003】また、インキ透過性支持体を設けること
なく熱可塑性樹脂フィルムを感熱孔版マスターとして用
い(支持体レス)、サーマルヘッドにより熱可塑性樹脂
フィルムを加熱溶融して画像状の穿孔を形成し、熱可塑
性樹脂フィルム単体で印刷インキを前記穿孔を通して紙
等の被印刷体に印刷を行なうことも知られている(特公
昭51−499号、特開昭53−49519号、特開昭
54−33117号、特開平3−45719号、特開平
3−45720号、特開昭62−282983号、特開
昭54−33117号各公報等)。更に、製版部と印
刷部とが一体となった孔版製版印刷機(以下一体型版胴
印刷機と略記する、)も提案されている(特開昭62−
73987号公報等)。
【0004】ところが、実質的に熱可塑性樹脂フィルム
からなるマスターを用いる感熱孔版製版印刷機において
は、そのマスター構成からくる欠陥、つまりフィルムが
薄いと支持体がないためマスターに剛性がなく、フィル
ムの搬送性が悪くなるし、逆にフィルムを厚くし剛性を
上げると、穿孔必要エネルギーが大きくなるため熱穿孔
が困難になるという相反した特性がある。また、前記の
一体型版胴印刷機では、製版印刷機のほとんどの機能を
印刷用版胴に集約するために、版胴そのものが巨大化し
て慣性モーメントが増大し、回転機構への負担が大きく
なるばかりでなく、マスターの版胴への交換装着に人の
手を煩わすか、あるいは印刷機自体のマスター交換装着
機能の構成に高度な技術を要求していた。この時の交換
装着技術の精度は、マスターのフィルムが薄い(剛性が
ない)ほど高度なものが要求され、出来れば厚い(剛性
がある)フィルムのマスターの使用が望まれている。
【0005】更に、特公昭51−499号公報に記載さ
れているような、エンボス加工を施した熱可塑性樹脂フ
ィルムからなるマスターを、現在広く採用されているサ
ーマルヘッドを用いた印刷方法に使用した場合、発熱体
とエンボス加工の凹状部との位置合わせが少なくともマ
スターの交換セット時に必要で、ここでいったんズレが
発生すると、このズレで穿孔不良が生じる。また、マス
ターにレジストマークを設け、これを手がかりに位置合
わせを行なう方法も考えられるが、この方法によると機
械的コストの大きな上昇は避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
従来技術に鑑みてなされたものであって、実質的に熱可
塑性樹脂フィルムからなる支持体レスの感熱孔版マスタ
ーを用いながら良好な画像を得ることができる感熱孔版
製版印刷方法を提供することを、その目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討・研究を重ねた結果、発熱パター
ンの異なる複数の加熱手段により、感熱孔版マスターの
両面に熱エネルギーを加えることをによって、上記目的
が達成されることを見い出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明によれば、実質的に熱可
塑性樹脂フイルムからなる感熱孔版マスターの両面に複
数の加熱手段により熱エネルギーを加え該フイルムに画
像状穿孔を形成し、その穿孔よりインキを透過せしめて
被印刷体に画像を形成する製版印刷方法において、一方
の面から第1の加熱手段で点状に凹状の変形を与え、次
に反対側の面から第2の加熱手段で穿孔し画像を形成す
ることを特徴とする感熱孔版印刷方法が提供される。こ
こで、加熱手段は一般的にはサーマルヘッドが考えられ
るが、公知の手段であるレーザ、加熱ローラー等との組
み合わせでもよい。
【0009】以下に、本発明を添付の図面に従いながら
更に詳細に説明する。本発明によれば、まず第一のサー
マルヘッドで、実質的に熱可塑性樹脂フィルムからなる
感熱孔版マスターの片面に、適当なエネルギーの熱によ
る実質的に凹状の変形を与え、その後に第二のサーマル
ヘッドで、その反対側の面から適当なエネルギーの熱を
加えることによって、穿孔が得られる(参照、図1−a
及び図1−b。図1中、Sは穿孔前のマスター表面を示
す、)。この時、両方のサーマルヘッドが等しく印刷画
