JP3457218B2 - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP3457218B2
JP3457218B2 JP15838499A JP15838499A JP3457218B2 JP 3457218 B2 JP3457218 B2 JP 3457218B2 JP 15838499 A JP15838499 A JP 15838499A JP 15838499 A JP15838499 A JP 15838499A JP 3457218 B2 JP3457218 B2 JP 3457218B2
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optical fiber
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optical
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一博 羽根
敏之 笠島
敬一 原
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ミマキ電子部品株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの分岐
点に設けられる光スイッチに関する。本発明は、光通
信、光計測、その他光信号を光ファイバに伝搬させる装
置に光路の切換スイッチとして利用する。本発明は、マ
イクロマシン技術の光スイッチへの応用に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの先端を可動部材に取付け
て、光ファイバ先端の位置を磁力により機械的に変位さ
せる構造の光ファイバスイッチが広く知られている。こ
の構造はスイッチでの信号減衰が小さく、また安定な動
作が期待できる。さらに、この構造は電磁リレーの考え
方を踏襲するものであり、信頼性が高く安定であり、均
一な性能の製品を量産することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造のも
のはスイッチ素子として小型化に限界がある。すなわ
ち、多くの電子部品がきわめて小型に製造できるように
なっているところ、光スイッチはその形状体積がなお大
きい。
【0004】本発明はこのような背景に行われたもので
あって、機械的に光ファイバを変位させて光路を切換え
る形式の光スイッチをさらに小型化することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ファイバの
分岐点に設けられる光スイッチをさらに小型に構成する
構造およびその製造方法を特徴とする。
【0006】すなわち、本発明の第一の特徴は、光スイ
ッチ本体の第一の構造についてであって、一個の枠体
と、その枠体の内側に設けられた二本の平行な梁と、そ
の梁のほぼ中央部に互いに対向するように配置された一
対の駒とを備え、この一対の駒の対向面に前記梁に平行
にV溝が形成され、このV溝の中にそれぞれその端部が
接する一対の光ファイバと、この一対の光ファイバの前
記端部に対向するようにその端部が配置された一本の光
ファイバとを備えたことを特徴とする。
【0007】前記枠体および前記二本の梁は一枚のシリ
コン・ウエーハから切出された連続体であり、前記枠体
は長方形状であり、前記梁はその長方形の長辺に平行に
形成され、前記駒は前記梁と一体構造であり、その駒の
背面に前記枠体との間の可動範囲を規制するストッパ機
構が設けられることが望ましい。
【0008】さらには、前記駒には磁性部材が組込ま
れ、前記枠体の外にこの磁性部材に磁力を与えて前記梁
の反りを変位させる磁石を設けられ、前記枠体の長辺の
長さは5〜25mmに形成され、前記枠体がマッチング
・オイルが充填された密閉容器に実装されることが望ま
しい。
【0009】一個の枠体の内側に二本の平行な梁を設
け、この梁のほぼ中央部に一対の駒を互に対向するよう
に配置する。この一対の駒の対向面に梁に平行なV溝を
形成し、このV溝の中に一対の光ファイバの端部を配置
し、この光ファイバの端部に対向するように別の一本の
光ファイバの端部を枠体に取付ける。
【0010】このような構造に構成することにより、駒
が配置された一対の梁の中央部に変位が与えられたとき
に、一対の光ファイバの一つの端部が対向して配置され
た一本の光ファイバの端部に一致し光路が形成される。
逆方向に変位が与えられたときは、一対の光ファイバの
うちの別の光ファイバの端部が対向して配置された光フ
ァイバの端部に一致し別の光路が形成される。この動作
を行わせることにより、機械的に光ファイバの光路の切
換え接続を行うことができる。
【0011】枠体、梁および駒は一枚のシリコン・ウエ
ーハを素材として一体的に形成する。これにより、梁へ
の駒の取付け、および枠体への梁の取付け作業が不要と
なり、組立作業により製造することが困難なきわめて小
型の光スイッチの本体を形成することができる。
【0012】この光スイッチ本体を一体的に形成する素
材には長方形状の素材を用いその長辺に平行に二本の梁
