JP3457037B2 - 集積型加速度計 - Google Patents
集積型加速度計Info
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Description
有し、基板に平行な方向に可動する物体の加速度を測定
する集積型加速度計に関する。
るとともに、自動車の機動的サスペンションやエアバッ
グの検査への応用や、産業上、特に、宇宙および航空分
野における様々な要請に答えるために必要なパラメータ
である。上記産業分野への応用を発展させるには、加速
度計に関し、満足のいく計測学上の特性を維持しながら
も、製造コスト面が相当顕著に削減される必要がある。
クス技術を用いてマイクロマシン化されたシリコン加速
度計の機械的構造を生み出すために、数多くの方法が提
案されてきた。シリコンの主な長所は、明らかに、構造
の集中的な処理とその小型化、すなわち、相対的に低コ
ストであること加え、クリープやヒステリシス、時間的
なドリフトがない、単結晶物質としての機械的信頼性に
ある。
は、半導体基板に対する受感軸の位置の機能が異なる。
例えば、最も広範囲に開発されてきたもので、従来のシ
リコン体異方性化学機械方法(silicon volume anisotr
opic chemical machiningmethod)を使用した、基板に
垂直な受感軸を有する構造のものがある。また、基板に
平行な受感軸を有する構造もあり、以下、この構造を
「平行軸構造」と呼ぶ。平行軸構造の主な長所は、同一
平面上、更には互いに垂直に設定することもできる各受
感軸を有する2つの受感加速度計を同一基板上に集積可
能なことである。本発明は、この2番目のタイプの加速
度計に関するものである。
「平行軸」加速度計については、参照文献1、「Transd
ucers' 91 Digest of Technical papers, June 1991, S
anFrancisco "A simple, high performance piezoresis
tive accelerometer" byJ.T. Suminto, pp.104-107
」、および、参照文献2、すなわち、本願出願人によ
る「US−A−4,653,326」に記述されてい
る。
本原理は、たわみ梁と呼ばれる1つまたは複数のたわみ
機構連結部分を介して支持体に取り付けられた振動質量
体により発生した変位または力を測定することである。
これら公知である平行軸加速度計においては、上記振動
質量体およびたわみ梁は、シリコン基板のボリュームマ
シニングによるものである。言い換えれば、基板全体の
厚み部分は、構造体の可動要素(梁および質量体)が動
けるようにエッチされる。
計は、希望の機械的構造を得る、防食用酸化層と蒸着多
結晶シリコン層を用いた表面機械加工手法により製造お
よび販売されてきた。この加速度計については、参照文
献3、すなわち、「Electronic Design, August 1991,
pp.45-56,"Accelerometer's micromachined mass "move
s" in plane of IC ; on-chip circuit controls it an
d senses G with force-balance techniques" by F.Goo
denough」に記述されている。
の測定は、ピエゾ抵抗素子により行われる。一方、参照
文献2および3においては、振動質量体の可能な変位
が、静電容量型システムにより特定される。本発明によ
る加速度計は、主として容量型検出法を用いたものであ
る。しかしながら、ピエゾ抵抗型の検出を行うことも可
能である。
検出型加速度計は、絶縁基板を使わざるを得ないという
短所、および、それらの間の絶縁が困難な各電極を各電
気接点に接続するために、特に該電極が異なる電位を有
する場合に、導体同士を交差させなければならないとい
う短所を有している。更に、そのような絶縁電極を作成
することは困難である。このような配置は、寄生的なキ
ャパシタンス(parasitic capacitance)の存在を取り
除くために行われるものである。
は、可動質量体は、参考文献2に示すような金属被覆法
により、あるいは導電シリコンを用いて、導電性に作成
