JP3458216B2 - 多結晶半導体膜の製造方法 - Google Patents
多結晶半導体膜の製造方法Info
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Description
方法におけるレ−ザアニ−ルによる結晶性の制御方法に
関する。
膜をレ−ザアニ−ルし、多結晶半導体薄膜に改質するプ
ロセスとしては、特開昭63-25913号公報やIEEE TRANSAC
TIONSON ELECTRON DEVICES,VOL.36,NO.12,DECEMBER 198
9 p2868-2872に記載された例がある。これらの従来例で
は、アニ−ルの雰囲気は真空中もしくは不活性ガス中で
あり、基板温度は室温としている。真空中或いは不活性
ガス中でレ−ザアニ−ルすることにより空気中の酸素や
水分及びその他の有害不純物原子を減少させ、また表面
に酸化膜等が形成されることを防止している。
ザアニ−ル時に薄膜中に酸素原子、炭素その他の異物が
混入するコンタミ現象や自然酸化膜の形成防止に関して
は考慮されているが、得られた多結晶半導体薄膜の結晶
粒径の均一性の保持や結晶粒の膜厚方向の分布に関して
配慮がされていない。そのため、これを用いて多数の薄
膜半導体装置を製造した場合、その電気特性のばらつき
が生ずる。
特性のばらつきを減少させるにある
に、本発明はレ−ザ照射時に基板側を高温に、半導体薄
膜表面が低温になるような温度勾配を設けることを特徴
としたものである。前記温度勾配を設ける手段として
は、レ−ザアニ−ル時に基板を加熱する方法、熱伝導に
優れた非酸化性ガスを照射雰囲気に使用する方法、前記
非酸化性ガスを予め冷却して注入する方法、及びこれら
の方法の組合せがある。さらに前記温度勾配を設ける手
段として、レ−ザアニ−ル装置に、基板加熱機構及びま
たはチャンバ−内に導入されるガスの冷却機構を備えて
もよい。また、レーザアニールを行う前に、半導体薄膜
に含まれる水素の濃度を、熱処理またはレーザ光照射に
より低減させる。
固化させる場合、一般には、冷却固化は、膜の内部のレ
−ザ照射により溶融しなかった部分と溶融した部分の境
界部から始まり、最終的に最表面層が固化する。シリコ
ン膜表面層を低温にし、基板側を高温にしておくことで
冷却固化がシリコン膜表面から起こる。これにより不均
一な下地膜との界面の影響を受けずに自由表面から結晶
化が起こり、シリコン膜上層部の粒径は均一となり、か
つ粒径が大きくなる。なおかつ、基板を加熱しておくこ
とでシリコン膜の下層部(基板側部分)の冷却速度が遅く
なり、シリコン膜下層部でも粒径を大きくすることがで
きる。このように基板を高温に、シリコン膜表面を低温
にしておくことで、膜全体が均一かつ大きな粒径の結晶
からなる多結晶シリコン膜が形成される。膜全体が均一
かつ大きな粒径の結晶から形成されるので、半導体装置
の電気特性のばらつきも少なくなる。また、レーザアニ
ールを行う前に、半導体薄膜に含まれる水素の濃度を、
熱処理またはレーザ光照射により低減させることによ
り、高エネルギのレーザ光が照射されたときに半導体薄
膜が剥離するのが避けられる。
説明する。
成を示すブロック図である。本装置は、石英製の窓を有
するチャンバ−13と、その真空排気系16と、前記チャン
バ−13に雰囲気ガスを供給する雰囲気ガス供給系15と、
該雰囲気ガス供給系15とチャンバ−13の間に介装されて
雰囲気ガスを冷却する冷却機構22と、該チャンバ−13
にレーザ光を投射するレ−ザ系18とを含んで成る。チ
ャンバ−13内にはx-y-zステ−ジ及びそれに設置した加
熱機構付サンプルホルダ−12が内蔵されている。レ−ザ
系18は、XeClエキシマレ-ザビームを発生するレーザ
発振器18Aと、ミラー18Bと、ビーム均一化機構1
8Cとを含んで構成されている。
ホルダ−12にセットし、基板加熱機構により基板を30
0℃に加熱した。サンプルとしては、ガラス基板10上にL
P-CVD法により非晶質シリコン膜11を厚さ100nm形成した
ものを用いた。次に、真空排気系16によりチャンバ-13
内を圧力が1mPaになるまで排気し、その後、雰囲気ガス
供給系15によりアルゴン,ネオンに比べて熱伝導性の優
れたヘリウム(He)をチャンバ-13内が1気圧(ほぼ101
325Pa)になるまで注入した。その後、サンプル表面
にXeClエキシマレ-ザを照射してレ−ザアニ−ルした。
レ-ザは発振波長308nm、パルス幅28nsのものを使用し、
照射エネルギ-は250mJ/cm2の条件でアニ-ルした。この
アニールの際、雰囲気中のHeガスの存在と基板の加熱
により、非晶質シリコン膜には、基板側が高く表面側が
低くなる温度勾配が形成された。上記アニ−ルプロセス
により得られた多結晶シリコン膜の断面TEM写真を見る
と、シリコン膜全体が均一な100nm程度の結晶粒径とな
っていた。結晶性に関しては、air中で基板加熱なしで
レ-ザアニ-ルしたものと、本実施例の方法によりレーザ
アニールしたもののX線回折強度を比較すると、前者は
回折強度が約0.8kcpsなのに対し、後者は約1.5kcpsと2
倍程度の差が生じ、これは後者の結晶成分が緻密である
ことを示している。以上のように、本実施例によれば、
結晶粒径が均一で、かつ結晶粒子の分布が緻密な結晶性
に優れた多結晶シリコン膜が形成できた。
