JP3457271B2 - 電子写真装置用ブレ−ド体 - Google Patents
電子写真装置用ブレ−ド体Info
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Description
ーブなどの剛性体へ圧接時に振動吸収性に優れた複写
機、ファクシミリ、プリンタ−などの電子写真装置用ブ
レ−ド体に関する。また、本発明は、電子写真装置にお
いて、感光体表面や中間転写ベルトに残留するトナ−粉
体を除去するクリ−ニングブレ−ド、クリ−ニングブレ
−ドが除去したトナ−の飛散を防止するシ−ルブレ−ド
又は現像ロ−ラ表面のトナ−を帯電しつつ均一にならす
トナ−薄膜形成ブレ−ドなどの電子写真装置用ブレ−ド
体に関する。さらに、本発明は、高温時のブレ−ド鳴き
が起こりにくく、低温から高温の広い温度範囲で安定し
たクリ−ニングブレ−ド性に優れた電子写真装置用ブレ
−ド体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ
−などの電子写真装置においては、一般に感光体の表面
を帯電させ、静電荷を与え、その上に画像を露光して静
電潜像を形成し、トナーを静電潜像に付着させて現像
し、そのトナ−像を記録紙上に転写し、定着させること
によって、上記画像を記録する。そこで、複数枚の記録
紙に順次、画像を記録するためには、上記工程におい
て、感光体に残留するトナ−を除去したり、また、現像
ロ−ル上のトナ−の層厚を規制したり、帯電させるため
に種々のブレ−ド体が使用されている。電子写真装置用
のブレード体は、クリーニング性、帯電性やトナー帯電
性などの機能を果たすため、通常感光体や現像スリーブ
などの相手部材に圧接して用いられるのが普通であり、
ポリウレタンエラストマ−からなる板状成形物を所定寸
法に裁断してブレ−ド部材とし、これを接着剤を介して
鋼製の支持部材に接着一体化したものが一般的である。
圧接して用られる場合、高温高湿条件においてへたりが
大きく、圧接力の経時変化(低下)を小さく抑えるるこ
とが必要であり、永久歪みの少ないものにする試みが種
々なされており、強く均一な圧接力が要求されてきてい
ることに対してブレード部材の素材の改良やブレ−ド部
材と鋼製支持部材への接着剤の工夫がなされているが、
ブレ−ド体自体の柔軟性や振動吸収性の面で問題とされ
ている。 【0003】電子写真装置用のブレ−ド体では、弾性ブ
レ−ド部材として一般に耐磨耗性を重視し、ポリウレタ
ンが使用されるが、従来のホットメルト系の接着剤では
tanδの温度依存性が大きく、振動吸収性が乏しいた
め、しばしば鳴きの不具合が起こっていた。この問題を
解決するため、接着剤としてダイマ−酸ベ−スのポリア
ミド樹脂を使用したり(特許第2781157号)、エ
チレン−酢酸ビニル系ホットメルト又はウレタン系ホッ
トメルトを使用したりすることによって振動吸収性の改
善を試みられた。しかし、弾性ブレ−ド部材と支持部材
の接着界面に応力が集中し、振動吸収性に乏しく、特に
高温時の接着力が耐衝撃性の面で問題が残った。また、
ブレ−ド部材と支持材との間に発泡ウレタン樹脂のよう
な振動減衰性の大きい素材を介在させる技術(実用新案
登録第2512998号)や損失係数tan δが0.55
以上の減衰材を介在させることも試みられた(特開平1
−113782号公報)が、多層構造のため、部品点
数、組み立て工数が多く、コストアップ原因となってい
た。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上述するように、電子
写真装置のブレ−ド体の弾性ブレ−ド部材と支持部材を
接着するのに両面接着テ−プやホットメルト系接着剤を
用いたのでは、接着力が弱く、特に高温での接着耐久性
に問題があった。すなわち、弾性ブレ−ド部材には、耐
磨耗性のために用いたポリウレタン樹脂に対して、ホッ
トメルト接着剤では、高温での接着力を高めるために、
凝集力を高める処方であるので、接着部が堅くなり、ta
n δの温度依存性をコントロ−ルするのがきわめて難し
かった。また、従来のブレ−ド体は、振動吸収性が乏し
いためしばしば異音、いわゆる鳴きの不具合が起こって
いた。そこで、本発明では、電子写真装置内において振
動を吸収してブレ−ド体と感光体の間で発生する異音を
低減し得るブレ−ド体を経済的に提供することを課題と
する。 【0005】 【課題を解決するための手段】電子写真装置用のブレ−
ド体の製造においては、従来、ホットメルト系の接着剤
を使用した場合には、高温での接着力を高めるために、
凝集力を高める設計が行われるのが普通であるが、反
面、接着剤層が堅くなり、tan δの温度依存性をコント
ロ−ルするのがきわめて難しかった。そこで、本発明者
らは、二液反応硬化型ウレタン接着剤に着目し、従来の