を形成する。これにより、二本の梁に適切な弾性をもた
せることができ、中央部の駒のV溝内に接した状態で配
置された一対の光ファイバの端部の切換えをその弾性を
利用して継続的に行うことができる。
【0013】駒の背面の枠体との間にストッパ機構を設
けた構造にすることも可能であり、この構造の場合には
駒に変位が与えられたときに、梁が必要以上に撓むこと
を抑えることができ、過度の変形による疲労にともなっ
て生じる劣化が早期に発生することを防止することがで
きる。
【0014】駒には磁性部材を組込み、枠体の外側に磁
石を設け、この磁石の磁力によって梁を反らせ変位を与
える。磁力を利用することにより、梁に変位を与える電
気的なあるいは機械的な手段を備える必要がなくなりよ
り小型化することができる。
【0015】この構造によれば枠体の長辺の長さを5〜
25mmにすることができ、きわめて小型の光スイッチ
を構成することができる。切換えられた光路は、対向す
る光ファイバに直接侵入するから、スイッチ部で生じる
損失が小さい光スイッチを提供することができる。
【0016】枠体内にはマッチング・オイルを充填しそ
れを密閉容器に実装する。これにより切換え動作の際に
マッチング・オイルの抵抗によって光ファイバが安定し
た状態で移動し、切換え時に光ファイバの先端に発生す
る振動を抑止することができる。
【0017】本発明の第二の特徴は、光スイッチ本体の
第二の構造についてであって、一個の枠体と、その枠体
の内側に設けられた二本の平行な梁と、その梁のほぼ中
央部に設けられその梁を相互に連結する連結部と、前記
枠体の一辺および前記連結部に支持されその端部が前記
枠体の他辺に達するように前記梁に平行に配置された一
本の光ファイバとを備え、前記枠体の他辺には前記光フ
ァイバの端部が接する位置に前記梁に平行に開部が対向
するように一対のV溝が形成され、この一対のV溝の中
にそれぞれその端部が接し前記光ファイバとその変位に
応じて対向するように一対の光ファイバが配置されたこ
とを特徴とする。
【0018】前記枠体および前記二本の梁は一枚のシリ
コン・ウエーハから切出された連続体であり、前記枠体
は長方形状であり、前記梁はその長方形の長辺に平行に
形成されることが望ましい。
【0019】一個の枠体の内側に二本の平行な梁を設
け、この梁のほぼ中央部を連結部で結合する。枠体の一
辺および連結部には固定溝を形成して一本の光ファイバ
を梁に平行に配置し固定する。さらに、枠体の他辺に梁
に平行に対向する開部を設け、この開部に一対のV溝を
形成する。この一対のV溝の連結部側の間に枠体の一辺
に配置し固定した一本の光ファイバの端部を可動の状態
で配置するとともに、この一本の光ファイバの端部の変
位に応じて対向するように一対のV溝の中に一対の光フ
ァイバの端部を配置し固定する。
【0020】これにより、連結部が左右に移動したとき
に、一本の光ファイバの端部がV溝内で一対の光ファイ
バのいずれかの端部に対向し光路の切替えを行うことが
できる。
【0021】なお、連結部には磁性部材を組込み、枠体
の外側に磁石を設け、この磁石の磁力によって梁を反ら
せ変位を与える。磁力を利用することにより、梁に変位
を与える電気的なあるいは機械的な手段を備える必要が
なくなりより小型化することができる。
【0022】この構造によれば枠体の長辺の長さを5〜
25mmにすることができ、きわめて小型の光スイッチ
を構成することができる。切換えられた光路は、対向す
る光ファイバに直接侵入するから、スイッチ部で生じる
損失が小さい光スイッチを提供することができる。
【0023】枠体内にはマッチング・オイルを充填しそ
れを密閉容器に実装する。これにより切換え動作の際に
マッチング・オイルの抵抗によって光ファイバが安定し
た状態で移動し、切換え時に光ファイバの先端に発生す
る振動を抑止することができる。
【0024】本発明の第三の特徴は、光スイッチ本体の
製造方法についてであって、一枚のシリコン・ウエーハ
にその表面から反応性イオン・エッチング(Reactive I
on Etching,RIE)を施すことにより貫通孔を開口し
その側面に結晶異方性エッチングを施して開口が対向す
るV溝を形成し、その後反応性イオン・エッチング(Re
active Ion Etching,RIE)を施すことにより、一個
の枠体とその内側にその枠体と連続的に形成された二本
の平行な梁と、この梁の中央部に形成され前記V溝が形
成された駒とを備えた部品を一体的に切出し、前記部品
の下面を駆動部構造の近傍にくぼみを設けたベースで接
合し、そのV溝の中にそれぞれその端部が接することが
できるように光ファイバを挿入し、さらにその部品の上
面を駆動部構造の近傍にくぼみを設けたカバーに接合す
ることを特徴とする。
【0025】本発明による製造方法は、複数の構成部材
を個別に形成して組立てるのではなく、一つの素材に反
応性イオン・エッチング加工を施し、枠体と他の構成部
材とを一体的に形成することを特徴とするものである。
【0026】すなわち、一対の駒が形成された部分にV
溝加工を施すとともに一対の光ファイバおよびこの一対
の光ファイバに対向して配置する一本の光ファイバを挿