像状に発熱する必要はなく、一番簡単な方法では、片方
が全面点状発熱であればよい。ちなみに、点状発熱では
なく、面状発熱あるいはそれと同等の場合、マスターの
加熱部全体で収縮が発生し、製版が不可能となる。
【0010】本発明に使用できるサーマルヘッドとして
は、従来のサーマルヘッド、例えば全面グレーズタイプ
サーマルヘッド、部分グレーズタイプサーマルヘッドあ
るいは端面発熱タイプサーマルヘッドなどがあり、それ
ぞれの使用例を図2〜図4に示す。なお、図2〜図4に
おいて、1、4及び5は全面グレーズタイプサーマルヘ
ッド、2及び6は端面発熱タイプサーマルヘッド、3は
搬送ローラ、10及び11はプラテンローラー、15は
ロール状マスター、16はマスター、並びに17はテン
ションローラーを、それぞれ示す。
【0011】図2は、全面グレーズタイプサーマルヘッ
ド(1,4)同士を組み合わせた例である。この全面グ
レーズタイプサーマルヘッドにおいては、発熱部が凹状
部になっているため、プラテンローラー(10,11)
〔マスター(16)をサーマルヘッド(1,4)に押し
つけるもの〕は必須である。図3は、全面グレーズタイ
プサーマルヘッド(5)と端面発熱タイプサーマルヘッ
ド(2)とを組み合わせた例で、この時の端面発熱タイ
プの対抗する面にはプラテンローラーが必ずしも必要で
ないため、熱効率を良く(プラテンローラーへの熱損失
がない)でき、低いエネルギーで凹状部の加工が可能で
ある。
【0012】また、図4は、端面発熱タイプサーマルヘ
ッド(2,6)同士を組み合わせた例で、この時の端面
発熱タイプの対抗する面にはプラテンローラーが必ずし
も必要でないため、熱効率を良く(プラテンローラーへ
の熱損失がない)でき、低いエネルギーで凹状部の熱変
形及び熱穿孔が可能である。更に、マスター(16)の
搬送経路を短くすることも可能になり、装置全体の大き
さを抑えることに寄与できるようになる。なお、図2で
は、テンションローラーが、マスター(16)に搬送方
向へ張力を与えることが可能となっている。この結果、
非穿孔部での熱影響による収縮が起こす不具合、つま
り、画像部の搬送方向の縮みが解消可能となる(図3及
び図4でも同様)。
【0013】これらのサーマルヘッドにおいて、全面点
状発熱をするサーマルヘッドの副走査方向発熱体数密度
(A)は、必ずしも画像状発熱をするサーマルヘッドと
同じ副走査方向発熱体数密度(B)でなくてもよい。そ
れらの密度が B=nA (nは正の整数) の関係を満たせば、マスターの画像部は、マスターの両
側より熱エネルギーを与えられ穿孔が得られることにな
る。これは、図7に示すように、副走査方向発熱体数密
度が低く(A)且つ広い面積のサーマルヘッドで、マス
ターの片側に広い面積で全面点状熱変形を施し、続いて
もう一方のマスター面から副走査方向発熱体数密度が高
く(B)且つ狭い面積のサーマルヘッドで画像状に加熱
することにより、画像状の穿孔が得られるからである。
よって、全面点状発熱を行なうサーマルヘッドの耐久性
を支配する因子[発熱体面積]を大きくすることが可能
になる。なお、図7中、16はマスター、20及び21
はサーマルヘッド発熱体、22及び23はサーマルヘッ
ド保護層表面、をそれぞれ示す。
【0014】更に、全面点状発熱をするサーマルヘッド
の主走査方向発熱密度(C)は、必ずしも画像状発熱を
するサーマルヘッドと同じ主走査方向発熱密度(D)で
なくてもよい。それらの密度が D=nC (nは正の整数) の関係を満たせば、マスターの画像部は、マスターの両
側より熱エネルギーを与えられ穿孔が得られることにな
る。これは、図8に示すように、主走査方向発熱密度が
低く(C)且つ広い面積のサーマルヘッドで、マスター
の片側に広い面積で全面点状熱変形を施し、続いてもう
一方のマスタ−面から、主走査方向発熱密度が高く
(D)且つ狭い面積のサーマルヘッドで画像状に加熱す
ることにより、画像状の穿孔が得られるからである。こ
の結果、全面点状発熱を行なうサーマルヘッドの温度コ
ントロールをやり易くできる。これは、発熱の時間的間
隔が広がるためで、発熱体の冷却時間を長くでき、全面
点状発熱による温度上昇を抑えられる。なお、図8中、
