JP3458081B2 - 内視鏡用洗浄消毒装置 - Google Patents

内視鏡用洗浄消毒装置

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JP3458081B2 JP31696899A JP31696899A JP3458081B2 JP 3458081 B2 JP3458081 B2 JP 3458081B2 JP 31696899 A JP31696899 A JP 31696899A JP 31696899 A JP31696899 A JP 31696899A JP 3458081 B2 JP3458081 B2 JP 3458081B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡を洗浄消毒
液により洗浄消毒する内視鏡用洗浄消毒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内視鏡用洗浄消毒装置では、洗浄
消毒液を収容した洗浄槽の上側の開口部に開閉自在な蓋
を設けてあり、内視鏡の洗浄中は、この蓋を閉じ、洗浄
消毒液の飛散を防止している。洗浄槽内に内視鏡を設置
する際、および、洗浄を終えた内視鏡を取出す際に、こ
の蓋を開閉する。この蓋は、一側をヒンジ等で洗浄槽側
に枢着され、他側に設けられたロック機構を解除するこ
とにより、開かれる。
【0003】図9の(A)から(C)は、このような内
視鏡用洗浄消毒装置に用いられるロック機構を示す。こ
の従来のロック機構は、蓋の下面に取付けられたU字状
のアームaを収容する凹部を先端に有する受金bと、こ
の受金bに対向させた掛金cとを有する。これらの受金
bおよび掛金cは、それぞれ枢軸d,eで洗浄槽側の本
体部に枢着され、それぞれの対向する各端部を上方に向
けて付勢されている。これらの受金bおよび掛金cは、
上方に開口する開口部を介してアームaを受入れる。
【0004】(A)に示す状態では、受金bはその先端
の凹部内にアームaを収容した状態で、掛金cと係合す
る。これらの受金bと掛金cとはそれぞれの枢軸d,e
よりも下側で係合するため、互いにロックされ、アーム
aを受金bの凹部内に保持した状態を維持する。そし
て、(B)に示すように、掛金cをその付勢力に抗して
反時計方向に回動すると、受金bとの係合が解除され
る。これにより、受金bは、(C)に示すように、その
付勢力で反時計方向に回動され、先端の凹部が上方に向
き、アームaを解放する。
【0005】逆に、アームaを(C)の状態から下方に
押圧すると、受金bが枢軸dを中心として時計方向に回
動する。これにより、掛金cが、(B)に示すように、
反時計方向に回動されて受金aの下端部を受入れた後、
その付勢力により、(A)に示す状態に戻る。
【0006】このようなロック機構の解除手段として
は、手で押して掛金cによる受金aのロックを解除する
ボタン、あるいは、ロック解除用ソレノイドの電気的接
点を持つフットスイッチを用いたものがある。更に、上
述のようなロック機構を持たない場合には、ワイヤーや
リンクを介して蓋の後ろ側をフットペダルに連結し、こ
のフットペダルにより、蓋を直接引いて開けたりするも
のもある。
【0007】また、蓋を洗浄槽側に枢着するヒンジとし
てばねヒンジを用いたもの、更に、蓋の開放速度を調整
するためのショックアブソーバを設けたものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の内視鏡
用洗浄消毒装置では、蓋を開けるのに、ボタンを手で押
してロックを解除する場合は、ボタンを操作するために
力を必要とする上に、手がふさがっている状態では操作
することができない。また、ロック解除用ソレノイドの
電気的接点をフットスイッチに設けたものでは、ソレノ
イドやフットスイッチなどの高価な部品を必要とする上
に、電源から遮断された状態のときに操作することがで
きない。更に、ワイヤーあるいはリンクを介して蓋の後
ろ側をフットペダルで引いて開けるものでは、ワイヤー
あるいはリンクが長くなるため、コストが上昇し、フッ
トペダルの押し込み量を少なくすると大きな踏み込み力
が必要となり、操作性が劣る。そして、このようなロッ
ク機構は、上方に開口する開口部を必要とするため、内