される。つけ加えれば、振動質量体の変位方向に垂直な
方向に延びた質量体の両側は、固定された導電片に対面
し、該導電片とともに、質量体の両側において可変容量
コンデンサを構成している。上記各固定片の電気伝導率
は、参照文献2に示されるような金属蒸着、もしくは、
導電シリコンにより決定される。
点が電気的に絶縁され、2つの固定された櫛部に対面す
る可動櫛部の歯列に従って各プレートが配列された複数
のコンデンサを有する。これにより、該プレート間もし
くは可動質量体と一体化された可動歯列間に、各プレー
トもしくは各固定櫛の歯が挿入される。繰り返すが、交
差する電極間を絶縁することは難しい。また、このよう
な特殊な配列は、寄生的なキャパシタンスの存在を取り
除くためである。
量体および梁について、単結晶シリコンと比較して再現
性および安定性の面で問題があるとともに加速度計の計
測学的特性を低める傾向にある多結晶シリコンを使用し
ている。係る加速度計は、また、指向性の見地、つまり
は横方向の加速度に対する有効感度に対して、梁の形状
比が相対的に不利になっている。これらの短所は多結晶
シリコンの使用に関連したものであり、その蒸着厚は、
数マイクロメータ以下(一般に、2マイクロメータ以
下)である。測定の指向性および振動質量体の大きさを
制限することは、測定レンジの制限につながる。
前述した短所を取り除いた新規な集積加速度計を提供す
ることを特に目的としている。特に、該加速度計は、電
極を電気接点へ接続する導体同士が交差しない。また、
従来技術による加速度計に比べてより良い指向性、再現
性および感度を有する一方、寄生的なキャパシタンスの
存在は多くない。
による加速度計は、導電基板と、前記導電基板に絶縁体
を介して少なくとも1つのたわみ梁により機械的に結合
され、前記基板に平行な第1の方向に移動可能な可動質
量体と、前記可動質量体の少なくとも一方の側に設けら
れた、電気的に相互に連結されるとともに、前記基板に
平行かつ前記第1の方向に垂直な第2の方向に配列され
た導電可動歯列と、電気的に相互に連結されるととも
に、前記基板に対して一体化かつ絶縁された固定導電歯
列と、電気的に相互に連結されるとともに、前記第2の
方向に平行な指状の固定電極列からなる少なくとも1つ
の静電遮蔽体とから成り、前記固定歯列は、前記第2の
方向に配列されるとともに、前記可動質量体の前記第1
の方向における変位を測定するため、およびまたは、該
変位をサーボ制御するための可変容量コンデンサを形成
するために前記可動歯と交互に置かれるものであり、前
記固定電極列は、各可動歯が1つの固定電極と1つの固
定歯との間に挿入されるように、前記固定歯列と前記可
動歯列との間に置かれるものであることを特徴としてい
る。
は、これを取り囲む2つの固定歯とともに2つの平行な
コンデンサを形成し、そのキャパシタンスは逆の方向に
変化する。加速度を的確に検出するためには、これら2
つのコンデンサのうちの一方の変化の影響を排除する必
要がある。上記固定歯列と可動歯列との間に存在する上
記指状部および静電遮蔽体は、寄生的な容量変化による
影響を除去するので、加速度計の信頼性を上昇させるこ
とができる。また、係る容量的またはピエゾ抵抗的な測
定手段により得られる信号を処理する手段を簡略化する
ことができる。ピエゾ抵抗的な測定手段による場合に
は、可変容量コンデンサは、質量体の変位をサーボ制御
するためだけに使用される。
歯列、固定歯列、および固定電極は、単結晶シリコンに
より作製される。上記固定歯列および可動歯列の電気伝
導率は、対面する歯列の各面の金属被覆法により、ま
た、それらの形成に使用された導電シリコンにより決ま
る。導電シリコンを使用する方が好ましい。
より作製可能である。しかし、この加速度計の製造の便
をはかるため、該電極はシリコンにより作製される。従
って、全ての可動部分および測定手段は、同一材料の単
一のエッチング処理を介して作製される。本発明による
加速度計は、導電単結晶シリコン基板のボリュームエッ
チング(volume etching)、もしくは、好ましくは表面
技術を利用して作製される。加速度計のコストを削減す
るためには、表面技術を利用し、本発明による該加速度
計を標準的な機械により規格基板上に作製することが望
ましい。
