JP3456138B2 - 車速検出装置 - Google Patents

車速検出装置

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JP3456138B2 JP03521698A JP3521698A JP3456138B2 JP 3456138 B2 JP3456138 B2 JP 3456138B2 JP 03521698 A JP03521698 A JP 03521698A JP 3521698 A JP3521698 A JP 3521698A JP 3456138 B2 JP3456138 B2 JP 3456138B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の走行速度を
検出する車速検出装置に関し、詳しくは車両のトランス
ミッション出力軸やデファレンシャルギア部等に設けら
れて、その回転に応じた周期の信号を車載のスピードメ
ータに出力する車速検出装置に関するものである。 【0002】 【従来技術】周知のように、この種の車速検出装置は車
両のトランスミッション出力軸やデファレンシャルギア
部のドライブシャフト等の車速に比例して回転する部分
(以下、「サンプリング軸」という)に設けられ、その
回転数に応じた周期の表示パルス信号を車載のスピード
メータに入力している。そして、スピードメータの1パ
ルス当たりの表示距離が規格統一されていることから、
車種毎のタイヤ半径やデファレンシャルギア比等に応じ
て、サンプリング軸の回転数に対する表示パルス信号の
周期を補正して実車速と表示車速との整合化を図ってい
る。 【0003】所謂接触式の車速検出装置では、サンプリ
ング軸の回転を駆動ギア及び従動ギアを介して取り出し
て、ワイヤケーブルを経てスピードメータ裏のパルス発
生装置を回転駆動するように構成されており、これらの
駆動ギアと従動ギアのギア比を適宜変更することで、車
種に適合した表示パルス信号の周期を得ている。しかし
ながら、この車速検出装置はパワープラントの振動がワ
イヤケーブルを経てインストルメントパネルに伝達され
てしまう点、及びギアの歯合抵抗が回転負荷の増大を招
いてしまう点等の不具合があるため、近年ではギアを用
いない所謂非接触式の車速検出装置が主流になってい
る。 【0004】この非接触式の車速検出装置では、接触式
のようなギア比を利用した表示パルス信号の周期の補正
が望めないため、演算により車種に適合した周期を得て
いる。図5は車両の定速走行時の信号処理状況を示して
いるが、この図に示すように、サンプリング軸上の検出
用ギアに対向して設けたMRE(磁気抵抗素子)やコイ
ル等の検出素子からの検出パルス信号の周期Tを順次計
測して、それらの周期Tを車種に応じた係数により継続
時間Pに補正した上で、次の検出パルス信号の立下がり
タイミング毎にレジスタのデータをその継続時間Pに更
新する。そして、Hi又はLoに保持していたスピード
メータへの表示パルス信号を継続時間P経過後に反転さ
せるとともに、その時点でレジスタに記憶されているデ
ータを新たな継続時間Pとして適用して、その時間Pだ
け出力パルスをHi又はLoに保持し続ける。この処理
を繰り返すことで継続時間Pの2倍の周期の表示パルス
信号を作成して、スピードメータの作動に利用してい
る。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非接触式の車速検出装置では、図5に示すように、検出
パルス信号の周期Tの計測からレジスタのデータ更新ま
での半周期分T/2の遅れΔt1、及びデータ更新から表
示パルス信号の反転までの遅れΔt2が生じ、車両の走行
状態によっては、その遅れΔt1+Δt2がメータ表示上無
視できない顕著なものとなる。 【0006】詳述すると、図6は車両が緩やかに発進後
に急加速したとき、即ち検出パルス信号の周期Tが急減
したときの信号処理状況を示しているが、加速開始前の
周期Tn-1(図示なし)に基づいてレジスタのデータが
かなり長い継続時間Pn-1に更新されると、その周期Pn
-1がAの時点で読み出されてBの時点まで適用されてし
まう。Bの時点では既に加速に伴って検出パルス信号の
周期Tn+3は十分に小さくなっているため、実車速より
遙かに低い車速が表示され続けてしまい、しかもBの時
点の直後に周期Pn+2に基づいて実車速にほぼ近い車速
が急に表示されてしまう。その結果、表示が段階的に変
化する所謂針飛びが生じて、運転者に違和感を与えてし
まうという問題があった。 【0007】本発明の目的は、ギア等を用いずに非接触
で車速を検出可能とした上で、車両の走行状態に拘わら
ず常に正確な車速表示を実現して、針飛び等の運転者に
違和感を与える現象の発生を未然に防止することができ