法で形成した膜厚10、20、40、60、80、100nmの非晶質シリコ
ン膜を結晶化した。プラズマCVD法による成膜はガラス
基板上に、原料ガスとして水素H2とモノシランSiH4を
用い、圧力80Pa、基板温度300℃、RFパワ−60Wの条件
で形成した。まず、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜
を成膜した場合は、膜中に水素が多量に含有されるため
に、前記シリコン膜に高エネルギ−のレ−ザ照射すると
膜の剥離が発生する。そのため、レ−ザアニ−ルする前
処理として、水素を減らす工程を加えた。この工程とし
ては、約400℃の熱アニ−ルを行う方法や連続発振のレ
−ザを照射する方法などがあるが、本実施例では400℃
で15分間窒素雰囲気中で熱アニ−ルし、膜中に含まれる
水素濃度を9%以下に減らした。その後、図1に示した装
置にサンプルをセットし、上述実施例と同様なプロセス
でレ−ザアニ−ルした。得られた多結晶シリコン膜の結
晶性について、図2に示す。縦軸は、X線回折評価の結果
得られた(111)面、(220)面、(311)面からの回折強度の
和を膜厚で割ったものであり、横軸は非晶質シリコン膜
の膜厚である。図2から、基板加熱しない従来の方法で
レ−ザアニ−ルした場合の特性Aと比べると、本実施例
(特性B)のものは、膜厚に依らず均一に、かつ非晶質シ
リコン膜全体を結晶化できることが判った。又、X線回
折ピ−クの半値幅より算出できる結晶子サイズと膜厚の
関係を、結晶子サイズ(nm)を縦軸に膜厚(nm)を横軸
にとって図3に示す。この結果から、本実施例のもの(特
性B)は結晶子サイズも膜厚に依らずにほぼ一定な12n
m程度の値が得られ、従来法(特性A)に比べて均一性が
優れていることがわかる。なお、結晶子は、顕微鏡的物
体で結晶の初期的形成物をいう。本実施例によっても、
前記第1の実施例と同様の効果が得られた。
した場合について述べる。ガラス基板上にゲ−ト電極と
なるCr膜2をスパッタ法により厚さ120nm堆積し、ホト
エッチング工程によりゲ−ト電極パタ−ンにパタ−ニン
グする(図4)。その後、プラズマCVD法により、ゲ−ト
絶縁膜としてのSiN膜3及び半導体能動層としての非晶
質シリコン膜4を連続して堆積させる(図5)。SiN膜3
の形成条件は、基板温度350℃、ガス流量はSiH4 10scc
m、NH3 60sccm、N2 200sccmとし、膜厚350nm堆積し
た。非晶質シリコン膜4の形成条件は基板温度300℃、
ガス流量はH2 200sccm、SiH4 70sccmとし、膜厚100nm
堆積した。その後、熱処理して水素含有量を減少させて
から図1に示した装置を用いて、本発明の方法により結
晶化を行った。冷却機構22で室温以下に冷却したArガ
スをサンプル表面に吹き付け、基板加熱温度を300℃、X
eClエキシマレ−ザの照射エネルギ−を260mJ/cm2とし
て、非晶質シリコン膜4に基板側が高く表面側が低くな
る温度勾配を形成した。非晶質シリコン膜4が結晶化さ
れて多結晶シリコン膜5となった後の構造断面図を図6
に示す。その後、n型シリコン膜6をプラズマCVD法によ
り230℃で40nm堆積し、所定のパタ−ンにホトエッチン
グによりパタ−ニングした。そして、ソ−ス・ドレイン
電極としてスパッタ法により100℃でCr膜7を60nm、Al
膜8を370nm形成した。上記プロセスの後、ホトエッチ
ング工程により、まずAl膜8及びCr膜7をソ−ス・ド
レイン電極パタ−ンとなるように選択除去し、次にn型
シリコン膜6をドライエッチングにより除去し、チャネ
ル領域を形成した。この時の構造断面図を図7に示す。
るためにN2中で200℃で1時間熱処理し、ゲ−ト電圧と
ドレイン電流の関係を測定した。その結果、200mm×260
mmの大きさのガラス基板に形成したTFTの特性は、電界
効果移動度45±10cm2/V・s、しきい値電圧2.4±0.4Vの
良好な特性が得られた。一方、本発明の方法を用いず
に、基板加熱なしの真空中でレ−ザアニ−ルした場合の
TFTの特性は、電界効果移動度は平均15cm2/V・s、最大5
2cm2/V・s、最小8cm2/V・sと小さく、かつばらつきが大
きい。以上のように、本実施例によれば、電気的特性の
優れたTFTが形成できた。
ス方式液晶ディスプレイに適用した実施例について説明
する。前記液晶ディスプレイの概略図を図8に示す。画
素部100と駆動回路部101は、基板1上に同一のプロセス
で形成されるTFTで構成されている。これらのTFTは、プ
ラズマCVD法で形成した非晶質シリコン膜の含有水素量
を減らした後に、図1で示した実施例と同様なプロセス
で結晶化された。この時の基板加熱温度は300℃であ
る。前述のようにして、図8に示した液晶ディスプレイ
を作成した。その際、透明電極、保持容量部の形成に関
しては従来と同一の方法を用いた。以上のようにして、
駆動回路一体型TFTアクティブマトリクス方式液晶ディ
スプレイが形成できた。本実施例によれば、同一基板上
に、一つの工程で同時に画素部100と駆動回路部101が形
成されるので、製造工程が簡単化かつ短縮され、液晶デ
ィスプレイのコンパクト化及びコスト低減の効果が得ら
れた。
板加熱温度は、いずれも300℃であるが、加熱温度
は、レーザアニール時に結晶化しようとしている膜から
