JP3455655B2 - 固体撮像装置および固体撮像装置応用システム - Google Patents

固体撮像装置および固体撮像装置応用システム

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JP3455655B2 JP20381797A JP20381797A JP3455655B2 JP 3455655 B2 JP3455655 B2 JP 3455655B2 JP 20381797 A JP20381797 A JP 20381797A JP 20381797 A JP20381797 A JP 20381797A JP 3455655 B2 JP3455655 B2 JP 3455655B2
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久典 井原
鉄也 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は増幅型撮像装置に
関し、より詳細には結晶不整合が空乏化することで生じ
るリーク電流を低減する固体撮像装置に関するものであ
る。また、この発明はその高感度、低雑音化した固体撮
像装置を用いた応用システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の一般的な増幅型MOSセ
ンサと称される固体撮像素子の回路図の一例を示したも
のである。
【0003】図9に於いて、光電変換を行うフォトダイ
オード111、112、113、…、133、…と、該フォトダ
イオード111、112、113、…、133、…の信号を増幅
する増幅トランジスタ211、212、213、…、233、…
と、信号を読出すラインを選択する垂直選沢トランジス
タ311、312、313、…、333、…と、信号電荷をリセ
ットするリセットトランジスタ411、412、413、…、
33、…とにより構成される単位セルが、2次元状に配
列されている。図9には、単位セルが3×3個配列され
た例が示されているが、実際にはこれより多くの単位セ
ルが配列される。
【0004】垂直シフトレジスタ5からは、水平方向に
水平アドレス線61、62、63、…と、リセット線71
2、73、…が配線されており、それぞれ上述した各単
位セルに接続されている。すなわち、水平アドレス線6
1、62、63…は垂直選沢トランジスタ311、312、3
13、…、333、…のゲートに結線され、信号を読出すラ
インが決定される。また、リセット線71、72、73
は、リセットトランジスタ411、412、413、…、
33、…のゲートに結線されている。
【0005】上記増幅トランジスタ211、212、213
…、233、…のソースは垂直信号線81、82、83、…
に結線されている。これら垂直信号線81、82、83
…の一端には、共通ゲート配線9及び共通ソース配線1
0に接続された負荷トランジスタ111、112、1
3、…が設けられている。そして、上記垂直信号線
1、82、83、…の他端には、水平選択トランジスタ
121、122、123、…が結線されている。上記水平
選択トランジスタ121、122、123、…は、水平シ
フトレジスタ13から供給される選択パルスにより選択
されるもので、水平信号線14に結線されている。
【0006】そして、各単位画素に入射された光は、フ
ォトダイオード111、112、113、…、133、…で電気
信号に変換され、信号走査回路で順次読出される。
【0007】図10は、単位画素のうちフォトダイオー
ド部分の構造を示すもので、(a)は断面図、(b)は
平面図である。
【0008】図10に於いて、P型シリコン基板15の
一方の主表面の近傍にフォトダイオードを構成するn型
領域16が形成されている。このn型領域16の上面及
び該n型領域16が形成されていない部分のシリコン基
板15の主表面には、LOCOSと称される素子間分離
絶縁層17が、図示の如くn型領域16上で薄く、それ
以外の部分でシリコン基板15に入り込むように厚く形
成されている。更に、上記素子間分離絶縁層17の下方
で上記n型領域16が形成されていない部分には、素子
分離のためのp+領域18が形成されている。尚、19
はフォトダイオードのpnジャンクションの空乏層であ
る。
【0009】図11は、このように構成された固体撮像
装置の単位画素の不純物のプロファイルを示した特性図
である。この場合、n型領域16の拡散層濃度は2×1
17cm-3、シリコン基板15の拡散層濃度は1×10
17cm-3である。そして、n型領域16の表面からの深
さは0.2μmであることがわかる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような絶縁膜構造
の場合には、素子間分離絶縁層近傍のシリコン基板15
に応力がかかり、それがために素子形成時の高温熱工程
で、シリコン基板結晶に結晶不整合20ができる場合が
ある。また、このような結晶不整合20は、素子間分離
絶縁層17からシリコン結晶側に、およそ絶縁層深さの
距離が図示矢印A程度までの領域で発生する。
【0011】上記結晶不整合20はキャリアの発生準位
となる。そして、結晶不整合20が15のフォトダイオ
ードの空乏層内に入ると、そこをキャリア発生中心とし
て著しいリーク電流が発生する。このようなリーク電流
は擬信号となるので、著しく再生画像を劣化させてしま
う。
【0012】このように、従来のMOS型固体撮像装置
に於いては、素子分離領域近辺の結晶不整合が空乏化す
ることにより発生するリーク電流が、再生画像を著しく
劣化させるという課題を有していた。
【0013】したがってこの発明は、素子分離領域近辺
の結晶不整合が空乏化することにより発生するリーク電
流によって再生画像を著しく劣化させることのない固体
撮像装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は少な
くとも第1導電型の半導体基板上に形成された第1導電
型と第2導電型の接合部より成る光電変換部と、この光
電変換部と信号走査回路間に配された素子間分離絶縁層
とを備えた固体撮像装置に於いて、前記光電変換部を形
成する信号電荷と同じ第2導電型の拡散層領域の光電変
換部基板表面からの接合深さは、前記素子分離絶縁層の
前記光電変換部基板表面からの深さよりも大きく、前記
光電変換部の表面には第1導電型による界面準位シール
ド用の領域が形成され、前記素子間分離絶縁層下には前
記光電変換部の形成されていない領域に第1導電型の素
子分離領域が形成されると共に、素子間分離絶縁層近く
に生じる前記半導体基板の結晶不整合の前記光電変換部
における接合部の空乏層への到達を抑制すべく、前記素
子間分離絶縁層下には前記界面準位シールド用の領域と
前記素子分離領域との間にこれらに接し、且つ、前記結
晶不整合を囲む第1導電型の欠陥シールド用領域が形成
されていることを特徴とする。
【0015】
【0016】この発明によれば、フォトダイオード等の
光電変換部の周囲にある素子間分離絶縁層近くにあるシ
リコン基板の結晶不整合と、フォトダイオードのpn接
合空乏層とが重ならないようpn接合面を形成する。そ
のため上記結晶不整合が空乏化することにより生ずるリ
ーク電流を著しく低滅することができる。
【0017】またこの発明では、フォトダイオードのp
n接合の底面が桔晶不整合の無い素子間分離絶縁層から
離れた深い位置に形成されるため、結晶不整合部分が空
乏化することなく、従ってリーク電流は発生しない。
【0018】更に、この発明によれば、フォトダイオー
ドのpn接合面のうち基板界面と交わる部分の位置が素
子間分離絶縁層から基板界面方向に平行な方向に離れ位
置に形成されているため、結晶不整合部分が空乏化する
ことなく、従ってリーク電流は発生しない。
【0019】また、本発明は被写体からの光学像を受光
し、この光学像を所定位置に導く光学系と、前記所定位
置に導かれた光学像を画素単位で前記光学像の光量対応
の電気信号に光電変換するセンサを備えた画像処理手
段、この画像処理手段の出力を所定形態に加工して出力
する信号加工部を有し、前記センサが、前記所定位置に
配置された光電変換素子と、この光電変換素子と接続さ
れた増幅MOSトランジスタを含み、前記光電変換素子
の出力を増幅して出力する出力回路とを有し、前記セン
サは上述の固体撮像装置を用いていることを特徴とする
固体撮像装置応用システムを提供する。
【0020】この発明によれば、低雑音、高画質の固体
撮像装置応用システムが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1は、この発明の
固体撮像装置の第1の実施の形態に係る単位セルの構造
を示したもので、(a)は断面図、(b)はその平面図
である。
【0023】図1に於いて、P型シリコン基板21の一
方の主表面の近傍にフォトダイオードを構成するn型領
域22が形成されている。このn型領域22の上面及び
該n型領域22形成されていない部分のシリコン基板2
1の表面には、Locosと称される素子間分離絶縁層
23が、図示の如くn型領域22上で薄く、それ以外の
部分でシリコン基板21に入り込むように厚く形成され
ている。
【0024】更に、上記素子間分離絶縁層23の下方で
上記n型領域22が形成されていない部分には、素子分
離のための(チャネルストッパ用)p+領域24が形成
されている。尚、25はフォトダイオードのpnジャン
クションの空乏層であり、27は素子間分離絶縁層23
の端部を表している。
【0025】そして、図中矢印B1で示される上記n型
領域22の上面、すなわち光電変換部の基板表面からの
該n型領域22の深さは、およそ0.4μmである。こ
の深さB1は、図中矢印Cで表される光電変換部の基板
表面からの素子間分離絶縁層23の深さよりも深く形成
される。
【0026】図2は、このように構成された固体撮像装
置の単位画素の不純物のプロファイルを示した特性図で
ある。この場合、n型領域22の拡散層濃度のピークは
下記表1に示されるように、2×1017cm-3、シリコ
ン基板21の拡散層濃度は1×1017cm-3である。
【0027】
【表1】 上述したように、素子間分離絶縁層23の近辺には、シ
リコン基板21に結晶不整合26ができやすい。そし
て、この結晶不整合26がフォトダイオードの空乏層2
5内に侵入すると、そこをキャリア発生中心として著し
いリーク電流が発生してしまう。
【0028】しかしながら、この第1の実施の形態の構
造によれば、pn接合深さB1が光電変換部の基板表面
からの絶縁層深さCより大きくなるよう、pn接合が形
成されている。このように、pn接合深さB1を光電変
換部の基板表面からの絶縁層深さCより大きく形成する
と、結晶不整合26はpn接合の空乏層25には到達し
ない。このため、結晶不整合26によるリーク電流は抑
圧される。
【0029】図3は、第2の実施の形態を示したもの
で、単位セルの構造の断面図である。この第1の変形例
の平面構成は、図1(b)と同様であるので省略する。
【0030】尚、以下に述べる実施の形態に於いて、上
述した第1の実施の形態と同じ部分には同一の参照番号
を付して説明を省略する。
【0031】図3に於いて、フォトダイオードとしての
n型領域22の表面には、p+領域29が形成されてい
る。これは、シリコン基板21と酸化膜表面に存在する
界面準位に対して、該p+領域29をシールドすること
によって、界面準位を介して発生するリーク電流を防止
するために形成されたものである。
【0032】図4は、図3のように構成された固体撮像
装置の単位画素の不純物のプロファイルを示した特性図
である。この場合、上記表1に示されるように、n型領
域22の拡散層濃度は2×1017cm-3、p+領域29の
拡散層濃度は1×1019cm-3である。また、n型領域
22は0.4μmをピークとして光電返還部の表面から
0.7μmの深さで形成されている。
【0033】このように構成しても、図中矢印B2で示
されるフォトダイオードのpn接合深さB1を光電変換
部の基板表面からの絶縁層深さCより大きくなるように
形成すれば、結晶不整合26はpn接合の空乏層25に
は到達しないため、結晶不整合26によるリーク電流は
抑圧される。
【0034】次に、第3の実施形態を説明する。
【0035】図5は、第3の実施形態を示したもので、
単位セルの構造の断面図である。この第3の実施形態
平面構成は、図1(b)と同様であるので省略する。
【0036】図5に於いて、結晶不整合部分が空乏化し
ないように、素子間分離絶縁層23の下方で、素子分離
のためのp+領域24と界面準位のシールド用のp+領域
29との間に、新たに欠陥シールド用のp+領域30が
設けられる。この欠陥シールド用のp+領域30の濃度
が十分に高いならば、この新たに設けられたp+領域3
0とフォトダイオードを構成するn型領域22とで構成
されるpn接合の空乏層が結晶不整合26の部分には達
しない。すると、この結晶不整合部分からリーク電流が
発生することが抑圧される。
【0037】このように、素子間分離絶縁層23の端部
に新たに欠陥シールド用のp+ 領域30が設けられる
と、フォトダイオードのn型領域22と重なることにな
り、実質的にn型領域22の体積が減ってしまう。する
と、フォトダイオードに蓄積可能な信号電荷量が減って
しまうので、信号飽和量が減少するという問題が生じて
しまう。
【0038】このため、図5に示されるように、フォト
ダイオードのn型領域22の深さB3を例えば図3に示
される構造の単位セルのn型領域22の深さB2よりも
深く設定する。これにより、新たに追加した欠陥シール
ド用のp+領域30とn型領域22が重なる体積が小さ
くなるので、飽和信号量が減少するということはなくな
る。
【0039】尚、上記p+領域30(バーズビーク)及
びp+領域24(チャネルストッパ)の各パラメータ
は、上記表1に表されるとおりである。
【0040】次に、参考例1を説明する。
【0041】図6は、参考例1に係る単位セルの断面構
造を示したもので、(a)は断面図、(b)はその平面
図である。
【0042】この参考例1に於いては、素子間分離絶縁
層23の端部31からn型領域22の端部までの距離D
(図示矢印)が、素子間分離絶縁層23の、光電変換部
の表面からの深さ方向の距離Cよりも大きく設定されて
いる。そのため、pn接合の空乏層25は、結晶不整合
26からは十分に離れるので、リーク電流が発生するこ