部の機器に対する防水対策を行う上で不都合である。
【0009】また、このような蓋を枢着する従来の市販
のばねヒンジは、ばね圧の調整範囲が狭いため、蓋の仕
様変更やオプションなどを乗せたりして蓋の荷重が変わ
ると、開閉することが困難となることがあった。また、
蓋を開放する角も例えば60°前後の狭い範囲に固定さ
れているため、使い勝手が良好であるとはいえない。ま
た、開放速度を調整するためにショックアブソーバを取
付けると、開閉機構が大きくなり、取り付け場所を確保
することが困難であった。
【0010】本発明は、上記の事情に基づいてなされた
もので、内部への水の侵入を効果的に防止すると共に、
操作性が良く、低コストの内視鏡用洗浄消毒装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、洗浄消毒するための内視鏡を設置するための洗浄
槽と、この洗浄槽の側周面を覆う外装部材と、この洗浄
槽の上面を覆うための蓋体と、この蓋体を前記洗浄槽に
対して開閉自在に支持する蓋体開閉支持手段と、前記蓋
を洗浄槽に対して閉状態で保持するための保持手段と、
を有し、内視鏡を洗浄消毒液により洗浄消毒する内視鏡
用洗浄消毒装置において、前記保持機構は、少なくと
も、前記蓋体に設けられた係止手段と、前記外装部材の
略鉛直面に形成された溝部より突出させて設けられ、こ
の係止手段と係合することで前記蓋体を閉状態で保持す
る係合手段と、を有することを特徴とする。
【0012】前記係合手段は、前記溝部より突出して前
記係止手段と係合する係合部を有する係合腕と、この係
合腕を回動自在に支持し、係合部が、前記係止手段と係
合する第1の位置と、係止手段を解放する第2の位置と
の間で移動可能とする回動支持手段と、前記係合腕を前
記第2の位置の方向に付勢する付勢手段と、前記係合腕
が前記係止手段と係合したときに、前記係合腕の回動を
規制する回動規制手段と、この回動規制手段による回動
規制を解除する解除手段と、を有することが好ましい。
【0013】更に、前記蓋体開閉支持手段は、前記蓋体
を回動自在に支持する回動支持部と、前記蓋体を開状態
の方向に付勢する付勢手段と、前記蓋体の回動に連動し
て回動し、前記蓋体の開状態の度合いに応じて大きくな
る半径を有するカム面が形成されたカム手段と、前記蓋
体の回動に連動して前記カム手段の前記カム面により押
下げられるとともに、前記カム面を押圧する押圧部材
と、この押圧部材による前記カム面への押圧力を調節す
る押圧力調節手段と、を有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施形態】図1は本発明の好ましい実施形態に
よる内視鏡用洗浄消毒装置の概要構成図を示す。この内
視鏡用洗浄消毒装置50では、内視鏡1を設置する洗浄
槽2の上側に開口部が設けられ、この開口部に蓋3が設
置されている。作業者は、洗浄しようとする内視鏡1を
洗浄槽2内にセットする際に、この蓋3を開けて所定位
置にセットする。
【0015】この蓋3は、ヒンジユニット43により洗
浄槽2に取付けられている。このヒンジユニット43は
バネ力を蓋3を開ける方向に作用させており、蓋3を閉
じた状態では、この洗浄消毒装置に設けたラッチ機構
が、そのフックにより、蓋3に取り付けられたアームを
抱え込んだ状態で保持している。ラッチ機構に設けられ
た開放用腕が、ロッドまたはワイヤーを介して蓋開放用
のフットペダルに連結されており、この蓋開放用のフッ
トペダルを踏み込むと、ラッチ機構が蓋3に取付けられ
たアームを解放し、蓋3は、ヒンジユニット43のバネ
力で付勢され、所定の位置まで開くことができる。
【0016】この洗浄槽2の底部には、超音波振動子を
底面に取り付けた振動板4を設けてあり、洗浄槽2内の
洗浄消毒液中に超音波振動を発振する。さらに、洗浄槽
2の中央部には、この洗浄槽2内に収容する液量を低減
するための塔5を設けてある。この塔5の内側には洗浄
槽2内の液体を加保温するためのヒータ6が設けてあ
る。
【0017】また、洗浄槽2の外側に配置したエアーポ
ンプ40が、漏水検知管路39を介して洗浄槽2の漏水
検知用接続口38に接続されている。この漏水検知用接
続口38に、漏水検知チューブ37を介して内視鏡1を
接続することにより、内視鏡1の漏水を検知することが
