JP3457466B2 - 磁気ヘッドスライダの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドスライダの製造方法

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JP3457466B2
JP3457466B2 JP13163696A JP13163696A JP3457466B2 JP 3457466 B2 JP3457466 B2 JP 3457466B2 JP 13163696 A JP13163696 A JP 13163696A JP 13163696 A JP13163696 A JP 13163696A JP 3457466 B2 JP3457466 B2 JP 3457466B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等に用いられる磁気ヘッドスライダの製造方法に関し、
更に詳しくは、記録媒体に対向する浮上面をヘッド素子
層と略平行に形成する磁気ヘッドスライダの製造方法で
あって、基板上に、犠牲層を形成後、ヘッド素子層及び
浮上面層を形成し、更にスライダ本体部をめっき形成す
ることにより、基板上に磁気ヘッドスライダを構成し、
その後、犠牲層を除去することにより、磁気ヘッドスラ
イダを基板から分離する磁気ヘッドスライダの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録の高密度化への要求が益
々強まり、磁気ヘッドスライダの一層の小型化が求めら
れている。これに伴い、磁気ヘッドスライダとしては、
小型化に対応できる構造のものが求められ、一方、磁気
ヘッドスライダの製造方法としては、機械加工が少なく
組立も容易な製造方法が求められている。
【0003】上記要求に応える磁気ヘッドスライダの構
造として、記録媒体に対向する浮上面をヘッド素子層と
略平行に形成する磁気ヘッドスライダ、即ち、ホリゾン
タルヘッドスライダ(プレーナヘッドスライダ)があ
る。この一例として、IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETIC
S, vol.25, p.3686,1989, 「薄膜ヘッドスライダ装置の
製造に関する新研究(A New Approach to Making Thin
Film Head-Slider Devices)」に記載されたものを挙げ
ることができる。
【0004】ここに記載された磁気ヘッドスライダの製
造方法は、基板上に、ヘッド素子層及び浮上面層を形成
した後、スライダ本体部(ガラス基板)をボンディング
することにより、基板上に多数の磁気ヘッドスライダを
構成し、その後、基板をエッチングにより除去し、続い
て、機械加工により、個々の磁気ヘッドスライダに切断
する、というものである。
【0005】この製造方法では、スライダ本体部の切断
を機械加工に頼らざるを得ないという問題がある。一
方、この問題を解決する製造方法として、図8〜図9に
示すものがある。この方法では、まず、図8に示すよう
に、基板1上に、犠牲層2を形成し、この犠牲層2上に
直接、ヘッド素子層3及び浮上面層4を形成し、更にめ
っきベース5を介してスライダ本体部6をめっき形成す
ることにより、基板1上に磁気ヘッドスライダ7を構成
する。次に、図9に示すように、犠牲層2をエッチング
等により除去することにより、磁気ヘッドスライダ7を
基板1から分離する。
【0006】この製造方法によれば、スライダ本体部6
のめっき形成時に、スライダ本体部6をレジストにより
容易に磁気ヘッドスライダ単位で形成でき、切断という
機械加工が不要になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図9に示す状態即ち基
板1から分離した状態の磁気ヘッドスライダ7は、その
浮上面(図9において下面)として、ヘッド素子層3や
浮上面層4の下面が露出している。よって、この状態の
ままでは、磁気ヘッドスライダ7の浮上面は潤滑性にお
いて劣るという問題がある。
【0008】これを改善するには、浮上面を保護膜で覆
うことになる。従来の製造方法において、この保護膜の
形成を行うには、磁気ヘッドスライダ7の基板1からの
分離後に、その浮上面を保護膜層で覆うことになる。し