とは無い。
【0043】次に、参考例2について説明する。
【0044】図7は、参考例2に係る単位セルの断面構
造を示したもので、(a)は断面図、(b)はその平面
図である。
【0045】この参考例2に於いて、n型領域22の深
さB4を光電変換部の基板表面からの絶縁層深さCより
大きく設定する。同時に、pn接合端部と素子間分離絶
縁層23の端部32との距離Dを、上記絶縁層深さCよ
りも大きく設定する。
【0046】このように、参考例2に於いては、n型領
域22の深さB4とpn接合端部と素子間分離絶縁層2
3の端部32との距離Dを、絶縁層深さCよりも大きく
設定したので、pn接合空乏層25は結晶不整合26か
ら十分に離れる。そのため、リーク電流は発生しない。
【0047】図8は、参考例2の変形例を示したもの
で、(a)は断面図、(b)はその平面図である。
【0048】この変形例は、上述した第1の実施例の第
2の変形例と同様に、結晶不整合部分が空乏化しないよ
うに、素子間分離絶縁層23の下方で、素子分離のため
のp+領域24とn型領域22との間に、新たに欠陥シ
ールド用のp+領域30が設けられている。加えて、フ
ォトダイオードのn型領域22の深さB6及びpn接合
端部と素子間分離絶縁層23の端部33との距離Dが、
絶縁層深さCよりも大きく設定される。
【0049】これにより、pn接合空乏層25は結晶不
整合26から十分に離れるので、リーク電流は発生しな
い。
【0050】次に、第1または第2の実施の形態におい
て説明した如き構造のMOS型の増幅型固体撮像素子
(CMOSセンサ)の応用例を説明する。
【0051】(第4の実施の形態)上述した高光電変換
ゲイン、低雑音の増幅型MOS固体撮像装置(CMOS
センサ)を使用した応用装置の実施例を説明する。
【0052】固体撮像素子として、従来よりCCDセン
サを用いることが一般的である。固体撮像素子の基本的
構成は図12に示すように、入力部I、処理部II、出力
部III からなる。入力部Iは受光部であり、この受光部
Iは画素を構成するフォトダイオードを複数画素分、配
列して、受光量に対応して各画素から電気信号を出力す
る構成である。処理部IIはこの各画素の信号を順に読み
出すと共に、ノイズキャンセルする部分であり、出力部
III は各画素から読み出された信号を出力する回路であ
る。CCDセンサの場合、複数種の駆動電源を必要と
し、省エネ化をはかりにくく、また、電池駆動とする場
合に、複数種の電圧を作るために、回路規模の大きな電
源回路を必要とする。
【0053】本発明ではCCDセンサの代わりに、単一
電源で駆動可能なMOSセンサを用い、そして、かつま
た、低雑音、高画質化を図るために、上述した本発明の
MOSセンサを用いた応用システムとする。
【0054】尚、本発明においての主題ではないが、固
定パターンノイズの対策をとる必要のある場合も念頭に
おいて、ここでは、前記処理部に読み出し制御の回路の
ほかにノイズキャンセラ回路を設けてた例を示す。そし
て、これにより一層の省エネ化と、小型化、高画質化を
図る。
【0055】本発明で用いられるCMOSセンサは、m
×n個のフォトダイオードをマトリックス状に配列した
m×n画素構成のMOSセンサであり、フォトダイオー
ドm×n個をマトリックス状に配列した受光部(入力
部)と、この受光部を構成する各フォトダイオードから
順に信号を読み出すための読み出し部およびノイズキャ
ンセラ回路部を備えた処理部、この処理部で読み出され
た信号を出力する出力部から構成される。
【0056】処理部には読み出し部と本発明によるノイ
ズキャンセラ回路が設けられている。本発明で用いられ
るMOSセンサは、雑音成分のみを取り出すタイミング
と、雑音成分の乗った信号成分の取り出しのタイミング
とに分けて信号を取り出し、これより雑音成分をキャン
セルすることで、雑音の影響の無い信号成分を得ようと
するものである。そして、ノイズキャンセラ回路は雑音
成分のみの出力時と、雑音成分と信号成分の出力時とで
インピーダンスを揃えることができるようにして精度良
くノイズをキャンセルできるようにした。このようなノ
イズキャンセラ回路が備えられていることにより、本発
明で用いるMOSセンサは、十分に実用化レベルに達し
た低ノイズで、しかも高速にノイズキャンセルが行える
高性能なMOSセンサとなっている。
【0057】なお固体撮像素子として、本発明で用いら
れるMOSセンサを用いるようにすると、MOSセンサ
における光電変換を行うセンサ部と、その他の回路(I
V変換回路、AGC回路、CLP回路、ADC回路)
は、通常のMOSプロセスを用いて製造することができ
るようになる。そのため、これらの回路を同一半導体チ
ップ上に形成することが容易になる。また、これにより
低消費電力化が実現され、ビデオカメラ等においては単
一電圧で駆動可能になって、電源回路が簡易化され、電
池駆動がし易くなる。
【0058】(第5の実施の形態)システム応用例を説
明する。低消費電力・低電圧化を図り、しかもS/Nの
良い、単一電源化を図ったMOS型固体撮像装置を適用
した各種システムを説明する。
【0059】図13に画像検出部としてMOSセンサを
用いた装置の一般的構成を示す。図に示すように、光学
系A1、MOSセンサA2、信号応用部A3より構成さ
れている。光学系A1は、MOSセンサA2に光学像を
導く装置であり、具体的にはレンズ、プリズム、ピンホ
ール、ダイクロイックミラー、集光性光ファイバ、凹面
鏡、凸面鏡、色フィルタ、シャッタ機構、絞り機構等
を、システムの用途に応じて適宜組み合わせて構成され
る。
【0060】MOSセンサA2は光学系A1にて導かれ
た光学像をその光量対応に画像信号に変換すると共に、
ノイズキャンセル処理して雑音のない信号成分のみを出
力する装置である。MOSセンサA2の有するこのノイ
ズキャンセル処理の要素が、詳細は後述する重要な要素
の一つであるノイズキャンセラ回路である。
【0061】信号応用部A3はノイズキャンセル処理さ
れたMOSセンサA2の出力、システムの形態に応じ
て加工する装置である。例えば、システムとしてビデオ
カメラを想定した場合においては、信号応用部A3はM
OSセンサA2から出力された画像信号をPAL方式、
あるいはNTSC方式等の複合映像信号に変換するなど
の応用機能部分である。
【0062】MOSセンサA2は、単一電源で駆動可能
であり、また、光を電気信号に変換するための受光部と
してフォトダイオードを用いている。フォトダイオード
は画素に相当するものであり、複数個、マトリクス状に
配設してあるのは、従来と同じである。画素を微細化す
るために、フォトダイオードは面積が小さくなるが、そ
のため、出力は小さくなり、その小さな出力を増幅する
ために、画素に対応して増幅器(トランジスタ)を設け
てある。この増幅器(トランジスタ)を通すことで発生
する雑音(増幅トランジスタの特性上、避けられない雑
音成分)を、MOSセンサA2の有するフォトダイオー
ドの出力のリセット操作、このリセット操作時の増幅器
(トランジスタ)の出力信号(雑音成分)の保持、この
保持した出力信号(雑音成分)とリセット操作前、また
はリセット操作終了後の増幅器(トランジスタ)の出力
信号(“信号成分+雑音成分”)を利用しての両者のキ
ャンセル処理といった処理操作を行うことで、ノイズキ
ャンセルして信号成分のみを抽出する。
【0063】また、このMOSセンサA2は後述する構
成にすることにより、出力信号の電圧振幅が10mV程
度以下で、出力電流が1μA程度の以上の1/f雑音の
無い出力を得ることができる。さらにこのMOSセンサ
A2の出力のダイナミックレンジはCCDセンサと同程
度の70dBまたはそれ以上にまで向上し、適当な信号
処理を施すことにより、銀塩フィルム同程度の90d
Bまで更に向上させることも可能である。
【0064】この結果、単一電源で、高感度の増幅型M
OSセンサを撮像デバイスとして用いた各種システムを
実現でき、低消費電力・低電圧化を図ると共に、しかも
S/Nの良い増幅型MOS型固体撮像装置(増幅型MO
Sセンサ)の応用装置を提供できる。
【0065】(第6の実施の形態) <増幅型MOSセンサのビデオカメラへの応用>図15
に本発明におけるMOSセンサを用いたビデオカメラの
実施例を示す。図15に示すように、本発明のビデオカ
メラ100は、被写体像をとりこむ光学系であるレンズ
101、この光学系のフォーカス調整するためのフォー
カス調整機構102、光学系の入射光量を調整する絞り
機構116やフォーカス調整機構102を制御する絞り
調整・フォーカス調整回路103、レンズ101で結像
された光学像を画素単位でその光学像の光量に対応した
電気信号に変換する撮像素子であるMOSセンサ10
5、MOSセンサ105の結像面側に設けられ、画素毎
にRGBのいずれかのカラーフィルタ部を有するカラー
フィルタアレイ104、MOSセンサ105により得ら
れた電気信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路1
06、電流電圧変換回路106を経て得られた電圧信号
のレベルを調整するAGC回路107、AGC回路10
7を経てレベルが揃えられた電圧信号をクランプするク
ランプ回路(CLP)108、CLP108からの出力
をレベル対応のデジタル信号に変換するアナログデジタ
ル変換回路(ADC)109、システムの動作の基本と
なるタイミングをとるタイミングパルス(クロック信
号)を発生するタイミング制御回路110、このタイミ
ング制御回路110の出力するクロック信号に同期して
MOSセンサ105の駆動制御をするTG/SG回路1
11、ADC109からの出力であるデジタル信号をプ
ロセス処理するプロセス制御回路112、このプロセス
制御回路112によりプロセス処理された信号をエンコ
ードするエンコーダ回路113、エンコードされた信号
を出力する出力回路114、出力回路114を介して出
力された信号をアナログ信号に変換するデジタルアナロ
グ変換回路115よりなる。
【0066】このような構成のビデオカメラ100にお
いて、被写体からの光は、レンズ101を通してMOS
センサ105に入射し、入射した光は光電変換によって
電気信号に変換され電流値として出力される。MOSセ
ンサ105上には各画素に対応して赤、青、緑の色フィ
ルタが規則的に配列されたカラーフィルタアレイ104
が形成されており、これにより、1個のMOSセンサ1
05から3原色に対応するカラー画像信号が電気信号と
して出力される。
【0067】MOSセンサ105から出力された電気信
号は、電流電圧変換回路106、AGC回路107、C
LP回路108を介してADC回路109に供給され
る。
【0068】ADC回路109はCLP回路108から
の画像信号に基づいて、例えば1サンプル値が8ビット
からなるデジタルデータに変換し、このデータをプロセ
ス制御回路112へ供給する。
【0069】プロセス制御回路112は、例えば色分離
回路、クランプ回路、ガンマ補正回路、ホワイトクリッ
プ回路、ブラッククリップ回路、ニー回路等からなり、
供給された映像信号に対して必要に応じてプロセス処理
を施す。また必要に応じ、色バランス等の処理を施す。
該プロセス制御回路112により処理された信号は、エ
ンコーダ回路113に送られる。
【0070】エンコーダ回路113では、送られてきた
信号を演算し、輝度信号、色差信号に変換する。また、
ビデオカメラ出力をネットワーク等により通信する場合
にはこのエンコーダ回路113においてPALやNTS
C方式等への複合映像信号に変換する処理が施される。
【0071】また、MOSセンサ105、電流電圧変換
回路106は、TG/SG(タイミングジェネレータ/
シグナルジェネレータ)回路111から送られるタイミ
ング信号、同期信号によりタイミングが制御される。こ
のTG/SG回路111の動作電源および出力電圧は、
MOSセンサ105に供給される電源レベルと同一であ
る。
【0072】その後、映像信号は出力回路114を介し
てD/A変換回路115に与えられ、このD/A変換回
路115はこの入力された信号をアナログビデオ信号に
変換してカメラ信号として出力する。また、映像信号は
出力回路114を介して直接、デジタルの信号としての
出力も可能である。そしてこれらのカメラ信号は、ビデ
オテープレコーダ等の記録装置やモニタ装置に供給され
る。
【0073】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、1秒間に30フレームの画像を処理する必
要のあるビデオカメラにおいて、固定パターン雑音成分
を水平帰線期間内にキャンセルすることができて、S/
Nの良い高画質の画像信号を得ることのできるビデオカ
メラを提供できるようになる。
【0074】なお、この実施例において、カラーフィル
タアレ104と撮像デバイスであるMOSセンサ10
5は別体の構成のものを使用したが、近年においてはC
CDデバイスを例に考えてみると、撮像デバイスとカラ
ーフィルタを一体にしたものも多い。そこで、カラーフ
ィルタアレー104とMOSセンサ105を一体化した
構成のものを使用するようにすることもできる。カラー
フィルタアレー104とMOSセンサ105を一体化し
た撮像デバイスは図14の如き構成とすれば良い。
【0075】すなわち、多数の微細なフォトダイオード
PDがマトリクス状に配置されて形成された半導体基板
Subの各フォトダイオード受光面側に、各フォトダイ
オード受光面の領域部分を開口させたしゃ光マスクであ
るしゃ光膜Mstを例えば、アルミニウムにより形成し
て、その上に透明な平滑膜Mftを形成し、さらにその上
にシアンフィルタFCy,マゼンタフィルタFMg,イエロ
ーフィルタFYeを形成する。
【0076】フォトダイオードPDは、マゼンタ像用M
g、グリーン像用G、イエロー像用Ye、シアン像用C
yに分けてあり、シアンフィルタFCyはグリーン像用と
シアン像用のフォトダイオードの受光面上に、また、マ
ゼンタフィルタFMgはマゼンタ像用のフォトダイオード
の受光面上に、イエローフィルタFYeはイエロー像用の
フォトダイオードの受光面上に、それぞれ位置するよう
に形成する。そして、上面に透明なオーバーコート層O
c を形成し、その上にマイクロレンズアレイLmcを形成
する。マイクロレンズアレイLmcは多数の微小なレンズ
を並べて形成したものであり、それぞれの微小なレンズ
部分はフォトダイオードPDの受光面上に、来るように