できる。
【0018】洗浄槽2に高圧水を噴射する流液噴出口7
には、流液洗浄用管路9を介して流液洗浄用のポンプ8
の吐出口が連通されている。このポンプ8の吸込側は、
洗浄槽底部の循環液吸込口20に連通されている。流液
洗浄ポンプ8は、循環液吸込口20から吸込んだ洗浄消
毒液を、噴出口7から高圧水として噴出する。これによ
り、噴出口7の近傍におかれた被洗浄物は非常によく洗
浄される。
【0019】更に、この吸込口20には、吐出側をスコ
ープ管路内洗浄用管路19に接続したスコープ管路内洗
浄用ポンプ21の吸込側が接続されている。スコープ管
路内洗浄用管路19からは、チャンネル接続口22に連
通する管路27と、天井面洗浄ノズル23に連通する管
路24とが分岐しており、これらの管路27には各電磁
開閉弁25が介挿され、管路24には電磁開閉弁26が
介挿されている。
【0020】チャンネル接続口22は、内視鏡操作部保
持部41の上に設置された内視鏡1の各種チャンネル
に、内視鏡管路洗浄用チューブ28を介して連結され
る。この内視鏡操作部保持部41は、その一部が移動可
能であり、洗浄槽2の中に内視鏡1をセットする際に、
この内視鏡1の設置作業を容易とする仮置き台として作
用させることができる。
【0021】また、チャンネル接続口22に連結されて
いるスコープ管路内洗浄用管路19の途中には、逆止弁
29を介してエアー供給管路30が接続されている。こ
のエアー供給管路30を介して、コンプレッサー31か
らの圧縮空気を内視鏡1の各種チャンネル接続口22お
よび天井面洗浄ノズル23から噴出させることにより、
除水を行うことができる。
【0022】更に、洗浄槽2には、注入ポンプ34を介
挿した管路33を介して消毒液タンク32に接続されて
いる。この消毒液タンク32から延びる薬液回収管路4
2と、排水ポンプ36を介挿した排水管路35とが、管
路切換弁機構13を介して、洗浄槽2の排水口14に連
結されている。この管路切換弁機構13は、洗浄槽2の
排水口14を介して洗浄槽2内の液体を、排水管路35
と薬液回収管路42とに任意に振り分ける弁機構を有し
ている。
【0023】次に上記の内視鏡用洗浄消毒装置50の作
用について説明する。まず、洗浄消毒装置50を使用す
る際には、使用済みの内視鏡1を洗浄槽2内にセット
し、この内視鏡1と漏水検知用接続口38とを、漏水検
知チューブ37で連結する。
【0024】その後、操作パネルの漏水検知スイッチを
押すと、例えば水道水等の給水源からの洗浄水が給水フ
ィルター10および逆止弁11を介挿した給水系管路1
5を介して、注入口18から洗浄槽2内に供給される。
そして、一定量の水が洗浄槽2内に溜められると、エア
ーポンプ40が動き、漏水検知管路39及び漏水検知チ
ューブ37を介して、エアーが内視鏡1の漏水検知管路
に送り込まれる。仮に、内視鏡1にピンホール等の穴が
存在する場合は、内視鏡1から気泡が発生するので目視
で判別することができる。
【0025】漏水検知が終了した後、洗浄槽2に溜めら
れた水は、この洗浄槽2から排水する。この後、漏水検
知チューブ37を内視鏡1および漏水検知用接続口38
から外し、内視鏡管路洗浄用チューブ28を内視鏡1お
よびチャンネル接続口22に連結する。
【0026】その後、操作パネルの各種操作スイッチの
操作にともない洗浄、消毒、すすぎ、送気の各工程が行
われる。洗浄、消毒の時間や消毒液の温度などは、図示
していない設定パネルでユーザーが設定する。
【0027】この洗浄消毒装置の始動後の動作の一例を
示すと、まず洗浄工程では初めに給水弁17が開き、例
えば水道水等の給水源16からの洗浄水を、給水フィル
ター10を介挿した給水系管路15および注入口18か
ら洗浄槽2内に供給する。この洗浄工程を開始する前に
は、あらかじめ設定した量の洗剤を、洗浄槽2内に注入
しておく。
【0028】そして、一定量の水が供給されると流液洗
浄が開始され、洗浄槽2内の水位が指定位置に達する
と、給水弁17が閉じられる。この工程では内視鏡1に
付着した大きな汚れ、柔らかい汚れ、軽い汚れ等が洗浄
される。すなわち、洗浄槽2内に形成される渦巻状の液
流あるいは流液噴出口7から噴出された液の衝撃力によ
って、このような汚れが落とされる。
【0029】あらかじめ設定された流液洗浄の工程時間