る車速検出装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、サンプリング軸の回転速度に比例した
周期の検出パルス信号を検出パルス信号出力手段より出
力し、その検出パルス信号のパルス数を計数手段にてカ
ウントし、カウント値が設定値に達する毎に表示パルス
信号作成手段にて表示パルス信号を切り換えて、その表
示パルス信号に基づいて車速表示手段にて車速を表示す
るように構成した。従って、検出パルス信号の周期が増
減すると表示パルス信号の反転タイミングが前後して、
結果として表示パルス信号の周期が変化するため、検出
パルス信号の周期変動が直ちに表示パルス信号に反映さ
れて、車両の走行状態に拘わらず常に正確な車速表示が
可能となる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した車速検
出装置の一実施例を説明する。本実施例の車速検出装置
は車両のデファレンシャルギア部のドライブシャフトを
車速検出のためのサンプリング軸として利用している。
図1に示すように、サンプリング軸1には車速検出装置
の検出用ギア2が取付けられ、この検出用ギア2にはM
REやコイルを用いた検出素子3が対向配置されて、検
出素子3の検出パルス信号が車速検出用コントローラ4
に入力されるようになっている。そして、検出素子3か
ら出力される検出パルス信号に基づきコントローラ4に
て表示パルス信号が作成され、その表示パルス信号に従
ってスピードメータ5に車速が表示されるようになって
いる。尚、本実施例では、検出パルス信号出力手段とし
て前記検出用ギア2及び検出素子3が機能し、車速表示
手段としてスピードメータ5が機能する。 【0010】ここで、前提として、車載のスピードメー
タに実車速と整合する車速を表示させるには、タイヤ半
径等を考慮した上でサンプリング軸の3/4回転につき
1パルスの周期の表示パルス信号をスピードメータに入
力させる必要があるものとし、それに呼応して予め前記
検出用ギア2の歯数Snとして「8」が設定され、コン
トローラ4の制御処理で用いられるパルスカウンタの設
定数Cnとして「3」が設定されているものとする。 【0011】次に、本実施例の車速検出装置のコントロ
ーラ4により実行される表示パルス信号作成ルーチンを
説明する。図2に示すように、コントローラ4はステッ
プS1で検出素子3からの検出パルス信号を入力し、ス
テップS2でパルスカウンタCを「+1」インクリメン
トし、ステップS3でパルスカウンタCが上記した設定
数Cnに達したか否かを判定する。パルスカウンタCが
未だ設定数Cnに達していないときには前記ステップS
1に戻って、再びステップS1乃至ステップS3の処理
を繰り返し、ステップS3でパルスカウンタCが設定数
Cn(=3)に達すると、ステップS4でパルスカウン
タCをリセットし、ステップS5でスピードメータ5へ
の表示パルス信号をHiとLoの間で切り換える。 【0012】尚、本実施例では、計数手段としてステッ
プS1及びステップS2の処理を実行するときのコント
ローラ4が機能し、表示パルス信号作成手段としてステ
ップS3乃至ステップS5の処理を実行するときのコン
トローラ4が機能する。そして、以上の処理により、図
3に示すように検出パルス信号の3周期(3パルス)毎
に表示パルス信号が反転され、その周期は検出パルス信
号の周期Tの6倍となる。前記のように検出用ギアの歯
数Snが8に設定されていることから、サンプリング軸
の6/8回転(3/4回転)につき1パルスの周期で表
示パルス信号が作成されることになり、その信号に従っ
てスピードメータ5に実車速と整合する車速が表示され
る。 【0013】つまり、本実施例における検出用ギア2の
設定歯数SnとパルスカウンタCの設定数Cnとの関係
は、従来技術で説明した接触式の車速検出装置の駆動ギ
アと従動ギアとの関係と酷似しており、これらの設定歯
数Snと設定数Cnの比率を適宜変更すれば、実車速に
対する表示パルス信号の周期を任意に変更でき、車種毎
のタイヤ半径やデファレンシャルギア比等の相違に対応
することができる。 【0014】そして、図3から明らかなように検出パル
ス信号の周期Tを増減すると表示パルス信号の反転タイ
ミングが前後して、結果として表示パルス信号の周期が
変化するため、検出パルス信号の周期変動は直ちに表示
パルス信号に反映されることになる。図4は車両が緩や
かに発進した後に急加速したとき、即ち検出パルス信号
の周期Tが急減したときの信号処理状況を表している
が、このような場合でも加速に伴って検出パルス信号の
周期Tが減少すると、表示パルス信号の反転タイミング
が早められてその周期が直ちに減少される。よって、車
両の走行状態に拘わらず常に実車速に即した正確な車速
をスピードメータ5に表示でき、当然ながら所謂針飛び
等の運転者に違和感を与える現象の発生を未然に防止す