20′及び21′は直前発熱サーマルヘッド発熱体を示
し、他は図7と同一である。また、本発明によるマスタ
ーの穿孔形状は、例えば図6で示される。
【0015】本発明で使用される熱可塑性樹脂フィルム
としては、押出法、流延法等により形成された一般的な
熱可塑性樹脂フィルムであればよく、ポリエステル(好
ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ましく
は共重合ナイロン)系、ポリオレフィン系、ポリスチレ
ン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン/
ビニルアルコール系共重合体、ポリカーボネート系共重
合体等が挙げられる。望ましくは、熱可塑性樹脂フィル
ムの穿孔感度が高いものが有効であり、そのためにはフ
ィルムを構成している状態における熱可塑性樹脂が実質
的に非晶質なレベルから結晶化度15%までの範囲のも
のがよい。更に望ましくは、熱可塑性樹脂フィルムが実
質的に非晶質なレベルのものである。ここで、実質的に
非晶質なレベルのフィルムとは、その原料がDSC法で
融点がほとんどみられないものである場合と、ある種の
加工法(急冷法等)等により結晶化を抑制したものであ
る場合等がある。上記結晶化度はX線法により決定され
るがDSC法で融解エネルギーの面積比でもとめてもよ
い。
【0016】熱可塑性樹脂フィルムは更に好ましくは共
重合ポリエステルを主体としたものであり、且つそのフ
ィルムが実質的に非晶質なレベルのものである。また、
最も好ましいのは、原料としてその共重合ポリエステル
の実質的に非晶質なものが選択されることである。ここ
で“実質的に非晶質のポリエステル”とは、通常市販さ
れているその結晶融点(DSC法による)が245〜2
60℃にあるいわゆる高結晶性ポリエチレンテレフタレ
ートを主体とした樹脂とは異なり、まず原料としてのそ
の重合体単体及び混合成分よりなる重合体及び混合成分
よりなる重合体又は重合体同士をブレンドした組成物状
にして、これを充分アニール処理して平衡状態としたも
のをX線法によって結晶化度を固定し、このサンプルを
標準にして測定した結晶化度が10%以下のものであ
り、好ましくは5%以下、より好ましくはDSC法でも
融点がほとんど見られないものである。このような低結
晶タイプの熱可塑性フィルムを用いることにより、サー
マルヘッドの印加エネルギーが微量であっても十分熱開
孔が可能となる。
【0017】本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム
の厚さは、好ましくは0.5μm〜20μm、より好ま
しくは1μm〜15μmである。また、その溶融開始温
度は50℃〜300℃、好ましくは70℃〜290℃で
ある。
【0018】サーマルヘッドを穿孔手段として用いると
き、熱可塑性樹脂フィルムのサーマルヘッドに接触する
側には、熱融着防止処理を施こすことができる。この処
理には、脂肪酸金属塩、リン酸エステル型界面活性剤、
シリコーンオイル等の流動性潤滑剤、パーフロロアルキ
ル基を有するフッ素化合物などの熱融着防止剤を均一に
塗布する方法が挙げられる。この時の塗布量としては
0.001〜2g/m2、好ましくは0.005〜1g
/m2である。
【0019】また、必要に応じて、熱可塑性樹脂フィル
ムに帯電防止効果をもたせることができる。その方法と
しては、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤を均一に塗
布する方法や、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤を含
有させる方法がある。帯電防止剤を塗布する場合の帯電
防止剤としては、例えば有機スルホン酸金属塩又はポリ
アルキレンオキシド、エステル、アミン、カルボン酸
塩、第4級アンモニウム塩、アルキルリン酸エステルな
どの一般的な帯電防止剤が挙げられる。帯電防止剤の塗
布量は0.001〜2.0g/m2、好ましくは0.0
1〜0.5g/m2が適当である。
【0020】帯電防止剤を熱可塑性樹脂フィルムに含有