の上下方向(基板と垂直の方向)への放熱量がほぼ均一に
なるように設定すればよい。また、雰囲気ガス供給系1
5から不活性ガス等の非酸化性ガスを供給する際に、冷
却機構22でそのガスを冷却し、結晶化しようとしてい
る膜の表面側からの放熱を促進することによって基板の
加熱と合わせて膜からの放熱量を制御することができ
る。ただし、基板の加熱温度は、基板としてガラスが用
いられている場合は歪点以下(例えばコーニング705
9ガラスで約600℃以下)、シリコン基板の場合はそ
の融点以下に押さえる必要がある。
アニール時に該非晶質半導体膜が基板側から加熱される
ので、該膜の結晶化が膜の表面側からも進行し、非晶質
半導体膜を、結晶粒径が半導体膜の深さ方向にも均一な
多結晶半導体膜に改質することが可能となり、電気特性
及びその均一性にも優れている薄膜半導体装置が製造さ
れる効果がある。また、高エネルギのレーザ光が照射さ
れたときに半導体薄膜が剥離するのが避けられる。
要部構成を示すブロック図である。
結晶性の評価結果の関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
形成時)におけるTFTの断面模式図である。
形成時)におけるTFTの断面模式図である。
結晶化後)におけるTFTの断面模式図である。
である。
部とが同時に形成された一体型液晶ディスプレイの要部
配置を示す平面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 絶縁基板上にプラズマCVD法により非
晶質Si膜を形成する工程と、前記絶縁基板の非晶質S
i膜に非酸化性ガスを吹き付けることにより、前記非晶
質Si膜の表面層が前記絶縁基板よりも低温になるよう
に温度勾配を設けて、アニール用レーザ光を前記非晶質
Si膜に照射して非晶質Si膜を多結晶Si膜に転換す
る工程と、を有してなる多結晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記アニール用レーザ光は、ミラー及び
ビーム均一化機構により調節されることを特徴とする請
求項1記載の多結晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記非酸化性のガスは、冷却した非酸化
性のガスであることを特徴とする請求項1又は2記載の
多結晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項4】 前記非酸化性のガスは、室温以下に冷却
されたものであることを特徴とする請求項3記載の多結
晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項5】 アニール用レーザ光により前記非晶質S
i膜を多結晶Si膜に転換する工程の前に、前記非晶質
Si膜中に含まれる水素濃度を熱処理又はレーザ照射に
より9%以下に減ずる工程を有することを特徴とする請
求項1〜4のいずれか1項に記載の多結晶半導体膜の製
造方法。 - 【請求項6】 前記非晶質Si膜中の水素濃度を減ずる
工程と前記非晶質Si膜を多結晶Si膜に転換する工程
との間に、前記絶縁基板をチャンバ内に配置して該チャ
ンバを真空に排気する工程を有することを特徴とする請
求項5記載の多結晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項7】 前記非晶質Si膜を多結晶Si膜に転換
する工程において、前記温度勾配を設けるためにさらに
前記絶縁基板を加熱することを特徴とする請求項1〜6
のいずれか1項に記載の多結晶半導体膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記絶縁基板を加熱する温度は、300
℃以上600℃以下の温度であることを特徴とする請求
項7に記載の多結晶半導体膜の製造方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006216980A (ja) * | 1996-02-15 | 2006-08-17 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 半導体装置の作製方法 |
US6071796A (en) * | 1998-10-30 | 2000-06-06 | Sharp Laboratories Of America, Inc. | Method of controlling oxygen incorporation during crystallization of silicon film by excimer laser anneal in air ambient |
EP1993127B1 (en) * | 2007-05-18 | 2013-04-24 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Manufacturing method of SOI substrate |
-
1991
- 1991-03-15 JP JP05127091A patent/JP3458216B2/ja not_active Expired - Lifetime
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