設計されている。このマイクロレンズアレイLmcによ
り、フォトダイオードPDに対する光の入射量を確保
し、フォトダイオードPDの検出感度を高めている。
【0077】このようなカラーフィルタ・一体形成型の
撮像デバイスを単板式撮像系の撮像素子(MOSセンサ
105)として用いるようにすると、カラーフィルタを
別置きにする必要が無くなり、MOSセンサ105の受
光面における各画素に対するカラーフィルタの位置合わ
せを省くことができ、光学系の省スペース化を図ること
ができるようにもなる。
【0078】(第7の実施の形態) <増幅型MOSセンサのビデオカメラへの応用>図16
に本発明におけるMOSセンサを用いた別のビデオカメ
ラの実施例を示す。図16に示す例は、図15が単板式
撮像系であったのに対して、撮像系をRGB(赤、緑、
青)の3系統にわけた3板式のビデオカメラの例であ
る。図16に示すように、本発明のビデオカメラ100
−2は、被写体像をとりこむ光学系であるレンズ10
1、この光学系のフォーカス調整するためのフォーカス
調整機構102、光学系の入射光量を調整する絞り機構
116やフォーカス調整機構102を制御する絞り調整
・フォーカス調整回路103、レンズ101で取り込ま
れた光学像をRGBの三原色成分に分解する色分解プリ
ズム201R,201G,201B、これら色分解プリ
ズム201R,201G,201BによりRGBの三原
色成分に分解された画像が結像されて画素単位でその光
学像の光量対応の電気信号に変換する撮像素子であるR
成分用、G成分用、B成分用のMOSセンサ105R,
105G,105B、これらMOSセンサ105R,1
05G,105Bにより得られた電気信号を電圧信号に
変換するR成分系統用、G成分系統用、B成分系統用の
電流電圧変換回路106R,106G,106B、電流
電圧変換回路106R,106G,106Bにて得られ
た電圧信号のレベルを調整するR成分系統用、G成分系
統用、B成分系統用のAGC回路107R,107G,
107B、AGC回路107R,107G,107Bを
経てレベルが揃えられた電圧信号をクランプするR成分
系統用、G成分系統用、B成分系統用のクランプ回路
(CLP)108R,108G,108B、CLP 1
08R,108G,108Bからの出力をレベル対応の
デジタル信号に変換するR成分系統用、G成分系統用、
B成分系統用のアナログデジタル変換回路(ADC)1
09R,109G,109B、システムの動作の基本と
なるタイミングをとるタイミングパルスを発生するタイ
ミング制御回路110、このタイミング制御回路110
の出力するタイミングパルスに同期してMOSセンサ1
05の駆動制御をするR成分系統用、G成分系統用、B
成分系統用のTG/SG回路111、ADC 109
R,109G,109Bからの出力であるデジタル信号
をプロセス処理するプロセス制御回路112、このプロ
セス制御回路112によりプロセス処理された信号をエ
ンコードするエンコーダ回路113、エンコードされた
信号を入出力制御する出力回路114、出力回路114
を介して出力された信号をアナログ信号に変換するデジ
タルアナログ変換回路115よりなる。
【0079】このような構成のビデオカメラ100−2
において、被写体からの光は、レンズ101を通り、色
分解プリズム201R,201G,201Bを通ってM
OSセンサ105R,105G,105Bに結像され
る。
【0080】これら色分解プリズム201R,201
G,201Bは光学像をRGBの三原色成分に分解する
ためのものであり、色分解プリズム201R,201
G,201BによりRGBの三原色成分に分解された画
像はそれぞれ成分別に該当のMOSセンサ105R,1
05G,105Bに結像される。
【0081】MOSセンサ105R,105G,105
Bに結像されたR成分、G成分、B成分の光学像は、こ
こで光電変換されて電流信号になり、明るさ対応の電流
値として出力される。
【0082】MOSセンサ105R,105G,105
Bから出力された成分別の電気信号は、各成分別の電流
電圧変換回路106R,106G,106B、AGC回
路107R,107G,107B、CLP回路108
R,108G,108Bを介してADC回路109R,
109G,109Bに供給される。
【0083】各成分別のADC回路109R,109
G,109BはCLP回路108からの画像信号に基づ
いて、例えば1サンプル値が8ビットからなるデジタル
データに変換し、このデータをプロセス制御回路112
へ供給する。
【0084】プロセス制御回路112は、例えばガンマ
補正回路、ホワイトクリップ回路、ブラッククリップ回
路、ニー回路等からなり、供給された映像信号に対して
必要に応じてプロセス処理を施す。また必要に応じ、色
バランス等の処理を施す。該プロセス制御回路112に
より処理された信号は、エンコーダ回路113に送られ
る。エンコーダ回路113では、送られてきた信号を演
算し、色バランス等の処理を施す。また、ビデオカメラ
出力をネットワーク等により通信する場合にはこのエン
コーダ回路113において、標準のカラーテレビジョン
放送方式であるPAL方式やNTSC方式等への複合映
像信号に変換する処理が施される。
【0085】また、MOSセンサ105R,105G,
105B、電流電圧変換回路106R,106G,10
6Bは、自系統対応のTG/SG回路111から送られ
るタイミング信号、同期信号によりタイミングが制御さ
れる。このTG/SG回路111の動作電源および出力
電圧は、MOSセンサ105に供給される電源レベルと
同一である。
【0086】その後、映像信号は出力回路114を介し
てD/A変換回路115に与えられ、このD/A変換回
路115はこの入力された信号をアナログビデオ信号に
変換してカメラ信号として出力する。また、映像信号は
出力回路114を介して直接、デジタルの信号としての
出力も可能である。そしてこれらのカメラ信号は、ビデ
オテープレコーダ等の記録装置やモニタ装置に供給され
る。
【0087】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、1秒間に30フレームの画像を処理する必
要のあるビデオカメラにおいて、固定パターン雑音成分
を水平帰線期間内にキャンセルすることができて、S/
Nを確保して高画質の画像信号を得ることのできるビデ
オカメラを提供できる。
【0088】以上の例は、光学像をRGBの三原色成分
に分解するのに色分解プリズムを用いた構成であるが、
これはダイクロイックミラーにより、色分解する構成と
することもできる。例えば、赤反射、緑反射、青反射の
各ダイクロイックミラーにより、入射光を分離分配し、
それぞれRGBの成分に光学像を分解する。その光学像
をR像用、G像用、B像用のMOSセンサで撮像し、R
像、G像、B像の画像信号を得る。このようにすると、
プリズムを用いずとも、光学像を三原色の成分別にして
得ることができる構成となる。
【0089】(第8の実施の形態) <増幅型MOSセンサのネットワークシステムでの応用
>図17に上述のビデオカメラ100,100−2の信
号を、ネットワークを通してモニタ装置等に送るときの
システム構成例を示す。図において、300はネットワ
ークであり、LAN(ローカルエリアネットワーク)や
公衆回線(電話回線)、専用線といったものや、インタ
ーネット、イントラネットなど、何でも良い。ビデオカ
メラ100,100−2はこのネットワーク300に対
してインターフェース301を介して接続される。
【0090】310はインテリジェント端末であり、パ
ーソナルコンピュータ或いはワークステーションなどが
相当する。インテリジェント端末310はプロセッサや
メインメモリ、クロックジェネレータなどを含むコンピ
ュータ本体311と、ネットワーク接続用のインターフ
ェース312と、画像表示用のメモリであるビデオRA
M313、プリンタインターフェース314、SCSI
(Small Computer System Interface )などの標準バス
インターフェース315,317、ビデオカメラ接続用
のインターフェース316などを備えており、これらは
内部バスで接続されている。ビデオRAM313にはC
RTモニタや液晶ディスプレイなどのモニタ装置318
が接続されており、また、プリンタインターフェース3
14にはプリンタが接続されている。標準バスインター
フェース317には光ディスク装置やハードディスク装
置或いはDVD(Digital Video Disc)などの大容量外
部記憶装置320が接続され、さらには標準バスインタ
ーフェース317には例えば、ハードコピーからイメー
ジ像を取り込むイメージスキャナ321が接続されてい
る。また、ビデオカメラ接続用のインターフェース31
6には例えば上述の実施例で説明した構成のビデオカメ
ラ100が接続されている。
【0091】このような構成において、ビデオカメラ1
00または100−2において撮像されることにより得
られた被写体の画像は上述したように、エンコーダ回路
113によりビデオカメラ出力をネットワーク等により
通信するためにMPEG方式で画像圧縮処理されたデジ
タル信号に変換する処理が施される。そして、この複合
映像信号はデジタルデータとしてインターフェース30
1を介してネットワークでの伝送フォーマットでネット
ワーク300へと出力される。ネットワーク300には
インターフェース312を介してインテリジェント端末
310が接続されており、ビデオカメラ100または1
00−2からの伝送データが当該インテリジェント端末
310宛てのものであれば、当該インテリジェント端末
310のコンピュータ本体311はこの伝送データをイ
ンターフェース312を介してネットワーク300から
取り込む。そして、コンピュータ本体311はこの伝送
データから画像情報部分を抽出する。ビデオカメラ10
0または100−2では画像を圧縮処理しているので、
コンピュータ本体311は前記画像を伸長処理し、元の
画像に復元する。そして、復元した画像のデータをビデ
オRAM313に順次、書き込む。画像は動画であるか
らビデオRAM313の画像データは次々に更新する。
この結果、ビデオRAM313の画像データを画像とし
て表示するモニタ装置318にはビデオカメラ100ま
たは100−2から送られてきた動画が表示されること
になる。
【0092】ビデオカメラ100において撮像されるこ
とにより得られた被写体の画像は、上述したように、エ
ンコーダ回路113により、ビデオカメラ出力をネット
ワーク等により通信するために、MPEG方式で画像圧
縮処理されたデジタルデータに変換された後、インター
フェース316を介してコンピュータ本体311に出力
され、コンピュータ本体311はそれを伸長処理し、元
の画像に復元する。そして、復元した画像のデータをビ
デオRAM313に順次、書き込む。画像は動画である
からビデオRAM313の画像データは次々に更新す
る。このようにしてビデオRAM313の画像データを
画像として表示するモニタ装置318にはビデオカメラ
100から送られてきた動画が表示される。
【0093】また、コンピュータ本体311はインテリ
ジェント端末310に接続されている当該ビデオカメラ
100の画像をネットワーク300に伝送しようとする
場合、そのネットワークでの伝送フォーマットに編集
し、インターフェース312を介してネットワーク30
0へと出力する。
【0094】(第9の実施の形態) <増幅型MOSセンサのスチルカメラへの応用>図18
に本発明におけるMOSセンサを用いたスチルカメラの
実施例を示す。図18に示すように、本発明のスチルカ
メラ400は、レンズ系や絞りを含み被写体像をとりこ
む光学系411、この光学系411に取り込まれた像が
結像されるMOSセンサ415、このMOSセンサ41
5の結像面と前記光学系411との間に位置してその両
者間の光路上に挿脱自在に配され、当該光路上に挿入さ
れている時は光学系411で取り込んだ被写体像をファ
インダ414に分配すると共に光路外に脱出された時は
光学系411で取り込んだ被写体像をMOSセンサ41
5の結像面に結像させるシャッタとしての機能を有する
ミラー412、ミラー412の反射光をファインダ41
4に導くためのミラー413、MOSセンサ415から
画像の信号を色成分別に読み出す撮像回路416、その
読み出した出力をデジタル信号に変換するA/D変換器
417、このA/D変換器417により変換されたデジ
タル信号を画面単位で保持するフレームメモリ418、
フレームメモリ418に保持されたデジタル信号を画面
単位で圧縮処理する圧縮回路419、画像データを記憶
するメモリカード421、圧縮回路419により圧縮処
理されて得られた画像データをメモリカード421に書
き込むべく制御するカードコントロール回路420から
構成される。
【0095】このような構成において、図示しないシャ
ッタボタンを操作することにより、光学系411のとら
えた被写体像はMOSセンサ415に結像される。MO
Sセンサ415は本発明で用いられるノイズキャンセラ
回路を備えた固体撮像装置であり、光学系411で取り
込まれた光学像が結像されると画素単位で、その光学像
の光量対応の電気信号に変換する。カラー画像を撮影で
きるようにするために、MOSセンサ415はその結像
面側に画素毎にRGBいずれかのカラーフィルタ部を有
するカラーフィルタアレが設けてあり、撮像回路41
6はMOSセンサ415により得られた電気信号をRG
Bの成分別に分離して出力する。そして、電流電圧変換
回路106は撮像回路416から出力された色成分別の
電気信号をデジタル信号に変換し、この変換されたデジ
タル信号はフレームメモリ418に画面単位で一時保持
される。
【0096】フレームメモリ418に保持されたデジタ
ル信号は圧縮回路419により画像単位で圧縮処理さ
れ、カードコントロール回路420に出力される。そし
て、カードコントロール回路420はこの圧縮処理され
た画像のデータをデータの記憶媒体であるメモリカード
421に記憶制御する。
【0097】このようにして、メモリカード421に
は、シャッタボタンを操作する毎に撮影されたスチル画
像が、画面単位で圧縮されてメモリカード421に記憶
される。メモリカード421はカメラから着脱可能であ
り、メモリカード421に記憶された画像は、図示しな
い読取り再生装置に装着して、画像データを伸長して復
元し、モニタ装置に表示させたり、ビデオプリンタなど
のハードコピー装置に出力して観賞する。