に、図面を参照して、本発明の1つの実施形態である実
施例について説明する。図1は、本発明による、基板に
平行な受感軸を有する加速度計の構成を示す平面図であ
る。また、図2および図3は、それぞれ、図1の II-II
方向および III-III方向における断面図である。
計は、一例としてP型にドープされた単結晶性の可動振
動質量体2を有しており、該質量体2は、たわみ梁6に
より固定支持部材4に結合されている。この質量体2
は、複数の貫通穴9と、上記梁への結合を確実にするた
めの突出片7を有している。上記部材4は、基板8に対
して機械的に結合されるとともに電気的に絶縁されてい
る。また、部材4、梁6、および基板8は、P型の単結
晶シリコンにより形成されている。
量体2の両側に2つの支持部材4を有しており、質量体
2は、これら支持部材4に垂直な方向に設けられた梁6
に結合されている。すなわち、本構造は、基板8の表面
に対して平行である2つの直交するXおよびY軸に関し
て対称的になっている。しかしながら、左上1/4部分
のみの構造により機能する加速度計を作成することも可
能である。
軸の両側に、上記X方向に平行に配列された歯形状の電
極列12を有しており、この電極列12は、2つの第1
の可動櫛14を構成している。そして、各第1の可動櫛
14に対面するように第2の固定櫛16および17が配
置され、その歯列18および15は、上記方向Xに平行
であるとともに上記櫛14の歯列12の間に挟まれるよ
うに配置され、電極として機能する。これらの櫛16お
よび17もまたP型にドープされた単結晶シリコンによ
り形成されており、また、固定片19,21(図3参
照)により基板8に結合されている。
する指形状の固定電極列22が、上記可動歯列12と固
定歯列18または15との間に配置される。これらの固
定電極列22もまた、櫛型に配列される。Y軸に関する
上述した対称性により、本加速度計は、該軸の両側に2
つの静電遮蔽体20を有している。各遮蔽体20は、各
可動歯12が各固定電極22と各固定歯18または15
との間に挿入されるように配置される。各静電遮蔽体2
0は、上記質量体、梁6および固定電極列18および1
5と同様に、好ましくはP型にドープされた、単結晶性
または多結晶性の導電シリコンにより形成されている。
電極列22は基板8に直接結合されており、これによ
り、基板8に電気的に接続されている。これとは逆に、
図3に示すように、梁6の各支持部材4と固定櫛16,
17の各固定片19,21とは、エッチされた酸化シリ
コン層28により、基板8と電気的に絶縁されている。
また、振動質量体2は、基板8の上部に掛け渡されてい
る。参照符号40は、振動質量体2と基板4とを分離し
ている空間を示す。
の配列、および、静電遮蔽体20の配列は、梁6により
支持された質量体2のY方向の変位の差動測定、および
該測定のサーボ制御を可能にする。コンデンサ12−1
8のキャパシタンスの変化を測定するため、それぞれの
櫛17または16上に、基準電気接点23または24が
設けられている。更に、上記差動測定を実施するため、
一方の支持部材4上に電気測定用接点26が設けられて
いる。
「F=m・y」を受け、梁6のばね定数に従ってYに平
行な距離lだけ動く。そして、「交差指型」櫛16,1
7および14における、振動部12に一体化された電極
列12と固定電極列18および15(過負荷の場合には
その受け止め部として機能する)との間で測定される各
キャパシタンスは、互いに逆の様式で変化する。
面と可動電極12の一方の面との間に静電遮蔽体20の
電極22を配置することにより、1つの可変容量コンデ
ンサを各可動歯に関連させることができ、これにより、
寄生的なキャパシタンスによる影響をキャンセルするこ
とができる。電気的な見地から、これら3つの直列した
電極12、18または15、および22は互いに絶縁さ
れており、接点26を介した振動質量体2と、接点24
または23のそれぞれを介した18または15の2つの
電極のいずれかとの間に電場Eが加えられることによ
り、静電引力が発生する。
たは23と接点26との間に接続され、上記振動質量体
が加速中にY方向に変位したことによる差動キャパシタ
ンスの変化を検出する測定装置が利用される。キャパシ
タンス測定型のこの装置は、低振幅な交番(alternatin