が終了すると、続いて超音波洗浄が行われる。超音波洗
浄では、内視鏡1に付着した堅い汚れや、複雑形状部の
汚れ等が強力に落とされる。その後、超音波洗浄工程が
終了すると、再び流液洗浄が行われる。この超音波洗浄
流液洗浄工程では、前の超音波洗浄工程でふやけて内視
鏡1から剥がれかかった汚れが落とされる。
【0030】洗浄工程が終了した後、管路切換弁機構1
3が、排水口14を排水管路35に連通させる。これと
同時に、排水ポンプ36が駆動され、洗浄槽2内の洗浄
液が、外部に排出される。その後、給水弁17が開いて
新しい水が洗浄槽2内に供給されると共に、スコープ管
路内洗浄用ポンプ21が駆動され、すすぎが行われる。
【0031】このすすぎ工程の間に、あらかじめ設定さ
れた時間及び回数で電磁切換弁25,26の開閉を交互
に切換え、天井面洗浄管路24にすすぎ水を送り、天井
面洗浄ノズル23から噴出するすすぎ水で洗浄槽2の天
井面を洗浄する。
【0032】また、このすすぎ工程の後半では、スコー
プ管路内洗浄用ポンプ21が停止され、一方、コンプレ
ッサー31が作動される。電磁開閉弁25,26の開閉
を切換えることにより、チャンネル接続口22を介して
内視鏡1の各種チャンネル内にエアーが送込まれ、天井
面洗浄ノズル23にもエアーが送り込まれ、したがっ
て、内視鏡1と天井面洗浄管路24との水切りが行われ
る。
【0033】すすぎ工程が終了した後、続いて消毒工程
が行われる。この消毒工程では初めに消毒液タンク32
の中の消毒液が、注入ポンプ34により、消毒液注入管
路33を介して注入口18から洗浄槽1に供給される。
給水系管路15中の逆止弁11および消毒液注入管路3
3中の逆止弁12は、給水と消毒液との逆流を防止す
る。
【0034】内視鏡1の全体は洗浄槽2内に溜められた
消毒液に完全に浸漬されるとともに、スコープ管路内洗
浄用ポンプ21のオン操作により洗浄槽2内の消毒液が
チャンネル接続口22に供給され、内視鏡1の外側と内
部チャンネルとの双方の消毒が行われる。この消毒工程
により、洗浄消毒装置50内の汚れの生じる管路の全て
にも消毒液が循環されるため、内視鏡1と共に洗浄消毒
装置50内も自動的に消毒することができる。そして、
所定時間が経過すると、管路切換弁機構13が排水口1
4を薬液回収管路42に連通させ、消毒液を消毒液タン
ク32に回収する。
【0035】消毒工程の終了に続いて、再びすすぎ工程
が行われる。すすぎ工程の後、コンプレッサー31の駆
動により、内視鏡1のチャンネルあるいは管路内の水切
りが完全に行われる。さらに、一定時間経過後、排水ポ
ンプ36が停止する。最後の工程が終了した後、洗浄槽
2に水が残留しないように、管路切換弁機構13は排水
口14を排水管路35に連通した状態に保持される。
【0036】図2は、内視鏡用洗浄消毒装置50の蓋体
を開閉する自動オープン機構の全体を示し、図3は、こ
れに用いるラッチ機構の一部を示す。この実施形態で
は、洗浄消毒装置50は、上述の洗浄槽2の側周面を覆
う外装部材51を有し、この外装部材51の上側に、洗
浄槽2の開口部を覆う蓋52が蓋体開閉支持手段である
ヒンジユニット53で枢着される。そして、このヒンジ
ユニット53と反対側の縁部を、保持手段としてのラッ
チ機構54で保持させることにより、洗浄槽2の開口部
を閉じた状態に保持することができる。図2および図3
に示すように、このラッチ機構54は、蓋体に設けられ
た係止手段すなわち蓋52の下面から突出する略U字状
のアーム55を、外装部材51に取付けられた係合手段
であるフック59で係止することにより、蓋52を閉じ
た状態に保持する。
【0037】本実施形態における外装部材51は、その
上縁部に凹部56を形成し、この凹部56を区画する略
鉛直面57に形成した溝58を通して、フック59の先
端部をこの凹部56内に突出させている。この凹部56
は、外装部材51の上面と側面とに開口しており、上面
側からフック59を受入れる。このフック59を突出さ
せる溝58が、凹部56の略鉛直面57に形成されてい
るため、この溝58を介して外装部材51の内部に水滴
等が侵入する虞はなく、更に、凹部56が外装部材51
の側面に開口しているため、この凹部56内に水滴等が
侵入しても直ちに外部に排出される。なお、溝58は、
図示の略鉛直壁57に代え、この略鉛直壁57を挟んで
