JP3456246B2 - 樹脂シャーシを使用した磁気記録再生装置 - Google Patents

樹脂シャーシを使用した磁気記録再生装置

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    • Y10T403/60—Biased catch or latch

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂シャーシを使用した
磁気記録再生装置に係り、特に一体成形されてなる樹脂
シャーシを使用した磁気記録再生装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のＶＨＳ方式ビデオテープレコーダ
やβ方式ビデオテープレコーダや８ｍｍビデオテープレ
コーダや小型ディジタルオーディオテープレコーダ等の
磁気記録再生装置の機構系は、例えばアルミダイキャス
ト製のシャーシにカセット着脱機構やテープローディン
グアンローティング機構やテープ走行機構等の機構系を
設けて構成されている。
【０００３】上記従来のシャーシは、一般にアルミダイ
キャスト製のシャーシにピン等を圧入したり、シャフト
等をかしめた板金部材を配設したり、シャフトにスリッ
トワッシャを配設したりして構成されており、数多くの
部品で構成されていた。
【０００４】例えば、カセット着脱機構を構成するカセ
ットハウジングをカセット着脱方向に案内するための案
内溝は、シャーシに別個に取り付けられた板金部材に形
成されていた。
【０００５】しかしながら上記した従来の金属で形成し
たシャーシでは、上述の通り部品点数を数多く必要とす
るために、取り付け工数も多く、装置の低コスト化が困
難であった。
【０００６】そこで、例えばポリカーボネートやＡＢＳ
等の樹脂により一体的にシャーシを成形して部品点数を
削減することが行われている。例えば、材料の持つ弾性
を利用したスナップフィットと呼ばれる部材が樹脂シャ
ーシには一体的に形成されている。
【０００７】図４は従来のスナップフィットの一例を示
す図であり、図４（Ａ）は平面図、図４（Ｂ）は図４
（Ａ）中Ｂ−Ｂ′線に沿う縦断面図、図４（Ｃ）は図４
（Ａ）中Ｃ−Ｃ′線に沿う縦断面図である。
【０００８】図４において、シャーシ４０上の略半円状
に外側が高くなった段部４１の内側にはスナップフィッ
ト４２が形成されている。スナップフィット４２は、立
設された一対の棒状部材４３と棒状部材４４とが対向し
て配設されている。棒状部材４３と棒状部材４４は、材
料の持つ弾性によりそれぞれＣ−Ｃ′方向にたわむこと
ができる断面形状とされている。
【０００９】棒状部材４３の先端に形成された爪部４５
と棒状部材４４の先端に形成された爪部４６も対向して
おり、両棒状部材４３及び４４のたわむ力により、シャ
フト等を挟んで支持するように構成されている。
【００１０】図５は従来のスナップフィットの一使用例
を示す図であり、図４と同一構成部分には同一符号を付
してある。
【００１１】図５において、５０はピンチローラ、５１
はピンチローラアッセンブリを表している。図５は、先
端に環状の溝５２を形成されたシャフト５３を両棒状部
材４３及び４４により支持する様子を示している。この
とき、爪部４５と爪部４６の上面内側の角部が溝５２に
係合することでシャフト５３の軸方向の位置決めがなさ
れている。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の樹脂シャーシでは、成形時の形状不良等により棒
状部材が破損しやすくなる場合があり、この場合、シャ
フトの挿入作業時に棒状部材が破損してしまうことがあ
った。棒状部材が破損してしまうとピンチローラアッセ
ンブリ等を組み付けることが不可能となってしまうた
め、樹脂シャーシ全体が使いものにならなくなってしま
い、高価な樹脂シャーシを無駄にしてしまう問題があっ
た。
【００１３】また先述したカセットハウジングをカセッ
ト着脱方向に案内するための案内溝をシャーシに別個に
取り付けられた板金部材に形成した金属製シャーシで
は、部品点数が多く、取り付け工数も多く、装置の低コ
スト化が困難であるという問題があった。
【００１４】そこで本発明は、上記の問題を解決した樹
脂シャーシを使用した磁気記録再生装置を提供すること
を目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに、本発明では次の通り構成した。
【００１６】すなわち、請求項１記載の発明では、樹脂
シャーシを使用した磁気記録再生装置であって、凸部を
形成されており、被支持部材に形成された凹部に該凸部
を弾性的に係合させることで該被支持部材を支持する弾
性支持手段が上記樹脂シャーシと一体的に成形されてな