させる場合の帯電防止剤としては、例えば有機スルホン
酸金属塩又はポリアルキレンオキシド、第4級アンモニ
ウム塩の一種又は二種以上の混合物等が挙げられる。有
機スルホン酸金属塩は、式R1SO31(ここで、R1
脂肪族基、脂環族基又は芳香族基であり、X1はNa、
K又はLi等の金属である。)で表わされる化合物であ
り、具体的には、アルキルスルホン酸金属塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸金属塩等が例示できる。このアルキ
ルとしてはオクチル、デシル、ドテシル(ラウリル)、
テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル、オクタデ
シル(ステアリル)等を例示できる。更に、具体的な化
合物としては、ラウリルスルホン酸Na、ラウリルスル
ホン酸K、ラウリルスルホン酸Li、ステアリルスルホ
ン酸Na、ステアリルスルホン酸K、ステアリルスルホ
ン酸Li、ドテシルベンゼンスルホン酸Na、ドテシル
ベンゼンスルホン酸K、ドテシルベンゼンスルホン酸L
i等が例示できる。なお、有機スルホン酸金属塩の含有
量は、熱可塑性樹脂フィルムに対し0.1〜2.0重量
%であり、好ましくは0.2〜1.5重量%である。有
機スルホン酸金属塩の量が0.1重量%より少ないと帯
電防止効果が小さく、逆に2.0重量%を超えると熱穿
孔性シート表面が粗化するので好ましくない。
【0021】また、熱可塑性樹脂フィルムに含有させる
ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド、エチレン/プロピレンオ
キシド共重合体、ポリテトラメチレンオキシド等が例示
でき、これらの分子量は400〜50万、好ましくは1
000〜5万である。なお、ポリアルキレンオキシドの
含有量は、熱可塑性樹脂フィルムに対し0.1〜5.0
重量%であり、好ましくは0.2〜4.0重量%であ
る。ポリアキレンオキシドの量が0.1重量%より少な
いと帯電防止性が低下し、逆に5.0重量%を超えると
フィルムの力学的特性が低下するので好ましくない。
【0022】また、熱可塑性樹脂フィルムに含有させる
導電剤としては、式〔R2−N(CH3)2−R3〕X(式
中、R2は炭素数12〜18個のアルキル基を、R3は炭
素数12〜18個のアルキル基又はメチル基を、XはC
I、Br、HSO4又はC25SO4を、それぞれ示
す。)で表わされる第4級アンモニウム塩の一種又は二
種以上の混合物がある。これらアンモニウム塩の含有量
は、熱可塑性樹脂フィルムの1〜50重量%とするのが
よく、より好ましくは2〜30重量%である。
【0023】なお、本発明においては、従来と異なり、
感熱孔版マスターの両面に、以上のような熱融着防止や
帯電防止のための機能層を設けることが望ましい。その
手段としては一般的な、ロッドを用いる塗布方法、グラ
ビヤロールを用いる方法等公知のものが用いられる。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものでない。
【0025】実施例1 熱可塑性樹脂フィルムのマスターとして、ポリエチレン
テレフタレートを主体としたフィルムで結晶化度5%、
厚み7.0μmのものを用い、その片面に熱融着防止層
として、リン酸エステル系界面活性剤(ガファックRL
210;東邦化学工業社製:mp.54℃)を金属ロッ
ドを用いて乾燥付着量0.2g/m2になるように塗布
した。その後、塗布済みロール状フィルム全体が均一に
55℃になるまで加熱した。加熱後の熱可塑性フィルム
の溶液塗布面とその裏側を、それぞれトルエンにて溶解
剥離し、重量法により熱融着防止層の付着量を確認した
ところ、0.1g/m2であった。
【0026】この熱可塑性樹脂フィルムを、25℃、6
5%RHの条件下で図2に示すような製版機にて、ベタ
画像部分を含む製版を行なった。この時、1のサーマル
ヘッドは全面点状発熱(1のサーマルヘッドは30μm
×40μmの大きさの長方形発熱体で、副走査方向発熱
体数密度及び主走査方向発熱密度は400DPI)とし
たため、従来の製版機制御回路をわずかに改造しただけ