対向する一対の鉛直壁のうちのいずれか一方に形成して
もよいことは明らかである。
【0038】図4および図5は、ラッチ機構54の詳細
を示し、図4の実線および図5の(B)は、ラッチ機構
54が蓋52を解放し、この蓋52を開いた状態を示し
ている。また、図4の想像線および図5の(A)は、フ
ック59が、蓋52のアーム55を抱え込み、蓋52を
閉じた状態に保持する状態を示す。
【0039】このラッチ機構54のフック59は、外装
部材51のアーム55を受入れる係合部としてのC字状
の口部59cを先端部に有する細長い腕すなわち係合腕
として形成してあり、軸68を介して、その中間部を外
装部材51に枢着される。そして、このフック59の基
端部には、一端を外装部材51側に固定されたコイル状
の引張りバネ60が取付けられ、このコイル状の引張り
バネ60により、この軸68を中心として時計方向に回
転するように付勢されている。このバネ60が取付けら
れたフック59の基端部は、回動規制手段である解除腕
61により、アーム55を係止する位置と、アーム55
を解放する位置とに選択的に保持される。
【0040】解除腕61は、軸67を介して外装部材5
1に枢着され、この軸67に装着されたバネ62によ
り、軸67を中心として反時計方向に付勢されている。
この解除腕61は、軸67の上方に突出した突出部に互
いに隣接させた摺動面61aと係止面61bとを有し、こ
の摺動面61aをフック59の基端部に形成した摺動面
59aに係合させた状態では、このフック59は図5の
(B)に示すようにバネ60の付勢力によりアーム55
を解放する位置に配置される。この位置では、フック5
9をバネ60の付勢力に抗して反時計方向に回転する
と、このフック59の摺動面59aが解除アーム61の
摺動面61aに摺動しつつこの解除腕61を軸67を中
心として時計方向に回動する。そして、摺動面59aの
先端が摺動面61aを越えると、解除腕61がバネ62
の付勢力で反時計方向に戻され、図5の(A)に実線で
示すように、フックの係止面59bと解除腕61の係止
面61bとが当接し合う。これにより、フック59は、
図5の(A)に示すようにバネ60の付勢力に抗してア
ーム55をロックする位置に配置される。
【0041】本実施形態の解除腕61は、外装部材51
の内方に配置される側が、フック59の回動規制を解除
する解除手段であるワイヤあるいはロッド63を介し
て、洗浄装置50の下方に取り付けられた蓋開放用のフ
ットペダルユニット64と連結されている。
【0042】蓋52を開く場合は、フットペダルユニッ
ト64のフットペダル64aを下方に軽く踏み込み、フ
ットペダル64aに連結したロッド63を下方に引張
る。ロッド63の上端に連結された解除腕61は、図5
の(A)に想像線で示すように、軸67を中心に時計方
向に回動する。これにより、この解除腕61は、係止面
61bを介して、フック59をその軸68を中心として
反時計方向に回動する。係止面61bがフック59の基
端部を越えると、解除腕61とフック59との係合が解
除され、フック59はバネ60の付勢力により、時計方
向に回動され、図5の(B)に示す位置に配置される。
なお、フック59の先端部に形成した口部59cは、フ
ック59が解除腕61により反時計方向に回動されたと
きに、アーム55との干渉を防止する十分な大きさある
いは深さを有する。
【0043】図5の(B)に示す位置では、フック59
は、先端部の口部59cを上方に向けて配置され、これ
により、抱え込んでいた蓋52のアーム55を開放す
る。バネ62,65は、それぞれ解除腕61と、フット
ペダル64とを元の位置に戻す。アーム55を解放され
た蓋52は、この蓋52を外装部材51に連結するヒン
ジユニット53のバネの付勢力により、上方に開く。
【0044】このように蓋52を解放した状態では、フ
ック59の先端部の口部59cは、下側の顎部のみが溝
58から凹部56内に突出している。この状態で蓋52
を閉じると、アーム55が凹部56内に移動し、図5の
(B)に示すように、この凹部56内に突出しているフ
ック58の下側の顎部を押下げつつ、口部59c内に入
り込む。このとき、フック59は軸68を中心として回
動し、解除腕61の摺動面61aを押圧してこの解除腕