【0098】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、1秒間に複数コマ連続撮影する高速連写を
高いS/Nを以て実現することが可能になり、コンパク
トで、高機能、高性能なスチルカメラを得ることができ
る。つまり、MOSセンサにおいて問題となっていた固
定パターン雑音成分を短時間でキャンセルすることがで
きて、S/Nの良い従って高画質の写真を得ることので
きるスチルカメラを提供できる。
【0099】(第10の実施の形態) <増幅型MOSセンサのファクシミリへの応用>図19
に本発明におけるMOSセンサを用いたファクシミリ装
置の実施例を示す。図は原理的な構成を示しており、紙
に手書きあるいはプリントした原稿や、写真などのよう
なシート状の原稿501を、図示しない主搬送機構で主
走査方向(矢印B方向)に搬送しつつ、定位置に固定し
て原稿の横断方向に配されたMOSセンサ502にて原
稿のイメージ情報を読み取る。503は光源、504は
MOSセンサ502の受光面に原稿像を結像させるレン
ズである。
【0100】MOSセンサ502は画素単位の受光部
(フォトダイード)を一次元配列したリニアセンサで
あり、本発明で用いられるノイズキャンセラ回路を備え
たモノクロームの固体撮像装置である。
【0101】本ファクシミリ装置にシート状の原稿50
1をセットすると、図示しない主搬送機構がこの原稿5
01を主走査方向(矢印B方向)に搬送する。そして、
定位置に固定してあるMOSセンサ502の受光面に、
原稿の画像が1ライン相当分ずつ、レンズを504を介
して結像される。MOSセンサ502はこの結像された
原稿のイメージ情報を読み取る。
【0102】すなわち、これによりMOSセンサ502
からは画素配列順に受光量対応の信号が画素単位で画像
信号として読み出されて出力されるので、増幅器505
でこれを出力順に増幅した後、この増幅された画像信号
をA/Dコンバータ506でデジタル信号に変換してか
らモデム507で電話回線用に変調して電話回線へと出
力する。
【0103】受信側ではこの受信した信号を復調し、主
走査方向に搬送される記録紙の横断方向に、受信順に信
号値対応の濃度で画素をプリントしてゆけば、画像がハ
ードコピーとして再生される。
【0104】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、高速読み取りを高いS/Nを以て実現する
ことが可能になり、コンパクトで、高機能、高性能なフ
ァクシミリ装置を得ることができる。つまり、MOSセ
ンサにおいて問題となっていた固定パターン雑音成分を
短時間でキャンセルすることができて、S/Nの良い従
って高画質のイメージを高速で送ることのできるファク
シミリ装置を提供できる。
【0105】なお、リニアセンサは近年の素子の場合、
原稿面に密着してイメージを読み取る密着型のもの出現
している。そこで、密着型とするには原稿像を導くレン
ズと、このレンズにより導かれた像が結像されて、その
光量対応の電気信号に変換する画素単位の受光部と、原
稿面に照明光を当てる発光素子とを一体的に組み込んだ
構成として実現でき、この様なものを用いるようにして
も良い。
【0106】(第11の実施の形態) <増幅型MOSセンサの複写機への応用>図20に本発
明におけるMOSセンサを用いた電子複写機の実施例を
示す。図は原理的な構成を示しており、箱型の筐体60
1の上面部分に、透明ガラスなどによる原稿置き台60
2が設けられており、この原稿置き台602の上面に紙
に手書きをしたあるいはプリントした原稿、あるいは写
真などのようなシート状の原稿603をおいて押さえ蓋
604で原稿を押さえる構成である。
【0107】筐体601内には、原稿置き台602の直
下位置近傍に、原稿置き台602の一方の端から他方の
端までの間を一定速度で反復移動できる光学系が設けて
ある。ここでではこの反復移動方向を主走査方向と呼ぶ
ことにする。光学系は棒状の光源605、ミラー60
6、レンズ607からなり、光源605は主走査方向と
直交する方向(この方向を副走査方向と呼ぶことにす
る)に配する。
【0108】レンズ607の結像位置にはMOSセンサ
608が設けてある。MOSセンサ608は画素単位の
受光部(フォトダイード)を一次元配列したリニアセ
ンサであり、本発明で用いられるノイズキャンセラ回路
を備えたモノクロームの固体撮像装置である。
【0109】MOSセンサ608は副走査方向1ライン
分のイメージを結像されてこれを受光量対応の信号に変
換する。スキャナコントローラ609はMOSセンサ6
08からは画素配列順に受光量対応の信号が画素単位で
画像信号として読み出されて出力されるように、MOS
センサ608を制御すると共に、主走査方向に順に光学
系が移動するように、当該光学系の主走査方向駆動移動
を制御する。システムコントローラ610はシステム全
体の制御を司るものであり、また、MOSセンサ608
から出力される受光量対応の信号に基づいてレーザ光源
611の出力を制御する。レーザ光源611はスポット
状のレーザビームを発生するものであり、このレーザ光
源611から発生されたレーザビームはレーザビームを
スキャンさせるための走査ミラーであるポリゴンミラー
612により反射されて円筒状の感光体ドラム613に
結像される。この結像位置が描画位置である。感光体ド
ラム613は所定速度で一方向に回転駆動される構成で
あり、感光体ドラム613は図示しない帯電装置によ
り、レーザビームの照射位置の上流位置(描画位置の上
流位置)で帯電される。
【0110】ポリゴンミラー612はシステムコントロ
ーラ610により制御されることにより、スポット状の
レーザビームを円筒状の感光体ドラム613表面にMO
Sセンサ608からの信号の出力速度対応にスキャンさ
せる形となり、感光体ドラム613のドラム回転方向を
主走査方向とすると、当該回転方向と直交方法にレーザ
ビームをスキャンさせることでドラム表面にはレーザビ
ームの光量対応に電荷が失われて原稿のイメージ相当の
潜像が形成される。感光体ドラム613は、描画位置の
下流位置において潜像を可視像にする現像部614の配
置位置通過時にその位置にある潜像が、現像部614の
付与するトナーにより現像されて可視像化される。そし
て、このトナー像をコピー用紙の収納トレイ615より
一枚ずつ取り出されて感光体ドラム613の下面側位置
の搬送経路616に搬送されて来るコピー用紙に転写さ
れる。
【0111】コピー用紙の搬送速度と感光体ドラム61
3の回転速度は同期しており、1ライン単位で逐次描画
されて感光体ドラム613表面に形成された潜像のトナ
ー像を転写させていくことにより、原稿と同一のイメー
ジのトナー像がコピー用紙上に残ることになる。搬送経
路616はこのトナー像が転写されたコピー用紙を排出
口側へと送る経路であり、搬送経路616に設けてある
搬送機構によりコピー用紙は排出口側へと送られるよう
にしてある。定着部617は排出口手前に設けたトナー
定着のための装置であり、トナー像が転写されたコピー
用紙はこの定着部617を通過する際に、トナーがコピ
ー用紙に定着され、排出口に排出される仕組みである。
【0112】このような構成において、コピーする時
は、原稿置き台602の上面にシート状の原稿603を
置き、押さえ蓋604で原稿を押さえる。原稿置き台6
02の直下位置近傍には、原稿置き台602の一方の端
から他方の端までの間を一定速度で主走査方向に反復移
動できる光学系が設けてあるので、プリントスタート操
作するとこの光学系である光源605、ミラー606、
レンズ607は主走査方向に反復移動する構成となる。
【0113】主走査方向を縦方向としてみた場合に、原
稿置き台602の横方向を幅方向と定める。この場合、
光学系を構成する光源605は原稿置き台602の幅相
当分の範囲を照らし、光学系を構成するミラー606、
レンズ607はこの照らされた範囲の像をMOSセンサ
608の受光面に結像する。MOSセンサ608は画素
単位の受光部(フォトダイード)を一次元配列したリ
ニアセンサであり、本発明で用いられるノイズキャンセ
ラ回路を備えたモノクロームの固体撮像装置である。
【0114】従って、MOSセンサ608は幅方向の1
ライン分(すなわち、副走査方向1ライン分)のイメー
ジが結像されてこれを受光量対応の信号に変換する。そ
して、MOSセンサ608からは画素配列順に受光量対
応の信号が画素単位で画像信号として読み出されて出力
されるように、スキャナコントローラ609は制御する
と共に、また、主走査方向に順に光学系が移動するよう
に、当該光学系の主走査方向駆動移動を制御する。その
ため、原稿置き台602の原稿603のイメージ像が主
走査方向順に、しかも、副走査方向1ライン単位で画素
順に受光量対応の信号が得られるようになる。
【0115】この信号はシステムコントローラ610に
与えられ、システムコントローラ610はこの信号対応
にレーザ光源611の出力を制御する。そのため、レー
ザ光源611はMOSセンサ608から出力される受光
量対応の強さの光を発振することになる。
【0116】一方、システムコントローラ610はポリ
ゴンミラー612をMOSセンサ608の読み出し速度
に同期させて首振り運動させるように駆動制御するの
で、MOSセンサ608の読み出し速度に同期させて、
しかも、1ライン分のイメージ対応分(すなわち、副走
査方向1ライン分)の光学像イメージがポリゴンミラー
612により感光体ドラム613上に描画されることに
なる。
【0117】感光体ドラム613は主走査速度に対応す
る周速度で一定方向に回転駆動されている。そして、感
光体ドラム613はその周面が、ポリゴンミラー612
によるレーザ光の描画位置に到達する段階では既に帯電
手段により帯電されている。そして、レーザ光を照射さ
れることにより、その照射を受けた部分の感光体ドラム
613は、電荷がその照射を受けた光量分、電荷が失わ
れている。そのため、感光体ドラム613上にはポリゴ
ンミラー612によるレーザ光の描画走査位置より回転
方向の下流領域に、原稿のイメージが潜像として残るこ
とになる。
【0118】この潜像は現像部614の位置を通過する
段階で、当該現像部614の付与するトナーにより現像
されて可視像化される。そして、このトナー像はコピー
用紙の収納トレイ615より一枚ずつ取り出されて感光
体ドラム613の下面側位置の搬送経路616に搬送さ
れて来るコピー用紙に転写される。コピー用紙の搬送速
度と感光体ドラム613の回転速度は同期しており、1
ライン単位で逐次描画されて感光体ドラム613表面に
形成された潜像のトナー像を転写させていくことによ
り、原稿と同一のイメージのトナー像がコピー用紙上に
残ることになる。このトナー像が転写されたコピー用紙
は搬送機構により搬送経路616を排出口側へと送ら
れ、排出口手前に設けた定着部617を通過する際に、
この定着部617によりトナーがコピー用紙に定着され
て排出される。
【0119】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、高速読み取りを高いS/Nを以て実現する
ことが可能になり、コンパクトで、高機能、高性能な電
子複写機を得ることができるようになる。つまり、MO
Sセンサにおいて問題となっていた固定パターン雑音成
分を短時間でキャンセルすることができて、S/Nの良
い従って高画質のイメージを高速で読み取って高速で複
写することのできる電子複写機を提供できる。
【0120】なお、以上の複写機は原稿は位置固定と
し、光学系を主走査方向に移動させるようにした構成の
ものを示したが、光学系を位置固定とし、原稿を主走査
方向に搬送するようにした構成の装置として実現するこ
ともできる。また、以上の複写機はモノクロームの装置
を例に説明したが、光学系に3原色のカラーフィルター
を設けて、色分解し、色別に潜像を形成して、その色別
の潜像をその対応する色のトナーで現像することによ
り、カラーコピーを得ることができる複写機を実現する
ことができる。
【0121】(第12の実施の形態) <増幅型MOSセンサのスキャナへの応用>図21に本
発明におけるMOSセンサを用いたハンディ形イメージ
スキャナの実施例を示す。本発明のイメージスキャナ7
00は、図に示すように、筐体701内に、光源である
LEDアレイ702とミラー703、ローラ704を取
り付けて構成してある。LEDアレイ702は筐体70
1のほぼ横幅全体近くに亙る長さであり、筐体701の
下方外部を照明する。また、ミラー703はLEDアレ
イ702の配置位置近傍に配されて、LEDアレイ70
2で照明された原稿のイメージ像を筐体701の下部に
設けたスリット701aを介して筐体701の内部に取
り込む。
【0122】図21のハンディ形イメージスキャナは、
筐体701を原稿の上に置き、そのまま、原稿上を滑ら
せるかたちで手操作により移動走査する。その際に、ス
リット701aから原稿のイメージを1ライン単位で取
り込むようにするため、そのライン位置の検出と読取り
の同期をとるために、ローラ704を設けてある。ロー
ラ704は原稿に接してその原稿との摩擦により、回転
できるようにするために、筐体701の下部から周面の
一部を露出させてある。この露出位置はスリット701
aの近傍である。
【0123】筐体701の内部にはローラ704の回転
に同期してその回転方向と回転量を検出するエンコーダ
705が設けてあり、また、筐体701の内部にはMO
Sセンサ706と、このMOSセンサ706の受光面に
前記ミラー703により導いた原稿像を結像させるレン
ズ707が設けてある。
【0124】MOSセンサ706は画素単位の受光部
(フォトダイード)を一次元配列したリニアセンサで
あり、本発明で用いられるノイズキャンセラ回路を備え
たモノクロームの固体撮像装置である。リニアセンサは
近年の素子の場合、原稿面に密着してイメージを読み取
る密着型のものが多い。そこで、密着型とするには原稿
像を導くレンズと、このレンズにより導かれた像が結像
されて、その光量対応の電気信号に変換する画素単位の
受光部と、原稿面に照明光を当てる発光素子とを一体的
に組み込んだ構成として実現できる。
【0125】ここでは原理的に示すために、図21のよ
うな構成を示している。
【0126】MOSセンサ706から読み出された信号
は、前記エンコーダ705の出力により、位置の対応が
とられ、また、読み出しタイミング制御に使用される。