かしながら、基板から分離された磁気ヘッドスライダ7
に保護膜を形成することは、かなり面倒な作業である。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、記録媒体に対向する浮上面がヘッド
素子層と略平行に形成された磁気ヘッドスライダの製造
方法であって、機械加工に頼らずに且つ容易に、潤滑性
に優れた磁気ヘッドスライダを作製可能な磁気ヘッドス
ライダの製造方法を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、記録媒体に対向する浮上面をヘッド素子層と略平
行に形成する磁気ヘッドスライダの製造方法であって、
基板上に、犠牲層を形成後、ヘッド素子層及び浮上面層
を形成し、更にスライダ本体部をめっき形成することに
より、前記基板上に磁気ヘッドスライダを構成し、その
後、前記犠牲層を除去することにより、前記磁気ヘッド
スライダを前記基板から分離する磁気ヘッドスライダの
製造方法において、前記犠牲層の形成後であって前記ヘ
ッド素子層の形成前に、保護膜層と、該保護膜層及び前
記ヘッド素子層を密着させる第1の密着層とを形成する
と共に、前記犠牲層の形成後であって前記保護膜層の形
成前に、前記犠牲層と前記保護膜層とを密着させる第2
の密着層を形成し、前記基板上に磁気ヘッドスライダを
構成した後、前記犠牲層を除去する際には、前記犠牲層
の除去と前記第2の密着層の除去をエッチングにより同
時に行うことを特徴とするものである。
【0011】この製造方法によれば、基板上への成膜終
了時において、犠牲層とヘッド素子層との間に、保護膜
層と第1の密着層が形成されていることになる。従っ
て、犠牲層を除去して、磁気ヘッドスライダを基板から
分離した際、磁気ヘッドスライダの浮上面は、既に保護
膜層で覆われた状態にある。よって、磁気ヘッドスライ
ダの分離後にその浮上面を保護膜層で覆うという面倒な
作業を行うことなく、又機械加工に頼らずに、潤滑性に
優れた磁気ヘッドスライダを作製できる。
【0012】しかも本発明では、犠牲層の形成後であっ
て保護膜層の形成前に、犠牲層と保護膜層とを密着させ
る第2の密着層を形成しておくので、成膜プロセス途中
に、保護膜層が犠牲層から剥がれ難くなり、歩留まりが
向上する。
【0013】更に、その後の第2の密着層の除去を、犠
牲層の除去と同時にエッチングにより行うので、作業能
が向上する。この同時除去は、犠牲層及び第2の密着
層として、アモルファス又は多結晶のシリコン(Si)
からなるものを用い、エッチ液として水酸化カリウム
(KOH)水溶液を用いることで容易に実現できる。
【0014】保護膜層としては、カーボン(C)膜を用
いることが潤滑性やエッチ液に対する耐食性の点で好ま
しく、又、第1の密着層としては、炭化珪素(SiC)
膜を用いることがエッチ液に対する耐食性の点で好まし
い。
【0015】又、基板として、少なくとも表面がアモル
ファス又は多結晶のSiでなる基板を用い、この基板の
表面部分を少なくとも犠牲層として用いれば、基板の入
手段階で基板上への犠牲層の形成作業が終了しているこ
とになり、新たに犠牲層の形成を行う必要がなくなり、
成膜作業を簡略化できる。
【0016】一方、基板がエッチ液によって溶解される
のを好まない場合は、基板として、犠牲層を除去するエ
ッチ液に対して耐食性のある膜が形成された基板を用い
ればよい。
【0017】少なくとも表面がSiでなる基板を用い、
エッチ液としてKOH水溶液を用いると、犠牲層だけで
なく、基板からも気泡が発生する。この場合、気泡の排
出を促進し、気泡の滞留を抑制するには、減圧下でエッ
チングを行うとよい。
【0018】
【実施の形態】最初に、本発明の製造方法により作製さ
れる磁気ヘッドスライダの外観を図3に示す。図3は浮
上面を上にして示した一部破断斜視図で、使用状態では
Y方向に記録媒体(図示せず)が存在する。この記録媒
体の移動方向はZ方向の逆方向である。記録媒体と対向
する磁気ヘッドスライダ20の浮上面は、保護膜層21
で全面が覆われており、この保護膜層21が、その内側
に位置する第1の密着層22を介して、ヘッド素子層2
3や浮上面層24の本来の浮上面に密着している。
【0019】浮上面層24の浮上面には、記録媒体の回
転によって生じる空気流の方向に沿って2つの浮上力発
生用サイドレール25が設けられ、更にこのサイドレー