の製版機(4のサーマルヘッドは30μm×40μmの
大きさの長方形発熱体で、副走査方向発熱体数密度及び
主走査方向発熱密度は400DPI)により、製版が可
能となった。この製版済みの熱可塑性樹脂フィルムを使
用して、リコー社製プリポートVT−3500にて印刷
を行なったところ、印刷物は画像欠点がない鮮明な画像
が得られた。
【0027】実施例2 熱可塑性樹脂フィルムとして、共重合ポリエステルを主
体とした厚み10.6μmの実質的に非結晶質な(結晶
化度1%)フィルムを用い、このフィルムの両面に、熱
融着防止層としてアクリルシリコーン(US−270:
東亜合成化学社製)と更に帯電防止剤として第4級アン
モニウム塩ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド
[C1225N(CH32CH3 Cl]を、1:1の比
で乾燥重量0.2g/m2になるように、金属ロッドを
用いて塗布した。
【0028】この熱可塑性樹脂フィルムを、図3に示す
製版機にて、黒ベタ画像部分を含む製版を低湿下で行な
った。この際、製版時における静電気の発生による製版
不良、及び印刷ドラムに巻き付ける際の支障は、発生し
なかった。この時、5のサーマルヘッドは全面点状発熱
(5のサーマルヘッドは100μm×100μmの大き
さの長方形発熱体で、副走査方向発熱体数密度及び主走
査方向発熱密度は200DPI)としたため、従来の製
版機制御回路をわずかに改造しただけの製版機(2のサ
ーマルヘッドは30μm×30μmの大きさの長方形発
熱体で、副走査方向発熱体数密度及び主走査方向発熱密
度は400DPI)により、製版が可能となった。この
製版済みの熱可塑性樹脂フィルムを使用して、リコー社
製プリポートVT−3500にて印刷を行なったとこ
ろ、印刷物は画像欠点がない鮮明な画像が得られた。
【0029】実施例3 実施例2と同じマスターを、図4に示す孔版製版印刷機
(リコー社製プリポートVT−3500の改造機)に
て、製版印刷を行なった。この時、6のサーマルヘッド
は全面点状発熱(6のサーマルヘッドは95μm×95
μmの大きさの正方形発熱体で、副走査方向発熱体数密
度及び主走査方向発熱密度は200DPI)としたた
め、従来の製版機制御回路をわずかに改造しただけの製
版機(2のサーマルヘッドは30μm×30μmの大き
さの長方形発熱体で、副走査方向発熱体数密度及び主走
査方向発熱密度は400DPI)により、製版が可能と
なった。
【0030】また、マスターの剛性が高いので搬送時の
不具合もなく、良好な製版及び画像欠点がない鮮明な画
像の印刷が行なわれた。また、穿孔の形状は、図7に示
すように穿孔径の極小部がマスターの印刷用紙側面に近
い場所にあり、その結果印刷したインキ画像の印刷用紙
上での盛り上がりが小さかったので、裏移りはほとんど
無かった。
【0031】実施例4 実施例1と同じマスターを、図5に示す孔版製版印刷装
置(リコー社製プリポートVT−3500の改造機、サ
ーマルヘッドは実施例1と同様)にて、製版印刷を行な
った。この時、2本のプラテンローラーの回転軸間距離
が54.0mm、両プラテンローラーの半径の和とマス
ターの厚みとの和は57.3mmであった。このため、
2本のサーマルヘッド間でマスターが常にプラテンロー
ラーと密着している状態となり、マスターの振動による
穿孔の位置ずれが解消された。その結果、穿孔径が更に
均一になり、印刷画像も優れたものとなった。
【0032】比較例 熱可塑性樹脂フィルムのマスターとして、共重合ポリエ
ステルを主体とした厚み10.6μmの実質的に非結晶
質な(結晶化度1%)フィルムを用い、サーマルヘッド
に接触する側に、熱融着防止層としてアクリルシリコー
ン(US−270;東亜合成化学社製)と更に帯電防止
剤として第4級アンモニウム塩ドデシルトリメチルアン
モニウムクロライド[C1225N(CH32CH3
l]を、1:1の比で乾燥重量0.2g/m2になるよ
うに、フィルムの片面に塗布した。このマスターを使用
して、リコー社製プリポートVT−3500にて、熱融
着防止層塗布面より製版したが、孔が開かず印刷画像は