【0127】このような構成において、シート状の原稿
を平らな場所に置き、その上にこのハンディスキャナを
置いて、この原稿上をローラ704の回転可能な方向に
移動させる。この移動方向が主走査方向となる。このと
き、LEDアレイ702は原稿面を照明し、スリット7
01aを介して原稿のイメージがミラー703に入る。
そして、ミラー703で反射されてレンズ707によ
り、MOSセンサ706に結像される。
【0128】MOSセンサ706はラインイメージセン
サであり、固定してあるMOSセンサ706の受光面
に、原稿の画像が1ライン相当分ずつ、レンズを707
を介して結像され、この結像された原稿のイメージ情報
を読み取る。
【0129】このように、本実施例でのハンディ形イメ
ージスキャナは、筐体701を原稿の上に置き、そのま
ま、原稿上を滑らせるかたちで手操作により移動走査す
る。その際に、スリット701aから原稿のイメージを
1ライン単位で取り込むようにするため、そのライン位
置の検出と読取りの同期をとるローラ704が設けてあ
り、このローラ704は原稿に接してその原稿との摩擦
により、回転される結果、エンコーダ705からこのロ
ーラ704の回転方向、回転量対応の検出信号が出力さ
れる。そして、このエンコーダ705からの検出信号を
元に、図示しない制御手段により、MOSセンサ706
の出力信号を原稿の1ライン単位一致するように、制御
して出力させる。
【0130】本実施例では、低消費電力・低電圧化を図
り、しかも、高速読み取りを高いS/Nを以て実現する
ことが可能になり、コンパクトで、高機能、高性能なイ
メージスキャナ装置を得ることができる。つまり、MO
Sセンサにおいて問題となっていた固定パターン雑音成
分を短時間でキャンセルすることができて、S/Nの良
い従って高画質のイメージを高速で送ることのできるイ
メージスキャナ装置を提供できる。
【0131】なお、この例ではハンディ形のイメージス
キャナを示したが、原稿を原稿置き台の上に置き、光学
系を主走査駆動させるようにしたディスクトップ形のイ
メージスキャナにも応用できる。また、光学系を位置固
定とし、原稿を主走査方向に搬送するようにした構成の
装置として実現することもできる。また、以上のイメー
ジスキャナはモノクロームの装置を例に説明したが、光
学系に3原色のカラーフィルターを設けて、色分解し、
色別に画像信号を得ることにより、カラー画像の信号を
得ることができるイメージスキャナを実現することがで
きる。さらには、光学系を凹面鏡を用いて形成して画像
をこの凹面鏡により、MOSセンサに導くようにした
り、光ファイバを束ねて構成したオプチカルファイバー
により、画像をMOSセンサに導く構成するにするなど
種々の変形が可能である。
【0132】(第13の実施の形態) <ディスクトップ形のカラーイメージスキャナ>第13
の実施の形態にディスクトップ形のカラーイメージスキ
ャナに使用する光学系の構成を示す。ディスクトップ形
のカラーイメージスキャナでは光学系は定位置固定であ
り、原稿を主走査方向に走査する。この場合、図22に
示すように、光学系に3原色のカラーフィルタを設け
て、色分解し、色別に画像信号を得る。図22におい
て、画像信号を得るMOSセンサSはラインセンサであ
り、画素を1ライン相当分、直線的に並べて構成してあ
る。MOSセンサSの受光面側にはカラーフィルタFが
配されている。カラーフィルタFは1ライン相当分の幅
および長さをそれぞれ有するR(赤),G(緑),B
(青)の各色成分用の光学フィルタ部が並列的に配され
た構成である。そして、MOSセンサSの受光面側は原
稿DPの光学像をレンズL、およびカラーフィルタFを
介して結像される構成である。原稿DPは、光源LPに
より照明される。
【0133】カラーフィルタFは、R(赤),G
(緑),B(青)の各色成分用の光学フィルタ部をMO
SセンサSの受光面上に移動できるように駆動移動走査
機構DRにより移動走査可能に支持されている。そし
て、赤像を受光する時はRの色成分用の光学フィルタ部
を、緑像を受光する時はGの色成分用の光学フィルタ部
を、そして、青像を受光する時はBの色成分用の光学フ
ィルタ部をMOSセンサSの受光面上に位置させるよう
に、画像の収集タイミングと同期を取りながら駆動移動
制御させる。
【0134】これにより、MOSセンサSからは、R
(赤),G(緑),B(青)の各色成分用の光学像の画
像信号を得ることができる。
【0135】(第14の実施の形態) <増幅型MOSセンサのフィルムスキャナ装置への応用
> 本発明の増幅型MOSセンサは、パソコンや画像ディス
プレイ装置等に、例えば、35mmロングフィルムの1
コマ、1コマを読み込んで画像信号を得るフィルムスキ
ャナ装置へ応用できる。
【0136】その構成例を図23に示す。図に示すよう
に、増幅型MOSセンサによる密着形のラインセンサ
S、このラインセンサSの受光面側に配されるS現像済
みの銀塩ロングフィルムFM、この銀塩ロングフィルム
FMをラインセンサSの受光面位置上で照明する光源L
P、銀塩ロングフィルムFを挟んで一方向に一定速度で
搬送する一対の搬送ローラCからなる。
【0137】このような構成によれば、搬送ローラCで
銀塩ロングフィルムFMを挟み、この搬送ローラCを一
定速度で回転駆動させる。これにより、銀塩ロングフィ
ルムFMは一方向に一定速度で搬送される。従って、密
着形のラインセンサSで銀塩ロングフィルムFMの像
を、フィルム搬送速度に同期させながら読み出し制御し
て、受光量対応の信号を得る。この信号は雑音のキャン
セルが成されており、画像成分のみのフィルム像をライ
ン単位で電気信号に変換して出力することができる。
【0138】(第15の実施の形態) <オートフォーカス機構への応用>図24に本発明にお
けるMOSセンサを用いたオートフォーカス機構付きの
1眼レフカメラの実施例を示す。図において、本発明の
1眼レフカメラ800は焦点位置調整機構付きのレンズ
801と、このレンズ801のとらえた光学像が結像さ
れて露光されるフィルム803、カメラ800のファイ
ンダ802aにレンズ801のとらえた光学像を導くプ
リズム802b、本発明のオートフォーカスセンサモジ
ュール804、ハーフミラーで構成され、レンズ801
の光路上に配されて、シャッタ操作することで、前記光
路から完全に外れるようにした跳ね上がり式のファイン
ダーミラー805と、このファインダーミラー805の
背面に取り付けられ、前記レンズ801の光路上にこの
ファインダーミラー805が位置するときに、ファイン
ダーミラー805の透過光学像をオートフォーカスセン
サモジュール803に結像させるサブミラー806を備
える。
【0139】オートフォーカスセンサモジュール804
は本発明で用いられるノイズキャンセラ回路を備えたM
OSセンサを用いており、図25に示すように、MOS
センサ804a部分の受光面の前面にはセパレータレン
ズ804bが固定して設けてある。MOSセンサ804
aとしては2次元配列の受光面を有するものを用いてい
る。セパレータレンズ804bは図25に示すように、
一対の凸レンズが並べて配置されて構成であり、サブミ
ラー806で分配された光学像はこのセパレータレンズ
804bによりそれぞれMOSセンサ804aの受光面
の別の領域に結像される構成である。一対の凸レンズが
並べて配置された構成のセパレータレンズ804bでこ
のように光学像をMOSセンサ804aの受光面に導く
構成とすることで、上記受光面には異なる領域にそれぞ
れ像が結像されて、一対の像が得られることになる。
【0140】このような構成のカメラは、レンズ801
でとらえられる被写体像はファインダーミラー805に
よりプリズム802bとサブミラー806とに分配され
る。ファインダーミラー805に分配された被写体像は
プリズム802bを通ってファインダ802aに結像さ
れ、カメラ800のとらえている被写体像を観察可能に
する。
【0141】一方、サブミラー806に分配された被写
体像は、オートフォーカスセンサモジュール804に導
かれる。オートフォーカスセンサモジュール804はM
OSセンサ804aにより構成されており、MOSセン
サ804a部分の受光面の前面にはセパレータレンズ8
04bが配置されている。そして、このセパレータレン
ズ804bはMOSセンサ804aの受光面にそれぞれ
別の領域に結像させる。MOSセンサ804aでは受光
面を形成するそれぞれの画素対応のフォトダイオードに
結像された光学像の光量に対応する電気信号を発生する
ので、これを順に読み出す。
【0142】オートフォーカスセンサモジュール804
においては、セパレータレンズ804bにより、MOS
センサ804a部分の受光面は2つの画像結像領域に事
実上、分割されている状態であり、2つの画像結像領域
にそれぞれ結像された被写体像は焦点が合焦(ピントが
合った状態)した場合には図25(a)の806Aのよ
うに、MOSセンサ804aの出力としては各分割され
た画像結像領域の基準画素位置P0,P0´を中心に、
それぞれ同じ画像のものがあらわれる状態になる。
【0143】また、前ピン(ピント位置がフィルム面か
ら前位置にずれている状態)では図25(b)の806
Bのように、MOSセンサ804aの出力としては各分
割された画像結像領域の基準画素位置P0,P0´より
互いに内側に近付いた位置に、それぞれ同じ画像のもの
があらわれる状態とになる。
【0144】また、後ピン(ピント位置がフィルム面よ
り後ろの位置にずれている状態)では図25(c)の8
06Cのように、MOSセンサ804aの出力としては
各分割された画像結像領域の基準画素位置P0,P0´
より互いに外側に離れる位置に、それぞれ同じ画像のも
のがあらわれる状態とになる。
【0145】したがって、このMOSセンサ804aの
出力から、当該MOSセンサ804aの出力が前記各分
割された画像結像領域の基準画素位置P0,P0´を中
心に、それぞれ同じ画像のものがあらわれる状態になる
方向にレンズ801をピント調整するに必要な制御量を
求めてその制御量分、焦点位置調整機構を制御する。こ
れにより、レンズ801はフィルム面に対して合焦状態
になるように、ピント調整される。
【0146】シャッタ操作がされると、ファインダーミ
ラー805が跳ね上がり、光路から外れるので、レンズ
801でとらえた被写体像はフィルム面に結像され、フ
ィルムは露光されてピントの合った被写体像が撮影され
る。
【0147】本発明のオートフォーカス機構を備えたカ
メラは、ピントの状態検出を低消費電力・低電圧で実現
でき、しかも、高速読み取りを高いS/Nを以て実現す
ることが可能になり、早いシャッタ速度で撮影する場合
や、高速連写撮影においても、十分に追従してピント状
態の検出ができ、即座にピント合わせ制御をして鮮明な
画像を撮影することができるようになる。つまり、MO
Sセンサにおいて問題となっていた固定パターン雑音成
分を短時間でキャンセルすることができて、S/Nの良
い従って高画質のイメージを高速で読み取って高速でピ
ント状態の検出ができ、即座にピント合わせ制御ができ
て鮮明な画像を撮影することができるようになる。
【0148】なお、ここでは1眼レフカメラを例に説明
したが、オートフォーカス機構はレンズシャッタカメラ
や双眼鏡、光学顕微鏡などにも適用することが可能であ
る。次に、上述した各システムで用いられる低雑音のM
OSセンサ、すなわち、固定パターンノイズが効果的に
除去され、例えば、70dB以上の大きな出力ダイナミ
ックレンジを得ることが可能なMOSセンサ、そして、
このMOSセンサで用いられるノイズキャンセラ回路、
および単位セルの具体例について、図面を参照して説明
する。
【0149】増幅型MOSセンサを用いた固体撮像装置
が受光部としてフォトダイオードを用いており、各セル
毎にフォトダイオードで検出した信号をトランジスタで
増幅するもので、高感度という特徴を持つ。
【0150】一般に、増幅型MOS型固体撮像装置にお
いては、各単位セルにおける画素に相当する受光部であ
るフォトダイオードの出力信号を、その単位セルに設け
られた増幅トランジスタを通して増幅して取り出す。そ
のため、この増幅の際に、増幅トランジスタの特性バラ
ツキ対応分が信号に重畳されることになる。ゆえに、た
とえ各単位セルにおける各フォトダイオードの電位がそ
れぞれ同じであったとしても、そのフォトダイオードの
所属する単位セルでの増幅トランジスタがそれぞれ別物
であり、各増幅トランジスタはその特性が微妙に異なる
ので、出力信号がそれぞれ同じとはならない。そのた
め、増幅型MOS型固体撮像装置で撮像した画像を再生
すると、各単位セルでの増幅トランジスタのバラツキに
対応する雑音が発生する。
【0151】このように増幅型MOS型固体撮像装置で
は、各単位セルでの増幅トランジスタでそれぞれ特性が
微妙に異なり、各単位セルで固有なものであるために、
再生した画像に場所的に固定されて分布する雑音、つま
り、2次元状の雑音の発生が避けられない。この雑音は
2次元空間である画面上で、場所的に固定されていると
いう意味で、固定パターン雑音と呼ばれる。
【0152】この固定パターン雑音を除去するために設
けたのが、以下、詳述する本発明で用いられるノイズキ
ャンセラ回路である。
【0153】次に、信号電荷をセル内で増幅する増幅型
MOSセンサを用いた固体撮像装置に用いられるノイズ
キャンセラ回路の具体的な例に触れておく。
【0154】(第16の実施の形態)図26は、本発明
で用いられる第16の実施の形態に係るMOS型固体撮
像装置にかかわり、特にノイズキャンセラ回路を備えた
MOS型固体撮像装置の構成例を示す。単位セルP4−
i−jが縦、横に2次元マトリクス状に配列されてい
る。図では、2×2しか示していないが、実際は数千個
×数千個ある。iは水平(row )方向の変数、jは垂直
(column)方向の変数である。各単位セルP4−i−j
の詳細は既に、図9にて説明した例えば、111,211
11,411からなる回路構成の要素の如きのものであ
る。
【0155】本発明で用いられる固体撮像装置の応用分
野としては、ビデオカメラ、電子スチルカメラ、ディジ
タルカメラ、ファクシミリ、複写機、スキャナ等があ
る。
【0156】垂直アドレス回路905から水平方向に配
線されている垂直アドレス線906−1,906−2,
…は各行の単位セルに接続され、信号を読み出す水平ラ
インを決めている。同様に、垂直アドレス回路5から水
平方向に配線されているリセット線907−1,907
