JP3456632B2 - トリフルオロメタンスルホン酸無水物の精製方法 - Google Patents

トリフルオロメタンスルホン酸無水物の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリフルオロメタ
ンスルホン酸無水物の精製方法に関するものである。ト
リフルオロメタンスルホン酸無水物は、医薬品、農薬、
各種機能材料などを製造する際の原料あるいは触媒など
として有用な化合物である。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、トリフルオロメ
タンスルホン酸無水物を製造する方法として、以下の反
応式で示されるように、トリフルオロメタンスルホン酸
を五酸化リンと反応させ、脱水縮合することにより製造
する方法が知られている。
【0003】
【化3】6CF3SO3H+P25→3(CF3SO22
O+2H3PO4 しかしながら、この製造方法においては、ガラス状のポ
リリン酸が副生して反応液が固結してしまい、反応液の
攪拌ができなくなるため、それ以上反応を続行できなく
なってしまうという問題があり、また、副生したポリリ
ン酸の反応終了後の処理が容易でないという問題もある
ため、工業的にトリフルオロメタンスルホン酸無水物を
製造する方法としては適当ではない。
【0004】そこで、そのような従来法の問題点に鑑
み、本発明者らが検討を行った結果、 トリフルオロメタンスルホン酸を五塩化リンと反応さ
せることにより、以下の反応式にしたがってトリフルオ
ロメタンスルホン酸無水物を製造することができるこ
と、
【0005】
【化4】2CF3SO3H+PCl5→(CF3SO22
+POCl3+2HCl および、トリフルオロメタンスルホン酸を三塩化リン
および塩素と反応させることにより、以下の反応式にし
たがってトリフルオロメタンスルホン酸無水物を製造す
ることができること
【0006】
【化5】2CF3SO3H+PCl3+Cl2→(CF3
22O+POCl3+2HCl を見出し、それぞれ特許出願した(特願平10−40
044号、特願平10−40045号)。
【0007】しかしながら、これらの製造方法において
は、副生成物として生成するオキシ塩化リンの除去が問
題となる。すなわち、生成するトリフルオロメタンスル
ホン酸無水物およびオキシ塩化リンの沸点は、それぞれ
82℃および108℃であり、このような沸点差のある
液状物質の分離・精製は、通常、蒸留により実施されて
いるが、トリフルオロメタンスルホン酸無水物からオキ
シ塩化リンを蒸留により分離・精製する場合において
は、これらの化合物の共沸を伴うため、高純度のトリフ
ルオロメタンスルホン酸無水物を容易に得ることができ
ないという問題点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記のような問
題点を解決することを目的として本発明者らが鋭意検討
を行った結果、オキシ塩化リンが不純物として混在する
トリフルオロメタンスルホン酸無水物に水分含量ゼロの
リン酸(以下、「100%リン酸」と記す。)を添加す
ることにより、オキシ塩化リンと100%リン酸とを反
応させてピロリン酸へ変換し、その後、これを蒸留する
ことにより、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を容
易に分離・精製することができることを見出し、本発明
に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、オキシ塩化リンが混
在するトリフルオロメタンスルホン酸無水物に100%
リン酸を添加した後、分液し、蒸留により精製すること
を特徴とするトリフルオロメタンスルホン酸無水物の精
製方法である。
【0010】以下、本発明のオキシ塩化リンが混在する
トリフルオロメタンスルホン酸無水物の100%リン酸
による精製方法について、詳細に説明する。
【0011】本発明において精製の対象とされているト
リフルオロメタンスルホン酸無水物は、種々の方法で製
造することができ、例えば、前述した本発明者らが見出
した製造方法、すなわち、下記式
【0012】
【化6】2CF3SO3H+PCl5→(CF3SO22
+POCl3+2HCl
【0013】
【化7】2CF3SO3H+PCl3+Cl2→(CF3
22O+POCl3+2HCl で示される反応のうちのいずれかの反応により製造する
ことができる。
【0014】本発明のトリフルオロメタンスルホン酸無
水物の精製方法においては、100%リン酸が使用され
る。この理由は、水分を含有しているリン酸を用いた場
合、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が水と反応し
て加水分解し、回収率が低下してしまうためである。
【0015】本発明において用いられる100%リン酸
は、市販されている水分を含有しているリン酸、例え
ば、85%リン酸に五酸化リンを添加することにより製
造することができる。
【0016】本発明においては、不純物として混在する
オキシ塩化リンは、以下の反応式にしたがって100%
リン酸と反応してピロリン酸に変換され、その後、分液
し、蒸留により分離・除去される。
【0017】
【化8】 POCl3+5H3PO4→3H427+3HCl 本発明における100%リン酸の添加量は、オキシ塩化