ル25間の空気流入端側に、浮上力発生用センタレール
26が設けられている。各レール25,26の浮上面の
空気流入端側の部分は、傾斜面25a,26aとなって
いる。
【0020】浮上面層24の浮上面と反対側の面には、
めっきベース27,28(このめっきベースは一層でも
よい)が形成され、更に、スライダ本体部29がめっき
形成されている。スライダ本体部29の図3における下
面には、凹部29aが形成され、この凹部29a内に端
子となるパッド部29bが複数配列されている。このパ
ッド部29bの数はヘッド素子層23の構成により異な
り、例えば、磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッド;MR
はmagnetoresistiveの略)を再生用のヘッドとし、イン
ダクティブヘッドを記録用のヘッドとして組み合わせた
複合型の磁気ヘッドが、ヘッド素子層23により形成さ
れている場合には、2組、4個あり、1組はMRヘッド
用、1組はインダクティブヘッド用である。尚、リード
/ライトを一つの磁気ヘッドで行う場合は、このパッド
は1組、2個でよい。
【0021】次に、上記磁気ヘッドスライダ20を製造
する場合を例にとって、本発明に係る製造方法の実施の
形態例を説明する。 (実施の形態例1)図1及び図2を用いて第1の実施の
形態例を説明する。まず、Si例えば単結晶のSi(例
えば結晶方位100のSi)等でなる基板30上に、A
l(Ti,Ta等でもよい)で犠牲層31を形成する。
この犠牲層31の凹凸により、サイドレール25及びセ
ンタレール26の外形や、ヘッド素子層23の突出高さ
が決まることになる。図3に示した磁気ヘッドスライダ
20には、サイドレール25及びセンタレール26に傾
斜面25a,26aが設けられているので、この部分に
相当する犠牲層31にはテーパ部を形成する必要があ
る。
【0022】テーパ部の形成方法の一例を図4に示し
た。この方法では、まず基板30上に第1の犠牲層31
aを成膜後、フォトレジスト32を塗布して露光する。
その際、テーパ部では、その露光量を傾斜に応じて変化
させる(図4(a))。次に、フォトレジスト32を現像
してテーパ部を形成した後(図4(b))、イオンミリン
グやスパッタエッチング等により犠牲層31aをエッチ
ングし(図4(c))、フォトレジスト32を除去して、
テーパ部をもった犠牲層31aのパターンを形成する
(図4(d))。その後、全面に第2の犠牲層31bを成
膜し、全体として、図1の犠牲層31に対応するものを
完成する(図4(e))。
【0023】このようにして、犠牲層31の表面に、図
3に示した磁気ヘッドスライダ20の上面(浮上面側)
に対応した凹凸が形成されると、犠牲層31上に、スパ
ッタやプラズマCVDによりカーボン(ダイヤモンドラ
イクカーボン)等でなる保護膜層21を成膜し、更に、
SiC等でなる第1の密着層22をスパッタ等により成
膜する。
【0024】第1の密着層22を成膜する理由は、第1
の密着層22を設けないと、一連の成膜プロセス中に保
護膜層21に密着不良が生じ、そこに過大な応力がかか
ってひび割れが発生して、歩留まりが低下することにな
るからである。この後、複数層からなるヘッド素子層2
3を形成し、SiO2,カーボン(ダイヤモンドライク
カーボン),Al2 3 等で浮上面層24を成膜する。
【0025】この浮上面層24の上には、Tiでなる第
1のめっきベース27及びNiFeでなる第2のめっき
ベース28を成膜する。そして、フォトレジストでめっ
き用マスク(図示せず)を形成後、Ni(NiFe,A
u,Cu等の金属でも可)で、スライダ本体部29やそ
のパッド部29bをめっき形成する。このめっき形成
後、フォトレジスト及びめっき膜の付着していない部分
のめっきベースを除去する。
【0026】以上の工程により、磁気ヘッドスライダ2
0が基板30上に構成される。実際の磁気ヘッドスライ
ダ20の作製では、一枚の基板上30上に、多数の磁気
ヘッドスライダ20を二次元的配列でもって構成する。
【0027】ところで、磁気ディスク装置においては、
記録媒体のトラックと交差する方向にヘッドアームが駆
動される。このヘッドアームの先端にはサスペンション
が設けられ、ここに磁気ヘッドスライダが取り付けられ
る。図5は上記磁気ヘッドスライダ20のサスペンショ
ンへの取り付けを説明するための斜視図で、ここでは、