61を時計方向に回動する。そして、フック59の基端
部が摺動面61aを越えて移動すると、解除腕61がバ
ネ62の付勢力により、反時計方向に回動され、図5の
(B)に示すように、係止面61bをフック59の係止
面59bに係合させる。これにより、アーム55は、ヒ
ンジユニット53の付勢力に抗してこのラッチ機構54
で保持される。
【0045】このようなラッチ機構54は、洗浄槽2あ
るいは外装部材50の下方に設けたフットペダル64a
にワイヤあるいはロッド63で接続し、このフットペダ
ル64aを踏込むことでラッチ機構54による蓋52の
ロックを解除できるため、手を使わずに軽く少ない動作
で蓋を開くことができるようになった。
【0046】図6は、ヒンジユニット53の詳細を示
す。図6に示す実施形態では、ヒンジユニット53は、
洗浄消毒装置50の蓋52に取付けられる蓋取付板74
と、洗浄槽2あるいは外装部材51に取付けられ手蓋5
2を回動自在に支持する回動支持部すなわちハウジング
78とを備える。このハウジング78の側壁80から延
びる一対の腕部と蓋取付板74に結合された一対の板部
71とを、中央部にカム手段すなわちカム69を設けた
軸73が貫通する。この軸73上には、側壁80と板部
71とを貫通する部分に、動きを滑らかにするブッシュ
が装着され、更に、このカム69の両側でそれぞれ逆方
向に巻かれ、蓋52を開方向に付勢する付勢手段である
トーションバネ70が装着されている。このカム69は
板部71側にねじ止めされており、蓋52の回動に連動
して回動し、蓋52の開状態の度合いに応じて大きくな
る半径を有するカム面が形成されている。符号72は軸
73の止め輪を示す。
【0047】このトーションバネ70は、両端部を側壁
80に固定されたバネ押え板75で係止され、中央のタ
グ部を、蓋取付板74で係止され、ハウジング78ある
いは外装部材51に対して蓋取付板74あるいは蓋52
を開く方向に付勢する。そして、トーションバネ70に
より蓋52が急激に開くのを防止するため、押圧部材で
あるショックアブソーバ77が止め板76を介してハウ
ジング78に取付けられている。このこのショックアブ
ソーバ77は、蓋52を開くときに、カム69のカム面
により押し下げされるとともに、このカム面を押圧し、
蓋取付板74あるいは蓋52の動きを緩衝する。このよ
うに、ショックアブソーバ77をハウジング78内に収
容し、軸73の中央部に設けたカム69でこのショック
アブソーバ77を作動することにより、このヒンジユニ
ット53が極めてコンパクトな構造に形成される。
【0048】トーションバネ70の付勢力を調整するた
め、腕部80には図6の(B)の紙面に垂直な方向に沿
って長く形成した長穴(図示しない)を形成してあり、
この長穴を介してバネ押え板75の固定ねじ79が挿通
される。重い蓋を持ち上げる時は、トーションバネ70
の両端部をハウジング78内に押込む方向すなわち図6
の(A)で見たときに左の方向にバネ押え板75を移動
する。また、ショックアブソーバ77の止め板76から
出る量Aを調整することにより、カム69のカム面への
押圧力を調節し、蓋52の開放角度を任意に調整するこ
とができる。
【0049】図7は、第2の実施形態によるヒンジユニ
ット53を示す。トーションバネ81を2連にしてあ
り、ショックアブソーバ90と対称に、蓋52の開閉を
検知するセンサー92を取り付けてある。調整ネジ93
を締め込むと、トーションバネ81の付勢力が強まる方
向にバネ圧調整板88が押し込められ、蓋52を開く力
を大きくすることができる。ショックアブソーバ90を
押すカム83とセンサー92の腕を押すカム82とは、
蓋取付板87に固定されており、軸86を中心に回転運
動をする。ハウジング91と蓋取付板87との軸86の
通る穴には、回転を滑らかにするためのブッシュ84が
挿入されている。図6に示す実施形態と同様にショック
アブソーバ90の固定版89から出る量Aを調整するこ
とで、任意に蓋52の開放角度を設定できる。
【0050】図8は、ヒンジユニット53の第3の実施
形態である。蓋取付板97には洗浄消毒装置50の蓋5
2が取り付けられる。上述の実施形態におけるショクア
ブソーバの代わりに、軸としてオイル封入型のロータリ
ーダンパー96を左右から取り付けたものである。符号
94は、両ロータリーダンパー96を固定するダンパー