−2,…は、各列の単位セルに接続されている。
【0157】各列の単位セルは列方向に配置された垂直
信号線908−1,908−2,…に接続され、垂直信
号線908−1,908−2,…の一端には負荷トラン
ジスタ909−1,909−2,…が設けられている。
負荷トランジスタ909−1,909−2,…のゲート
とドレインは共通にドレイン電圧端子920に接続され
る。
【0158】垂直信号線908−1,908−2,…の
他端は、MOSトランジスタ926−1,926−2,
…のゲートに接続される。MOSトランジスタ926−
1,926−2,…のソースはMOSトランジスタ92
8−1,928−2,…のドレインに接続され、MOS
トランジスタ926−1,926−2,…、928−
1,928−2,…はソースフォロワ回路として動作す
る。MOSトランジスタ928−1,928−2,…の
ゲートは共通ゲート端子936に接続される。
【0159】MOSトランジスタ926−1,926−
2,…とMOSトランジスタ928−1,928−2,
…との接続点がサンプルホールドトランジスタ930−
1,930−2,…を介してクランプ容量932−1,
932−2,…の一端に接続される。クランプ容量93
2−1,932−2,…の他端にはサンプルホールド容
量934−1,934−2,…とクランプトランジスタ
940−1,940−2,…が並列に接続されている。
サンプルホールド容量934−1,934−2,…の他
端は接地されている。クランプ容量932−1,932
−2,…の他端は水平選択トランジスタ912−1,9
12−2,…を介して信号出力端(水平信号線)915
にも接続される。
【0160】垂直アドレス回路905は、複数、ここで
は2本の信号を纏めてシフトする回路であり、図27、
図28、図29のいずれかの回路により実現される。図
27の例では、入力信号946を多数の出力端から順次
シフトして出力するアドレス回路944の出力がマルチ
プレクサ948により2入力信号950と合成される。
図28の例では、エンコード入力954をデコードする
デコーダ952の出力がマルチプレクサ956により2
入力信号958と合成される。図29の例では、2つの
アドレス回路960a,960bの出力を束ねて各行の
制御信号線とする。
【0161】図26に示した各単位セルP4−1−i
(i=1,2,3,〜)は、例えば、図9における
11,211,311,411よりなる部分の如きの構成であ
る。そして、906−1−i(i=1,2,3,〜)
は、6i(i=1,2,3,〜)に相当し、907−1
−i(i=1,2,3,〜)は、7i(i=1,2,
3,〜)に相当し、908−1−i(i=1,2,3,
〜)は、8i(i=1,2,3,〜)に相当する。
【0162】一般的に、MOS型の増幅型固体撮像装置
においては、増幅トランジスタの特性のバラツキが信号
に影響するため、フォトダイオードの出力が同じでもセ
ルからの出力信号が同じとはならず、写した画像を再生
すると増幅トランジスタの特性バラツキ等に対応する2
次元状の雑音である固定パターン雑音が発生する。つま
り、MOS型の増幅型固体撮像装置においては、その受
光面全面に一様な光を当てたとしても、マトリクス配置
の各画素から得られる画像信号のレベルは、各画素で一
様にならず、輝度むらのある画像信号となる。この輝度
むらのある画像は雑音が2次元状に分布する雑音、つま
り、画面という平面に分布する雑音であり、場所的に固
定されているという意味で、固定パターン雑音と称され
る。
【0163】このため、本実施例においては、単位セル
対応に図26に示すように、水平選択トランジスタ91
2の前に、この固定パターン雑音を抑圧するための回路
を設けてなる雑音除去回路(ノイズキャンセラ回路)を
用いるようにしている。
【0164】図31は、増幅型MOSセンサを用いた従
来の固体撮像装置を示す回路構成図である。画素に相当
する単位セルP0−i−jが縦、横に2次元マトリクス
状に配列されている。図では、2×2しか示していない
が、実際は数千個×数千個の配列である。iは水平(ro
w )方向の変数、jは垂直(column)方向の変数であ
る。各単位セルP0−i−jは、フォトダイオード1−
i−jと、増幅トランジスタ2−i−jと、垂直選択ト
ランジスタ3−i−jと、リセットトランジスタ4−i
−jからなる。また、2次元マトリクス状に配列されて
いる単位セルP0−1−1,…P0−i−j,…を順に
選択するために、垂直アドレス回路205と水平アドレ
ス回路213とがある。垂直アドレス回路205にはn
×m構成の2次元マトリクス状配列の単位セルP0−1
−1,…P0−i−j,…の横配列数(水平(row )方
向配列数)であるnに対応する数のアドレス出力端子と
リセット信号端子のペアがあり、水平アドレス回路21
3にはn×m構成の2次元マトリクス状配列の単位セル
P0−1−1,…P0−i−j,…の縦配列数(垂直
(column)方向配列数)であるmに対応するアドレス出
力端子がある。なお、m,n,i,jは任意の整数であ
る。
【0165】そして、水平(row )方向に並ぶ単位セル
P0−1−1,P0−1−2,…P0−2−j,…に沿
って1本ずつ、垂直アドレス回路205から水平(row
)方向に垂直アドレス線6−1,6−2,…が順に配
線されており、これら垂直アドレス線6−1,6−2,
…はそれぞれ垂直アドレス回路205のn個のアドレス
出力端子のうち、対応する一つに接続されている。
【0166】また、水平(row )方向に並ぶ単位セルP
0−1−1,P0−1−2,…P0−2−j,…に沿っ
て1本ずつ、垂直アドレス回路205から水平(row )
方向にリセット信号線7−1,7−2,…が順に配線さ
れており、これらリセット信号線7−1,7−2,…は
それぞれ垂直アドレス回路205のn個のリセット信号
端子のうち、対応する一つに接続されている。
【0167】また、垂直方向に並ぶ単位セルP0−1−
1,P0−1−2,…P0−2−j,…に沿って1本ず
つ、水平アドレス回路213から垂直方向に垂直信号線
8−1,8−2,…が順に配線されており、これら垂直
信号線8−1,8−2,…はそれぞれ水平アドレス回路
213のm個のアドレス出力端子のうち、対応する一つ
に接続されている。
【0168】垂直アドレス回路205から水平方向に配
線されている垂直アドレス線6−1,6−2,…は各行
の単位セルの垂直選択トランジスタ3−1−1,…のゲ
ートに接続され、信号を読み出す水平ラインを決めてい
る。同様に、垂直アドレス回路205から水平方向に配
線されているリセット線7−1,7−2,…は、それぞ
れ対応する各行のリセットトランジスタ4−1−1、…
のゲートに接続されている。
【0169】入射光を検出するフォトダイオード1−i
−jは,入射光を検出する受光部を形成するものであっ
て、受光量対応の信号電荷を発生するものであり、1つ
のフォトダイオードで1画素を構成する。増幅トランジ
スタ2−i−jは、このフォトダイオード1−i−jの
発生した信号電荷を増幅して検出信号として出力するも
のであり、フォトダイオード1−i−jのカソードが自
己のゲートに接続されることにより、フォトダイオード
1−i−jの信号電荷を増幅してその信号電荷対応の増
幅出力を検出信号としてドレイン側に発生するものであ
る。
【0170】垂直選択トランジスタ3−i−jは、直流
のシステム電源と増幅トランジスタ2−i−jのドレイ
ン側との間に自己のソース-ドレイン間が接続され、自
ゲート側は垂直アドレス回路205の垂直アドレス
線6−jに接続される。
【0171】リセットトランジスタ4−i−jは直流の
システム電源とフォトダイオード1−i−jのカソード
との間に自己のソース‐ドレイン間が接続され、動作時
にフォトダイオード1−i−jの信号電荷をリセットす
る。
【0172】つまり、具体的には垂直選択トランジスタ
3−i−jのソース側とリセットトランジスタ4−i−
jのソース側が、直流のシステム電源のドレイン電圧端
子に共通に接続されて、ドレイン電圧が供給されるよう
にしてある。
【0173】上述したように、垂直アドレス回路205
から水平方向に配線されている垂直アドレス線6−1,
6−2,…は各行の単位セルの垂直選択トランジスタ3
−1−1,…のゲートに接続され、信号を読み出す水平
ラインを決めている。同様に、垂直アドレス回路205
から水平方向に配線されているリセット線7−1,7−
2,…は、各行のリセットトランジスタ4−1−1、…
のゲートに接続されている。
【0174】従って、n×m構成(n行m列の配列構
成)の画素の読み出しにおいて、nライン存在する水平
ライン(行方向ライン)を、その読み出し走査順にアク
ティブにすべく、垂直アドレス回路205が垂直アドレ
ス線6−1,6−2,…を順次アクティブにし、また、
画素の信号電荷をリセットするように、出力端子に信号
出力をすべく、動作する構成としてある。
【0175】以上が、画像検出部であり、この画像検出
部のほかにこの画像検出部が検出した画像を読み出す出
力部がある。出力部は負荷トランジスタ9−1,9−
2,…、信号転送トランジスタ10−1,10−2,
…、蓄積容量11−1,11−2,…、水平(row )選
択トランジスタ12−1,12−2,…から成り、次の
ような構成である。
【0176】すなわち、各列の単位セルの増幅トランジ
スタ2−1−1,2−1−2,…のソース側は列方向に
配置された垂直信号線8−1,8−2,…のうち、自己
の対応する列のものにそれぞれ接続されている。また、
各列の単位セル対応に、それぞれ一つずつ、負荷トラン
ジスタ9−1,9−2,…が設けられており、垂直信号
線8−1,8−2,…の一端はこれら各負荷トランジス
タ9−1,9−2,…のうちの対応する一つと、その負
荷トランジスタのソース‐ドレイン側を介して直流のシ
ステム電源に接続される。
【0177】また、垂直信号線8−1,8−2,…の他
端は、1行分の信号を取り込む信号転送トランジスタ1
0−1,10−2,…のうちの自己に対応する一つを介
して、1行分の信号を蓄積する蓄積容量11−1,11
−2,…のうちの自己に対応する一つに接続されるとと
もに、水平アドレス回路213から供給される水平アド
レスパルスにより選択される水平(row )選択トランジ
スタ12−1,12−2,…を介して信号出力端(水平
信号線)215に接続されている。
【0178】つまり、垂直信号線8−1,8−2,…の
他端は、信号転送トランジスタ10−1,10−2,…
のうちの対応する一つのトランジスタのソース‐ドレイ
ンを介して蓄積容量11−1,11−2,…のうちの対
応する一つの蓄積容量の一端側に接続されるとともに、
水平(row )選択トランジスタ12−1,12−2,…
のうちの対応する一つのトランジスタのソース‐ドレイ
ンを介して信号出力端(水平信号線)215に接続され
る。また、各蓄積容量11−1,11−2,…の他端は
接地され、信号転送トランジスタ10−1,10−2,
…のゲート側は共通ゲート214に接続される。共通ゲ
ート214には、信号転送すべきタイミングにおいて信
号転送パルスを印加することで、信号転送トランジスタ
10−1,10−2,…をオンさせて、垂直信号線8−
1,8−2,…に現れた電圧を、増幅信号蓄積容量11
−1,11−2,…に転送して蓄積させることができ
る。水平アドレス回路213は、水平1ライン当たりの
読み出すべき画素位置を順次選択してゆくためのもので
あって、n×m構成(n行m列構成)の画素の読み出し
において、水平1ラインの読み出し走査速度対応に、そ
の時々の走査位置に該当する画素位置の水平(row )選
択トランジスタ12−1,12−2,…をアクティブに
するように水平アドレスパルスを発生する構成としてあ
る。
【0179】従って、n×m構成(n行m列構成)の画
素の読み出しにおいて、順次ライン位置を変えながらそ
のラインにおける画素の信号を読み出すといった走査を
制御をすることができる。
【0180】図32のタイミングチャートを参照して、
この従来のMOS型固体撮像装置の動作について説明す
る。垂直アドレス回路205より、垂直アドレス線6−
iに当該垂直アドレス線6−iをハイレベルにするアド
レスパルスが印加されると、この行の選択トランジスタ
3−i−1,3−i−2,…のみオンとなり、この行の
増幅トランジスタ2−i−1,2−i−2,…と負荷ト
ランジスタ9−1,9−2,…でソースフォロワ回路が
構成される。
【0181】これにより、増幅トランジスタ2−i−
1,2−i−2,…のゲート電圧、すなわちフォトダイ
オード1−i−1,1−i−2,…の電圧とほぼ同等の
電圧が垂直信号線8−1,8−2,…に現れる。
【0182】このとき、信号転送トランジスタ10−
1,10−2,…の共通ゲート214に信号転送パルス
を印加すると、増幅信号蓄積容量11−1,11−2,
…には垂直信号線8−1,8−2,…に現れた電圧とそ
の容量との積で表される増幅された信号電荷が蓄積され
る。
【0183】増幅信号蓄積容量11−1,11−2,…
に信号電荷が蓄積された後、垂直アドレス回路5は、リ
セットライン7−iにリセットパルスを印加する。そし
て、このリセットパルスによりリセットトランジスタ4
−i−1,4−i−2,…はオンされ、フォトダイオー
ド1−i−1,1−i−2,…に蓄積された信号電荷は
リセットトランジスタ4−i−1,4−i−2,…を介
して放電される。これにより、フォトダイオード1−i
−1,1−i−2,…はリセットされたことになる。
【0184】つぎに、水平アドレス回路213から水平
アドレスパルスを水平選択トランジスタ12−1,12
−2,…に順次印加する。すると、水平選択トランジス
タ12−1,12−2,…はこの水平アドレスパルスの
印加されている間、オンとなる。そして、増幅信号蓄積
容量11−1,11−2,…に蓄積されていた信号電荷
は、オンとなった水平選択トランジスタ12−1,12
−2,…を通って蓄積信号出力端(水平信号線)215
から出力される。これにより、1行分の画像信号が出力
信号として得られる。
【0185】この動作を次の行(水平ライン)、次の行
と順次続けることにより、2次元状に配置されたフォト
ダイオードのすべての信号を読み出すことができる。
【0186】このように、順次、ライン位置を変えなが
ら読み出し制御を行うことで、1画面分の画像信号を順
次取り出すことができ、連続的にこの動作を繰り返すと
動画像が得られることになる。
【0187】上述した従来のMOS型固体撮像装置の単