入する固定溝を形成する。そして一個の枠体の内側に設
けられる二本の平行な梁と、この梁のほぼ中央部に互に
対向するように配置される一対の駒とを同一素材で一体
的に形成する。次いで、駆動する一対の駒の位置に対応
してくぼみが設けられたベースをその下面に接合する。
【0027】この状態で、一対の光ファイバをそれぞれ
の端部がV溝に接した状態で配置されるように固定溝に
挿入し固定するとともに、この一対の光ファイバに対向
する一本の光ファイバを固定溝に挿入固定し、その上面
に駆動する一対の駒の位置に対応してくぼみが設けられ
たカバーを接合する。
【0028】これにより、光ファイバの端部をV溝内に
接した状態で配置する駒の梁への取付け作業、および梁
の枠体への取付け作業が不要となり、これら構成部材の
取付け作業を要するために限界となっていた小型化をさ
らに進めることができる。また、製造の工程数を少なく
し製造コストを低減することができる。さらに、手作業
による工程が少なくなることにともなって製品品質を安
定させ、信頼性の高い製品を量産することができる。
【0029】なお、本発明の第二の特徴の構造の光スイ
ッチを製造する場合は、まず、V溝が形成されるシリコ
ン・ウエーハの端部に反応性イオン・エッチングを施す
ことにより開口孔を開口し、その開口孔の側面に結晶異
方性エッチングでV溝を形成しておき、第三の発明の特
徴の製造方法と同じように、反応性イオン・エッチング
を施すことにより、一個の枠帯とその内側にその枠帯と
連続的に形成された二本の並行な梁と、この梁を連結す
る連結部とを備えた部品を一体的に切出し、前記部品の
下面を駆動部構造の近傍にくぼみを設けたベースで接合
し、前記V溝の中に一対の光ファイバを挿入して固定
し、連結部に可動の一本の光ファイバを挿入して固定
し、さらにその部品の上面を駆動部構造の近傍にくぼみ
を設けたカバーを接合する。
【0030】
【発明の実施の形態】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0031】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
要部の構成を示す拡大断面図、図2は本発明第一実施例
の光ファイバの配置を示す図1におけるA矢視方向拡大
断面図である。
【0032】本発明第一実施例は、一個の枠体1と、そ
の枠体1の内側に設けられた二本の平行な梁2aおよび
2bと、その梁2aおよび2bのほぼ中央部に互いに対
向するように配置された一対の駒3aおよび3bとが備
えられ、この一対の駒3aおよび3bの対向面に梁2a
および2bに平行にV溝4aおよび4bが形成され、こ
のV溝4aおよび4bの中にそれぞれその端部が接した
状態で配置された一対の光ファイバ5aおよび5bと、
この一対の光ファイバ5aおよび5bの端部に対向する
ようにその端部が配置された一本の光ファイバ5cとが
備えられる。枠体1および二本の梁2aおよび2bは一
枚のシリコン・ウエーハから切出された連続体であり、
枠体1は長方形状であり、梁2aおよび2bはその長方
形の長辺に平行に形成される。
【0033】駒3aおよび3bには磁性部材6が組込ま
れ、枠体1の外にこの磁性部材6に磁力を与えて梁2a
および2bの反りを変位させる電磁石7が設けられる。
電磁石7は電源端子8に供給する電源の極性を反転させ
ることによって梁2aおよび2bの変位方向を切換え
る。
【0034】本発明による光スイッチは、枠体1の長辺
の長さが5〜25mmのきわめて小さい構造にすること
が可能である。この枠体1の内部には、駒3aおよび3
bの移動を安定させるためのマッチング・オイル9が充
填され密閉容器10に実装される。
【0035】次に、このように構成された本発明第一実
施例の動作について説明する。
【0036】電源端子8に電源が供給されると、電磁石
7に磁力が発生し駒3aおよび3bに組込まれた磁性部
材6を一方に引き寄せる。図3(a)は左方向に引き寄
せられたときの光ファイバの軸芯方向からみた正面図、
図3(b)はそのA矢視方向の平面図である。この図3
(a)および(b)に示すように光ファイバ5aおよび
5bが左方向に引き寄せられたときは、駒3aおよび3
bは二点鎖線で示す位置から実線で示す位置に移動す
る。
【0037】この移動にともなって駒3aおよび駒3b
に接して配置された光ファイバ5aおよび5bの端面は
移動して、光ファイバ5bは光ファイバ5cから離れ、
光ファイバ5aの端部が光ファイバ5cの端部に一致す
る。これにより光ファイバ5cは光ファイバ5a側の光
路に接続される。このとき、光ファイバ5cの端部は、
図3(b)に示すように、駒3aに形成されたV溝4a
内に収容され安定した状態が維持される。
【0038】電源供給が停止されると梁2aおよび2b
の弾力によって光ファイバ5aおよび5bは図2に示す
中間位置に戻される。
【0039】電源端子8に供給する電源の極性が反転さ
れると、電磁石7により磁性部材6が逆の方向に引き寄
せられる。図4(a)は右方向に引き寄せられたときの
光ファイバの軸芯方向からみた正面図、図4(b)はそ
のC矢視方向の平面図である。この図4(a)および