固定板を示す。トーションバネ95は、第1実施形態と
同様ハウジング99に固定される。バネ押え98によっ
てトーションバネ95の付勢力を調整できるようになっ
ている。
【0051】洗浄槽の蓋を自動的に開けるためのばねヒ
ンジにおいて、ダブルトーションばねを使って、その中
央にショックアブソーバとそれを押すカムを配置するこ
とで、高トルクかつ小型化を実現し、ばね圧を調整する
機構を設けることでショックアブソーバの負荷圧調整機
構の組み合わせで、広範囲の蓋荷重に対応できる様にな
った。また、ストッパの位置を調整可能にすることで、
簡単に開放角度を自在に設定できる様になった。
【0052】なお、前述した説明によれば、少なくとも
以下に付記として列記する特徴事項が得られる。
【0053】<付記> 1. 洗浄槽の蓋を閉まった状態に保持するラッチ機構
の下方に、そのラッチを解除するフットペダルを設け、
ラッチ機構の解除腕と接続した内視鏡用洗浄消毒装置。
【0054】この内視鏡用洗浄消毒装置は、安価で壊れ
にくい構造で、被洗浄物を両手に持った操作者が手を使
わずに、軽く足で操作して洗浄槽の蓋を開くことができ
るため、製品の品質を上げ、かつ原価を下げられるだけ
でなく、操作者の負担も低減できる。機械式の機構構成
なので、装置の電源を切った状態でも蓋の開閉ができる
ので、装置のメンテナンス時に便利である。
【0055】2. 洗浄槽の蓋を止めているラッチ機構
を解除すると、ばねヒンジの力で自動的に蓋が開く内視
鏡用洗浄消毒装置において、そのばねヒンジが、ダブル
トーションばねを使って、その中央にショックアブソー
バとそれを押すカムを配置して、小型で高トルクのばね
ヒンジである内視鏡用洗浄消毒装置。
【0056】この場合には、強力ばねヒンジとショック
アブソーバーを一体化小型化することで、装置への取付
けが容易になる。
【0057】3. 洗浄槽の蓋を止めているラッチ機構
を解除すると、ばねヒンジの力で自動的に蓋が開く内視
鏡用洗浄消毒装置において、そのばねヒンジが、ばね圧
を調整する機構とショックアブソーバの負荷圧調整機構
の組み合わせで、広範囲の蓋荷重に対応できる内視鏡用
洗浄消毒装置。
【0058】この内視鏡用洗浄消毒装置は、ばね圧調整
機構とショックアブソーバーの調整機構の組み合わせ
で、調整領域が増えるため、広範囲の蓋荷重に対応で
き、また広範囲に開きスピードを制御できる。内視鏡用
洗浄消毒装置の蓋は、この蓋に着いた水滴が外部に飛び
散らないようにゆっくり開くことが重要であり、そのた
めには、ヒンジのバネ圧を蓋の荷重に合わせて適切な値
に設定しなければならないが、仕様変更などで蓋の荷重
が変化した時にヒンジの設計をし直さなければならなか
ったが、この内視鏡用洗浄消毒装置では、バネ圧を簡単
に広範囲で調整できるため、いろいろな状況に対処でき
る。
【0059】4. 洗浄槽の蓋を止めているラッチ機構
を解除すると、ばねヒンジの力で自動的に蓋が開く内視
鏡用洗浄消毒装置において、そのばねヒンジが、ストッ
パの位置調整で、簡単に開放角度を自在に設定できる内
視鏡用洗浄消毒装置。
【0060】この内視鏡用洗浄消毒装置では、開き角度
制御機構を設けることで、使用者の身長にあわせて設定
できたり、設置場所に合わせて設定したりできるので非
常に便利である。また、出荷時などに角度を一定に調整
する際に、部品の寸法精度や重量のバラツキやばね圧の
バラツキなどを吸収して調整できる。
【0061】また、蓋に乗せるフィルターなどのオプシ
ョン部品の有無や種類の違いなどで、蓋ユニット全体の
重量が変化しても、調整して、同じ開き角度にできる。
【0062】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明によると、
内視鏡用洗浄消毒装置の外装部材の略鉛直面に溝部を形
成し、、蓋体に設けられた係止手段に係合してこの蓋体
を閉状態に保持する係合手段をこの溝部から突出させた
ことにより、内部への水の侵入を効果的に防止すると共
に、操作性が良く、低コストの内視鏡用洗浄消毒装置が
形成される。
【0063】上記係合手段が、回動自在に支持される係
合腕と、この係合腕が係止手段を前記第2の位置の方向
に付勢する付勢手段と、係合腕が係止手段と係合したと
きに、係合腕の回動を規制する回動規制手段と、この回