得られなかった。
【0033】本発明の感熱孔版印刷方法は、実質的に熱
可塑性樹脂フイルムからなる感熱孔版マスターの両面に
複数の加熱手段により熱エネルギーを加え該フイルムに
画像状穿孔を形成し、その穿孔よりインキを透過せしめ
て被印刷体に画像を形成する製版印刷方法において、一
方の面から第1の加熱手段で点状に凹状の変形を与え、
次に反対側の面から第2の加熱手段で穿孔し画像を形成
することを特徴とする感熱孔版印刷方法を形成するとい
う構成としたことから、実質的の熱可塑性樹脂フィルム
からなるマスターを使用するにもかかわらず、良好な画
像を得ることができ、その上搬送性に優れる厚手の熱可
塑性樹脂フィルム(4μm〜6μm程度)に穿孔可能と
なり、さらにサーマルヘッド制御回路が複雑にならなく
て済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるマスターの穿孔形成過程を説明
する模式断面図であって、(a)は第一のサーマルヘッ
ドでマスターの片面に熱による凹状の変形が生じた状態
を示し、(b)は第二のサーマルヘッドでマスターの反
対側の面から熱が与えられ穿孔が得られた状態を示す。
【図2】本発明における製版工程の一例を示す模式断面
図である。
【図3】本発明における製版工程の別の一例を示す模式
断面図である。
【図4】本発明における製版工程の別の一例を示す模式
断面図である。
【図5】本発明における製版工程の別の一例を示す模式
断面図である。
【図6】マスターの穿孔形状を示す斜視図である。
【図7】本発明において、発熱体の発熱時におけるマス
ターとの相対的位置を示す模式断面図である。
【図8】本発明において、発熱体の発熱時におけるマス
ターとの相対的位置を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1、4、5…サーマルヘッド(全面グレーズタイプ) 2、6…サーマルヘッド(端面発熱タイプ) 3…搬送ローラー 10、11…プラテンローラー 15…ロール状マスター 16…マスター 17…テンションローラー 20、21…サーマルヘッド発熱体 20′、21′…直前発熱サーマルヘッド発熱体 22、23…サーマルヘッド保護層表面 S…穿孔前マスター表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−150351(JP,A) 特開 昭62−282983(JP,A) 特開 平6−320700(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41C 1/055 511 B41L 13/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に熱可塑性樹脂フイルムからなる
    感熱孔版マスターの両面に複数の加熱手段により熱エネ
    ルギーを加え該フイルムに画像状穿孔を形成し、その穿
    孔よりインキを透過せしめて被印刷体に画像を形成する
    製版印刷方法において、一方の面から第1の加熱手段で
    点状に凹状の変形を与え、次に反対側の面から第2の加
    熱手段で穿孔し画像を形成することを特徴とする感熱孔
    版印刷方法。
  2. 【請求項2】前記第1の加熱手段が全面点状発熱である
    ことを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版製版印刷方
    法。
  3. 【請求項3】 前記全面点状発熱を行なう加熱手段の副
    走査方向発熱体数密度が画像状発熱を行なう加熱手段の
    副走査方向発熱体数密度の約数になっていることを特徴
    とする請求項2に記載の感熱孔版製版印刷方法。
  4. 【請求項4】 前記全面点状発熱を行なう加熱手段の主
    走査方向発熱密度が画像状発熱を行なう加熱手段の主走
    査方向発熱密度の約数になっていることを特徴とする請
    求項2又は3に記載の感熱孔版製版印刷方法。
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