(b)に示すように右方向に引き寄せられたときには、
駒3aおよび3bは二点鎖線で示す位置から実線で示す
位置に移動する。
【0040】この移動にともなって駒3aおよび3bに
接して配置された光ファイバ5aおよび5bの端面も右
方向に移動し、光ファイバ5aは光ファイバ5cから離
れ、光ファイバ5bの端面は光ファイバ5cの端面に一
致する。これにより光ファイバ5cは光ファイバ5a側
の光路に接続される。このときも、光ファイバ5cの端
部は図4(b)に示すように駒3bに形成されたV溝4
b内に収容される。これにより切換え後の光ファイバ5
bと5cとは安定した状態を維持することができる。
【0041】電源端子8aへの電源供給が遮断される
と、梁2aおよび2bの弾力によって光ファイバ5aお
よび5bは図2に示す中間位置に戻される。
【0042】枠体1内にはマッチング・オイル9が充填
されているので、切換えにより移動した駒3aおよび3
bに発生する振動はマッチング・オイル9の抵抗により
抑えられる。
【0043】ここで、本発明第一実施例に用いる光スイ
ッチ本体の製造方法について説明する。図5(a)、
(b)および(c)は本発明第一実施例に用いられる枠
体の製造工程を説明する図、図6(a)〜(f)は本発
明第一実施例に用いられる光スイッチ本体の製造工程を
説明する図である。この図6(a)、(b)および
(c)は図5(a)、(b)および(c)に示す枠体の
D矢視方向、E矢視方向およびF矢視方向の断面を示し
たものであり、図6(d)、(e)および(f)は光ス
イッチ本体の同方向からみた断面を示したものである。
【0044】まず、長辺Lの長さが18mmの被加工素
材(シリコン・ウエーハ)20を準備し、図1および図
2に示す駒3aおよび3bが対向する部分を反応性イオ
ン・エッチング(Reactive Ion Etching :RIE)加工
により図5(a)および図6(a)に示すV溝加工を施
すための貫通孔21を形成するとともに、枠体1に光フ
ァイバ5aおよび5bを固定する固定溝1aと、光ファ
イバ5cを固定する固定溝1bとを形成する。固定溝1
aの幅は光ファイバ5aおよび5bが所定の間隔をもっ
て収容される寸法に設定し、固定溝1bの幅は光ファイ
バ5cが収容される寸法に設定する。このエッチング加
工は固定溝1aおよび1bが所定の深さに達するまで貫
通孔21の加工と同時に行い、その後は固定溝1aおよ
び1bにレジストを塗布して溝部のエッチングの進行を
停止し貫通孔21を加工する。
【0045】次いで、図5(b)および図6(b)に示
すように、貫通孔21の内面に、水酸化テトラメチルア
ンモニウム(TMAH)による結晶異方性エッチング加
工を施し、貫通孔21の内側全面にV溝4を形成する。
【0046】図7はこのTMAHにより行う結晶異方性
エッチング装置の要部の構成を示す図である。この装置
は、TMAH水溶液30によりエッチング処理を行う処
理容器31と、被加工素材(シリコン・ウェーハ)20
をTMAH水溶液30内に支持する固定治具32と、冷
却水を循環させる冷却管33と、処理容器31を加熱す
るヒータ34と、TMAH水溶液30を攪拌する攪拌子
35と、TMAH水溶液30の温度を計測する温度計3
6とにより構成される。
【0047】この結晶異方性エッチング加工によりV溝
4が形成された被加工素材20に反応性イオン・エッチ
ング(RIE)加工を施し、図5(c)および図6
(c)に示すように、貫通部22a、22bおよび23
を形成する。貫通部23を形成するときに図5(c)に
示すように左右のV溝4は取除く。これにより、梁2a
および2b、駒3aおよび3b、V溝4aおよび4bを
含む枠体1が一つの被加工素材20から一体に形成され
る。
【0048】次いで、図6(d)に示すように、この枠
体1の下面に駒3aおよび3bの位置に対応してくぼみ
25aが設けられたガラス製のベース25を接合する。
この状態で、図6(e)に示すように、一対の光ファイ
バ5aおよび5bをそれぞれその端部がV溝4aおよび
4bに接する状態で配置されるように固定溝1a内に挿
入し、図8(a)に示すようにマイクロピペット27を
用いて接着剤を注入し固定する。同様にして図8(b)
に示すように光ファイバ5cを固定溝1bに固定する。
このように光ファイバ5a、5bおよび5cが固定され
た状態で、図6(f)に示すように、その上面に駒3a
および3bに対応する位置にくぼみ26aが設けられた
ガラス製のカバー26を接合する。
【0049】後加工として、駒3aおよび3bに磁性部
材6を固定し、その外側に電磁石7を配置する。なお、
磁性部材6は、エッチング加工の際に駒3aおよび3b
に取付け孔を同時加工しておき、この取付け孔に圧入す
ることによって固定する。
【0050】図9(a)は本発明第一実施例における梁
のたわみ量を算出するための荷重の位置を示す図、
(b)は梁の形状を示す図である。
【0051】梁の最大たわみ量ymax と、この最大たわ
み量を得るための荷重Pとの関係は、 I:梁の断面二次モーメント(bh3 /12) E:ヤング率 とすれば、 ymax =2Pn32 /3(3n+m)2 EI (1) で示される。