位セルP0−i−jは、フォトダイオード1−i−jか
らの電荷信号を増幅する増幅トランジスタ2−i−j、
信号を読み出すラインを選択する垂直選択トランジスタ
3−i−j、増幅トランジスタのゲートのゲートを充放
電するリセットトランジスタ4−i−jの計3つのトラ
ンジスタを用いる。
【0188】しかし、MOS型固体撮像装置は、増幅ト
ランジスタ2−i−jを用いて電荷信号は増幅して出力
させるので、この増幅トランジスタ2−i−jによる雑
音の問題がついて回る。つまり、増幅トランジスタ2−
i−jは画素である単位セル毎に設けられるが、フォト
ダイオードが光を受けていないときにも、増幅トランジ
スタは出力を発生する。これは増幅トランジスタの特性
上、避けることができない暗電流や熱雑音などのバラツ
キに起因するものであり、マトリクス配置の各画素セル
でそれぞれ異なる固有のものであるから、一様な光を受
光面全面に当てたとしても、得られる画像信号のレベル
は、各画素で一様にならず、輝度むらのある画像信号と
なる。この輝度むらのある画像は雑音が2次元状に分布
する雑音、つまり、画面という平面に分布する雑音であ
り、場所的に固定されているという意味で、固定パター
ン雑音と称される。この雑音の問題は大きく、画素を微
細化することによって一層、顕著になるから撮像用に
は、その改善や対策が必要である。
【0189】この固定パターン雑音を除去するために、
第16の実施の形態では、単位セル対応に、水平選択ト
ランジスタ12の前に、この固定パターン雑音を抑圧す
るための回路を設けてなる雑音除去回路(ノイズキャン
セラ回路)を用いるようにしている(図26参照)。
【0190】尚、図26では、雑音除去回路としては一
例として電圧領域で信号と雑音との差分をとる相関二重
サンプリング型を示すが、雑音除去回路の型は、相関二
重サンプリング型には限定されず、種々の雑音除去回路
を用いることができる。
【0191】図30のタイミングチャートを参照して、
図26の構成のノイズキャンセラ回路付きMOS型固体
撮像装置の動作について説明する。なお、負荷トランジ
スタ909の共通ドレイン端子920、インピーダンス
変換回路のトランジスタ928の共通ゲート端子93
6、クランプトランジスタ940の共通ソース端子93
8はDC駆動であるので、タイミングチャートから省略
している。
【0192】垂直アドレス線906−1にハイレベルの
アドレスパルスを印加すると、当該垂直アドレス線90
6−1に接続されている単位セルP4−1−1,P4−
1−2,…の垂直選択トランジスタ965がオンとな
り、増幅トランジスタ964と負荷トランジスタ909
−1,909−2,…でソースフォロワ回路が構成され
る。
【0193】サンプルホールドトランジスタ930−
1,930−2,…の共通ゲート937をハイレベルと
してサンプルホールドトランジスタ930−1,930
−2,…をオンする。この後、クランプトランジスタ9
40−1,940−2,…の共通ゲート942をハイレ
ベルとしてクランプトランジスタ940−1,940−
2,…をオンする。
【0194】次に、クランプトランジスタ940−1,
940−2,…の共通ゲート942をローレベルとして
クランプトランジスタ940−1,940−2,…をオ
フする。このため、垂直信号線908−1,908−
2,…に現れている信号プラス雑音成分はクランプ容量
932−1,932−2,…に蓄積される。
【0195】この後、垂直アドレスパルスをローレベル
に戻した後、リセット線907−1にハイレベルのリセ
ットパルスを印加すると、当該リセット線7−1に接続
されている単位セルP4−1−1,P4−1−2,…の
リセットトランジスタ966がオンとなり、出力回路9
68の入力端子の電荷がリセットされる。
【0196】再び、垂直アドレス線906−1にハイレ
ベルのアドレスパルスを印加すると、当該垂直アドレス
線906−1に接続されている単位セルP4−1−1,
P4−1−2,…の垂直選択トランジスタ965がオン
となり、増幅トランジスタ964と負荷トランジスタ9
09−1,909−2,…でソースフォロワ回路が構成
され、信号成分がリセットされた雑音成分のみが垂直信
号線908−1,908−2,…に現れる。
【0197】前述したように、クランプ容量932−
1,932−2,…には信号プラス雑音成分が蓄積され
ているので、クランプノード941−1,941−2,
…には垂直信号線908−1,908−2,…の電圧変
化分、すなわち信号成分プラス雑音成分から雑音成分を
差し引いた、固定パターン雑音のない信号電圧のみが現
れる。
【0198】そして、サンプルホールドトランジスタ9
30−1,930−2,…の共通ゲート937をローレ
ベルとしてサンプルホールドトランジスタ930−1,
930−2,…をオフする。このため、クランプノード
941−1,941−2,…に現れている雑音のない電
圧がサンプルホールド容量934−1,934−2,…
に蓄積される。
【0199】この後、水平選択トランジスタ912−
1,912−2,…に水平アドレスパルスを順次印加す
ることにより、サンプルホールド容量934−1,93
4−2,…に蓄積されている雑音のないフォトダイオー
ド962の信号が出力端子(水平信号線)915から読
み出される。
【0200】以下、同様に、垂直アドレス線906−
2,906−3,…について上述の動作を繰り返すこと
により、2次元状に配置された全てのセルの信号を取り
出すことが出来る。
【0201】ここで、図30のタイミングの先後関係を
説明する。必須の順番は、次の通りである。 [垂直アドレスパルスの立ち上がり・サンプルホールド
パルスの立ち上がり・クランプパルスの立ち上がり→リ
セットパルスの立ち上がり→リセットパルスの立ち下が
り→サンプルホールドパルスの立ち下がり→垂直アドレ
スパルスの立ち下がり] なお、垂直アドレスパルスの立ち上がり、サンプルホー
ルドパルスの立ち上がり、クランプパルスの立ち上がり
の前後関係は任意であるが、好ましくは上述した順番が
よい。
【0202】このように、図30の動作によれば、クラ
ンプノード941には、信号(プラス雑音)がある時
と、増幅トランジスタのゲートがリセットされて信号が
ない時の差の電圧が現れるため、単位セルP4−1−i
(i=1,2,3,4〜)における増幅トランジスタの
特性バラツキに起因した固定パターン雑音が補償され
る。すなわち、クランプトランジスタ930、クランプ
容量931、サンプルホールドトランジスタ940、サ
ンプルホールド容量934からなる回路がノイズキャン
セラとして作用する。
【0203】なお、本実施例のノイズキャンセラは、ソ
ースフォロワ回路からなるインピーダンス変換回路92
6、928を介して垂直信号線908に接続されてい
る。すなわち、垂直信号線はトランジスタ926のゲー
トに接続されている。このゲート容量は非常に小さいの
で、セルの増幅トランジスタは垂直信号線908−1,
908−2,…のみを充電するので、CRの時定数が短
く、すぐに定常状態になる。そのため、リセットパルス
の印加タイミングを早くすることができ、短時間でノイ
ズキャンセル動作をさせることができる。テレビジョン
信号の場合、ノイズキャンセル動作は水平ブランキング
期間内に行う必要があり、短時間で正確にノイズキャン
セルできることは大きな長所である。さらに、ノイズキ
ャンセル動作に含まれる信号プラス雑音出力時と雑音出
力時とで、単位セルから見たノイズキャンセラのインピ
ーダンスが同じであるので、正確にノイズをキャンセル
することができる。
【0204】すなわち、“雑音成分”出力時と“信号成
分+雑音成分”出力時とで、単位セルから見たノイズキ
ャンセラ回路のインピーダンスがほぼ同一である。その
ため、両出力時で雑音成分はほぼ同一となり、両者の差
分をとると、正確に雑音出力を除去できて信号成分のみ
を取り出すことが可能となる。従って、正確にノイズを
キャンセルすることができる。また、単位セルからノイ
ズキャンセラ回路を見ると、インピーダンス的にはゲー
ト容量しか見えず、その容量は非常に小さいので、短時
間に確実にノイズをキャンセルすることができる。
【0205】次に、本実施例のノイズキャンセラ回路の
素子構造を説明する。
【0206】図26の回路構成からわかるように、クラ
ンプ容量932とサンプルホールド容量934が直接接
続されて近接しているので、これらを同一面上に積層し
て形成することができ、ノイズキャンセラ回路部分を小
型化できる。
【0207】具体的には、図33に示すように、シリコ
ン基板872上に第1の絶縁膜874を介して第1の電
極876を形成することにより、サンプルホールド容量
34を構成し、さらに第1の電極876上に第2の絶縁
膜878を介して第2の電極880を形成することによ
り、クランプ容量832を構成する。
【0208】この図からも明らかなように、第1の電極
876が共通電極となり、クランプ容量832とサンプ
ルホールド容量834が積層形成されているので、個別
に形成する場合の1/2の面積で同じ容量値を得ること
が可能となる。
【0209】本実施例においては、単位セルP4−1−
1、P4−1−2,…や、垂直アドレス回路905、水
平アドレス回路913などの周辺回路は、p-型基板上
にp+型不純物層を形成した半導体基板上に形成されて
いる。
【0210】図34(a)、図34(b)は、このよう
な半導体基板の断面図である。
【0211】図34(a)に示すように、p-型基板8
81上にp+型不純物層882を形成した半導体基板に
フォトダイオード883などのセル要素が形成されてい
る。
【0212】半導体基板をこのような構成にすることに
より、p-/p+境界にある拡散電位により、p-型基板
81で発生した暗電流がp+側へ流れ込むのを一部防止
することができる。
【0213】電子の流れを詳しく解析した結果を簡単に
述べると、p-側で発生した電子にとってp+不純物層8
82の厚さLがp+とp-の濃度の比倍すなわちL・p+
/p-に見える。
【0214】すなわち、図34(b)に示すように、暗
電流の発生源であるp-基板881からフォトダイオー
ド883までの距離がp+/p-倍遠くなったように見え
ることになる。暗電流は、基板深部から流れ込むもの以
外にフォトダイオード883近傍の空乏層内で発生する
ものがあり、この空乏層内で発生する暗電流は、基板深
部から流れ込む暗電流とほぼ同じ程度ある。空乏層の厚
さは約1μm程度であり、基板深部から流れ込む暗電流
は約100μmの深さからも流れてくる。この深さはp
型半導体内部での電子の拡散距離と呼ばれているもので
ある。この厚さの差にも関わらず暗電流が同等なのは、
単位体積あたりの暗電流の発生確率が空乏層内部の方が
高いためである。ここで、空乏層で発生する暗電流は原
理的に信号電流と分離することができないので、暗電流
の低減は基板深部から流れ込む成分を減ずることによっ
てなされる。
【0215】また、p-型基板71上にp+型不純物層7
2を形成した半導体基板にセルを形成するので、暗電流
が発生することによる基板電位の変動を防止することが
でき、p型基板は厚いため、抵抗が低く、後述するよう
に、雑音除去回路を確実に動作させることができる。
【0216】また、素子温度が上昇すると基板深部から
の成分の方が急激に増加するので、これが重要である。
その目安は、基板深部からの成分が空乏層で発生した成
分よりも十分小さいことであり、具体的には、基板深部
からの暗電流が空乏層内部からのものに比べて約1桁下
であればいい。すなわち、p+/p-を10に設定して基
板深部からのものを約1/10にすればいい。
【0217】さらに、基板深部からの暗電流は、n型基
板とp型ウェルとで構成される半導体基板ではほぼ全く
ないといってよいが、このような半導体基板と同じレベ
ルにするためにはp+/p-を100に設定して基板深部
からの暗電流を約1/100にする必要がある。
【0218】従来の実績のあるCCDでは、n型の埋め
込みチャネルの不純物濃度が約1016cm-3程度であ
り、この埋め込みチャネルの拡散層を安定して製造する
ための埋め込みチャネルを囲むp型層(ここではp型基
板)の不純物濃度は約1016cm-3である。
【0219】p+層の濃度はp+/p-を10にする場合
は約1016cm-3程度、p+/p-を100にする場合は
約1017cm-3程度となり、n型の埋め込みチャネルの
不純物濃度の約1016cm-3と同程度又は1桁逆転して
しまう。
【0220】このため、従来実績のあるのCCDではこ
のような不純物濃度のp+層を使うことは考えられなか
った。また、p-層の濃度を下げると基板のシート抵抗
が高くなるという問題が出てくる。
【0221】しかしながら、増幅型のMOS撮像装置で
はCCDの埋め込みチャネルがないためp-層の濃度を
下げずにp+/p-の値をある程度自由に設定できる。
【0222】そこで、p型ウェルの抵抗を下げ、n型基
板とp型ウェルとで構成される半導体基板の構造を改善
することによってもセルを構成することができる。
【0223】図35は、n型基板885上にシート抵抗
の低いp+ウェル886を用いた単位セルの断面図であ
る。また、図36は、CCDの単位セルの断面図を示
す。
【0224】CCDの単位セルのn型基板887、p型
ウェル886、n型埋め込みチャネル889の不純物濃
度は安定して製造を行うために、それぞれ約1014cm
-3、約1016cm-3、約1016cm-3程度にしてある。
【0225】n型フォトダイオード890の不純物濃度
はある程度自由に設定できるため製造上の制約はあまり
ない。p型ウェル886のシート抵抗は上記の不純物濃
度では約100kΩ/□程度の値である。CCDは、前
述のようにこのような高い値でも雑音が非常に小さい。
【0226】一方、増幅型のMOS撮像装置で雑音除去
回路を使用する場合、このp型ウェルのシート抵抗は非
常に重要である。何故ならば、リセットパルスによるp
型ウェル886の電位の擾乱が収まる時間がこの装置を
応用するシステムにマッチングしなければならないから
である。
【0227】現行のテレビ方式であるNTSC方式で
は、雑音除去回路を動作させるのは水平帰線期間である
約11[μs]の間である。この時間のあいだにp型ウ
ェル886の電位の擾乱が0.1[mV]程度まで収ま
る必要がある。
【0228】この0.1[mV]という非常に小さい値
は、CCDの雑音電圧出力がこの程度であることから起
因している。11[μs]という非常に短い時間で0.