問題点を解決した。すなわち、本発明者らは、弾性ブレ
−ド部材と支持部材の接着に二液反応硬化型ウレタン接
着剤を適用して、接着剤に架橋構造を持たせ、且つ、柔
軟性を持たせて、tan δの温度依存性が小さい物性とす
ることによって、広い範囲にわたって接着耐久性、振動
吸収性の機能を満足でき、加工工数を最小限に抑えるこ
とに成功した。 【0006】上記問題を解決するのに、本発明では、二
液反応硬化型ウレタン系接着剤を用いることにより、変
形応力が大きく、変形回復性に優れ、しかも弾性ブレー
ド及び支持部材との接着性に優れたブレ−ド体を得るこ
とができた。本発明においては、弾性ブレ−ド部材と支
持部材と接着するのに、接着剤層として二液反応硬化型
のポリウレタン接着剤を使用し、硬度がWallace 硬度で
30〜50°の柔軟性を有するものを使用することが有効で
あることがわかった。硬度が30°以下であると、接着剤
が架橋構造をもっていても、膜強度が不足し、接着強度
に問題が残る。また、硬度が50°以上であると、ブレ−
ド部材と硬度が接近し、接着剤層の変位吸収性が発揮で
きなくなるため、圧接力の不均一を起こしやすい。さら
に、本発明の接着剤層では、20℃におけるtan δと50℃
におけるtan δの比[tan δ(20℃)/tan δ(50
℃))が1.5 以下で、かつ、50℃におけるtan δが0.15
以上である接着剤層とすることがより一層有効であるこ
とがわかった。なお、tan δ(50 ℃) ≦0.15 になる
と、高温域での振動吸収性が不足し、鳴きが起こりやす
くなり、tan δ(20℃)/tan δ(50℃)が1.5 以上であ
ると、振動吸収性の高温域での低下が大きくなる。本発
明の弾性ブレ−ド体は、上記接着剤を使用して、弾性ブ
レ−ド部材と支持部材とを接着することによって、圧接
に起因する接着部への応力集中を緩和でき、従来から用
いられているホットメルト接着剤などで生じていた接着
剤層の永久歪みの問題がなく、小粒径トナーを用いる場
合でも、圧接力の低下に基づくクリーニング不良や帯電
不良を引き起こすことがない。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明のブレード体は、弾性ブレ
−ド部材と支持部材とを接着剤層を介して接合してな
り、剛性を有する相手部材に圧接させて用いる電子写真
装置用ブレ−ド体であって、弾性ブレードの圧接側の表
裏両面が平行部を有し、支持部材と接着剤と、前記支持
部材に前記接着剤を介して接着されたブレ−ド体におい
て、接着剤として二液反応硬化型ポリウレタン系接着剤
を使用するものである。接着剤層としては、硬度がWall
ace 硬度で30〜50°の柔軟性を有するもので、さらに20
℃におけるtan δと50℃におけるtan δの比[tan δ
(20℃)/tan δ(50℃)]が、1.5 以下で、かつ、50℃
におけるtan δが0.15以上のものを使用する。 【0008】 【実施例1】弾性ブレード部材と支持部材の接合部に二
液反応硬化型のポリウレタン系接着剤を使用した。接着
剤の主剤は、一方はMS2300A (商品名、(株)イ−テッ
ク)及び硬化剤はMS2364(同)であった。弾性ブレード
部材の形状は、平面長方形で、4mm巾で支持部材に接
合されるようにした。作成したクリ−ニングブレ−ド体
は、IPSIO-NX610 ((株)リコ−)用のカ−トリッジに
組み込んだ。得られたクリ−ニングブレ−ドの接着剤膜
の硬度(Wallace 硬度)は40°、tan δ(20℃)が0.28
3 、tan δ(50℃)が0.213 で、tanδ(20℃)/tan δ
(50℃)は1.33であった。なお、接着硬度は、Wallace
硬度計で測定した。また、動的粘弾性は、レオペクトラ
−DVE-V4(レオロジ−(株)製)によって静止歪み5
%、10Hz 正弦波引張加振を温度範囲60〜100 ℃で測定
した。 【0009】 【実施例2】実施例1と同様のブレ−ド体としたが、接
着剤の主剤は、MS1200A(商品名、(株)イ−テック)
及び硬化剤は、MS1235(同)であった。接着剤膜の硬度
(Wallace 硬度)は50°、tan δ(20℃)が0.254 、ta
n δ(50℃)が0.184 で、tan δ(20℃)/tan δ(50
℃)は1.38であった。 【0010】 【比較例1】弾性ブレード部材と支持部材の接合部にエ
チレン−酢酸ビニル系接着剤(商品名、タケメルトM-22
3 、武田薬品工業(株))を使用した。接着剤膜の硬度
(Wallace 硬度)は75°、tan δ(20℃)が0.227 、ta
n δ(50℃)が0.116 で、tan δ(20℃)/tan δ(50
℃)は1.96であった。 【0011】 【比較例2】弾性ブレード部材と支持部材の接合部にウ