サスペンション40に設けられた傾動可能なスライダ支
持部40aに、上記磁気ヘッドスライダ20が固着され
ている。
【0028】この磁気ヘッドスライダ20の固着を容易
にするため、磁気ヘッドスライダ20を基板30から分
離する前に、スライダ本体部29のパッド部29bと周
辺部29cの各表面に、サスペンション40との結合手
段として、Au等でなるボンディング用金属膜を成膜し
ておくことが好ましい。この場合、サスペンション40
の対向面には導体パターンを形成する。このように構成
すれば、熱圧着や超音波圧着等のボンディング或いは導
電性接着剤によるボンディングで、両者を容易に結合で
きる。上記結合により、パッド部29bとサスペンショ
ン40の導体パターンは、電気的接続と機械的接続がな
され、スライダ本体部29の周辺部29cは、サスペン
ション40と機械的接続がなされることになる。
【0029】多数の磁気ヘッドスライダ20を多数のサ
スペンション40に一括して固着するために、本形態例
では、図6に示すような固着方法を採用している。この
方法では、まず、多数の磁気ヘッドスライダ20が二次
元的配列でもって構成された基板30を、複数の磁気ヘ
ッドスライダ20が直線状に配列されたスライダブロッ
ク50に分割する。一方、複数のサスペンション40に
ついては、予め、磁気ヘッドスライダ20と同一のピッ
チでサスペンション40が形成された短冊状のサスペン
ションプレート60を、エッチング等により作製してお
く。そして、サスペンションプレート60の各サスペン
ション40とスライダブロック50の各磁気ヘッドスラ
イダ20とを重ね、一括してボンディングする。
【0030】サスペンションプレート60の各サスペン
ション40とスライダブロック50の各磁気ヘッドスラ
イダ20との固着終了後、犠牲層31をエッチングによ
り除去する。これにより、スライダブロック50を基板
30から分離し、磁気ヘッドスライダ20は図2に示す
状態になる。基板30からの分離後、サスペンションプ
レート60を切断して個々のサスペンション40に分離
する。これにより、サスペンション40付き磁気ヘッド
スライダ20が多数完成する。
【0031】上記製造方法によれば、基板30上への成
膜終了時において、犠牲層31とヘッド素子層23との
間に、保護膜層21と第1の密着層22が形成されてい
る。従って、犠牲層31を除去して、磁気ヘッドスライ
ダ20を基板30から分離した際、磁気ヘッドスライダ
20の浮上面は、既に保護膜層21で覆われた状態にあ
る。よって、磁気ヘッドスライダ20の分離後にその浮
上面を保護膜層21で覆うという面倒な作業を行うこと
なく、又機械加工に頼らずに、潤滑性に優れた磁気ヘッ
ドスライダ20を作製できる。
【0032】尚、保護膜層21としては、カーボン膜を
用いることが潤滑性やエッチ液に対する耐食性の点で好
ましく、又、第1の密着層22としては、SiC膜を用
いることがエッチ液に対する耐食性の点で好ましい。
【0033】(実施の形態例2)図7は本発明に係る他
の製造方法におけるスライダ本体部のめっき形成後の状
態を示す図で、図1と同一部分には同一符号を付した。
図1との相違点は、犠牲層31の形成後であって保護膜
層21の形成前に、犠牲層31と保護膜層21とを密着
させるSi等でなる第2の密着層35をスパッタにより
成膜した点である。このように構成すれば、成膜プロセ
ス途中に、保護膜層21が犠牲層31から剥がれ難くな
り、歩留まりが更に向上する。
【0034】第2の密着層35を形成した場合、その後
の第2の密着層35の除去は、犠牲層31の除去と同時
にエッチングにより行うことが、作業能率上好ましい。
この同時除去は、犠牲層31及び第2の密着層35とし
て、アモルファス又は多結晶のSiからなるものを用
い、エッチ液としてKOH水溶液を用いることで、容易
に実現できる。尚、アモルファス又は多結晶のSiは、
KOH水溶液に等方的に溶解する。
【0035】(実施の形態例3)基板30として、少な
くとも表面がアモルファス又は多結晶のSiでなる基板
を用い、この基板30の表面部分を犠牲層31(及び第
2の密着層35)として用いれば、基板30の入手段階
で基板30上への犠牲層31(及び第2の密着層35)
の形成作業が終了していることになり、新たに犠牲層3
1(及び第2の密着層35)の形成を行う必要がなくな