リン1モルに対して、1モル以上とするのが好ましく、
より好ましくは5〜6モルである。100%リン酸の添
加量が少ない場合には、オキシ塩化リンの除去が不充分
となり、また、添加量が多い場合には、トリフルオロメ
タンスルホン酸無水物が分解するという問題が発生する
場合があり、好ましくない。
【0018】本発明においては、100%リン酸を添加
する際に発熱を伴うため、添加時の温度は、20℃以下
とするのが好ましく、より好ましくは−5〜10℃であ
る。また、100%リン酸を添加した後の温度は、室温
付近とすればよい。
【0019】本発明においては、100%リン酸を逐次
添加することにより、オキシ塩化リンの除去効果をより
高めることができる。
【0020】100%リン酸を添加する際は、できるだ
けゆっくりと滴下するのが好ましく、100%リン酸の
添加後、30分から1時間程度反応させた後に、分液
し、蒸留・精製するのがよい。
【0021】本発明においては、反応終了後、反応液を
分液した後に蒸留を行う。分液せずにそのまま蒸留を行
った場合、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が分解
するという問題が発生することがある。
【0022】本発明における蒸留は、通常の蒸留方法に
したがって行えばよいが、より好ましいのは、精留塔を
使用する蒸留である。精留塔を使用して蒸留を行うこと
により、より高純度の目的のトリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物を得ることができる。また、本発明における
蒸留は、減圧蒸留でもよいし、また、常圧蒸留でもよ
く、いずれの場合でも目的のトリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物を高純度、高収率で得ることができる。
【0023】以上のような方法によって、高純度のトリ
フルオロメタンスルホン酸無水物を容易に、かつ、収率
よく得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の実施
の形態を具体的に説明する。
【0025】
【実施例】実施例1 トリフルオロメタンスルホン酸無水物117.6g
(0.42モル)中にオキシ塩化リン17.64g
(0.11モル)を溶解させた。氷冷下、100%リン
酸56.2g(0.57モル)をゆっくりと滴下した。
滴下終了後、1時間後に撹拌を停止し、静定し、分液し
て下層を回収した。トリフルオロメタンスルホン酸無水
物の回収率は、98.0%であった。回収した液を常圧
蒸留し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物104.
51g(88.0%)を得た。含有するオキシ塩化リン
は、15%から1.4%まで低減することができた。
【0026】実施例2 トリフルオロメタンスルホン酸無水物117.6g
(0.42モル)中にオキシ塩化リン17.64g
(0.11モル)を溶解させた。氷冷下、100%リン
酸14.1g(0.14モル)を滴下した。滴下終了
後、1時間後に撹拌を停止し、静定し、分液して下層を
回収した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の回収
率は、97.0%であった。回収した液を常圧蒸留し、
トリフルオロメタンスルホン酸無水物100.72g
(85.0%)を得た。含有するオキシ塩化リンは、1
5%から3.3%まで低減することができた。
【0027】
【発明の効果】本発明の精製方法により、医薬品、農
薬、各種機能材料などを製造する際の原料あるいは触媒
として有用な化合物であるトリフルオロメタンスルホン
酸無水物中に混在するオキシ塩化リンの除去・精製につ
いて、100%リン酸を使用することにより容易に、高
選択的に、かつ、収率よく行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−53634(JP,A) 特開 平9−227498(JP,A) 特開 平2−268148(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 303/42 - 303/44 C07C 303/02 C07C 309/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オキシ塩化リンが混在するトリフルオロメ
    タンスルホン酸無水物に水分含量ゼロのリン酸を添加し
    た後、分液し、蒸留により精製することを特徴とするト
    リフルオロメタンスルホン酸無水物の精製方法。
  2. 【請求項2】オキシ塩化リンが混在するトリフルオロメ
    タンスルホン酸無水物が、下記式 【化1】2CF3SO3H+PCl5→(CF3SO22
    +POCl3+2HCl 【化2】2CF3SO3H+PCl3+Cl2→(CF3
    22O+POCl3+2HCl で示される反応のうちのいずれか一つの反応により製造
    されたものであることを特徴とする請求項1記載のトリ
    フルオロメタンスルホン酸無水物の精製方法。
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