レタン系ホットメルト接着剤(商品名、エルファンUH-2
04、日本マタイ(株))を使用した。接着剤膜の硬度
(Wallace 硬度)は80°、tan δ(20℃)が0.173 、ta
n δ(50℃)が0.107 で、tan δ(20℃)/tan δ(50
℃)は1.61であった。 【0012】 【比較例3】弾性ブレード部材と支持部材の接合部に反
応性ホットメルト接着剤(商品名、ハイボン4830、日立
化成ポリマ−(株))を使用した。接着剤膜の硬度(Wa
llace 硬度)は85°、tan δ(20℃)が0.235 、tan δ
(50℃)が0.133 で、tan δ(20℃)/tan δ(50℃)は
1.77であった。 【0013】 【比較例4】弾性ブレード部材と支持部材の接合部にシ
アノアクリレ−ト系瞬間接着剤(商品名、アロンアルフ
ァ201 、東亜合成化学工業(株))を使用した。接着剤
膜の硬度(Wallace 硬度)は100 °以上、tan δ(20
℃)及びtan δ(50℃)はデ−タ測定不能であった。 【0014】使用テスト結果をを表1に示す。なお、使
用テストは下記の手順で実施した。得られたカ−トリッ
ジは、43℃×80%RHの恒温槽中に30日間保管し、クリ−
ニングブレ−ドの接着部の剥離の有無を確認した。その
後、IPSIO-NX610 ((株)リコ−)にカ−トリッジを装
着し、LL(10℃×15%RH)、NN(23℃事務所環
境)、HH(32.5℃×80RH)にて順に1000枚5%文字チ
ャ−トを画像出しし、画像にクリ−ニング不良による黒
スジの有無、クリ−ニングブレ−ドの振動による鳴きの
有無を確認した。 【0015】 【表1】 【0016】 【結果の考察】以上の実施例及び比較例の結果では、本
発明の二液反応硬化型のポリウレタン接着剤(実施例
1、2)を用いた場合、高温、高湿下での接着性、クリ
−ニング性には全く問題がなかった。これに比して、比
較例のエチレン−酢酸ビニル系ホットメルト(比較例
1)を用いたとき、30日を経ずして剥離が起こった。ウ
レタン系ホットメルト(比較例2)、反応性ホットメル
ト(比較例3)の場合、30日経過で接着性は保持してい
たが、クリ−ニング性が低下し、鳴きも発生した。瞬間
接着剤(比較例3)の場合は、高温、高湿下では3日で
接着不良が発生した。このことからみて、本発明の二液
反応硬化型のポリウレタン接着剤は、比較例の接着剤に
比して、高温、高湿下での接着性はもとより。画像L
L、画像NN、画像HH、鳴きLL、鳴きNN、鳴きH
Hのいずれも優れていることが確かめられた。 【0017】 【発明の効果】本発明のブレ−ド体は、高温、高湿条件
においても優れた接着耐久性を有し、電子写真装置にお
ける実装試験においても高温高湿下で鳴きを生じ難く、
クリ−ニング性能の優れた電子写真装置用ブレ−ド体を
経済的に供給できる。また、現像ロ−ラ上に均質で安定
した現像トナ−膜を形成でき、均一な帯電賦与もなさ
れ、感光ドラム外周上の残余の不要トナ−を均一に完全
に除去できる点で顕著な効果を奏する。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持部材に接着剤を介して接着されたブ
レ−ド部材とからなる電子写真機用ブレ−ド体におい
て、接着剤層として二液反応硬化型のポリウレタン接着
剤を使用し、硬度がWallace 硬度で30〜50°の柔軟性を
有するものであって、接着剤層が、20℃におけるtan δ
と50℃におけるtan δの比[tan δ(20℃)/tan δ(5
0℃)]が1.5 以下で、かつ、50℃におけるtan δが0.1
5以上であることを特徴とする弾性ブレ−ド体。
Priority Applications (1)
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JP2000239692A JP3457271B2 (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 電子写真装置用ブレ−ド体 |
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JP2000239692A JP3457271B2 (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | 電子写真装置用ブレ−ド体 |
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JP2002055579A JP2002055579A (ja) | 2002-02-20 |
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