り、成膜作業を更に簡略化できる。
【0036】(実施の形態例4)基板30がエッチ液に
よって溶解されるのを好まない場合は、基板30とし
て、犠牲層31を除去するエッチ液に対して耐食性のあ
る膜が形成された基板30を用いればよい。例えば、表
面がSiでなる基板30を用い、エッチ液としてKOH
水溶液を用いる場合、基板30も溶解して気泡が生じる
が、熱酸化膜や窒化膜等が形成された基板30を用いれ
ば、基板30から気泡が生じることはない。尚、犠牲層
31だけでなく基板30から気泡が発生しても、減圧下
でエッチングを行うことにより、気泡の排出を促進し、
気泡の滞留を抑制することができる。
【0037】(他の実施の形態例)基板30として、A
2 3 膜付きAl2 3 −TiC基板や、Al2 3
膜付きSiO2 基板を用いれば、この基板30を用いて
レール形状を形成できる。
【0038】尚、本発明は上記実施の形態例に限定され
るものではない。例えば、本発明は図3に示した磁気ヘ
ッドスライダの製造方法に限るものではない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基板上への成膜終了時において、犠牲層とヘッド素子層
との間に、保護膜層と第1の密着層が形成されているこ
とになる。従って、犠牲層を除去して、磁気ヘッドスラ
イダを基板から分離した際、磁気ヘッドスライダの浮上
面は、既に保護膜層で覆われた状態にある。よって、磁
気ヘッドスライダの分離後にその浮上面を保護膜層で覆
うという面倒な作業を行うことなく、又機械加工に頼ら
ずに、潤滑性に優れた磁気ヘッドスライダを作製でき
る。
【0040】しかも本発明では、犠牲層の形成後であっ
て保護膜層の形成前に、犠牲層と保護膜層とを密着させ
る第2の密着層を形成しておくので、成膜プロセス途中
に、保護膜層が犠牲層から剥がれ難くなり、歩留まりが
向上する。
【0041】更に、その後の第2の密着層の除去を、犠
牲層の除去と同時にエッチングにより行うので、作業能
率を向上させることができる。この同時除去は、犠牲層
及び第2の密着層として、アモルファス又は多結晶のS
iからなるものを用い、エッチ液としてKOH水溶液を
用いることで容易に実現できる。
【0042】保護膜層としてカーボン膜を用いれば、潤
滑性やエッチ液に対する耐食性が向上する。同様に、第
1の密着層としてSiC膜を用いれば、エッチ液に対す
る耐食性が向上する。
【0043】又、基板として、少なくとも表面がアモル
ファス又は多結晶のシリコンでなる基板を用い、この基
板の表面部分を少なくとも犠牲層として用いれば、基板
の入手段階で基板上への犠牲層の形成作業が終了してい
ることになり、新たに犠牲層の形成を行う必要がなくな
り、成膜作業を簡略化できる。
【0044】基板として、犠牲層を除去するエッチ液に
対して耐食性のある膜が形成された基板を用いれば、基
板がエッチ液によって溶解されるのを防ぐことができ
る。少なくとも表面がシリコンでなる基板を用い、エッ
チ液として水酸化カリウム水溶液を用いた場合、犠牲層
だけでなく、基板からも気泡が発生するが、減圧下でエ
ッチングを行うことにより、気泡の排出を促進し、気泡
の滞留を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法におけるスライダ本体部
のめっき形成後の状態(図3のA−A断面相当)を示す
図である。
【図2】本発明に係る製造方法における基板分離後の状
態を示す図である。
【図3】本発明に係る製造方法により製造される磁気ヘ
ッドスライダの一例を示す一部破断斜視図ある。
【図4】犠牲層のテーパ部の形成方法の一例を示す図で
ある。
【図5】磁気ヘッドスライダのサスペンションへの取り
付けを説明するための斜視図である。
【図6】複数の磁気ヘッドスライダと複数のサスペンシ
ョンとの固着を説明するための斜視図である。
【図7】本発明に係る他の製造方法におけるスライダ本
体部のめっき形成後の状態を示す図である。
【図8】従来の製造方法におけるスライダ本体部のめっ
き形成後の状態を示す図である。
【図9】従来の製造方法における基板分離後の状態を示
す図である。
【符号の説明】