動規制手段による回動規制を解除する解除手段と、を有
する場合には、この解除手段を作動するだけで、極めて
簡単に蓋体を開くことができる。
【0064】また、蓋体の開状態の度合いに応じて大き
くなる半径を有するカム面が形成されたカム手段と、蓋
体の回動に連動してカム手段のカム面により押下げられ
るとともに、カム面を押圧する押圧部材と、この押圧部
材によるカム面への押圧力を調節する押圧力調節手段
と、を有する場合には、必要に応じて蓋体の開度を簡単
に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による内視鏡用洗浄
消毒装置の回路構成を示す説明図。
【図2】図1の内視鏡用洗浄消毒装置の蓋の開閉機構を
示し、(A)は概略的な側面図、(B)は(A)のA−
A線の方向に沿う図。
【図3】図2の一部を拡大した説明図。
【図4】図2に示す内視鏡用洗浄消毒装置のラッチ機構
およびペダルユニットの全体構造を示す説明図。
【図5】図4に示すラッチ機構の作動を示し、(A)は
蓋を閉じた状態の概略図、(B)は蓋を解放した状態の
概略図。
【図6】蓋を支えるヒンジ機構の第1実施形態を示し、
(A)は概略的な側面図、(B)はB−B線に沿う説明
図。
【図7】ヒンジ機構の第2実施形態を示し、(A)は概
略的な側面図、(B)はB−B線に沿う説明図。
【図8】ヒンジ機構の第3実施形態の説明図。
【図9】従来のラッチ機構の構造および作動を示す説明
図。
【符号の説明】
2…洗浄槽、3,50…内視鏡用洗浄消毒装置、51…
外装部材、52…蓋、43,53…ヒンジユニット、5
4…ラッチ機構、55…アーム、56…凹部、57…略
鉛直壁、58…溝、59…フック、61…解除腕、63
…ロッド、64…ペダルユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B08B 9/027 B08B 9/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄消毒するための内視鏡を設置するた
    めの洗浄槽と、この洗浄槽の側周面を覆う外装部材と、
    この洗浄槽の上面を覆うための蓋体と、この蓋体を前記
    洗浄槽に対して開閉自在に支持する蓋体開閉支持手段
    と、前記蓋を洗浄槽に対して閉状態で保持するための保
    持手段と、を有し、内視鏡を洗浄消毒液により洗浄消毒
    する内視鏡用洗浄消毒装置において、 前記保持手段は、少なくとも、前記蓋体に設けられた係
    止手段と、前記外装部材の略鉛直面に形成された溝部よ
    り突出させて設けられ、この係止手段と係合することで
    前記蓋体を閉状態で保持する係合手段と、を有すること
    を特徴とする内視鏡用洗浄消毒装置。
  2. 【請求項2】 前記係合手段は、前記溝部より突出して
    前記係止手段と係合する係合部を有する係合腕と、この
    係合腕を回動自在に支持し、係合部が、前記係止手段と
    係合する第1の位置と、係止手段を解放する第2の位置
    との間で移動可能とする回動支持手段と、前記係合腕を
    前記第2の位置の方向に付勢する付勢手段と、前記係合
    腕が前記係止手段と係合したときに、前記係合腕の回動
    を規制する回動規制手段と、この回動規制手段による回
    動規制を解除する解除手段と、を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  3. 【請求項3】 前記蓋体開閉支持手段は、前記蓋体を回
    動自在に支持する回動支持部と、前記蓋体を開状態の方
    向に付勢する付勢手段と、前記蓋体の回動に連動して回
    動し、前記蓋体の開状態の度合いに応じて大きくなる半
    径を有するカム面が形成されたカム手段と、前記蓋体の
    回動に連動して前記カム手段の前記カム面により押下げ
    られるとともに、前記カム面を押圧する押圧部材と、こ
    の押圧部材による前記カム面への押圧力を調節する押圧
    力調節手段と、を有することを特徴とする請求項1に記
    載の内視鏡用洗浄消毒装置。
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