【0052】荷重Pが梁の中央に作用するときは、 n=m=d/2 (2) となるので、 ymax=Pd3 /192EI (3) で示される。
【0053】ここで、前述した製造方法により作成した
試料の試験結果について説明する。
【0054】図7に示す処理容器31内に22%のTM
AH水溶液30を入れ、攪拌子35で攪拌しながら冷却
管33およびヒータ34により液温を80℃に維持して
約0.5μm/minのエッチングレートを設定し、被
加工素材(シリコン・ウエーハ)20を固定治具32で
支持してエッチング加工を行い、反応性イオン・エッチ
ング(RIE)加工により梁構造を作成し、表1に示す
試料(1)および試料(2)を作成した。
【0055】
【表1】
【0056】この試料(1)および試料(2)の試験条
件として梁の中央に荷重をかけたときの最大たわみ量y
max を表2に示す値に設定した。
【表2】
【0057】スイッチングを行うために梁を最大たわみ
量ymax まで移動させるに必要な力Pは、シリコン・ウ
エーハのヤング率が、 E=1.30×1011(N×m2 ) であるので、(3)式により表3に示す値が算出され
た。
【0058】次に、試料(1)を用いて光スイッチを作
成し、図10に示す光ファイバ5aを光ファイバ5c側
に移動させたときの移動量(μm)に対する挿入損失
(dB)を実測し図11に示す結果を得た。
【0059】これによると光ファイバ5aの移動にとも
なって挿入損失がほとんど切断状態である約90dBか
ら、試験条件として設定した移動距離150μmに達し
たときは挿入損失が約5dBとなり、光スイッチとして
十分に利用できる程度に作用していることが実証され
た。
【0060】また、試料(2)を用いて光スイッチを作
成し、図10に示す光ファイバ5aおよび5bを光ファ
イバ5c側に双方向に移動させたときの移動量(μm)
に対する挿入損失(dB)を実測し図12(a)および
(b)に示す結果を得た。図12(a)は光ファイバ5
aを光ファイバ5c側に移動させたときの実測データを
示したもので、光ファイバ5aの移動にともなって挿入
損失は光エネルギの切断状態である95dBから、試験
条件として設定した移動距離100μmに達したときは
挿入損失はほぼ零を示し、光ファイバ5cに入力された
光のほとんどが光ファイバ5aに伝達されていることが
実測された。これは光スイッチとして十分である。
【0061】また、図12(b)は光ファイバ5bを光
ファイバ5c側に移動させたときの実測データを示した
ものである。これによると光エネルギの切断状態である
95dBから、光ファイバ5bの移動量が80μmまで
は、何らかの原因によりわずかな漏洩(または反射)が
観測され、移動量が90μmに達すると挿入損失が約5
dBとなり、試験条件の100μmでは零値に近い値を
示した。これにより、この試料(2)については切替ス
イッチとして十分に利用できることが証明された。
【0062】(第二実施例)図13は本発明第二実施例
の要部の構成を示す拡大断面図である。
【0063】本発明第二実施例は、一対の駒3aおよび
3bの対向面の背面に可動範囲を規制するストッパ機構
が設けられる。このストッパ機構は、駒3aおよび3b
に連続して形成された可動片13aおよび13bと、こ
の可動片13aおよび13bを当接させることにより駒
3aおよび3bの移動量を規制する停止壁14を有する
可動片収容溝15aおよび15bとにより構成される。
可動片収容溝15aおよび15bは枠体11側に形成さ
れる。その他は第一実施例同様に構成される。このよう
に構成される本第二実施例の光スイッチ本体の製造も第
一実施例同様に一つのシリコン・ウエーハから一体に加
工される。
【0064】本第二実施例は、駒3aおよび3bが変位
を受けたときに、光ファイバ5aまたは5bのいずれか
の端部が光ファイバ5cの端部に一致する位置よりも大
きく移動することが規制される。これにより梁2aおよ
び2bが受ける変形量を最小限に抑えることができる利
点がある。
【0065】光ファイバ5aおよび5bのスイッチング
動作は第一実施例同様に行われる。
【0066】(第三実施例)図14は本発明第三実施例
の要部の構成を示す拡大断面図、図15は本発明第三実
施例の要部の構成を示す図14のG矢視方向拡大断面
図、図16は本発明第三実施例の枠体の構成を示す拡大
斜視図、図17は本発明第三実施例の枠体の縦方向背面
図である。
【0067】本発明第三実施例は、一個の枠体41と、
その枠体41の内側に設けられた二本の平行な梁2aお
よび2bと、その梁2aおよび2bのほぼ中央部を相互
に連結する連結部28と、枠体41の一辺および連結部
28に支持されその端部が枠体41の他辺に達するよう
に梁2aおよび2bに平行に配置された一本の光ファイ
バ5cとが備えられる。さらに、枠体41の他辺には光
ファイバ5cの端部が接する位置に梁2aおよび2bに
平行に開部29が対向するように一対のV溝4aおよび
4bが形成され、この一対のV溝4aおよび4bの谷部
にそれぞれその端部が接し光ファイバ5cの変位に応じ
てその端面が対向する一対の光ファイバ5aおよび5b
が配置される。