り、且つ、該被支持部材の該凹部に係合自在とされた係
合手段が、該被支持部材の該凹部近傍位置に位置するよ
うに、該係合手段を位置規制する位置規制手段が上記樹
脂シャーシと一体的に成形されてなる構成とした。
【００１７】また、請求項２記載の発明では、請求項１
に記載の樹脂シャーシを使用した磁気記録再生装置にお
いて、更に、カセットハウジングの移動を案内する案内
溝が、上記樹脂シャーシと一体的に形成されてなる構成
とした。
【００１８】
【作用】上記請求項１記載の構成の発明によれば、被支
持部材の凹部に係合自在とされた係合手段が被支持部材
の凹部近傍位置に位置するように位置規制手段により位
置規制されて、被支持部材の凹部に係合することが可能
になる。したがって、被支持部材は弾性支持手段がなく
とも位置規制手段により所定位置に支持されるように作
用する。
【００１９】また請求項２記載の構成の発明によれば、
カセットハウジングの移動を案内する案内溝が樹脂シャ
ーシに一体的に形成されるように作用する。
【００２０】
【実施例】次に、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図１は本発明の一実施例を示す図であり、
図１（Ａ）は側面図、図１（Ｂ）は平面図、図１（Ｃ）
は正面図である。
【００２１】図１において、１は好ましくはポリカーボ
ネートやＡＢＳ等の樹脂により一体的に成形されたシャ
ーシである。樹脂シャーシ１の側部２及び３には、上記
した案内溝に相当するカセットハウジングガイド溝４及
び５が形成されている。カセットハウジングガイド溝４
及び５は、図示の如く、カセット着脱方向（図中縦方
向）とカセット垂下方向（図中横方向）とに直交するＬ
字形状とされている。
【００２２】カセットハウジングガイド溝４及び５に
は、カセットハウジング６に配設されたピン７及び８が
それぞれ係合している。これにより、カセットハウジン
グ６にカセット（図示せず）が装着されるとカセットス
タートスイッチ（図示せず）がオンし、カセットハウジ
ング６はカセットハウジングガイド溝４及び５に案内さ
れて装着方向に移動した後垂下する。
【００２３】本実施例では、カセットハウジング６の移
動を案内するカセットハウジングガイド溝４及び５が樹
脂シャーシ１に一体的に形成されるため、板金部材等を
必要とせずセットの部品点数を大幅に削減できると共に
組み立て工数を削減でき、製品を低コスト化することが
できる。
【００２４】図２は本発明の他の実施例を示す図であ
り、図２（Ａ）は平面図、図２（Ｂ）は図２（Ａ）中Ｂ
−Ｂ′線に沿う縦断面図、図２（Ｃ）は図２（Ａ）中Ｃ
−Ｃ′線に沿う縦断面図である。図２はスナップフィッ
ト１０を形成された樹脂シャーシ１１の要部を示してい
る。スナップフィット１０は上記した弾性支持手段に相
当する。
【００２５】樹脂シャーシ１１は、好ましくはポリカー
ボネートやＡＢＳ等の樹脂によりスナップフィット１０
を含めて一体的に成形されたシャーシであり、材料の特
性として弾性を有している。
【００２６】図２において、樹脂シャーシ１１上の略半
円状に外側が高くなった段部１２の内側にはスナップフ
ィット１０が形成されている。スナップフィット１０
は、図中横方向に対向して立設された一対の棒状部材１
３及び１４により構成されている。棒状部材１３と棒状
部材１４は、材料の持つ弾性によりそれぞれＣ−Ｃ′方
向にたわむことができる断面形状とされている。
【００２７】棒状部材１３の先端に形成された爪部１５
と棒状部材１４の先端に形成された爪部１６も対向して
おり、両棒状部材１３及び１４の内側にたわむ力によ
り、アッセンブリ品のシャフト等を爪部１５及び１６で
挟んで支持するように構成されている。爪部１５及び１
６は上記凸部に相当している。
【００２８】一方、段部１２からは、略ホームベース形
状の横断面形状とされた一対の突起１７及び１８が対向
して配設されている。突起１７及び１８は上記した位置
規制手段に相当しており、突起１７及び１８のそれぞれ
対向する内側端部は円弧状とされている。突起１７及び
１８の上端面は、図示の如く爪部１５及び１６の内側下
側の角部よりやや高い高さ位置とされている。
【００２９】突起１７及び１８はスリットワッシャ等を
所定の高さ位置に支持するために設けられているが、必
ずしも一対設ける必要はなく、一方のみを設けてもよ
い。このように突起１７及び１８を設けたことにより、
スナップフィット１０への組み付け作業時に爪部１５及
び１６、あるいは棒状部材１３及び１４が破損した場合
でも、アッセンブリ品のシャフト等を次に示す如く所定
位置に支持することが可能になる。
【００３０】図３は本発明の他の実施例の一使用例を示
す図であり、図２と同一構成部分には同一符号を付して