g)測定信号を発生する。そして、接点24または23
および26を介して、電極列12と18または15との
間に付加されるある連続した片寄り成分が、該信号に重
畳される(電極列12と18または15との間のキャパ
シタンスは降下する)。これらにより、Y方向の加速に
より発生する力に等しい力(静電的な力)が誘発され、
質量体2が均衡状態に戻され、各可変コンデンサが初期
のキャパシタンスを有するようになる。すなわち、この
片寄りはY方向の加速度の投影であり、非常に信頼性の
高い直線性を有する加速度計を得ることを可能とすると
ともに、これを用いた構造体の自動検査が可能となる。
体技術、更に特定すると、P型にドープされた単結晶基
板に1016〜1018イオン/cm2 の酸素イオンをイン
プラントし、該インプラントされた構造体を1150〜
1400℃でアニールする「SIMOX」技術を用いて
製造されるものである。これにより、酸化層28により
基板8と絶縁された単結晶性のシリコンフィルムが得ら
れる。
酸化層の上にシリコンをエッチすることにより、上記固
定電極列の他、上述した梁、振動質量体およびその可動
電極列が形成される。そして、エピタキシャルなシリコ
ン層内に静電遮蔽体20が形成される。これに続き、振
動質量体の下の酸化物28が、フッ化水素酸を用いた化
学エッチングにより、穴9および各エッジを通して除去
される。これらの穴の密度により、構造体4,17およ
び19の各支持体に目立つ作用を及ぼさずに、可変な速
度で埋込SiO2 層をエッチングすることが可能にな
る。なお、本発明は、以上説明した実施例に限られるも
のではない。
感軸を有する加速度計の構成を示す平面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 導電基板と、 前記導電基板に絶縁体を介して少なくとも1つのたわみ
梁により機械的に結合され、前記基板に平行な第1の方
向(Y)に移動可能な可動質量体と、 前記可動質量体の少なくとも一方の側に設けられた、電
気的に相互に連結されるとともに、前記基板に平行かつ
前記第1の方向(Y)に垂直な第2の方向(X)に配列
された導電可動歯列と、 電気的に相互に連結されるとともに、前記基板に対して
一体化かつ絶縁された固定導電歯列と、 電気的に相互に連結されるとともに、前記第2の方向
(X)に平行な指状の固定電極列からなる少なくとも1
つの静電遮蔽体とから成る集積型加速度計であって、 前記固定歯列は、前記第2の方向(X)に配列されると
ともに、前記可動質量体の前記第1の方向における変位
を測定するため、およびまたは、該変位をサーボ制御す
るための可変容量コンデンサを形成するために前記可動
歯と交互に置かれるものであり、 前記固定電極列は、各可動歯が1つの固定電極と1つの
固定歯との間に挿入されるように、前記固定歯列と前記
可動歯列との間に置かれるものであることを特徴とする
集積型加速度計。 - 【請求項2】 前記可動質量体は、第1の方向に平行で
ありかつ互いに反対側に位置した側に、2つの導電可動
歯列を有し、それぞれは固定導電歯列および静電遮蔽体
と関連することを特徴とする請求項1記載の集積型加速
度計。 - 【請求項3】 前記質量体は、2つのたわみ梁により前
記基板に機械的に結合されていることを特徴とする請求
項2記載の集積型加速度計。 - 【請求項4】 可動歯列を備える前記可動質量体、固定
歯列は、1つまたは複数の前記静電遮蔽体と同様に、電
気的に伝導性のある単結晶シリコンにより作製されるこ
とを特徴とする請求項1記載の集積型加速度計。 - 【請求項5】 前記各梁は導電性であり、1つまたは複
数の前記たわみ梁と前記基板との間に電気絶縁体が配置
されることを特徴とする請求項3記載の集積型加速度
計。 - 【請求項6】 前記各静電遮蔽体は、前記基板に直接結
合されることを特徴とする請求項5記載の集積型加速度
計。 - 【請求項7】 前記基板は、ドープされた単結晶性シリ
コンによるものであることを特徴とする請求項1記載の
集積型加速度計。 - 【請求項8】 前記振動質量体は、複数の貫通穴を有す
ることを特徴とする請求項1記載の集積型加速度計。
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