【0068】枠体41および二本の梁2aおよび2bは
一枚のシリコン・ウエーハから切出された連続体であ
り、枠体41は長方形状であり、梁2aおよび2bはそ
の長方形の長辺に平行に形成される。
【0069】光ファイバ5aおよび5bは、枠体41の
他辺に形成されたV溝4aおよび4bの逃げ溝42より
外側で接着剤により固定される。したがって余分の接着
剤は逃げ溝42内に流入し光ファイバ5c側に流出する
ことが防止される。光ファイバ5aおよび5bの端部と
光ファイバ5cの端部とはV溝4aおよび4bの逃げ溝
42より内側で対向するように配置される。
【0070】連結部28の両側背面には、可動範囲を規
制するストッパ機構が設けられ、このストッパ機構は第
二実施例同様に構成される。
【0071】連結部28を左右に駆動する駆動機構は、
図15および図17に示すように、連結部28の背面に
磁性部材6が固定され、この磁性部材6の背面に対向し
て摺動手段45に支持された磁石46および電磁石7が
配置される。
【0072】本第三実施例の場合は、電源端子8に電源
が供給されると、電磁石7に磁力が発生し磁石46を摺
動手段45に設けられた案内溝(図示せず)に沿って一
方に引き寄せる。電磁石7と連結部28の背面に固定さ
れた磁性部材6とは吸引状態にあるので、連結部28は
磁石46の移動にともなって同方向に移動する。例え
ば、図18(a)に示すように、磁石46が右側に移動
すると連結部28も右側に移動する。これにともなって
光ファイバ5cも右側に移動し、光ファイバ5cの端部
と光ファイバ5bの端部とが対向して光路が形成され
る。また、図18(b)に示すように、磁石46が左側
に移動すると連結部28は左側に移動する。これにとも
なって光ファイバ5cも左側に移動し、光ファイバ5c
の端部と光ファイバ5aの端部とが対向して光路が形成
される。
【0073】この駆動機構を用いた場合は、磁石46が
左右いずれかに移動した状態で、電源端子8からの電源
供給を遮断しても、磁石46は移動した位置に保持され
た状態となるので、光ファイバの切替え後に電源端子8
への通電を継続することなく切替えた状態を維持するこ
とができる。
【0074】なお、この第三実施例の光スイッチの製造
方法は、第一実施例の光スイッチの製造方法とほぼ同じ
であり、まず、枠体41の一方の端部に反応性イオン・
エッチングを施してV溝を設けるための貫通孔を設け、
また連結部28の固定溝28aおよび他方の端部に固定
溝1bを設ける。また逃げ溝42を設けておく。そし
て、結晶異方性エッチング加工により貫通孔にV溝4a
を形成する。次いで、第一実施例と同じように、反応性
イオン・エッチング加工を施し、梁2aおよび2bなら
びに可動片13aを含む連結部28を含む枠体41を切
り出す。そして、二本の光ファイバ5a、5bをV溝4
aに挿入固定し、また一本の可動の光ファイバ5cを連
結部28の固定溝28aおよび固定溝1bに固定し、カ
バーを接合して光スイッチを製造する。
【0075】製造されたこの第三実施例の光スイッチの
構造で駆動させたときの切替時間の測定結果を次に示
す。図18に示すような構成の測定系により光スイッチ
のスイッチング特性を測定した。この結果、駆動電圧は
8VDC、駆動電流160mA、挿入損失1.2dB、
切替時間100msの結果を得た。
【0076】(第四実施例)図20は本発明第四実施例
の要部の構成を示す拡大斜視図、図21は本発明第四実
施例の要部の構成を示す部分断面拡大平面図である。
【0077】本発明第四実施例は、枠体51と、この枠
体51の内側に設けられた二本の平行な梁2aおよび2
bと、この梁2aおよび2bのほぼ中央を相互に連結す
る連結部28と、枠体51の一方の端部および連結部2
8に支持されその端面が枠体51の他方の端部に達する
ように梁2aおよび2bに平行に配置された一本の光フ
ァイバ5cとが備えられる。
【0078】さらに、枠体51の他方の端部には、光フ
ァイバ5cの端部側面が接する位置に梁2aおよび2b
に平行にその開部29が対向するように一対のV溝4a
および4bが形成され、この一対のV溝4aおよび4b
の谷部にそれぞれその端部が接し光ファイバ5cの変位
に応じてその端面が対向する一対の光ファイバ5aおよ
び5bが配置される。
【0079】枠体51および二本の梁2aおよび2b
は、第一実施例同様に、一枚のシリコン・ウエーハから
切出された連続体であり、枠体51は長方形状であり、
梁2aおよび2bはその長方形の長辺に平行に形成され
る。
【0080】光ファイバ5aおよび5bは、枠体51の
V溝4aおよび4bの逃げ溝42より外側で接着剤によ
り固定される。これにより、余分の接着剤は逃げ溝42
内に流入し光ファイバ5c側に流出することが防止され
る。光ファイバ5aおよび5bの端部と光ファイバ5c
の端部とはV溝4aおよび4bの逃げ溝42より内側で
対向するように配置される。
【0081】連結部28を左右に駆動する駆動機構は、
連結部28に固定溝28aを挟んで永久磁石の磁性部材
6が組込まれ、この磁性部材6に磁力を与えて梁2aお
よび2bに変位を与える電磁手段が備えられる。この電
磁手段は、鉄心52と、この鉄心52に磁力を与えるコ