ることができる。 【0015】しかも、一般にメータ表示を目的としたこ
の種の車速表示装置は、例えばエンジンの燃料噴射や点
火時期の制御装置のように特にきめ細かな制御を要求さ
れるわけではないので、安価なコストでの製造が求めら
れている。本実施例では、上記のようにカウントアップ
毎に表示パルス信号を反転させるだけの極めて単純な制
御内容であるため、本格的な演算回路を要することなく
簡単な回路でコントローラ4を構成でき、非常に安価に
実施することができる。これによれば検出素子3とコン
トローラ4とを一体にでき、サンプリング軸1横に直付
けすることが可能になり、検出素子3とコントローラ4
とを接続するハーネスを省くことができるので、コスト
低減や組付工数低減が可能となる。 【0016】一方、この種の車速検出装置の検出用ギア
2は十分な品質管理のもとで製造されているものの、各
歯間のピッチ誤差はある程度避けられず、その結果、検
出パルス信号の周期Tにはピッチ誤差に応じた周期的な
変動が発生することが知られている。そして、従来技術
で説明した車速検出装置では、検出パルス信号の1周期
毎に対応して表示パルス信号の継続時間Pを決定してい
るため、ピッチ誤差が直接的に表示パルス信号の周期に
影響を与えてしまうのに対し、本実施例では検出パルス
信号の過去3周期分のピッチ誤差が平均化されるため、
表示パルス信号の周期に及ぼす影響力を遙かに軽減でき
る。従って、ピッチ誤差に起因するメータ表示の精度低
下を飛躍的に低減できる上に、表示パルス信号をエンジ
ンのアイドル制御等に利用する場合には、その制御をよ
り的確に実施することができる。 【0017】ところで、上記実施例では検出用ギア2の
歯数Snを「8」に設定し、パルスカウンタの設定数C
nを「3」に設定したが、言うまでもなく、これらの設
定は車種毎のタイヤ半径やデファレンシャルギア比等の
相違に応じて任意に変更できる。又、上記実施例では、
サンプリング軸1としてデファレンシャルギア部のドラ
イブシャフトを利用したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、要は車速に比例して回転する部分であれ
ばよい。従って、例えばトランスミッション出力軸をサ
ンプリング軸として利用してもよい。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように本発明の車速検出装
置によれば、検出パルス信号の周期が増減すると表示パ
ルス信号の反転タイミングが前後して、結果として表示
パルス信号の周期が変化するため、検出パルス信号の周
期変動が直ちに表示パルス信号に反映され、車両の走行
状態に拘わらず常に正確な車速表示を実現して、針飛び
等の運転者に違和感を与える現象の発生を未然に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例の車速検出装置の構成を示すブロック図
である。 【図2】実施例の車速検出装置のコントローラの制御内
容を示すフローチャートである。 【図3】実施例の車速検出装置における車両の定速走行
時の信号処理状況を示すタイムチャートである。 【図4】実施例の車速検出装置における車両が緩やかに
発進後に急加速したときの信号処理状況を示すタイムチ
ャートである。 【図5】従来の車速検出装置における車両の定速走行時
の信号処理状況を示すタイムチャートである。 【図6】従来の車速検出装置における車両が緩やかに発
進後に急加速したときの信号処理状況を示すタイムチャ
ートである。 【符号の説明】 1 サンプリング軸 2 検出用ギア(検出パルス信号出力手段) 3 検出素子(検出パルス信号出力手段) 4 コントローラ(計数手段、表示パルス信号作成
手段) 5 スピードメータ(車速表示手段)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/489 B60K 35/00 F02D 45/00 362

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両の走行に伴って回転するサンプリン
    グ軸に設けられ、同サンプリング軸の回転速度に比例し
    た周期の検出パルス信号を出力する検出パルス信号出力
    手段と、 前記検出パルス信号出力手段からの検出パルス信号のパ
    ルス数をカウントする計数手段と、 前記計数手段のカウント値が予め設定した値に達する毎
    に同カウント値をリセットするとともに、車速表示を行
    う車速表示手段に出力する表示パルス信号を切り換える
    表示パルス信号作成手段とを備えたことを特徴とする車
    速検出装置。
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