20:磁気ヘッドスライダ 21:保護膜層 22:第1の密着層 23:ヘッド素子層 24:浮上面層 25:サイドレール 26:センタレール 29:スライダ本体部 30:基板 31:犠牲層 35:第2の密着層 40:サスペンション 50:スライダブロック 60:サスペンションプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前多 宏志 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−76809(JP,A) 特開 平6−302834(JP,A) 特開 平7−6340(JP,A) 特開 平11−96530(JP,A) 特開 平8−7224(JP,A) 特開 平6−301918(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/56 - 5/60 G11B 21/16 - 21/26 G11B 5/31 - 5/325

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する浮上面をヘッド素子
    層と略平行に形成する磁気ヘッドスライダの製造方法で
    あって、基板上に、犠牲層を形成後、ヘッド素子層及び
    浮上面層を形成し、更にスライダ本体部をめっき形成す
    ることにより、前記基板上に磁気ヘッドスライダを構成
    し、その後、前記犠牲層を除去することにより、前記磁
    気ヘッドスライダを前記基板から分離する磁気ヘッドス
    ライダの製造方法において、 前記犠牲層の形成後であって前記ヘッド素子層の形成前
    に、保護膜層と、該保護膜層及び前記ヘッド素子層を密
    着させる第1の密着層とを形成すると共に、前記犠牲層
    の形成後であって前記保護膜層の形成前に、前記犠牲層
    と前記保護膜層とを密着させる第2の密着層を形成し、 前記基板上に磁気ヘッドスライダを構成した後、前記犠
    牲層を除去する際には、前記犠牲層の除去と前記第2の
    密着層の除去をエッチングにより同時に行う ことを特徴
    とする磁気ヘッドスライダの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記犠牲層及び前記第2の密着層とし
    て、アモルファス又は多結晶のシリコンからなるものを
    用い、これらをエッチ液としての水酸化カリウム水溶液
    で溶解して除去することを特徴とする請求項1記載の磁
    気ヘッドスライダの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保護膜層として、カーボン膜を用い
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッドス
    ライダの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の密着層として、炭化珪素膜を
    用いたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    磁気ヘッドスライダの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板として、少なくとも表面がアモ
    ルファス又は多結晶のシリコンでなる基板を用い、この
    基板の表面部分を少なくとも前記犠牲層として用いる
    とを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の磁気ヘッ
    ドスライダの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板として、前記犠牲層を除去する
    エッチ液に対して耐食性のある膜が形成された基板を用
    いることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の磁
    気ヘッドスライダの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板として、少なくとも表面がシリ
    コンでなる基板を用い、エッチ液として水酸化カリウム
    水溶液を用い、減圧下でエッチングを行うことを特徴と
    する請求項1〜4の何れかに記載の磁気ヘッドスライダ
    の製造方法。
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