イル53とにより構成される。
【0082】本第四実施例の場合も、コイル53に電源
が供給されると、鉄心52の先端には一方の磁極が発生
するので、連結部28に組込まれた磁極が固定している
磁性部材6の反対磁極側を一方に引き寄せる。これにと
もなって梁2aおよび2bが移動し、光ファイバ5cを
一方に移動させる。この光ファイバ5cの移動によりそ
の端面が光ファイバ5aまたは5bの端面に一致し通信
路が形成される。コイル53に供給する電源の極性を変
えることにより、第一実施例同様にスイッチング動作を
行うことができる。この第四実施例では一つのコイルの
通電方向を切り替えるだけでスイッチング動作を行うこ
とができ、駆動機構を小型化できる利点がある。
【0083】また、図19に示す測定系で第四実施例の
構造の光スイッチの特性を測定したところ、駆動させる
に必要な電圧は5VDCで、通電時間は15ms、切替
時間は10ms以下となった。なお、消費電力は4.8
W、挿入損失は1.2dBである。このときの切替の様
子をグラフに示すと図22のとおりのようになった。グ
ラフ中の上側の線はアクチュエータにかけた電圧の変化
を示し、15msの矩形波を入力している。下側の線は
出力側の光ファイバのうち、一つの端面から出力される
光の強度を示している。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
スイッチ本体を構成する複数の部材を一つの素材から一
体的に形成することができるので組立作業が削減され、
組立作業があるために製造できなかった極めて小型の光
スイッチを実用化することができる。さらに、手作業に
よる品質のばらつきがなくなり信頼性の高い安定した製
品を量産することができる。本発明はシリコン・ウエー
ハの固有な性質である機械的弾性を巧みに利用したもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の要部の構成を示す拡大断面
図。
【図2】本発明第一実施例の光ファイバの配置を示す図
1におけるA矢視方向拡大断面図。
【図3】(a)および(b)は本発明第一実施例におけ
る左方向への切換えによる光ファイバの接続を説明する
正面図および平面図。
【図4】(a)および(b)は本発明第一実施例におけ
る右方向への切換えによる光ファイバの接続を説明する
正面図および平面図。
【図5】(a)、(b)および(c)は本発明第一実施
例に用いられる枠体の製造工程を説明する図。
【図6】(a)〜(f)は本発明第一実施例に用いられ
る光スイッチ本体の製造工程を説明する図。
【図7】本発明第一実施例においてV溝形成に用いられ
る結晶異方性エッチング装置の要部の構成を示す図。
【図8】(a)および(b)は本発明第一実施例におけ
る枠体への光ファイバの固定方法を説明する図。
【図9】(a)は本発明第一実施例における梁のたわみ
量を算出する荷重の位置を示す図、(b)は梁の形状を
示す図。
【図10】本発明第一実施例光スイッチの光ファイバの
切換え方向を示す図。
【図11】本発明第一実施例光スイッチの可動側光ファ
イバの移動量に対する挿入損失の実測データを示す図。
【図12】(a)および(b)は本発明第一実施例光ス
イッチの別の試料を用いて行った可動側光ファイバ移動
量に対する挿入損失の実測データを示す図。
【図13】本発明第二実施例の要部の構成を示す拡大断
面図。
【図14】本発明第三実施例の要部の構成を示す拡大断
面図。
【図15】本発明第三実施例の要部の構成を示す図14
のG矢視方向拡大断面図。
【図16】本発明第三実施例の枠体の構成を示す拡大斜
視図。
【図17】本発明第三実施例の枠体の縦方向背面図。
【図18】(a)および(b)は本発明第三実施例の磁
石の移動を説明する部分背面図。
【図19】光スイッチのスイッチ特性の測定系を示す
図。
【図20】本発明第四実施例の要部の構成を示す拡大斜
視図。
【図21】本発明第四実施例の要部の構成を示す部分断
面拡大平面図。
【図22】第四実施例のスイッチング特性の測定結果を
示す図。
【符号の説明】
1、11、41、51 枠体 1a、1b、11a、11b、28a 固定溝 2a、2b 梁 3a、3b、40a、40b 駒 4 、4a、4b、41a、41b V溝 5a、5b、5c 光ファイバ 6 磁性部材 7 電磁石 8 電源端子 9 マッチング・オイル 10 密閉容器 13a、13b 可動片 14 停止壁 15a、15b 可動片収容溝 20 被加工素材(シリコン・ウエーハ) 21 貫通孔 22a、22b、23 貫通部 25 ベース 25a、26a くぼみ 26 カバー 27 マイクロピペット 28 連結部 29 開部 30 TMAH水溶液 31 処理容器 32 固定治具 33 冷却管 34 ヒータ 35 攪拌子 36 温度計 42 逃げ溝 45 摺動手段 46 磁石 52 鉄心 53 コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−270692(JP,A) 特開 平7−43625(JP,A) 特開 平3−260613(JP,A) 特開 平6−148536(JP,A) 特開 平10−161046(JP,A) 特表 平1−502782(JP,A) 国際公開97/28476(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一個の長方形の辺を構成する枠体と、そ