1[mV]という非常に小さい値に落ちつかせるには、
詳しい解析よるとp型ウェル886のシート抵抗を1k
Ω/□以下にしなければならない。これは従来のCCD
の約1/100である。
【0229】そのためには、p型ウェル886の不純物
濃度を約100倍にする必要があり、p型基板のところ
で前述したように、CCDでは不可能な濃度である。さ
らにハイビジョンテレビ方式では水平帰線期間が3.7
7[μs]であり、p型ウェル886のシート抵抗を3
00Ω/□以下にしなければならない。
【0230】他の変形例としては、高濃度のp+型サン
ドイッチ層を基板上に形成し、表面をそれより濃度の低
いp型層にすることが考えられる。
【0231】図37は、p-型基板91とp型層893
との間にp+型サンドイッチ層892を形成した半導体
基板の構成を示す図である。また、図38は、n型基板
895とp型層897との間にp+型サンドイッチ層8
96を形成した半導体基板の構成を示す図である。
【0232】このようなp+型サンドイッチ層は高加速
度のメガボルトイオン打ち込み機により実現できる。
【0233】上記p型層には、単位セルの構成要素であ
るフォトダイオード883、トランジスタなどの他に、
水平アドレス回路、垂直アドレス回路などの周辺回路も
形成される。
【0234】図39は、フォトダイオード883の周囲
を高濃度のp型ウェル1103で囲み、n型基板110
1上の他の部分を他のp型ウェル1102で形成するこ
とにより構成される半導体基板の構成を示す図である。
【0235】このような構成を採用することにより、フ
ォトダイオード883への暗電流の漏れ込みを防止する
ことができる。なお、半導体基板1101は、p-型基
板であってもよい。
【0236】さらに、セル周辺の水平アドレス回路や垂
直アドレス回路の一部又は全部を形成するp型ウェルの
濃度は回路設計の方から決められており、セルの最適値
とは異なるため撮像領域を形成するp型ウェルとは別の
p型層にすることも考えられる。
【0237】図40は、n型基板1105上に撮像領域
を構成するp型ウェル1106を形成するとともに、周
辺回路部を構成する他のp型ウェル1107を別々に形
成した半導体基板の構成を示す図である。
【0238】このような構成とすることにより、各構成
要素に適したp型ウェルを形成することができる。な
お、上記n型基板1105は、p-型基板であっても良
い。
【0239】図41は、n型基板1105上に撮像領域
を形成するp+型サンドイッチ層1108及び濃度の低
いp型層1109を形成するとともに、周辺回路部に他
のp型ウェル1107を形成したものである。
【0240】このような構成とすることにより、各構成
要素に適したp型ウェルを形成することができ、フォト
ダイオードへの暗電流の漏れ込みを防止することができ
る。なお、上記n型基板1105は、p-型基板であっ
ても良い。
【0241】以上説明したように、本実施例によれば、
単位セルの出力をノイズキャンセラ回路を介して出力し
ているので、単位セルの増幅トランジスタの特性バラツ
キに応じた固定パターン雑音を抑えることができる。ま
た、ノイズキャンセラ回路においては、クランプ容量9
932−1,932−2,…(以下、これらを932と
総称する。他の添え字付きの部材についても同様)とサ
ンプルホールド容量934が直接接続されて近接してい
るので、これらを同一面上に積層して形成することがで
き、容量を小型化できる。
【0242】さらに、単位セルの出力をインピーダンス
変換回路を介してノイズキャンセラに供給しているの
で、雑音出力時と信号プラス雑音出力時とで、単位セル
から見たノイズキャンセラのインピーダンスがほぼ同一
であるため、両出力時で雑音成分はほぼ同一となり、両
者の差分をとると、正確に雑音出力を除去でき、信号成
分のみ取り出すことが可能となり、正確にノイズをキャ
ンセルすることができる。また、単位セルからノイズキ
ャンセラを見ると、インピーダンス的にはゲート容量し
か見えず、その容量は非常に小さいので、短時間に確実
にノイズをキャンセルすることができる。
【0243】また、単位セルを形成する半導体基板とし
て、p-型不純物基体と、p-型不純物基体上に形成され
たp+型不純物層とからなる基板を用いることにより、
単位セルに進入する暗電流を低減することができ、か
つ、基板表面の電位を安定させることができるので、雑
音除去回路(ノイズキャンセラ回路)を確実に動作させ
ることができる。
【0244】尚、第16の実施の形態において示した上
述のノイズキャンセラ回路部分は一例であり、他の公知
の回路を適用可能である。
【0245】以上、この発明によれば、単位セルでの光
電変換ゲインを高くして高感度を得ると共に、寄生容量
を介する増幅トランジスタのゲートへの垂直信号線等か
らの雑音の飛び込みを抑圧して低雑音を実現可能な固体
撮像装置が得られる。また、この高感度、低雑音の固体
撮像装置を用いた高解像度、高画質の応用装置が得られ
る。
【0246】なお、本発明は上述の具体例に限定される
ことなく、種々変形して実施可能である。
【0247】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、素子分
離領域近辺の結晶不整合が空乏化することにより発生す
るリーク電流によって再生画像を著しく劣化させること
のない固体撮像装置を提供することができる。また、こ
の高感度、低雑音の固体撮像装置を用いた高解像度、高
画質の応用装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の固体撮像装置の第1の実施の形態に
係る単位セルの構造を示したもので、(a)は断面図、
(b)はその平面図である。
【図2】図1のように構成された固体撮像装置の単位画
素の不純物のプロファイルを示した特性図である。
【図3】第2の実施形態を示したもので、単位セルの構
造の断面図である。
【図4】図3のように構成された固体撮像装置の単位画
素の不純物のプロファイルを示した特性図である。
【図5】第3の実施形態を示したもので、単位セルの構
造の断面図である。
【図6】参考例1に係る単位セルの断面構造を示したも
ので、(a)は断面図、(b)はその平面図である。
【図7】参考例2に係る単位セルの断面構造を示したも
ので、(a)は断面図、(b)はその平面図である。
【図8】参考例2の変形例を示したもので、(a)は断
面図、(b)はその平面図である。
【図9】従来の一般的な増幅型MOSセンサと称される
固体撮像素子の回路図の一例を示した図である。
【図10】単位画素のうちフォトダイオード部分の構造
を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
【図11】従来の固体撮像装置の単位画素の不純物のプ
ロファイルを示した特性図である。
【図12】固体撮像素子の基本的構成を示す図である。
【図13】画像検出部としてMOSセンサを用いた装置
の一般的構成を示す図である。
【図14】カラーフィルタアレー104とMOSセンサ
105を一体化した構成のMOS撮像デバイスの一例を
示す断面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態を説明するための
図であって、本発明におけるMOSセンサを用いたビデ
オカメラの実施例を示す構成図である。
【図16】本発明の第6の実施の形態を説明するための
図であって、本発明におけるMOSセンサを用いた別の
ビデオカメラの実施例を示す構成図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態を説明するための
図であって、本発明における増幅型MOSセンサのネッ
トワークシステムでの応用例を説明するための図であ
る。
【図18】本発明の第8の実施の形態を説明するための
図であって、本発明における増幅型MOSセンサのスチ
ルカメラへの応用例を説明するための図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態を説明するための
図であって、本発明におけるMOSセンサを用いたファ
クシミリ装置の実施例を示す図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態を説明するため
の図であって、本発明におけるMOSセンサを用いた電
子複写機の実施例を示す図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態を説明するため
の図であって、本発明におけるMOSセンサを用いたハ
ンディ形イメージスキャナの実施例を示す図である。
【図22】本発明の第12の実施の形態を説明するため
の図であって、機械切り替え式のカラーフィルタを用い
た増幅型MOSセンサの構成例を示す図である。
【図23】本発明の第13の実施の形態を説明するため
の図であって、本発明における増幅型MOSセンサのフ
ィルムスキャナ装置への応用例を説明するための図であ
る。
【図24】本発明の第14の実施の形態を説明するため
の図であって、本発明におけるMOSセンサを用いたオ
ートフォーカス機構付きの1眼レフカメラの実施例を示
す図である。
【図25】オートフォーカス機構の焦点合わせの原理を
説明するための図である。
【図26】本発明の第15の実施の形態を説明するため
の図であって、MOS型固体撮像装置の構成例を示す回
路図である。
【図27】第15の実施の形態における垂直アドレス回
路の回路構成例を示す図である。
【図28】第15の実施の形態における垂直アドレス回
路の他の回路構成例を示す図である。
【図29】第15の実施の形態における垂直アドレス回
路のさらに他の回路構成例を示す図である。
【図30】第15の実施の形態の動作を示すタイミング
チャートである。
【図31】MOS型固体撮像装置の従来例の構成を示す
回路図である。
【図32】図31に示す従来のMOS型固体撮像装置の
動作を示すタイミングチャートである。
【図33】第15の実施の形態におけるノイズキャンセ
ラ部分の装置構造を示す断面図、である。
【図34】第15の実施の形態における単位セルの装置
構造を示す断面図である。
【図35】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板の変形例を示す図である。
【図36】CCD型固体撮像装置の従来例のセルの断面
図である。
【図37】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板の他の変形例を示す図である。
【図38】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板のさらに他の変形例を示す図である。
【図39】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板のさらに他の変形例を示す図である。
【図40】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板のさらに他の変形例を示す図である。
【図41】第15の実施の形態における単位セルの部分
の半導体基板のさらに他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
21…シリコン基板、22…n型領域、23…素子間分
離絶縁層、24…p+領域(チャネルストッパ用)、2
5…空乏層、26…結晶不整合、27…素子間分離絶縁
層の端部、29…p+領域(界面準位シールド用)、3
0…p+領域(欠陥シールド用)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 郁子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 野崎 秀俊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭59−130466(JP,A) 特開 平1−303752(JP,A) 特開 平2−54561(JP,A) 特開 平10−98176(JP,A) 国際公開97/007631(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/339 H01L 27/14 - 27/148 H01L 29/762 - 29/768 H04N 5/335

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1導電型の半導体基板上に形
    成された第1導電型と第2導電型の接合部より成る光電
    変換部と、この光電変換部と信号走査回路間に配された
    素子間分離絶縁層とを備えた固体撮像装置に於いて、前記光電変換部を形成する信号電荷と同じ第2導電型の
    拡散層領域の光電変換部基板表面からの接合深さは、前
    記素子分離絶縁層の前記光電変換部基板表面からの深さ
    よりも大きく、 前記光電変換部の表面には第1導電型による界面準位シ
    ールド用の領域が形成され、前記素子間分離絶縁層下に
    は前記光電変換部の形成されていない領域に第1導電型
    の素子分離領域が形成されると共に、素子間分離絶縁層
    近くに生じる前記半導体基板の結晶不整合の前記光電変
    換部における接合部の空乏層への到達を抑制すべく、前
    記素子間分離絶縁層下には前記界面準位シールド用の領
    域と前記素子分離領域との間にこれらに接し、且つ、前
    記結晶不整合を囲む第1導電型の欠陥シールド用領域が
    形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 【請求項2】被写体からの光学像を受光し、この光学像
    を所定位置に導く光学系と、 前記所定位置に導かれた光学像を画素単位で前記光学像
    の光量対応の電気信号に光電変換するセンサを備えた画
    像処理手段、この画像処理手段の出力を所定形態に加工
    して出力する信号加工部を有し、前記センサが、前記所
    定位置に配置された光電変換素子と、 この光電変換素子と接続された増幅MOSトランジスタ
    を含み、前記光電変換素子の出力を増幅して出力する出
    力回路と、 を有し、 前記センサは請求項記載の固体撮像装置を用いている
    ことを特徴とする固体撮像装置応用システム。
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