ある。図３ではスナップフィット１０が破損したものと
して、これを図示していない。
【００３１】図３において、３０はピンチローラ、３１
はピンチローラアッセンブリを表している。図３は、先
端に環状の溝３２を形成されたシャフト３３を、溝３２
にスリットワッシャ３４を係合させてこのスリットワッ
シャ３４が突起１７及び１８により所定の高さ位置に位
置規制されることで、支持する様子を示している。溝３
２は上記した凹部に相当し、シャフト３３は上記した被
支持部材に相当し、スリットワッシャ３４は上記した係
合手段にそれぞれ相当している。
【００３２】このように本実施例によれば、シャフト３
３の溝３２に係合自在とされたスリットワッシャ３４が
シャフト３３の溝３２近傍位置に位置するように突起１
７及び１８によりシャフト３３の軸方向に位置規制され
て、シャフト３３の溝３２に係合することが可能にな
る。
【００３３】したがって、シャフト３３はスナップフィ
ット１０がなくとも突起１７及び１８により所定位置に
支持されるので、スナップフィット１０が破損してスナ
ップフィット１０によりシャフト３３を支持することが
不可能となった樹脂シャーシでも、スリットワッシャ３
４をシャフト３３の溝３２に係合させてスリットワッシ
ャ３４が突起１７及び１８により位置規制されること
で、シャフト３３が所定位置に支持される。したがっ
て、スナップフィット１０の破損だけで高価な樹脂シャ
ーシを無駄にすることがなく有効に樹脂シャーシを使用
することができる。
【００３４】
【発明の効果】上述の如く請求項１記載の発明によれ
ば、被支持部材の凹部に係合自在とされた係合手段が被
支持部材の凹部近傍位置に位置するように位置規制手段
により位置規制されて、被支持部材の凹部に係合するこ
とが可能になり、被支持部材は弾性支持手段がなくとも
位置規制手段により所定位置に支持されるので、弾性支
持手段が破損して弾性支持手段により被支持部材を支持
することが不可能となった樹脂シャーシでも、係合手段
を被支持部材の凹部に係合させて係合手段が位置規制手
段により位置規制されることで、被支持部材が所定位置
に支持される。したがって、弾性支持手段の破損だけで
高価な樹脂シャーシを無駄にすることがなく有効に樹脂
シャーシを使用することができる特長がある。
【００３５】また請求項２記載の発明によれば、カセッ
トハウジングの移動を案内する案内溝が樹脂シャーシに
一体的に形成されるため、セットの部品点数を大幅に削
減できると共に組み立て工数を削減でき、製品を低コス
ト化することが可能になる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を示す図である。
【図２】本発明の他の実施例を示す図である。
【図３】本発明の他の実施例の一使用例を示す図であ
る。
【図４】従来のスナップフィットの一例を示す図であ
る。
【図５】従来のスナップフィットの一使用例を示す図で
ある。
【符号の説明】
１，１１ 樹脂シャーシ ４，５ カセットハウジングガイド溝 １０ スナップフィット １７，１８ 突起 ３２ 溝 ３３ シャフト ３４ スリットワッシャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 節政 敬一 神奈川県厚木市酒井1601 ミツミ電機株 式会社厚木事業所内 (56)参考文献 実開 平１−124951（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) G11B 33/12 303

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 樹脂シャーシを使用した磁気記録再生装
    置であって、凸部を形成されており、被支持部材に形成された凹部に
    該凸部を弾性的に係合させることで該被支持部材を支持
    する弾性支持手段が上記樹脂シャーシと一体的に成形さ
    れてなり、 且つ、該 被支持部材の該凹部に係合自在とされた係合手
    段が、該被支持部材の該凹部近傍位置に位置するよう
    に、該係合手段を位置規制する位置規制手段が上記樹脂
    シャーシと一体的に成形されてなることを特徴とする樹
    脂シャーシを使用した磁気記録再生装置。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の樹脂シャーシを使用し
    た磁気記録再生装置において、 更に、カセットハウジングの移動を案内する案内溝が、
    上記樹脂シャーシと一体的に形成されてなることを 特徴
    とする樹脂シャーシを使用した磁気記録再生装置。
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