    の枠体の内側の長方形の長辺に平行に設けられた二本の
    平行な梁と、その梁のほぼ中央部に前記二本の梁と一体
    構造となる可動体とを備えこの可動体には互いにその開部が対向するV溝が前記梁
    に平行に形成され、このV溝の中にそれぞれその端部が
    接する一対の光ファイバが配置され、この一対の光ファ
    イバの前記端部に対向するように一本の光ファイバが前
    記可動体の前記二本の梁のほぼ中間部に設けられた固定
    溝に配置され、 前記枠体および前記二本の梁は一枚のシリコン・ウエー
    ハから切出された連続体であり、 前記可動体には磁性部材が組み込まれ、前記枠体の外に
    この磁性部材に磁力を与えて前記梁に反りによる変位を
    与える磁石が設けられ、 前記磁石は、電磁石であり、鉄心の先端が二つに分岐し
    前記磁性部材の両磁極を挟む構造である ことを特徴とす
    る光スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記枠体がマッチング・オイルが充填さ
    れた密閉容器に実装された請求項1記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】 一個の長方形の辺を構成する枠体と、そ
    の枠体の内側の長方形の長辺に平行に設けられた二本の
    平行な梁と、その梁のほぼ中央部に設けられ前記二本の
    梁を相互に連結し前記梁に反りによる変位を与える連結
    部とを備え前記枠体の一辺および前記連結部に固定して支持されそ
    の端部が前記枠体の他辺に達するように前記梁に平行に
    一本の光ファイバが配置され、 前記枠体の他辺には前記光ファイバの端部が接する位置
    に前記梁に平行に開部が互いに対向するように一対のV
    溝が形成され、この一対のV溝の中にそれぞれその端部
    が接し前記一本の光ファイバの変位に応じて対向するよ
    うに一対の光ファイバが配置され、 前記枠体および前記二本の梁は一枚のシリコン・ウエー
    ハから切出された連続体であり前記連結部には磁性部材が組込まれ、前記枠体の外にこ
    の磁性部材に磁力を与 えて前記梁の反りを変位させる磁
    石が設けられ、 前記磁石は、電磁石であり、鉄心の先端が二つに分岐し
    前記磁性部材の両磁極を挟む構造である ことを特徴とす
    光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記枠体がマッチング・オイルが充填さ
    れた密閉容器に実装された請求項記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 一枚のシリコン・ウエーハにその表面か
    ら反応性イオン・エッチング(Reactive Ion Etching,
    RIE)を施すことにより貫通孔を開口しその側面に結
    晶異方性エッチングを施してほぼ中央部に開口が対向す
    るV溝を形成し、反応性イオン・エッチング(Reactive
    Ion Etching,RIE)を施すことにより、一個の枠体
    とその内側にその枠体と連続的に形成された二本の平行
    な梁と、この梁の中央部に形成され前記V溝が形成され
    た可動体とを備えた部品を一体的に切出し、前記部品の
    下面をくぼみを設けたベースで接合し、そのV溝の中に
    それぞれその端部が接することができるように光ファイ
    バを挿入し、さらにその部品の上面をくぼみを設けたカ
    バーに接合することを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 一枚のシリコン・ウエーハにその表面か
    ら反応性イオン・エッチング(Reactive Ion Etching,
    RIE)を施すことにより貫通孔を開口しその側面に結
    晶異方性エッチングを施してその端部に開口が対向する
    V溝を形成し、反応性イオン・エッチング(Reactive I
    on Etching,RIE)を施すことにより、一個の枠体と
    その内側にその枠体と連続的に形成された二本の平行な
    梁と、この梁の中央部に形成されて前記梁を連結し一本
    の光ファイバを収容する溝が形成された連結部とを備え
    た部品を一体的に切出し、前記部品の下面をくぼみを設
    けたベースで接合し、前記V溝の中にそれぞれその端部
    が接することができるように2本の光ファイバを固定
    し、前記連結部の溝に1本の可動の光ファイバを挿入
    し、さらにその部品の上面をくぼみを設けたカバーに接
    合することを特徴とする光スイッチの製造方法。
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